...

ユニリーバ・ サステナブル・ リビング・プラン

by user

on
Category: Documents
2

views

Report

Comments

Transcript

ユニリーバ・ サステナブル・ リビング・プラン
ユニリーバ・
サステナブル・
リビング・プラン
小さな行動が世界を変える大きな力に
目次
3 はじめに
5 ユニリーバの活動
6 目標の概略
よりすこやかに暮らすために
8 健康・衛生
10 食
12
14
16
18
環境負荷の削減
温室効果ガス
水資源
廃棄物
持続可能な農業
経済発展
21 生活の向上
22 社員
23 進捗状況の報告
はじめに
1 日に 20 億回、誰かがどこかでユニ
リーバのブランドを使用しています。
ユニリーバの製品は、毎日の暮らしを変えています。
それは小さいながらも、大切な変化です。私たちには
意欲的な成長計画があり、売上の倍増を目指していま
す。この成長は、社員、サプライヤー、カスタマー、
投資家、そして世界中の何十万という農家の方々など、
当社のビジネスにかかわっているすべての人々に雇用と
収入を創出することになるでしょう。
持続可能な成長
しかしながら、将来にわたって成長し続けるためには、
何かを犠牲にすることはできません。環境への負荷を
減らしながら、社会にとっても有益であるような、新し
いビジネス・モデルを確立する必要があります。
ユニリー
バはあらゆる意味で持続可能な企業を目指しています。
ユニリーバは、サステナビリティと利益ある成長は対
立するものではないと考えています。消費財の製造・
販売というビジネスは、日々、経済と社会の発展を促
します。石けんやシャンプー、紅茶などの日用品のあ
る豊かな暮らしを送っていない方々が、世界にはまだ
何十億と存在しています。
よりよい明日を創るために
ユニリーバのビジョンは、よりよい未来を創ることで
す。それは、誰もが環境負荷を増やすことなく、豊か
な暮らしを送ることのできる未来です。
そして、ユニリーバの戦略は、バランスの良い食生活
を送りたい、衛生的な暮らしがしたい、髪や肌や服を
美しく保ち自信を持って生きたいという世界中の方々
のニーズに応える製品をお届けすることで、社会を変
えてゆくことです。
地球の中で生きるためには、成長を環境負荷から切
り離さなければならないことをユニリーバは知っていま
す。
このため、まずは自社の事業活動からの温室効果ガ
ス、水の使用、廃棄物の絶対量を削減します。特に、
温室効果ガスについては、世界の気温上昇を 2 度以
内に抑えるため、2050 年までに 50 ∼ 85% 削減す
るという国際連合の目標達成を目指します。
製品のライフサイクルをみると、製造工程からの環境
負荷よりも、原材料の調達や、消費者の皆さまによる
製品使用からの環境負荷の方が、はるかに大きいこと
がわかりました。そのため、ユニリーバ・サステナブル・
リビング・プランは、製品のライフサイクル全体から
の環境負荷の削減をめざして策定されています。その
実現のためには、イノベーションや新技術が非常に重
要になるでしょう。
ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン
2020 年に向けての 3 つの約束
1.10 億人以上が、すこやかな暮らしのための行動を
取れるよう支援します。
2. 製品のライフサイクル全体からの絶対量の削減を達
成し、当社の成長を環境負荷から切り離します。自
社製品の製造および使用からの環境負荷を半減さ
せることが目標です。
3. ユニリーバのサプライチェーンにかかわる何十万人
もの方々の生活の向上に貢献します。
これらの約束を実現するのは容易なことではありませ
ん。それでも約束を達成するために、政府や NGO、
サプライヤーなどとパートナーシップを結び、私たち
全員の前に立ちはだかる大きな課題に協力して立ち向
かっていく所存です。
サステナビリティの実現に向けて、世界中の数十億の
方々とともに、小さな行動を毎日積み重ね、世界を変
える大きな力にすること。それこそがユニリーバが成
功するただひとつの道なのです。
ポール・ポルマン
最高経営責任者
*Intergovernmental Panel on Climate Change, Fourth Assessment Report, 2007.
3
ユニリーバの活動
なぜサステナビリティに取り組むのか
重点分野は何か
サステナビリティとブランド戦略の統合は、明確で価
値の高いビジネス戦略です。
ユニリーバ・サステナブル・リビング・プランでは、
「す
こやかな暮らし」、
「環境」、
「経済発展」という3つの
広範な領域に重点をおいています。
すこやかな暮らしが出発点になります。当社の多くの
ブランドが、この分野のニーズを満たすものだからで
す。バランスの良い食生活と衛生的な暮らしを実現し
ていくことで、世界の健康問題の中でも最も深刻な心
臓血管疾患と下痢の予防に貢献します。
環境負荷の削減については、次のような理由から温室
効果ガス、水資源、廃棄物、持続可能な農業に重点
をおきます。
■ 温室効果ガス:石けん、シャンプー、衣料用洗剤な
どのユニリーバ製品を使うためには、お湯が必要で
す。そして、水を温めるためには多量のエネルギーが
必要です。
■ 水資源:製品の原料である農作物を育てるためには、
大量の水が必要です。また、当社の製品は、ほぼす
べて、水がないと使用いただけません。
■ 廃棄物:ユニリーバは、1 年に 200 万トン以上の包
装資材を購入しています。
■ 持続可能な農業
:ユニリーバの原材料の半分が、農業・
林業から得られるものです。
経済発展の面では、途上国に重点をおきます。数十万
におよぶ小規模な農家と流通業者を、途上国で間接
的に雇用しているからです。
ユニリーバ・サステナブル・リビング・プランは、それ
ぞれの分野に、達成期限のある数値目標を設けてい
ます。
その多くは 2020 年を目標にしていますが、私たちは
これがより大きな目標へのマイルストーンでしかないこ
とを認識しています。
消費者の製品選択を変える
世界中の消費者が、製品を選ぶときには、それが環
境や人に配慮して作られたものかどうかを確かめたいと
考えています。リプトンのレインフォレスト・アライア
ンス認証を受けた茶園からの茶葉を使った紅茶や、ベ
ン&ジェリーズのフェアトレード認証を受けたアイスク
リーム、スモール&マイティーの高濃縮衣料用洗剤な
どのブランドを選ぶ方々も増えてきました。サステナビ
リティに配慮したブランドはより価値のあるブランドだ
と考えられることが多いのです。
カスタマーとともに成長する
私たちのカスタマーの多くは独自の環境目標を掲げて
います。それを実現するためには、ユニリーバのよう
なサプライヤーの協力が必要です。ユニリーバは、持
続可能な農業、製品のライフサイクル分析などの分野
で専門的知識を持っています。知見を共有し、協働す
ることで、カスタマーとの関係を広く、深くしていくこ
とができます。
サステナビリティに配慮した製品開発を
促進する
サステナビリティに配慮した製品やパッケージの開発
は将来性のある分野です。新製品を生み、消費者の
皆さまに新しい価値をお届けすることができます。
市場を拡大する
途上国は森林伐採、水不足、非衛生などの問題に直
面しており、サステナビリティへの障壁の大きな地域
です。しかし、ユニリーバの売上の半分以上は途上国
でのビジネスが占めており、今後も市場の成長が見込
めます。環境の変化をとらえ、途上国の消費者の皆さ
まによりよい未来に向けた製品を提供することは、将
来の成長を加速させることにもつながります。
コスト上のメリットを得る
サステナビリティを追求すると、エネルギー削減、パッ
ケージ削減、廃棄物の削減を進めることになります。
これはコスト削減だけでなく、消費者の皆さまの節約
にもつながります。
4
5
持続可能な成長と暮らし
目標の概略
すこやかな暮らしに貢献し、
環境負荷を減らし、
経済発展の支援をしながら、
ビジネスを成長させます。
すこやかな暮らし
環境負荷の削減
経済発展
2020 年までに、10 億人以上が、
すこやかな暮らしのための行動を
取れるよう支援します。
ビジネスを成長させながら、製品の製造・使用から
生じる環境負荷を 2020 年までに半減させることを
目指します *。
ビジネスを成長させながら、
2020 年までに数十万人の
暮らしの向上を支援します。
健康・衛生
食
温室効果ガス
水資源
廃棄物
2020 年までに 10 億人以
上がより衛生的な習慣を
身につけられるよう支援
します。また、5 億人以
上が安全な飲み水を得ら
れるようにします。このこ
とで、下痢などの命を脅
かす病気の予防に貢献し
ます。
ユニリーバの全製品に関し
製品のライフサイクル
消費者の皆さまが製
製品廃棄の際に
て引き続き味と栄養面での
全体から生じる温室効
品を使う際の水使用
持続可能な
農業
生じる廃棄物を
品質改善を進め、2020 年
果ガスによる負荷を
量を 2020 年までに
原料として使用する農
までには、国際ガイドライ
2020 年までに半減させ
ます *。
半分に引き下げます
2020 年 ま で に 半
分にします *。
ンが定めた最も厳しい栄養
基準を満たす製品の割合を
* +。
作 物 を 2020 年 ま で に
100 % 持 続 可 能 な も の
にします。
生活の向上
2020 年までにさらに 50
万以上の小規模な農家と
流通業者をユニリーバの
サプライチェーンに迎え
ます。
倍に引き上げます。これに
より、数億人がより健康的
な食生活を送れるようにな
ります。
6
*この文書では、環境に関する目標を「消費者の使用1回あたり」で表現しています。ライフサイクル全体を視野にアプローチしており、2008年を基準として使用し
ています。
「消費者の使用1回あたり」とは、製品の1回の使用量や分量、1食分のことです。
+
水資源が不足している7カ国の人口は、世界の人口の半分以上を占めています。
7
すこやかな暮らし
健康・衛生
ユニリーバの目標
習慣を変え、より健康に
2020 年までに 10 億人以上がより衛生的な習慣を身につけられるよう支援するとと
もに、5 億人が安全な飲み水を得られるようにします。
ユニリーバのアプローチ
衛生的な暮らしへのニーズを満たすこと。それはユニリーバの創業当時からの使命です。1890 年代、創業者のひ
とりであるウィリアム・リーバ卿は、ライフボーイという石けんを発売しました。それは、ヴィクトリア朝の英国に「清
潔という価値を普及させる」製品となりました。後にライフボーイ石けんは海を越え、世界中に広がりました。イン
ドなどの一部の国では、現在もなお、市場をリードしています。
ほかにも歯みがき粉のシグナルとペプソデント、除菌クリーナーのドメスト、万能クリーナーのジフなど、衛生的な
暮らしに役立つ多くのブランドをお届けしています。
しかし、こうした製品の効果を実感していただくためには、正しい方法で使用していただくことが大切です。消費
者の皆さまの多くは 1 日に 2 回歯みがきをしなければならないことや、食事の前に手を洗わなければならないこと
をご存知ですが、それが毎日の習慣になっているとは限りません。
衛生状態を根本的に改善する鍵は、何が生活習慣を変えるきっかけになるかを理解することです。ユニリーバの行
動科学者チームは、社外のパートナーとも協力しあい、生活習慣を変える効果的な方法の開発・検証を進めてい
ます。
下痢と呼吸器疾患の低減
ライフボーイ・ブランドでは、石けんによる正しい手
洗いの実施を促すことで、2015 年までにアジア、ア
フリカ、ラテンアメリカ全 域で、10 億人に衛生的
な習慣を身につけていただくことを目指しています。
ライフボーイで正しい手洗いをすることで、下痢を
25%、呼吸器感染症を 19%、眼の感染症を 46%
低減できることが、無作為標本調査により実証され
ています。
■
口と歯の健康の改善
世界歯科連盟(FDI)とのパートナーシップでは、ユ
ニリーバの歯みがき粉ブランドを使用して子どもたち
とその両親に 1 日 2 回の歯みがきを奨 励しており、
2020 年までに 5,000 万人の参加を目標にしていま
す。
臨床データによると、フッ素入り歯みがき粉で朝と夜
に歯をみがくと、1 回の歯みがきと比較して子どもの
虫歯を最大 50% 低減できます。
将来の課題
国際連合は、安全な飲み水の確保は人間が暮らす上
で不可欠な基本的人権であると宣言しています。
ユニリーバは、5 億人に家庭用浄水器ピュアイットを
提供するという高い目標をすでに設定しています。私
たちは、ユニリーバのテクノロジーには、途上国に暮
らす大勢の人々に安全で手ごろな値段の飲み水をもた
らす力があると信じています。当社では、この目標の
達成をビジネス上の優先事項として取り組んでいく方
針です。
■
ユニリーバの指標
過去の研究をもとに、良い生活習慣を身につけ、維持する効果が高いと期待されているプログラムに
参加した人数(累積ベース)
毎年 350 万人の子どもが下痢や急性呼吸器
感染症で死亡しています。子どもの命を守る
ために、ライフボーイ石けんはインドなどの地
域で衛生教育プログラムを実施しています。
このプログラムには、2002 年以来
1 億 3,000 万人
が参加しました。
を減らせます。
呼吸器感染症は 19% 減らせます *。
登校日数が
40%
家庭用浄水器ピュアイットは有害なウイルスとバクテリ
アを駆除し、寄生虫を取り除いて安全な水を提供します。
ピュアイットは水を媒介とする疾病を最大 50% 減らすこ
とができます。
ダヴ・ブランドは 500 万人に教育プログラムを実施し、
若い世代の方々が自分に自信を持てるように支援して
きました。
■ 2015 年までに 1,500 万人の若年層を支援すること
を目指しています。
安全な飲み水の提供
ユニリーバは、家庭用浄水器ピュアイットを通じて、
2020 年までに 5 億人が手ごろな値段で安全な飲み
水を入手できるようにすることを目指しています。
現地での研究では、家庭用浄水システムにより下痢
の発生率を最大 50% 低減できることが示されていま
す。
■
ライフボーイで手を洗うことにより、下痢を
25%
もっと自信を持てるように
世界中で 10 億人が安全な水を手に入れる
ことができません。途上国における疾病の
80% が不衛生な水に起因しています。
2020 年までに
5 億人
に提供することを目指しています。
増加します *。
*ムンバイの2,000世帯を対象とした、無作為標本調査による数字です。
*National Institute of Epidemiology, based on 430 children in Chennai, India, 2005-2006.
8
9
すこやかな暮らし
食
ユニリーバの目標
健康的な食生活をサポート
当社の全製品に関して引き続き味と栄養品質の改善を進め、2020 年までには、国
際ガイドラインが定めた最も厳しい栄養基準を満たす製品の割合を倍に引き上げま
す。これにより、数億人がより健康的な食生活を送れるようになります。
ユニリーバのアプローチ
ユニリーバは、世界中の方々に、より健康的な食品を選んでいただくことを目指しています。2003 年には「栄養
強化プログラム」を開始し、3 万以上におよぶ製品の栄養品質を見直しました。
塩分、糖分、飽和脂肪、トランス脂肪という 4 つの重要な成分については、厳格な栄養学上の基準値に照らしあわせ、
製品を一つひとつ評価しました。基準値は国内外の機関による食生活上の推奨値に基づいて設定されたものです。
また、製品評価の手法は学術誌上で公表され、専門家の評価を得ています *。
2005 年以来、ユニリーバは 4 つの成分すべてを大幅に削減してきました。今後も「栄養強化プログラム」を通して、
既存の製品と将来の新製品の評価を続けるとともに、啓発プログラムを実施していきます。このことで、肥満と心
臓血管疾患という 2 つの大きな健康問題への対処を支援します。
ユニリーバの指標
塩分、糖分、飽和脂肪、トランス脂肪の 4 つの成分のすべてに関して、国際ガイドラインが定めた
最も厳しい栄養基準を満たす製品の割合(%)
心疾患は世界でも主な死因の一つになってい
ます。食生活とライフスタイルを変えるだけ
で、心臓の健康状態を大きく改善することが
できます。
フローラ/ビーセルのマーガリンは、コレステロール
値を健康的な水準に維持し、心臓と血管の健康を保
つのに役立ちます。
バターからフローラ/ビーセルに変えることで、飽和
脂肪の総摂取量を
年間約 3kg
削減することができます。
心臓の健康状態の改善
ボストン大学との協力により、ユニリーバは消費者の
皆さまが心臓の健康状態を改善するのに役立つツール
を開発しました。
■ 2020 年までに 1 億人以上に、マーガリン・ブランド
のフローラ/ビーセルの「ハート・エイジ」テストを受
けていただくことを目指しています。
■ 健康的な食生活やライフスタイルのプランを提供し、
実年齢より高くなってしまった心臓年齢を平均 3 歳引
き下げることを目指します。
塩分の削減
ユニリーバはすでに製品中の塩分量をかなり削減して
います。
■ 1 日に 5g の塩分摂取という国際ガイドラインに基づ
いた推奨レベルを満たせるよう、製品中の塩分の削
減を目指しています。
■ 2010 年末までに 1 日の塩分摂取量を 6g に抑えると
いう中間目標を達成するため、製品中の塩分量を最
大 25% 削減するという目標を設定しました。
■ 2015 年までに 1 日の塩分摂取量を 5g に抑えるため、
製品中の塩分量をさらに平均 15 ∼ 20% 削減する計
画も立てています。
飽和脂肪の削減
■
紅 茶 飲 料に含まれる糖 分をすでに減らしました。
2020 年までにさらに 25% 引き下げます。
カロリーの削減
お子さま向けアイスクリームの 60% 以上を、すでに 1
個あたり 110 カロリー以下にしました。
■ 2014 年までに、全製品での実施を目指します。
健康的な食事に関する情報の提供
ヨーロッパおよび北米では、すべての製品で栄養表示
をしています。
2015 年までに、世界中のユニリーバ製品すべてに
栄養表示をします。パッケージ前面には 1 食あたりの
エネルギー量を、裏面には主要 8 栄養素の含有量と
5 栄養素に関して 1 日あたりの標準摂取量(GDA)
の何 % が摂取できるかを表示します *。
将来の課題
ユニリーバの製品は、世界中で数億人の方々が微量栄
養素を摂取するお手伝いをしています。
今後の課題は、こうしたサポートを、より多くの場所で、
より多くの人々に対し、経済的に持続可能な方法で広
げていくことです。
飽和脂肪を減らし、必須脂肪を増やして、製品の脂肪
組成を全力で改善しています。
■マーガリンの主力製品について、全脂質に占める飽和
脂肪の割合を 2012 年までに 33% 以下に抑えます。
■ 国際ガイドラインが推奨する 1 日分の必須脂肪酸の少
なくとも 15% を提供できるようにします。
トランス脂肪の排除
■
コレステロールは心疾患の
主要な危険因子です。フ
ローラ/ビーセルのプロ・
アクティブを選ぶことで、
コレステロール値を最大
糖分の削減
部分的に加水分解された植物油に残るトランス脂肪を
2012 年までに全製品からなくします。
10%
低下させることができます。
10
*ナイマン他「食生活における推奨に基づき、食品および飲料の栄養の質を高める方法」
(「欧州臨床栄養学雑誌」第61号、2007年、p.461~471)
*適用可能かつ法的に問題のない場合、現地・地域における業界申し合わせに基づいて実施します。
11
環境負荷の削減
温室効果ガス
ユニリーバの目標
ともに気候変動とたたかう
2020 年までに、製品のライフサイクル全体にわたって温室効果ガスの負荷を半減させます *。
ユニリーバのアプローチ
気候変動はユニリーバのビジネスにますます大きな影響を持つようになるでしょう。そこで、私たちは温室効果ガ
ス排出量を大幅に削減する目標を設定しました。この目標は、原材料の調達から消費者の皆さまによる製品の使用・
廃棄にいたるまで、製品のライフサイクル全体を対象としています。
顔・からだや髪を洗うことから生じる
温室効果ガスの削減
消費者の皆さまが顔・からだや髪を洗ったり、シャ
ワーを浴びたりする際に排出される温室効果ガスを
削減するための製品とツールを、2015 年までに 2 億
人を目標にお届けします。2020 年までに 4 億人にお
届けする予定です。
■
ユニリーバの指標
ユニリーバは、製品のライフサイクルからの温室効果ガスの排出量を、消費者の皆さまによる製品使用 1 回あたり
をベースに測定する方法を開発しました。たとえば、1 杯の紅茶を飲むことによる温室効果ガスの排出量を測定し
ます。
製品使用 1 回あたりの温室効果ガス排出量:
製品のライフサイクル全体から排出される温室効果ガスを CO2 量で換算したもの(グラム)
ユニリーバの負荷
この指標を活用して、1,600 以上に上る代表的製品のライフサイクル全体にわたる温室効果ガス排出量を算出し、
基準を設定しています。製品使用 1 回あたりをベースとした数値とともに、絶対量も算出しています。
対象国は、全社の 70% を占める 14 カ国です。
26%
3%
+
+
+
gile
fra
原材料
68%
2%
製造
輸送
1%
+
消費者の皆さまによる製品使用
廃棄
負荷と以下の分類の出典:ユニリーバ14カ国の基礎研究2008年(総量表示はトン)
UP
H
TC
この基礎研究によると、製造および輸送は全体のわずか 5% です。それに対し、原材料の調達および消費者の皆
さまによる製品使用は合わせて 90% 以上を占めています。
KE
製品のカテゴリー別分類
ユニリーバの分析によると、当社の温室効果ガスに関する負荷が最も大きい製品のカテゴリーは洗髪、シャワー、
洗濯など、お湯を必要とする製品でした。
ユニリーバの温室効果ガスの負荷−カテゴリー別比率(%)
4%
3%1% 1%
石けん、シャワージェル、スキンケア
4%
衣料用洗剤、柔軟仕上げ剤
4%
シャンプー、コンディショナー
スープ、ソース、固形スープの素
5%
紅茶、飲料
6%
52%
住居用洗剤
アイスクリーム
マーガリン、その他スプレッド
9%
洗濯から生じる温室効果ガスの削減
洗濯から生じる温室効果ガスの削減
■ 濃縮タイプの液体洗剤と、コンパクトな粉末洗剤を
推進します。
■ 2012 年までに温室効果ガス排出量を 15% 削減する
ため、製品を改良します。
■消費者の皆さまがより低温の水、正確な量の洗剤を
使って洗濯してくださるよう働きかけ、2020 年まで
に洗濯機を使った洗濯の 7 割でこれを実現します。
製造工程から生じる温室効果ガスの削減
2020 年までに、製品の製造量が大幅に増えても、
工場からの CO2 排出量を 2008 年と同等の水 準、
またはそれ以下に削減します。これは生産量 1トンあ
たり 63% の削減に相当し、絶対量では 43% の削
減となります(1995 年を基準とする)。
■ 2020 年までに再生可能エネルギーの使用を倍以上
に増やし、エネルギー総消費量に対する再生可能
エネルギーの比率を 40% まで高めます。これは、
100% 再生可能エネルギーに転換する長期的目標へ
の第一歩にすぎないと認識しています。
■すべての新設工場で排出量を既存工場の半分以下に
抑制することを目指しています。
■
輸送から生じる温室効果ガスの削減
■
2020 年までに、製品の製造量が大幅に増えても、
ユニリーバの世界的な物流ネットワークから生じる
CO2 排出量を 2010 年の水準と同等の水準、または
それ以下に削減します。これは CO2 効率を 40% 改
善することに相当します。
この目標を達成するため、トラック走行距離の削減、
排出量の少ない車両の活用、鉄道・海上輸送など代
替輸送手段の採用、倉庫のエネルギー効率の改善を
図ります。
冷却により生じる温室効果ガスの削減
世界最大のアイスクリーム・メーカーとして、ユニリー
バは環境にやさしい冷媒(ハイドロカーボン)を使用
した冷却ボックスへの移行を加速させます。
■ ユニリーバはすでに新しい冷媒を使用した冷却ボッ
クスを 45 万台購入しており、2015 年までにさらに
85 万台を購入する予定です。
将来の課題
ユニリーバの製品のライフサイクルをみると、温室効
果ガスの大半は、石けん、シャワージェル、シャンプー
を使うためのお湯をわかすときに排出されています。目
標を達成するためには、少ないお湯で使用できる製品
やツールを消費者の皆さまに提供しなければなりませ
ん。そのための方法は、まだ開発されていません。
気温の上昇を 2 度以内に抑えるには、2050 年までに
世界の温室効果ガス排出量を 80% 削減する必要があ
るといわれています。製品使用時からの温室効果ガス
の削減は、明らかにユニリーバが貢献できる最大の分
野です。
世界中で 3 分の 1 の世帯がユニリーバの衣
料用洗剤を使用しています。
年間の洗濯回数は 1,250 億回になります。
濃縮液体洗剤は、使用 1 回あたりで温室効果ガス排
出量を 10 ∼ 50% 削減します。
全員が濃縮タイプに切り替えれば、
CO2 換算で年間
400万トン
100万台の車
が削減できます。これは年間
の排出量に相当します。
マヨネーズ、マスタード、ドレッシング
制汗剤
11%
12
歯みがき粉
*この文書中の環境に関する目標は、2008年を基準として「消費者の使用1回あたり」をベースに記載しています。
「消費者の使用1回あたり」とは、製品の1回の使用量や分量、1食分のことです。
13
環境負荷の削減
水資源
ユニリーバの目標
水不足が最も深刻な地域における水使用量の削減
消費者の皆さまがユニリーバの製品を使う際の水使用量を 2020 年までに半減させます *。
ユニリーバのアプローチ
水不足はすでに世界の多くの場所に影響を及ぼしています。途上国はユニリーバの将来的な成長の基盤になる見
込みですが、深刻な水の問題を抱えています。私たちは水が不足し、かつ世界的に人口の多い国々での取り組み
を重点的に進めるというアプローチを取っています。
ユニリーバの指標
ユニリーバは製品中の水分量のほか、製品使用の際に使う水の量も測定する指標 †を開発しました。この指標は、
たとえば 1 回のシャンプーで髪を洗うのに必要な水というように、消費者の皆さまによる製品使用 1 回あたりをベー
スにしています。
水不足の国における「製品使用 1 回あたり」の水使用量:
製品中の水分量と、水不足の国における消費者の皆さまの水使用量(リットル)
農業による水使用量の削減
水不足の国で農作物の栽培に使われる水を削減する
ために、ユニリーバはサプライヤーやパートナーとと
もに包括的なプランを策定します。
■
洗濯時の水使用量の削減
洗濯の過程で必要とされる水を、次の方法で削減しま
す:
■すすぎが簡単な製品をより幅広く展開します。
■ 2020 年までに、少ない水で高い洗浄力を発揮する
洗剤を、水不足の国の 5,000 万世帯に提供します。
顔・からだと髪を洗う際の水使用量の削減
水不足の国:中国、インド、インドネシア、メキシコ、南アフリカ、トルコ、米国で水が不足しており、
これらの国の人口は世界の半数に相当します。
■
水で洗浄できる製品およびツールを提供する予定で
す。
2020 年までに 4 億人に提供することが目標です。
ユニリーバの負荷
この指標を活用して、1,600 以上の代表的製品について基準を設定しています。製品使用1回あたりをベースとし
た数値とともに、絶対量も算出しています。対象国はユニリーバが水不足と判断した7カ国で、その人口は世界の
半分以上を占めます。
約
50%
<0.1%
H2O
原材料に使用される水の量
50%
H2O
H2O
ユニリーバは農作物の栽培に使われる
これは推定値です。
水の量の測定に向けてパートナーと作業を進めています。
製品中の水分量
H2O
水不足の国々における消費者の皆さまによる水使用量
水不足の国々における消費者の皆さまによる水使用量
カテゴリー別の分類
H2O
H2O
ユニリーバの分析で、水使用量のおよそ 40% が衣料を洗濯する際の水だということがわかりました。このうちか
なりの割合を途上国における洗濯(手洗い)が占めます。
ユニリーバの水使用量 – カテゴリー別割合(%)
2015 年までに、2 億人の消費者の皆さまに少ない
製造工程における水使用量の削減
2020 年までに、製品の製造量が大幅に増えても、
世界中の工場ネットワークによる水の使用量を 2008
年と同等の水準またはそれ以下に削減します。これ
は生産量 1 トンあたり 78% の削減に相当し、絶対
量では 65% の削減となります(1995 年を基準とす
る)。水不足の地域にある工場で特に重点的に取り
組みます。
■すべての新設工場で水使用量を既存工場の半分以下
に引き下げることを目指しています。
■
将来の課題
水使用量の大部分(44%)がシャワー、入浴、洗髪に
よるものです。これを最小限にする案はいくつかありま
すが、目標を達成するには新たなアプローチを開発す
る必要があります。
水不足の国では、国内における当社の水使
用量の 40%近くは洗濯時のものです。
このような市場の多くでは手洗いが一般的
です。
柔軟仕上げ剤ワン・リンス・コンフォートでは、たらい
3 回分のすすぎが 1 回ですみます。
H2O
H2O
H2O
1 回の洗濯で
30リットル
7%
9%
の水を節約できます。
38%
9%
衣料用洗剤、柔軟仕上げ剤
石けん、シャワージェル、スキンケア
歯みがき粉
住居用洗剤
シャンプー、コンディショナー
アジアと南アフリカのコンフォート使用者
が全員ワン・リンス・コンフォートに変えると、
5,000 億
リットル
の水が節約できます。
37%
+
14
製造工程で使用される水の量は環境効率プログラムの一環として測定しており、この指標ではこれを除外しています。
*この文書中の環境に関する目標は、2008年を基準として「消費者の使用1回あたり」をベースに記載しています。
「消費者の使用1回あたり」とは、製品の1回の使用分や分量、1食分のことです。
15
環境負荷の削減
廃棄物
ユニリーバの目標
削減、再利用、リサイクル
消費者の皆さまが製品を廃棄する際に生じる廃棄物を 2020 年までに半分にします *。
ユニリーバのアプローチ
パッケージは製品を守り、
安全に輸送できるようにしますが、
最終的には廃棄されます。
ユニリーバの持続可能なパッ
ケージに対するアプローチでは、ライフサイクル全体を視野に入れています。パッケージの資材の量の削減、再利
用、リサイクル、不要な資材の削減を組み合わせて、廃棄物の削減目標を達成していきます。
ユニリーバの指標
ユニリーバは、パッケージと使用後に容器に残った製品のグラム数の両方を測定する指標+を開発しました。再利
用、リサイクル、回収に関しては各国の公表データを用い、消費者の皆さまによる製品使用 1 回あたり(たとえばスー
プ 1 食分から出る廃棄物)をベースに算定しています。
製造工程で生じる廃棄物は環境効率プログラムの一環として測定しており、この指標では除外してあります。
消費者の使用 1 回分の廃棄物:
再利用・リサイクル・回収されず、廃棄物として処理されたパッケージと製品残留物(グラム)
この指標を活用して、1,600 以上に上る代表的製品から生じる廃棄物を算出し、基準を設定しています。製品使
用 1 回あたりをベースとした数値とともに、絶対量も算出しています。
対象国は、全社の製品販売量の 70% を占める 14 カ国です。
gile agile
fra
r
f
59%
14%
+
ile ragile
rag
f
f
本体パッケージ
輸送用パッケージ
27%
+
X%
UP
–
=
P
HU
H
ETC
TC
KE
K
ユニリーバの
負荷
リサイクル・再使用・回収される
包装資材の国別推定値
製品残留物
UP
■
上位 14 カ国において、業界、政府、NGO とパートナー
シップを結び、回収率とリサイクル率を平均で 2015
年までに 5%、2020 年までに 15% 引き上げます。
このことで、一部地域では、現在のリサイクル率が
2 ∼ 3 倍に上昇する場合もあります。
■ 各国の回収処理施設が最も扱いやすい素材を使用
することで、消費者の皆さまがパッケージを簡単にリ
サイクルできるようにします。
■ 2020 年までに、パッケージにできる限りリサイクル
素材を使います。そのことでリサイクル率を引き上げ
ます。
カテゴリー別の分類
カテゴリーの分析で、食品とシャワージェルのパッケージが廃棄物の最大要因になっているということが明らかに
なりました。しかし、目標を達成するためには、全カテゴリーで廃棄物を削減する必要があります。
「製品残留物」
でかなりの部分を占めているのはティーバッグです。
ユニリーバの廃棄物量 – カテゴリー別割合(%)
4%
紅茶、飲料
6%
石けん、シャワージェル、スキンケア
衣料用洗剤、柔軟仕上げ剤
8%
13%
8%
13%
9%
+
16
マヨネーズ、マスタード、ドレッシング
シャンプー、コンディショナー
マーガリン、その他スプレッド
アイスクリーム
制汗剤
9%
6%
スープ、ソース、固形スープの素
21%
住居用洗剤
歯みがき粉
2020 年までに、製品の製造量が大幅に増えても、
廃棄物の総量を 2008 年と同等の水準またはそれ以
下に削減します。これは生産量 1 トンあたり 80% の
削減、絶対量では 70% の削減に相当します(1995
年を基準とする)。
すべての新設工場で廃棄物の量を既存工場の半分以
下にすることを目指しています。
5%<1%
33%
サシェ(小分けパック)廃棄物の取り扱いについて、
2015 年までに持続可能なビジネス・モデルを開発し、
実行することを目指します。
■
ポリ塩化ビニール(PVC)の撤廃
■
2012 年までにすべてのパッケージからポリ塩化ビ
ニールを排除します(技術的に可能な場合)。
将来の課題
回収率とリサイクル率を引き上げるという目標達成の
ためには、政府、再処理業者、NGO と協力する必要
があります。
ユニリーバは、新しいテクノロジーと「完全循環型」
アプローチの可能性を探究することによって、持続可
能なパッケージの 100% の実現という長期的目標の
実現を目指します。
サステナビリティと新製品開発のプロセスを
統合することで、資源を有効に使える製品や
パッケージの開発が進みました。
スアーブの新しいシャンプーは、4 年でプラ
スチックボトル
1,000 万本
に相当する量を削減しました。
ダヴ、レセナ、シュアでは、逆さになっ
たパッケージデザインを採用し、使用す
るプラスチックの量を、それぞれ
18%削減
紙、ボール紙
9%
廃棄されるサシェへの取り組み
■
ユニリーバの廃棄物量 – 包装資材別(%)
4%
5%
ホームケア、パーソナルケアの製品では、本体容器
を再利用できるように消費者の皆さまにつめかえ用を
ご用意します。
パッケージのリサイクル
■
UP
H
TC
KE
パッケージの再利用
製造工程で生じる廃棄物の削減
負荷と以下の分類の出典:ユニリーバ14カ国の基礎研究2008年(総量表示はトン)
H
TC
以下を通じて、ユニリーバが使用するパッケージ重量
の 3 分の 1 を 2020 年までに削減します:
■ 素材の削減
■パッケージ構造・素材設計の最適化
■ 濃縮タイプの製品の開発
■ 不要なパッケージの廃止
■
■
ユニリーバの負荷
KE
パッケージの削減
ガラス
しました。
ポリプロビレン(PP)
その他の素材
ポリエチレン(PE)
11%
ポリエチレンテレフタラート(PET)
金属
ポリ塩化ビニール(PVC)
11%
25%
製造過程で生じる廃棄物は環境効率プログラムの一環として測定しており、この指標ではこれを除外しています。
*この文書中の環境に関する目標は、2008年を基準として「消費者の使用1回あたり」をベースに記載しています。
「製品使用1回あたり」とは、製品の1回の使用分や分量、1食分のことです。
17
環境負荷の削減
持続可能な農業
明日を育む
ユニリーバの目標
2020 年までに、原材料の 100% を持続可能な農法で栽培されたものにします:
■ 2010 年までに 10% ■ 2012 年までに 30% ■ 2015 年までに 50% ■ 2020 年までに 100%
ユニリーバのアプローチ
人口増加、気候変動、水不足、環境への配慮が十分ではない農業が、食の安全性と供給を脅かしています。ユニ
リーバが使用する原材料の半分は農林作物です。まずは持続可能な農林作物の調達に力を入れます。
原材料として使用する農作物上位 10 品目(農作物の
総購入量のおよそ 70%)にまず重点をおきます:
ユニリーバの指標
持続可能な農法によるパーム油
ユニリーバは持続可能な農作物の調達に関して指標を開発しました。
持続可能で再生可能な資源から調達されたことが証明できる原材料・包装資材もしくはリサイクル
素材で製造された原材料・包装資材の割合(重量比)
■
持続可能な紙およびボール紙
2015 年までにパッケージ用の紙およびボール紙素
材の 75%を、リサイクル資材もしくは持続可能な方
法で管理していると認証された森林から購入します。
2020 年までに 100% を目指します。
ユニリーバの負荷
原材料によっては、ユニリーバの購入量が世界で大きな割合を占めているものがあります。
持続可能な農法による大豆
世界の農作物に占める
ユニリーバの購入量の割合 2009年(推定)
紅茶
加工用トマト
加工用の乾燥タマネギおよびにんにく
パーム油
菜種油
ひまわり油
大豆
12%
6%
5%
3%
2%
2%
1%
■
大 豆については 2014 年まで、大 豆 油については
2020 年までに購入量のすべてを持続可能な農法の
生産者から購入します。
持続可能な農法による紅茶
リプトンのティーバッグ用紅茶すべてを 2015 年まで
にレインフォレスト・アライアンス認証茶園から購入
することを目指しています。
■ 2020 年までにティーバッグ以外の紅茶を含めて、ユ
ニリーバの紅茶すべてを持続可能な農法の生産者か
ら購入します。
■
持続可能な農法による果物および野菜
2015 年までに、果物のすべてを持続可能な農法の
生産者から購入します。
■ 2012 年までに上位 13 品目の野菜・ハーブの 50%
を持続可能な農法の生産者から購入し、2015 年ま
でに 100% にします。これはユニリーバが世界で購
入する野菜・ハーブのおよそ 80% を占めます。
■
原材料として使用している農作物上位10品目
(2009年の農作物総購入量に対する割合)
20
17%
15
持続可能な農法によるココア
総購入量(%)
13%
■
10
8%
6%
5
0
18
5% 5% 5%
4% 4% 4%
パーム油
紙、ボール紙
大豆
砂糖
紅茶
果物、野菜
ひまわり
菜種
酪農品
ココア
■
2015 年までに、アイスクリームのブランド、マグナ
ムが使うココアを持続可能な農法の生産者から購入
します。
■ 2020 年までに、他のすべてのココアを持続可能な
農法の生産者から購入します。
2020 年までに、このような原材料のすべてを持続
可能な農法の生産者から購入します。
2015 年までにすべてのパーム油を持続可能な農法と
認証された生産者から購入します。
■
持続可能な農法の砂糖、ひまわり油、
菜種油、酪農品
ベン&ジェリーズのフェアトレードへの
取り組み
フェアトレードの選択肢がある場合、ベン&ジェリー
ズはアイスクリームの原材料のすべてを 2013 年まで
にフェアトレード認証を受けたものに切り替えます。
■
平飼いの卵
■
ベン&ジェリーズのアイスクリームやヘルマンズ、ア
モーラ、カルブのマヨネーズなど、全製品で 100%
平飼いの卵に移行することを目指しています。
将来の課題
持続可能な調達を実現するにあたり、ユニリーバは 2
つの大きな課題に直面しています:
ユニリーバが原材料として使用している農作物の最後
の 20% は、持続可能な調達が難しいことが分かって
います。私たちはこのような原材料を少量しか使用し
ておらず、市場へ強い影響力を持っていません。その
ため、社外との協力が欠かせません。
ユニリーバは、農作物以外の原材料(主に化学製品)を
持続可能なかたちで購入するプランの作成を進めていま
す。
西ヨーロッパでは 2010 年までに、リプトン イエローラベ
ルと PG ティップスのティーバッグ用紅茶をすべてレインフォ
レスト・アライアンス認証茶園からの購入に切り替えました。
70 の茶園と
3万8,000
の小規模農家が認証を受けて
います。
17 万 5,000
の茶葉栽培農家によい労働環境を
提供するとともに、水の保全や、野
生動物の保護をおこなっています。
19
経済発展
生活の向上
経済発展を支援
ユニリーバのアプローチ
ユニリーバは世界中で何十万ものビジネス・パートナーと協働しています。その中には、小規模な農家や、製品の販売・
流通を手がける個人の事業主もいます。その多くは途上国の方々です。ユニリーバは、こうしたビジネス・パートナー
のスキルや生産性の向上に協力し、収入を増やして生活水準を上げられるよう支援しています。
ユニリーバの目標
2020 年までに、50 万以上の小規模農家と物流事業主をユニリーバのサプライチェーン
に迎えます。
小規模農家に対する支援
■
ユニリーバは、50 万以上の小規模農家を当社のサ
プライ・ネットワークに迎えることを目指しています。
私たちは、農法の改善に協力して、小規模農家が競
争力のある価格で世界市場に供給できるように支援
します。それを通して、小規模農家の生活水準を改
善します。
女性の個人事業主に対する支援
インドの訪問販売活動シャクティは、農村部に住む
数多くの女性に雇用を創出しています。
■ ユニリーバが採用・研修・雇用するシャクティ個人事
業主の数を、2010 年から 2015 年までで、4 万 5,000
人から 7 万 5,000 人に増やします。
■ バングラデシュ、スリランカ、ベトナムにも取り組み
を広げ、プログラムの拡大に努めています。
■
将来の課題
20
© Simon Rawles
途上国の低所得層の4人に3人が、農業で直接・間
接的に生計を立てています。世界銀行によれば、小規
模農家の支援は、経済発展の促進と貧困の軽減に最
も効果的な方法です。
ユニリーバはより多くの小規模農家をグローバルなサ
プライチェーンに迎えたいと考えています。そのため、
ユニリーバはアゼルバイジャンで民間の国際協力団体
オックスファムとの協働プログラムを開始しました。サ
ハラ以南のアフリカでもプログラムを開始する予定で
す。
世界の人口の 8 分の 1 がインド農村部に住ん
でいます。このような人々に製品をお届けする
ため、ユニリーバのインド法人は農村部に住
む女性を採用し、研修の後、訪問販売員とし
て活動していただいています。
シャクティからの収入で世帯収入が倍になることも珍し
くありません。
4万 5,000 人
の女性が、
10 万の村の
300 万世帯に
ユニリーバの製品を
届けています。
21
社員
進捗状況の報告
よりよい職場の創出
ユニリーバのアプローチ
私たちのビジネスの原動力は、ユニリーバで働く人々
のスキルや創造性です。確実に成長し続けるために、
社員一人ひとりが健康で、意欲と情熱を持てる職場づ
くりに努めています。
ユニリーバの目標
労働災害および事故の低減
労働災害をゼロにすることを目指しています。
■ 工場・オフィス内で発生する報告対象となるような事
故の頻度を、2020 年までに 2008 年の 50% に減
らします。
■
社員の健康および食の改善
「ランプライター」は、栄養バランスを改善し、心身
の健康をサポートするための社員向けのプログラムで
す。このプログラムは 30 カ国ですでに導入されており、
3 万 5,000 人が参加しています。
■ 2011 年にはさらに途上国 8 カ国でも実施し、長期
的には事業を展開するすべての国に広げたいと考えて
います。
オフィス用品の持続可能な調達の拡大
■
2013 年までに、紙を使用したオフィス用品をすべて
リサイクル資源もしくは持続可能な方法で管理してい
ると認証された森林から購入します。
ガバナンス
「企業責任・企業評価委員会」が、本プランの進捗を
評価します。
また、四半期ごとに、最高経営責任者をはじめとする
経営陣が進捗を確認します。本プランの主要な事案
は、それぞれシニア・エグゼクティブが指揮し、期日ま
での目標達成に責任を負います。
進捗状況の報告
レビューおよび専門家による助言
企業責任とサステナビリティに関する 5 名の外部専門
家からなる「ユニリーバ・サステナビリティ・ディベロッ
プメント・グループ
(USDG)
」
が、
当社のサステナビリティ
戦略の策定を指導・評価します。
ユニリーバは国際的なレベル、地域レベル、国レベル
で幅広いステークホルダーの視点を取り入れる仕組み
を確立します。そして、外部状況の変化を考慮に入れ、
本プランを定期的に見直し、改定します。
重要な事案に関しては、主な目標期日だけでなく、中
間目標を設定して進捗状況を追跡します。中間目標の
達成状況や進捗には、正式な年次報告書を作成しま
す。そして、主要な実績のデータには、外部の審査を
受けます。
「国連ミレニアム開発目標(MDG)」や気候変動に関
する国際的取り組みをはじめ、国際的な取り決めによ
る目標に本プランがどのように貢献しているかを定期
的に報告していきます。
出張の削減
■
ユニリーバは最新のビデオ会議設備に投資していま
す。これは出張を減らし、より簡単にコミュニケーショ
ンをとるための取り組みです。2011 年までに、30 カ
国以上に設備導入する予定です。
オフィスでの省エネルギー
■
上位 21 カ国において、オフィスで働く社員 1 人あ
たりのエネルギー消費量(kWh)を 2020 年までに
2010 年の半分に引き下げます。
オフィスの廃棄物の削減
上位 21 カ国において、オフィスからの廃棄物の少な
くとも 90% を 2015 年までにリサイクル、回収、も
しくは再利用します。埋め立てによるごみ処理は、
2017 年までにゼロにします。
■ 上位 21 カ国において、社員 1 人あたりの紙の消費
を 2015 年までに 30% 削減します。
■ 請求、物品受領、発注プロセスや財務報告、社員
の経費請求処理業務において、法律的・技術的に
可能な場合、紙の使用を 2015 年までに廃止します。
■
22
23
Unilever N.V.
Weena 455, PO Box 760
3000 DK Rotterdam
The Netherlands
T +31 (0)10 217 4000
F +31 (0)10 217 4798
Commercial Register Rotterdam
Number: 24051830
Unilever PLC
Unilever House
100 Victoria Embankment
London EC4Y 0DY
United Kingdom
T +44 (0)20 7822 5252
F +44 (0)20 7822 5951
Unilever PLC registered office
Unilever PLC
Port Sunlight, Wirral
Merseyside CH62 4ZD
United Kingdom
Registered in England and Wales
Company Number: 41424
For further information, please visit us online
www.sustainable-living.unilever.com
ユニリーバ・ジャパン
〒153-8578 東京都目黒区上目黒2-1-1 中目黒GTタワー
T +81(0)
3 5723 2213
T +81(0)
3 3719 4409
ユニリーバの取り組みについてより詳しくお知りになりたい
方は、
「ユニリーバサステナビリティ・レポートオンライン版」
をご覧ください。
www.unilever.co.jp
Fly UP