Comments
Description
Transcript
アカゲザルの腎糸球体血管構築 鋳型走査電子顕微鏡法による観察
アカゲ ザル の 腎糸球体 血 管構 築 鋳 型走 査 電子顕微 鏡法 に よる観 察 岡 山大学 医 学部 解剖 学 第二講 座(主 任:村 上宅 郎 教授) 畦 平 孫 (昭 和56年8月6日 Key words:ア monkey) glomerulus) 血 管 構 築(vascular architecture) cast) 走 査 電 顕 観 察(scanning 緒 electron microscopy) 循環 の単 位 で あ る と述べ た.し か しなが ら,こ 言 れ らの研 究 は いず れ も光 学 顕微 鏡 に よ る もの で あ り,ま た微 小 解剖 や 再 構築 法 等,技 術 的 問題 腎 糸 球 体 が 微 小 血 管 の 密 な集 塊 で あ る こ とは Malpighi以 郎 受 稿) カ ゲ ザ ル(rhesus 腎 糸 球 体(kidney 鋳 型(COrroSion 三 来 一 般 に 認 め ら れ て い る1),2).腎 糸 もあ って,決 定 的 な 説得 力 に 欠け て い た. 球体 の 血 管構 築 は 従 来 墨 汁 注 入 連 続 切 片 あ る い は 最 近,新 し く低粘 度 メ タ ク リレー ト樹 脂 に よ ラテ ッ クス 樹 脂 注 入鋳 型 標 本 な ど 光 学 顕 微 鏡 的 る微 細血 管鋳 型法 が 開発 され,こ れ と走 査電 子 方 法 で調 べ られ て き た.し 顕 微鏡 観 察 を組 み合 せ る と,微 小循 環 路 す な わ か し な が ら,標 本 作 成 上 の 問 題 や 光 学 顕 微 鏡 の 低 い 解 像 力,浅 い焦 ち微 小血 管構 築 に つ いて 非常 に説得 力 の あ る所 糸球体 血 管構 見が得 られ る こ とが示 され た10).こ の鋳 型走 査 築 の 細 部 と くに 糸 球 体 内 の 毛 細 血 管 配 列 に つ い 電 子顕 微 鏡法 に よっ て,ラ ッ トと ヒ トの 腎糸 球 て 多 くの 問 題 が 残 さ れ て い る. 体 毛細 血 管叢 は分葉 化 を しめ す網 を形 成 す る こ 点 深 度 な ど 技 術 的 制 約 に よ り,腎 Vimtrup3)やWilmer4)等 は 主 と して イ ヌ な ど の動 物 試 料 を連 続 切 断 法 で 調 べ,腎 とが議 論 の余 地 な く明瞭 に証 明 され た11), 12). 糸球 体 は相 本研 究 は ア カゲザ ルの 腎糸 球体 血 管 構築 を上 互 に吻 合 の な い 独 立 した 数 本 の 毛 細 血 管 ル ー プ 記 の鋳 型 走査 電 子顕 微 鏡 法 で調べ,従 来 の所 見 か ら 成 る と し た.こ の ル ー プ 説 は 現 在 ま で代 表 と比較 検 討す る と ともに,糸 球体 内に お け る血 的 な 糸球 体 血 管 分 布 様 式 の モ デ ル と し て 多 くの 管新 生 に つ いて新 知 見 を追 加 す る. 教 科 書1),2)に採 用 され て き た. Johnston5)は で調べ,糸 材 料 と方 法 ヒ トの 糸 球 体 を連 続 切 片 再 構 築 法 球 体 は 独 立 し たル ー プ 血 管 の 集 合 で は ア カゲ ザル(雄,生 後約1年)の 低粘 度 メチ な く,相 互 に 吻 合 し合 っ た 血 管 群 す な わ ち 毛 細 ル メタ ク リレー ト樹 脂胸 部 大動 脈 注 入 に よ って 血 管網 か ら成 る と した.こ 膵血 管 を鋳 型 した際 に得 られ た 腎血 管鋳 型 標 本 無視 され た が,近 の血 管網 説 は長 い間 年Hall6)が ラテ ッ クス注 入 ラ ッ ト鋳 型 標 本 で ま たBoyer7), が ヒ ト,イ ヌ,ウ サ ギ,モ 血 管 網 の 小 葉 構 造(分 鏡 下 に ピンセ ッ トで注意 深 く解 剖 し,輸 入,輸 ル モ ッ ト,ヒ ツ ジ 試 料 の連 続 切 片 再 構 築 法 でJohnston5)の 支 持 す る 結 果 を 得 た.特 を使 用 した(下 記参 照)13).こ の標 本 を実体顕微 Elias8), Lewis9) にHall6)は 葉 化)を 出動 脈 を確 認 しなが ら45個 の 腎糸球 体 を剖 出分 モ デル を 離 した. 45個 の 糸球体 の 内訳 は腎 皮 膜下 層,皮 糸球 体 毛 細 質 中部,皮 質 髄質 境 界部 各15個 で あ る. しめ す と と も に, 45個 の糸 球体 の う ち15個(皮 膜 下層,皮 質 中 部,皮 質 髄 質境 界部 各5個)は 各小 葉 は それ ぞ れ 独 立 した 形 態 的 機 能 的 血 液 951 直 ち に(微 解 剖 952 Figure 畦 1. Scanning electron micrograph with low viscosity methacrylate sus monkey sing capillary rootlets receives the lateral JEE lobular branch. and of the of afferent are (A) of the Note kidney into the that the and in the newly connected near replicated freely lobular The emerges was of a young multiply glomerulus. and directly of divides which left branches efferent vascular formed the male rhe anastomo or vessel pole vessels vascular (E) between (s) pole with to a Bar=50ƒÊm. 空 蒸 着 装 置(日 に 観 察 した(Figure 本 の厚 さに 走 査 電 子 顕 微 鏡(日 間 浸 し て 軟 化 させ,そ 本 1, 2). 球 体 は15個(皮 膜 下 層,皮 界 部 各5個)で あ る.伸 展(Figure 質 髄 質境 展 あ る い は 展 開 した 糸 記 の よ うに 金 を 蒸 着 し て 走 査 電 子 顕 微 鏡 に よ っ て 観 察 した. の 後実 体 顕微 鏡 結 4, 5)あ る い は(輸 動 脈 と1本 側 部 を 引 張 っ て)展 efferent 5, 6)し た11),14). 果 調 べ た45個 の 腎 糸 球 体 は す べ て1本 出 ・輸 入 両 細 動 脈 側 よ り圧 迫 ま た は 糸 球 体 両 外 開(Figure 質 中 部,皮 球 体 は 冷 水 に 浸 し て 硬 化 後 空 気 中 で 乾 燥 し,上 下 に ピ ン セ ッ トで 注 意 深 く(輸 出 ・輸 入 両 細 動 脈 を 引 張 っ て)伸 the consists networks, arteriole. 残 りの30個 の 糸 球 体 は加 温 エ タ ノ ー ル(約50℃) に 約2時 from glomerulus networks the glomerulus, isolated arteriole the configurations で 金 を約1000Aの JSM-U3)下 afferent (e) subcapsular and The supplies slender 記 参 照)真 4C)内 a typical old). The and 孫 三 郎 resin year rootlets branches thin 蒸 着 し,加 速 電 圧5kVで 電 子, (a) efferent marked す る こ と な く,下 one of networks. afferent the 電 子, (about 平 の 輸入細 の 輸 出 細 動 脈 を も ち(afferent arterioles, Figure 1-6),複 and 数 の輸 入 30個 の う ち 伸 展 し た 糸 球 体 は15個(皮 膜 下 層, あ る い は 輸 出 細 動 脈 を もつ 異 常 な 糸 球 体 は な か 皮 質 中 部,皮 開 した糸 っ た. 質 髄 質 境 界 部 各5個),展 ア カゲザ ル の腎 糸球 体 血管 構築 ・鋳 型走 査電 子 顕微 鏡 法 に よ る観 察 Figure 2. Scanning monkey llaries than afferent ch rent micrograph kidney. the (M) and and of The (A) the is thinner vessels, networks. cortico-medullary than (Figure the Arrow, 1). efferent twig is (C). markedly resin In is larger the arteriole The opened leaked glomerurus glomerulus glomerulus cortico-medullary efferent a typical cortico-medullary subcapsular vessel capillary text). electron (left) or vascular coagulum; which pole, widened by p of the in size and cortico-medullary (E) and the area rhesus in medullary between invasion s, newly young richer capi glomerulus, emits the the 953 of formed the the bran the affe developed capillaries (see Bar=50ƒÊm. 各 糸 球 体 は 多 少 の 変 形 は あ る と し て も,原 則 直接 弓 状動 脈 か ら起 る もの もあ った.皮 膜 下層 膜下 層 の 糸球体 か らの輸 出 細動 脈 は 皮膜 下 の,皮 質 中 か ら の 腎 糸 球 体 は 比 較 的 小 さ く直 径 平 均 約150μ 部 糸球体 か ちの 輸 出細動 脈 は 同部 の 腎実 質 す な と し て球 形 で あ っ た(Figure (Figure 1),皮 質 中 部 の もの は 中 間 の 大 き さ を 示 し直 径 平 均 約180μ,皮 大 き くて 直 径 平 均 約220μ また,輸 が(Figure 1, 2).皮 質 髄質 境 界部 の もの は (Figure わ ち旁 尿細 管 毛細 血 管網 に移行 す る.皮 質 髄質 境 界部 の 腎糸球 体 輸 出 細動 脈 は髄 質 に下 り,髄 2)で あ っ た. 質 の旁 尿細 管 毛細 血 管網 をつ くる外 に その 根部 入細 動 脈 は一般 に輸 出細動 脈 よ り太 い で小 枝 を派生 して皮 質 髄質 境 界部 の 旁尿 細 管毛 1),皮 質 髄 質 境 界 部 の 糸 球 体 で は 常 に 輸 出 細 動 脈 が 輸 入 細 動 脈 よ り太 く鋳 型 さ れ た (Figure 2). 質髄 質境 界部 で は 2).糸 球 体 を経 ない で 直接 旁 尿細 管 毛 細血 管網 に達 す るいわ ゆ る真性 直(達)動 各 糸 球 体 の 輸 入 細 動 脈 は近 傍 の 小 葉 間 動 脈 あ る い は そ の 枝 か ら起 るが,皮 細 血管 網 を養 う(Figure 脈 は 発見 で きなか った. 観察 した45個 の糸 球体 の 内部毛 細 血管 は すべ て 良 く注 入 され て い た.す なわ ち,糸 球 体 内各 954 畦 Figure 3. A cortico-merullary the vascular ween the ted 毛 細 血 管 は,血 glomerulus, pole). afferent tissue; rated This (A) double tissue. which picture and arrow, clearly efferent (E) leaked resin 管 新 生 を し め す ご く細 い あ る い (下 記 参 照),十 孫 三 郎 was extended shows in that vessels. Single coagulum; a warm no ethanol short-cut arrow, tripple bath (a view communication thready arrow, remnant muddy from occurs of bet macera remnant of mace Bar=50ƒÊm. は 盲 端 で 棘 状 に 終 る も の を 除 い て(Figure り,こ 平 1, 2) 分 脹 らん だ状 態 て鋳 型 さ れ て お れ らの 血 管 の 不 連 続 性 す な わ ち 注 入 不 全 は 認 め られ な か っ た.剖 出 分 離 した 糸 球 体 の 直 着 物 や 漏 出 塊 は す く な く,ま た そ れ ぞ れ の 特 徴 か ら血 管 と 明 瞭 に 区 別 で き,本 研 究 の 主 眼 と し た 血 管 連 絡 観 察 の 障 害 とは な ら な か っ た. 腎 糸 球 体 血 管 は 分 枝 吻 合 を繰 り返 し て 毛 細 血 管 網 を形 成 し(Figure 1-6),こ の網 は分葉 化 接 走 査 電 子 顕 微 鏡 観 察 で は 自 然 な状 態 の 糸 球 体 を し め す(Figure 血 管 構 築 の 外 観 が(Figure 入 細 動 脈 は 血 管 極 で2∼6本 の 小 葉 輸 入 枝(lo bular branches rootlets, Figure 解 剖 試 料 で は(血 1, 2),ア ル コー ル 管 の 連 絡 を損 う こ と な く)内 4, 6).す な わ ち,腎 or afferent 部 の 構 造 す な わ ち 血 管 配 列 が 観 察 で き た(Fig 4)に ure 3-6).以 由 に分 枝 吻 合 を繰 り返 して,ほ な お,軽 下,こ れ らの 所 見 を ま とめ て 述 べ る. 度 の 樹 脂(鋳 型 剤)の 注入漏 れや腐 毛 細 血 管 網(下 記 参 照)を は ま ず 尿 管 極 に 向 か い,尿 れ た.樹 血 管 極 に 向 か い,血 て(下 脂 の 注 入 漏 れ は 小 さ い 付 着 球(Figure る い は 不 整 の 凝 集 塊(Figure 記 参 照),軟 3)と し 部組織 残存に よ る汚染 は血 管 に 張 る 細 い 糸 状 の(Figure 着 物(Figure 2, 3)と 3)あ るい は不 定粘 して 認 め ら れ た,こ れ らの 粘 輸 出枝(efferent る.そ 1, 分 枝 す る.こ の 小 葉 輸 入 枝 が 三 次 元 的 に 自 蝕 あ る い は 水 洗 不 足 に よ る鋳 型 の 汚 染 が 認 め ら 3)あ 糸球体 輸 ぼ 独 立 した小葉 つ く る.小 葉 血管網 管 極 で 反 転 して 再 び 管 極 近 くで2∼4本 rootlets, Figure の小 葉 1, 4)と な し て 各 小 葉 の 小 葉 輸 出枝 が 血 管 極 で 集 合 し て 腎 糸 球 体 輸 出 細 動 脈 と な る.典 な わ ち 皮 膜 下 糸 球 体 で は,小 型 的 な例す 葉 輸 出枝 の集 合 は ア カゲザ ル の 腎糸球 体 血管 構 築 ・鋳 型 走査 電子 顕微 鏡 法 に よ る観察 Figure 4. An alcohol-extended branches (a) fl uenced into within Figure 5. Slightly (arrow) capillary the mid-cortical of the the afferent efferent glomerular pressed into networks. rootlets capillary form four glomerulus arteriole of lobules. E, (A) (e). networks. a mid-cortical This efferent picture vessel. (a divide This view into picture from the the urinary capillary confirms 955 pole). The networks that no which main lobular are pathway con occurs Bar=50ƒÊm. glomerulus. exactly The proves Bar=50ƒÊm. glomerulus the lobulations is divided of the by three glomerular gaps 956 畦 平 孫 三 郎 小 葉 輸 入枝 に よって両 外側 か ら抱 きか か え られ, に つ い て は 分 葉 化 が2以 結果 として輸 出細 動脈 は両 外側 小葉 輸 入枝 の 間 部1,皮 か ら血 管極 に現 われ る形 態 を とる(Figure と認 定 さ れ た. 1). 上,他 質 髄 質 境 界 部1)で の2個(皮 は 分 葉 化 が3以 各 腎 糸 球 体 毛 細 血 管 小 葉(lobules, 糸球 体 が大 き くて血 管網 の よ く発達 す る皮 質 髄 質中 Figure 上 5) 質境 界部 の糸球 体(下 記参 照)で は,発 達 した は 少 数(1-4本)の 細 い毛 細 血管 に よって互 に 血 管網 に よって両 外側 の小葉 輸 入枝 が 側 方 に押 連 絡 さ れ る(Figure 6).こ しや られ,必 ず しも前述 の典 型 的 な形 態 を とら (bridging な い(Figure で,し か も血 管 小 葉 の 輸 出 小 葉 枝 近 く(す な わ ち,血 管 小 葉 の 遠 位 部)で 2). 糸 球 体 毛 細 血 管 網 の 分 葉 化(小 開 試 料(上 (Figure 記 参 照)で 層1,皮 質 中 部2,皮 質 中 部1,皮 5分 葉 化1個(皮 な わ ち, 膜下 質 髄 質 境 界 部1), 4分 葉 質 髄 質 境 界 部2) 質 中部), て は 展 開 が 不 十 分 で あ っ た が, 6. Aninterlobular are intercommunicated riole. 2分 葉 化 3分 葉 化4個(皮 個(皮 質 髄 質 境 界 部)で あ っ た.残 Figure 察 され, Bar=50μm. area gap with い ず れ に し て も,観 明瞭 に観 球 体 に つ い て は展 開 が 十 分 察 で き た 小 葉 間 に は常 に小 糸球 体 の血 管網 の発 達 は 腎の 各層 に よ って異 な る.腎 質 下 層) each 記 参 照)で 葉 間 架 橋 血 管 が 存 在 した. (Fig exposed の架橋 血 管 で な く,架 橋 血 管 に つ い て 検 索 で き な か っ た. り3個 に つ い or 血管極 近 く 9個 の 糸 球 体12小 葉 間 で 確 認 で き た. 展 開 した 残 りの6糸 6分 葉 化1 1個(皮 6)は 起 る.こ は ア ル コ ー ル 展 開 試 料(上 は じめ て 明 瞭 と な っ た べ て 皮 膜 下 層), 化3個(皮 ure 5), 展 5, 6).展 開 し た15個 の 糸 球 体 の う ち12 個 で 全 分 葉 数 が 判 明 し た.す 3個(す 葉 構 造)は の 小 葉 間架 橋血 管 capillaries, Figure 皮 質 髄 質 境 界 部 で は,糸 ま た 血 管 網 が よ く発 達(網 by other microdissection by a few bridging in the alcohol capillaries 球体 が 大 き く を 構 成 す る毛 細 血 管 bath. (b). Thelobules A, afferent arte ア カ ゲザ ルの 腎糸 球 体血 管構 築 ・鋳 型 走査 電 子顕 微鏡 法 に よる観 察 数 が 多 い と い う こ とで,各 とい う こ と で は な い)し 管 極 が 開 い て 輸 入,輸 て お り,こ の ため に血 出 細 動 脈 間 を毛 細 血 管 網 の一 部 が 占め る(Figure で は,血 毛 細血 管 の径 が 太 い 2).腎 皮 膜下 の 糸球 体 管 網 の 発 達 は 皮 質 髄 質境 界 部 の も の に 比較 し て 極 度 に 劣 り,輸 入,輸 出細動 脈 間 に血 管 網 が 侵 入 す る こ とは な か っ た(Figure 皮 質 中 部 で は 両 者 が 混 在 し た が,皮 1).腎 957 ヒ トの 腎 糸 球 体 血 管 構 築11),12)と根 本 的 に 同 じで あ る こ と を しめ し た.上 述 し た よ うに, Vimt rup等3), 4)は腎 糸 球 体 は 輸 入 ・輸 出 細 動 脈 間 に 張 る 数 本 の 独 立 し た ル ー プ 状 の 毛 細 血 管 か ら成 る と考 え た.そ して, TrabuccoとMarquez15)等 は墨 汁お よび樹 脂注 入標 本 の光 学 顕微 鏡 観 察 に よ っ て,糸 球 体 が 一 連 の 輸 入 ・輸 出 細 動 脈 か ら 膜 下型 の 糸 多数 の 嚢 状 に ふ く らむ 房 状 の 小 管 か ら成 る と し 糸球 体 輸 入 細 動 脈 の 分 枝 は す べ て 小 葉 輸 入 枝 切 片 光 顕 観 察5)∼9)や本 研 究 を含 む 最 近 の 鋳 型 走 た.し 球 体 が 多 か っ た. か し な が ら,古 く はJohnston等 の連 続 に な り,小 葉 輸 入 枝 は す べ て 糸 球 体 小 葉 毛 細 血 査 電 子 顕 微 鏡 法11),12)で明 らか に さ れ た よ う に, 管 に 移 行 す る(下 記 参 照).す 腎 糸 球 体 血 管 叢 は 輸 入 ・輸 出 細 動 脈 間 に 張 る 毛 な わ ち,輸 入細動 脈 あ る い は 小 葉 輸 入 枝 か ら輸 出 細 動 脈 あ る い は 細 血 管 網 で あ っ て,決 小 葉 輸 出 枝(上 も な く又 嚢 状 の 房 で も な い.恐 記 参 照)に 直 接 連 絡 す る短 絡 あ る い は 特 定 の 血 管 は 認 め ら れ な か っ た.各 小葉 とMarquez15), して 吻 合 の な い ル ー プ で Vimtrup31)等 ら くTrabucco の 誤 謬 は 主 と して 毛 細 血 管 網 中 に も短 絡 や 血 流 の 主 路 と な る よ う 高 粘 度 注 入 剤 や 不 良 連 続 切 片 な ど標 本 作 製 技 術 な特 定 の 血 管 は 認 め られ な か っ た.こ の 不 完 全 さ か ら生 じ た もの と考 え られ る. とは ア ル コー ル 伸 展 し た 糸 球 体(上 明 瞭 に 確 認 で き た(Figure れ らの こ 記 参 照)で 3, 4). 糸球 体 血 管 叢 の 基 本 構 成 単 位 で あ る小 葉 毛 細 血管網 の 各毛細 血 管の 太 さは 大小 様 々 であ っ た (Figure 1-6).し か しな が ら,小 葉 輸 入枝 か ら 分 枝 し た毛 細 血 管 が 尿 管 極 に 向 か うに 従 っ て 次 第 に細 くな り,ま た 血 管 極 に 近 づ くに従 っ て(小 葉 輸 出 枝 に 集 合 す るに つ れ て)次 とい う法 則性 が 認 め ら れ た(Figure Kajimierczak16)は 出生 直 後 の ラ ッ トの 幼 若 な 腎 糸 球 体 を 本 研 究 と 同 じ鋳 型 走 査 電 子 顕 微 鏡 法 第 に 径 を増 す 4).こ 管 網 中 に 特 に 細 い 毛 細 血 管 の 集 団(s, Figure で 調 べ,糸 球体 の分 葉 化 は 発育 途上 極 め て早 い 時 期 に す で に 認 め ら れ る と述 べ て い る.こ の こ と は 本 研 究 で確 認 し た 分 葉 構 造 は 糸 球 体 血 管 構 築 上 基 本 的 要 素 で あ る こ と を 強 く示 唆 し て い る. 各 小 葉 を 連 絡 す る 架 橋 血 管 はMurakami11)が ラ ッ トで は じめ て 記 載 し,本 研 究 で も明 瞭 に そ の血 の 存 在 を 確 認 し た. Hall6)は ヒ ト,イ ヌ,ラ ッ ト 1, の ラ テ ッ ク ス 鋳 型 押 しつ ぶ し標 本 を 光 顕 で 観 察 2)や 鋭 利 な 先 端 を も って 盲 端 に 終 る小 血 管 芽(p, し,小 葉 間 に は 吻 合 が な く,従 Figure 2)が 認 め られ た .こ の よ うな 新 生 血 管 は 全 に 独 立 し た 血 液 循 環 単 位 で あ る と述 べ た.上 血 管 網 の よ く発 達 した 皮 質 髄 質 境 界 部 の 糸 球 体 述 した よ うに,本 研 究 で は 小葉 間 に 吻 合 を認 め た. に 多 く認 め られ,そ の 出 現 は 血 管 極 近 く(小 葉 血 管 網 中 小 葉 輸 入 枝 に 近 い 部 分)に 専 ら 限 られ て い た. しか し な が ら,本 研 究 はHall6)の る も の で は な く,む で あ る.す 考 考 え を否 定 す し ろ 彼 の 説 を支 持 す る も の 葉 間 の架橋 血 管 は 少数 で 径 も 細 く,血 流 の 主 路 と は 成 り得 な い.従 察 本 研 究 は 鋳 型 の 走 査 電 子 顕 微 鏡 観 察(鋳 な わ ち,小 って各小 葉 は 完 っ て, 各小葉 は血 液循 環 の一 単位 として認 め得 る もの 型走 で あ る. Johnston5)とBoyer7)は ヒ ト試 料 を光 顕 査 電 子 顕 微 鏡 法)10)は 複 雑 な血 管 分 布 連 絡 様 式 の に よ る連 続 切 片 再 構 築 法 で 調 べ,ヒ 解 明 に 非 常 に 有 効 な 手 段 で あ る こ と を確 認 し, 球 体 血 管 叢 は 分 葉 化 を 示 さ な い と し た.し そ して 低 粘 度 メ タ ク リ レ ー ト注 入 法10)は 極 め て 最 近 の鋳 型 走査 電子 顕 微鏡 法 に よる研究 では ヒ トで は 腎 糸 か し, 微 細 な 新 生 血 管 の 鋳 型 に も十 分 使 用 で き る こ と トで も分 葉 化 が 明 瞭 で あ る こ と が 確 認 され て い を しめ し た. る12). 本研 究 は同 時に ア カ ゲザ ルの 腎 糸球体 血 管 叢 は 分 葉 化 を しめ す 毛 細 血 管 網 で あ り,ラ ッ トや 本 研 究 は さ ら に 腎 糸 球 体 内 に お け る血 管 新 生 を は じめ て 立 体 的 に 把 握 し た.す な わ ち,上 述 958 畦 し た よ うに,血 平 管 新 生 芽 は 鋳 型 上 血 管 の 「トゲ 」 と し て 観 察 さ れ,開 通 直後 の 新生 血 管 は非 常 に 孫 三 郎 ラ テ ッ ク ス 注 入 標 本 の 光 顕 観 察 で,ヒ サ ギ,ラ ト,ウ ッ トの 腎 糸 球 体 輸 入 細 動 脈 と輸 出 細 動 細 い吻 合 枝 と して 通 常 の 毛 細 血 管 間 に 架 橋 連 絡 脈 を 直 接 結 ぶ 短 路 を報 告 し て い る.し す る. Zlabek17)は ラ ッ ト糸 球 体 墨 汁 注 入 切 片 の ら,本 光 顕観 察 で糸球 体 内 に細 い毛 細 血管 と太 い毛細 入 剤 に よ る鋳 型 走 査 電 子 顕 微 鏡 観 察11),12),20),21),22 血 管 を 区 別 し た.彼 や 樹 脂 包 埋 連 続 切 片 の 電 顕 再 構 築 法23)に よ る ヒ は こ の 二 種 の 血 管 の う ち, 太 い 毛 細 血 管 を 血 球 成 分 が 主 と し て 流 れ,細 い か しなが 研 究 を含 め た 最 近 の 信 頼 す べ き低 粘 度 注 ト,サ ル,ラ ッ トの 調 査 で は,小 葉 内は もちろ 毛 細 血 管 を 血 球 を 除 い た 液 体 成 分 が 主 と して 通 ん の こ と輸 入.輸 る と単 純 に 総 括 した. Zlabek17)の 細 い毛 細 血 管 や 側 副 路 あ る い は 特 定 主 要 血 管 路 も確 認 さ れ て が 本 研 究 で 述 べ た 新 生 開 通 血 管 に 相 当 す る. い な い.た 新 生血 管 は 血管 極 とその周 囲 に 限 って認 め ら れ,血 管 極 が 腎 糸 球 体 の 主 な 血 管 供 給 源 と考 え ら れ る,新 生 児 ラ ッ ト14),16)と 成 体 ラ ッ ト11)の鋳 型 走 査 電 子 顕 微 鏡 法 に よ る比 較 観 察 で,腎 糸球 鏡 法 で 老 齢 ラ ッ トの 小 葉 辺 縁 部 を 走 る 太 い 血 管 を 認 め,こ れ を主 要 血 流 路 と述 べ て い る.し か し な が ら,彼 等 の 研 究 は 糸 球 体 を 外 部 か ら観 察 し た の み で,微 解 剖 を駆 使 し た 内 部 観 察 を 怠 っ 体 で は 加 齢 に よ っ て そ の 血 管 数 が 増 加 し糸 球 体 自 身 も 大 き くな る こ とは 明 らか で あ る.す に も太 い 血 管(す なわ 糸 球 体 で は加 齢 と と もに 血 管 が 新 生 さ れ 何 な る短路 だ, Spinelli等20)が 鋳 型 走 査 電 子 顕 微 て お り,必 ち,腎 出 細 動 脈 間 に,如 記 参 照)が ず し も 信 用 で き な い.お そ ら く内 部 な わ ち 発 生 的 に 旧 い 血 管,上 存 在 す る は ず で あ り,辺 縁 の も の だ る こ とは 議 論 の 余 地 が な い. Zlabek17)が 記 載 し け を観察 特 記 す る こ とは微小 循 環研 究上 甚 だ妥 本 研 究 で 認 め た ご く細 い新 生 血 管 は や が て 成 長 当 性 を 欠 く も の で あ る. た個 鋳 型 走 査 電 子 顕 微 鏡 法 に よ る ラ ッ トの 調 査 で, 々 の糸球 体 毛 細血 管 の径 の不 整 は正 に 各血 管 の し て 通 常 の 毛 細 血 管 に な る と思 わ れ る.ま 腎 糸 球 体 は 稀 に 重 複 輸 入24)あ る い は 重 複 輸 出14) 新 生 時 期 を 反 映 す る もの で あ ろ う.す 細 動 脈 を持 つ こ とが 知 られ て い る.本 研 究 で は な わ ち, 比 較 的 太 い 毛 細 血 管 は 糸 球 体 発 育 初 期 に,比 較 的 細 い 血 管 は ご く近 い 時 期 に 開 通 完 成 さ れ た も の と考 え て よ い と思 う. こ れ ら の 異 常 な 破 格 は 認 め ら れ な か っ た.こ 本 論 文 で は,個 ラ ッ トの 新 生 児 と成 体11),16),ヒ トの 新 生 児12) そ して 本 研 究 の 若 い サ ル を通 して,皮 質 の糸球 れ は 調 査 し た 例 数 が 限 ら れ た た め で あ る. 々 の 血 管 の 太 さ(径)の は と くに 述 べ て い な い.こ 数値 れ は低粘 度 注 入剤 で は 血 管 が 十 分 に 注 入 さ れ る 反 面,内 腔 が過 度 に 体 は 皮 質 髄 質 境 界 部 の 糸 球 体 よ り小 さ く,構 成 拡 大 し た 状 態 で 再 現 さ れ,必 毛 細 血 管 数 も 少 な い.ま 発生 に お い て皮 内 腔 を描 写 しな い と同 時 に 一 般 に 固 定 収 縮 し た 質 髄 質 境 界 部 の 糸 球 体 が 最 初 に 分 化 し,皮 質 特 試料 の光 顕 あ るい は電顕 観 察 で計 測 され る数値 た,腎 ず し も 自然 な 血 管 に 皮 膜 下 の 糸 球 体 の 分 化 は 遅 れ る こ とが 知 られ と も対 応 し な い か らで あ る.ま て い る.こ 糸 球 体 に お い て もす べ て の 毛 細 血 管 中 を 常 に 血 れ らの こ と と上 記 の 加 齢 に よ る 血 管 数 の 増 加 の 事 実 は,発 で,皮 生初 期 か ら成 人に至 る ま 質 と皮質 髄 質境 界部 の糸球 体 に お い てほ た,生 体 では 腎 液 が 充 満 し て 流 れ て い る わ け で は な い.す ち,血 なわ 管 と くに 毛 細 血 管 で は 血 管 の 太 さ は 何 に ぼ 同 じ程 度 に 血 管 が 新 生 成 長 し て い る こ と を 示 基 準 を 置 い て 求 め る か と い う問 題 が あ り,す して い る.換 言 す れ ば,正 く 常 腎 に おけ る糸球体 な く と も 著 者 は 過 度 に 拡 張 し た状 態 で の 計 測 は の 大 小 と構 成 血 管 の 多 寡 は そ の ま ま そ の 糸 球 体 生 理 学 的 に も形 態 学 的 に も あ ま り意 味 を持 た な の 分 化 時 期 の 早 遅 を反 映 し て い る こ とに な る, い と考 え る.従 糸 球 体 内 毛 細 血 管 路 に 関 連 し て, Hall6)は ト,イ ヌ,ラ ヒ ッ トの 糸 球 体 小 葉 中 に 特 に 太 い 毛 細 血 管 が 存 在 し,こ の 血 管 が 輸 入 細 動 脈 と輸 出 細 動 脈 間 の 側 副 路 と な っ て い る と述 べ た.ま Ljungquist18)やCasellasとMimran19)は た, 墨 汁や っ て,本 論 文 では血 管 径 につ い て 「太 い 」 「細 い 」 な ど相 対 的抽 象 的 表 現 に と ど め,挿 入 し た 写 真 中 に 目 盛 指 標 を しめ し て 一 応 の 参 考 に 供 し た.な お,本 「細 い 」 は 血 管 の 内 腔(す 現 し た も の で,血 稿 で 述 べ た 「太 い」 なわち ,内 径)を 表 管 壁 を含 む い わゆ る外径 を示 ア カゲ ザル の 腎糸 球体 血 管構 築 ・鋳 型 走査 電 子 顕微 鏡 法 に よ る観 察 す もの で は な い.も 鋳 型(Figure ち ろ ん,写 1-6)は 血 管 壁 内 の,そ 真 で しめ さ れ た 959 し て 球 状 塊(Figure 3)は 血管 壁 外 へ の 漏 出 と し て 理 解 さ れ る. 血管 内腔 を再 現 した もの で あ る. 結 語 本 研 究 で 用 い た 低 粘 度 注 入 剤 は 縮 合 し,硬 化 後80∼90%容 積 と な る.従 っ て,注 内 で長 さ に 変 化 な く硬 化 し た とす れ ば,鋳 注 入 さ れ た 血 管 の 約89∼94%径(太 こ と とな る.し か し,実 レ ー ト樹 脂 で鋳 型 し,走 査 電子 顕 微鏡 で観 察 した. 型は さ)を 示 す 腎 糸 球 体 血 管 叢 は 自 由 に 吻 合 を 繰 り返 す 毛 細 際に は硬 化 時長 さ も同 様 に収 縮 す る と考 え る の が 妥 当 で あ り,こ 合 計 算 上(球 ア カ ゲ ザ ル 腎 糸 球 体 血 管 叢 を低 粘 度 メ タ ク リ 入剤 が 血管 血 管 網 か ら な り,こ の 網 は 分 葉 化 を しめ し た. 各分 葉 は少 数 の架 橋毛 細 血 管 で互 に交 通 して い の場 た.し と し て 均 一 に 収 縮 す る もの と して) 鋳 型 は 注 入 血 管 の 約93∼97%径(太 す る こ と に な る.そ して,走 さ)を 再 現 微小 循 環上 独 立 した単位 として認 め得 る もの で あ っ た. 査電 子 顕微 鏡 の機 非常 に細 い毛細 血 管 が とき どき糸球 体 の 血管 械 的 誤 差 とそ の 操 作 に よ る 人為 的 誤 差 が 最 少 ± 10%加 わ る.従 っ て,最 終的 に 写真 に記 録 され 極 と そ の 周 囲 に 観 察 さ れ た.こ さ)を 示 す こ と に な る. 糸 球 体 輸 入 ・輸 出 細 動 脈 間 そ して 糸 球 体 毛 細 血 管 網 中 に は,如 本 研 究 で 用 い た低 粘 度 メ タ ク リ レ ー ト注 入 剤 は約10 centipoiseの れ らの微 細 血管 は 糸 球 体 に お け る 血 管 新 生 を しめ す もの で あ る. る 各 血 管 鋳 型 は 注 入 さ れ た 血 管 の 約84∼107% の径(太 か し な が ら,架 橋 血 管 は 細 く,各 分 葉 は 粘 度 を も ち,胸 部大 動 脈 よ 何 な る血 管 の 短 絡 や 主 路 も認 め られ な か っ た. り約200mm水 銀 柱 圧 で 注 入 さ れ た.上 述 し た よ う 謝 に,軽 度 で は あ る が 注 入 剤 の 漏 出 が 認 め られ た. 辞 こ の こ とは 本 研 究 で 観 察 し た鋳 型 標 本 は 血 管 が 本研 究 を進 め る に あ た っ て,終 始 村 上 宅 郎 教授 の 破 れ る寸 前 ま で 最 大 限 に 拡 張 し た 血 管 内 腔 を再 指 導 と援 助 を得 た.ま た,赤 羽 学 教 授(岡 山 大 学 文 現 して い る こ と を示 して い る.な 学 部)に は 論文 の校 閲 を し て い ただ い た.両 博士 に お,注 漏 出 に よ る 樹 脂 の 不 整 凝 集 塊(Figure 入剤 の 2, 3)は 厚 く御礼 申 し上 げ る. 文 1. Bargmann, W.: 献 Histologische and Mikroskopische Anatomie des Menschen 6., Auflage, Georg Verlag, Stuttgart, pp. 510-536, Thieme 1967. 2. Bloom, W. and Fawcett, D.W.: A Textbook of Histology 10th ed., W. B. Saunders Co., Philadelphia-LondonToronto, pp. 766-797, 1976. 3. Vimtrup, B. J.: On the number, shape, structure, man and mammals. 4. Wilmer, H.A.: Am. J. Anat. The arrangement and surface area of the glomeruli in the kidneys of 41, 123-151, 1928. of the capillary tuft of the human glomerulus. Anat. Rec. 80, 507- 518, 1941. 5. Johnston, W. B.: A reconstruction of a glomerulus of the human kidney. Anat. Anz. 16, 260-266, 1899. 6. Hall, B.V.: Further studies of the normal structure Ann. Conf Nephrotic Syndrome, Nat. of the renal glomerulus. Nephrosis Found., New York, pp. 1-39, In Proceedings of 6th 1955. 7. Boyer, C. C.: The vascular pattern of the renal glomerulus as revealed by plastic reconstruction serial sections. Anat. Rec. 125, 433-441, 8. Elias, H. A.: De structura glomeruli renalis. 9. Lewis, O.J.: The vascular arrangement from 1956. Anat. Anz. of the mammalian 104, 26-36, 1957. renal glomerulus as revealed by a study of 960 畦 平 孫 三 郎 its development. J. Anat. 92, 433-440, 1958. 10. Murakami, T.: Application of the scanning electron microscope to the study of the fine distribution of the blood vessels. Arch. Histol.Jpn. 32, 445-454, 1971. 11. Murakami, T.: Vascular arrangement of the rat renal glomerulus. A scanning electron microscope study of corrosion casts. Arch. Histol.Jpn. 34, 87-107, 1972. 12. Murakami, T.: Methyl methacrylate injection replica method. In Principles and Techniquesof Scann ing Electron MicroscopyVol. 6, ed. A. M. Hayat, Van Nostrand Reinhold Co., New York-CincinnatiAtlanta-Dallas-San Francisco, pp. 159-169, 1977. 13. Fujita, T. and Murakami, T.: Microcirculation of monkey pancreas with special reference to the in sulo-acinar portal system. A scanning electron microscope study of vascular casts. Arch. Histol.Jpn. 35, 255-263, 1973. 14. Murakami, T., Miyoshi, M. and Fujita, T.: Glomerular vessels of the rat kidney with special reference to double efferent arterioles. A scanning electron microscope study of corrosion casts. Arch. Histol. Jpn. 33, 179-198, 1971. 15. Trabucco, A. and Marquez, F.: Structure of glomerular tuft. J. Urol. 67, 235-255, 1952. 16. Kajimierczak, J.: A study by scanning (SEM) and transmission (TEM) electron microscopy of the glo merular capillaries in developing rat kidney. Cell Tiss. Res. 212, 241-255, 1980. 17. ZlAbek,K.: Uber dunne intercapillare Anastomosen im Nierenglomerulus der Ratt. Acta Anat. 85, 177-189, 1973. 18. Ljungquist,A.: Ultrastructural demonstration of a connection between afferent and efferent juxtame dullary glomerular arterioles. Kidney Int. 8, 239-244, 1975. 19. Casellas, D. and Mimran, A.: Glomerular pathways in intrarenal microvasculature of aged rats. Am. J. Anat. 156, 293-298, 1979. 20. Spinelli,F.R., Wirz, H., Briicher, C.H. and Pehling, G.: Non existence of shunts between afferent and efferent arterioles of juxtamedullary glomeruli in dog and rat kidneys. Nephron 9, 123-128, 1972. 21. Spinelli,F.R.: Structures and development of the renal glomerulus as revealed by scanning electron microscopy. In International Review of Cytology 39, ed. G. H. Bourne and J.F. Danielli, Academic Press, New York-San Francisco-London, pp. 345-381, 1974. 22. Anderson, B.G. and Anderson, W.D.: Renal vasculature of trout demonstrated by scanning electron microscopy, compared with canine glomerular vessels. Am. J. Anat. 145, 443-458, 1976. 23. Yang, G.C.H. and Morrison, A.B.: Three large dissectable rat glomerular models reconstructed from wide-field electron micrographs. Anat. Rec. 196, 431-440, 1980. 24. Murakami, T.: Double afferent arteriole of the rat renal glomerulus as studied by the injection rep lica scanning electron microscope method. Arch. Histol. Jpn. 39, 327-332, 1976. ア カゲザ ル の 腎糸球 体 血 管構 築 ・鋳 型 走査 電子 顕 微鏡 法 に よる観 察 Blood vascular A scanning architecture electron of the rhesus microscope Magosaburo Department of Anatomy, Okayama (Director: monkey study kidney of corrosion 961 Glomerulus. casts UNEHIRA University Medical School, Okayama, Japan Prof. T. Murakami) Blood vascular beds of the rhesus monkey kidney glomerulus were replicated with low viscosity methacrylate resin and observed in a scanning electron microscope. The glomerular blood vascular beds consisted of freely and multiply anastomosing capillary networks, which showed lobulations. The lobules intercommunicated with each other by a few bridging capillaries. The lobules, however, could be recognized as fairly independent units in the glomerular microcirculation as the bridging vessels were small in size. Very faint capillaries were sometimes observed in and near the vascular pole of the glomerulus. These faint vessels represented new formations of the glomerular capil laries. Neither short-cut communication nor main pathways were noted between the glomer ular afferent and efferent vessels nor within the glomerular capillary networks.