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平成23年度国際交流促進事業 助成報告書

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平成23年度国際交流促進事業 助成報告書
様式2
平成23年度国際交流促進事業
助成報告書
部局名
経営学研究科
欧州での共同学術研究(イノベーションと競争優位)と
プロジェクト名
人材育成(リーダーシップ開発・チーム開発)に関する交流事業
実 施 時 期
平 成 23年 8月 14日 , 平成23年12月9日,平成24年2月2-3日
代 表 者
所 属 部 局
経営学研究科
っ
職
氏
名
黄
教授
名
磷
実施内容および成果
国際交流促進事業の助成を受けて,計画した事業を実施し,フォーラム,コンファレンスとワー
クショップを日本国内と神戸大学ブリュッセルオフィスで開催した。
1)高橋 潔教授は,平成23年8月14日に,神戸大学梅田インテリジェント・ラボラトリにおいて
,「欧州サッカークラブ・マネジメントフォーラム」を開催した。登壇者にシーコン・ロジスティ
ック社CEO兼VVVフェンロ会長 ハイ・ベルデン氏をお招きし,「Sport Business with Japan」とい
うタイトルの下,オランダのサッカークラブにおけるマネジメントの課題についての報告をいただ
いた。VVVフェンロの抱える財務状況や日本を含めた国際戦略に関して,実態に即した報告がなされ
たため,スポーツクラブの経営管理に関心をもつ多くの参加者に,たいへん満足度の高い報告とな
った。引き続いて,参加者との間に質疑応答が行われ,日蘭のスポーツ組織が抱えるさまざまな問
題について,活発な意見交換が行われた。
参加者は,神戸大学専門職大学院課程(MBAプログラム)在籍者を中心に65名を数え,梅田インテ
リジェント・ラボラトリの収容人数を超える盛況な街道となった。また,ヴィッセル神戸や(社)日
本プロサッカーリーグ(Jリーグ)からも参加者を見た。神戸大学MBAプログラム在籍者とサッカー
関係団体との交流がなされた稀有な機会であったといえる。また,神戸大学の名を,欧州サッカー
界ならびにわが国のサッカー界に広めるよき機会であった。
本フォーラムを実施するための事前交渉や準備のために,クリムゾン・フットボールクラブ(ヴ
ィッセル神戸)コーチ
ロブ・セルファイス氏から専門的見地からの協力を仰いだ。また,クリム
ゾン・フットボールクラブ(ヴィッセル神戸)強化担当
吉池淳氏に,専門通訳をお願いした。
2)與三野 禎倫 教授は,平成23年12月9日(金) に,ブリュッセルオフィスでラウンドテー
ブル形式の財務情報と非財務情報の統合報告に関するカンファレンスを開催した。研究代表者は,
経済産業省とも緊密に提携をしながら,財務情報と知的資本を中心とした非財務情報の統合報告に
関する研究を推進している.カンファレンスにおいては,知的資本の研究の第一人者であるLund大
学のLeif Edvinsson教授,Ferrara大学のStefano Zambon教授,フランスで知的資本の開示と評価に
関する会議を主催しているAhmed Bounfour教授,欧州のWICI
Global Chair,日本機械輸出組合ブ
ラッセル事務所長の住田孝之所長をはじめ,15名の先生方を本学のブリュッセルオフィスに集うこ
とによって," How to assess the legitimacy of business practices involving Intellectual
Capital management and reporting"と" The movements in Japan and Europe toward Integrated
Reporting with Financial and Non-Financial Information"をテーマに,知的資本を中心とした
非財務情報をどのように開示したら企業とステークホルダーとの間の適切なコミュニケーションが
図ることができるかについて積極的な議論が展開された。
本カンファレンス開催の目的は,第一に,知的資本の研究に先行しているEU諸国に対して,神戸
大学を当該分野の日本の代表的な研究拠点としてプレゼンスを示すことであった.また第二に,経
済産業省が積極的に取り組んでいる知的資産経営(http://www.meti.go.jp/policy/intellectual_
assets/index.html)の研究拠点として神戸大学経営学研究科を位置づけることであった。
本カンファレンスの開催によって,参加者であるAhmed Bounfour教授からフランスでの第8回・
The World Conference on Intellectual Capital for Communitiesの共同開催の打診,およびStef
ano Zambon教授からINTERDISCIPLINARY WORKSHOP ON “INTANGIBLES, INTELLECTUAL CAPITAL & EX
TRA-FINANCIAL INFORMATION”でのオープン・セミナー形式のカンファレンスの開催の打診を受けて
おり,今後の知的資本の研究の研究拠点の設立に接近することができた。
3)黄 磷教授は,平成24年2月2日 (木)の午後 にブリュッセルオフィスで「欧州危機の実態と
実体経済への影響」をテーマとしたワークショップを開催した。冒頭で,黄教授は,ギリシャを発
端に起こった信用危機と財政危機はEU圏への広がりが見せているが,その影響は欧州に限らずアジ
ア経済への影響も避けられないものであることを強調し,欧州危機を長期的な視点から分析し,貿
易や直接投資など実体経済への影響を展望することがこのワークショップの主旨であると説明した
。引き続いて,Copenhagen Business SchoolのVerner Worm教授は,「EU, the financial Crisis
and Beyond」を題として講演した。亜州研究センター(Asia Research Center)を創設し,中国ビジ
ネスと経済発展の専門家であるWorm教授は,講演の中で,欧州議会において27のメンバー国が23の
公式言語から使用する言語を選択できることを例に,EU圏の多様性を解説した。また,第二次世界
大戦後の1947年にギリシャで起こった経済危機と比較しながら,今回の欧州危機の深刻さ,そして
,金融危機(a financial crisis)だけでなく長い時間をかけて構築されてきた欧州福祉モデルの危
機(a crisis of the welfare model)であることを強調された。
約2時間の講演の後に,中国のコーポレートガバナンスに詳しい和歌山大学の李 東浩教授もパ
ネラーに入って,欧州危機のアジア経済,とくに日本企業と中国企業のEU圏への投資に対する影響
について議論がなされた。
今回のワークショップをきっかけに来年度もEU圏におけるアジア企業の事業展開に関する共同
調査研究を実施することが合意されている。
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