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亘ヨ!
電力システム改革の基本方針
一国民に聞かれた電力システムを目指して-
平成24年 7月
電力システム改革専門委員会
目次
I 何故、電力システム改革なのか..…・・
1.日本再生の課題~低廉で安定的な電力供給~・ H ・....… H・ H・-…....・ H ・....・ H ・ ..1
2
.["電力供給」を巡るパラダイムシフト....・ ・
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3
.今日までのシステムと技術の蓄積を活かす....・ ・
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E 改革の基本方針....・ ・
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1.需要サイド(小売分野)の改革… ・・
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1
)小売全面自由化(地域独占の撤廃)・
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2
)料金規制の撤廃(総括原価方式の撤廃ト .
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3
)自由化に伴う需要家保護策の整備… ・・
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4
)節電型社会へ向けたインフラ整備…....・ ・
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2
.供給サイド(発電分野)の改革-…..・
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1
)発電の全面自由化(卸規制の撤廃)…....・ ・
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(
2
)卸電力市場の活性化(発電分野の取引活性化)… ・・
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3
)省エネ電力の供給電源化(需要抑制による供給力確保).… .
(
4
)供給力・供給予備力の確保.…...・ ・
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1
)送配電部門の「広域性」の確保(1広域系統運用機関」の創設).
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0
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2
)送配電部門の「中立性」の確保..........・ ・
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3
)地域間連系線等の強化(設備増強と運用見直し)… ・・
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2
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(
4
)託送制度の見直し(130分実同時間量ノレーノレJ
の見直し).
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4
.詳細設計へ向けた検討課題…....・ ・
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(1)小売自由化に伴う措置…....・ ・
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)発電自由化・卸市場活性化に伴う措置..........・ ・
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3
)送配電中立化に伴う措置… ・・
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(
4
)規制機関のあり方……....・ ・
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9
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(
5
)その他の重要検討事項…・・・・…........………..… ・・
… ・・
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(参考)委員名簿.…...・ ・
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電力システム改革の基本方針
一国民に聞かれた電力システムを目指して一
I 何故、電力システム改革なのか
1.日本再生の課題
低廉で安定的な電力供給
電力が、国民生活と企業活動にとって不可欠の財であることは言を侠たない。
戦後の我が国の国民生活の発展や経済成長には、「当たり前のように良質の電
気が手に入る」環境が整備されてきたことが大きく寄与してきた。この「当たり前の環
境」を、垂直一貫体制による地域独占、それによる投資回収の保証(総括原価料
金)、大規模電源の確保と各地域への供給保証によって実現してきた。
こうした体制は、原子力や高効率火力、系統の技術開発にも寄与してきた。これ
が我が国の国家競争力の基盤を創ってきた。
低廉で安定的な電力供給は、我が国の不変の強みでなければならない。
しかしながら、東日本大震災は、この長年にわたる電力供給システムの持続可
能性について大いなる疑問をもたらした。
一つに、エネノレギーミックスの問題。他のエネルギーに比べて圧倒的なエネル
ギー密度(効率)を誇り、エネルギーの自立、コスト、温室効果ガス低減効果等あら
ゆる角度から最も優れていると考えられてきた原子力発電への信頼が根底から揺
らぎ、中長期の「エネルギーバランス」及び「電源立地」を抜本的に見直さなければ
ならないこと。
二つに、原子力を中心とする大規模電源の限界とリスクが露呈する中で、これま
でのように地域割の垂直一貫体制が、本当に国民利益の増進に相応しいシステム
なのかどうか。
2
.i
電力供給」を巡るパラダイムシフト
「安くて手軽な電力の時代」は終わった。
地球環境問題への対応は、よりクリーンなエネルギー、再生可能エネルギーへと
世界を駆り立てた。
化石燃料を巡る国際情勢は不透明性を増している。新興国の伸張とともに、世
界のエネルギー需給は急速に逼迫度を増している。
そして、東日本大震災の大きな教訓。天災への更なる備え、化石燃料の不安定
性と地政学的リスクへの備え、原子力依存度の低減とそれに伴う関連コストの増大
等々、エネルギーコストは今後更に高まる見通しである。
原子力発電への依存度を極力低減させ、省エネルギー・節電対策を抜本的に
強化し、再生可能エネノレギーの開発・導入への資本投入を加速させ、化石燃料イ
ンプットを最適化し、「大規模」と「分散型」のバランスある競争的な市場を創ってい
くことは、国や地域、企業や需要家の総力を挙げた挑戦となっていく。
再生可能エネルギー・分散型電源・省エネ社会と省エネ電力取引(節電した分
の売買を行うネガワット取引)、卸市場の活性化等のあらゆるイノベーションを加速
化させ、 1
0年後、 20年後のエネルギーミックスを先取りした電力市場の改革に、ま
さに今、着手しなければならない。
I競争力の強化jI地球環境問題への挑戦」という 3つの
「エネルギー安定供給 J
目標に今一度立ち返り、日本の技術を集結させ、国民が参画できる電力システム
を目指すべきである。
3
.今日までのシステムと技術の蓄積を活かす
改革を実行する際には、世界で最も高い信頼性を有する我が国の技術と人材
の蓄積、やる気を尊重することを忘れてはならない。
今日まで形成してきた技術・インフラ・人材を破壊することは決しであってはなら
ない。電気事業者が戦後 60年以上かけて築き上げてきた現在の電力インフラシス
テムを基盤とし、多様な課題を乗り越えて、新たな信頼ある電力市場の設計に共に
-2-
チャレンジできる体制をつくることが何より重要である。
電気事業者のこれまでの経験や技術の上に改革が成り立つことを再認識し、新
たな国民のニーズに応える電気事業者と国民とのコモンアプローチを図ってし、く。
新電力のみならず、一般電気事業者も、これまでの蓄積と現場力を活かし、我
が国の電気事業の最大のチャルンジャーとして、「選択型 J
I競争的」市場環境の中
で、これまで以上に使命感を持って、イノベーションを起こし、日本再生に貢献する
ことを期待する。
-3-
、
ゅ
ー
E 改革の基本方針
1.需要サイド(小売分野)の改革
全ての国民に「電力選択」の自由を保証する。
分散型の次世代システムは、需要家自身が電気を創ることを意除する画期的シ
ステムである。太陽光・蓄電池・水素エネルギーが創り出す燃料電池、それと、 IT
を駆使した制御技術のイノベーションがそれを可能にする。これが、 2030年におい
て、家庭・業務部門を中心に我が国エネルギー供給の主役になる。
他方、国際競争にしのぎを削る多くの産業群は、引き続き大規模電源が生み出
す低廉かっ安定的な電力供給を必要とするであろう。
全ての消費者が電力供給者を自由に選べる、そして、全ての供給者が安定供
給マインドをもってあらゆる消費者に電力を供給できる「市場の設計」を目指すべき
である。
「節電」もまた、電力選択の一つである。需給逼迫時においては、電力使用制限
や計画停電などの強制措置ではなく、価格シグ、ナノレが働き、市場で需給が調整さ
れるシステムへと転換する。価格、ングナルで需要が抑制され、「節電」が新たな供
給力として市場に出て行く。
(
1
)小売全面自由化(地域独占の撤廃)
現在、一般電気事業者による地域独占が法定されている家庭等の小口小売部
門について、需要家が、供給者や電源を選択できるよう、小売全面自由化を実施
する。
同時に、供給サイド(発電分野)や送配電部門の改革を行うことで、実質的に競
争が起こる環境を整備する。
ただし、「自由イ切によって、供給の空白地帯が生じたり、安定供給マインドを持
たない供給者により消費者の基本的な利便が損なわれるようなことは厳に避けれ
ばならない。「自由化の代償措置」には周到な設計を要する。
自由化しでも「選べない」状態を避け、「安定的供給」を確保しつつ、競争による
電気事業全体の効率化を図る。
同
4-
│(参考図 1
)一般電気事業者の供給区域(地域独占の区域)1
北海道電力紛返さま
(
f
沖縄電力紛,噛沖縄電力
(供給問沖縄県
。。
。
東北電力紛②量正面百
(供給区域)
脊森県、岩手県、宮城県、軌田県
山形県、福島県、新潟県
北陸電力紛骨北限・ヵ
[供給区壇?
富山県、石川県福弁県(,--郁除く〉、
瞳阜県(J)ー部
中国電力紛〆一中国電力
〈供給区粉
広島県、岡山県鳥取県、島根県、山口県
の一部
費 揖 県 の ー 音 且 香 川 県 の ー 部 兵 庫 県4
。
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J
J
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FJM
C 屯
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山川帆県県
川⋮酬明
宮内県県
暗質本
対雄性能
:E 、
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電位県県
附陥岡分
付福大
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(
I
参考図 2
)小売自由化範囲の拡大の状叫
│冊目前月【契約 kW
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1平成岬 月:
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【特別高匡産業用】大デ,規,'-模
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電力量 62%
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【高臣業暗用】
5田kw
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電力量 14%
【器圧】コンビ=‘事象所等
電力量
6%
【電荷】家庭
電力量
31%
(注}沖縄電おの自由化の範園 1.2万 kW.6万 v 以上から .16年4~1こ特別高屋需要事(原則2 千kW 以上)1ζ艦大.
-5/一
(平成 22
年度時点)
【
恒
I
l
'lコンピユ.事業所等
5%
ーカ量
(平虚22
年度時点)
【置町】家庭
電力量
33%
(平躍22
年鹿時点)
(
2
)料金規制の撤廃(総括原価方式の撤廃)
一般電気事業者が、自由な競争環境下で需要家のあらゆるニーズに応え、様
々な料金メニューやサービ、スを提供することができるよう、競争の進展に応じて、
一般電気事業者の供給義務や料金規制を撤廃する。
(
3
)自由化に伴う需要家保護策の整備
①最終保障サービスの措置
契約交渉がまとまらず、誰からも電気の供給を受けられない事態に至った場
合や供給事業者が破綻・撤退した場合等に備え、最終的には必ず供給する事
業者を定め、需要家保護に万全を期す。
最終保障サービスの提供者については、海外の事例に鑑み、①地域の支配
的事業者、②一定規模以上のシェアを有する小売事業者、③地域の送配電事
業者のいずれかが考えられ、最終保障料金をどう設定するかなど、さまざまな
技術的論点を勘案し、年内を目処に詳細設計を行う。
②離島の電気料金の全国平準化の措置
全国的な電力系統とつながっていない離島は、供給コストが高く、料金規制
の撤廃により電気料金が上昇する恐れがある。このため、コストの一部を全国の
需要家へのサーチャージにより広く薄く負担し、全国的な電気料金と遜色ない
価格が維持されるよう措置する。
沖縄電力の区域のあり方については、別途検討を要する。
(
4
)節電型社会へ向けたインフラ整備
小売全面白由化の実施前においても、スマートメーターの整備、一般電気事
業者の需給調整メニューの拡充、省エネ電力取引を行える市場の整備などを、
先行的に逐次実施していく。
-6-
I
(参考図 3)需給状況に対応した料金(デマンドレスポンス)の例│
!クリテイカル・ l
E
ピータ自のみ l
単
価
時間
時間
一
一
一
一
一
一
- ~ータリティカJ~・
』ーーi
ピーク日
単
価
時間
時間
│④リアルタイム料金 (RTP:R副 TimePricin~
-7-
2
.供給サイド(発電分野)の改革
国際競争力強化のための制度改革でなければならない。
「自由」が「競争」を生み、「競争」が「イノベーション」を生む。自由で活力ある電
力市場を創る。
原子力発電への依存度を低減させ、再生可能エネノレギーやコジェネ、分散型
電源を拡大する。多様な電源、多様な担い手が電力市場を支えることになる。大
規模電源の高効率化を進めると同時に、分散型システムや需要サイドのマネジメ
ントシステムを通じて次世代エネルギーイノベーション社会を世界に先んじて創り
上げる。
「競争的市場」は、他区域からの参入、他業種からの参入を生み出す。需要家
は、全国の電力会社から供給者を選択でき、小売分野への他業種からの参入に
より、電気以外の他の商品・サービスとの併給も可能とする。地域の特性を活かし
のみならず「電気」の枠も
た次世代型分散型システムも普及する。「電力間競争 J
越えたエネルギーサービスの融合化・ボーダレス化が進展する。新しい技術、強
靭なエネノレギー企業が圏内のみならず海外に展開してし、くことが期待される。
│(参考図 4
)今後の電力市場のイメーオ
「
Y
軍胃阿""'"時 圃 圃 罷 融 睦 瀬 幽 園 時 圃圃~;;lA泊lZl図司自[l)J士主=置圃圃
自国自国国園
小売圏国自国圏
-8-
│(参考図 5
)エネルギーサービスの融合化・ボーダレス化│
一次エネルギー
(石油、石炭、 LP
ガス、天然ガス)
一次エネルギー
(石油、石炭、 LP
ガス、天然ガス)
ガス会社
電力会社
需要家
需要家
-9-
(1)発電の全面自由化(卸規制の撤廃)
小売の全面白由化に伴い、一般電気事業者の供給義務・料金規制を補完す
る仕組みである「卸規制 J(発電事業者から一般電気事業者への長期・大量の供
給契約を総括原価方式の料金規制や供給義務等により規制)を撤廃する。
その結果、発電事業者の自由度も高まり、発電分野の市場活性化が期待され
る
。
ただし、卸規制の撤廃が、現行の各供給区域における需給に混乱を与えない
よう、移行期間における十分な配慮が必要である。
│(参考図 6
)卸規制の撤廃│
新電力
卸電力取引所
-1
0-
│(参考図 7
)卸電力市場改革の必要性│
新電力 Cの場合
同
'
畢
夜
ペース電源地e
不足する新電力に対し
セス由演質
て、ベース供給力への7?
的に可能となる環境を藍備し、電力小
売市場への新規参入を後押しするべ
きではないか.
電の最適化(広場メリットオーダー}を
実現するベーではないか.
〈詮〉園や・3
康裕成{ま簡略化している(実際のピーク幽織や竃震構成とは異なる l
.
(
2
)卸電力市場の活性化(発電分野の取引活性化)
事業者間の競争を促進し、かつ、特定の供給区域の枠を越えて最適な発電効
率を実現するためには、卸電力市場の活性化が大きな課題となる。
我が国の供給力の大半を占める一般電気事業者や卸電気事業者の電源が卸
電力取引所で取引される比率が極めて低く、また一般電気事業者同士の地域を
超えた競争もほとんど行われていないことを踏まえれば、あらゆる手法を検討し、
発電分野の取引を活性化し、将来の自律的な卸電力市場の活性化につなげて
いかなければならない。発電分野の取引活性化なくして、需要家の選択肢拡大も
望めない。
このため、「自らの電源を自らの地域のために活用する」との根本的な供給マイ
ンドを維持しながら、しかし、効率性の高い電源を全国大で最適に活用するため
のバランスある制度設計が求められる。
ー1
1-
①一般電気事業者の市場への参加
卸電力取引所の取引の厚みを確保し、全国大で効率的な電源の有効活用
(広域メリットオーダー)を実現するため、一般電気事業者による卸電力市場へ
の積極的な参加が不可欠である。
このため、卸市場が機能するまでの当面の措置として、少なくとも供給予備
力を超える電源は卸市場に投入するとの考え方を前提とし、さらに市場が健全
に機能するような取引ノレールについて、年内を目処に詳細設計を行う。
②卸電気事業者の市場への参加
卸電気事業者の電源もまた、広域的な活用が求められる。
これまで一般電気事業者との問で長期的に売電されてきた卸電気事業者の
電源を、市場や新電力にも活用できるよう、売電先の多様化を図るための方策
を検討する。
(
I
参考図 8
)卸電気事業者の売電先の多様化│
園周囲蛋璽璽盟国
覇醸蜜璽園理鵬
竺T
引に二〉直面
瞳覇
-1
2-
③需給直前市場 (
1時間前市場)の創設
価格メカニズムを最大限活用した需給調整を実現し、限界費用での電源の
有効活用(メリットオーダー)を進めるため、現在の 4時間前市場に加え、実需
1時間前市場)を創設する。
給の直前まで活用可能な市場 (
│(参考図 9
)市場類型について│
︻取引所取引︼
ぐえポッド取引〉
}
二
.
.
,
"
O一定期間櫨に畳け捜しする
竃罰を取引する市塙.
-1
3-
④新電力の電源確保と競争促進
一般的に新電力は一般電気事業者に比べ電源保有量が少ない。市場にお
ける十分な競争状態を実現するため、特にペース電源や夜間に活用できる電
源が不足してし、るとしりた新電力の事業実態に配慮した措置を講じる必要があ
る
。
具体的には、一般電気事業者のベース電源比率を勘案した供給量を目安と
して、一般電気事業者に以下の対応を求める。なお、これらは、卸市場が機能
するまでの当面の措置と位置づける。
i)r
部分供給J
のノレーノレ化
新電力が顧客開拓をしやすくなる環境を実現するため、「部分供給J(新電
力が不足している供給量を他の発電会社の供給量で賄い、それぞれの供給
者が同時に一需要家に供給する契約形態)に係る供給者聞の役割分担や
標準処理期間等について、ガイドライン化する。
!
(
参
考
図
]
10)部分夜話日判
↑
(供給側②・時間帯により区分される部分供給)
いわゆる『縦切り部分供給」
使用電力
f…J
(供給例①:使用電力により区分される部分供給)
いわゆる「横切り部分供給
型竺竺
新電力が供給
ir
抑 制
時間
-1
4
回
i
並)常時ノ〈ックアップ料金の見直し
「常時パックアッフ。 J(一般電気事業者が新電力に対し不足している発電量
を売電する供給形態)の料金体系を、一般電気事業者のベース電源コストに
基づいた価格設定に変更するよう一般電気事業者に求める。
│(参考図 1
1)常時パックアップとは│
新電力必要供給力
自家発電般備など
く販売分〉
100
自家発電余剰等
く自社調達分〉
80
]
二
二I
I
長2
2
2
)
伊il I
卸電力取引所
間違不足分
一回気事業者
11
I(参考図 12) 青扉i元/~テ云プの料金体系見直叫
四明金体系(全電源平均)とペース蜘こよる料金体系のイメ~,;
I
現行:全電源平均のコストを踏まえた
常時パックアップ料金体系
高
支払総額
L
見直し後:ペース電源のコストを
踏まえた常時バックアップ料金体系
基本料金の
引き上げ
低
負荷率
-1
5-
高
(
3
)省エネ電力の供給電源化(需要抑制による供給力確保)
省エネ電力を供給力として組み込む。そのため、現行の 4時間前市場の改革
や、需給直前市場 (
1時間前市場)の創設や、託送制度に「計画値同時間量制
度」を導入することを通じ、いわゆる「ネガワット取引」を活性化させる。これにより、
コジェネレーションなどの分散型電源の活用も促進される。
(
4
)供給力・供給予備力の確保
これまで一般電気事業者や卸電気事業者による発電設備への投資は、電源
の経済性、系統制約による影響などを考慮しつつ、供給義務に伴う総括原価方
式という発電設備の建設・維持にかかる費用が確実に投資回収されるファイナン
ススキームに基づき実施されてきた。しかしながら、今後、自由化が進むにつれ、
投資回収に長期間を要する資産を最低限に抑えようとするリスク低減マインドが
働き、その結果、日本全国やエリア全体で、供給力が不足する事態が懸念され
る
。
このため、小売及び発電の全面白由化に伴い、新たな枠組みが必要となる。
①短期の需給運用に必要となる予備力確保(1容量市場」の創設)
需要と供給のバランスを常に確保することで、電力は安定的に供給される。
予想外の電源トラブ、ル、気象条件による需要の急変等に備え、適切な供給予
備力を確保し続ける必要がある。
これまでは、一般電気事業者が供給義務責任の下、短期の需給運用のため
の供給予備力を確保してきた。今後、自由化を進めるにあたり、小売事業者に
供給予備力の確保を義務づけるとともに、適切な供給予備カを確保する新たな
仕組みが必要となる。
このため、供給力に余裕がある者と不足している者との間で、容量 (kW)の
売買を行う「容量市場」を創設し、小売事業者が適切な容量を確保する仕組み
を実現する。
ー
1
6-
② 10年先、 20
年先の需給ギャップに対応する長期の供給力確保(最終的な投
資回収保障措置)
一般的に電源建設には 5年乃至 10
年といった長期間を要する。電源建設に
伴う送電線の建設にはさらに長期間を要する場合もある。自由化が進むに従
い、個別の発電事業者の投資判断に委ねるのみでは、日本全国やエリア単位
で適切な供給予備力が確保されない事態に陥ることも考えられる。
再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、周波数変動を調整するための新た
な大規模電源の必要性は増す。しかし、その電源の経済性が新規電源開発の
課題となり、再生可能エネルギー導入のボトルネックとなることは避けなければ
ならない。
このため、新電力の参入と再生可能エネルギー導入を促進するための最終
的なセーフティネット措置として、広域的・中立的な需給見通しの策定と評価を
行う組織体制と、長期の投資回収を保証する新たな仕組みを構築する必要が
ある。
具体的には、広域的系統運用機闘が、需給見通しとその評価結果に基づ
き、長期的に電源が不足すると見込まれる場合に、電源建設者を公募し、投資
回収ができないコストが発生した場合には、送電料金へのサーチャージにより
全需要で広く負担する仕組みを構築する。
(
I
参考図 1
3
)今夏の需給検証における供話予備率の考え方│
ぷ翠J
+噂ト
「一一一一一一
司.レ
ーーーーー
ーーーーー
ーーー
俄総力
電力需獲の,"間平均値
電力衝裏の短時間での変動
1
5時
-1
7-
l
3
.送配電分野の改革(中立性・公平性の徹底)
全国大の広域的なネットワークを整備し、差別のない公平で、自由な電力フ。ラット
フォームを国民に提供する。
電気事業者はもとより、すべての需要家、地域・コミュニティ、企業が自由に電力
を創造する、自由に電力を流せる、そうした電力市場を目指していく。
電気が他の商品と異なる最大の特性は、送配電網の地域独占性が不可避なこ
とである。
発電部門や小売部門において競争や選択が自由に行われる前提として、「公共
財」の管理者としての送配電部門の絶対的中立性・公平性が求められる。
東日本大震災以降、供給力の不足した地域に他の地域から電気を融通するこ
との重要性が喫緊の課題として認識されることとなった。これまでの「供給区域ごと」
に需要と供給を一致させる仕組みから、より広域的に供給力を活用し、区域を超え
た電源、の効率的活用や、緊急時の地域間融通を柔軟に行える仕組みを目指し
て、送配電部門の「広域化」を進めることが必要である。
自由市場で多様な供給者が出現すればするほど、送配電部門には強い調整機
能が求められる。需要と供給を瞬時に一致させ、送配電網全体として周波数を一
定にし、電圧を維持する。安定しない再生可能エネルギーが導入されればされる
ほど、系統計画の正確性と系統運用における「匠の技」が必要となる。
こうした課題を乗り越えて、全国大、エリア毎の管理双方の視点から、系統の運
用、維持、拡大にとって最適の体制をつくりあげ、ネットワークアクセスの中立性・公
平性を全ての担い手に保証する。
-1
8-
I
(表考函 14)孟 域 逼 用 ; 市 亙 ; 匝 確 保 に 必 要 な 業 務 │
議 E置の申立性確保に必要な業務
全国大?の虚繊運用に必要な業務
①系統計画業務
-需要予測(長期、短期)
・電源開発計画の把握(長期、短期)
・流通設備計薗の立案(長期、短期)
・停止計画の策定(短期)
・広域連系線、主要幹線の運用ルールの策定
① 送E電 部 門 の 組 織 的 独 立 性 確 保
・会計分離、公表
・中立的な人材の確保
〉部門聞の人事異動に関するルール策定(ク
ーリング期間の設定等、人事権・給料の制
約等)
②発電・小売部門との中立性確保
.発電設備/小売業者への公平性
〉系統連系、系統関連情報公開等
・同時間量制度の見直し(リアル合イム市場の
活用等)
・市場を通じた電力取引
〉電力市場の形成(一目前、当日)
〉パラシシング市場の形成(リアル聖イム)
②系統運用業務
-需給パラシス調整
.周波数調整
・緊急時の系統運用(全国融通)
-広域連系線、主要幹線、送国電線の運用・
監視・勧告(混雑処理、給電指令)
→ネガワット取引
発電者・需要家参加型の
信掘で脅る置力市場へ
効率的かっ柔軟な
置力供給の安寧化耳障環へ
-1
9-
(1)送配電部門の「広域性」の確保(1広域系統運用機関 J
の創設)
これまでの「供給区域の需要に応じ供給力を確保する」仕組みから、より広域
的に供給力を有効活用する仕組みへと転換する。
このため、現在、送配電等業務支援機関として広域的運営を支援している「電
引を解消し、「広域系統運用機関」を新たに設立する。
力系統利用協議会 (ESC
広域系統運用機関は、需給バランスの維持と運用に責任を負う主体とし、①系統
計画業務、②系統運用業務を担い、効率的かつ柔軟な電力供給の安定化を図
る
。
(
2
)送配電部門の「中立性」の確保
自由化に伴い、系統利用者はより多様化する。広域系統運用機闘が系統計画
や系統運用を中立・公平に行う組織となることにより、広域的な系統運用の中立
性が高まる一方で、現在の供給区域内の中立性の確保が併せて必要となる。
各供給区域における送配電部門は全ての発電設備、小売事業者への公平性
を確保しなければならない。そのため、機能分離型又は法的分離型の方式によ
り、各供給区域の送配電部門の中立性を確保する。
①機能分離型
送配電部門の中立性を確保するため、機能分離型の方式は、エリアの系統計
画・系統運用の機能を、エリアの一般電気事業者の送配電部門から分離し、広域
系統運用機関に移管する方式である。
この場合には、系統計画・系統運用を行う部門と、送配電設備を所有し開発・
保守を行う部門が分離され、かつ、それぞれの部門に発電・小売部門との中立性
を確保するための行為規制が必要となるため、複雑な体系となる。
②法的分離型
法的分離型の方式は、エリアの系統計画・系統運用の機能から設備を所有し
開発・保守する業務までを含む送配電部門全体を別法人とする方式である。
この場合には、系統計画・系統運用と、送配電設備の開発・保守が同一会社と
-20-
なることから、これらの送配電部門の業務全体が円滑に実施できると見込まれる
一方、系統利用者を不公平に扱う手段が残されているため、規制の実効性を厳
格に確保する必要がある。
いずれの方式であっても、中立性確保のための人事・予算等に係る行為規制
や、送配電部門と発電・小売部門との情報の取扱、契約の取扱の公平性の確保
が不可欠である。こうした規制の内容や、さまざまな技術的論点を精査しながら、
年内を目途に詳細設計を行う。
なお、中立性を実現する最もわかりやすい形態として所有分離があり得るが、こ
れについては、改革の効果を見極め、それが不十分な場合の将来的検討課題と
する。
│(参考図 1
5
)新しい送配電部門のイメージ図(例1
)
エリアの系統運用者
東
λ事
・
ヨ..
_ffJItJt髭I~ーノ'MfÆJ.lt
広域連轟線
盟量三星空
r
リース科」叩回収
ヱリア由選E竃陵情
〉
~
》 轟E
〉
-2
1-
(
3
)地域間連系線等の強化(設備増強と運用見直し)
広域的な供給力の有効活用や市場の活性化のためには、地域間連系線等の
設備の増強と運用の見直しが不可欠である。しかし、現在の供給区域分割体制
の下では、供給区域をまたがる地域間連系線等のインフラ強化が進みにくい状
況にある。
とりわけ、東日本大震災後、全国大で電力供給力が大幅に不足する中、東西
の周波数変換装置 (
F
C
)や地域間連系線の容量の制約、あるいは系統運用が
各一般電気事業者の供給区域単位で行われていることなどにより、供給力の広
域的な活用の限界が明らかになり、国民生活に大きな影響を与えた。
また、再生可能エネノレギーの導入を拡大していくために必要な地域間連系線
や地内系統等が十分に整備されていない実態がある。
このため、①大規模電源が脱落した場合においても電力供給に支障を来すリ
スクを低減するため、また、②再生可能エネノレギーをはじめとした分散型電源の
導入促進等の観点からも、 FC
や地域間連系線の増強、地内系統の整備を行うこ
とが必要である。
整備に関する費用は、託送料金により適切に投資回収できる仕組みを整え、
送配電部門の広域化・中立化を実現するために新設する広域系統運用機闘が
主体となって、少なくとも以下の強化策を実施していく。
①東西連系線と周波数変換設備 (
F
C
)
FC容量については、これまで、想定していた最大発電所ユニットの脱落を超
え、各電力会社における最大原子力サイトの停止(東西日本のそれぞれの系
統容量の 10%
程度)を電源停止リスクとして想定した場合に必要となる容量を
020年度を目標に、 90万 kWの強化 (
1
2
0方 kW
→2
10万 kW)を行
踏まえ、 2
う。さらに、費用対効果に留意し、政策的観点を踏まえ、それ以降できるだけ早
期に、 FC
容量を 3
00万kWまで増強する。
②北海道本州間連系線の増強
北本連系線については、安定供給上の観点から既に決定されている 3
0万
kWの増強 (
6
0万 kW
→90万 kW)を早期に実現する。
回
22-
さらに、北海道・東北地域の風力発電の導入拡大に対応した増強について
は、東北一東京間の連系線(相馬双葉幹線)の増強も含め、今後の風力発電
の導入状況等を踏まえる。
③連系線の運用見直し
緊急時の運用を柔軟化する。
また、市場の活性化等の観点からも連系線の利用を拡大するため、空き容
量の算定方法や運用方法の見直しを実施する。
④その他
北海道の北部や東北の日本海側といった風力発電の重点整備地区につい
て、短期的には、託送料金による投資回収以外の政策的支援も含め、系統整
備の具体的方策を検討する。
│(参考図 1
6
)地域関連系線等の強化に関するマスタープラン中間報告書の概要│
ど 掴 E冒 彊 酷 値 目 圃 抽 〉
〉風力発電等の導入状況、北本連系線の強化状況帯を且つ
つ、増強について検討を行弘
〈ぞ由他国地埴聞遭轟値〉
〆
-23-
注1)(】肉の敏値<t.地血民間違蕪霞0
・
【
金.
1
1
.
.
金時〉の嶋容量.
途,)各電"管内の倣値は2
01O.
21
l1
1
年E
貨の量次需要電力 (
H
l
l
.
(
4
)託送制度の見直し(130分実同時間量ノレール」の見直し)
系統安定化のためにはインバランスを最小化させることが望ましい。今後は一
般電気事業者が他の区域で小売事業を行うなど、系統利用者がより多様化する
ことを踏まえ、市場全体で同時間量が達成されるメカニズムを構築する必要があ
る
。
託送制度について以下の見直しを行い、一層の透明性確保を実現する。
これに伴い、現行のインバランス料金制度は廃止する。
①インバランス料金制度の透明化
インバランス調整料金メカニズムの完全透明化を実現するため、送配電部門
が系統利用者の需給の過不足を補う際に適用するインバランス調整の料金算
定に新たに創設する 1時間前市場価格を適用することを検討する。
②計画値同時同量の導入
一般電気事業者のインバランス費用の完全透明化等、一般電気事業者を含
め全ての系統利用者が平等な条件の下で競争をする必要があることから、計画
値同時間量制度を導入することとする。
一般電気事業者の発電・小売部門は、透明性確保のため、計画値との差分
の精算方式とし、新電力等については、実同時間量と計画値同時同量の選択
制とする。
-24-
(
I
参考図 1
7
)実同時同量と計画値同時間量│
鴎濠豊臣l
開閉層圏蕗櫨盟顕要望盟膿│
容量
容量
実発電量
実需要量
発電ザイド
需要サイド
時間
時間
実需要量と実発電正o)l
差分がインバランス
容量
時間
l
E
離画櫨圃圃麗置腫醤蕗趨霞麗麗璽墨画│
容量
く発電側インバランス〉
計画発電量と実発電量の
差分がインバランス
容量
く需要側インバランス〉
計画需要量と実需要量の
差分がインバランス
計画需要量
実需要量
計画発電量
実発電量
一今
今
発電ザイド
需要サイド
時間
ー2
5-
時間
③リアノレタイム市場の創設
リアルタイム市場を創設する。
送配電部門の中立化を受けてリアルタイム精算の仕組みを検討し、またイン
バランス料金に「リアルタイム市場」の価格を適用することを検討する。
I
(参考図 1
8
)30分実同時間量と現行のインバランス料金│
1 30分 同 時 同 宣 J(イメージ)
%111
.f:巡供信認島明電対 ζ対するも。
【発電量目
④連系線利用の見直し
現行の連系線利用ルーノレで、は、 30分間に一定量の電気を流すことが求めら
れるため、再生可能エネノレギーやコジェネを含む自家発電など、系統への出
力が不安定な電源が連系線を利用できないことや、区域毎に調整電源を保有
しなければ 30分実同時間量の達成が困難なことが、広域的な電力取引の課題
である。
このため、不安定な電源を区域を超えて供給しやすくすることや、一般電気
事業者、新電力といった小売事業者が区域を超えて競争しやすくするため、周
波数の変動を広域的に調整する新たな仕組みゃ、需給直前まで大量の通告
変更を可能とする本格的な仕組みを、広域系統運用機関の下で早急に導入す
る
。
-26-
(
I
参考図 1
9
)中西日本における風力発電導入拡大に向けた広域的な取組の概要│
-風力発電の導入に閲しては.風力発電の出力変動が電力系統に与える影響吾評価しながら,段階的に路大
・新たな取り組みとレて,中西日本 6社 Cおいて.地鼠間違系綿在活用した風力発電の導入拡太在銭面
ます先行した取り組みとして.調整力に余裕O)~ふない北陸電力ー四国電力から中部電力・関西電力に電力を送電し.
北陸電力
四国電力の調整力在増加すること仁より.中西日本における風力発電の導入鉱大在図る。
【今回の取り組み]
申部電力・関西電力へ電力
在送電し1調整力在増加
中部電力関西電力が北陸電力四国電力
から電力吾受電
【出所1
・中部、北陸、関西、中園、四園、九州電力プレスリリース(平成2
2年 1
2月22日}
-27-
4
.詳細設計へ向けた検討課題
以上の基本方針の下、制度改革は着実に実行する。
本制度改革は、新たなシステムへの投資と大きな事業体制の変革を伴うもので
あり、綿密な詳細設計と十分な時間をかけた手1
)
慎・工程表が必要である。
これを踏まえ、今後、当委員会にて、年内を目途に、以下の課題について更に
検討を進める。
(1)小売自由化に伴う措置
小売自由化に伴う需要家保護策として、以下の点について詳細に検討する。
①最終保障サービスの提供主体と、その料金・費用負担のあり方
②既に自由化された部門での最終保障サービスのあり方
③離島の電気料金の平準化措置(ユニバーサノレサービス)の具体策
④沖縄の地理的条件(全国系統と連系していなし、)を踏まえた措置
なお、電力の安定供給に支障を及ぼしたり、需要家に混乱が生じることのない
よう、自由化に伴う移行措置は、慎重かっ丁寧に設計する。例えば、供給者や料
金メニューを特に変更したくない需要家がこれまでどおりの契約を一定期間結べ
ることとする等、慎重な移行措置が必要である。
(
2
)発電自由化・卸市場活性化に伴う措置
供給の多様性を確保し、全国大での電源の有効活用を図るため、基本方針に
示した市場の活性化策のほか、発電分野の改革に伴う以下の点について詳細
に検討する。
①日本卸電力取引所のガパナンスの見直し
②取引所取引の商品の拡大や卸市場の厚みの確保(一定の値差の範囲で
売買を両建てするスポット市場の活性化策、卸電気事業者の既存契約の見
直し、先物市場の創設、ベース市場・ピークミド、ル市場など先渡し市場の厚
み確保、大口取引(ブ、ロック取引)等の制度的枠組みも含めた具体策の検
討)
③取引所取引への需要家の直接参加
ー2
8-
④取引市場監視機能の強化
⑤発電事業の法的位置づけと、必要な公益事業特権の確保
⑥発電投資の基礎情報となる「系統情報」の開示の具体策
⑦供給力・供給予備力確保のための容量市場や最終的な電源建設の公募ス
キームの具体策
(
3
)送配電中立化に伴う措置
送配電部門の中立化のための具体策として、以下の点について、詳細に検討
する。
①広域系統運用機関の権能、エリアの送配電部門との役割分担
②各供給区域の中立性・独立性を確保するための人事、予算、会計、情報の
取扱等に関する行為規制の具体的内容
③中立・公平な系統情報の開示の具体策
④託送制度の詳細設計(料金規制のあり方、自己託送のルール化、需要地
近接電源及び供給地近傍需要家への託送料金のあり方等)
⑤系統運用や系統計画を適切に行う人材の育成、発電と送配電の部門聞の
協調のあり方
(
4
)規制機関のあり方
自由化された小売市場において競争が適切に行われているかどうかを監視す
ることや、卸霞力取引市場の取引行動の監視、託送料金の認可や行為規制の遵
守状況の監視等について、抜本的な強化が必要である。
独立性や専門性を高めるため、新たな機関の創設や既存機関の機能強化に
ついて具体的な方策を検討する。
(
5
)その他の重要検討事項
小売全面白由化に伴う法体系の見直しゃ、送配電部門のあり方の見直しに伴
う税制措置の検討が必要である。さらに、エネノレギーミックス全体の見直しとの整
合性も確保しつつ今後の検討を進める。
-29-
(参考)委員名簿
匿冨
伊藤元重
東京大学大学院経済学研究科教授
障員長イ元理│
安念潤司
中央大学法科大学院教授
圏
伊藤敏憲
(株)伊藤リサーチ・アンド・アド、パイザリー
代表取締役兼アナリスト
大田弘子
政策研究大学院大学教授
小笠原潤ー
(財)日本エネルギヶ経済研究所
夫洋子
孝菊
木橋巳
柏高辰
電力グ、ノレープマネージャー・研究主幹
東京工業大学特命教授
(株)富士通総研経済研究所主任研究員
公益社団法人日本消費生活
アドバイザ)・コンサルタント協会常任顧問
八田達夫
学習院大学特別客員教授
松村敏弘
東京大学社会科学研究所教授
横山
東京大学大学院新領域創成研究科教授
明彦
(敬称略・五十音順)
同
30-
Fly UP