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犯罪非行心理学(Psychology of Crime and Delinquency) 細江達郎
授業科目名(英語名) 担当教員(所属) 犯罪非行心理学(Psychology of Crime and Delinquency) 細江達郎(福祉臨床学科) 教育課程 社会福祉学部展開科目・福祉心理教育群 開講年次 2年後期 授業形態 講義 資格対応 日本心理学会認定心理士資格 単位数 2 必修・選択 選択科目 社会福祉分野が拡大する中で、犯罪者、非行少年の処遇や被害者の支援に関わる業務が 層化している。社会福祉を学ぶ学生の専門分野のひとつとして犯罪、非行の理解は重要なも ののひとつである。 犯罪非行心理学というと、人々は「犯罪者」が一般の人とは違う異常な心を持っているので、 それを解明する心理学であると思っている場合が多い。犯罪者や非行少年には「心の闇」があ 授業のねらい・概要 り、それを解き明かす心理学だと思っている。しかし、実際の犯罪はもっと日常的な、普通の人 の心の延長線上にある。そして犯罪心理学の研究は、犯罪や非行に関しての大変地味な研究 の積みかさねである。 本授業では、こうした人々の思い込みそのものに「犯罪」の本質を理解する鍵があることを 示しながら、犯罪研究の歴史から現代の犯罪に関する心理学的研究まで広く取り扱うととも に、具体的な個々の犯罪発生のメカニズムや防止策および犯罪者の矯正についても講義をし ていく。 ① 犯罪心理学に対する人々のもつ「理論」について理解できる。 ② 犯罪研究の歴史・理論についての基礎的知識を修得する。 学修目標 ③ 「犯罪」とはなにかについて、多面的に理解できる。 ④ 犯罪の発生、犯罪の深化に関する説明の理論を理解できる。 ⑤ 犯罪の防止、犯罪者の矯正、被害者支援についての基礎的知識を修得する。 犯罪心理学の今後について考察し、見解を述べることができる。 1-2. 「犯罪心理学」の心理学:犯罪の「しろうと理論」 3. 犯罪研究の歴史:生来性犯罪説から現代の犯罪理論まで 4-5. 犯罪とはなにか: 「犯罪者」とはだれか、犯罪は行動である 6-7. 犯罪行動が発生する過程: 反法的態度の形成 犯罪発生場面の構造 犯行手口(暴力型、窃盗型、詐欺型) 授業の計画 8-9. 発達成長と非行・犯罪: 社会化と犯罪の深化(プロ犯罪の世界他) 10-11.さまざまな犯罪の形態: 殺人、放火、暴力、性犯罪、暴走族、薬物犯罪他 12. 犯罪心理学のトピックス:うそ発見、目撃者、ストーカー、DV、いじめ、 宗教犯罪、悪徳商法、プロファイリング他 13. 犯罪防止の心理学:窃盗犯と環境、安全な地域社会 14. 犯罪者の矯正: 少年矯正、成人犯罪の矯正、少年院での矯正処遇、刑務所での矯正処遇 15. テキスト教材等 犯罪心理学のこれから テキスト:犯罪心理学 細江達郎著 ナツメ社 1300 円+税 基本的にテキストに基づき解説していくので、受講の際にはテキスとを用意。 授業の形式 成績評価の方法 履修にあたっての留 意点 備考 基本的には講義形式である。日常の被害体験や犯罪等の記録やビデオなども素材として、 議論する講義も行う。 学修目標毎に確認のための小レポート、小テストを行い、それぞれ5割以上の理解を前提とし て、最終試験を行う。 この科目は隔年開講である。2009 年度開講しない予定である。