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ネコひっかき病 - せきぐちクリニック
せきぐちクリニック ネコひっかき病 どんな病気? 名前の通りで、ネコにひっかかれたり、咬まれたあと、2週間くらいして熱がでてだるくな り、そして、ひっかかれた側のリンパ節が腫れて痛む病気です。リンパ節のなかでも、腋の 下のリンパ節(腋窩リンパ節)が腫れることが多く、大きさとしては、直径5cmくらいに までなります。報告では、直径10cmくらいになることもあるようです。また、通常は一つ のリンパ節が腫れることが多く、全身のリンパ節が腫れることは少ないとされております。 この腫れたリンパ節の約15%は、膿を出します。このリンパ節の腫れは、1∼4ヶ月くらい 続くこともありますが、治療を受けないと数年間続くこともあります。 他に、稀な症状としては、けいれん、昏睡(こんすい)、肝臓と脾臓への肉芽腫(にくげしゅ) 性病変などがあります。 原因は? リケッチアという種類の細菌に分類されるBartonella henselaeという細菌の感染です。 子猫は、高率に、この菌を持っており、よくひっかく傾向もあるので注意が必要です。 その他、この菌をもったノミやイヌからも感染することがあります。ひっかかれたところか ら、この菌が入ると、3∼10日以内に水疱ができ、発赤し、盛り上がりのある発疹となり ます。これが1∼3週間続きます。体調がおかしいなと思われて受診される頃には、ネコの ひっかき傷も治り、診断がつきにくいということもあります。目も侵入経路となることがあ り、この場合、結膜炎と耳の前のリンパ節が腫れることがあります(パリノー眼腺症候群と 呼ばれています)。 治療は? アジスロマイシン、クラリスロマイシン、シプロフロキサシンなどの抗生物質の内服です。 ネコやイヌをペットとして飼われている方は、予防するにはどうするかというと、ネコやイ ヌは、このBartonella henslaeを持っていても症状がなく、感染しているかはわかりませ ん。そこで、以下のようなことが勧められております。 ● ● ● ● ネコやイヌの爪を常に短くしておく。 ひっかかれたり咬まれたりしない。 ノミの定期的な駆除・予防を行う。 医療機関を受診したときにネコやイヌとの接触を医師に伝える。 せきぐちクリニック通信 ページ 1