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森林エネルギーの地産地消による スマートビレッジの実現に向けて ㈱さいかい産業 古川正司 (WPPC 理事長) (資料提供) 東北芸術工科大学 三浦秀一 エネルギー利用から見た新しい地域経済 ~外産地消から地産外消へ~ 石油を買う 森林エネルギー 排出権売る 外産地消 地産地消 地産外消 収入<支出 収入=支出 収入>支出 雇用減 (住民減) 雇用創出 (住民定着) 雇用増 (住民増) 石油の発見量と消費量 3リットルの石油を消費する間に発見される石油は1リットルだけ エネルギー輸入大国 ニッポン 日本のエネルギー自給率 = 4% 96%の「お金」が海外(域外)へ流れる ・ ・ ・ ・ ・ ・ 使うほど地域のお金は外へ流出 国際相場に地域経済が左右される 使うほど地域の環境は悪化 地域の燃料資源を放置 便利さに消される雇用 いずれは無くなる恐怖 化石燃料は 地域を貧しくする (外産地消) 再生可能エネルギーの利用促進に関わる 欧州指令における2020年の国別目標 スウェーデン 人口 900万人 2005年実績 39.8% 2020年目標 49% フィンランド オーストリア ポルトガル デンマーク フランス スペイン ドイツ 520万人 800万人 800 万人 1040万人 540万人 5980万人 4080万人 8220万人 28.5% 23.3% 23.3 % 20.5% 17.0% 10.3% 8.7% 5.8% 38% 34% 34 % 31% 30% 23% 20% 18% イギリス 5960万人 1.3% 15% 再⽣可能エネルギーの利⽤促進に関わる欧州指令 先進国の人口当たり薪生産量 1,200 1,000 1,015 )年 ・人 800 万百 /3 600 m( 量産 生薪 400 651 585 580 258 249 200 0 ドン ラン ィフ ンデ ーェ ウス スン ラフ アリ トス ーオ ーェ ウル ノ アリ ラト スー オ 234 175 149 100 96 86 51 37 18 5.3 0.9 クー スイ カリ ツイ アリ ダ 国 ンイ ダン スリ 本 マン ス メア ド タイ ナカ 韓 ペス ラオ ギイ 日 デ 2006年FAOデータ オーストリアと東北地方 オーストリア 東北地方 人口:810万人、面積:8万4千km2 人口:970万人、面積:6万7千km2 森林:3万8千km2、46%、5千m2/人 森林:4万7千km2、70%、5千m2/人 ハトラードルフ・バイオマス地域暖房 農家の牛舎がバイオマス暖房のプラントに変身 チップボイラー1250kW+550kW BDFバックアップボイラー バックアップボイラー3500kW バックアップボイラー St.Lambrecht地域暖房 修道院(森林4000ha)、林家15名(森林4000ha)による組合 バイオマス地域熱供給 • • • • オーストリア、ハトラードルフ 導管延長5.5km、チップボイラー1800kW 97件接続(2/3は一戸建て住宅) 導管込み建設費260万ユーロ(約4億円) オーストリアのバイオマス地域熱供給 ザルツブルグ州における バイオマス地域暖房の事業体 エネル その他, 5% ギー会社, 13% 農家, 63% 農業組合, 18% バイオリージョン ムラウ地域 • ムラウ地域(34自治体) • 人口3万人、面積1395km2 • 重工業がなく農林従事者が 25% • 農産物の2/3は有機農産品 • 2006年で56%自然エネルギー で自給 • 2015年までに自然エネルギー でエネルギー自立 森林エネルギーは地域の雇用を生む バイオマス暖房による雇用創出 例:人口1万人の町 住宅4000棟、公共施設、業務施設 棟、公共施設、業務施設 住宅 個別木質燃料 石油燃料 バイオマス地域暖房 ガスボイラ 大規模建物 オーストリア・シュタイヤマルク州森林協会 ヨーロッパでの木質エネルギーの役割 ヨーロッパは自然エネルギーの75%を「木質」 75%を「木質」でまか 75%を「木質」 ない、それにより雇用を創出している ・ 豊かな環境(資源)の保護・再生に取り組み、 ・ 自立した地域経済の実現を果たしている。 さて、日本では? 山の中に放置された木(切捨間伐) 手入れされず、放置された人工林 林地残材の発生量と使用量 日本における薪炭材の伐採量推移 本来林業はエネルギー事業だった! 80 70 50 薪炭材 40 用材 30 20 10 1970 1960 1950 1940 1930 1920 0 1910 3 1900 (百万 m ) 60 山形県の森林バイオマス資源価値 • 森林蓄積量:150万m3/年ずつ増加 • • • • エネルギーとして灯油40万kl相当 山形県灯油消費量の約75%相当 山形県灯油重油消費量の約50%相当 山形県石油消費量の約20%相当 • エネルギーとして売上約320億円相当 灯油80円/リットルで換算 山を整備してペレットを製造 木質燃料としてのペレットの優位性 薪 チップ ペレット 製造エネルギー 製造時間 ほぼ人力でできる 破砕機で破砕 切ってから2年乾燥 即使用可 製造プラント 即使用可 燃料としての 均質性 乾燥状態(燃焼性 能)は個人判断 含水率の違いを 調整必要 ほぼ一定 (規格可) かさ 1 1 1/3 圧縮成型 運搬・保管 (運賃) 3 外に積上げ (運賃) 3 チップヤード必要 (運賃) 1 屋内保管可 燃焼器具 薪ストーブ 大型チップボイラー ストーブ 大・小型ボイラー チップとペレットの比較 同じ重さではチップの約2倍 同じ体積ではチップの約3倍 日本の木質ペレット製造量推移 製造量は増えているが、消費は増えていない 木質ペレットの消費はなぜ増えないか? • 石油とのコスト差が大きい 「ペレット1kgの単価は灯油1ℓの半分でなければ」の嘘 (これまでの熱量計算) 灯油 = 8,000kcal 木質ペレット = 4,000kcal (2 : 1) (実際の暖房能力から) 灯油 : ペレット = 1 : 1.4 (おき火の熱利用と遠赤外線) ⇒ 灯油 80円 = ペレット 57円 で釣り合う • 燃料が手に入りにくい 10kg 500円のペレットを宅配すると、運賃が500円 燃料工場が大型ボイラー向けに注力し、一般売りをしない ホームセンター等では流通マージン高く、小売価格高くなる ⇒ ガソリンスタンド等、地域での流通網構築が必要 さいかい産業の取組み 1 高効率燃焼器具の開発 これまでの燃焼器具は燃焼効率高くない ・ 欧米ではカスケード利用のため、もともとの原価が安い ・ 特にヨーロッパは石油への課税が高く、ペレットが割安 ・ 灯油との価格差が普及のネック ・ 燃料単価の下げ圧力 ペレット燃焼器具の効率化が急務 (技術は資源の豊さを失わないために) 木質ペレット燃焼機器開発 1・ 燃費に優れ、比較的安価なストーブ開発 「普及すれば価格は下がる」と言われてきた ⇒ 「価格を下げて普及させる」に挑戦 量産化によるコストダウン SS-1 (本体24万円) ・ 燃焼効率 85% ・ 手動着火 アナログ制御 木質ペレット燃焼機器開発 2・ 農業への普及、食料と燃料の地産池消 農業用ペレットヒーター ・ 灯油の価格変動から 経営安定化 ・ CO2削減 ・ 「石油を減らした作物」 (新しい価値) ・ 温度調整不可 既存の石油機器との 併用(ハイブリッド) ・ 燃焼効率 85% 本体 120万円 「エコマスター」 木質ペレット燃焼機器開発 3・ CO2対策、コスト削減のため製造業への普及 小型スチームボイラー 様々な地域産業に適用可能 (需要先) ・ 金属加工工場 ・ クリーニング店(工場) ・ 食品加工工場 ・ 給食センター 等 (小型でも) ※ 既存ボイラー能力の10% を代替すれば、 CO2 10%削減 工業用ペレットスチームボイラー (現在 モニター中) さいかい産業の取組み 2 地産地消 森林エネルギー活用の提案 ~山村の6次産業化とスマートビレッジの構築~ (国策支援) 新エネルギーとしての木質ペレット ・ 大型プラントで効率化追求 ・ カスケード利用で低価格化 VS (地域主導) 裏山の資源をエネルギー利用 ・ 可能性の判断から開始すべき ・ 技術者を始めとした雇用の創出 地域の実情に合った木質ペレットの産業化を提案 極小プラントでのデモ(実習)風景(富士山) 間伐からペレット製造・燃焼まで一連で見れ、 間伐からペレット製造・燃焼まで一連で見れ、 「スゴイね」となるが、「次のステップは2億円ですよ」 であきらめ、進まなかった。 最新式の大型プラント(いきなり自然木から製造量1時間1トン)(全自動制御) 建設中の写真 2,000t級プラントの初期課題 入口の課題 • 初期投資 2~4億円 出口の課題 • 消費市場の開拓 (現在は補助金あるが) (ストーブで2,000台) • 原木の調達 2,000トンのペレットには6,000㎥の 材積が必要 ※ 搬出体制が追いつかない ↓ ※ 遠くから調達 ・ 高く調達 • 販売ルートの開拓 ↓ ※ 大型ボイラーへの販売 ※ 遠くまで販売 (大きく始めた場合) 市場開拓で無理し、価格が下がる ⇒ 原木を買えない ⇒ 輸入ペレットとの価格競争 理想は 「小さく産んで、大きく育てる」 移動式木質ペレット実証プラント完成! 地域での木質ペレット製造の可能性を検討されて いる皆様へ 1時間 100kgの製造能力 ・ 1ヵ月で 10tのペレットを製造でき、1.3 haの の 森林整備が進みます。 (間伐率30% ⇒ 40㎥= ペレット10 t) ・ 1次破砕 (1軸破砕機) → 乾燥 (さいかい開発乾燥機) → 2次破砕 → 造粒 1ヵ月単位(100万円)でのレンタル稼働 (技術指導込み)で実証試験 ※ 別途ランニングコスト(軽油・電気台) 必要 移動式実証プラントの効果(1ヶ月単位のレンタル) ・ 大きな初期投資なしで、地域森林エネルギー化の実証が可能に (建屋として廃校や未利用施設を有効利用することをお勧め) ・ 用意する市場に合わせて稼動出来るので、100%完売 (10t = 55万円) ・ 熟練技術者が3日間指導し、その後もフォロー 1) 現地の材で設置後すぐペレット化、将来大型プラント導入に向け事実を しっかり教えます。 2) 燃焼機器の説明や導入方法をあわせて指導 ・ 資金が乏しい中で補助金なども受けやすい。 (自治体で設備購入は難しくとも、レンタルはしやすい) ・ 原料搬出について弊社技術者による現地相談、特に㈱山守にて林業士を派遣し、 林業指導も可能(間伐請負も可能) ・ 原材料発生源近くに移動できるので、運搬費を大幅に削減 森林エネルギー(木質ペレット)が創る新しい地域経済 ~京都府宮津市へのご提案 1 ~ 800トンプラント = 営業採算ラインの下限 年間800トンのペレット生産 ( 工夫次第で1,200トン程度の生産可能) 宮津市森林面積 13,549 ha ×搬出可能割合30%=4,000 ha 森林整備 材積 4㎥ ⇒ ペレット1トン 3,200㎥ ⇒ ペレット800トン 未利用材(B/C材) 3,200㎥ ↑ 50㎥/ha(一般的間伐率で) × 64 ha ↑ 年間64 haの間伐 × 62年分 出口(ペレット800トン)を作り、年間64haの森林整備を62年間継続できます 出口(ペレット800トン)を作り、年間64 の森林整備を62年間継続できます ペレット1kg=55円(小売価格) 地産地消 エネルギー <ペレットの燃費> 55円のペレット=80円の灯油 55円×800トン = 4,400万円 (80円の灯油 55万ℓ) 宮津市世帯数(4,270)の5% ↑ 800台のストーブ設置 ↑ ストーブSS-1(40畳の暖房能力) 年間 1トン 消費 800tのペレット代替で削減する灯油コスト = 4,400万円 万円 (これまで域外流出 これまで域外流出) まで域外流出) 新たな産業としての売上高 = 4,400万円 万円 ⇒ 計8,800万円の地域経済効果 万円の地域経済効果 800tのペレットで削減するCO2排出量 排出量 = 800t 認定) 800tのペレットで削減する 800 (J-VER認定) ⇒ ×2,100円(国際相場) 円(国際相場) = 168万円 万円/年 万円 年 → 定期収入へ 失敗しない順序立てた木質ペレット導入 ~京都府宮津市へのご提案 2 ~ 2,000トンクラスの大型プラントは入口(材の搬出)も出口(消費市場)も大変です トンクラスの大型プラントは入口(材の搬出)も出口(消費市場)も大変です ステージ 1 (実証試験) 地球デザインスクールに 「破砕機」と「ペレタイザー(造粒機)」あり ※ 乾燥機がなく、製造できない + 「乾燥機」 700万円程度で購入 ↓ 月 10トンのペレット生産可能(約1ha分) ↓ 半年間(需要期中心) 60トン=330万円 ↓ 公共施設中心に60台のストーブ設置 運転コスト(6カ月) ・ 電気料金+破砕機軽油 = 約100万円 ・ 製造人件費(2人) = 約230万円 実証完了後は他地域へ (貸出・売却) ステージ 2 (800トン) プラント投資 (1/2 補助金利用可能) ・ 製造設備 = 約8,000万円 ・ 建屋・土地 = 万円 製造経費 ・ 運転コスト = 約2,000万円 ・ 原料購入 = 約1,600万円 (㎥当たり 5,000円での買い取り) ⇒ 3,200㎥= 64ha=25万円/ha ↓ 販売価格 ・ 工場出荷価格 = (45円/kg ×800トン) ・ 販売収入 = (10円/kg ×800トン) ・ 販売価格 55円/kg 3,600万円 800万円 利用間伐補助金(特措法) 35万円/ha× × 64ha = 2,240万円 万円 35万円/ 64 ↓ プラント償却に ステージ 3 (2000トン) WPPC(木質ペレット推進協議会) • 森林整備からペレット消費までの流れをコーディネートします (メンバー) 森林整備業者 ・ 造園業者 燃焼器具製造業者 ・ 燃料工場 プランナー ・ 環境教育NPO ・ 行政経験者 2009・2010年度新潟県未利用資源活用事業 • 地産地消エネルギーの新潟モデルを構築しています 環境省 J-VER認証事業 認証事業 「石油の里から木質の里へ」 • 全国の燃料工場から消費者への橋渡しをお手伝いします 2010年度林野庁補助事業 「木質ペレット地域流通整備事業」 • 森林を活用した環境教育プログラムを提供します オフセットクレジット は 地産外消 外部組織との連携 一般社団法人 MORE TREES (坂本龍一 代表) ・ 森林整備およびカーボンオフセッ ト事業における連携 ㈱ 三菱総合研究所 ・ 環境省J-VER制度のサポートを 受けるとともに、参加者発掘のた め、共同で「J-VER新潟協議 会」開始 WPPC 「石油の里から木質の里へ」 農業とCO2オフセットクレジットの組み合わせ 花卉園芸ハウスでのペレット加温 J-VER制度で 削減量をクレジット化 かつて石油を産出した秋葉(新津)丘 陵の森林を整備し、間伐材搬出 ↓ 秋葉(新津)の主産業である「花卉園 芸」のハウス加温を灯油からペレットに 代替 & 県内のペレットストーブユーザー参加 ↓ 販売したクレジットをペレット加温で 作った「花」で還元 秋葉(新津)の地域資源を最大限活用し、新たな価値創出 坂本龍一氏の団体と森林協定 新潟市と秋葉区の団体、間伐材利用促進で 音楽家の坂本龍一さんが代表を務める森林保全団体「モア・トゥリーズ」(東京)と、新潟市秋 葉区で間伐材の利用促進を行っている「木質ペレット推進協議会」(WPPC)、新潟市の3者が 21日、「森林づくりパートナーシップ協定」を結んだ。同区の「石油の世界館」で行われた調印 式には坂本さんも出席。「にいつ丘陵」の間伐材利用を通して、里山の手入れと二酸化炭素(C O2)削減を目指す取り組みへ協力を確認した。 調印式では、坂本さんとWPPCの古川正司理事長、篠田昭市長が協定書を交わし、握手し た 建材収穫のための間伐状況 WPPC 燃料用間伐搬出(エネルギー林業)の実践 用材ではなく、燃料としての間伐材搬出方法 を試験し、コストを押さえた搬出と雇用創出 を図ります 生きた環境教育の 現場 コルゲート管を利用したシューター搬出 木質資源活用を加速化させる各種施策 農林水産省 「バイオマスタウン構想」 http://www.maff.go.jp/j/biomass/b_town/pdf/hayawakari01.pdf 林野庁 文部科学省 「森林整備加速化事業」 「学校における新エネルギー導入」 http://www.nier.go.jp/shisetsu/pdf/newenergy.pdf 環境省 「地域における特徴的温暖化防止事業」 (地域協議会を設置し、ストーブ10台以上まとめて申請) 「J-VER制度活用事業者支援事業」 http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=11462 その他、「地域グリーンニューディール基金(都道府県・中核市)等あり ・ 燃料製造設備建設補助金 ・ ストーブ設置に1/3の補助金(上限あり)多数 山村活性化の23年度施策 農林水産省 「未来を切り拓く6次産業創出総合対策」 ・ 地域におけるバイオマス・再生可能エネルギーの利活用の推進 ⇒ 再生可能エネルギーの高度生産・利用型農山漁村(スマートビレッジ) の構築 林野庁 「山村活性化総合推進事業」 ・ 森林資源活用ビジネスの起業支援 ・ 企業とのマッチングによる新たな価値の創出 ・ 里山林の再生と活用 ※ 地域資源(特に森林資源)を活かした地域経済の自立を推進する 確実なこと 「化石燃料は持続不可能だが、 森林エネルギーは持続可能」 「外部依存経済はいずれ地域が損をするが、 地産池消で地域は損をしない」 「地方には再生可能なエネルギー源があるが、 東京には無い」 エネルギー自立 エネルギー自立は 自立は地方と 地方と中央の 中央の大転換 森林エネルギーは 農家・林業家のエネルギー革命 地域の経済革命 「地域はエネルギー自立できる」