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MDK 留学支援制度 留学報告書 2014年9月 金沢大学 野村結 初め

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MDK 留学支援制度 留学報告書 2014年9月 金沢大学 野村結 初め
MDK
留学支援制度
留学報告書
2014年9月
金沢大学
野村結
初めまして。私は金沢大学国際学類三年、野村結と申します。先月の終わり
から、ロシアのタタールスタン共和国にあるカザン連邦大学に10ヶ月間留学
しています。今回、このような支援をしていただいたことを心から感謝し、こ
の留学によって自分がいかに成長し、これからの世界にどう還元していくこと
ができるのか、しっかり考えて実りのある留学にしたいと考えています。私の
ロシアでの経験を知っていただけると光栄です。
【ロシアでの生活について】
私は今、大学の寮に住んでいます。カザンでは昨年、ユニベルシアードとい
う大学生のオリンピックがあったため、町はかなり整備され、たくさんの競技
場が建ちました。そして私が住んでいる寮も、そのときの選手村として建設さ
れたものなので、かなり大きい建物です。留学生とカザン大学性が約1万人住
んでいるそうです。私はそこでフランス人とドイツ人のルームメイトと一つの
部屋で共同生活をしています。プライベートもプライバシーも全くない初めて
の共同生活なので、文化の違いや価値観の違いなどの軋轢により不便な点もあ
りますが、ようやくその生活にも慣れてきました。
カザンは、ロシアでモスクワ、サンクトペテルブルクに次ぐ三番目に重要な
都市だと言われています。人口も多いのですが、一番の特徴は多文化共存が機
能しているという点だと思います。カザンは、もともとタタールスタンという
民族が暮らしていた地域にロシアが侵攻したことによって、ロシア人とタター
ル人の地域になります。従って、ロシアでありながらも、タタールスタン共和
国としての自治を行っています。そのため、人口の半分がロシア人で、残りの
半分はタタール人という人口構成になっています。私はここにきてここまで文
化の共生が上手くいっているということに驚きました。また、イスラム教とキ
リスト教の共存が成り立っています。この地域に住む人々はほぼ 100%ロシア語
を話すそうです。しかし、政府はタタール語の保存にも力を入れているため、
街中にはロシア語とタタール語の表記がされています。
この写真は、大学のすぐ近く
にある世界遺産であるカザン
クレムリンです。とても美しく、
荘厳な雰囲気があります。わた
しがカザンで一番大好きな場
所です。このように、協会や修
道院が点在した、歴史的な価値
のある都市でもあります。日本
では味わうことのできない、宗
教と人々の生活が密接に関わ
っている状況はとても興味深
いものであります。この多文化、
多宗教の共存という点で、世界
でモデルになる点が多くあるということに気づくことができました。
【ロシア語の学習について】
まず、私が所属することになったのは文学部のロシア語ヨーロッパクラスで
した。そのコースがかなりハイレベルなコースで、アジアからの留学生は私だ
けでした。語学力の差が歴然だったのでかなり不安であることを伝えると、教
授が特別に一ヶ月だけ語学研修のコースに参加させてくれるということになっ
たので、この一ヶ月間午前中にドイツ人の語学研修コースに出席し、午後から
ヨーロッパのコースに出席しています。午前中は基礎を学び、午後からは文法、
ロシア語の語彙、プラクティカルコミュニケーションなどの授業に出ています。
語学研修のコースは9月だけなので、あと数日で終わります。毎日飽和状態に
なりながらも、全力で取り組むことができました。この一ヶ月で語学力が格段
に伸びたとはまだ言えませんが、少しずつ理解できる範囲が広がり、自分の意
見も言えるようになってきたと実感しています。何度も挫折を味わいながらも
前向きに取り組むことができています。そして、国際関係学部の授業は後期か
らということだったのですが、国際関係学部の教授にお願いしてみたところ、
前期では文化研究論という授業を受講することができることになりました。そ
の授業は、ロシアと欧米、アフリカ大陸、そして日本の文化研究の違いについ
ての講義です。かなり難しいので、本学部生とは別の課題を課してもらい、補
足しながら講義を受けています。
このように毎日ロシア語のシャワーを浴びながら生活することができていま
す。私の最初の一ヶ月はこのような感じです。これからも日々努力を惜しまず、
有意義な留学生活を送りたいと思っています。
ご精読ありがとうございました。
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