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糸魚川都市計画
都市計画区域の
整備、開発及び保全の方針
新
潟
県
都市計画区域の整備、開発及び保全の方針について
本文のみを都市計画決定することとし、参考図面(付図、参考図)
は都市計画決定の対象としない。
なお、本文中の写真及び参考図面についての記述は参考のため掲載
するものである。
目
次
Ⅰ 都市計画の目標
1 基本的事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
(1)目標年次・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
(2)範囲及び規模・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
2 新潟県における都市づくりの方針・・・・・・・・・・・・・・ 1
(1)新潟県の都市づくりの課題・・・・・・・・・・・・・・・1
(2)新潟県の都市づくりの目標・・・・・・・・・・・・・・・2
3 当該都市計画区域における都市づくりの方針・・・・・・・・・3
(1)当該都市計画区域の概況・・・・・・・・・・・・・・・・3
(2)当該都市計画区域の都市づくりの目標・・・・・・・・・・4
Ⅱ 区域区分の決定の有無及び区域区分を定める際の方針
1 区域区分の有無・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
Ⅲ 主要な都市計画の決定の方針
1 土地利用に関する主要な都市計画の決定の方針・・・・・・・・ 7
(1)市街地の土地利用の方針・・・・・・・・・・・・・・・・7
( 2 ) 白 地 地 域 の 土 地 利 用 の 方 針 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 10
2 都 市 施 設 に 関 す る 主 要 な 都 市 計 画 の 決 定 の 方 針 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 13
( 1 ) 交 通 施 設 の 都 市 計 画 の 決 定 の 方 針 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 13
( 2 ) 下 水 道 及 び 河 川 の 都 市 計 画 の 決 定 の 方 針 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 15
( 3 ) そ の 他 の 都 市 施 設 の 都 市 計 画 の 決 定 の 方 針 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 17
3 市 街 地 開 発 事 業 に 関 す る 主 要 な 都 市 計 画 の 決 定 の 方 針 ・ ・ ・ ・ ・ 17
( 1 ) 主 要 な 市 街 地 開 発 事 業 の 決 定 の 方 針 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 17
( 2 ) 市 街 地 整 備 の 目 標 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 18
4 自 然 的 環 境 の 整 備 又 は 保 全 に 関 す る 都 市 計 画 の 決 定 の 方 針 ・ ・ ・ 18
( 1 ) 自 然 的 環 境 の 整 備 又 は 保 全 の 方 針 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 18
( 2 ) 主 要 な 緑 地 の 配 置 の 方 針 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 18
( 3 ) 実 現 の た め の 具 体 の 都 市 計 画 制 度 の 方 針 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 21
( 4 ) 主 要 な 緑 地 の 確 保 目 標 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 21
5 そ の 他 都 市 計 画 の 決 定 に 関 す る 方 針 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 22
( 1 ) 都 市 景 観 に か か る 都 市 計 画 に 関 す る 方 針 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 22
糸魚川都市計画
都市計画区域の整備、開発及び保全の方針
Ⅰ
都市計画の目標
1 基本的事項
(1)目標年次
糸魚川都市計画区域の整備、開発及び保全の方針の目標年次は平成32
年とする。
(2)範囲及び規模
本都市計画区域は、新潟県の西南端に位置し、糸魚川市の一部によって
構成される単独の都市計画区域である。
本 都 市 計 画 区 域 の 範 囲 及 び 規 模 は 次 の と お り。
都市計画区域名
市町村名
糸魚川
都市計画区域
糸魚川市
範
囲
行政区域の一部
計
規 模
9,529 ha
9,529 ha
2 新潟県における都市づくりの方針
(1)新潟県の都市づくりの課題
人口や産業が都市に集中し、都市が拡大する「都市化社会」から、産業や
文化などの都市活動が豊かに展開する成熟した「都市型社会」への移行が進
みつつある現在、都市づくりには次のような課題があり、適切な対応が求めら
れている。
- 1 -
①人口減少、少子高齢化への対応
②社会の成熟化や長期的な低成長経済への移行による公共投資縮小
への対応
③住民、NPO、民間企業などの 主体的な取り組みへの対応
④自然環境の保全、都市型の環境問題(環境負荷の軽減)への対応
⑤価値観やライフスタイルの多様化への対応
⑥産業構造の転換への対応
⑦中、長期的な地価動向の変化への対応
「21世紀新潟県都市政策ビジョン:全体編」より
(2)新潟県の都市づくりの目標
新潟県では、県内の各都市が共通に目指す都市像を、持続的な発展が可
能な「コンパクトな都市」とする。
「コンパクトな都市」とは「小さくする」という意味ではなく、「質の高い生
活空間を充足し、中身を濃くする」ということである。具体的には、「豊かな
緑が広がる環境の中で、車に過度に依存することなく、生活しやすいよう
に住宅、学校、商店、福祉施設などが適切に配置された歩いて暮らせる区
域と、広域的、基幹的な医療、教育、商業、娯楽などの都市機能が集積し
た区域が結合、あるいは公共交通のネットワークで結ばれている都市。ま
た、中心都市とその周辺都市が適切な機能分担を行いながらネットワーク
で 結 ば れ て い く 。 」 と い う イ メ ー ジ で 、 そ れ を新 潟 県 に お け る 「 コ ン パ ク ト な
都市」と考える。
「21世紀新潟県都市政策ビジョン:全体編」より
また、これからの県土づくりの骨格となる基本的な考え方を、「ネットワーク
による県土づくり」とし、「交流」と「連携」の基本的考え方のもとで、県土形成
- 2 -
を推進 していく。
「ネットワークによる県土づくり」とは、基幹的都市機能を備え広域市町
村 圏 の 拠 点 と な る 都 市 の 充 実 を図 る と と も に 、 こ れ ら拠 点 都 市 同 士 、 ま た は
拠点都市と周辺都市とを、相互の機能分担のもとに有機的に連携させ、よ
り魅力の高い一体的な圏域の形成を目指していくことである。
3
当該都市計画区域における都市づくりの方針
(1)当該都市計画区域の概況
①都市の形成状況
本都市計画区域の南部には、飛騨山脈、頸城連峰へと連なる丘陵地、
山地が広がっており、区域内には能生川、早川、海川、姫川、青海川とい
った河川が北側の日本海へと流れている。
市街地は、区域内を流れる河川の河口付近や、JR糸魚川駅、能生駅
を 中 心 と し 、 海 岸 線 と 並 行 し て 走 る 国 道 8号 沿 い に 形 成 さ れ て い る 。
能生川、早川、海川、姫川沿いの平坦部などに水田地帯が広がり、そ
の中に集落が形成されている。
②都市の成り立ちと近年の動向
本都市計画区域は、世界最古のヒスイ文化や日本海と太平洋を結ぶ
「塩の道」の起点であることなどをはじめとして、多くの貴重な歴史・文化
資源を有している。
主な産業としては、農林漁業のほか、黒姫山一帯の良質な石灰石を活
かした総合的な鉱工業や化学工業が発展してきた。
本 区 域 で は 北 陸 自 動 車 道 や 国 道 8 号 、 148号 、 J R 北 陸 本 線 、 JR大 糸 線
などによって、上越市や富山県、長野県方面との広域的な交通ネットワー
クが形成されている。
また本区域は、松本方面と日本海を結ぶ物流拠点である姫川港を有し
ている。
近年、北陸自動車道糸魚川IC周辺では、港湾に近接するなどの恵ま
れた交通条件を活かした工業、流通業務地が形成されつつある。さらに、
豊かな自然環境を活用した能生海洋公園、美山公園などが整備され、海
洋 性レジャ ーと山岳丘陵型レ ジャーの 観光が 展開されてい る。
- 3 -
今後、北陸新幹線の整備及び地域高規格道路松本糸魚川連絡道路の
整備により、交通結節点としての優位性がさらに高まることが予想される。
また糸魚川駅周辺では、新幹線駅の開業にあわせて、商業・業務機能の
活性化を目指している。
物流の拠点
参考図面
姫川港
附図−1:都市構造図 −ネットワークによる県土づくり−
(2)当該都市計画区域の都市づくりの目標
地 域 の 状 況 を 踏 ま え 、 本 都 市 計 画 区 域 で は、 都 市 の 健 全 な発 展 の ため、 環
境 基 準 及 び 災 害 に 対 す る 安 全 性 に 配 慮 し な が ら、 次 の 方 針 に 基 づ き 都 市 づ く
りを進めていく。
○豊かな自然環境の継承
本都市計画区域には、久比岐県立自然公園や親不知子不知県立自
然公園をはじめとした海岸や、姫川などの河川、南側にある山地など、多
くの自然環境が残されており、今後も保全や活用を進めていく必要があ
る。そのため適切な開発の誘導及び規制により、豊かな自然環境を維
持、保全する。
- 4 -
○にぎわいのある中心市街地の再生
糸魚川市中心部では、人口の減少・高齢化や商業の空洞化が進行し
つつある。そのため、新幹線駅の開業に伴う、都市機能の拡充や、都市
の中心部における居住のための受け皿となる基盤づくり及び中心商業地
としての機能充実に取り組む。
○地域に根ざした産業の発展促進
青海地域を中心に、石灰岩の採掘による鉱工業が中心産業となってお
り、今後も産業の活性化を促していく必要がある。また、「ひと」「もの」「情
報」が交流する基盤づくりをすすめるなど、都市機能の強化を図り、地域
に根ざした産業の発展を支援、促進する。
○安全に、安心して暮らせる都市の形成
本都市計画区域では、今後急速に進行すると予想される高齢化に対応し
た都市づくりが必要である。そのため、災害に強く人に優しい都市機能の
強化に努め、ユニバーサルデザインの考え方に基づきながら、誰もが安全
に、安心して暮らせる都市の形成を図る。
○適切な開発誘導による田園環境の保全
能生川、早川、海川、姫川沿いなどに広がる優良な農地に囲まれた田
園 環 境 に つ い て は 、 今 後 も 保 全 して い く 必 要 が あ る 。 そ の た め 、 開 発 に 当
たっては適切な誘導を行い、田園環境との調和を図る。
糸 魚 川地 域 へ の 玄 関 口 で あ る 糸 魚 川 駅 前 通 り
- 5 -
Ⅱ 区域区分の決定の有無及び区域区分を定める際の方針
1 区域区分の有無
本都市計画区域は区域区分を定めない。
本 都 市 計 画 区 域 は 、 こ れ ま で 区 域 区 分 を定 め て お らず 、 か つ 今 後 著 し い 人
口増加などに伴う市街地拡大の可能性が低いため、区域区分を行う必要性
が低いことから区域区分を定めない。
- 6 -
Ⅲ 主要な都市計画の決定の方針
1 土地利用に関する主要な都市計画の決定の方針
(1)市街地の土地利用の方針
①基本方針
市街地(用途地域)では、道路、下水道、河川、公園などの既存
の都市施設を有効に活用し、またその機能に支障をきたすことのな
いよう計画的な土地利用を行う。そのため、市街地の方向性を明確
にし、必要な土地利用の規制、誘導を行う。
②主要用途別の土地利用の方針
ア
商 業地
商業地は、多様な商業施設が集積し、都市のにぎわいの中心となる地
区 で あ る 。 商 業 の 動 向 や 、 鉄 道 、 道 路 な ど の 交 通 ネ ッ ト ワ ー ク を考 慮 し 、 都
市 に必要な規模を 配置する。
JR糸魚川駅北口地区は、恵まれた立地条件や地域固有の資源を活用
し、新たな商業拠点施設の整備を図る。また、空き店舗、空き家、空き地
の有効活用などを進め、中心商業地としてのにぎわいの再生を図るととも
に 、 ゆ とりのある 生活空間の 確保と 、活気の ある市街地形成を図る。
JR能生駅周辺地区は、能生駅から糸魚川市能生事務所までの県道能
生インター線沿いの地区整備を進め、商業施設の立地を優先した土地利
用により、商業機能の充実を図る。
JR青海駅周辺地区は、未利用地の増加などにより空洞化しつつあるた
め、細街路の解消、空き店舗、空き地の有効活用などにより商業機能の
維持、にぎわいの再生を図 る。
- 7 -
糸魚川駅前商店街のアーケード
イ
工業地
工業地は、地域の工業生産活動の中心となる工場、事業所などが集積
する地区である。産業構造の変化へ対応しながら、原則として工業生産活
動を妨げるおそれのある用途の混在を防止する。また、周辺の居住環境
への影響に十分配慮する。
セメント製造の工場などが立地している青海地区、田海地区や、糸魚川
IC北側の工業地域及び工業専用地域では、交通利便性の向上を図るな
ど工業機能の維持・増進を図る。
糸魚川インターチェンジ土地区画整理事業区域内は、北陸自動車道、
姫川港に隣接した立地条件を活かした、新たな企業の誘致、住宅地内に
混在する工場の移転の受け皿として、広域都市圏における工業拠点とし
て の機能充実を 図る 。
豊 富 な 石灰 石 を 活 用 し た 工 業 集 積 地 ( 青 海 地 区 )
- 8 -
ウ
流通業務地
流通業務地は、流通業務施設を集積させることにより、都市内交通の
混雑緩和及び施設集積による物流の効率化を目的とした、広域的な物流
の拠点となる地区である。広域交通網を有効に活用した基盤整備を推進
し、流通業務機能の強化を図るとともに、周辺の居住環境への影響に十
分配慮する。
姫川港周辺地区は、広域的な交通の要衝に位置する交通利便性を活
かし て 、 流 通 業 務 機 能 の 充 実 を図 る 。
エ
住宅地
住宅地は、地域の特性をふまえながら、良好な居住環境の維持及び形
成を図る地区である。居住環境の悪化をもたらすおそれのある建物用途
や建築形態の混在を防止する。
③特に配慮すべき課題等を有する市街地の土地利用の方針
ア
土地の高度利用に関する方針
糸魚川駅北口地区は、駅周辺の整備にあわせて既存の商業機能の充
実 を図 る と と も に 、 地 域 の 核 と な る 集 客 性 の あ る 施 設 の 誘 致 を進 め る こ と に
より、中心商業地として、また多様な都市機能を備えた広域都市拠点とし
て の機能集積、 土地の高度利用を図 る。
イ
低 ・未利用地の積極的な活用に関する方針
土地区画整理事業の行われた横町西部地区、栄・桜木地区について
は、良好な住宅地の供給を進める。
土地区画整理事業が完了した糸魚川IC周辺地区については、恵まれ
た 交 通 利 便 性 を活 かし た 工 業 ・ 流 通 拠 点 と し て の 整 備 を 進 め る 。
東寺町、南寺町などの糸魚川駅南東部地区については、住宅地の供
給 を基本とした土地利用を 図 る。
今村新田東部地区、田海西部地区の工業地域については、交通利便
性を活かした工業拠点としての整備を基本とした土地利用を図る。
- 9 -
面的 整 備 が 行 わ れ た 糸 魚 川 I C 周 辺
参考図面
附図−2:市街地の土地利用方針図
参考図−1:市街地の土地利用現況図
(2)白地地域の土地利用の方針
①基本方針
白 地 地 域 ( 用 途 地 域 の 指 定 の ない 地 域 ) で は 、 次 の 方 針 に よ り良 好 な 環
境の形成または保全を図る。
ア 守るべき自然環境や農地を保全し、継承する
森林や湖沼などの優れた自然や生態系の保全に努める。
優良な農地を保全し、良好な営農環境の確保を図る。
美 し い 田 園 風 景 や 自 然 景 観 を地 域 の 財 産 と し て 継 承 す る 。
イ 良好な集落環境の維持及び形成に努める
集落環境に支障を与える用途の建築物や大規模な建築物の立地
を抑制する。
地域固有の特徴ある集落環境を保全し、継承する。
コミュニティの総意による計画的な里づくりを支援する。
ウ 地域特性に応じた計画的な土地利用により土地の有効利用を図る
- 10 -
土地利用の混在を抑制し、良好な居住環境の形成に努める。
土地利用計画と基盤整備との整合を図る。
将来の都市づくりに支障とならないよう、計画的な開発誘導を行う。
②地域区分別の土地利用の方針
土地利用の状況及び将来の方向性をふまえた地域区分別の土地利用
の方針を次に示す。
ア 自然地域
区域南部のほとんどを占める森林地帯は、優れた景観や生態系な
ど の 自 然 環 境 を 将 来 に わ た り維 持 、 保 全 す る 。
区域を流れる能生川や姫川、田海川などは、水と緑豊かな地域の
自然環境を特徴づける河川として、生態系や親水性に配慮した水辺
空間を形成するとともに、良好な景観を維持、保全する。
良 好な 水 辺 空 間 が 形 成 さ れ て い る 能 生 川
イ 農業地域
市街地の南側に能生川、早川、海川び姫川などの河川沿いに広が
る優良農地は、食料生産をはじめ、保水機能、田園風景の形成などの
多様な役割を有している。これらの優良農地を将来にわたり保全し、
営農環境の向上に努める。
ウ 集落地域
海川と早川に挟まれた地域は、近年市街化が進んだ地区であり、低
- 11 -
層 住 宅 を 中 心 に 業 務 施 設 の 立 地 も み られ る 。 今 後 は 、 大 規 模 店 舗 、 風
俗営業関連施設、工場などの規制を行いながら住宅の立地を誘導す
る。
海岸線沿いに形成された集落のうち、国道8号沿道には業務系施
設の立地がみられる。今後は、海岸の自然環境を保全しながら、生活
環境の改善を図る。
その他の既存集落では、自然環境及び景観と調和した低層戸建て
住 宅 を 主 体 と し 、 集 落 内 の 環 境 整 備 に よ りゆ と り あ る 居 住 環 境 の 維 持 、
形成を図る。
エ 混合地域
糸魚川地域の用途地域の隣接部や幹線道路の沿道において、住
宅、業務施設といった建物用途の混在がみられる地区では、周辺の
農地や集落などの環境と調和を図りながら、業務環境の維持と居住環
境の改善を図る。用途地域東側の国道8号沿いに形成される既存の
密集した集落については、大規模店舗、風俗営業関連施設、工場な
ど の 規 制 を 図 り 、 居 住 環 境 の 改 善 を進 め て い く 。
能生地域の南部の島道川沿いの大沢地区周辺は、市道島道大沢
線沿道において、福祉施設や事業所、小規模店舗、住宅などが混在
した土地利用がなされている。これら地域については、周辺の営農環
境と調和を図りながら、商業業務環境の維持と居住環境の改善を図
る。
青海地域の須沢東部地区は土地利用が混在しながら一定程度の
土地利用がなされている。将来において、軽工業や市街地内の不適
格工場の移転地など、工業系の土地利用を図るべき地区であり、土地
利 用 の 規 制 、 誘 導 に よ り 、 工 業 業 務 環 境 の 改 善 を図 る 。
田海・須沢海岸地区は、一部の住宅を除き、大部分は車庫、倉庫
及び商工業施設として利用されている。今後もこの土地利用の継続が
見込まれるため、土地利用の規制、誘導により居住環境の改善を図
る。
オ 特定地域
一団の開発済み地である糸魚川地域の大野地区、青海地域の石
曽根地区、芹川地区、能生地域の能生地区、地場産業の拠点である
能生漁港地区などについては、今後も周辺環境と調和を図りながら、
計画的な土地利用を行う。
- 12 -
多 様 な企 業 が 立 地 す る 企 業 団 地 ( 大 野 地 区 )
参考図面
参考図−2:白地地域の土地利用現況図
③計画的な開発誘導の方針
白地地域において新たな開発を行う場合は、農林漁業と調整を行い、
用途地域内の土地利用の状況、都市の発展の動向、自然条件及び交通
条件、既存の都市基盤施設の有効利用などに配慮した適正な規制、誘導
を図ることとする。
大規模な開発が見込まれる地域については、用途地域指定、地区計画
策定などの規制誘導策を用い、一体的かつ計画的な市街地形成を図る。
また、農林漁業などによる土地利用規制がなく、都市的土地利用が発
生する可能性が高いと判断される地域については、用途地域や特定用途
制限地域の指定などにより、開発の規制、誘導を図る。
2 都市施設に関する主要な都市計画の決定の方針
(1)交通施設の都市計画の決定の方針
①交通体系の整備の方針
新潟県においては、人にも環境にも優しい円滑な都市交通の実現を目
指す。具体的には、道路相互の機能分担と連携強化による効率的なネッ
トワークを形成するため、広域幹線道路や都市内幹線道路などの計画
的、重点的な整備を推進する。また、二酸化炭素等の排出抑制など環境
- 13 -
負荷軽減や高齢者の活動などにも配慮し、自動車交通から公共交通への
利用転換を促進するとともに、交通結節点の機能充実を図る。
さらに、冬期間における円滑で快適な移動の確保や誰もが安心して通
行できる歩行者空間のネットワーク化を図るとともに、都市づくりと連携し
て、にぎわいと魅力ある街路空間の創出や歩いて暮らせる都市づくりの実
現に努める。
本 都 市 計 画 区 域 は 、 北 陸 自 動 車 道 糸 魚 川 I C 、 能 生 I Cを 有 し 、 国 道 8
号 、 148号 を は じ め 、 県 道 西 中 糸 魚 川 線 、 橋 立 青 海 停 車 場 線 、 能 生 イ ン タ
ー線などにより道路網が形成され、また、長野方面と交流促進を図る地域
高規格道路「松本糸魚川連絡道路」も計画されている。
しかし、国道8号は、朝夕の通勤時には能生地域と糸魚川地域の境界
付近から海川橋付近まで交通渋滞が生じている。また、糸魚川地域の市
街地についてはJR北陸本線により南北に分断され、円滑な交通が確保さ
れて いな い状 況にある 。
今後は国道8号糸魚川東バイパス等の整備を促進し、各地域間の連携
強化を図るとともに、糸魚川地域のJR北陸本線により分断された南北市
街 地 の ア ク セ ス 向 上 や 、 J R 糸 魚 川 駅 、 青 海 駅 、 姫 川 港 、 糸 魚 川 IC、 能 生 I
Cな ど 利 便 性 の 向 上 を 図 る た め 、 拠 点 間 を 連 絡 す る 道 路 交 通 ネ ッ ト ワ ー ク
を構 築する。
また、現在整備が進められている北陸新幹線により、JR糸魚川駅は長
野、首都圏や北陸、関西圏と連絡する広域的な交通結節点として重要性
が一層高まる ため、 そ の機能充実を図る。
②主要な施設の配置の方針
ア 広域幹線
広域幹線として、高速交通体系の一翼を担う北陸自動車道を位置
付け、松本糸魚川連絡道路を配置する。
ま た 、 広 域 的 な 交 流 や 連 携 の 促 進 を 図 る 国 道 8 号 、 148号 を 広 域 幹
線として位置付け る 。
イ 都市内幹線
都市内幹線として、本都市計画区域内の交通の円滑化を図るととも
に広域幹線を補完し、本区域内を有機的にネットワークする県道西中
糸魚川線、湯之河内梶屋敷停車場線、橋立青海停車場線、能生イン
ター線などを位置付ける。
ま た 、 青 海 地 域 や JR北 陸 本 線 で 分 断 さ れ て い る 糸 魚 川 地 域 の 市 街
地内については、都市計画道路を中心に都市内幹線として位置付け
- 14 -
る。
ウ 交通結節点
JR糸魚川駅では駅前広場・南北自由通路の整備を進め、能生駅で
は駅前広場の整備を進め、交通結節点としての機能充実を図る。
また、主要な鉄道駅や高速道路バス停では、パークアンドライドなど
地域の実態に即した有効なTDM施策を推進する。
参考図面
附図−3:交通ネットワーク図
③主要な施設の整備状況
本都市計画区域において、都市計画決定している国県道のうち、現在
整備中の箇所は次のとおり。
路線名
市町村名
整備区間
整備理由
3.4.3 糸魚川大和川線
(国道8号)
糸魚川市 早 川 橋 ∼ 海 川 広 域 交 通 の 円 滑 化
橋
3.4.4 中央大通り線
(県 道 西 中 糸 魚 川 線 )
糸魚川市 南 押 上 ∼ 大 和 都 市 内 交 通 の 円 滑 化
川
( 平 成19年 3月 現 在 )
参考図面
参考図−3:都市計画道路の整備位置図
(2)下水道及び河川の都市計画の決定の方針
①基本方針
ア 下水道
下水道事業などの促進により、水環境や生活衛生環境の保全・改
善、都市環境の向上を図る。また、災害に強い都市づくりを展開する
ため、雨水排水の強化に努める。
- 15 -
本都市計画区域では、公共下水道事業や特定環境保全公共下水
道事業として糸魚川市で整備を進めている。今後も、市設置型合併浄
化槽、地域し尿処理施設などの地域に適した汚水処理施設の整備を
進める一方で、それらとの整合を図りながら計画的な下水道の整備を
促進する。
イ 河川
姫川をはじめとする河川では、洪水による浸水被害から地域の安全
を確保するための整備が進められ、重要な役割を果たしており、引き
続き流下能力の向上などに努める。また、整備途上段階での施設能
力や計画規模を上回る洪水に対し、被害を軽減するため必要な河川
については、洪水ハザードマップの作成などにより地域住民の防災意
識の向上を図る。
なお、農地や山林などの開発を土地利用計画に基づき適正に誘導
することにより流域が本来有する保水・遊水機能が損なわれないように
配慮する。
治水面での対策とあわせて、都市におけるうるおいとやすらぎの空
間を創出するため、都市河川の水辺空間の整備を促進し、地域住民
に親しまれる川づくりを進める。
前 川 水 系 に つ い て は 河 川 整 備 基 本 方 針 、 河 川 整 備 基 本 計 画 をふ ま
えて整備を推進する。また、その他の河川においても必要に応じ効果
的かつ計画的な整備に努める。
②主要な施設の整備目標
ア 下水道
本都市計画区域において整備中、または着手を予定している箇所
は次のと おり。
種
別
下水道
名
称
糸魚川市公共下水道
糸魚川市特定環境保全下水道
参考図面
参考図−4:下水道の整備位置図
- 16 -
イ 河川
本都市計画区域における一級・二級河川のうち、整備中、または着
手 を 予 定 し て い る 箇 所 は 次 の と お り。
種
別
河
川
名
称
前川
姫川
参考図面
参考図−5:河川の整備位置図
(3)その他の都市施設の都市計画の決定の方針
①基本方針
都市における生活の高度化、多様化、住民意識の高まり及び都市活動
の活発化に対応するため、都市生活を営むうえで必要不可欠なその他の
都 市 施 設 の う ち 、 恒 久 的 な 性 格 を有 す る も の を都 市 計 画 に 定 め る 。
3 市街地開発事業に関する主要な都市計画の決定の方針
(1)主要な市街地開発事業の決定の方針
①市街地の抱える課題
本都市計画区域では、昭和41年より土地区画整理事業が実施され、
計 画 的な市街地の形成を 行 ってきた。
しかし、糸魚川地域では、幹線道路や区画道路の整備が遅れているこ
と か ら 、 用 途 地 域 内 に 宅 地 化 さ れ てい ない 農地 が 多 く 残 る 一 方 で 、 用 途 地
域周辺部での宅地化が進んでいる。人口の減少や郊外型大型店の進出
な ど に よ り 、 JR糸 魚 川 駅 北 側 地 区 で は 中 心 市 街 地 と し て の 活 力 低 下 が 課
題となっている。
能生地域では、市街地周辺で計画的に開発されなかったことにより良
好な市街地が形成されていない地域が見られる。また、用途地域内には
低未利用地が多く含まれいる。
なお、青海地域では、都市計画道路や住区基幹公園などの都市施設
- 17 -
は他地域に比べて整備が進んでいる。
②市街地開発事業の方針
良好な都市環境の創出のため、都市施設の整備を進めるとともに、市
街地内の未整備地区については市街地開発事業を実施し、地区計画の
策定などを推進して、整備に努める。また、新市街地については、道路、
公園、下水道などの基盤整備を促進し、快適な都市環境を確保する。
既成市街地内では必要に応じて市街地再開発事業、土地区画整理事
業等により土地の高度利用や、都市機能の更新に努める。
糸魚川地域では高次都市機能の集積が求められており、新たな高速交
通体系の整備やプロジェクトの進捗を契機として、都市基盤の整った質の
高い市街地を形成しその実現を図 る。
(2)市街地整備の目標
①土地区画整理事業
本 都 市 計 画 区 域 に お い て 5ha以 上 の 土 地 区 画 整 理 事 業 で 整 備 中 、 ま た
は概ね10年 の間に着手を予定している箇所はない。
4 自然的環境の整備又は保全に関する都市計画の決定の方針
(1)自然的環境の整備又は保全の方針
本都市計画区域は、能生川、早川、海川、姫川、青海川流域の平坦地とそ
の周囲の丘陵地、山地によって構成され、北は日本海に面している。能生地
域の能生漁港周辺が久比岐県立自然公園に指定されている。また、北アル
プ ス の 北 端 が 日 本 海 に 突 き 出 し た 断 崖 絶 壁 は 、 景 勝 地 親 不 知 を形 成 し、 糸 魚
川地域の一部が親不知子不知県立自然公園に指定されている。区域の南側
には中部山岳、上信越高原の2つの国立公園と白馬山麓県立自然公園があ
り、自然環境に恵まれている。また、日本列島を分断する糸魚川静岡構造線
の北端に位置している。
今後は、生態系の維持に配慮し、森林地帯や美しい海岸線、能生川、姫
川、青海川に代表される河川などの豊かな自然環境を保全するとともに、多
様化するレクリエーション需要への対応、都市環境の改善、都市防災の強
化、郷土景観の向上を進めるため、市街地及びその周辺の緑地に関して有
効な活用を図る。
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また、『にいがた「緑」の百年物語−木を植える県民運動』との連携のもと、
地域社会において木を植え、緑を守り育て、緑といのちを育む心を育て、一
層 豊 かな ふ る さ と づ く り を推 進 す る 。
親不知海岸
(2)主要な緑地の配置の方針
①環境保全系統
区域の大部分を占める森林地帯は、山林の持つ水源涵養、大気浄化、
生態系保全などの公益的機能を維持することを基本としつつ、本区域の
骨格をなす緑地として保全する。
景勝地親不知に代表される海岸線、海浜や能生川、早川、海川、姫
川、青海川などの主要河川とその水辺の緑、月不見池などの湖沼は、本
区域の骨格を形成する重要な自然環境であり、今後とも保全する。
②レクリエーション系統
地域住民の休息、遊戯、運動などの総合的な広域レクリエーションの拠
点として、美山公園、名引山公園、能生海洋公園を配置し、機能の充実
を図 る。
水辺環境と調和した姫川公園の機能の充実を進めるとともに、森林など
の豊かな自然環境を活かした公園整備を進める。
また、レクリエーション拠点となる各緑地を有機的に結ぶ道路の緑化や
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河 川 に よる緑 地 など の利用 によ り、 水 と 緑 の ネッ ト ワー ク化 を図 る 。
美山 総 合 公 園 内 の 陸 上 競 技 場
レ ク リ エー シ ョ ン 活 動 の 拠 点 で あ る 能 生 海 洋 公 園
③防災系統
地震、火災などの災害時における安全性の確保を図るため、地域防災
計画との連携を図りつつ、避難地としての機能を有する公園などの計画
的な配置に努める。また、広幅員道路や河川などは、火災の延焼防止帯
や災害時の避難経路として位置付け、ネットワーク化と緑化を目指す。
海岸線沿いの樹林地は、防風、防砂の機能を果たしており、その保全
に努め る 。
④景観構成系統
市街地から眺めることができる南部の森林地帯や上信越高原国立公
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園 、 白 馬 山 麓 県 立 自 然 公 園 に 指 定 さ れ てい る 山 々 や 雄 大 な 日 本 海 、 市 街
地内を流れる姫川、海川などの自然景観は、地域を特徴付ける景観とし
て保全する。
また、市街地内及び周辺に分布する既存の緑地空間については、都市
生活にうるおいを与える貴重な景観資源として保全する。
(3)実現のための具体の都市計画制度の方針
①公園緑地等の配置の方針
都市公園などの施設として整備すべき緑地の配置方針は次のとおり。
種
類
配置方針の概要
住区基幹公園
利用圏域人口、誘致距離、土地利用状況及び将来
の見通しなどを勘案し、適正な規模の公園緑地を 配 置
する。
都市基幹公園
総合公園として美山公園、名引山公園、能生海洋
公 園 を 配 置 し、地域 住民の憩いの場及びレクリエーシ
ョン拠点として機能 の充実を図る。
緑地
姫川河川敷に姫川公園を配置し、機能の充実を
図る。
その他
その他の緑の拠点として、適正に広場、運動場な
どを配置する。
水と緑の環境軸として、能生川、姫川などの主要
な河川、及び海岸線を位置付け、水と緑のネットワー
クの形成を図る。
また、海辺の海岸林などを活用した海辺の緑の遊
歩道の整備を図る。
②風致地区等の指定の方針
良好な自然的景観の保全などを図る観点から、必要に応じ風致地区な
どを指定する。
(4)主要な緑地の確保目標
本都市計画区域において、整備中、または概ね10年の間に着手を予定
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している箇所は次のとおり。
市町村名
糸魚川市
種
別
都市緑地
名
称
姫川公園、名 引 山 公 園 、能生海洋公園
* 10ha以 上 の 公 園 緑地 を対 象 と し た。
参考図面
附図−4:自然的環境の整備又は保全に関する方針図
5 その他都市計画の決定に関する方針
(1)都市景観にかかる都市計画に関する方針
①基本方針
地域に残る歴史的・伝統的建造物の保全・活用を図ると共に、屋外広告
物や新築する建築物のデザイン・意匠などについて規制・誘導を行い、景
観 特 性 を生 かし た 都 市 景 観 の 形 成 を 目 指 す 。
また、住宅地においては住民の景観に対する意識を醸成しながら、景観
協定などの制度を活用した個性的で魅力ある住宅地の景観形成の促進を
目指す。
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