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学習者の視点を取り入れた授業創りの工夫 -中学生の英会話の学習

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学習者の視点を取り入れた授業創りの工夫 -中学生の英会話の学習
学習者の視点を取り入れた授業創りの工夫
-中学生の英会話の学習意識調査を基に-
稲葉みどり
1.イントロダクション
1.1 研究の目的
日本の学校で英語を学ぶ中学生は、英会話についてどの程度の上達目標をもっ
ているのだろうか。例えば、日常会話ができる程度、自分の考えや主張ができる
程度、仕事で使える程度等の目標が考えられる。また、英会話が上手になるには
どのような学習内容や練習方法が役に立つと考えているのだろうか。単語や日常
よく使う表現をたくさん覚えたり、友達同士で話す練習をしたりすることは一般
的によく行われる方法である。英語以外に必要な事柄や知識についてはどう考え
ているのだろうか。さらに、英会話の学習には、様々な感情や心理を伴うと思わ
れる。例えば、英語が通じてうれしいと思うとき、答えられなくてはずかしいと
思うとき、ほめられてやる気が高まったと感じるとき等である。中学生は英会話
の学習においてどのような感情や心理をもっているのだろうか。学習に伴う感情
や心理は英会話の学習への取り組みに尐なからず影響を与えると思われる。よっ
て、英語の授業の構想を立てる際の予備知識となる。
英語の授業の構想を立てるときには、学習目標や学習環境(言語レベル・学習
時間・クラスの人数・母語等)を考慮して、教授法や教材を選び、教室活動等を
設定する。本研究では、英語学習に関する学習者の意識を調査し、それを授業の
構想に応用する方法を考える。特に、中学生の英会話の上達に関する学習意識に
着目し、中学生が英会話の到達目標、学習方法、授業形態等についてどのように
考えているかをアンケート調査し、それを取り入れた授業創りを考察する。
- 48 -
1.2 研究の課題
中学生を対象として、英会話の学習や上達に関して以下の3つの観点から調査
し、どのような意識をもっているかを探る。そして、結果を基に授業創りや学習
指導にどのように応用できるかを考察する。
課題1:英会話力の到達目標
課題2:英会話の学習に関する意識
課題3:学習に関わる心理的な要因
英会話力の到達目標については、将来英会話がどの程度できるようになりたい
と考えているかを調べる。日常会話ができる程度から英語を使って仕事ができる
程度までを5段階(及び、その他)に分けて調査する。英会話の学習に関する意
識では、英会話の上達にはどのような学習が有益と考えているか、英会話の授業
でどのようなことをしたいか、英会話の上達のために英語以外に大切だと思うこ
とを調査する。学習に関わる心理的な要因では、外国人と英語で話していてうれ
しいとき、英会話の学習においてはずかしいと思うとき、やる気がでるときはど
のような場合か、英会話が上達するのはどのような人だと思うかを調査する。
2.
研究の背景
2.1 理論的枠組
英会話の学習を上手に進めるには、様々な要素が関わっていると考えられる。
例えば、話すことの基礎となる英語力自体を向上させること、上手な学習法を身
につけること、学習意欲を高めること、具体的な目標を持つこと、英語以外の知
識や教養を身につけること等である。また、英語を話す際に関わるうれしい等の
プラスの感情やはずかしい等のマイナスの感情や心理をうまく処理することが必
要であろう。
言語学習ストラテジーを持つことも重要である。言語学習ストラテジーとは、
「学習者が外国語を学習するときに用いる積極的で自発的な学習の手法となるも
- 49 -
ので、コミュニケーション能力を伸ばすにも欠かせない。言語学習ストラテジー
を適切に使うことで、言語能力は向上し、自律学習が促進される」とオックスフ
ォード(1994:p.1)は述べている。
オックスフォード(1994)の提示する言語学習のストラテジーの中から、本研
究で扱う学校での英語の学習に関わりの深いものを選び出すと、以下のようにな
る。
「記憶ストラテジー」
:知的連鎖を作る/イメージや音を結びつける/くり
返し練習する/動作に移す
「認知ストラテジー」
:繰り返す/決まった言い回しや文型を覚えて使う/
自然の状況の中で練習する
「メタ認知ストラテジー」
:自分の学習を正しく位置づける/自分の学習を
順序立て計画する/目標と目的を設定・明確にする)
「情意ストラテジー」:自分の不安を軽くする/自分を勇気づける
「社会的ストラテジー」
:学習者同士が協力する/文化を理解する力を高め
る
本研究の課題1の「英会話力の到達目標」に関する質問は、
「メタ認知ストラテ
ジー」の中の「自分の学習目標を設定・明確にする」という項目に関わっている。
課題2の「英会話の学習に関する意識」は、
「記憶ストラテジー」の中の「イメー
ジや音を結びつける/くり返し練習する」、「認知ストラテジー」の中の「決まっ
た言い回しや文型を覚えて使う/自然の状況の中で練習する」、「社会的ストラテ
ジー」の中の「学習者同士が協力する/文化を理解する力を高める」等と関連し
ている。課題3の「学習に関わる心理的な要因」は、
「情意ストラテジー」の「自
分の不安を軽くする/自分を勇気づける」という項目に相当すると考えられる。
本研究で用いる意識調査の質問や回答項目は、これらの理論的枠組みを基に、
学習者(中学生)にわかりやすいような言葉を用いて作成した。
- 50 -
2.2 先行研究
英語学習の意識調査に関する研究として小篠他(2004)を見てみよう。小篠他
(2004)は、高校生を対象として英語学習動機の構成因子に関する実証研究を行っ
た。日本の普通科高校生の英語学習動機はどのような要素から構成されているの
か、それは、職業科高校生のものとはどのような関係にあるのか、また、英語学
習動機の構成要素は性別・学年間において差が見られるかを分析した。その結果、
普通科高校生の学習動機には職業科高校生より広がりや発展がみられることを明
らかにした。その要因として、小篠他は、普通科高校生の英語授業時間数は職業
か高校生より多く英語に触れる量が相対的に多いこと、このような英語学習を通
じて知識の獲得や達成感を経験する機会に恵まれたことを挙げている。これは、
英語学習の量を増やし、質を高めることが英語学習動機の幅を広げることにつな
がる可能性を示唆している。
酒井(2009)は、英語の学習状況と学習意欲に関する調査研究を行い、中学生の
英語学習の動機を高める要因として、
「英語の先生がはげましてくれるから」が最
も大きな割合を占めることを報告している。
また、石川(2002)は高校生の読解ストラテジーを調査し、優れた読み手(成績
上位群)と未熟な読み手(成績下位群)が使用するストラテジーを比較した。同
時に、読解ストラテジーのメタ認知的認識に関しても調査した。そして、石川は、
読解指導においては、読解ストラテジーを意識して効果的に使用する方法を教え
ることが役立つと結論づけている。
犬塚(2002)は、中学校の生徒はどのようにコミュニケーション・ストラテジ
ーを習得するかに着目し、日本人学生とALT(英語指導助手)との会話を丹念
に分析した。そして、生徒自身がコミュニケーション・ストラテジーに「気づく」
ことがそのストラテジーの使用につながること、習得しやすいストラテジー(例、
意味交渉ストラテジー)と習得しにくいストラテジー(例、達成ストラテジー)
があることを発見した。
石井(2011)は中学校3年間に語彙学習方略(ストラテジー)の種類や使用頻
度がどのように変化していくかを検証した。
「反復方略」
「体制化方略」
「イメージ
- 51 -
化方略」「メタ認知方略」「発見方略」の5つ語彙学習のストラテジーに着目し、
中学生 1000 人以上からデータを収集して因子分析を行った。その結果、学年が上
がるにつれて方略使用の頻度が全般に下がっていく傾向があることを提示した。
方略使用と学習態度の関係では「積極的に勉強している」と「目標を持って勉強
している」という項目の間で高い相関関係が認められることを明らかにした。方
略使用の頻度の低下の原因として、石井は、英語学習において文法理解や長文読
解等様々なニーズが出てくるため、語彙学習自体への意識は総じて減尐していく
のではないかと述べている。また、
「反復方略」
「体制化方略」
「メタ認知方略」は
中学生に共通して用いられることを発見した。さらにその構成要素の比較から、
1、 2年生では日々の授業に対するメタ認知的な意識が強く働き、3年生になる
と入試等応用を必要とする語彙学習へのメタ認知意識が活性化されていくのでは
ないかと考察している。石井は、中学生の語彙学習の方略使用では、
「メタ認知方
略」が大きな役割を担っていると結論づけている。メタ認知方略の役割は石川
(2002)の読解ストラテジーの研究と類似の結果である点も注目すべきである。
村瀬(2011)は、日本人の話す英語のわかりやすさに着目した。大学生の1分
間スピーチのわかりやすさを海外の英語ネイティブ・スピーカーが評価すること
により測定した。また双方に英語に対する考え方や自身の性格についても合わせ
て調査した。その結果、日本人は英語を話すことに対する抵抗感を感じているこ
と、英語能力の向上をめざしている人の話す英語はそうでない人の英語よりわか
りやすいこと、外国語訛り(ここでは日本語)はわかりやすさには強い影響は与
えないこと等の結論を導いている。
江口(2011)は、授業における小学校の児童と教師の英語によるインタラクシ
ョンの様子を録画し、それを書き起こして分析した。そして、教師の用いる英語
の発話の長さは比較的短いこと、英語の形式は単文が多いこと、語彙は日本人に
とって親しみやすいものであること等を突き止めた。さらに、教師の学習者(児
童)への対話的調整は、繰返し、理解確認、ジェスチャーが多く使用され、これ
らは、児童に教師の発話の内容の理解を促すだけでなく、児童の発話を引き出し、
インタラクションの活性化に寄与すること示唆している。
- 52 -
鈴木(2009)は、日本の大学生を対象として、Duray and Burt (1982)等の研究
で取り扱われた文法形態素に関する習得順序研究をおこなった。そして、書き言
葉、話し言葉ともに類似した習得順序の傾向を示すこと、さらに、その結果は、
Duray and Burt(1982)結果と類似していることを明らかにした。
杉浦(2004)は、小学校での読み書きを含む文字教育導入の可能性に着目し、
海外(韓国・台湾)教科書を比較分析し、早期に読み書きが導入されていること、
両国の教科書とも子どもが楽しんで読み書きの学習に取り組める工夫が凝らされ
ていることを報告した。そして、日本の小学校の英語教育においてどのような文
字の読み書きの活動が可能かを考察している。
これらの先行研究から得られた知見は、学習者の視点を取り入れた授業創りに
活かせる大切なものばかりである。
3.
研究の方法
3.1 アンケート調査の内容
研究は質問紙によるアンケート調査を基にして進める。調査は英会話の学習に
関する8つの質問で、6つの選択肢から該当するものを1つだけを選ぶ回答形式
である。調査項目は、英会話力の到達目標(質問6)、英会話の学習に関する意識
(質問1・5・7)
、学習に関わる心理的な要因(質問2・3・4・8)に関する
ものを含んでいる。
(資料1:アンケート調査参照)
英会話力の到達目標に関する質問は、日常会話から仕事ができる程度までの5
段階で調査した(質問6)
。質問と選択肢は以下の通りである。
「将来、英会話がどの程度できるようになりたいですか。」(質問6)
①
日常会話ができる程度
②
海外旅行に必要な会話ができる程度
③
自分の趣味や考えなどについて話せる程度
④
社会問題などについて話せる程度
- 53 -
⑤
英語を使って仕事ができる程度
⑥
その他
英会話の学習意識に関する質問は、英会話が上手になるには、どのような学習
をしたらよいか(質問1)、英会話の授業でやりたいことは何か(質問5)、英語
以外で大切なことは何か(質問8)を調査した。質問と選択肢を以下に示す。
「英語が上手に話せるようになるには、どんな学習をしたらいいと思いますか」
(質問1)
①
単語をたくさん言えるようにする
②
日常よく使う表現をたくさん覚える
③
文法をしっかり勉強する
④
英会話の CD をきいてリピートする
⑤
教科書を暗記する
⑥
その他
「英会話の授業で一番やりたいことは何ですか」(質問5)
①
友達同士で英語を話す練習をする
②
英語を使ったゲームで練習する
③
日常自分たちが話していることを英語でどう言うか学習する
④
教科書の文をいろいろかえて言ってみる
⑤
自分の言いたいことを、英語で何と言うか教えてもらう
⑥
その他
「英会話が上手になるには英語以外にどんなことが大切だと思いますか」
(質問7)
①相手に伝えたい自分の意見をしっかり持つこと
②自分の国(日本)のことをしっかり理解していること
③常に外国の文化や社会等に目を向けること
④英語以外の教科もしっかり勉強して教養を高めること
- 54 -
⑤英語と日本語のちがいを理解すること
⑥その他
学習に関わる心理的な要因に関する質問は、英会話の学習でどんなときうれし
いか(質問2)、どんなときはずかしいか(質問3)、どんなときやるきがでるか
(質問4)
、英会話が上手になる人はどのような人か(質問8)を質問した。質問
と選択肢を以下に示す。
「外国人と英語で話したとしたら、どんなとき一番うれしいですか」(質問2)
①
相手の言うことが分かったとき
②
自分の言いたいことが相手に通じたとき
③
英語がすらすら言えたとき
④
相手の質問に答えられたとき
⑤
質問して、相手から答えが返ってきたとき
⑥ その他
「英会話の学習で、どんなとき一番はずかしいですか」
(質問3)
①
文法・発音などをまちがえたとき
②
単語をわすれたとき
③
言いたいことがうまく言えないとき
④
相手の言ったことが分からないとき
⑤
質問されて、答えられないとき
⑥
その他
「英会話の学習で、どんなとき一番やる気がでますか」(質問4)
①
英会話が上手にできてほめられたとき
②
英会話ができるという自信をもったとき
③
ちょっと難しいこと(レベルの高いこと)に挑戦するとき
④
自分の興味のわく話題や教材を使って学習するとき
- 55 -
⑤
だれにも分からなかったことが自分だけできたとき。
⑥
その他
「英会話が上手になるのは、どんな人だと思いますか」(質問8)
①
はずかしがらずにどんどん英語を話す人
②
英語をまちがえても気にしない人
③
英語を何度もくり返し練習する人
④
英語ができるという自信をもっている人
⑤
知っている英語を上手に使って話す人
⑥
その他
3.2 調査対象者の概要
アンケート調査は愛知県岡崎市内の中学校の中学 1 年生と中学 3 年生を対象に
実施した。調査は学校に依頼し、平成 19 年 7 月上旬に実施した。調査対象者の概
要は【表】の通りである。
【表】調査対象者(中学生)の概要
学
年
人 数
中学 1 年生
103
中学3年生
110
合
計
213
*平成 19 年 7 月初旬調査
3.3 分析の方法
アンケート調査の結果は、中学校 1 年生、中学校3年生で大別して集計した。
本研究では、中学 1 年生と 3 年生を合計したものを分析の対象とする。分析は各
質問に対する6個の回答項目について、総人数中の選択した人の割合を算出して
示した。尐数点以下は四捨五入した。結果の数値は資料2(調査結果)に示した。
- 56 -
4.結果と考察
4.1 英会話力の到達目標
まず、英会話の到達目標について考察する。
「将来、英会話がどの程度できるよ
うになりたいか(質問6)
」という質問に対して、日常会話ができる程度から英語
を使って仕事ができる程度までを項目①~⑥で回答してもらった。
【図-1】
「中学生の英会話力の到達目標」は項目①-⑥の回答の割合を示して
いる。
「②海外旅行に必要な会話ができる程度」が 35%、
「①日常会話ができる程
度」が 32%である。これらを合わせると、67%で、約7割の中学生が英語を日常
気軽に使える程度を目標としていることがわかる。これに対して、
「③自分の趣味
や考え等について話せる程度」は、6%、
「④社会問題などについて話せる程度」3%
で、非常に尐ない。一方、
「⑥英語を使って仕事ができる程度」は 22%と3番目
に高く、中学生の時点でも仕事に英語を活用したいという高い目標を持っている
人が2割ほどいる。
以上から、英会話の到達目標は日常的に使える程度が一番多いが、仕事で使え
るような高い目標を掲げている人もいることが明らかになった。中学生の段階で
は、まだ将来どの程度英語を活用するかは具体的ではないと思われるが、最低限
の英会話力の必要性は認識している人がほとんどである。
【図-1】
「中学生の英会話力の到達目標」
日常会話ができる程度
海外旅行に必要な会話ができる程度
自分の趣味や考えなどについて話せる程度
社会問題などについて話せる程度
英語を使って仕事ができる程度
その他
- 57 -
4.2 英会話の学習に関する意識
英会話の学習意識に関する調査では、英会話の上達に有益な学習、英会話の授
業でしたいこと、英会話の上達のために英語以外で大切なことを調査した。
まず、
「英語が上手に話せるようになるには、どんな学習をしたらいいと思うか
(質問1)
」という質問に対する回答を見る。
【図-2】
「中学生の英会話の学習法」
は項目①-⑥の回答の割合を示している。
「②日常よく使う表現をたくさん覚える」
が 30%で一番高く、次に「③文法をしっかり勉強する」が 23%、
「④英会話の CD
をきいてリピートする」が 22%である。よって、表現を覚える、文法を勉強する、
聞き取りによる口頭練習等が上達に役に立つ学習法であると考えている人が多い。
一方、「①単語をたくさん言えるようにする」は 13%で、英会話において語彙力
が大切だと考える人は比較的尐ない。また、
「⑤教科書を暗記する」も 6%と低く、
上達に教科書の暗記はあまり役立つと考えていないようである。
【図―2】
「中学生の英会話の学習法」
①
②
③
④
⑤
⑥
単語をたくさん言えるようにする
日常よく使う表現をたくさん覚える
文法をしっかり勉強する
英会話の CD をきいてリピートする
教科書を暗記する
その他
- 58 -
次に、「英会話の授業で一番やりたいことは何か(質問5)」という質問に対す
る回答を分析する。【図-3】「中学が授業でやりたいこと」は項目①-⑥の回答
の割合を示している。「英語を使ったゲームで練習する」が 50%を占めている。
中学生は楽しみながら英語と親しみを持ちたいと考える傾向がある。
次に多いのが「③日常自分たちが話していることを英語でどう言うか学習する」
の 22%である。日常の話題等を英語で話してみたいと考えていることがわかる。
一方、
「⑤自分の言いたいことを、英語で何と言うか教えてもらう」は 9%と尐
なく、自分の考えや意見を言うというより、日常使う会話や表現をまず学習した
いと考えているようである。
また、「①友達同士で英語を話す練習をする」は 11%で、この練習方法を好む
人の割合は尐ない。
「④教科書の文をいろいろかえて言ってみる」は 4%で、教科
書の文型や表現を基にした転換練習もあまり好まないことを示している。
【図―3】
「中学生が授業でやりたいこと」
①
②
③
④
⑤
⑥
友達同士で英語を話す練習をする
英語を使ったゲームで練習する
日常自分たちが話していることを英語でどう言うか学習する
教科書の文をいろいろかえて言ってみる
自分の言いたいことを、英語で何と言うか教えてもらう
その他
- 59 -
さらに、
「英会話が上手になるには、英語以外にどんなことが大切だと思うか(質
問7)
」という質問に対する回答を分析する。
【図-4】
「中学生が英語以外に大切
だと思うこと」は項目①-⑥の回答の割合を示している。
「①相手に伝えたい自分
の意見をしっかり持つこと」が 47%を占める。よって、中学生は意見や主張をは
っきりもち、正確に伝えることを大切だと考えている人が約半数いることがわか
る。
「③常に外国の文化や社会等に目を向けること」は 15%、
「②自分の国(日本)
のことをしっかり理解していること」は 14%で、中学生は、国際社会に目を向け
たり、国際社会においての自分や日本の立場を大切と考える人はそれほど多くな
い。
「⑤英語と日本語のちがいを理解すること」は 11%、
「④英語以外の教科もし
っかり勉強して教養を高めること」は 10%で、日英語の相違や教養を高めるとい
ったことが大切と考える人の割合も小さい。
【図―4】
「中学生が英語以外に大切だと思うこと」
①相手に伝えたい自分の意見をしっかり持つこと
②自分の国(日本)のことをしっかり理解していること
③常に外国の文化や社会等に目を向けること
④英語以外の教科もしっかり勉強して教養を高めること
⑤英語と日本語のちがいを理解すること
⑥その他
- 60 -
4.3 学習に関わる心理的な要因
学習に関わる心理的な要因では、外国人と英語で話していてうれしいとき、英
会話の学習においてはずかしいと思うとき、やる気がでるときはどのような場合
か、英会話が上達するのはどのような人だと思うかを調査した。
まず、
「外国人と英語で話したとしたら、どんなとき一番うれしいか(質問2)
」
という質問に対する回答を分析する。【図-5】「中学生がうれしいと思うとき」
は項目①-⑥の回答の割合を示している。
「②自分の言いたいことが相手に通じた
とき」が 42%で高い。英語が通じたという達成感が重要なことを示している。ま
た「①相手の言うことが分かったとき」の 19%で理解できたときにも喜びを感じ
るようである。一方、
「③英語がすらすら言えたとき」が 16%、
「④相手の質問に
答えられたとき」が 12%、
「⑤質問して相手から答えが返ってきたとき」9%で低
い。コミュニケーションの経験が浅く喜びを実感する機会が尐ないからだろう。
【図―5】
「中学生がうれしいと思うとき」
①
②
③
④
⑤
⑥
相手の言うことが分かったとき
自分の言いたいことが相手に通じたとき
英語がすらすら言えたとき
相手の質問に答えられたとき
質問して、相手から答えが返ってきたとき
その他
- 61 -
今度は、「英会話の学習でどんなとき一番はずかしいか(質問3)」という質問
に対する回答を分析する。【図-6】「中学生がはずかしいと思うとき」は、項目
①-⑥の回答の割合を示している。「⑤質問されて、答えられないとき」が 32%
で一番高い。コミュニケーションが途切れ、会話が成り立たなくなったとき、は
ずかしいと思う傾向が見られる。
「①文法・発音などをまちがえたとき」は 25%で、英語を正しく使えなかった
ときにもはずかしいと感じ、正しい英語を使いたいという意識が高いことがうか
がえる。「④相手の言ったことが分からないとき」は 14%で、英語が理解できな
いときにはずかしいと思う割合は⑤と比べると低い。
「③言いたいことがうまく言
えないとき」は 19%、「②単語をわすれたとき」は 4%でそれほど多くない。
以上から、会話を成り立たせることや会話においても正確な英語で話すことを
重要と考える傾向が見られる。
【図-6】
「中学生がはずかしいと思うとき」
①
②
③
④
⑤
⑥
文法・発音などをまちがえたとき
単語をわすれたとき
言いたいことがうまく言えないとき
相手の言ったことが分からないとき
質問されて、答えられないとき
その他
- 62 -
さらに、「英会話の学習で、どんなとき一番やる気がでるか(質問4)」という
質問に対する回答を分析する。【図-7】「中学生がやる気が出るとき」は項目①
-⑥の回答の割合を示している。
「②英会話ができるという自信をもったとき」が
26%で、自信がもてたときに学習意欲が向上すると答えている。また、
「①英会話
が上手にできてほめられたとき」が 23%で、ほめられる喜びもやる気を出すこと
につながることがわかる。この結果は、ほめられたり、はげまされたりするとき、
学習意欲や動機が高まるという酒井(2009)の結果と共通している。
「④自分の興味のわく話題や教材を使って学習するとき」は 17%、「⑤だれに
も分からなかったことが自分だけできたとき」は 15%、「③ちょっと難しいこと
(レベルの高いこと)に挑戦するとき」14%であり、割合が低い。
【図-7】
「中学生がやる気が出るとき」
①
②
③
④
⑤
⑥
英会話が上手にできてほめられたとき
英会話ができるという自信をもったとき
ちょっと難しいこと(レベルの高いこと)に挑戦するとき
自分の興味のわく話題や教材を使って学習するとき
だれにも分からなかったことが自分だけできたとき
その他
最後に、
「英会話が上手になるのはどんな人だと思うか」という質問に対する回
答を分析する。【図-8】
「中学生が上達すると考える人」は項目①-⑥の回答の
- 63 -
割合を示している。「①はずかしがらずにどんどん英語を話す人」という回答が
39%を占めている。よって、間違えても躊躇せずに話すことが上達の秘訣と考え
る傾向が見られる。また、「③英語を何度もくり返し練習する人」が 33%で、繰
り返し練習することが大切と考えていることもわかる。
一方、
「④英語ができるという自信をもっている人」は 11%、
「⑤知っている英
語を上手に使って話す人」は 7%、
「②英語をまちがえても気にしない人」は 8%
で、いずれも割合は高くない。自信を持つこととできることは違うと考えている
ようである。また、知っている英語を上手に使って話すことは中学生の段階では
難しいのかもしれない。まちがえても気にしない人の割合が低いのは、正しい英
語表現を使えるようにしたいという意識の表われであると思われる。質問3で「①
文法・発音等をまちがえたとき」にはずかしいと感じるという点と通ずる。中学
生は誤りをおかすことをはずかしいと思うが、誤りを厭わずに話すことの重要性
は認識しているようである。
【図-8】
「中学生が上達すると考える人」
①
②
③
④
⑤
⑥
はずかしがらずにどんどん英語を話す人
英語をまちがえても気にしない人
英語を何度もくり返し練習する人
英語ができるという自信をもっている人
知っている英語を上手に使って話す人
その他
- 64 -
5.
教育への示唆
5.1 到達目標の調査結果から
本研究では、英会話力の到達目標、英会話の学習に関する意識、学習に関わる
心理的な要因の3つの研究課題について中学生を対象として調査、分析した。こ
こでは、その結果を授業や学習指導にどのように取り入れていくかを考察する。
英会話力は日常会話や海外旅行に必要な会話ができる程度を到達目標とする人
が合わせて約7割を占めた。中学生はまだ英語を学習し始めた段階で、とりあえ
ずコミュニケーションができることをめざす人が多い。したがって、中学生の英
会話の学習目標としては、日常的な会話や旅行を想定した会話等のスキルの向上
を設定することが妥当と言えよう。一方、英語を使って仕事ができる程度と高い
目標をもっている人も 2 割ほどいることがわかった。
目標をもつことは、学習に意欲的に取り組む上で大切である。よって、各々の
学習者(ここでは中学生)が自分の到達目標を明確に設定し、それに向かって学
習を進められるような授業設計ができれば、無理なく英会話の学習を進めること
が可能であろう。教師は、到達度や学習成果を各々の学習者にわかりやすく提示
して、個人内評価することも大切である。
5.2 学習意識の調査結果から
英会話が上手になるには、日常よく使う表現を覚える、英文法を勉強する、英
語を聞いてリピートする等の学習法が役立つと考える人が多いことがわかった。
よって、学習者が役立つと考える方法を授業に積極的に取り入れる工夫をする。
例えば、日常表現を集めた表現リストを作成して暗記する、シャドウイングの機
会を増やす等である。
ここで選択肢として挙げたすべての項目は、英会話の学習にとって重要さの優
劣をつけ難いものばかりである。例えば、比較的支持率の低かった英会話の上達
には語彙力が重要であるという項目については、語彙学習の有用性を認識させる
必要があろう。石井(2011)で提示されている語彙学習のストラテジーを教える
ことも役立つであろう。また、教科書を基盤とした学習についても、教科書の中
- 65 -
には、英会話に使える表現が多く含まれていることを教え、教科書の学習から英
会話の世界が広がることを教示する。
英会話の授業でやりたいことは、
「英語のゲームを使った学習がしたい」が圧倒
的な支持を得た。中学生がどのようなゲームを想定しているかは、この調査だけ
ではわからないが、楽しみながら英会話をマスターしたいと考えていることは明
らかである。それに配慮した授業の工夫をいつも忘れてはならない。杉浦(2004)
の小学生の読み書きを含む文字指導に関する研究では、楽しく学べる工夫の重要
性を説いている。楽しく学ぶことは英会話の学習においても重要で、学習目標を
明確にした英会話や英語のコミュニケーションゲームは欠くことのできない教室
活動の一つと言える。
授業でやりたいことの2番目は、
「日常自分たちが話していることを英語でどう
言うか学習する」の約2割であった。よって、中学生がどのようなことを英語で
話したいと思っているか、また、知りたい表現等に気を配り、それを学習に取り
入れれば、日常使う会話や表現を学習したいという中学生の希望に適った授業に
なる。
「友達同士で英語を話す練習をする」は1割程で、あまり支持を得なかった。
よって、言語習得におけるアウトプットの重要性を認識させることが有効である。
練習の意味や効果をしっかり理解してから学習に取り組む方が、何のための練習
かを知らずにするよりもよい。英語は使う機会が増えれば上達することを教示し
た上でペアワーク等の練習に取り組めば、より効果的であろう。
「教科書の文をい
ろいろかえて言ってみる」に関しても、単調な転換練習ではなく、語彙や内容の
膨らませ方を工夫し、中学生に身近な内容にすれば、楽しく練習できると思われ
る。
英会話が上手になるのに英語以外で大切なことについては、約半数が「相手に
伝えたい自分の意見をしっかり持つこと」と考えている。よって、自分の意見を
まとめる、考えを述べる等の機会を増やすことが必要であろう。これを学習目標
の一つとして設定することも有効である。
「常に外国の文化や社会等に目を向けること」、「自分の国(日本)のことをし
っかり理解していること」、「英語と日本語のちがいを理解すること」の支持率は
- 66 -
低かったが、これらがなぜ重要かを授業でディスカッションする機会等をつくれ
ば、その大切さに気づくであろう。
調査項目には入っていなかったが、英会話の上達には読み書きの能力も同時に
養成していく必要がある。石川(2002)では、読解指導においてストラテジーを
効果的に使用する指導することの有用性を述べている。聴解ストラテジーと併せ
て、言語学習のストラテジーを教え、トレーニングすることは中学生の学習にも
役立つと思われる。
5.3 学習の心理的要因の調査結果から
英会話の学習に関わる心理的要因は学習意欲の向上や動機を高める上で非常に
重要である。外国人と英語で話していてうれしいと思うのは、
「自分の言いたいこ
とが相手に通じたとき」が約半分を占めた。このことから、通じたという達成感
を得ることは英会話の学習にとってとても大切であることがわかる。よって、英
語ネイティブ・スピーカーや英語を話す人とできるだけ多く話す機会を設けるこ
と、そして、その授業では、一人一人の学習者が自分の考えや意見等を相手に伝
える機会を増やすように配慮する。
「相手の言うことが分かったとき」、
「英語がすらすら言えたとき」
「相手の質問
に答えられたとき」
「質問して、相手から答えが返ってきたとき」と回答した人の
割合は尐なかった。これは、中学生の段階では英会話を使う経験が浅いからであ
ろう。よって、コミュニケーションすることの楽しさや喜びを実感できるような
授業設計が大切である。
英会話の学習においてはずかしいと思うときは、
「質問されて、答えられないと
き」が約3分の1で、コミュニケーションが途切れたときはずかしいと思う傾向
が見られた。よって、わからないときは、聞き返せばよいこと、また、聞き返す
上手な方法を練習する等して、はずかしいと思う気持ちを払拭できるようにする
必要があろう。犬塚(2002)では、英会話の機会を通じて中学生はコミュニケー
ション・ストラテジーを習得することができることを示している。犬塚の指摘す
るように、習得の難易はあれ、意味交渉のストラテジーや達成ストラテジー等の
- 67 -
具体的な方法を指導すれば、コミュニケーション能力の育成につながる。
はずかしいと思うときの2番目は「文法・発音等をまちがえたとき」が4分の
1で、英語を正しく使えなかったときにはずかしいと感じ、正しい英語を使いた
いという気持ちが強いことが明らかになった。よって、自分の意志や気持ちを伝
えることの重要性を説き、文法や発音が規範どおりでなくてもはずかしいと思う
必要はないことを教示する。また、村瀬(2011)の研究で示されているように、
外国語訛りはわかりやすさにあまり影響を与えないことや、英語能力の向上をめ
ざす人は相手に通じるようなわかりやすい英語を話せるようになることを伝えれ
ば、話すことに対する抵抗感を軽減できると思われる。文法の習得に関しては、
鈴木(2009)の研究で指摘されているように、大学生になっても完璧になるわけ
ではない。誤りは学習に常に伴うもので、習得の過程であることを学習者に認識
させることもはずかしさを払拭する上で有効な手段の一つだろう。
英会話の学習で一番やる気がでるときは、
「英会話ができるという自信をもった
とき」が 26%で、自信が学習意欲の向上につながることが確認された。また、
「英
会話が上手にできてほめられたとき」も同様で、ほめられる喜びも学習意欲を高
めることがわかった。よって、授業では学習者が自信を損なうことのないよう配
慮し、教師は学習者の努力や進歩をほめる、励ますことを忘れないことが重要で
ある。このことは、酒井(2009)の研究からも裏付けられる。
英会話が上達するのはどのような人だと思うかについては、
「はずかしがらずに
どんどん英語を話す人」が約4割で、多く話すことが上達の秘訣と考える傾向が
見られた。また、
「英語を何度もくり返し練習する人」も3割以上で、繰り返し練
習することもが大切と考えているようである。よって、授業では、練習を繰り返
すこと厭う必要はないだろう。
一方、
「英語をまちがえても気にしない人」は1割以下でと、正しい英語表現を
使えるようにしたいという気持ちが強いことがうかがわれる。教師があまり誤り
を訂正しすぎると発話意欲を損なう。
「知っている英語を上手に使って話す人」も
1割以下であったが、これは英会話をする上で大切である。知っている英語を上
手に使って話すことはまだ中学生の段階では難しいのかもしれないが、中学校レ
- 68 -
ベルの英語知識を上手に使えば、基礎的な日常会話はできることを教えよう。
最後に、英会話の授業は必ずしも英語のネイティブ・スピーカーに頼る必要は
ない。日本人教師でも、平易な文型や語彙の英語を用いて学習者とコミュニケー
ションの練習ができる。このことは、江口(2011)の教師と学習者の授業分析に
よる研究において、次のように指摘されている。教師の上手な問いかけ(対話的
調整、繰返し、理解確認、ジェスチャー等)が学習者の発話を引き出し、インタ
ラクションを活性化する。江口の研究は小学生を対象としたものであるが、中学
生に対しても十分に通ずる内容である。教師と学習者のやり取りにより、インタ
ラクションを増やす工夫はどのような学習者に対する授業においても重要である
と考えられる。
6.結び
本研究の調査の目的は、学習者(中学生)が英会話の学習についてどのように
考えているかを把握することであった。教師主導の考えに基づいた授業から、学
習者の意識を取り入れた授業創りを考えるためである。限られた範囲の調査では
あるが、学習者のめざす英会話力の到達目標、学習や上達に関する意識、学習に
関わる心理的要因等の分布や傾向の一端が明らかになった。そして、調査の結果
を基に、学習者の学習意識を取り入れた授業の進め方や指導上の工夫をいくつか
提示した。
しかし、学習者の上達意識、希望や好みに沿った授業は、学習意欲の向上には
つながるが、必ずしも英会話の技能の上達に直結するものばかりとは限らない。
また、この調査結果は、被験者となった中学生集団についてのみ言えることであ
る。しかも、中学生の意識は様々である。教師が授業を創る上で大切なことは、
まず、自分が担当する授業の学習者の意識や希望をしっかり把握した上で、一人
一人の考え、個性、適性等を見極めることではないかと思う。そして、一つ一つ
の教室活動や練習の目的、意義(有用性)を学習者に明示することも、授業に積
極的に参加する態度の育成につながると考える。
- 69 -
資
料1:アンケート調査
「英会話の上達」に関するアンケートのお願い
英会話が上手になるにはどうしたらよいでしょうか。次の質問に答えて下さい。
1.英語が上手に話せるようになるには、どんな学習をしたらいいと思いますか。
一番大切だと思うものに一つだけ○をつけて下さい。
①(
)単語をたくさん言えるようにする
②(
)日常よく使う表現をたくさん覚える
③(
)文法をしっかり勉強する
④(
)英会話の CD をきいてリピートする
⑤(
)教科書を暗記する
⑥(
)その他(
)
2.外国人と英語で話したとしたら、どんなとき一番うれしいですか。一つだけ
○をつけて下さい。
①(
)相手の言うことが分かったとき
②(
)自分の言いたいことが相手に通じたとき
③(
)英語がすらすら言えたとき
④(
)相手の質問に答えられたとき
⑤(
)質問して、相手から答えが返ってきたとき
⑥(
)その他(
)
3.英会話の学習で、どんなとき一番はずかしいですか。一つだけ○をつけて下
さい。
①(
)文法・発音などをまちがえたとき
②(
)単語をわすれたとき
③(
)言いたいことがうまく言えないとき
④(
)相手の言ったことが分からないとき
⑤(
)質問されて、答えられないとき
⑥(
)その他(
)
4.英会話の学習で、どんなとき一番やる気がでますか。一つだけ○をつけて下
さい。
①(
)英会話が上手にできてほめられたとき
②(
)
「英会話ができる」という自信をもったとき
③(
)ちょっと難しいこと(レベルの高いこと)に挑戦するとき
④(
)自分の興味のわく話題や教材を使って学習するとき
⑤(
)だれにも分からなかったことが自分だけできたとき。
⑥(
)その他(
)
―つづきがあります―
- 70 -
5.英会話の授業で一番やりたいことは何ですか。一つだけ○をつけて下さい。
①(
)友達同士で英語を話す練習をする
②(
)英語を使ったゲームで練習する
③(
)日常自分たちが話していることを英語でどう言うか学習する
④(
)教科書の文をいろいろかえて言ってみる
⑤(
)自分の言いたいことを、英語で何と言うか教えてもらう
⑥(
)その他(
)
6.将来、英会話がどの程度できるようになりたいですか。一つだけ○をつけて
下さい。
①(
)日常会話ができる程度
②(
)海外旅行に必要な会話ができる程度
③(
)自分の趣味や考えなどについて話せる程度
④(
)社会問題などについて話せる程度
⑤(
)英語を使って仕事ができる程度
⑥(
)その他(
)
7. 英会話が上手になるには、英語以外にどんなことが大切だと思いますか。一
つだけ○をつけて下さい。
①(
)相手に伝えたい自分の意見をしっかり持つこと
②(
)自分の国(日本)のことをしっかり理解していること
③(
)常に外国の文化や社会等に目を向けること
④(
)英語以外の教科もしっかり勉強して教養を高めること
⑤(
)英語と日本語のちがいを理解すること
⑥(
)その他(
)
8. 英会話が上手になるのは、どんな人だと思いますか。一つだけ○をつけて下
さい。
①(
)はずかしがらずにどんどん英語を話す人
②(
)英語をまちがえても気にしない人
③(
)英語を何度もくり返し練習する人
④(
)英語ができるという自信をもっている人
⑤(
)知っている英語を上手に使って話す人
⑥(
)その他(
)
ご協力ありがとうございました。
- 71 -
資
料2:調査結果
表の数値は1~8の質問に対する項目①~⑥の回答の割合を示している。左から順に
中学1年生、中学2年生、両者の平均である。
質問 1
①
②
③
④
⑤
⑥
質問2
①
②
③
④
⑤
⑥
質問3
①
②
③
④
⑤
⑥
質問4
①
②
③
④
⑤
⑥
質問1~4
1年
2年
18
11
31
29
20
26
20
23
8
4
4
8
平均
13
30
23
22
6
6
17
41
23
8
10
1
20
43
9
16
8
4
19
42
16
12
9
2
22
6
25
11
32
5
28
3
13
17
32
7
25
4
19
14
32
6
23
26
17
17
13
4
24
24
11
18
17
6
23
26
14
17
15
5
質問5
①
②
③
④
⑤
⑥
質問6
①
②
③
④
⑤
⑥
質問7
①
②
③
④
⑤
⑥
質問8
①
②
③
④
⑤
⑥
- 72 -
質問 5~8
1年
2年
18
5
44
55
21
23
4
5
8
11
4
3
平均
11
50
22
4
9
4
27
41
7
5
20
0
37
29
5
1
24
5
32
35
6
3
22
2
45
17
12
10
15
1
50
11
17
10
6
5
47
14
15
10
11
3
42
9
33
12
3
1
36
6
33
9
12
4
39
8
33
11
11
50
26 / 26
参考文献
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University Press.
オックスフォード・L・レベッカ. (1994). 言語学習ストラテジー. 東京: 凡人社.
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愛知教育大学大学院教育学研究科英語教育専攻修士論文.
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研究科英語教育専攻修士論文.
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