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事業系ごみ対策 - 尾張東部衛生組合 晴丘センター

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事業系ごみ対策 - 尾張東部衛生組合 晴丘センター
事業系ごみ対策分科会
1
報告書
はじめに
(1)「事業系ごみ対策分科会」を設置した理由と目的について
はじめに事業系ごみの減量化が家庭系ごみに比べて進んでいないことが挙げ
られる。この傾向が続くと、そのうち事業系ごみの搬入量が家庭系ごみを上回る
等の障害が起こり、行政が困ることになりかねない。
これまで、廃棄物に処理及び清掃に関する法律では「事業者はその事業によっ
て生じた廃棄物を自らの責務によって適正に処理しなければならない」とあるが、
構成市町のある市においては、従来からの慣習で少量の事業系廃棄物は家庭系ご
みと同様に収集され処理されている。
それ以外にも行政側の施策として事業者が排出するごみの量や種類等の把握、
排出方法の指導などがほとんどされていなかったことなども挙げられる。
また、構成市町の公共施設(市役所・町役場・学校・保育園・公民館等)から
排出されるごみも一般家庭から排出されるごみと同様に扱われているという事
実もある。
そこで行政として受動的な対応から能動的な対応へと切替えていくことが必
要である。そのために実態把握の調査等を行い、今後の行政の施策の中で参考に
していただくことができればと考えるものである。
(2)当分科会が今期、取り組むべき課題としたことについて
ア
イ
ウ
2
現状把握のための調査について
先進自治体から学ぶこと
その他
現状把握のための調査について
(1)事業者数及び尾張東部衛生組合への搬入量調査について
事業系ごみの実態調査をはじめるにあたって構成市町の事業者数がどのくらい
あるかどうかを調べることにした。
愛知県企画振興部統計課の Web 統計あいちの「事業所・企業統計調査結果」を
利用して、「資料1 構成市町別事業者数」にまとめた。
次に尾張東部衛生組合に搬入されたごみのうち、事業者(一般廃棄物収集・運搬
1
許可業者及び直接持込み業者)の搬入量がどれくらいあるかを調べ、
「資料2 事
業系及び家庭系ごみ搬入量実績」にまとめた。
この2つの図から、構成市町の全事業者数が年々減少しているにも係わらず、事
業系ごみ搬入量が減少していないということが分かる。これは、事業者が排出する
ごみ(事業系ごみ)は法令でも『事業者の責任において適性に処理すること』とあ
るので、長い間行政が放置していた結果である。
このことから判断しても、行政側が事業系ごみに対して何らかの施策を講じる必
要があることが分かる。
それ以外に「資料3 構成市町許可業者搬入量(%)
(平成16年度)」を作成し
た。
(2)収集運搬許可業者との懇談会の報告について
事業系ごみの実態を把握するには構成市町を営業エリアとする一般廃棄物収
集・運搬許可業者に話を聞いてみることも必要であるという分科会委員の意見を反
映してアンケート調査を行った。そのデータを「資料4 一般廃棄物収集運搬許可
業者のアンケート調査の集計結果(抜粋)
」にまとめ、その後懇談会を開催した。
この懇談会から分かったことは、
① 当分科会が考えている以上に、許可業者が排出事業者に対して分別指導を行
っていること。
② 行政がもっと許可業者(管内の処理業者)を利用してほしい。
③ 市民向けパンフレットと同様に分別・資源化を推進するような排出事業者向
けパンフレットも作成してほしい。
④ ごみのリサイクルを排出業者に推進すればするほど、ごみ収集量が減ること
になり、ますます収入が減ることになるので、経営状態が苦しくなる。そこ
で、行政がリサイクルの推進をしている許可業者に対して助成・報奨制度を
確立してほしい。
⑤ 事業系ごみ排出事業者に対してごみ減量を求めるならば、市町の施設から出
るごみも事業系に分類されると思うので、まずは行政側が手本を示してほし
い。
⑥ 行政が事業系ごみの搬入先を整備することが必要ではないか。
(3)構成市町別の公共施設等のごみ排出量実態調査について
公共施設から排出されるごみも事業系ごみに該当する。そこで、構成市町(瀬
戸市、尾張旭市、長久手町)の公共施設等から排出されるごみについて実態を把握
したものが「資料5 構成市町別公共施設等ごみ排出量実態(平成16年度)」で
2
ある。この表から、公共施設等は市町のごみ行政を行っている担当課が収集してし
まい、家庭系ごみに混在していることが分かる。このことから、事業者の輩出する
ごみの減量化を考える前に、行政が率先して自らの排出するごみの適正処理をする
べきである。
(4)当分科会参加事業者の取り組み事例報告について
ア
「ジャスコ瀬戸みずの店」の取り組み
「少しでも環境負荷を減らし、地域環境へ貢献できるお店にしたい」という
理念の下に、お客様とともにできる活動と自社内部にての活動に分けて取り組
んでいます。
まずお客様とともにできる活動としては第一に、買い物袋持参運動の展開を
実施しておりお客様自身に買い物袋を持参していただくことにより、レジ袋の
使用量を削減し、ごみの削減に貢献しています。また、その関連としてマイバ
ック・マイバスケットという商品の販売も行っております。現在この買い物袋
持参率は全客数の10%を越えており、特に瀬戸みずの店では他の地域のジャ
スコよりも高い数値を示しています。瀬戸周辺の地域の皆様がいかに環境に対
して意識が高いかを垣間見る思いです。
そして、お客様とともにできる第二の活動としては、
「店頭リサイクル回収」
を5年前の出店時より実施しています。一般のお客様から資源ごみを回収し、
リサイクルしております。瀬戸みずの店の年間回収量は、①食品トレー:約6
t②牛乳パック:18t③アルミ缶:8t④ペットボトル:12tです。
次に自社内部の取り組みですが、
『ISO14001』を取得しており①省エネの
推進②廃棄物の削減に重点をおいて取り組んでいます。限りある資源を有効利
用し、理想の循環型社会を実現するためには、廃棄物の削減やリサイクルが不
可欠です。この課題に対して㈱イオンは、ごみとなるものをできるだけ持込ま
ない「リデュース(発生を抑制する)
」
「リユース(繰り返し使う)
」
「リサイク
ル(再利用する)」の3R を基本に取り組んでいます。
具体的には、店舗から出る生ごみを減らすために生ごみ処理機を導入してい
ます。(現在稼働休止中)また、野菜や果物を運搬する際にダンボールを使用
せずに繰り返し使えるリターナブルコンテナを使用している。衣料品では納品
時にダンボールを使わないリユースハンガーを使用している。
また生鮮食料品においては適正・正確な発注、製造を行うことにより「廃棄
売変削減(商品が売れ残りそのまま捨ててしまうのを極力減らす)」に取り組
んでいます。
それ以外には年2回実施している全従業員への「ISO 教育」において紙ごみ
の分別・両面コピーの奨励等、全社的にはOA化の推進による書類・資料のレ
スペーパーを徹底しており、コピー用紙使用量削減を徹底しています。
3
以上、様々な取り組みを展開していますが、基本的に店舗で働く従業員一人
一人に対して「環境への負荷を減らすんだ」という意識をどのように継続・徹
底していくかが今後の課題であると考えます。
イ
「JAあいち尾東Aコープ幡山店」の取り組み
平成10年より「地球環境のためにごみ減量を!!」をテーマにお買い物袋
運動を実施しており、買い物袋を持参したお客様に対してスタンプカードを発
行し、割引券として利用いただいています。利用率としてはほんの数%ですが、
年2回の買い物袋持参キャンペーンを開催するなど、発展に力を注いでいます。
また現在使用中のビニール袋は環境に配慮したもので焼却しても塩化水素
を発生しないポリエチレン製であります。
それ以外には限りある資源を大切にする思いから食品トレー・牛乳パック・
乾電池の回収も勧めています。当初食品トレーの回収箱はごみが多数捨てられ
ているいかにもごみ箱同然でしたが、近年になってやっと本来の回収リサイク
ルとして機能するようになってきました。今でも一部のマナーの悪い方々によ
りごみ箱同然に扱われているのは残念で仕方ありません。
牛乳パック回収は「MIX ペーパーリサイクルネットワーク・せと」に依頼
し、トイレットペーパーにリサイクルしており、リサイクル商品としてそのト
イレットペーパーを当店で販売しておりますが、認知度が低く販売量は少量で
す。もう少し認知度がアップすればよいと思っています。
最近では、地元中学校の「制服リサイクル」のお手伝いもさせていただき、
まだ使用できるものは使用していこうという活動をしています。
平成18年度からスタートする「食品リサイクル法」の対応についても
①発生を抑制する:廃棄ロスを削減・キッド商材を活用し原材料くずを削減
②再利用する
:再資源化できる食品廃棄物を堆肥・資料化
③減量する
:廃棄物を乾燥し水分を蒸発させる
この中でも特に「発生を抑制する」ことを優先課題として取り組み A コー
プチェーン本部・㈱エーコープあいち・JA あいち尾東と共に推進していきま
す。
ウ
「アピタ長久手店」の取り組み
「環境理念」
、
「環境方針」を掲げ、ごみ減量をはじめとする環境対策に取り
組んでいます。
そのなかで、資源リサイクルとして店から排出される食品残渣(生ごみ)を
リサイクルして堆肥として愛知経済連と連携して取り組みを始めたところで
す。当店でもその成果として食品残渣から作った堆肥を利用して製造したお花
を昨年お客様に2回プレゼントしました。食品から作った堆肥でも立派に植物
4
が生育するということもお客様に広く知っていただくことができました。
それ以外には当店においても身近なごみ減量・リサイクル社会推進に向けて
「牛乳パック」、
「食品トレイ」、
「アルミ缶」
、
「ペットボトル」の回収をしてお
ります。当社運送便を通じて、当社リサイクルセンターへ集積され、各々リサ
イクルが図られ、その一部が商品または梱包材等として再び店に戻ってきてい
ます。
また、お客様と一緒に取り組むことができる「ごみ減量」として『レジ袋持
参運動(マイバック運動)』があります。当店、お客様の主力エリアの長久手
町・名古屋市名東区では人口の流動が激しく一貫した形での『マイバック運動』
推進に至っておりません。
しかし、
「レジ袋の課税」法令化への動きも高まるなか、当社全体として『レ
ジ袋持参運動』のお客様への啓蒙強化など今後高めていきます。
「※ロハス」という心と体そして地球環境に優しいライフスタイルを志向さ
れる生活者が約3割を占める昨今、当店でも「ロハス」に即した店舗運営のス
タイルに取り組んでいきます。
※ロハス(LOHAS): Lifestyles of Health and Sustainability の頭文
字をとった略語で、健康を重視し、持続可能な社会生活を心がける生活スタ
イルのことを言う。
3
先進都市の取り組みから学ぶことについて
(1)摂津市の取り組みについて
ア
摂津市の概要
(ァ)位置
大阪府北部(茨木市に近い)
(ィ)人口
85,249人(平成17年12月31日現在)
(ゥ)市の特徴 大阪市の衛星都市と幹線道路や鉄道で結ばれており、流通
関係の事務所が増加している。それによりごみ量も増加傾向
にある。
イ
ごみ減量対策の背景
日処理能力90tの焼却炉2基
を保有しているが、ごみ処理経費
圧縮のため、1基の稼働を目指し
て減量化を図っている。
写真1:摂津市焼却施設見学の様子
5
(ァ)ごみ減量データ
平成10年度
可燃ごみ:41,252t
平成14年度
可燃ごみ:34,019t(△18%)
この減量の主な要因は、家庭系ごみを25%削減したことによるもので
ある。さらに事業系ごみを減量し、焼却炉1基の稼働実現に向けて、減量・
リサイクル化の取り組みを平成14年度から開始した。
平成12年度当時の事業系可燃ごみは23,156tで市全体可燃ごみ
の57.5%を占めていた。
(ィ)事業系ごみ減量化の具体的な取り組み
A
資源の無料回収制度
小規模事業所(商業・サービス業:従業員5人以下、製造業:従
業員20人以下)2,600件のうち、市に登録した事業所600
件へは市が指定した資源回収業者による週2回の無料回収をし、所
定の紙問屋へ納入する。
市は回収業者に3円/kgもしくは、1事業所500円/月の補
助金を支給する。
B 焼却手数料と収集運搬・処分手数料の値上げ
事業者の市の焼却施設への直接持込み料を45円/10kgか
ら60円/10kgにまた、一般廃棄物許可業者による収集運搬・
処分手数料を130円/10kgから180円/10kgに値上
げすることで事業者の紙資源化を促進させることと同時に、古紙回
収により目減りする一般廃棄物許可業者の収入減分を補填する役
割がある。
(ゥ)効果について
平成14年度の事業系ごみ20,154tが平成15年度では18,5
62tとなり、約8%の減量となった。
(ェ)多量排出業者の対策について
月3t以上排出する事業所対策として、年度毎に「ごみ減量計画書」
の作成と市への提出を義務付け、具体的なごみ減量・リサイクル化への
努力を市の清掃現場の職員が事業所へ直接訪問し促している。
このことにより焼却炉の1基稼働体制に大きく近づいた。
6
(ォ)結論
事業系ごみの減量化を摂津市は紙の資源化に的を絞り、成功させた例
である。
成功している理由としては、
A 市民・事業所に焼却炉の1基稼働が、ごみ処理コストの低減に繋
がることをきちんとPRしていること。
B 行政が事業所、一般廃棄物収集運搬許可業者及び資源回収業者
に、積極的な強力を得るために努力をしていること。
C 市は、それぞれの立場を理解し、一定の施策を展開したこと。
(ヵ)終わりに
摂津市の施策を参考にし、この地域に適した事業系ごみの減量化実現に
何をすべきかを考え行動しなければならない。
当面、各事業所から排出されるごみ量、ごみの種類など的確に把握し、
多量排出事業所への減量化計画を行政と一緒になって提案することが必
要である。
(2)鎌倉市の取り組みについて
ア 鎌倉市の概要
(ァ)位置
神奈川県南東部
(ィ)人口
171,122人(平成17年10月1日現在)
(ゥ)都市形態 商工業住宅都市
イ ごみ減量対策の背景
ごみ半減計画
資源循環社会の形成を目指すとともに、
老朽化した焼却施設や最終処分場の延命
化を図るため平成8年11月に「ごみ半
減都市宣言」を行い、平成7年度の焼却
量約70,000tを平成17年度までに
35,000t以上にする「ごみ半減計画」
を策定した。
写真2:鎌倉市笛田リサイクルセンター内
ウ
ごみ減量データ
7
平成7年度
可燃ごみ:69,244t
平成15年度
可燃ごみ:44,110t(△36%)
3分別(燃えるごみ、燃えないごみ、粗大ごみ)を5分別(燃えるごみ、燃
えないごみ、粗大ごみ、資源物、危険有害ごみ)に変更し、新しい分別方法で
収集をはじめたことや拠点回収箱の設置や資源物の毎週収集実施など、市民の
利便性を考慮した資源物の回収を実施したことなど、様々な施策を実施したこ
とによる減量化が大きい。
エ 減量化の具体的な取り組み
(ァ)資源物リサイクル事業
A 飲食用ビン・缶資源化事業
市でビン・缶類を分別収集及び破砕(カレット化)し、再商品化す
るために再生工場へ送る。
B ペットボトル資源化事業
市でペットボトルを分別収集及び圧縮・梱包し、再商品化するため
に再生工場へ送る。
C ミックスペーパー資源化処理事業
市でミックスペーパー(事務用紙、封筒、はがき、メモ類、写真等
をプライバシー保護に配慮)を分別回収し、一括して委託先の処理工
場で機械的に処理している。
D 植木剪定材堆肥化事業
次の(3)で詳しく述べる。
(ィ)生ごみの減量化・資源化事業
生ごみ処理機の購入者に対して4万円の限度額で助成している。既に約
1万台を助成している。また小学校・市役所を1つの事業所と捉え、給食
残渣や生ごみを生ごみ処理機を設置して、自らの責任において適正に処理
している。
(ゥ)事業系ごみの取り組みについて
A 多量排出事業所への訪問指導
現場の職員が月間2t以上の排出事業所211社に訪問し、減量・
資源化を勧めるために分別・排出指導をしている。
B 事業活動に伴うごみ
減量・資源化計画調査票の提出に協力してもらい、市の中間処理施
設への搬入量の半減を要請した。
C ファーストフード店・他飲食店の販売活動に伴うごみについて
8
使い捨て容器・ペーパータオル類の使用自粛・紙コップの資源化な
ど、販売方法での減量化・資源化を要請した。
D スーパー・コンビニの販売活動に伴うごみ
トレイ・ペットボトル・レジ袋の使用自粛と店頭回収、ばら売り・
量り売りの拡大を要請した。
E 全事業所排出先・量実態調査
NTTデーターベースを購入し、市内7,400事業所に調査表を送
付し、ごみと資源に排出先・量並びに分別状況の調査をした。
F 事業系ごみ収集を許可業者へ全面移行
事業系ごみの市直営収集の廃止を順次実施し、許可業者による分別収
集に移行できるように一般廃棄物許可業者協議会と調整した。
(ェ)ごみ減量化・資源化啓発活動
ごみダイエット展・説明会・小学4年生を対象とした、環境教育・パネ
ル・リーフレット・チラシ・ニュースの発行などで実施している。
オ
まとめ
以上のように様々な施策を行うことにより、目標の可燃ごみ半減は達成でき
なかったが、25,000tのごみ量を削減し、一定の成果を得たと聞いてい
る。
(3)鎌倉市植木剪定材堆肥化事業場について
堆肥化事業場は鎌倉市の郊外にあり、敷地は市街化調整区域(9,500m2)を
市が借り受け約1億円の委託費で民間の「ウッドリサイクルセンター㈱富士リバ
ース」が運営している。
鎌倉市は地域柄、神社仏閣が多く存在しており、それに伴って造園業者がたく
さん存在している。事業者は 10 円/k
gの手数料を払って搬入している。平成
15年度実績で一般家庭35%及び事業
者65%を合わせた搬入量は約 10,000
t、堆肥搬出量は約 5,700tであり、搬
入量の約 57%が堆肥として市内6ヶ所
の公共施設等の常設の堆肥置場で市民ら
に無償で配布したり、JAさがみを通じ
写真3:鎌倉市剪定材堆肥化事業場
て市内の農家にも配布されている。また自治会・町内会のイベントや学校等公共
施設でも配布をされている。
9
平成10年度実績
平成15年度実績
搬入量(t)
6,969.54
9,248.37
堆肥搬出量(t)
3,584.80
5,693.37
堆肥化の方法としては、大型の破砕機を用いてチップ化し、発酵ヤードへ搬入
し自走式切り返し機を用いて週1回散水及び切り返し作業を行い、約4ヶ月積み
置いて堆肥化する。風向きにより堆肥化の臭いが住宅街へもれ、苦情の対象とな
るため、平成17年10月から堆肥化生産現場を全て山梨県の上九一色村へ移動
させた。広大な敷地であるので、近隣に住宅地もないようなので臭いの問題はな
い。
そこでは近隣の酪農業者52軒と契約しており、剪定木のチップを牛の敷き藁
として利用してもらい、その牛糞との混ざったものを回収し、堆積発酵させ、よ
り適した堆肥を作っている。
鎌倉市のように剪定木のリサイクルが成り立つには、地球環境の保護の観点か
ら行政の啓蒙・援助・周知といった働きかけと同時に、住民の高い意識・協力及
び民間企業の協力が必要不可欠である。
4
分科会のまとめについて
今期、現状把握を重点とした取り組みを行うにしたがって、全体の状況の一部
が分かったレベルである。業種別、形態別の状況について十分な調査はほとんど
できなかった。今後も継続してその取り組みが必要である。
今後、行政と協力して商工会議所や各種の団体の協力が得られるように、調査
を進めつつ、各事業者主体の『ごみ減量化・資源化』が促進されるように訴える。
また、昨年度10月から瀬戸市清掃課が、本格的に『事業系ごみ対策』を取り
組むようになった。分科会としても、清掃課職員に事業所向けのパンフレットやア
ンケート作成について参加してもらい、尾張旭市、長久手町の担当課職員にも参加
をしてもらった。
今後は、全体排出事業者に対して分別・搬入先などを示したパンフレットを早急
に完成させ、行政が本気で事業系ごみの減量を目指していることを伝えるために、
1社ずつ訪問しパンフレットの内容を伝え、さらには、
『事業系廃棄物減量計画書』
を作成し、月3t以上排出する多量排出事業者には、提出義務を課すなど、ごみ減
量に協力してもらうよう要請することである。
また、剪定くずについては、造園業者に協力してもらい、晴丘センターの焼却施
設で剪定くずを燃やさない方法で処分できるように継続して取り組みをすべきで
ある。
以上の取り組みを行う上で、分科会メンバーを増やすこと(2∼3人程度)が必
10
要になってくる。
5
参考資料について
(1)当分科会活動の記録について
第1回分科会開催
(平成17年 6月 2日(木))
第2回分科会開催
(平成17年 7月 5日(火))
第3回分科会開催
(平成17年 8月23日(木))
一般廃棄物収集運搬許可業者と循環型社会推進会議との懇談会開催
(平成17年 8月23日(木))
先進地視察(多摩市・鎌倉市)
(平成17年11月1日∼2日)
第4回分科会開催
(平成17年10月11日(火))
第5回分科会開催
(平成17年11月14日(火))
第6回分科会開催
(平成17年12月22日(木))
第7回分科会開催
(平成18年 3月 9日(木))
(2)図書類(資料)について
「資料1
「資料2
「資料3
「資料4
「資料5
構成市町別事業者数」
事業系及び家庭系ごみ搬入量実績」
構成市町許可業者搬入量(%)
(平成16年度)」
一般廃棄物収集運搬許可業者のアンケート調査の集計結果(抜粋)」
構成市町別公共施設等ごみ排出量実態(平成16年度)
」
11
農林漁業
資料1 構成市町別事業者数
鉱業
建設業
1800
1600
1400
1200
1000
800
600
400
200
0
製造業
電気・ガス・熱供給・水道業
情報通信業
運輸業
卸売・小売業
金融・保険業
不動産業
飲食店、宿泊業
医療・福祉
平成13年度
平成16年度
平成13年度
瀬戸市
平成16年度
尾張旭市
平成13年度
教育、学習支援業
平成16年度
複合サービス業
長久手町
サービス業
瀬戸市
平成13年度
農林漁業
鉱業
建設業
製造業
電気・ガス・熱供給・
水道業
情報通信業
運輸業
卸売・小売業
金融・保険業
不動産業
飲食店、宿泊業
医療・福祉
教育、学習支援業
複合サービス業
サービス業
全産業
4
17
460
1644
3
21
98
1619
77
181
645
187
174
21
802
5953
尾張旭市
平成16年度
4
14
448
1494
2
12
85
1383
68
191
573
211
164
19
794
5462
平成13年度
1
3
311
339
2
17
44
712
46
223
394
133
135
4
488
2852
12
長久手町
平成16年度
0
3
299
309
2
11
39
624
47
229
385
142
124
4
503
2721
平成13年度
7
0
184
106
0
11
23
433
15
121
182
79
79
2
235
1477
平成16年度
9
0
213
100
0
11
28
406
16
128
172
93
80
4
280
1540
資料2 事業系及び家庭系ごみ搬入量実績
t
90,000
t
24,834
80,000
24,358
21,642
21,172
23,558
23,108
事業系ごみ
21,217
19,836
60,000
17,535
み
62,375
16,368
62,199
13,956
50,000
11,528
61,751
40,000
56,045
家庭系ごみ
52,378
30,000
58,421
56,500
54,009
量
60,346
58,856
58,063
56,243
t
60,848
60,779 60,161
59,638
59,587
10,658
入
25,423
21,708
ご
搬
24,302
23,565
24,233
23,499
70,000
24,729
24,730
50,566
46,716
43,341
20,000
40,685
10,000
-
59
60
61
62
63
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
年度
13
資料3 構成市町許可業者別搬入量(平成16年度)
50.00
45.88
40.00
%
33.49
30.00
%
20.00
6.91
10.00
0.00
A
B
C
4.75
D
3.58
E
2.31
1.58
F
G
0.85
0.52
0.06
0.04
0.01
H
I
J
K
L
2市1町許可業者別搬入量
A
B
C
可燃ごみ 7959.04 5806.04 1198.33
D
E
F
G
H
I
J
K
L
合計(横)
819.52
621.90
401.16
273.90
147.36
88.62
10.97
7.68
2.39 17336.91
0.83
4.40
0.00
0.00
0.97
0.00
2.04
0.00
0.00
0.00
合計(縦) 7960.37 5810.37 1199.16
823.92
621.90
401.16
274.87
147.36
90.66
10.97
7.68
2.39 17350.81
4.75
3.58
2.31
1.58
0.85
0.52
0.06
0.04
0.01
不燃・
粗大ごみ
%
1.33
45.88
4.33
33.49
6.91
14
13.90
100.00
資料4 一般廃棄物収集運搬許可業者のアンケート調査の集計結果(抜粋)
(1)調査対象
瀬戸市、尾張旭市、長久手町の一般廃棄物処理の許可業者
全11社
(2)調査結果
(ア)事業系ごみの分別について
排出業者への分別推進のためにすでになされていることについての意見
(a) 必要に応じて写真付きの分別表を配布している。
(b) 市町村で配布している分別表を利用している。
(c) 事前に分別を説明し、指導している。
(d) 回収ドライバーから報告を受け、その後排出業者に連絡、指導している。
(e) 分別のために色分けの収集袋を使用することを指導している。
(f) 未分別の袋にメモを貼り、分別を依頼し、未分別のものは収集していない。
(不具合項目を記入したメモ用紙を用意し、該当項目に○印を付けておく)
(g) 市町村の分別に沿った指導を行っている。
(イ)事業系ごみの減量の推進について
(a) 行政を中心としたごみ減量啓発活動の徹底
5社
(b) ごみ減量・リサイクルに努力すれば負担が軽減される仕組みの
構築
6社
(c) 排出業者の事業内容にあった細かな分別及びリサイクル方法を
説明する。
1社
(ウ)その他(ごみ処理に関して行政に対する要望・意見)
(a) 管内の一般廃棄物処理業者の育成も含めて、もっと利用してほしい。
(b) 法令等の規制もあるが、リサイクルを積極的に進めている業者に対し、業の
許可等、前向きに対応すると同時に一体となって取り組んでほしい。
(c) 事業系と家庭系ごみの排出日を別々の日に、またはごみ袋をそれぞれ別色に
してほしい。
(d) ガラス、陶磁器屑、ビンの割れたものを処分場への受入れをしてほしい。
(e) 一般家庭だけでなく、事業系ごみ排出業者に対してもごみ減量啓発の分かり
やすいパンフレットを配布してほしい。
15
資料5 構成市町別公共施設等ごみ排出量実態(平成16年度)
瀬戸市
可燃ごみ
市町庁舎他
尾張旭市
不燃ごみ
可燃ごみ
長久手町
不燃ごみ
可燃ごみ
不燃ごみ
不明※1
不明※2
17.5
1.2
27.3
不明※4
保育園・児童館
73.0
不明※2
28.0
0.8
21.7
不明※4
小中学校
221.8
不明※2
不明※3
不明※3
76.7
不明※4
給食センター
40.0
不明
25.4
0.1
5.7
不明※4
合計
334.8
42.0
70.9
2.1
131.4
不明
※1 瀬戸市庁舎他可燃ごみは一般の集積場へ出してしまうので、把握は無理である。
※2 瀬戸市清掃課が回収しているが、個々での把握は困難である。
※3 尾張旭市清掃課が回収しているが、一般の集積場へ出してしますので、把握は困難である。
※4 長久手町環境課が回収しているが、量の把握は困難である。
16
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