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経営革新コンサルティングのご紹介(PartⅣ)

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経営革新コンサルティングのご紹介(PartⅣ)
みずほ総合研究所株式会社
コンサルティング部
03-3591-7211
Copyright©みずほ総合研究所 2008
無断転載を禁ず
みずほ総研コンサルティングニュース 2009.8
Mizuho Research Institute Consulting News
経営革新コンサルティングのご紹介(PartⅣ)
―経営革新コンサルティング事例「全社一体参画型の経営革新」-
2008年10月号・2009年 3 月号でご案内した経営革
新コンサルティング実施事例に続きまして、第三弾の事
例をご紹介させて頂きます。
1.企業紹介と当時の経営状況
今回事例に取り上げるのは、売上高 20 億円、従業員
数 40 名の酒類製造業です。酒類市場の業界全体はア
ルコール離れやアルコールの低価格化等によりこの 10
年間で約 20%の市場縮小が生じています。当社も外部
環境に左右される中、売上高は年々減少し続けており、
今後の生き残りに向けて、自力で収益拡大を図ることの
できる組織体への変革が急務となっていました。
2. 経営課題と解決方針
当社は個人任せの営業活動を続けてきたことによる
「弱体化した営業力」、商品改廃を怠ってきたことによる
「商品力の低下」、更にはこれらを外部からの借入で補
完してきたことによる「借入依存体質」等、組織体として
自力で収益を確保することができない各種の経営課題
に直面していました。そこで、各種施策を、実施を直接
担う現場と一体となって立案し、経営革新計画としての
策定と実行を図りました。
企業紹介
・業種:酒類製造小売業
・業種:酒類製造小売業
・事業規模:売上高20億円
・事業規模:売上高20億円 従業員
従業員 正社員
正社員 40名
40名
・事業環境(当時)
・事業環境(当時)
酒類市場は消費者のアルコール離れと低価格指向をうけ、直近10年間
酒類市場は消費者のアルコール離れと低価格指向をうけ、直近10年間
で約20%縮小。
で約20%縮小。
また、大手メーカーの市場参入や大手小売業の寡占化の進展などにより
また、大手メーカーの市場参入や大手小売業の寡占化の進展などにより
チャネル構造は大きく変化し、市場環境は年々厳しさを増していた。
チャネル構造は大きく変化し、市場環境は年々厳しさを増していた。
約20年近く商品の改廃を行ってこなかったこともあり、顧客離れも進んで
約20年近く商品の改廃を行ってこなかったこともあり、顧客離れも進んで
おり、自力で収益を確保することのできる組織体へ変革することが急務と
おり、自力で収益を確保することのできる組織体へ変革することが急務と
なっていた。
なっていた。
企業の現状
年々厳しさを増す外部環境に対し、家内工業的な経営から脱皮することが
年々厳しさを増す外部環境に対し、家内工業的な経営から脱皮することが
できず成り行き的な運営を続けた結果、商品は顧客に支持されなくなり、
できず成り行き的な運営を続けた結果、商品は顧客に支持されなくなり、
売上は年々低下し続けた。また、売上低下に伴う在庫の増大や遊休資産
売上は年々低下し続けた。また、売上低下に伴う在庫の増大や遊休資産
を放置し続けたために、借入依存体質の経営となってしまっていた。
を放置し続けたために、借入依存体質の経営となってしまっていた。
反面、商品面で、当社の商品は独特の製法によるものであり、他社と差別
反面、商品面で、当社の商品は独特の製法によるものであり、他社と差別
化が図れる可能性があったこと、営業面で、これまで活動してこなかった市
化が図れる可能性があったこと、営業面で、これまで活動してこなかった市
場・顧客への営業開拓余地が残されていたこと等、収益を拡大させること
場・顧客への営業開拓余地が残されていたこと等、収益を拡大させること
ができる商品開発施策・営業強化施策の展開が可能であった。
ができる商品開発施策・営業強化施策の展開が可能であった。
施策を立案・計画し、着実に実行に移すためには、実施を担う現場部門の
施策を立案・計画し、着実に実行に移すためには、実施を担う現場部門の
施策立案段階からの参画と、各種施策を効率的に管理するための管理
施策立案段階からの参画と、各種施策を効率的に管理するための管理
ツール整備や運営手法の確立が課題であった。
ツール整備や運営手法の確立が課題であった。
コンサルティング方針
自力で収益を確保できる企業へ変革するためには、全社員が一体となって
自力で収益を確保できる企業へ変革するためには、全社員が一体となって
組織的に活動し、家内工業から企業へ脱皮することが不可欠となる。その
組織的に活動し、家内工業から企業へ脱皮することが不可欠となる。その
ためには、
ためには、
①生産面:「在庫の適正化」「生産量の適正化」
①生産面:「在庫の適正化」「生産量の適正化」
②商品面:「顧客志向に基づいた商品ラインナップの再構築」、「商品開発
②商品面:「顧客志向に基づいた商品ラインナップの再構築」、「商品開発
頻度の向上」
頻度の向上」
③営業面:「組織的営業活動の実践」、「取引先依存度の低下」
③営業面:「組織的営業活動の実践」、「取引先依存度の低下」
さらには、これらの施策を支える
さらには、これらの施策を支える
④財務面:「資産効率の向上」、「借入依存度の低下」など
④財務面:「資産効率の向上」、「借入依存度の低下」など
複合的、かつ効率的に実施し、経営成果を得ていく必要がある。
複合的、かつ効率的に実施し、経営成果を得ていく必要がある。
施策は実施されなければ意味がありません。また、実
施できないような施策をトップダウンで策定しても、同じく
意味がありません。今回の活動では、収益体質を改善さ
せ、営業利益率 7%以上を目指すという目的を達成する
為に、経営戦略を打ち立て、全社員が一体参画して「在
庫適正化」「生産量適正化」「拠点再編成」「販売チャネ
ル拡大」「営業管理体制の構築」「商品ラインナップ見直
し」「新商品開発」等の施策を立案し、優先順位の高い
ものから実施しました。そして、「財務・管理会計」と「組
織・人事」の仕組みを構築・運用することにより自力で収
益拡大を図ることのできる組織体へ変革するという、経
営革新を目指しました。
(下図参照)
経営戦略BOX
分析項目
市場
競合
顧客
財務
営業
商品
主な内容
戦略方向性
効率的生産体制
の構築
営業体制の
再構築
利益重視の
商品再編成
市場調査、トレンド予測
ポジショニング分析、競合商品調査
顧客・消費者動向調査
財務分析、実態バランス把握
取引先ヒアリング、消費者アンケート
商品ポジショニング分析
業務プロセスBOX
最優先事項から実施していきます。
戦術方向性
内容例
既存在庫の同業他社向け販売
仕入調整の実施
生産工場稼働率向上に向けたOEM受託
生産量の適
需要予測手法の導入
正化
需要予測に基づく生産体制の構築
拠点別営業生産性・顧客分布の分析
営業活動の棚卸
拠点再編成
顧客層別化と層別営業手法の確立
拠点集約・新規営業拠点設立
小売直販チャネルの開拓
販売チャネ
「産地直販」を売りにしたネット販売の実施
ル拡大
直営店舗設置による販売拡大
全社⇔部門における分担と役割の明確化
営業管理体 損益目標分担と役割の明確化
制の構築
担当者別ターゲットリストの作成
担当者別営業活動管理の実施
商品群別ポートフォリオ分析
商品ライン
商品単品別方針の策定
ナップ見直し
商品改廃
消費者アンケートによる声の収集
新商品開発 営業~商品企画の会議体構築
商品開発サイクルの短縮化
戦術方向性
在庫適正化、生産量の適正化など
拠点再編成、販売チャネル拡大、営業
管理体制の構築など
商品ラインナップ見直し、新商品開発な
ど
財務/管理会計BOX
財務リストラクチャリングの実施
財務リストラクチャリングの実施
在庫適正化
①在庫削減の実施
②遊休資産の資金化
③資金効率の向上
④借入金圧縮
管理会計の構築
管理会計の構築
①営業拠点別管理の仕組み検討
②商品原価管理の仕組み検討
③管理項目の検討と管理実施
④管理サイクル・運用の修正・改善
組織/人事BOX
<組織>
部門定義と役割再設定
戦略組織の新設
<人事システム>
全体業績の配分
評価基準の見直し、コンピテンシー導入
3.実施成果
各施策を実施したこの企業の業績は計画時に目標
とした営業利益率 7%を上回る成果を実現しました。
実施を担う社員たちが一体となって施策立案に
参画し、実行に移ることができたことが成功の鍵
であったといえます。
今回ご紹介しました「経営革新コンサルティング」に
関心がございましたら上記連絡先までご一報下さい。
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