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ベトナムの下水道の状況
ベトナムの下水道の状況 2010.5 JICA専門家 岩崎 宏和 ベトナムの下水道(雨水排水網) • 都市内の雨水排水網は、ほぼ整備されている。 • 生活排水も雨水排水網を使って排水されている。 道路には、雨水ます兼マンホール が20~30m程度の間隔で存在 ベトナムの下水道(雨水排水網) • ホーチミン市内では、フランス統治時代に煉瓦製の アーチ型管渠が整備されている。 世界銀行衛生改善プロ ジェクトの工事で姿を現 した煉瓦管 (左下は新設管) ベトナムの下水道(雨水排水網) 雨水ます兼マンホールの構造 図面には無いが、汚水も流入 する。 ※都市排水の設計標準より ベトナムの下水道(雨水排水網) 雨水排水網の概要図 勾配は3‰と緩い、 ※都市排水の設計標準より ベトナムの 下水道 (雨水排水網) 雨水排水網は、勾配 がゆるく、網の目の ように配置されてい る。 セプティックタンク • 一般家庭のトイレは、下水処理場のあるなしに関わ らず水洗便所になっており、セプティックタンク(腐敗 槽)の設置が義務づけられている。(分流式下水道 の区域では設置免除されている) セプティックタ ンクの蓋 セプティックタンクの清掃 公共用水域の水質汚濁 • 未処理の汚水は、河川、運河に排出されており、水 質汚濁が深刻化している。 ホーチミン市内の運河の様子 水は黒く、メタンガスが発生し、悪臭を発している。 ベトナムの下水道 (既存の処理場) <ハノイ> ・キムリエン処理場 3,700m3/日 ・チュックバック処理場 3,000m3/日 円借款ハノイ水環境改善事業(第1期) により、パイロット処理場として建設。 2005年完成。HSDC(ハノイ下水排水公 社)が管理。 <ホーチミン> ・ビンフンファ処理場 30,000m3/日 ベルギーの支援により、2005年完成。 広大な敷地を持つエアレーティッドラグー ン法。UDC(都市排水公社)管理。 ・ビンフン処理場 141,000m3/日 円借款ホーチミン水環境改善事業(第 1期)により、2009年完成。UDC管理。 現在、ベトナムで最大の近代下水処理 場。 ベトナムの下水道 (進行中のプロジェクト) <ハイフォン> 円借款ハイフォン都市環境改善事業 <ハノイ> 円借款ハノイ水環境改善事業(第2期) <フエ> 円借款フエ市水環境改善事業 <ビンフック省> 円借款ビンフック投資環境改善事業 <ビンズオン省> 円借款ビンズオン省水環境改善事業 <ホーチミン> 円借款ホーチミン水環境改善事業(第2 期) 世界銀行ニエウロック・ティゲー運河流 域環境衛生改善事業(第2期) ホーチミン市について • ベトナム最大の都市(人口 700万人以上) • 標高が低く、市内の運河は 潮の干満の影響を受ける。 • 年間降水量は約1800mm 降雨の大半は5月~11月 の雨期に集中。 • 延長約1,500kmの管渠網が 存在 ホーチミン市の現況 • 公共用水域の水質汚濁の他、排水能力不足や高 潮時の逆流による冠水がしばしば発生している。 • 気候変動の影響が懸念されている。 排水能力不足による冠水 (職場近くで撮影。ここまで冠 水することは滅多にない。) 高潮による冠水 ホーチミン市 下水道マス タープラン • 1999年、JICAの支 援によりマスタープ ランを作成。 • その後の市街地の 拡大を受け、ホー チミン市は07年に マスタープランを改 訂 • 左の07年マスター プランでは、17処理 場が計画されてい る。 • 現在は、12処理場 に改訂されている。 円借款「ホーチミン市水環境改善事業」の概要 第1期排水区(ポンプ排水のみ) 第2期排水区 ビンフン下水処理場 中継ポンプ場 第1期排水区 遮集管(白線) 既存の排水網から汚水のみを 遮集し、処理場で処理を行う。 オリエンタルコンサルタント作成 ホーチミン市水環境改善事業(第1期)の概要 • 事業内容 ①パッケージA タウフ・ベンゲ運河改修:東亜建設 ②パッケージB ポンプ排水施設整備:東亜建設 ③パッケージC 遮集管と中継ポンプ場建設:西松・荏原・清水JV ④パッケージD 既存合流式管渠改修と導水管の建設:清水建設 ⑤パッケージE 下水処理場建設:西松・荏原・清水JV ⑥コンサルティングサービス:PCI、オリエンタルコンサルタント • 円借款承諾実績 2000年度、2002年度の2次にわたり累計額239億94百万円を 承諾。2010年度43億23百万円を追加。 • 進捗状況 下水処理場は2009年2月より稼働中。2011年に全工事完了 予定。 パッケージA 運河改修 運河の浚渫、護岸の改修(7.3km) パッケージB 排水施設整備 浸水被害が多発している地区 の排水管、排水ポンプの整備 パッケージC 遮集管、中継ポンプ場建設 中継ポンプ場 パッケージD 既存管補修、導水路建設 排水能力の不足している既存合流管(5ライン)の改修を行っている。 道路占用や埋設物移設の問題で、工期が大幅に伸びている。 パッケージE 下水処理場 建設 ・運転開始:2009年5月16日 ・処理方式:修正活性汚泥法 ・処理能力:141,000m3/日 ・計画処理人口:432,000人 ・系列数:10系列 分水井 最初沈殿池 最終沈殿池 反応タンク 重力濃縮槽 コンポスト施設 遠心脱水機 コンポスト施設 中央監視室 放流口 中央監視室 地下管廊 ホーチミン市水環境改善事業(第2期)の概要 • 事業内容 ①排水システム整備(対象地:タウフ・ナン運河) ポンプ場の拡張:ベンメコック1、ベンメコック2他 タウフ・ナン運河改修(6km) ②下水道システム整備 汚水中継ポンプ場の拡張(311.1m3/min) 下水・排水管の敷設と改修(54km) 下水処理場の拡張 (拡張分328,000m3/日、最終469,000m3/日) 円借款承諾実績 コンサルティングサービス(日水コン他)対象として2005年度に15億57百万 円、本工事対象として2007年度に131億69百万円の円借款が承諾されて いる。 • 進捗状況 入札準備中。2011年から建設開始し、2015年に完成する予定。 • ビンフンファ処理場(ベルギー支援) • • • • 運転開始:2006.6~ 処理方式:エアレーティッドラグーン法 処理能力:30,000m3/日 BOD(実績):70mg/l→23.3mg/l ビンフンファ処理場(ベルギー支援) 開水路から取水 揚水ポンプ エアレーティッドラグーン 安定池 ニエウロックティゲー運河流域環境衛生改善事業 (世界銀行のプロジェクト) 第1期として、運河改修、既存管の 改修、遮集管の建設、ポンプ場の 建設が行なわれている。 第2期では、処理場の建設 (850,000m3/日)が予定されている。 都市排水公社による管渠の清掃 ホーチミン市の下水道の行政組織 People’s Committee of Ho Chi Minh city ホーチミン市人民委員会 WWTP移管 SCFC PMU 洪水管理 事業管理委員会 センター DoT 交通局 sub – PCs その他 fir st 2 ye ar s Urban Drainage Public services OM contract for Sewerage 維持管理契約 Company 都市排水公社 Companies 公共事業公社 ホーチミン市洪水管理センター(SCFC)の組織 Director Board Structural Divisions Specialist Divisions PMUs Planning&Financing Div. Drainage Management Div. Urban Drainage works PMU Investment Management Div. Waste water Management Div. Refresh Ba Bo canal PMU Officer Organization Div. Research and Operation Div. Decision 1547/QD-TTg PMU Office