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CADCAMの活用研究

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CADCAMの活用研究
CAD/CAMの活用研究
平成24年度 課題研究
愛知県立半田工業高等学校
3年1組
畑野健太 富田祐輔 細川祐司
村松且哉 市場
1
陸 杉本
悠
はじめに
パソコンが得意で、NC 工作機を使いこなすCADCAMを勉強したい。2年の実習でCADが楽
しくて好きになった。フライス盤の実習も良かったので、CAMも勉強してNCプログラミングを習
得したいからこのテーマを選びました。CADCAMで鋳型を加工できればアルミ鋳造もできると聞
いて、是非やりたいと思った。また、地域の人たちにものづくりの素晴らしさを伝えたいから、半田
市子ども科学体験教室では子どもが見て楽しめる風鈴を作ることにしました。
2
目標
CADCAM を活用した次の目標をたてて取り組むことになった。
(1)フリーソフトを活用したCAD/CAM の習得とマニュアル作成
5 月末までソフトの習熟をしながら、1学期末までに完成予定のものが8月末まで遅れる。
(2)二次元彫刻加工
半田市子ども科学体験教室で配る風鈴を夏休み(8/5)までに仕上げる計画は予定通りだった。
記念プレートのデザインと試作を 9 月末までに完成させる予定が 10 月中旬まで遅れた。
(3)アルミ鋳造用の発泡鋳型の製作
10 月中頃から急ピッチでデザインし、月末に鋳造をして文化祭直前に鋳込み完成させた。
3
活用内容
3-1-1 CAD/CAMの流れ
CADからCAMへの流れは図形データのベクトルデータから NC 言語を生成して行う。
(1)
JW‐CAD で画像を作成
・ワーク原点:加工を行う際の基準となる位置
・加 工 範 囲:切削工具の移動範囲
(2) JW‐CAD でレイヤ変更
・レイヤ変更
加工する図形レイヤ(層)、加工範囲指定の
レイヤ(層)、ワーク原点のレイヤ(層)を分ける。
(3) NCVC で G コードを生成する
マシニングセンタなどの大型加工機で加工を行う
ために NCVC で G コードを生成する。
レイヤーを分けることにより、座標計算をして
G コードを生成していると思われる。
軌跡描画で確認したあとに、深さ指定や切削条件
を使用工具と材料に合わせて変更する。
また、本校のマシニングセンタは(株)オオクマ製
のため、実際に加工する為には、原点コードや工具
長補正などのメーカー仕様変更を行う必要がある。
3-1-2 ペイント→CAD/CAM への流れ
JW_CAD での画像加工は自由曲線を作図するのが難しく、思ったとおりのデザインを再現するの
が難しいため、新しい試みとしてペイントなどの画像加工ソフトを使って、
画像処理を行ってから通常の CAD を行うことでデザイン性を高めた。
(1) 使用ソフト
・画像加工ソフト
windows 付属のペイント
・変換ソフト
Scan BMP(フリーソフト)
Pict Bear(フリーソフト)
(2) 手順
・BMP データの作成
画像加工ソフトで画像データを作成。 Pict Bear でモノクロカラーに変換した場合、
再びフルカラーに戻さないと JW_CAD に取り込んだ際ノイズ化してしまう。
保存形式は BMP にする。
・ScanBMP でベクトルデータに変換
・ソフトの起動
ScanBMP6.exe を起動。
・ファイルの選択
「ファイルを開く」から
指定の BMP ファイルを
選択し、読み込む。
・スケールの変更
「計算」から、倍率、
解像度の指定を行う。
・データの保存
「データの保存」から
データの保存を行う。
保存形式は JWC
・変換した図形
3-2 二次元彫刻加工(風鈴・記念プレート)
(1) 使用ソフト:Dr.Engrave について
後述の CAMM3 の加工図面を作るソフトで、ペイントのように画像データを作れる。
・メリット
実際に図面を引くよりも正確にでき、作り直しもしやすいため初心者でもできる。
特定の形式に変換した画像データを貼り付けることが出来る。
(2) 加工機械 :CAMM-3について
切削機械の一つで、前述の Dr.Engrave で作った
データを読み取って材料を加工する。
・メリット
色々な材料を加工でき、切削部分であるエンドミル
を用途によって使いわければ大小様々な線を切削で
きるなど加工の自由度が高い
設定をすれば加工は機械が自動で行うので旋盤などの
ように技術や慣れによる作品の違いはほとんど無い。
・デメリット
どの機械にも言えることだが間違えた設定をするとエンドミルや材料を破損させる危険がある。
この場合 CAMM-3のエマージェンシーボタン(赤いボタン)を押す事で作業を途中終了させられ
るので、それを使い被害を最小限にする
3-2-1 半田市子ども科学体験教室に出展
箱型のアルミ材の中にひもで固定したボルトを通した工業らしい風鈴を作る。(アルミ材の外側には
イラストを前述の CAMM-3 で削り子供の興味を引けるようにした)
製作手順は、縦横 20mm のアルミ材を長さ 55mm になるようにハンドソーで切断、ヤスリで触れた
際にケガをしないようにバリや角を取る。次に、アルミ材の加工したい面を上向きに冶具にセットし
て CAMM-3用の画像データを作り、そのデータを CAMM-3 に出力(印刷)する。この時 MANUAL
ボタンや材料の位置に注意してからやるとよい。
CAMM-3 の設定については、0 点取り→材料の設定→確認後に MANUAL ボタンを押す。
加工後は、切削した面に隣接する 2 つの面に卓上ボール盤で穴をあけ、ひもの通し穴を作る。
この手順は、トースカンでアルミ材の上から 10mm、横から 10mm の位置に印をつけてポンチを打
つ、そこを卓上ボール盤で穴をあけ、仕上げはピカールで切削した面を含めた 4 面を磨く。
側面に
穴明け
風札
3-2-2 50周年記念プレートの試作
CAMM-3 を用いて半田工業高校 50 周年又は 50th をいれたデザインを樹脂の板材に切削する。
風鈴と同じように画像データを作り CAMM-3 で切削する。
記念プレートの製作の工程は風鈴作りの工程と同じで切削工程で苦労する事はなかったが 50 周年
用のデザインが中々思いつかず時間がかかってしまった。
破断線で区分けされた
合
成
し
た
図
プ
レ
|
ト
個々の図を合成した
アルミ角パイプ
3-3 発泡消失鋳型の製作
3-3-1 3DCADによる立体造形(モデリング)
・Alt Designer を起動
・Alt Designer 画面
Alt Designer を使う理由
・ 3 次元 CAD としては、
初心者でも使いやすい
ソフトだから。
・
まず、この画面で平面の図形を完成させます。
加工には多様な種類がある「ツールバー」を用います。
・ 加工した図面のボディ化とブーリアン
ボディ化・・・スケッチ要素を使用してボディを作成します。
(スケッチ要素を選択→右クリック→ボディ化→押し出し形状→押し出し距離入力→OK)
すると、下の図のようになります。
ボディにはソリッドボディ
とシートボディという2種
類があります。
オートリンクを間違える等
の理由によりスケッチ要素
が1つにつながっていない
とシートボディになってし
まいます。
ブーリアン・・・二つのボディを演算し、一つのボディにすること。
・ STL 出図
<出図前>
<出図後>
Standard Triangulated Language
(スタンダード・トライアンギュレイ
テッド・ランゲージ、略称:STL)は
三次元形状を表現するデータを保存
する形式のひとつとされる。
MDX-40 で加工するのに必要な
→
データ形式である。
3-3-2 スタイロフォームにオリジナルデザインを加工
使用材料:スタイロフォーム
はじめに、MDX-40 とは・・・優れた切削性能や
手軽な操作性を持ちながらも、低価格を実現した
切削 RP マシンのニュースタンダードモデルです。
(1) モデリング加工をする前のプロセス
①
3D データを分割修正する。
②
切削の流れを考える
③
ツールパスを選択する
MDX-40
[ツールパスの種類]
・走査線・・・平坦面の仕上げに適している
・等高線・・・切立つ傾斜面の仕上げに適している
・螺 旋・・・縦横走査線パスで時間短縮に優れている
走査線
MDX-40 でできる加工
等高線
螺旋
(2) モデリング加工の操作方法
①
MDX-40 操作パネルの呼び出し
「スタート」メニュー → 「コントロールパネル」又は「プリンタと FAX」
「Roland MDX-40」アイコンを右クリック→「印刷設定」をクリック
操作パネルで XYZ を合わせる。
②
MODELA Playar4 の操作方法
・データの取り込み
・モデル原点の設定
モデルアイコンをクリック
・材料の設定 →
MODELA Playar4 操作画面
・新規工程の作成(面だし、荒削り、仕上げ切削の順に作成する)
工程をそれぞれ設定していく。
・切削形状の確認
「切削プレビュー」で切削形状を確認すること!(バーチャルモデラー)
・加工出力
「切削」アイコンをクリック→「続行」→MDX-40 が切削します→完成
3-3-3
鋳造作業
①型込め作業
ふるいで細かい砂
をかけ、手で上から
固める。途中からふ
るわず砂入れして、
枠外へ張り出すよ
うに固める
②押し湯のために、湯口
③ガス抜きのため、型を
④アルミ溶解炉
コークスの火色
付近をすり鉢状に固める
傷つけないように串刺す
がうすオレンジで約800℃弱
インゴットとアルミ廃材利用した
⑤
鋳込み 溶けたアルミを型に流し込む。
完成作品
発泡スチロールが一瞬で燃えてガスになる
⑥
左:型 右:鋳物
4
まとめ
(1) フリーソフトを活用したCAD/CAM
・画像編集や CAD は、おおむね理解できた。
・JWCAD から NCVC へのデータ変換はミスしやすいので苦労した。
・マニュアル作成には、図解を盛り込み、ミスしやすい箇所には※注記を入れた。
・CAMM3実習に ScanBMP を使うとデザインの幅が広がる。
・有料ソフトに頼らず、無料ソフトを利用しても自由度の高い作業ができることを学んだ。
・ビットマップデータをベクトルデータに変換することで、デザイン性を高めた CADCAM ができ
ることを知った。
(2) 二次元彫刻加工(風鈴・記念プレート)
・最初のデザインに懲りすぎて切削時間が長くなり、後半のデザインを簡素化してしまった。
・シンプルでかつわかりやすいデザインを考案した。
・アクリルプレートの試作はできたが、記念プレートの製作が式典に間に合わなかった。
・CAMM-3 で切削する際に、材料の左側と右側で切り込み深さに差が発生した。CAMM-3 の台が
傾いているかどうか、水準器を使って調べるべきだった。
(3) アルミ鋳造用の発泡鋳型の製作
・3D-CADでのモデリングは難しかったが、鋳物ができたときの喜びは計り知れなかった。
・モデリングの一部で丸みを出すことがうまくできなくて苦労した。
・黄金長方形を立体造形し、アルミ鋳造ができた。
・サイズ制限もあり、加工したいデザインがロボットの頭部たげになった。
・加工機の加工範囲を確認してデザインしないと、使用ツールの高さや深さ制限に干渉してしまう
ことがある。
・鋳型製作に時間がかかりすぎで(3時間から10時間)実習では採択できない。課題研究だから
できたと思う。
5
感想
・風鈴製作 100 個はたいへんだったが間に合って良かった。(穴あけやバリ取り)
・説明の通り、ほぼ初心者の自分たちが画像データの変換等を使う事で思ったとおりに加工ができ
たのがうれしかった。
・記念プレートのために個々のデザインを合わせることを検討したが、思うようには合わせられな
かった。
・発泡鋳型の造形時点でロボットのカメラ部分がつぶれたのが残念だった。
・鋳造は楽しくできた。
(自分の好きなデザインが形になること)
・発泡消失鋳型によるアルミ鋳造は細かいところまで造形できるので感動した。
・いろんな事がやれて楽しかった。
6 謝意
アルトデザイナーを使った3次元CADで困っていたときは深谷先生にご指導いただいた。
また、アルミ鋳造では竹内孝先生に手取足取りご指導いだだき、楽しみにしていた作品が完成でき
たことに本当に感謝いたします。
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