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社会と核融合(啓蒙書等) - 核融合エネルギー研究開発部門

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社会と核融合(啓蒙書等) - 核融合エネルギー研究開発部門
「社会と核融合(啓蒙書等)」クラスターの報告
2002/11/7 江尻晶
1:クラスターのメンバー
「社会と核融合(啓蒙書等)
」クラスターのメンバーを
西田靖(宇都宮大学),井口春和(核融合科学研究所),春日井敦(日本原子力研究所)に依頼した。将来
的には、もう少し立場の違う人を追加したい。
2:活動の指針・方針
▲世間は核融合研究をどのようにとらえているのか?
▲今までとは別の切り口で核融合研究の魅力を若者(とくに高校生,大学の学部生)にアピールできない
か?
具体的には、
(1)既存の出版物,Home Page の調査 −>3.
(2)アピール手段,内容の検討 −>4.
どのような形態がよいか,どのような内容がよいか
(3)出版などのアピール
3:核融合関係の出版物
ネットで「核融合」のつく本を検索した時のリストです。常温核融合関係が多いこと、古いものは入手で
きない(絶版)ものが多いのが特徴。■は一般向け,▲は専門書,●は常温核融合です。プラズマをキー
ワードにすると2倍程度の本がある。
■核融合革命―「地上の太陽」は日本をどう変えるか:小林 紀興 (著) 単行本 (1989/07) 早稲田出版
■核融合炉工学概論―未来エネルギーへの挑戦:関 昌弘 (編集) 単行本 (2001/09) 日刊工業新聞社
■レーザー核融合―21 世紀エネルギーへの挑戦 大阪大学新世紀セミナー:中井 貞雄 (著), 大阪大学創
立 70 周年記念出版実行委員会 (編集) 単行本 (2001/05) 大阪大学出版会
■核融合の 40 年―日本が進めた巨大科学:山本 賢三 (著) 単行本 (1998/01) ERC 出版
■核融合エネルギーのはなし
SCIENCE AND TECHNOLOGY:近藤 育朗 (著), その他 単行本(ソフト
カバー) (1996/12) 日刊工業新聞社
■エネルギー工学入門―太陽・原子力・核融合:宮本 健郎 (著) 単行本(ソフトカバー) (1996/04) 培
風館
■核融合の政治史:ロビン ハーマン (著), その他 単行本 (1996/03) 朝日新聞社
■21 世紀のエネルギー―プラズマ・核融合
■ 核融 合は なぜ む ずか しい か
NEW SCIENCE AGE:河辺 隆也 (著), 見角 鋭二 (著)
パ リテ ィ物 理学 コ ース ―ク ロー ズア ッ プ: 加藤 鞆 一 ( 著) 単行 本
(1991/04) 丸善
■誰にもわかる核融合の話:山科 俊郎 (著), 日野 友明 (著)
■核融合 新 OHM 文庫:杉浦 賢 (著), 谷本 充司 (著) 単行本 (1989/05) オーム社
■核融合―臨界への挑戦:関口 忠 (翻訳), 飯田 慶幸 (翻訳) 単行本 (1988/12) オーム社
■新しい核融合への道―トカマクは越えられるか
フロンティア・サイエンス・シリーズ:入江 克 (著) 単
行本 (1988/11) 丸善
■やさしい原子力 Q&A―そのしくみと安全性、チェルノブイリ、各種新型炉、核融合:近藤 駿介 (著) 単
行本 (1987/08) 山下出版
■核融合・原子力発電
サイエンスコミック (2):庄司 多津男, その他 単行本 (1985/12) クロスロード
■核融合への挑戦―無限のエネルギーを求めて
ブルーバックス (B-228) :吉川 庄一 (著)
▲核融合のためのプラズマ物理:宮本 健郎 (著)
▲核融合炉材料:井形 直弘 単行本 (1986/11) 培風館
▲核融合研究〈1〉核融合プラズマ:池上 英雄 (編集), その他 大型本 (1996/09) 名古屋大学出版会
▲核融合研究〈2〉核融合炉工学:池上 英雄 (編集) 単行本 (1995/11) 名古屋大学出版会
▲核融合炉構造設計:矢川 元基 (著), 堀江 知義 (著) 単行本 (1995/05) 培風館
●ミクロ世界の物理学―生命・常温核融合・原子転換:高橋 良二 (著) 単行本 (2001/12) 朱鳥社
●さようなら原発水素エネルギーこんにちは―燃料電池・常温核融合の新世界:山本 寛 (著) 単行本
(2001/04) 東洋経済新報社
●核変換―常温核融合の真実:水野 忠彦 (著) 単行本 (1997/11) 工学社
●常温核融合の発見―固体 核物理学の展開と 21 世紀のエネルギー:小島 英夫 (著) 単行本 (1997/03) 大
竹出版
●常温核融合の真実―今世紀最大の科学スキャンダル:J.R. ホイジンガ (著), その他 単行本 (1995/01)
化学同人
●常温核融合スキャンダル―迷走科学の顛末:ガリー・ A. トーブス (著), その他
●常温核融合―宇宙のロマンを再現する:松本 高明 (著) 単行本 (1993/11) 技術出版
●レポート 常温核融合:大浜 一之 (著)
●試験管の中の太陽―常温核融合に挑む:山口 栄一 (著)
●常温核融合―科学論争を起こす男たち:青木 薫 (翻訳) 単行本 (1990/05) 吉岡書店
●常温核融合―核エネルギーへの新たな可能性をさぐる:岡本 真実 (著) 単行本 (1989/07) 日刊工業新
聞社
4:啓蒙書等のアイディア
留意点
(1)核融合の啓蒙書が売れた時代と現在では,核融合にたいする期待が異なり、以前と同じコンセプトでは
売れない。
(2)日本語による日本人向けの啓蒙書が少ない。
(3)題名に工夫が必要。
「秘話」は売れる要素。派手な表紙,2000 円以下も売れる要素。
(4)宇宙,素粒子での新発見のような一般人からみて新しい情報が必要。
(5)スバルの映像のように視覚に訴えるものが必要。
(6)専門用語は使わない。非専門家が書く。縦書き。東京電力のホームページは参考になる。
(7)JT60 建設秘話に類するものが,以前,雑誌に連載されていた。東工大の島田先生がまとめて本にする
ことになっていたが、その後どうなったのか不明。
(8)電気学会は,核融合以外にプラズマ,放電のグループがあり,協力を得られる可能性がある。
(1)核融合における発明,発見,予言
発明:トカマク,ジャイロトロンのエネルギー回収,
アイスペレット,電流駆動,ダイバーター
発見:不安定性,輸送障壁,逆転磁場ピンチの緩和状態
予言:電流駆動,ブートストラップ電流,TAE,
(2)核融合研究秘話
苦労話,失敗談,
LHD,JT60 建設の苦労,日常実験での苦労,真空,電磁力,高電圧,ノイズ
(3)核融合ゲーム
ゲームは仮想世界であり,お金のかからない疑似体験を提供できる。また,近年の若者には,ゲームは受
け入れられやすい。従って,ゲームを通して,核融合研究者の雰囲気を味わってもらう可能性がある。ゲ
ームは一種のシミュレーションであり,シミュレーションゲームとしての作品は多い。例えば、シムシティ
ー,A 列車は,街づくりビジネスのシミュレーションであり,どのような町をつくるか,どのような交通
網を作るかがプレーヤーにまかされており、経済上のルールという制約のもとで,いかに発展させるかが
目的となる。また,シムアースのように地球環境・文明そのものをシミュレーションするゲームもあり,
ここでは,必ずしも開発発展志向が良いとは限らないことが示される。ゲームに仕上げるには単純化も必
要。核融合ゲームは例えば下記の4段階からなる。
実験装置製作:閉じ込め方式の選択,真空容器・コイルの設計,加熱装置の選択・設計
実験装置運転:運転をしながら、計測器,追加熱,制御装置,粒子補給装置の補充を行う。
発電炉製作:実験装置で一定の基準をクリアした後に実験装置製作と同様のプロセスを行う。
発電炉運転:発電,トリチウム生成が目標
(4)核融合研究で復習する高校物理
高校物理の知識で核融合研究を紹介するのではなく,核融合研究を題材に高校物理を復習するというスタ
ンスをとる。もちろん前者の方がやさしいが、後者も意義がある。大学の物理教育という意味では、高校物
理は大事で,学部1,2年の物理のかなりの部分は高校物理で紹介されている。
電磁気,原子・原子核,波,熱力学,剛体などは核融合研究の題材があり,可能。
丸善のパリティーに載せるとインパクトがある。他にサイエンス社の数理科学,ニュートン,文部科学省
の科学技術ジャーナル
5:調整委員会での議論とコメント
(1)本,ゲーム以外にビデオ,マンガ(アニメ)がアピール手段としてある。
(2)博物館などに核融合研究を紹介したものはある。学校の教材として適切なものが少ないのではないか。
核融合研の初期のビデオや,玉野先生が翻訳してプラ核学会から出したビデオがある。
(3)マンガ(アニメ)の影響力は大きい。マンガ雑誌,アニメなどで核融合が出てくる場面は多いので,出
版社とコンタクトがとれれば(説得できれば)、核融合を主題にしたものができる。
(4)CERN によくできたマンガがある。
(5)GA が装置のオペレーションをゲームにしたものがある。
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