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平成27年度 NO.9
平成27年度 学校だより №9 平成 27年12月21日(月)発行 さいたま市立大宮北高等学校 半歩を刻んでやり続ける力 校 長 細田眞由美 イタリアの名門サッカーチーム、AC ミランでメディカルトレーナーとして活躍していた遠藤友則 さんの著書『一流の逆境力』 (BS新書)を読んだ。16年間トレーナーとして、数々のスーパース ターを見、彼らがどのように逆境を乗り越えてきたかが語られている。スーパースターだから才能に 恵まれているし精神力も並外れているだろうから、きっとハードな練習で乗り越えているのだろうと 思った。だが、読み始めから、それははずれてしまった。 遠藤氏は、一流選手とそうでない選手の違いは「考え方」にあると 言っている。自分の価値観をしっかり持ち、自分が決めたことは、絶 対に譲らない。続けるべきことは、ずっと続ける。彼らの流儀という のは、ごく普通の人がやれることを普通にこなすこと。 「今日は気が向 かないからやらない」ということはないし、雨が降ろうが、雪が降ろう がやるべきことを継続してやる。毎日続けられないほどの難しいことを やるのではなく、誰もができる当たり前のことをコツコツ続ける能力、 強い意志がある。 彼は、多くの一流になりきれなかった選手もたくさん見ているが、そ んな選手は、あるときは頑張りすぎたり、逆にあるときは頑張れなかっ たりと不安定だそうだ。精神的に成熟していない選手は、頑張るときは 頑張るが、少しうまくいかなくなると「ああ、もう駄目だ。やめた。 」 となってしまう。これでは、せっかくすばらしい才能があっても、いいときはいいけれど、ダメなと きはダメという選手で終わる。 「大股で1歩進むと、次の2歩目は苦しくなる。2歩目を安定して出すためには、半歩ずつ確実に 出した方がいい。大股で次の一歩が踏み出せなくなるくらいなら、半歩を刻んでやり続ける方が いい。その方が、はるか先まで行くことができる。 」 一流になる選手と、そうではない選手の考え方の違いは、このことに気づいているか、いないかで あると彼は言っている。 さて、3年生の皆さん。大学入試センター試験まであと25日。私立大学の個別入試までは、一ヶ 月以上、国立大学の前期試験までは二ヶ月ある。半歩を刻み続けると、もう少し先まで行ける時間が 残されている。 2年生の皆さん。あなた方には、大学入試センター試験まで390日ある。 1年生の皆さん。あなた方には、大学入試センター試験まで755日ある。 高い志を持ち、当たり前のことを当たり前にやり続けることができれば、今、あなた方が考えてい るよりもはるか遠くまで到達できる時間がある。しかし、時間の長さは、継続の苦しさも併せ持って いる。 結果が出ないときもあるが、そんな時は頑張らない。誤解する人もいるかもしれないが、ピンチの 時には頑張ってはいけない。大切なことは、コツコツと「半歩」をやり続けることである。ある時だ けむきになって、めちゃくちゃ頑張るよりも、小さく続けることの方が大切だと理解しなければなら ない。これは、かなり難しいものである。でも、あなた方ならできる。 創立60周年記念式典を挙行しました 昭和31年の開校から、本年度は創立60年目を迎え、10月31 日(土)に、本校を会場に記念式典を挙行しました。 副市長、教育長をはじめ、各高等学校長や同窓会長など70名を超 える多くの来賓を迎え、60年の伝統を感じさせる式典となりました。 祝辞では多くの方から、大宮北高校が伝統を重んじつつも、日々進化 し、未来を切り拓いていく生徒を育てる学校になっているとお言葉を いただきました。 式典に引き続いて、生徒から、同窓会の協力で整備される「ICT ラーニングルーム」と、60年を記 念して創られたマスコットキャラクター「とっきー」が会場全体に紹介されました。 ICTラーニングルームは、タブレット端末を使った学習ができる教室で、授業はもちろん、ICTを利 用できる自習室としても活用されます。 とっきーは、正門を入ってすぐの大きな時計台をモチーフとして創られました。 時計台は、これまでの北高の歴史、そして未来を歩む学校を暖かく見守りながら時を 刻んでくれる存在です。キャラクターの公募には、多くの生徒がキャラクターを考え てくれましたが、その中から3年生の森山さんの「とっきー」が選ばれました。 とっきーのボタンは3色で、3つの学年の色になっています。ポケットの「りんどう の花」や「花壇の花」は、華やかな学校生 活や、時計台の周りなどに花があふれる様 子を表しています。 式典の後、記念演奏会として吹奏楽部が 「ハッピィ・バースデイ・トゥー・ユー」などを演奏し、そこに 卒業生のオペラ歌手 田中 由佳 さんが加わってコラボレーショ ン演奏が行われました。 アンコールでは、 田中さんがアカペラでヴェルディの歌劇 「椿姫」 から 「乾杯」 を高らかに歌い上げ、 祝いの曲で締めくくりました。 大宮北高初の海外修学旅行を実施しました 今年度から修学旅行が海外修学旅行になりました。これまでの沖縄修学旅行も意義深いものでしたが、グローバ ル化が必要とされる現在、海外に目を向け、実際に体験することが必要だと云うことで実施することになりました。 10月5日~9日の日程で、目的地は、多文化共生のシンガポール、マレーシアです。 シンガポールは、資源の少ない島国で、人材育成に力を入れ、経済的にも大きく飛躍している国です。日本のよ うに資源のない国としては、そこから多くを学ぶことができます。また、公用語は英語なので、生徒にとっては語 学の研修としてもよい機会です。そして、これからは、日本は同じアジアの仲間と一層協力して国際社会で頑張ら なければならなくなります。その点からも、交流を深めることでアジアに目を向けることは大切なことです。 今回は、現地の高校生との文化交流などを通し、これまでとは違った視点からの考えや、人として大切なことな ど多くのことを学ぶことができました。参加した生徒は、良い経験のできた修学旅行であったと感想を答えていま す。今回、初めての海外修学旅行で、十分に準備等にも時間をかけて実施いたしました。今後も、さらに高い教育 効果を目指して進めて参ります。 機 内 で シ ン ガ ポ ール で 文 化 交 流 パセルグダン(マレーシア)の校舎内で 予備 「一年の計は元旦にあり」 3年生の皆さんは、いよいよ正念場。自分の未来をしっかりとつかみ取って ください。そして、大学入試が終われば、高校を卒業し、新しい生活が始ま ります。新しい生活もしっかりと目的を持って充実したものにしてください。 2年生の皆さん、2年生は12月で終わりです。1月からは、 「3年生0学期」 の始まりです。センター試験まで、ちょうど1年、大学に入ろうと思ったら 4月になってからの準備では遅いのです。ですから、ここで、気持ちを切り替えて、入試の主 役がいよいよ自分の番になったと実感してください。 1年生の皆さん、入学して一年が過ぎようとしています。昨年の今頃は、高校入試直前でドキドキしながら も、高校に入ったら取り組もうと思っていたことがあったはずです。どうでしょうか。しっかり取り組めてい ますか。高校生活をより充実させるために、これから何をやるのかをしっかり考えましょう。 「一年の計は元旦にあり」と言われます。年が変わるこの時期に、もう一度自分の生活を見直し、次のステッ プを上がれるように、計画的な一年にしてください。