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支払業務、年120万件の9割の伝票照合・送金処理を IBM BTO大連

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支払業務、年120万件の9割の伝票照合・送金処理を IBM BTO大連
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花王
支払業務、年120万件の9割の伝票照合・送金処理を
IBM BTO大連デリバリー・センターにアウトソーシング
大手日用品メーカーの花王は、
グループ会社へのサービス品質の向上と経理業務の効率化、
コスト削減のために、
経理業務のグローバル一体運営と業務のシェアード・サービス・センターへの集約に取り組んでいる。
その一環として同社は、
IBMのビジネス・トランスフォーメーション・アウトソーシング
(BTO)
サービスを採用、
支払業務、
年120万件の9割の伝票照合・送金処理を
IBM BTO大連デリバリー・センターにアウトソーシングしている。
経理業務の効率化、標準化と
シェアード・サービス・センターへの集約を推進
化と手形の廃止
(1985年)
、利益ある成長を
増やすことなく行うとともに、J-SOXや国
目指して価値を創造する経営革新活動
「TCR
際会計基準の適用など外部環境の変化への
(トータル・コスト・リダクション)
」
の開始と
対応によって新たに生じる業務を確実に遂
グループ内における経理業務の標準化と効
それに基づく本社内の経理グループの1カ所
行することが大きな課題となっていた。
率化の推進のために、経理業務の一部をIBM
への集約
(1986年)
、E V A
(経済付加価値)
「固定費が増加傾向にある中では、要員を
BTO 大連デリバリー・センター
(写真)
にア
の導入
(1999年)
などに取り組んできた。
増やして経理業務を行うわけにいきません。
ウトソーシングしたのが花王である。1887
こうした中で経理部門では、2006年のカ
そこで、業務の標準化と効率化による業務
年創業の花王は、グループ各社・各部門が
ネボウ買収に伴って増大した業務を、要員を
改革と、シェアード・サービス・センターへ
相互に有機的に連携しあい、
“よきモノづくり”
の集約によって従来の業務を担当する要員
を通して顧客と感動を共有できるような製品
を減らし、新たに発生する業務を担う人員に
やサービスを提供するために、ビューティケ
振り向けることにしました」
(三田氏)
ア、ヒューマンヘルスケア、ファブリック&
そして、経理業務の効率化、迅速化を図る
ホームケア、ケミカルの4分野で事業を展開
ためのカギはグローバル・レベルでのグルー
している。
プ連結決算の実現にあるとの考えから、海
「現在、花王の売上規模は約1兆2,000億
外子会社の基幹業務システムにERPを導入、
円ですが、国内市場の成熟化と原材料価格
2006年には海外子会社のコード体系を統一
の高騰に加え、固定費の増加から、営業利
した。その後、花王本社と国内のグループ会
益率が2003年の13%台から2008年には
社もグローバル・レベルで使っているコード
7%台に落ちています。そのため、固定費の
体系を採用し、今年4月には海外と同じERP
削減と利益率の向上が業績上の大きな課題
が新しい基幹業務システムとして稼働するこ
になっています」
と、同社の会計財務部門統
とになっている
(2010年3月現在)
。
括 取締役執行役員の三田慎一氏は語る。
大連デリバリー・センターへ
支払業務の一部をアウトソース
花王では
「小さな革新の積み重ねが、ある
とき大きなイノベーションを生み出す」
という
考え方に基づき、商品開発からバックヤード
まですべての業務を進めている。経理部門
もこの考え方により、決算の迅速化とその延
長で伝票の廃止
(1977年)
、キャッシュレス
こうしたグローバル・インフラの整備と併
花王株式会社
会計財務部門統括
取締役執行役員
三田 慎一氏
せて取り組んでいるのが、シェアード・サー
ビス・センターへの業務集約の一環としての
取り組みである、経理業務の大連デリバリー・
新興国市場とグローバル展開で拓く企業の成長戦略
センターへのBPO
(ビジネス・プロセス・ア
ウトソーシング)
である。
「経理業務全体を会計処理、取引事務、決
花王株式会社(Kao Corporation)
算業務、財務業務などというブロックに分
けたときに、それぞれの内部はさらに①方
針を決める仕事、②それに従って仕事が円
滑に進むようにコントロールする仕事、③
実務の3つに分けられます。それがコンポー
ネント・ビジネス・モデル
(CBM)
という考
え方だとIBMから教わりました。その観点
1887年(明治20年)創業の大手化学メーカー。原料からの一貫生産と物流・販売システムに強みがあり、
国内外に多くの工場や販売拠点を持つ。現在のCI(コーポレートアイデンティティ)
は
「自然と調和する こ
ころ豊かな毎日をめざして」。花王の事業活動の原点は、消費者・顧客の立場に立った
「よきモノづくり」。
グループ各社・各部門が相互に有機的に連携しあい、“よきモノづくり”
を通して、顧客と感動を共有でき
るような製品やサービスを提供。
「多様性の融合」
をキーワードに、革新的な商品の創造に取り組んでいる。
から業務を分解すると、たとえば支払業務そ
のものは社内で行う必要がありますが、請求
トしたが、業務は順調にIBM側に移され、
活動に取り組み、伝票回収時間を分散させ
書や経費伝票
(モニター)
のチェック、データ
2010年3月段階で、年間120万件の90%に
たり、スキャニング業務の効率化に取り組
入力のように外部に出せるものがあります。
当たる伝票照合と銀行への送金依頼が大連
んだりして、ピーク時間が午前と午後に分
それをアウトソースしようということになり
デリバリー・センターに移管された。今回、
散するようにして業務を平準化した。
ました」
(三田氏)
移行がスムーズにできた最大のポイントは委
支払業務の移管が完了するめどが付いた
従来、花王では支払業務を国内55カ所の
託業務の中身がきちんと文書化されたこと
ことを受けて、花王では1万5,000社に上
拠点で別々に行ってきた。今回のBPOにあ
である。業務の中身を標準化し、マニュア
る取引先との売掛金の照合業務の移管を
たっては、そこで発生する業務をIBMのコ
ルを作成しないと、大連での業務がうまく回
開始し、来年1月には完了する予定だ。そ
ンサルタントの助力を得て、CBMの考え
らなくなってしまう。
の上で、花王では今後、大連デリバリー・
方に立って標準化、統一的に業務を行うた
「BPOに取り組む中で、さまざまな改善提
センターと協力しながら、支払系、取引系
めのマニュアルを作成。そして、全国の拠
案が出てきています。たとえば、経費伝票の
にとどまらず、固定資産分野や実行業務分
点で発生する経費伝票はすべて、花王の
「す
分類作業です。最初は伝票の裏に領収書が
野もCBMに基づいて業務を分解、移管で
みだ事業場」
に集約し、スキャニングして電
ホチキスやのりで付いていました。それでは
きる部分を明確にしていく計画だ。そして
子データ化し、大連デリバリー・センター
スキャニングしにくいので別々にしました。
現在、売上の3割を占め、今後一層の拡大
に送信する。
また当初、経費伝票はスキャニングした後で
を図りたいと考えている海外子会社の経理
同センターでは、送られてきた経費伝票デー
会社別や種類別に分類してファイリングして
業務に関するBPOについても検討していく
タをパソコンの画面上で金額から上長の承
いました。しかしその後、銀行への送信締切
考えだ。
認、添付領収書の確認、コード体系まで、標
時間との関係でスキャニング前に分類した
準化されたチェックシートに沿って、一つひ
方が効率的にできることがわかり、順序を変
とつ確認する。そして、内容に不備がある経
えました。さらに、スキャニングルームでは
費伝票は提出元に返却し、問題がない経費
色が異なるボックスを置いてファイリングし
伝票は花王に送って内部統制上の必要な外
やすいようにしています」
(三田氏)
部チェックを行った上で、大連にて日本の各
こうした改善提案は週1回、大連デリバ
銀行に送金を依頼する。そして、花王がそれ
リー・センターとの間で開かれる電話会議の
を最終的に確認する。
中で大連側からも出てきており、日々の業
アウトソース領域をさらに拡大
海外でも BPOの展開を計画
支払業務のBPOは2009年6月からスター
務改善に大きく役立っている。また、BPO
開始直後は経費伝票の回収時間の計画を
立てていなかったため、午後にスキャニン
グのピークが集中していた。その後、改善
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現時点でのIBMの商標リストについては、
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IBM BTO大連デリバリー・センター
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