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ルピナス通信1

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ルピナス通信1
〒174-0076 東京都板橋区上板橋 2-3-5 メゾンみや 1 階
ルピナス通信
TEL:03-3935-5050 FAX:03-3935-5058
事業所番号:1362190207
( Vol.1 2013 年 8 月号)
2013 年 7 月 27 日(土)に「第 2 回
地域ケアをかんがえる会」を開催しました。今回は、「高齢者の
足を科学する」というテーマで、気鋭の福祉工学研究者「山下和彦教授」をお招きし講演いただきました。当
日は 16 名のご参加を頂き、講義や足指力の測定で、あっという間の 2 時間でした。ルピナス通信第 2 号は、
当日の要約レポート特集です!
山下和彦教授 略歴:東京医療保健大学 医療保健学部 教授。1972 年 12 月 18 日生まれ。北海道出身。平成 15 年東京電機大
学大学院工学研究科情報通信工学専攻博士課程修了(工学博士)。専門は高齢者福祉工学、計測工学、細胞工学。高齢者の身体機能計測
機器や転倒リスク評価指標の開発、メディカルフットケアによる身体機能の向上と転倒予防などの研究に従事。
「高齢者が元気に快適に生活するには?」
日本は世界一の長寿国。しかし健康寿命については不安な方が多く、高
齢になっても元気に快適に生活するにはどうすれば良いかお悩みの方も
多いのではないでしょうか?その中で今後は、治療に加え「健康をどのよ
うに維持するか」という予防の発想が重要になってきます。今回のテーマ
である「足」ですが、「足」すなわち「移動能力」の低下は介護が必要と
なる要因の上位を占めています。本日は、足のメカニズムや転倒のメカニ
ズムを知り、健康維持・転倒予防について考えていきたいと思います。
「転倒はなぜ起こるのか」
1 年間に約 20%程度の高齢者が転倒するとされています。70 歳を超えると発生率が高まってきます。転
倒した方のうち実に 10%が骨折に至り(女性の転倒骨折発生率は男性の 4 倍)、これが発端となり要介護状
態に至るケースが多く見られます。転倒は何故起きるのでしょうか。
歩行するには地面を蹴る足の力が重要です。転倒の要因の1つとしては、地面を蹴る「蹴り出し」の力が不
十分なことがあります。蹴り出しには「足の指の力」「足の裏の安定面積の確保」などが重要なのですが、何
らかの理由によりこの蹴り出しが不十分となると、足が地面から離れず転倒につながるのです。高齢者の転倒
要因のうち 40%は、つま先が地面に引っかかったことによるものです。
「転倒の原因を可視化する」
転倒を防ぐという観点からは、蹴り上げる力を確保できれば良いので
すが、一体どの程度必要なのか?また力が弱まっている原因はどこにあ
るのか。私達は、こうした因子を数値などで見えるようにして原因と対
策を明らかにする取り組みをしています。
今日は参加者の皆さんに足指力測定、膝間力測定、足圧分布測定をし
て頂きました。
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参加された方で、足指力・膝間力が転倒リスクラインにある方はいらっし
ゃいますでしょうか?(足指力平均:男性:3kg 女性:2.5kg、膝間力平均:
男性女性とも 18kg ※当日測定した方は、4 分の 1 程度が「リスクあり!」
でした。皆さんトレーニングを頑張りましょう!)
足の筋力を鍛えても、足指力、膝間力を鍛えないと転倒リスクが高まりま
す。車に例えるとエンジンの馬力はあるけれどタイヤがパンクしている状態
です。
また足裏のバランスも重要です。重心のかかり方によってトラブルが発生
します。①足の指が地面についているか?(身体制御に指が働いているか)、
②重心が踵に寄っているか、③中足部のバランスが取れているかといった点がポイントです。
歩く際に足の指が地面をつかめていないと、十分な蹴り上げができません。また歩く時、足の裏には体重の
2 倍程度の力がかかるのですが、これを土踏まず(中足部)できっちり吸収できていないと、膝と腰に負担が
かかってきます。例えばタコやウオノメは削ってしまえば無くなりますが、足の裏の根本的な問題を解決しな
い限り再発します。
これまで私達が実施してきた足圧測定では、足指が 5 本とも地面についている高齢者は 20%程度でした。
つまりほとんどの方が転倒リスクを抱えていることになります。
「フットケアの必要性」
しかし、足の筋力と柔軟性を鍛えることにより、転倒リ
スクを減少することができます。特に柔軟性は鍛えれば効
果がすぐに表れてきます。足裏をマッサージして筋肉をほ
ぐし、またつま先の問題(足部異常を改善する、指の力を
強化する)を解決し蹴り上げる力を強化していくことで、
転倒のリスクは減少します。
さらに足部異常の予防・改善も大きなポイントです。足
部異常があると転倒リスクは飛躍的に増します。爪変形の
方で 46%、外反母趾の方で 50%もの方が転倒されてい
ました。健常者群の 20%と比較して大きな差があります。
またこうした方は転倒不安も抱えているため、閉じこもり傾向も増すことになります。
私たちの事業では、メディカルフットケア JF 協会と提携してフットケアを提供してきましたが、例えば自
宅で簡単にできるフットケアもあります。例えば爪でしたら、爪の間の汚れを歯ブラシで落としたり、爪の切
り方を工夫すること(爪は指の形に切る。指から 1mm 程度爪が出る程度の長さに切る。やすりで削る時は
一方向のみに力を加えて削っていくこと。)などがあげられます。
また、風呂に入った時などに足指のマッサージをしたり、足指じゃんけんなどをする、あるいは筋力を鍛え
るために足指で新聞紙を丸めるという運動(新聞紙ギャザー)も足指力の強化には効果的です。
2
「予防を継続するためには」
ただ、こうした取り組みも最初は楽しいのだけど、ど
うしても続かない・・・のも現実です。私たちはその点
にも工夫をしてきました。
例えば埼玉県志木市で実施してきた 2 次予防事業で
は、
①初期状態の計測→②メディカルフットケアや運動
指導の実施→③改善状態の継続的計測を行い健康の変
化を見てきました。皆さん積極的にご参加いただけたの
ですが、その要因は 1)数値によって状態を「見える化」
したこと、そして 2)運動やフットケアによって改善し
ていく数値を自分自身が確認できたことでモチベーシ
ョンが上がり、3)「変わっていく自分」を体験して貰えたことだと思います。
参加者は楽しく、前向きに行動変容していく。これを私たちは「魅せる化」と呼んでいます。やってみて楽
しく、実際に効果も上がっていることを、具体的に実感できる。測定はモチベーションを上げるためのツール
として非常に効果的なのです。
「フットケアで転倒を予防しよう」
これまでお話してきたように健康維持と転倒予防には、
「身体機能を定量的に調べること(何となく弱ってきた…から、数値で把握する)」
「足部・足爪のケアを継続的に行うこと」
「予防を継続できる仕組みつくり。1 回やって終わるのではなく、定期的に続けること」
が重要です。やって楽しいと思える支援が必要です。
ぜひ、身体作りと健康づくりを進められるよう、ともに活動していきましょう。
山下先生
ありがとうございました!
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<アンケート結果> 参加いただいた皆様の感想です! ※直筆をそのまま掲載しているため、印刷が不鮮明な点をご了承ください
<次回ご案内> 第 3 回 地域ケアをかんがえる会
<連絡>
FaceBook ページを開設しました!
日々の取り組みや、訪問看護、地域ケアに関する情報
■日時:8月10日(土)
13:30
於
~
を発信するために Facebook ページを開設しまし
15:30
た。是非、チェックして「いいね」を押してみてくだ
訪問看護ステーション ルピナス
さい!
■講師:ケアセンター「けやき」
在宅支援部門常勤顧問
米田睦男
先生
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在宅での生活を送っていく上で、リハビリはとて
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03-3935-5058 までご連絡先・
発行者 訪問看護ステーションルピナス TEL03‐3935‐5050 / FAX03‐3935‐5058 東京都板橋区上板橋2‐3‐5メゾンみや1階
ちなみに・・・
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訪問看護でも
訪問看護でも足
でも足のケアができることを
ケアができることを皆
ができることを皆さんもご存知
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