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Mosaicing を用いた画像合成
Mosaicing を用いた画像合成 澤見研究室 I03I035 大橋 圭吾 I03I114 森下 祐太朗 1.はじめに 近年,デジタルカメラやカメラ付き携帯電話な 2.2 Video Mosaicing Video Mosaicing の具体例として,手持ちのカ どの普及により,写真を撮る機会が増えている. それにより画像処理ソフトを利用した加工や合 メラなどで撮影した動画像から,高解像度画像を 成なども手軽にできるようになってきた.その中 生成する手法が挙げられる.現在では,Video に,景色や建物等を対象として,複数の視点で撮 Mosaicing によって動画像を解析することによっ 影した画像から 1 枚のパノラマ画像を作成する技 てイメージスキャナと同様の高解像な画像スキ 術の一つとして,Image Mosaicing が挙げられる. ャンを手軽に実現することが可能となっている. 我々は,その Image Mosaicing という分野につい て注目し研究したのでその結果を報告する. 3.処理過程 画像を合成する過程を以下に示す. 2.Mosaicing の種類 画像 Mosaicing という分野の中で画像を取り扱う方 画像を RGB 値に変換 法の中には,大きく分けて二つ,Image Mosaicing RGB 変換 と Video Mosaicing がある. 判定処理 Image Mosaicing → 重なり部の判定 静止画を扱う 画像合成 Video Mosaicing → 合成処理 図 1 画像合成の実験過程 動画を扱う この中の,RGB 値変換,重なり部の判定,合成 2.1 Image Mosaicing 処理についてそれぞれ 4 章,5 章,6 章で示す. Image Mosaicing とは複数枚の静止画を貼り 合わせて,1 枚の大きな画像を合成する技術のこ それ以外の,パノラマ画像変換,平滑化処理につ いてもそれぞれ,7 章,8 章で示す. とである.古くから航空写真や衛星写真などの合 成に用いられてきた.最近では臨場感の高い仮想 現実環境を構築する目的などにも利用されてい 4.RGB 値変換 る.最近の画像処理の分野の中には,動画から静 ビットマップ形式の画像 1 ピクセルから RGB 止画を生成するという Image Mosaicing も存在 値を求める.RGB 値を求める処理は以下のよう する.本研究では,この Image Mosaicing をとり になる.ただし,1 ピクセル分のデータを含む 4 上げている. バイト変数を col としている. C4-5 R = (col Mod 65536) / 256 G = col / 65536 さらに,この処理を複数枚の画像に適用してパノ (式 1) ラマ画像を得る. B = (col Mod 65536) Mod 256 7.パノラマ画像変換 5.重なり部の判定 学内の適当な地点を選び,その場所で回転軸を 我々が研究した Image Mosaicing では,画像合 ほぼ垂直に固定して全周を 16 枚の写真で撮影し 成する為に,基準画像(図 2)と別視点画像(図 3)の た.その 16 枚の画像をパノラマ画像に変換する. 左から右までの列ごとの分散を求めていく.そし 16 枚の画像を 2 枚ずつ合成処理していき合成さ て,その中の分散が最も大きな列を重なり部とし れた画像も 2 枚ずつ処理して最終的に 1 枚の画像 て画像の重なり部を判定する. になるまで処理をする. 以下に基準画像(図 2),別視点画像(図 3)を示す. 以下に 1 回目に合成する画像(図 5,図 6),合成 画像 2(図 7)を示す. 図 2 基準画像 図 5 合成前 1 図 6 合成前 2 図 3 別視点画像 6.合成処理 重なり部の判定をして基準画像(図 2)の後に別 視点画像(図 3)を貼り付けていく. 図 7 合成画像 2 以下に合成画像 1(図 4)を示す. 8.平滑化(平均化) ここで言う平滑化とは,写真を撮影した時間な どのズレによるつなぎ目が生じた場合に,それを 滑らかにする処理のことを言う. 合成処理した画像には合成した際に生じる境 図 4 合成画像 1(赤枠内部は重なり部) 界線が現れる. 図 5,図 6 の合成される部分の前 C4-6 後の RGB 値を平均して図 5 の画像全体に掛けて プログラムを使用した場合の合成画像にも明 るさや高さの違いによるつなぎ目が生じている. いき平滑化処理をしていく. 以下に平滑化処理された画像(図 8)を示す. ただし,手動で貼り合わせた場合の画像との視覚 的な違いはあまり見られない.つまりこれは,貼 り合わせたポイントと比較的近い位置で合成が できているということを示している.上記で示し た RGB 値変換,重なり部の判定,合成処理など といったこれらの処理がうまくかみ合っている 図 8 平滑化処理された画像 からであると考えられる. 9.パノラマ画像の比較 それぞれ違う手法で合成した画像を元画像が 8 枚の場合と 16 枚の場合で比較する. 以下にそれぞれの手法で合成した画像を示す. 図 13 平滑化処理された合成画像(8 枚の場合) 図 9 手動で貼り合わせた画像(8 枚の場合) 図 14 平滑化処理された合成画像(16 枚の場合) プログラムを使用し平滑化処理を組み込んだ 場合の合成画像(図 9,図 10,図 11,図 12)で 見られるような,つなぎ目が滑らかになり,きれ いな画像になっていることがわかる.これは 8 の 図 10 手動で貼り合わせた画像(16 枚の場合) 平滑化のところでも説明したが,RGB 値を平均 これらの合成画像には,どちらの場合について して平滑化処理を行ったためである. も貼り付けた部分に背景の明るさの違いや,高さ の違いによるつなぎ目が生じている. 結果的に,平滑化処理を行うことで視覚的には つなぎ目が消えたように見えるが,実際にはつな ぎ目は生じている.手動で張り合わせた場合の合 成画像(図 9,図 10)とプログラムを使用した場 合の合成画像(図 11,図 12)のそれぞれを比較 した場合に視覚的な大きな違いは見られなかっ た.しかし,平滑化処理した場合の合成画像(図 図 11 プログラムを使用した画像(8 枚の場合) 13,図 14)には違いが見られる.それは,合成 された画像の画質の違いである.平滑化処理を行 っていくに従い,合成した画像が多いほうが画素 値が不適正に変化してしまい,画質が劣化した部 分が現れてしまった.それにより,合成された画 図 12 プログラムを使用した画像(16 枚の場合) 像に画質の違いが生じられたと考えられる. C4-7 その結果,目に見える大きな違いは合成部分のつ 10.まとめ なぎ目であることが分かった.平滑化処理を取り 今回の研究では,Image Mosaicing という概念 の中で上記の手順で画像を合成し,手動で貼り合 入れることでこのつなぎ目を目立たなくするこ とに成功した. わせた場合の合成画像,プログラムを使用した場 今後の課題として,アフィン変換を用いること 合の合成画像,プログラムを使用しさらに平滑化 による,上下と斜めを含んだ場合の画像の合成, 処理を組み込んだ合成画像をそれぞれ比較した. そしてその画像の画質評価などが挙げられる. 図 15 手動で貼り合わせた合成画像 図 16 プログラムを用いて合成した合成画像 図 17 合成画像に平滑化処理を組み込んで生成した合成画像 参考文献 [4] ノート用 wiki-平均化フィルタ [1]Image Mosaicing http://pub.cozmixng.org/~hiki/note/?%CA% http://www.ozawa.ics.keio.ac.jp/Saito/classes/ [5]フィルタ処理 kadai2005/image_mosaicing.html [2]カメラ外部パラメータ推定による平面を対象 http://www.gifu-nct.ac.jp/elec/yamada/iwata/f ilter/ とした超解像ビデオモザイキング http://yokoya.naist.jp/paper/datas/770/sice20 04.pdf [3]synthereal.com-VFX/CGI Studioイメージモザイキング:動画からの静止画生成 http://www.synthereal.com/jp/imageMosaicin g.html C4-8