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<飯舘村に残された犬達> 週末の郡山での党大会の後、半年ぶりに
<飯舘村に残された犬達> 週末の郡山での党大会の後、半年ぶりに飯舘村を訪れた。折からの豪雪で村は 真っ白に覆われ、さびれた現状まで覆い隠してしまったため、人が住んでいな いようには見えなかった。そして美しい雪景色に圧倒される程、失ったものの 大きさが身に沁みた。 「飯舘村のお父さん」として慕う M さんが、どうしても会わせたい人がいると 言う。避難の際につながれたまま残された犬達を助け続けている、平山ガンマ ンさん。サラリーマンでありながら、毎週末、千葉から飯舘村に通う。 東日本大震災後、飯舘村は「計画的避難区域」に指定され、約6千人の村民が 全員村を離れた。仮設住宅に入った人も、つてを頼って移住した人も、ほとん どの場合、ペットを連れて行くことは困難で、泣く泣く置き去りとするしかな かった。 このことに心痛め、当初、家畜の救済に奔走した人達がいたことは報道されて いた。但し、ペットとなると、震災後、日の浅いうちは、 「人間の生活再建もま まならないのだから後回し」という風潮が圧倒的だった。それは仕方ない現実 だったかもしれない。 しかし、あれからまもなく3年が経とうとしている。その間、飼い主を待つ犬 達はつながれたまま、3度目の厳しい冬を過ごしている。飼い主が定期的に訪 れエサを補給しているケースもあるが、遠くに住んでいたりして通えない人も 多く、ボランティアによるケアでやっと命を繋いでいる犬達もいるのだ。 M さんの家には動物がたくさんいた。大型犬が 3 匹と猫が 7 匹、アヒルが 3 羽。 避難するにあたり、2人は必死で引き取り手を探した。私は2匹の猫を預かっ た。結局、犬 2 匹は家に残ることになった。今は M さん夫妻が除染作業に通っ てくる度にエサをあげ、散歩をさせ、思いっきり甘やかす。平山さんによれば、 ここの犬達はかなり恵まれている方だと言う。 飯舘村にはこのように外につながれたままの犬達が推定150匹いる。中には 寒さと飢え、不安が重なり、病気になったり死んでしまったりする犬達もいる。 与えた筈の水は凍っていて飲めない、与えた筈のエサの大半は夜中に何百匹も のネズミに平らげられてしまう・・・そんな厳しい現実と戦いながら力尽きて しまうのだ。 平山さんは一念発起して、飯舘村に犬を保護する施設を作ることにした。その 思いに共感した M さんが土地を提供すると申し出たのが昨秋。それから様々な 行政の壁を乗り越え、犬を収容するプレハブ施設とドッグランからなる「福光 の家」が完成した。私は、最初の11匹の犬達を連れてくる日にたまたま居合 わせたのだ。 犬達を連れてくると言ったって簡単ではない。飼い主を探し、連絡し、説得す る。飼い主だって好きこのんで今の状態を放置しているわけではないし、ペッ トには自分達が帰る日まで家で待っていてほしいと思う人もいるからだ。苦し いながら無料で預かるのも、飼い主が決断しやすいようにとの配慮だ。 施設を作るのに250万円程度掛かり、今後の維持費は常駐のスタッフの人件 費も含め月30万円程度掛かるが、すべて国内外からの寄付で賄うという。行 政がなぜか全く動かない、1円たりとも出さないことに業を煮やし、自ら動い た結果だ。しかし、自ら資金集め、人集めをしながら毎週末、千葉から通い続 ける状況は持続可能だろうか。平山さんが倒れたら犬達も共倒れになってしま う。 復興特別会計では2.2兆円が繰り越され、1.2兆円が不用となっている。また、 向こう25年間、国民には復興特別所得税が課され、7.3兆円の税収が見込ま れる。行政が動かない中、すべての大変な部分をお膳立てし、問題を解決し物 事をとにかく前に進めてくれる個人や団体に、もう少し柔軟に予算をつけられ ないものなのか、検討する必要がある。 ■平山さんの活動の詳細はこちらでご覧下さい。(facebook に飛びます) https://www.facebook.com/ganmann.hirayama/posts/259232167577650