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無意識の流れ - 研究紹介PDF

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無意識の流れ - 研究紹介PDF
無意識の流れ
この作品は、ソニー木原研究所の研究者(当時)の飛鳥井正道さんを中心とした画像処理と AI の専門家のグルー
プと共同研究を行ったもので、人間の共感情報を視覚化することを目的にしています。
二人の人間が対面コミュニケーションを行っているときに表に現れてこないコミュニケーションの共感度をコン
ピュータで分析・表現します。水面を泳いでいる CG の人魚は二人の分身となり、リラックス←→緊張度を心拍情
報から、興味度を身体距離から導かれた共感度モデルにより表現します。例えば、人間はお互いにすましていても、
人魚は水の中で喧嘩をしたりするわけです。
システム構成
男女の人魚 CG は、観客二名の各々の分身 (agent)
として働いています。分身の人魚の動きは、お互い
の指に装着している血流計測器から求められた心泊
数によって制御されています。具体的には、お互い
の心泊数と、お互いの手の距離によりプロセミック
ス的見地から設計された共感度モデルによって、人
魚達が観客二名の隠れた次元のノンバーバルコミュ
ニケーションの様子(距離間と関心度)を表現しま
す。例えば、お互い関心があるのだが、はずかしい
ので、無関心を装っています。しかし、心臓はドキ
ドキしている、など。
二人の手に持っている赤と黄色のパレットの動き
を上部に設置されたカメラがとらえ、PCで画像解
析を行ない、共感度モデルに応じて、共感度の高い
場合は体験者の手の動きにお互いの分身の人魚CG
が追従し、共感度の低い場合は分身の人魚CGが逃
げていきます。また、お互いの分身の人魚に触れた
場合、分身の人魚 CG が自分の持っているパレット
に追従したり、共感度が低い場合、分身の人魚 CG
が、自分に行為を助言してくれます。環境音は、ユー
ザの心拍数から得られた心音を、PCで効果音的に
加工して出力しています。
インタラクティブな共感モデル
心拍数から計算されるリラックス/緊張度と、お
互いの手の距離から計算される関心度により、二次
元の共感度空間にデータがマッピングされます。共
感度空間におけるマッピングされた2人の点の動き
を共感度モデルと呼びます。(図 1、2 参照)共感
度モデルは、生理心理学者とディスカッションしな
がら考えたものです。これは私たちの表面的コミュ
ニケーションに表れない隠された次元のコミュニ
ケーションコードを表現することを目的としていま
す。
例えば、ともに関心度が高く、緊張度が高い領域
に入った場合は、お互いが相反する(行動と言動が
合っていないというような)フィーリングを持って
いるとみなします。人魚CGリアクションは、例え
ばお互いが恥ずかしいようだが、関心があるといっ
た相反する二重の心理を表現するアニメーションが
生成されます。
(図 4、5 参照)
図 1 共感度モデル(1)
図 2 共感度モデル(4)
CCD
カメラ
図 3 外観
図 4 お互いにリラックスしているが関心度の低い場合の人魚の様子
図 6 距離のデータは人魚のリアクションに反映させる
図 5 お互いに緊張度が高く関心度も高い人魚の場合
図 7 心拍を測る血脈センサー
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