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社会環境工学科 - 北海学園大学工学部

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社会環境工学科 - 北海学園大学工学部
2015
社会環境工学科
社会環境コース・環境情報コース
Department of Civil and Environmental Engineering
北海学園大学 工学部
Faculty of Engineering
将来の高齢社会・情報社会が求める
人と環境にやさしいまちづくり
これからのまちづくりは、
導入教育・初年度教育
環境との共生や既存施設の維持管理はもとより、
高校から大学に移ったときには、いろいろなギャ
将来の高齢社会・情報社会を見据える必要があります。
ップがあり戸惑うことがあります。そのため本学科
例えば、冬期でも高齢者にやさしい都心環境の整備、
は、1年次の導入教育・初年度教育には力を入れて
います。例えば、大学入学前の数学、物理学の履修
ITの利活用による生活利便性や住民満足度の向上、
が十分でない学生に対し、数学概論、物理学概論
セキュリティ対策や防災・災害に強い地域づくりの促進などが
(いずれも選択)
を開設しています。また、専門教育
への準備として、シビルエンジニアリング(CE)基
重要性を増しています。
このような時代の変化と要請を踏まえ、社会環境工学科では
礎セミナー、あるいは総論などの科目も開設してい
ます。
伝統的な社会基盤施設の整備に関する教育を継承しつつ、
これらに必要な技術と知識に幅広く対応できる能力を身につけるため、
平成19年度から「社会環境コース」と「環境情報コース」の
2コース制を展開し、教育内容の一層の充実を図っています。
充実した就職指導・資格取得
本学は、伝統的に高い就職率を誇っています。資
格取得の面も充実しており、JABEE認定による技
術士補の他にも、測量士補などの資格を卒業と同時
社会環境工学科は、時代の変化と要請に対応しながら、
に得ることができます。教授陣と、4,000名以上に
公的機関、民間、そして市民相互の情報交流と連携促進に
もおよぶ本学科卒業生のOB会(北杜会)との緊密な
貢献できる人材を養成します。
連携バックアップによって、皆さんの就職を強力に
サポートします。
技術者倫理教育
近年、技術者による不祥事件
(原発、食品加工業、
自動車メーカー、官製談合、耐震強度偽装など)が
多発し、技術者倫理の重要性に対する認識が急速に
社会環境
工学科
高まりつつあります。本学科では「技術者倫理・演
習」を必修科目とし、さらに科目間での技術者倫理
維持管理
頼される技術者の育成を目指します。
人文社会
社会環境
コース
環境科学
防災
防災科学
技術者倫理
設計・
デザイン
環境情報
コース
環境
都市学
1
情報
教育を横断的に行うことにより、社会的に信用・信
社会環境工学科はJABEE認定された
教育プログラムを提供しています。
社会環境工学科は、平成17年度にJABEE認定を受け、現在も継続
しています。JABEE認定されると学生にとってどんなメリットが
あるのか説明しましょう。
採用側での
技術士補・技術士のメリット
日本データーサービス株式会社
JABEEは第3者機構であり、JABEE基準を満たして
JABEEの
メリット
1
いるか学外の審査員によって審査されます。認定学科は
社会に対して学習教育目標を公開し、説明責任を果たす
ことが求められます。したがって、教員個人ではなく学科
全体が組織として教育に対する責任を持つことが求められます。この
ように第3者認定を受けたということが第1のメリットです。
技術士とは、理工系最高峰の国家資格であり、建
設コンサルタントとして『技術士』を多数有してい
JABEEの審査基準では、PDCAサイクルによる教育改
JABEEの
メリット
る企業は、顧客から高い信頼感を得られ、重要な人
善、エンジニアリング・デザイン教育などが設定されて
材となります。また近年は、官公庁発注の公共事業
2
います。これらは教育が常に改善されることや学生が社
の受注要件として、業務の管理技術者や担当技術者
会に出たときの難解な問題に対処する能力を養うことを
に『技術士』の保持が求められることが多くなりつ
目的としたものです。このように、教育の改善が常になされ、スパイラ
ルアップしていくことが第2のメリットです。
つあります。
このようなことから、
『
“次期”
技術士』
として期待
ができる『技術士補』を有している新卒者の採用は、
JABEEはワシントン協定への加盟が承認されていま
JABEEの
メリット
す。すなわち、JABEEにより認定された本学科のプログ
3
ラム修了生は、北アメリカ、ヨーロッパ、アジアなどの主
要17加盟国と同等の水準で技術者教育を受けたことが
保証されます。国際的同等性の保証、これが第3のメリットです。
採用側にとって非常に大きなメリットがあります。
文責:日本データーサービス株式会社 企画部次長 東本 靖史
会社概要
○社名:日本データーサービス株式会社
○代表:代表取締役社長 白尾 宣彦
○従業員数:152名
○URL:http://www.ndsinc.co.jp/index.html
JABEE認定プログラム修了生は、工学系最高レベルの
JABEEの
メリット
技術士資格試験の第一次試験が免除されます。すなわち、
4
本学科卒業生は、
「技術士補」の資格を卒業と同時に得る
ことができます。卒業後何年かして、働きながら学科試験
技術士として様々な
技術を駆使する
からなる第一次試験の準備をすることは大変な努力を必要とします。
これが免除されることは、最大のメリットかもしれません。
株式会社シー・イー・サービス
構造部 主任技師 技術士
亀 海 貴 寛 (34歳)
私は現在、札幌の建設コンサルタントで、主に橋
梁の設計業務に従事しています。山岳地帯や軟弱
構造材料実験
河川水文学の講義
地盤上に橋を架けなければならないことも多く、
橋梁設計には様々な技術が要求されます。国家資
JABEE認定された本学科の教育プログラム修了生は、平成26年3月
格である技術士を取得するということは、国が
「こ
末で623名にのぼります。技術士は4年間の実務経験が受験資格とし
の技術者は高度な知識と応用能力を有している」
て必要ですので、本学科卒業生から多くの技術士を輩出することがこ
と認めたことになります。発注者に対し、自身の技
れから期待されます。
術力を証明し信頼を得るためにも、技術士取得は
必須であると考えます。皆さんも社会に出た後、技
術士補として経験を積み、是非技術士取得を目指
「技術者教育認定制度」とは
大学などの高等教育機関の技術者教育プログラムを、外部機関とし
て専門的、中立かつ公平に評価し、国際水準や社会的要求に適合す
る内容とレベルの教育が実施されている事を専門認定する制度で
*
す。日本技術者教育認定機構(JABEE : Japan Accreditation Board
for Engineering Education)は、技術系学協会や産業界と密接に連携
しながら技術者教育プログラムの審査・認定を行う非政府団体で
す。日本を代表する技術者教育認定団体としてワシントン協定に加
盟しています。
*
JABEE は登録商標です。
参照:JABEE ホームページ http://www.jabee.org/
してほしいと思います。
Profile
2002年北海学園大学工学部土木工学科卒業、2004年北海学
園大学大学院工学研究科修士課程修了、2004年より(株)シ
ー・イー・サービス勤務。主な資格は技術士(建設部門−鋼構
造及びコンクリート)
、土木鋼構造診断士、コンクリート診断
士、コンクリート技士。
2
社会環境コース
社会基盤施設の設計・建設と維持管理。
新しい時代の専門建設技術者を養成します。
社会環境コースでは、国民の安全・安心のための生活基盤、および経済活動の活性化のための生産・流通基盤等の
計画、設計、建設のための基礎的な技術者教育を行います。さらに、社会基盤施設の維持管理のためのソフトからハ
ードにわたる種々の新技術、異常気象により深刻化する自然災害への適切な対応能力に習熟し、既成の概念にとらわ
れない、発想に満ちたデザイン能力により、新しい時代の要請に応え得る“専門建設技術者”の育成を目標とします。
KEY WORD 1
KEY WORD 2
KEY WORD 3
維持管理
防 災
設計・デザイン
シビルエンジニアリングはこの半世紀余
多発する地震、台風による風水害、地すべ
これからの技術者に求められることは、幅
り、多くの社会基盤施設を建設し、地域の市
り、火山……。国民の理解と合意形成を得て
広い地球的視野と工学知識を総合する能力で
民生活に密接に関係してきました。しかし
行われる防災対策は、安全安心な国土の形成
あり、その上で種々の施設・構造物の設計・デ
今、多くの社会基盤施設が老朽化・劣化し、こ
には必要不可欠です。社会環境コースでは水
ザインを行うことです。そのために、工学基
れからは社会基盤施設の「維持管理」や「長
工系、構造・材料系、土質・施工系の科目群か
礎としての数学、物理学、構造力学、水理学、
寿命化」が重要な課題となります。 維持管
ら、防災対策のハード的な面を学びます。さ
土質工学などの基礎的教育に力を入れ、さら
理・設計系科目を中心に、とくに北海道の地
らにこれらは、環境情報コースの都市情報系、
に計画・道路系、構造・材料系などの科目にお
域特性を考慮した社会基盤の建設技術や維持
都市防災系の科目とも連携し、ソフト的な面
いて、応用力のあるデザイン能力の養成を目
管理技術を学びます。
も合わせて学ぶことができます。
指します。
●社会基盤施設維持管理工学
●防災工学
●都市交通計画
コンクリート構造物、鋼構造物それぞれにおい
て、 、疲労、凍結融解、アルカリ骨材反応等の劣
化の要因と現状、初期設計時の対応を学習し、
劣化
後の補修工法、ライフサイクルコスト最小を目指
した維持管理計画について学びます。
頻発する悲惨な大規模災害から住民を守るため
には、原因を解明しハード・ソフトの両面から対
策を立てることが求められます。この科目では各
種災害の具体的事例を見ながら、総合的に災害防
御を考えます。
都市は社会基盤施設の凝縮された空間です。従
って都市空間での社会資本整備には特に工夫と知
恵が必要で、そのため景観工学や都市計画等、人
の感性に関わる幅広いソフトの技術や知見が求め
られます。
社会環境コース 専門教育科目
環
水
境
工
系
系
計画・道路系
維持管理・設計系
構造・材料系
土質・施工系
総
合
系
環境工学概論
保全生態学
水環境工学Ⅰ・Ⅱ
環境地質学
環境基礎実験
景観工学
水理学Ⅰ・演習
防災工学
河川工学
水理学Ⅱ・演習
河川水文学
港湾工学
計画数理Ⅰ・演習
道路工学
国際寒地都市論
計画数理Ⅱ・演習
都市・交通計画
社会基盤施設維持管理工学
寒冷地舗装工学
建設マネジメント
コンクリート構造設計演習
構造力学Ⅰ・演習
構造解析学
鋼構造工学
構造力学Ⅱ・演習
コンクリート構造工学
地震工学
コンクリート工学
構造材料実験
橋梁工学
土質工学Ⅰ・演習
測量学Ⅰ・Ⅱ
地盤工学
一般教育科目(数多く
環境アセスメント
物理学概論Ⅰ・Ⅱ
自然科学
化学セミナーⅠ・Ⅱ
教養科目
人文科学
倫理学Ⅰ・Ⅱ
社会科学
法学
北海道学
北海道史
鋼構造工学設計演習
基盤科目
言語
英語、ドイツ語、フラ
身体
健康とスポーツの科学
情報
コンピュータ科学
工学基
線形代数学Ⅰ・Ⅱ
土質工学Ⅱ・演習
測量実習
火薬学
シビルエンジニアリング基礎セミナー
情報処理Ⅱ・演習
インターンシップ
プレゼンテーション
物理学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ
シビルエンジニアリング総論
技術者倫理・演習
CAD演習
技術英語
代数学序論
情報処理Ⅰ・演習
プログラミング
シビルエンジニアリングデザインセミナー
卒業研究
微分積分学Ⅰ・Ⅱ
専門教育科目
確率統計
解析学序論
大 学 院
3
環境生物科学Ⅰ・Ⅱ
環境統計学・演習
環境情報コース
環境に配慮し、あらゆる人に優しい安全、安心なまちづくり。
文理融合型の技術者を育成します。
環境情報コースでは、都市環境工学、都市情報工学、都市経営工学、都市防災工学の基礎的な技術者教育を行いま
す。さらに、近年重要性を増している環境保全対策、防災政策、福祉政策に必要不可欠なリスク管理、社会調査、お
よび合意形成等の手法に習熟し、環境への配慮を常に欠かさない人間中心の視野を持ち、あらゆる人にとって優しい
安全、安心なまちづくりを目指す“文理融合型の技術者”の育成を目標とします。
KEY WORD 1
KEY WORD 2
KEY WORD 3
環 境
情 報
都市学
環境関連科目の中心となる都市環境系の
情報に関する基礎的知識の習得はもちろん
都市学に関する科目は、主に表中の都市経
科目では、環境問題に関する正しい知識を習
のこと、情報処理・演習、データ処理論実習、
営系に示されています。特に、積雪寒冷地に
得するとともに、環境保全と人間生活が両立
プログラミングなどの応用的な科目も多数配
おける交通政策、あるいは交通弱者に対する
できる社会を実現するための考え方、手法を
置しています。例えば、高齢社会に求められ
バリアフリーなどの福祉政策の策定におい
幅広く学びます。実験・実習を多数配置して
る人に優しい情報技術や、まちづくりにおけ
て、市民の合意形成を支援する能力を養成し
おり、講義で学んだ知識を実践に応用する技
る市民参加と合意形成を支援する情報技術の
ます。さらに、市民や社会とのコミュニケー
術を身につけることができます。例えば、環
応用なども学びます。またこれらは、防災シ
ションなどを深く考える社会調査法や住民参
境の質を把握する方法を環境計測学などの
ステムとも深く関連し、表中の都市防災系の
加論などの科目群も多数配置し、人間中心の
講義で学び、実際の測定方法・計算方法を環
科目と共に、防災システムの構築から管理ま
幅広い視野と見識を持った文理融合型の技術
境工学実習などで実践を交えて学びます。
で幅広く対応できる能力を養成します。
者の育成を目指します。
●都市環境工学
●情報処理Ⅰ・演習、情報処理Ⅱ・演習
●寒地政策論
私たちの生活に欠かせない水、大気、土壌など
の環境の質や、生きていくうえで必ず発生してし
まうごみ問題に注目し、公害問題など歴史的背景
や現状を知るとともに、環境の質を悪化させない
技術などについて学びます。
表計算ソフトを用いた数値データの扱い方、さ
まざまなグラフの作成方法を情報処理Ⅰ・演習
で、応用問題の解き方を情報処理Ⅱ・演習で学び、
データ処理論実習やプログラミングなどの応用科
目への基礎学力を身に付けます。
積雪と寒冷という厳しい自然条件下での北海
道の歴史的発展を学ぶとともに、人口190万人も
擁する札幌市の寒冷地政策と建設技術を学びま
す。また、寒冷地都市のあり方、除雪事業などの
雪対策について考えます。
写真:寒地土木研究所 提供
環境情報コース 専門教育科目
開講されている科目の一例)
数学概論Ⅰ・Ⅱ
地球科学Ⅰ・Ⅱ
寒冷地環境論
環境計測学
都市環境工学
物質環境科学
数学セミナーⅠ・Ⅱ
環境地質学
水環境工学Ⅰ・Ⅱ
環境工学実習
宇宙科学Ⅰ・Ⅱ
地球環境セミナーⅠ・Ⅱ
言語学Ⅰ・Ⅱ
歴史学Ⅰ・Ⅱ
日本国憲法
マスコミ論
北方圏文化論
大学史
都 市 環 境 系
保全生態学
環境評価論
環境アセスメント
環境微生物学
環境基礎実験
景観工学
情報処理Ⅰ・演習
データ処理論実習
CAD演習
情報処理Ⅱ・演習
プログラミング
防災情報システム
計画数理Ⅰ・演習
地域福祉論
寒地政策論
計画数理Ⅱ・演習
都市経営論
社会調査法
住民参加論
道路工学
国際寒地都市論
防災工学
鋼構造工学
橋梁工学
寒地・都市防災論
リスクマネジメント
地震工学
コンクリート工学
コンクリート構造工学
河川水文学
河川工学
地盤工学
振動・波動工学
シビルエンジニアリング基礎セミナー
構造の力学A・演習
基礎土質工学A・演習
シビルエンジニアリングデザインセミナー
代数学Ⅰ・Ⅱ
シビルエンジニアリング総論
構造の力学B・演習
基礎土質工学B・演習
プレゼンテーション
測量学Ⅰ・Ⅱ
流れ学A・演習
技術者倫理・演習
技術英語
測量実習
流れ学B・演習
インターンシップ
都 市 情 報 系
ンス語、中国語、ロシア語、韓国・朝鮮語
学Ⅰ・Ⅱ
体育実技
都 市 経 営 系
都市・交通計画
情報技術論
礎科目
都 市 防 災 系
幾何学序論
幾何学Ⅰ・Ⅱ
総
合
系
基盤数理系
品質管理・演習
卒業研究
応用数学Ⅰ・Ⅱ
解析学Ⅰ・Ⅱ
大 学 院
4
実
験
・
実
習
紹
介
研
究
室
紹 介
社会環境工学科にはさまざまな実験や実習があり、
4年次に、学生はそれぞれの研究室に所属し、
実践的な技術を習得することができます。
指導教員のもとで卒業研究を行います。
測量実習
佐々木康彦 研究室
実際の工事では計画・設計など
本研究室では、巨大地震を受ける
で図面を作成しますが、ここで必要
土木・建築構造物の揺れ具合や耐
な現場の位置を求めるために測量
震性を研究しています。高性能コン
があります。そこで測量実習では、
ピュータによる構造物−基礎・地
一班5∼6名で手分けして高さや
盤全体系の模擬計算を実施し、地震
角度を測り、一定の精度が確保でき
時に構造物が示す変形性能やエネ
るまで繰り返すことで現場に通用
ルギー吸収性能、損傷の程度と耐震
する技術を身につけます。
安全性を明らかにします。
環境基礎実験(水質分析の部)
嵯峨 浩 研究室
河川や湖などの水環境調査では、
化学的な水質を知ることが重要に
「水を制する者は天下を制す」の
どおり、人は水との戦いでした。
なります。この実験では、吸光光度
現代も異常気象などにより洪水が
法による亜硝酸窒素イオンの定量
頻発しています。本研究室の大きな
分析を行っています。様々なガラス
テーマは、洪水を防ぐため、あるい
器具の使い方、定量分析の操作方法
は被害を軽減するため、雨とその集
など、水質分析の基礎的手法を学ぶ
合体である河川流量とのメカニズ
ことを目的にしています。
ムを解明することです。
構造材料実験(道路の部)
小野 丘 研究室
道路舗装の95%は、アスファル
北海道のような寒冷地域では、冬
ト舗装です。アスファルト混合物の
期の低温により地盤が盛り上がる
工学的特性を理解することは、舗装
“凍上”
が発生して道路、斜面、構造
材料の配合設計および現場での施
物の凍上被害が繰り返されていま
工・維持管理を行う場合に重要で
す。本研究室では、地盤工学から見
す。実験では供試体を作成し、強度
た土の凍上現象と社会基盤維持の
や変形量などから設計アスファル
ための寒冷地の防災技術に関する
ト量の決定を行います。
課題に取り組んでいます。
データ処理論実習
山本裕子 研究室
普段何気なく接しているデータ
酪産地帯の河川等を対象として
の中には、実は宝の山が隠されてい
調査研究を行っています。酪農地帯
ます。これらのデータをまちづくり
では、飼料作物の栽培に肥料を多く
などに活用する方法を習得します。
使用するため、河川への窒素成分の
具体的にはデータマイニング手法、
流出が懸念されます。長期間継続的
多変量解析手法などを理解し、表計
に調査することで、気象や土地利用
算ソフトなどを活用した分析方法
の変化が水質へ与える影響が明ら
を学びます。
かになってきます。
現 場 見 学 会
大学の講義や実習で身に付けた知識
が、社会でどのように使われているのか
を知ることは、勉学意欲の向上や卒業後
の進路の選択に大いに役立ちます。本学
科では、卒業までにいくつかの現場見学
のプログラムを用意しており、国道の改
良工事現場や、建設途中のダムなどのタ
イムリーな見学を毎年行っています。
5
構造物−地盤連成系の耐震性の評価
現場見学会で訪れた定山渓ダム(2013年10月)
豊平峡ダムで集合写真
豊平峡ダム放水状況
凍上・融解による斜面の崩壊
酪農地帯での河川調査
2
0
1
3
年
度
卒
業
研 究
発 表
会
社会環境工学科では、4年生の4月から各教員の研究室に配属となり、1学期
は卒業研究の準備段階として社会環境工学セミナー・環境情報工学セミナーで
各教員が与える課題に取り組み、2学期からは本格的に卒業研究に取り組みま
す。卒業論文の完成と、卒業研究発表会での発表が、すべての学生にとって、大
学教育4年間の集大成となります。
2013年度、各教員に配属された4年生の主な卒業研究テーマは、下表に示す
ように幅広いものになっています。卒業研究発表会は、研究テーマにより土・施
工・計画系教員が指導をするグループⅠ、構造・数物系教員が指導をするグルー
プⅡ、水・環境系教員が指導をするグループⅢに分かれて行われます。4年生の
1学期には、
「プレゼンテーション」の講義で発表技術を修得していますので、こ
れまでの学習と研究の集大成として、プロジェクターを用いた発表を行います。
発表後には質疑応答の時間を設けており、出席者からの厳しい質問に対して、こ
れまで得た知識を総動員して議論を行います。発表会は公開で行われますので、
3年生が卒業研究のテーマを選ぶ参考のために参加したり、OBが後輩の研究成
果を聞くために参加したりと、世代間の情報交換の場にもなっています。
2013年度の主な卒業研究テーマ
グループ
グループⅠ
教
員
名
主な 卒業研究テーマ
武市 靖
教授
●粗面系舗装における凍結路面のすべり抵抗特性に関する研究
●粗面系舗装における凍結路面への凍結防止剤散布によるすべり抵抗特性に関する研究
●粗面系舗装における凍結防止剤の散布量の違いによる凍結抑制効果に関する研究
上浦 正樹
教授
●車両動揺に与える軌道変位に対する波形成分の比較に関する研究
●鉄まくらぎにおける充填状態の良不良判定に関する研究
●市民参加型 GIS の構築に関する基礎的研究―山鼻地区の小学校の通学路安全マップの製作―
堂柿 栄輔
教授
●路上駐車規制の緩和施策に関する基礎的考察
●不規則路上駐車行動に関する調査研究
●路上駐車のアイドリング行動に関する調査研究
小野 丘
教授
●土の凍上性判定と細粒分含有率との関係
●法面保護工の凍上被害と試料の凍上性
●土の凍上力の算定方法
鈴木 聡士
教授
●CVM を用いたエゾシカによる損失価値評価と対策システムの提案
●札幌市における住民除雪と福祉除雪の評価
●地域・SNS コミュニティに着目した社会問題解決の期待度分析
当麻 庄司
教授
●橋梁設計における死荷重分配法の違いによる断面力の比較
●建設事故におけるヒューマンエラーの分析と対策
●北海道のエネルギー対策に関する一考察 −太陽光発電の可能性−
杉本 博之
教授
●道央圏の市町村の長寿命化修繕計画と橋梁観察による劣化進行の考察
●北海道建設部の管理橋梁における補修前後の点検結果に関する考察
●インテグラルアバット橋の試設計と耐震性に関する考察
高橋 義裕
教授
●ストランドシート補強RC梁の曲げ耐力におよぼすU字補強効果に関する実験的研究
●ポリウレア樹脂層を有する炭素繊維補強RC梁のせん断耐力に関する実験的研究
●ストランドシート補強RC梁の曲げ耐力におよぼすポリウレア樹脂層の影響に関する実験的研究
吉田 文夫
教授
●寿命を考慮したフィボナッチ増殖システムの振る舞いに関する研究
●ある多重積型非線形連立方程式の代数的解法に関する研究
佐々木 康彦
教授
●可変剛性型システムの履歴減衰性能における地震入力レベルの依存性
●長周期地震動を受ける超高層ビルの地震応答性状と応答変位軌跡
●構造物−地盤連成系の動的相互作用における有効入力と地下逸散減衰の効果
余湖 典昭
教授
●美々川の水質組成の経年変化
●美々川の湧水涵養地域における家畜糞由来の汚濁発生量について
●美々川上流部における河床からの湧出水量とそのメカニズム
許士 達広
教授
●ループを伴う水位流量曲線の研究
●プロッティングポジションを用いた非毎年確率値の研究
●将来確率値の簡易推定法に関する研究
嵯峨 浩
教授
●CommonMP を用いた分布定数型流出モデルによる流出解析
●貯留方程式の違いによる流出解析精度の比較
●むだ時間の概念を導入した流出解析手法に関する研究
山本 裕子
准教授
●畑地から流出する栄養塩類等に関する研究
●安平川水系における家畜排せつ物由来の窒素負荷量推定
●サロベツ原生花園跡地における地下水質に関する研究
〈土・施工・計画系〉
グループⅡ
〈構造・数物系〉
グループⅢ
〈水・環境系〉
6
平成27年度入試情報
社会環境工学科
募集人員内訳
社会環境コース
環境情報コース
一般入学試験
コース
社会環境コース
環境情報コース
指定校
公募
13名
募集人員
一般入試
60名
13名
6名
2名
9名
3名
10名
4名
2名
5名
3名
公募
コ ー ス
配点
350点
札 幌
英語Ⅰ、英語Ⅱ、リーディング、ライティング
60分 100点
数学Ⅰ、数学Ⅱは必須、
「数学Ⅲ」
、
「数学A」
、
「数学B」から1題を試験時選択
80分 150点
選 択
国語
{国語総合(近代以降の文章に限定)
、現代文 }
、物理(物理基礎、物理)のい
60分 100点
ずれかを試験時選択
外国語
英語Ⅰ、英語Ⅱ、リーディング、ライティング
60分 100点
数 学
数学Ⅰ、数学Ⅱは必須、
「数学Ⅲ」、
「数学A」、
「数学B」から1題を試験時選択
60分 100点
選 択
300点
国語
{国語総合
(近代以降の文章に限定)
、現代文}
、理科
{生物
(生物基礎、生物)
、
化学
(化学基礎、化学)
、物理
(物理基礎、物理)
より各 2 問
(計 6 問)
を出題する 60分 100点
ので、
そのうち 2 問
(科目混合可)
を選択解答する}より1つを試験時選択
選抜方法
出 願 要 件
出願要件
1校
書類審査
2コース
面 接 合わせて3名
●「普通科」、
「 理数科」、
「 総合学科」の者
1校
書類審査
「全体の評定平均値」が 3.5 以上で、かつ「数学」と「理科」に関する科目の
2コース
評定の合計数を科目数で除した評定平均値が 3.5 以上の者。ただし、
「数
面 接 合わせて3名
3名
書類審査
小 論 文
面 接
1校から
複数名可
1校から
複数名可
科 目
Ⅰ期
函 館
青 森
東 京
試験地
配 点
1教科選択
200点
(100点科目は200点に換算)
『数学Ⅱ・数学B』
数 学 『数学Ⅰ・数学A』
合 計
2教科
【旧課程履修者のための出題科目:『旧数学Ⅰ・旧数学A』『旧数学Ⅱ・旧数学B』】★
600点
3科目選択 (100点科目を200点に換算) 800点
理 科 「物理」
「化学」「生物」
「地学」
【旧課程履修者のための出題科目:「物理Ⅰ」「化学Ⅰ」「生物Ⅰ」「地学Ⅰ」】◆
※「外国語」、
「 国語」について、2 教科受験した場合は、高得点の教科を合否判定に使用
※「数学」、
「 理科」について、2 教科 4 科目受験した場合は、高得点の 2 教科 3 科目を合否判定に使用
社会環境コース
Ⅱ期
2名
外国語 『英語』
(リスニングテストを除く)
200点
1教科選択
国 語 『国語』
(近代以降の文章に限定)
(100点科目は200点に換算)
『数学Ⅰ・数学A』
『数学Ⅱ・数学B』
200点
数 学
1科目選択
【旧課程履修者のための出題科目:『旧数学Ⅰ・旧数学A』『旧数学Ⅱ・旧数学B』】★
(100点科目を200点に換算) 合 計
「物理」
「化学」「生物」
「地学」
200点
600点
理 科
1科目選択
【旧課程履修者のための出題科目:「物理Ⅰ」「化学Ⅰ」「生物Ⅰ」「地学Ⅰ」】◆
(100点科目を200点に換算)
※「外国語」、
「 国語」について、2 教科受験した場合は、高得点の教科を合否判定に使用
※「数学」について、2 科目受験した場合は、高得点の 1 科目を合否判定に使用
※「理科」について、2 科目受験した場合は、高得点の 1 科目を合否判定に使用
4名
外国語 『英語』
(リスニングテストを除く)
200点
1教科選択
(100点科目は200点に換算)
国 語 『国語』
(近代以降の文章に限定)
『数学Ⅰ・数学A』
『数学Ⅱ・数学B』
200点
数 学
1科目選択
【旧課程履修者のための出題科目:『旧数学Ⅰ・旧数学A』『旧数学Ⅱ・旧数学B』】★
(100点科目を200点に換算) 合 計
「物理」
「化学」「生物」
「地学」
200点
600点
理 科
1科目選択
【旧課程履修者のための出題科目:「物理Ⅰ」「化学Ⅰ」「生物Ⅰ」「地学Ⅰ」】◆
(100点科目を200点に換算)
※「外国語」、
「 国語」について、2 教科受験した場合は、高得点の教科を合否判定に使用
※「数学」について、2 科目受験した場合は、高得点の 1 科目を合否判定に使用
※「理科」について、2 科目受験した場合は、高得点の 1 科目を合否判定に使用
環境情報コース
外国語 『英語』(リスニングテストを除く)
国 語 『国語』(近代以降の文章に限定)
Ⅱ期
本学の個別学力試験は課さない。
Ⅰ期
大学入試センター試験利用入学試験
外国語 『英語』(リスニングテストを除く)
国 語 『国語』(近代以降の文章に限定)
帯 広
出願年度に高
等学校を卒業
見込みの者で、
高等学校在学
札 幌
期間中、勉学
や課外活動を
(豊平校舎)
通じて、充実
した高校生活
を過ごしたと
認められ、左
の要件のすべ
てを満たす者
学」
(「数学Ⅰ」と「数学Ⅱ」を含む)10 単位以上および「理科」8 単位以上を
修得または修得見込みの者
●『専門教育を主とする学科』の者
「全体の評定平均値」
が 3.5 以上で、かつ
「数学」
7 単位以上
(
「工業数理基礎」
を含むことができる)
および
「理科」
4 単位以上を修得または修得見込みの者
教 科
旭 川
出願資格
●「普通科」、
「 理数科」、
「 総合学科」の者
「全体の評定平均値」が 3.5 以上で、かつ「数学」と「理科」に関する科目の
評定の合計数を科目数で除した評定平均値が 3.5 以上の者。ただし、
「数
学」
(「数学Ⅰ」と「数学Ⅱ」を含む)
10 単位以上および「理科」8 単位以上を
修得または修得見込みの者
●『専門教育を主とする学科(「土木系」、
「建設系」、
「農業土木系」等の社会基
盤関連学科)』の者
「全体の評定平均値」
が 3.5 以上で、かつ
「数学」
7 単位以上
(
「工業数理基礎」
を含むことができる)
および
「理科」
4 単位以上を修得または修得見込みの者
5名
6名
試験地
数 学
書類審査
小 論 文
面 接
募集人員
若干名
満点
外国語
3名
環境情報コース
若干名
3名
時間
範 囲
社会環境コース
期
海外帰国生徒
センター試験利用入試Ⅰ期 センター試験利用入試Ⅱ期 推薦
(指定校) 推薦(公募) 推薦
(併設校)外国人留学生
教 科
10名
9名
指定校
推薦入学試験︵専願制︶
コ ー ス
入試
募集人員
募 集 人 員
入学定員
コース
2名
1教科選択
200点
(100点科目は200点に換算)
数 学 『数学Ⅰ・数学A』『数学Ⅱ・数学B』
合 計
【旧課程履修者のための出題科目:『旧数学Ⅰ・旧数学A』『旧数学Ⅱ・旧数学B』】★
200点
1科目選択
(100点科目を200点に換算) 400点
理 科 「物理」
「化学」「生物」「地学」
【旧課程履修者のための出題科目:「物理Ⅰ」「化学Ⅰ」「生物Ⅰ」「地学Ⅰ」】◆
※「外国語」、
「 国語」について、2 教科受験した場合は、高得点の教科を合否判定に使用
※「数学」、
「 理科」の 2 教科の中から 2 科目以上受験した場合は、高得点の 1 科目を合否判定に使用
★:「数学」の旧課程科目は、旧課程履修者のみ受験可能で、新課程科目も受験できます。
◆:理科について、旧課程履修者は新指導要領に基づく出題科目と経過措置科目のいずれかで受験するかを、センター試験出願時に申し出ること。
豊平キャンパス
札幌
さっぽろ
〒062 - 8605 札幌市豊平区旭町4丁目1番40号 ☎(011)841−1161(代)
地下鉄東豊線「学園前」駅直結〈「さっぽろ」駅より6分〉
地下鉄東西線
西11丁目
バスセンター前
大通
一
〒064 - 0926 札幌市中央区南26条西11丁目1番1号 ☎(011)841−1161(代)
市電
山鼻キャンパス
じょうてつバス 札幌駅バスターミナルから 系統 快速7 快速8 南54 南55
「大通西1」停留所から 系統 快速7 快速8 南55
地下鉄東西線「西11丁目駅」停留所から 系統 南4 南54 南64
すべて「北海学園大工学部前」停留所下車〈徒歩1分〉
札幌市電
「石山通」電停より徒歩10分
すすきの
豊水すすきの 豊平
橋
南七
条大
橋
中島公園
南大橋
中島公園
230
幌平橋
社会環境工学科
http://eng.hgu.jp/doboku.html
中の島
南十 地下鉄
平岸
九条
大橋 南北線
南二
北海学園大学
山鼻CAMPUS
藻岩山
この印刷物は植物油インキを
使用しています。
南警察署
古紙配合率100%再生紙を使用しています
十二
条大
橋
豊平川
大
橋 菊水
36
豊平公園
地下
鉄東
美園
豊線
南平岸
自衛隊総監部
表紙写真:幌平橋からみた豊平川と札幌市街
453
平岸
通
http://eng.hgu.jp/
豊平CAMPUS
橋
工学部 社会環境工学科へのお問い合わせ
工学部事務室(山鼻キャンパス) ☎(011)841−1161(代) FAX(011)551−2951
工学部
学園前
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幌平
条
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