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JOURNAL OF ENDOUROLOGY – July 2011
JOURNAL OF ENDOUROLOGY – July 2011 泌尿器科領域におけるハンドアシスト腹腔鏡下手術と開腹/腹腔鏡下手術の比 較:システマティックレビューとメタアナリシス To cite this article: Jonas Wadström, Amber L. Martin, Rhonda Estok, Catherine J. Mercaldi, and Michael D. Stifelman. Journal of Endourology. July 2011, 25(7): 1095-1104. doi:10.1089/end.2010.0348. Published in Volume: 25 Issue 7: July 8, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (240.5 KB) • PDF w/ links (189.4 KB) Jonas Wadström, M.D., Ph.D.,1 Amber L. Martin, B.S.,2 Rhonda Estok, R.N., B.S.N.,2 Catherine J. Mercaldi, M.P.H.,2 and Michael D. Stifelman, M.D.3 1 Department of Surgery, Uppsala University Hospital, Uppsala, Sweden. 2 Center for Health Care Analytics and Policy, United Biosource Corporation, Lexington, Massachusetts. 3 Department of Urology, New York University, New York, New York. Address correspondence to: Amber Martin, B.S. United Biosource Corporation Center for Health Care Analytics and Policy 430 Bedford Street, Suite 300 Lexington, MA 02420 E-mail: [email protected] 要約 背景および目的:ハンドアシスト腹腔鏡下手術(HALS)は、泌尿器科医にとって欠くことのできない 治療法の一つである。我々は、HALS 腎臓手術と開腹手術および腹腔鏡下手術との間で比較を行う包括 的なメタアナリシスを実施することにした。 方法:1996 年から 2007 年までの期間を対象に HALS 腎臓手術(ドナー腎摘出術、腎摘除術または腎尿 管摘除術)のシステマティックレビューおよびメタアナリシスを実施した。 結果:延べ 5,446 例を対象とした 62 件の試験(ドナー腎摘出術 30 件、根治的腎摘除術 21 件、腎尿管摘 除術 14 件)を解析に含めた。ドナー腎摘出術の場合、HALS 群では開腹手術群および腹腔鏡下手術群に 比べて推定血液損失量(EBL)の成績が有意に優れていた(それぞれ −69.0 mL[95%信頼区間(CI) −129.7~ −8.2]および −40.1 mL[95% CI −68.2~ −12.0])。入院期間(LOS)は開腹手術群に比べ て短かった(−1.7 日[95% CI −2.3~ −1.1])。腎尿管摘除術の場合も、HALS 群では開腹手術群に比 べて EBL(−29.9 mL[95% CI −242.3~ 182.5])および LOS(−1.5 日[95% CI −2.8~−0.3])の成 績が優れていた。HALS ドナー腎摘出術群では腹腔鏡下手術群に比べて手術室滞在(OR)時間(−36.8 分[95% CI −61.3~ −12.3])および温虚血時間(WIT)(−1.3 分[95% CI −1.8~ −0.7])の成績が 1 有意に優れていた。根治的腎摘除術の場合、HALS 群では開腹手術群に比べて EBL(−232.9 mL[95% CI −383.6~ −82.2])および LOS(−2.4 日[95% CI −3.5~ −1.3])の成績が有意に優れていた。 結論:今回報告した HALS 腎臓手術のメタアナリシスは史上最大規模のものである。開腹手術に比べる と、HALS では EBL が有意に減少し、LOS が有意に短縮する。腹腔鏡下ドナー腎摘出術と比べた場合、 HALS では血液損失量が有意に減少し、OR 時間および WIT が有意に短縮した。 腹腔鏡下手術の人間工学的評価および技術評価のためのシステム To cite this article: Richard Fanson, Faezeh Heydari Khabbaz, Anil Kapoor, and Alexandru Patriciu. Journal of Endourology. July 2011, 25(7): 1111-1114. doi:10.1089/end.2010.0741. Published in Volume: 25 Issue 7: July 8, 2011 Online Ahead of Print: June 14, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (208.2 KB) • PDF w/ links (185.7 KB) Richard Fanson, M.A.Sc.,1 Faezeh Heydari Khabbaz, M.A.Sc.,2 Anil Kapoor, M.D.,3 and Alexandru Patriciu, Ph.D.1 1 Department of Electrical and Computer Engineering, McMaster University, Hamilton, Ontario, Canada. 2 School of Biomedical Engineering, McMaster University, Hamilton, Ontario, Canada. 3 Institute of Urology, St. Josephs Healthcare, Hamilton, Ontario, Canada. Address correspondence to: Alexandru Patriciu Department of Electrical and Computer Engineering McMaster University 1280 Main St. West, ITB A308 Hamilton, ON L8S4K1 Canada E-mail: [email protected] 要約 本稿では、低侵襲手術施行時の機器および外科医の腕の動きを追跡・記録し、解析するシステムについ て報告する。取り込まれた軌跡が客観的に解析され、人間工学的評価と技術評価がなされる。このシス テムは、6 自由度の腹腔鏡下手術機器を追跡するための 2 つの特殊な赤外線(IR)マーカーと、肘およ び肩に取り付ける 3 DOF IR マーカーのセットから構成される。標準化された訓練操作(縫合など)の 実施中に小型 IR カメラがこれらのマーカーを追跡し、記録する。機器マーカーは、すぐれた追跡機能を 備えつつ、容積が最小限になるように設計されている。機器マーカーの正確度を評価した結果、カメラ からの距離が 0.5 m、0.68 m および 1 m の場合の二乗平均平方根誤差はそれぞれ 0.61 mm、1.0 mm および 2.4 mm であった。さらに、トレーナー内縫合操作の実施中にいくつかのサンプル軌跡を記録し た。「結果」のセクションに、取得データから算出した基本的技術の基準値を提示する。 プルーンベリー症候群を呈する男児における腹腔鏡下精巣固定術—転帰および 技術的留意事項 2 To cite this article: Joe Philip, Dhanya Mullassery, Ross J. Craigie, Ramaswamy Manikandan, and Simon E. Kenny. Journal of Endourology. July 2011, 25(7): 1115-1117. doi:10.1089/end.2010.0257. Published in Volume: 25 Issue 7: July 8, 2011 Online Ahead of Print: June 14, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (91.3 KB) • PDF w/ links (96 KB) Joe Philip, M.D., FRCS (Urol.), Dhanya Mullassery, MRCS (Lon.), Ross J. Craigie, B.Sc. Biomed. Sci. (Hons.), FRCS (Paed. Surg.), Ramaswamy Manikandan, M.S., M.Ch. (Urol.), FRCS, FRCS (Urol.), and Simon E. Kenny, B.Sc., M.D., FRCS (Paed.), FAAP Division of Paediatric Urology, Department of Surgery, Royal Liverpool Children's Hospital, Alderhey, Liverpool, United Kingdom. Address correspondence to: Joe Philip, M.D., FRCS (Urol) Department of Urology University Hospitals Birmingham Mindelsohn Way, Edgbaston Birmingham B15 2WB United Kingdom E-mail: [email protected] 要約 背景および目的:停留精巣はプルーンベリー症候群(PBS)で普遍的にみられる特徴である。腹腔鏡下 精巣固定術は、最小限の合併症リスクで精索を剥離することができる。本稿では、PBS を呈する男児 3 例に施行した二期的腹腔鏡下 Fowler-Stephens 精巣固定術(F-SO)の技術的問題点と転帰を報告する。 患者および方法:年齢 1 歳、2 歳および 4 歳の男児 3 例に対して腹腔鏡下 F-SO を施行した。いずれの 男児も精巣は機能しており、深鼠径輪から 3 cm 以内の位置に確認された。両側の精巣血管を 4/0 ポリグ ラクチンで結紮するか、単極ジアテルミーを用いて精巣血管を切離した。2 例では 6 ヵ月以内に第二期 の両側 F-SO を施行し、3 例目については片側のみ施行した。1 例は対側第二期手術の待機中である。 結果:3 例とも性腺のサイズは十分である。我々の経験に基づくと、PBS によるガス漏出を防ぐため、 ポートを挿入する切開創を通常より小さくするべきである。腹腔内圧を 12 mmHg に維持したことは 我々の通常の条件と変わりないが、腹壁が非常に薄いことからガス漏出が避けられず、送気開始後はこ れを補うためにガス流速を高くする必要がある(6 L/分)。ジアテルミーで菲薄化した腹壁や血管に損傷 を与えるリスクは重大である。腹腔鏡を使用すれば、尿管、精巣および精巣血管を容易に視認すること ができ、精巣血管の完全な切離が可能である。精管に損傷を与えないようにするのも容易である。 結論:多くの課題があるこれらの男児集団では、放射状に拡張するトロカールを使用し、切開創を小規 模にとどめてガス流速を高くすることで、この術式を安全に施行することができ、美容面も含めて良好 な治療転帰を得ることができる。 3 高周波アブレーションのプローブおよび温度センサーの標的到達性の改善:心 臓カテーテル処置室で実施する腎腫瘍に対するフラットパネル CT ガイド下ア ブレーションの予備的検討 To cite this article: Raymond J. Leveillee, Scott M. Castle, Nelson Salas, Mehul Doshi, Vladislav Gorbatiy, and William O'Neill. Journal of Endourology. July 2011, 25(7): 1119-1123. doi:10.1089/end.2010.0702. Published in Volume: 25 Issue 7: July 8, 2011 Online Ahead of Print: June 14, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (343.1 KB) • PDF w/ links (243.9 KB) Raymond J. Leveillee, M.D.,1,2 Scott M. Castle, M.D.,1 Nelson Salas, Ph.D.,1,2 Mehul Doshi, M.D.,3 Vladislav Gorbatiy, M.D.,1 and William O'Neill, M.D.4 1 Department of Urology, Division of Endourology, University of Miami, Miller School of Medicine, Miami, Florida. 2 Department of Biomedical Engineering, University of Miami, Coral Gables, Florida. 3 Department of Radiology, Division of Interventional Radiology, University of Miami, Miller School of Medicine, Miami, Florida. 4 Department of Medicine, Division of Cardiology, University of Miami, Miller School of Medicine, Miami, Florida. Address correspondence to: Raymond J. Leveillee, M.D. Department of Urology University of Miami 1400 NW 10th Ave, Suite 509 Miami, FL 33136 E-mail: [email protected] 要約 フラットパネル検出器 CT(FD-CT)は、断面 CT 像を取得しながら、高周波アブレーション(RFA)の 針や温度センサーなどの温度プローブの位置付けを X 線透視下に誘導して操作空間を改善させることが できる。本稿の目的は、「ハイブリッド手術室」の環境に腎腫瘍アブレーションを適用する上での FDCT の実施可能性を検証することである。術前の造影 CT スキャンにより腎腫瘤の診断がなされた患者 11 例に対し、心臓カテーテル処置室において全身麻酔下でコア生検とともに FD-CT ガイド下同時 CTRFA を施行した。CT スキャンは、アブレーション前に腫瘍に目標を定める目的で行い、アブレーショ ン中、プローブの留置と温度センサーの誘導のために断続的に行い、アブレーション後にも行った。各 患者において周術期および術後の転帰、病理検査結果および放射線学的追跡検査所見を記録した。各腫 瘍の辺縁部で、治療エンドポイントに到達するための目標温度>60°C が達成された。生検サンプルの病 理検査の結果は、6/11 例(55%)が腎細胞癌、2/11 例(18%)が良性であり、3/11 例(27%)につい ては判定不能であった。Clavien 分類グレード I の合併症が 3 件発生した。1 例において術後 CT スキャ ンで再発の所見が認められた。我々の経験に基づくと、小型腎腫瘍に対する FD-CT ガイド下アブレーシ ョンは、この先進の標的化システムを用いれば実施可能である。 4 軟性尿管腎盂鏡使用時に操作ツールが灌注液の流れと視認性に及ぼす影響の客 観的評価 To cite this article: Thorsten Bach, Christopher Netsch, Thomas R.W. Herrmann, and Andreas J. Gross. Journal of Endourology. July 2011, 25(7): 1125-1129. doi:10.1089/end.2010.0739. Published in Volume: 25 Issue 7: July 8, 2011 Online Ahead of Print: June 17, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (180 KB) • PDF w/ links (166.7 KB) Thorsten Bach, M.D., FEBU,1 Christopher Netsch, M.D.,1 Thomas R.W. Herrmann, M.D., FEBU,2 and Andreas J. Gross, M.D.1 1 Department of Urology, Asklepios Hospital Barmbek, Hamburg, Germany. 2 Department of Urology, MHH, Medical School of Hannover, Hannover, Germany. Address correspondence to: Thorsten Bach, M.D. Department of Urology Asklepios Hospital Barmbek Ruebenkamp 220 22291 Hamburg Germany E-mail: [email protected] 要約 背景および目的:軟性尿管鏡を使用する際、灌注液による洗浄が障害されると視認性が低下する。本 ex vivo 試験は、軟性尿管鏡使用時に操作ツールが媒体内光透過率(視認性の客観的指標)に及ぼす影響を 評価する目的で実施した。 材料および方法:5 種類の尿管鏡(Viper、Cobra、FlexX2、URF-P5、DUR-8 Elite)について評価を行 った。光透過率測定用の光ダイオードを備えた暗いチャンバー内に尿管鏡を挿入した。透明な液および 視認性の低下を想定した 2%インク液の各環境で光透過率を測定した。透明な灌注液を注入し、光透過 率が回復するまでの時間を測定した。尿管鏡にツールを挿入していない状態と挿入した状態のそれぞれ について測定を 5 回行った(1.7F、2.2Fバスケット、273 μmレーザーファイバー)。 結果:視認性の指標である光透過率回復までの時間は、ツールのサイズおよび操作チャネルの長さによ って異なる。提示した試験系では、灌注液流入速度の測定に基づく場合よりも鋭敏な結果が得られる。 操作チャネルにツールを挿入していない場合、光透過率回復(1000 単位上昇)までの時間はCobraデュ アルチャネルデバイスが最も短く(25 秒)、シングルチャネルDUR-8(28 秒)、Viper(38.5 秒)、 Flex X2(40 秒)の順に延長した。操作チャネルが最も長い尿管鏡(URF-P5)では、光透過率の回復に 要する洗浄時間が最も長かった(66.5 秒)。チャネルに各種操作ツールを挿入すると、これらの結果は さらに顕著になる。 5 結論:灌注液による洗浄性能を評価する上で、光透過率の測定は感度の高い手段である。光透過率で評 価した場合、洗浄性能は灌注チャネルが 1 個の尿管鏡よりも 2 個の尿管鏡の方が優れる。 径 15~20 mm の腎下極結石の管理における逆行性腎内手術と経皮的腎結石摘 出術の比較 To cite this article: Omer F. Bozkurt, Berkan Resorlu, Yildiray Yildiz, Ceren E. Can, and Ali Unsal. Journal of Endourology. July 2011, 25(7): 1131-1135. doi:10.1089/end.2010.0737. Published in Volume: 25 Issue 7: July 8, 2011 Online Ahead of Print: June 9, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (113 KB) • PDF w/ links (129.5 KB) Omer F. Bozkurt, M.D.,1 Berkan Resorlu, M.D.,1 Yildiray Yildiz, M.D.,1 Ceren E. Can, M.D.,2 and Ali Unsal, M.D.1 1 Department of Urology, Kecioren Training and Research Hospital, Ankara, Turkey. 2 Department of Statistics, Faculty of Science, Hacettepe University, Ankara, Turkey. Address correspondence to: Berkan Resorlu, M.D. Department of Urology Kecioren Training and Research Hospital Ankara, 06010 Turkey E-mail: [email protected] 要約 目的:腎下極(LP)に位置する径 15~20 mm の腎結石に対する経皮的腎結石摘出術(PCNL)と逆行 性腎内手術(RIRS)の成績を、排石率および合併症の評価により比較する。 患者および方法:径 15~20 mm の LP 腎結石に対して標準的手技による PCNL(42 例)または RIRS (37 例)が施行された 79 例の記録をレトロスペクティブに評価した。 結果:PCNL 群における排石率は 92.8%(39/42 例)であった。この率は 2 回目の治療後に 97.6%まで 上昇した(衝撃波砕石術 1 例、RIRS 1 例)。RIRS 群では 1 回の施行で 37 例中 33 例(89.2%)におい て完全排石が達成された。2 例で 2 回目の治療が必要であり(硬性尿管鏡による摘出術 1 例、RIRS 1 例)、2 回目の治療後、両例とも完全排石が達成されたため、総成功率は 94.6%となった。他の 2 例で LP に<7 mm の破砕片の遺残が認められたが、これらの患者は無症状であり、腎超音波検査にて追跡し た。合併症については、PCNL が施行された 3 例で出血(輸血を要する)が認められたが、これを除き、 群間差は小さかった。総排石率および合併症発生率は PCNL 群の方が高かったが、その差は有意でなか った。手術時間は RIRS 群の方が有意に長く、術後入院期間は PCNL 群の方が有意に長かった。 6 結論:PCNL および RIRS は中サイズの LP 結石に対する安全かつ有効な治療法である。選択された患 者において、RIRS は十分な有効性を持ちつつ合併症リスクが低いことから、PCNL に代わる治療選択 肢となり得る。 救急治療室に収容された腎機能正常の尿管結石患者に対する緊急尿管鏡治療と 待機的尿管鏡治療を比較した無作為化プロスペクティブ試験 To cite this article: Stefano Guercio, Alessandra Ambu, Francesco Mangione, Mauro Mari, Francesca Vacca, and Maurizio Bellina. Journal of Endourology. July 2011, 25(7): 1137-1141. doi:10.1089/end.2010.0554. Published in Volume: 25 Issue 7: July 8, 2011 Online Ahead of Print: June 17, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (108.7 KB) • PDF w/ links (121.1 KB) Stefano Guercio, M.D., Alessandra Ambu, M.D., Francesco Mangione, M.D., Mauro Mari, M.D., Francesca Vacca, M.D., and Maurizio Bellina, M.D. Department of Urology, Rivoli Hospital, Rivoli, Torino, Italy. Address correspondence to: Stefano Guercio, M.D. Department of Urology Rivoli Hospital Via Rivalta 29 Rivoli, Torino Italy E-mail: [email protected] 要約 目的:尿管結石による腎仙痛を伴って救急治療室(ED)に収容された患者を対象としたプロスペクティ ブ試験において、尿管鏡治療の緊急施行と計画的施行の安全性および有効性を比較する。 患者および方法:連続 271 例を本プロスペクティブ試験に組み入れた。尿管鏡治療を緊急に施行する群 (A 群)と待機的に施行する群(B 群)のいずれかに患者を無作為化した。全患者で非造影ヘリカル CT (HUCT)を行った。尿管鏡治療施行後に補助的介入を必要とせず、術後 1 週目の HUCT で遺残破砕片 が全く認められない状態を排石と定義した。 結果:A 群の評価可能例は 139 例であった。総排石率は 93%であった。位置およびサイズはいずれも有 意な予後因子でなかった(P>0.05)。1 回の施行で排石が達成されなかった尿管結石は 9 個であった。 27/139 例でダブル J ステントを留置した。B 群の評価可能例は 100 例であった。対照群の患者に対する 尿管鏡治療は ED 退出後に計画的に施行した。総排石率は 90%であった。1 回の施行で排石が達成され なかった尿管結石は 10 個であった。80/100 例でダブル J ステントを留置した。結石径、結石の位置、 7 合併症および排石率に関して A 群と B 群の間で有意差は認められなかった。ダブル J ステント留置の頻 度は B 群の方が有意に高かった(P<0.05)。 結論:我々の成績に基づくと、緊急尿管鏡治療は待機的治療と同等に安全かつ有効であった。緊急尿管 鏡治療の主な利点は、疼痛緩和と砕石の両方を直ちに達成できる点である。 腹腔鏡下根治的前立腺摘除術後の腸管機能、疼痛および入院期間に対する早期 回復型術後ケアの影響 To cite this article: Ahmed Magheli, Nina Knoll, Michael Lein, Stefan Hinz, Carsten Kempkensteffen, and Oliver Gralla. Journal of Endourology. July 2011, 25(7): 1143-1147. doi:10.1089/end.2011.0020. Published in Volume: 25 Issue 7: July 8, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (174.7 KB) • PDF w/ links (152 KB) Ahmed Magheli, M.D., Ph.D.,1 Nina Knoll, Ph.D.,2 Michael Lein, M.D., Ph.D.,1 Stefan Hinz, M.D., Ph.D.,1 Carsten Kempkensteffen, M.D., Ph.D.,1 and Oliver Gralla, M.D. 1 Department of Urology, Charité University Medicine, Campus Mitte, Berlin, Germany. 2 Department of Medical Psychology, Charité University Medicine, Campus Mitte, Berlin, Germany. Address correspondence to: Ahmed Magheli, M.D., Ph.D. Department of Urology Charité Universitätsmedizin Berlin Charitéplatz 1 10117 Berlin Germany E-mail: [email protected] 要約 背景および目的:術後の腸管機能の回復、歩行能力および有効な疼痛管理は、有効な早期回復(fasttrack)型手術モデルを確立するための重要要素である。我々は、腹腔鏡下根治的前立腺摘除術(LRP) を施行した患者集団の疼痛スコア、歩行率および腸管機能の回復状況を評価した。 患者および方法:当施設で LRP を施行した患者 50 例を、従来型術後ケア群または早期回復型術後ケア 群のいずれかに無作為化した。術後腸管機能は腸運動の臨床所見に基づき数値化した。歩行データは歩 数計により収集した。疼痛スコアは視覚的アナログ尺度を用いて測定した。総合的満足度およびその他 の臨床経過に対する患者満足度の指標を QOL の変数として用いた。 結果:早期回復型ケア群では、腸管合併症の増加を伴うことなく推進性の腸運動が有意に早期に確認さ れた。強制的に歩行を促したことにより、最初の排ガス/排便までの期間が有意に短縮した。早期回復 型ケア群では歩行率が有意に高かったにも関わらず、これらの患者が入院中に報告した疼痛感覚のレベ 8 ルは有意に低く、入院期間は有意に短かった。入院中の総合的満足度は早期回復型ケア群の方が有意に 高かった。 結論:LRP に早期回復の概念を導入すると、患者はより早期に退院することができ、合併症の抑制、疼 痛スコアの低下および全般的 QOL 満足度の上昇が実現される。 腹腔鏡下腎尿管摘除術施行時の遠位尿管管理の各種戦略の比較 To cite this article: Chad R. Ritch, Jamie T. Kearns, Adam C. Mues, Gregory W. Hruby, Mitchell C. Benson, James M. McKiernan, and Jaime Landman. Journal of Endourology. July 2011, 25(7): 1149-1154. doi:10.1089/end.2010.0542. Published in Volume: 25 Issue 7: July 8, 2011 Online Ahead of Print: June 20, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (152.5 KB) • PDF w/ links (128.9 KB) Chad R. Ritch, M.D., Jamie T. Kearns, M.D., Adam C. Mues, M.D., Gregory W. Hruby, M.S., Mitchell C. Benson, M.D., James M. McKiernan, M.D., and Jaime Landman, M.D. Department of Urology, Columbia University Medical Center, New York, New York. Address correspondence to: Jaime Landman, M.D. Department of Urology Columbia University Medical Center 161 Fort Washington Ave, HIP 11th Floor New York, NY 10032 E-mail: [email protected] 要約 背景および目的:上部尿路移行上皮癌(TCC)に対する腹腔鏡下腎尿管摘除術(LNU)施行時の遠位尿 管・膀胱カフ(DUBC)の最適な管理法については議論が残されている。本稿では、当施設における最 近の LNU の成績を報告し、DUBC に対して用いたいくつかの手法を比較する。 患者および方法:LNU を施行した患者 36 例を対象にレトロスペクティブな解析を行った。DUBC に対 しては、開腹下切除(OR)、完全腹腔鏡下切除・縫合再建(LR)および腹腔鏡下切除+DUBC ステー プリング(LS)の 3 つの戦略を用いた。患者の人口統計学的データならびに術中、周術期および病理学 的データを比較した。推定 2 年無再発生存率(RFS)を算出した。 結果:OR 10 例、LR 12 例および LS 14 例の計 36 例について解析した。平均年齢は 69.6 歳、平均追跡 期間は 15 ヵ月であった。LR 群および LS 群では OR 群に比べて手術時間が有意に短かった(それぞれ 163 分および 152 分 vs 276 分、P<0.05)。LR 群は OR 群および LS 群に比べて平均入院期間が最も短 9 かった(それぞれ 2.0 日 vs 3.5 日および 2.7 日、P<0.05)。術後に完全な尿管口が認められた症例はな かったが、LS 群の 50%の患者で切除した尿管口の遺残が膀胱鏡下に確認されたのに対し、LR 群および OR 群で遺残が確認された患者はいなかった(P<0.05)。推定 2 年 RFS は患者全体で 65%であり、群 間で有意差は認められなかった。 結論:DUBC の完全腹腔鏡下切除は、特に初期の病期の低グレード上部尿路 TCC では実施可能であり、 開腹による膀胱カフ切除に比べ、手術時間の短縮、入院期間の短縮といった有益性がある。 腎細胞癌に対するロボットアシストリンパ節郭清術の実施可能性および妥当性 To cite this article: Ronney Abaza and Gregory Lowe. Journal of Endourology. July 2011, 25(7): 1155-1159. doi:10.1089/end.2010.0742. Published in Volume: 25 Issue 7: July 8, 2011 Online Ahead of Print: June 1, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (524.2 KB) • PDF w/ links (223.4 KB) Ronney Abaza, M.D., FACS, and Gregory Lowe, M.D. Robotic Urologic Surgery, Department of Urology, Ohio State University Medical Center & James Cancer Hospital, Columbus, Ohio. Address correspondence to: Ronney Abaza, M.D. 503 Doan Hall 410 W. 10th Avenue Columbus, OH 43210 E-mail: [email protected] 要約 背景および目的:腎細胞癌(RCC)に対するリンパ節郭清(LND)の役割は進化している。臨床的に陰 性である場合、リンパ節転移は稀であるが、それでも一部の患者では LND が重要な役割を果たす。新し い全身治療薬を用いる場合は、微小転移の早期検出が有益となる可能性がある。腹腔鏡下で十分な LND を実施できるかどうかは不明である。開腹手術のデータによると、大多数のリンパ節転移を検出するの に少なくとも 12 個のリンパ節を調べる必要がある。ロボット技術を用いれば、腹腔鏡下 LND の妥当性 が改善する可能性がある。本稿では、RCC に対するロボットアシスト LND の最初の集積症例の結果を 報告する。 患者および方法:RCC 患者 36 例に対して 1 名の外科医がロボットアシスト LND を施行した。LND は、 右側腫瘍の場合は傍大静脈リンパ節、後大静脈リンパ節および大動脈大静脈間リンパ節に対して、左側 腫瘍の場合は大動脈大静脈間リンパ節および大動脈周囲リンパ節に対して施行した。 結果:患者の平均年齢は 58 歳(22~79)、平均body mass indexは 32 kg/m2(20~54)であった。平 均腫瘍径は 7.3 cmであり、16 例はT 3 腫瘍(うち 4 例は下大静脈腫瘍血栓)であった。LNDの平均施行 時間は 31 分、推定血液損失量は 74 mLで、輸血を要した症例はなかった。退院時期は 94%の患者が術 後 1 日目、6%の患者が術後 2 日目であった。平均郭清リンパ節数は 13.9 個であり、1 例(2.8%)が 10 pN+であった。郭清リンパ節数は最初の半数の症例で平均 11 個であったのに対して、次の半数の症例で は平均 16.8 個に増加した(P=0.02)。後半の症例では 77%で 12 個以上の郭清が可能であった。 結論:RCC に対するロボットアシスト LND は実施可能であり、郭清リンパ節数は妥当である。後半の 症例における郭清リンパ節数の増加は習得度を反映していると考えられる。陽性率は予想通り低かった が、郭清リンパ節数は腹腔鏡下リンパ節郭清術に関する限定的な文献データに比べて多かった。 乳糜尿症に対する後腹膜鏡下腎茎部リンパ管遮断術における 2 つの手法の比較 To cite this article: Cheng-Jing Zhang, Ren-Fu Chen, Xiao-Qing Sun, Hai-Tao Zhu, Ru-Min Wen, Jun-Qi Wang, Jia-Cun Chen, and Jun-Nian Zheng. Journal of Endourology. July 2011, 25(7): 1161-1165. doi:10.1089/end.2010.0520. Published in Volume: 25 Issue 7: July 8, 2011 Online Ahead of Print: June 17, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (301.6 KB) • PDF w/ links (168.1 KB) Cheng-Jing Zhang, M.D., Ren-Fu Chen, M.D., Xiao-Qing Sun, M.D., Hai-Tao Zhu, M.D., Ru-Min Wen, M.D., Jun-Qi Wang, M.D., Jia-Cun Chen, M.D., and Jun-Nian Zheng, M.D. Department of Urology, the Affiliated Hospital of Xuzhou Medical College, Xuzhou, People's Republic of China. Address correspondence to: Ren-Fu Chen, M.D. Department of Urology Affiliated Hospital of Xuzhou Medical College 99 West Huaihai Road Xuzhou 221002 China E-mail: [email protected] 要約 背景および目的:後腹膜鏡下腎茎部リンパ管遮断術は主として腎脂肪被膜(RA)法で行われている。本 研究では、脂肪被膜外(EA)法による新規術式について報告し、難治性乳糜尿症の治療におけるこれら 2 つの手法を比較した。 患者および方法:2002 年 12 月から 2008 年 3 月までの間に、41 例に対して後腹膜鏡下腎茎部リンパ管 遮断術を施行した。23 例に対しては EA 法、18 例に対しては RA 法を用いた。いずれの術式でも門部血 管の剥離および尿管周囲のリンパ管遮断を行ったが、腎臓の移動は RA 法でしか行わなかった。これら 2 つの手法の間で平均手術時間、術中血液損失量、術後臥床期間、入院期間および手術転帰の比較を行っ た。 11 結果:各患者で治療は成功し、重大な合併症は認められなかった。EA 法は術中血液損失量(54.9±19.3 mL vs 59.3±26.5 mL、P>0.05)および術後入院期間(6.6±1.0 日 vs 7.2±0.9 日、P>0.05)に関して RA 法と同様に優れていた。乳糜尿症はすべての患者で術後直ちに消失した。EA 法は手術時間(78.9±18.3 分 vs 101.8±20.6 分、P<0.05)および術後臥床期間(20.7±1.7 時間 vs 72.0±0.0 時間、P<0.05)に関し て RA 法より有意に優れていた。21~84 ヵ月の追跡期間中、いずれの患者においても再発および腎下垂 は認められなかった。 結論:乳糜尿症に対する後腹膜鏡下腎茎部リンパ管遮断術は安全かつ有効である。EA 法を用いた場合は 手術時間が有意に短く、早期の術後離床が可能である。 腹腔鏡下腎臓手術における術式の移行:原因と転帰 To cite this article: Bert S. Ivey, Steven M. Lucas, Carl A. Meyer, Tyler E. Emley, Aaron Bey, Thomas A. Gardner, and Chandru P. Sundaram. Journal of Endourology. July 2011, 25(7): 1167-1173. doi:10.1089/end.2010.0725. Published in Volume: 25 Issue 7: July 8, 2011 Online Ahead of Print: June 14, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (142 KB) • PDF w/ links (155.1 KB) Bert S. Ivey, M.D., Steven M. Lucas, M.D., Carl A. Meyer, M.D., Tyler E. Emley, M.D., Aaron Bey, M.D., Thomas A. Gardner, M.D., and Chandru P. Sundaram, M.D. Department of Urology, Indiana University, Indianapolis, Indiana. Address correspondence to: Chandru P. Sundaram, M.D. Department of Urology Indiana University School of Medicine 535 N. Barnhill Drive, Suite 420 Indianapolis, IN 46202 E-mail: [email protected] 要約 目的:腹腔鏡下腎臓手術における術式の移行例について、原因および転帰を評価した。 患者および方法:単一施設において 9 年間に実施された腹腔鏡下腎臓手術(ドナー腎摘出術を除く)の 全症例を対象に評価を行った。術中転帰、術式移行および合併症について評価した。 結果:399 例の腹腔鏡下腎臓手術例が特定され(評価可能例 394 例)、41 例で術式の移行が行われた (開腹 31 例、ハンドアシスト 8 例、経後腹膜的アプローチ 2 例)。術中および術後の合併症発生率はそ れぞれ 3.0%および 12.2%であった。移行の理由として最も多かったのは進行不能(20 例)であり、次 12 いで解剖学的困難(8 例)、腫瘍血栓(5 例)および出血(4 例)が報告された。ハンドアシスト腹腔鏡 下手術(HAL)、経腹膜的腹腔鏡下手術、経後腹膜的腹腔鏡下手術(RPL)およびロボットアシスト手 術における開腹移行率はそれぞれ 17.1%、6.9%、13.2%および 1.8%であった。ただし、HAL および RPL は両側手術例、腹部手術の既往のある症例および切除組織の大きい症例に対して高頻度に使用され た(P<0.05)。手術適応によって周術期転帰は有意に異なり、常染色体優性多発性嚢胞腎および腎部分 切除の症例では開腹移行率が最も高く(13%)、腎尿管摘除術の症例では合併症発生率が最も高かった (40%)。切除組織が大型(1500 g 超)の症例では移行率が 40%であったが、小型の症例では 8.2%で あった(P<0.001)。腹部手術の既往による移行率の差はなかった(既往なし 11.9% vs 既往あり 9.3%、 P=0.401)。移行が行われた症例では、血液損失量、手術時間、輸血実施率、入院期間および合併症発生 率に有意な上昇/延長が認められた(P<0.05)。 結論:開腹術への移行率は手術適応、切除組織のサイズおよび術式によって有意に異なる。いずれの場 合も術式移行に伴い周術期の臨床転帰は悪化する。 末期腎疾患患者はロボットアシスト腹腔鏡下根治的前立腺摘除術の対象となる To cite this article: Jonathan P. Heldt, Forrest C. Jellison, Walter D. Yuen, Christopher F. Tenggardjaja, Paul D. Lui, Herbert C. Ruckle, Gary R. Barker, and D. Duane Baldwin. Journal of Endourology. July 2011, 25(7): 1175-1180. doi:10.1089/end.2010.0680. Published in Volume: 25 Issue 7: July 8, 2011 Online Ahead of Print: May 25, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (123.3 KB) • PDF w/ links (135.6 KB) Jonathan P. Heldt, B.S., Forrest C. Jellison, M.D., Walter D. Yuen, D.O., Christopher F. Tenggardjaja, M.D., Paul D. Lui, M.D., Herbert C. Ruckle, M.D., Gary R. Barker, M.D., and D. Duane Baldwin, M.D. Department of Urology, Loma Linda University Medical Center, Loma Linda, California. Address correspondence to: D. Duane Baldwin, M.D. Department of Urology Loma Linda University School of Medicine 11234 Anderson Street, Room A560 Loma Linda, CA 92354 E-mail: [email protected] 要約 背景および目的:末期腎疾患(ESRD)では複数の疾患が併存しているため、外科手術を施行する場合 に合併症のリスクが高くなる。そのため、ESRD を有する前立腺癌(PCa)患者が根治的前立腺摘除術 の対象となることはほとんどない。本研究の目的は、ロボットアシスト腹腔鏡下前立腺摘除術(RALP) を施行する ESRD 患者を透析歴のない患者と比較することである。 13 患者および方法:手術の時点で透析施行中であった 12 例を含むRALP施行患者 430 例を対象にレトロス ペクティブな評価を行った。両側Student t検定およびχ2検定を用い、有意水準P<0.05 として、群間で 術前人口統計学的特性、周術期パラメータおよび術後転帰を比較した。 結果:Body mass index を含む人口統計学的特性、Gleason スコアおよび前立腺特異抗原(PSA)値は 2 群間で同程度であった。ESRD 患者の方が低年齢で(55.5 歳 vs 62.9 歳;P<0.01)、American Society of Anesthesiologists スコアが高く(3.7 vs 2.5;P<0.01)、年齢調整 Charlson Comorbidity Index スコアが高かった(6.2 vs 4.2;P<0.01)。手術時間、推定血液損失量、合併症発生率、術後入院 期間および切除断端陽性率などの転帰に関して群間で有意差は認められなかった。ESRD 患者のうち、 パッドを要した患者および超高感度アッセイで PSA 値が検出限界以上であった患者はいなかった。 結論:今回の症例集積研究は、RALP を施行する ESRD 患者を対象とした集積研究としては最大規模の ものである。これらの患者は術前の併存疾患の程度が高かったにも関わらず、治療転帰は透析歴のない 患者と同様であった。RALP は体液移動が少なく、血液損失量が少なく、癌コントロールに優れること から、ESRD と PCa の両方を有する患者に対する腎移植前の治療法として理想的な選択肢である。 開腹腎部分切除術 vs ロボットアシスト腎部分切除術:臨床転帰への影響 To cite this article: Sangchul Lee, Jongjin Oh, Seong Kyu Hong, Sang Eun Lee, and Seok-Soo Byun. Journal of Endourology. July 2011, 25(7): 1181-1185. doi:10.1089/end.2010.0670. Published in Volume: 25 Issue 7: July 8, 2011 Online Ahead of Print: June 9, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (117.3 KB) • PDF w/ links (133.4 KB) Sangchul Lee, M.D., Jongjin Oh, M.D., Seong Kyu Hong, M.D., Ph.D., Sang Eun Lee, M.D., Ph.D., and Seok-Soo Byun, M.D., Ph.D. Department of Urology, Seoul National University College of Medicine, Seoul National University Bundang Hospital, Seongnam, Korea. Address correspondence to: Seok-Soo Byun, M.D., Ph.D. Department of Urology Seoul National University College of Medicine Seoul National University Bundang Hospital 300, Gumi-dong, Bundang-gu Seongnam, Gyunggi-do 463-707 Korea E-mail: [email protected] 要約 背景および目的:ロボットアシスト腎部分切除術(RPN)は小型腎腫瘤(SRM)に対する治療において 開腹腎部分切除術(OPN)に代わる有望な選択肢となっている。単一施設における RPN および OPN の 転帰について比較解析を行った。 14 患者および方法:レトロスペクティブな評価として、単一施設で 2003 年 5 月から 2010 年 12 月までの 間に実施された RPN 69 例と OPN 234 例を比較した。臨床病理学的変数、手術パラメータおよび腎機能 転帰を解析した。 結果:2 群間の比較(RPN vs OPN)において、患者の年齢(P=0.609)、性別(P=0.703)、術前推定 糸球体ろ過率(eGFR、P=0.146)、推定血液損失量(P=0.600)および腫瘍サイズ(P=0.256)に関し て有意差は認められなかった。平均手術時間は RPN 群の方が長かった(192 分 vs 142 分、P<0.001)。 平均温虚血時間は RPN 群の方が長かった(22.99 分 vs 18.87 分、P<0.001)が、術後 eGFR (P=0.162)および eGFR の変化量(P=0.520)に有意差は認められなかった。入院期間(6.2 日 vs 8.9 日、P<0.001)および術後鎮痛薬使用量(ケトプロフェン、0.26 アンプル vs 0.88 アンプル、P<0.001) に関する成績は RPN 群の方が優れていた。断端陽性例数は RPN 群が 0 例、OPN 群が 6 例であった。 術中合併症発生率は RPN 群が 4.35%、OPN 群が 4.27%であった(P=0.999)。総術後合併症発生率は RPN 群が 8.7%、OPN 群が 15.4%であった(P=0.158)。 結論:これまでにも指摘されてきた腹腔鏡下手術の有益性に加え、今回確認した周術期パラメータや術 後腎機能の変化を考慮すると、RPN は SRM に対するネフロン温存手術として有望な選択肢である。 ブタモデルにおける従来の単孔式腹腔鏡下腎切除術と針状内視鏡アシスト腹腔 鏡下腎切除術のプロスペクティブな無作為化比較 To cite this article: Lesli I. Nicolay, Ryan J. Bowman, Jonathan P. Heldt, Forrest C. Jellison, Neda Mehr, Christopher Tenggardjaja, William Millard II, Jeffrey L. Koning, and D. Duane Baldwin. Journal of Endourology. July 2011, 25(7): 1187-1191. doi:10.1089/end.2010.0623. Published in Volume: 25 Issue 7: July 8, 2011 Online Ahead of Print: June 1, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (232.8 KB) • PDF w/ links (203.6 KB) Lesli I. Nicolay, M.D.,1 Ryan J. Bowman, M.D.,1 Jonathan P. Heldt, B.S.,1 Forrest C. Jellison, M.D.,1 Neda Mehr, M.D.,2 Christopher Tenggardjaja, M.D.,1 William Millard II, M.D.,1 Jeffrey L. Koning, M.D.,1 and D. Duane Baldwin, M.D.1 1 Department of Urology, Loma Linda University Medical Center, Loma Linda, California. 2 Department of Dermatology, Loma Linda University Medical Center, Loma Linda, California. Address correspondence to: D. Duane Baldwin, M.D. Department of Urology Loma Linda University School of Medicine 11234 Anderson Street, Room A560 Loma Linda, CA 92354 E-mail: [email protected] 15 要約 背景および目的:単孔式腹腔鏡下(LESS)手術はほとんど術痕を残さないが、三角測量の原理が失われ るため技術的難易度が高くなる。本試験の目的は、従来の経臍的 LESS 腎切除術と針状内視鏡アシスト 腹腔鏡下(NAL)腎切除術を比較することである。ブタモデルを用いたこの比較により、肋下に 2 mm ポートを 1 個追加することで術後の回復状況や美容上の転帰の悪化を伴うことなく三角測量の原理を回 復できるかどうかを検討した。 材料および方法:雌性ブタ 10 匹を LESS 腹腔鏡下腎切除術群または NAL 腹腔鏡下腎切除術群のいずれ かに無作為化した。LESS 群では、2.5 cm の単一の臍部切開創に TriPort を挿入した。NAL 群では、臍 部に 5 mm ポートおよび 10 mm ポートを挿入し、2 mm ポートを鎖骨中線上に挿入した。術前、周術期 および術後パラメータを比較した。変数の解析には Wilcoxon 符号付き順位検定および両側 Fisher 正確 確率検定を用いた。美容面の転帰については Vancouver Scar Scale を用いた客観的評価および盲検化さ れた皮膚科医による主観的評価を行った。費用解析も行った。 結果:推定血液損失量は両群とも非常に少なかった(LESS 群 28.8 mL、NAL 群 9.4 mL)。手術時間 は NAL 群の方が有意に短かった(103 分 vs 150 分;P<0.001)。合併症(2 vs 1;P=0.500)、美容面 の転帰の客観的評価(3.9 vs 3.8;P>0.2)および美容面の転帰の主観的評価(2 vs 3;P=0.500)に差は 認められなかった。NAL プロトコールではディスポーザブルデバイスの費用が有意に低かった($363 vs $1,696)。 結論:NAL プロトコールでは、肋下への 2 mm ポート 1 個の追加と三角測量の原理の回復により、手術 時間の短縮、術者の快適性の向上、技術的難易度の低下および費用の低減が実現される一方、術痕が残 らないという従来の LESS プロトコールの美容面の利点も維持される。 開腹両側腎部分切除術 vs 腹腔鏡下両側腎部分切除術の機能転帰および腫瘍転帰 To cite this article: Christina B. Ching, Jianbo Li, Inderbir S. Gill, and Matthew N. Simmons. Journal of Endourology. July 2011, 25(7): 1193-1197. doi:10.1089/end.2010.0519. Published in Volume: 25 Issue 7: July 8, 2011 Online Ahead of Print: June 14, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (143.7 KB) • PDF w/ links (124.7 KB) Christina B. Ching, M.D.,1 Jianbo Li, Ph.D.,2 Inderbir S. Gill, M.D., M.Ch.,3 and Matthew N. Simmons, M.D., Ph.D.1 1 Glickman Urological and Kidney Institute, Cleveland Clinic Foundation, Cleveland, Ohio. 2 Department of Quantitative Health Sciences, Cleveland Clinic Foundation, Cleveland, Ohio. 3 University of Southern California Institute of Urology, Keck School of Medicine, University of Southern California, Los Angeles, California. Address correspondence to: Matthew N. Simmons, M.D., Ph.D. Staff, Center for Urologic Oncology Cleveland Clinic Glickman Urological and Kidney Institute 16 9500 Euclid Avenue, Suite Q10-1 Cleveland, OH 44195 E-mail: [email protected] 要約 目的:本研究では、両側同時性腎腫瘍に対して開腹両側腎部分切除術(BOPN)または腹腔鏡下両側腎 部分切除術(BLPN)が施行された患者の手術データおよび転帰を比較した。 患者および方法:1992 年から 2008 年までの間に当施設において両側腎部分切除術を施行した患者につ いてレトロスペクティブに評価した。BOPN または BLPN を施行した患者は 114 例であった。虚血時間、 腫瘍径ならびに手術直後、追跡中期(≤12 ヵ月)および遠隔期(>12 ヵ月)の腎機能転帰を比較した。 腫瘍転帰も Kaplan-Meier 解析により評価した。 結果:BOPN施行例は 92 例、BLPN施行例は 22 例であった。平均腫瘍径はBOPN群の方が大きかった (4.1 cm vs 2.7 cm;P=0.001)が、病理学的病期は同程度であった(P=0.52)。入院期間はBOPN群の 方が長かった(5.6 日 vs 4.0 日;P<0.001)。BOPN群およびBLPN群の術前推定糸球体ろ過率 (eGFR)はいずれも≥60 mL/min/1.73m2であった。各群のeGFRの低下率はBLPN群が 38%、BOPN 群が 27%であった(P=0.03)。平均追跡期間 5.5 年の時点で、癌特異的生存率および無再発生存率は両 群同程度であった。 結論:BOPN および BLPN による中期の腫瘍コントロールは同程度であった。BLPN 施行例では eGFR の低下率が大きかった。最近の腹腔鏡下腎部分切除術症例では虚血時間が短くなっているため、今後、 機能転帰は同程度になると思われる。 経尿道的 GreenLight レーザー前立腺核出術—実施可能性試験 To cite this article: Claus Brunken, Christian Seitz, Stephan Tauber, and Rainer Schmidt. Journal of Endourology. July 2011, 25(7): 1199-1201. doi:10.1089/end.2010.0550. Published in Volume: 25 Issue 7: July 8, 2011 Online Ahead of Print: May 25, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (82.5 KB) • PDF w/ links (91 KB) Claus Brunken, M.D.,1 Christian Seitz, M.D.,2 Stephan Tauber, M.D.,1 and Rainer Schmidt, M.D.1 1 Department of Urology, Asklepios Klinik St. Georg, Hamburg, Germany. 2 Department of Urology and Andrology, St. John of God Hospital, Medical University of Vienna, Vienna, Austria. Address correspondence to: Claus Brunken, M.D. Department of Urology Asklepios Klinik St. Georg Lohmühlenstr. 5 17 20099 Hamburg Germany E-mail: [email protected] 要約 背景および目的:GreenLight レーザー蒸散術は、良性前立腺過形成患者に対する低侵襲治療法として確 立されている。機能的転帰は良好であるが、サイズの大きい前立腺では組織の十分な除去が困難になる。 本試験では、GreenLight レーザーによる経尿道的核出術が組織除去能の改善された手法として実施可能 であるかどうかを検討した。 患者および方法:Gilling が報告したホルミウムレーザーによる手法に従い、連続 21 例に対して 120W HPS GreenLight レーザーによる経尿道的前立腺腺腫核出術を施行した。術前データをプロスペクティ ブに収集した。前立腺量、International Prostate Symptom Score(IPSS)、排尿後残尿(PVR)、前 立腺特異抗原値、最大尿流率、手術時間、カテーテル留置期間、入院期間、周術期合併症、核出組織重 量および適用したレーザーエネルギーを記録した。追跡期間中は IPSS および PVR を記録した。データ は平均±標準偏差として提示する。 結果:52%の患者で術前に尿閉が認められていた。術前前立腺量は 74.6±21.7 cc であり、核出した組織 は 34.7±21.7 g であった。GreenLight レーザーを用いた核出術の施行により、IPSS は 25±6 から 5±9 に低下し(P=0.0001)、PVR は 126±80 から 11±18(P=0.002)に低下した。重篤な合併症は認められ なかった。手術時間は 112±27 分であった。カテーテル留置期間は 1.2±0.4 日であった。入院期間は 3.6±0.9 日であった。 結論:GreenLight レーザーによる核出術は実施可能であり安全である。組織の減量は完全であり、良好 な機能的転帰が達成される。すべての患者で適切な排尿が可能となった。重大な合併症は認められなか った。この治療法は技術的難易度が高く、初期の症例では手術時間が長くなる。 新規の結石磁化微粒子:毒性および生物学的機能性に関する in vitro 解析 To cite this article: Saad A. Mir, Sara L. Best, Stacey McLeroy, Chester J. Donnally III, Bruce Gnade, Jer-Tsong Hsieh, Margaret S. Pearle, and Jeffrey A. Cadeddu. Journal of Endourology. July 2011, 25(7): 1203-1207. doi:10.1089/end.2010.0419. Published in Volume: 25 Issue 7: July 8, 2011 Online Ahead of Print: June 28, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (123.8 KB) • PDF w/ links (116.9 KB) Saad A. Mir, B.S.,1 Sara L. Best, M.D.,1 Stacey McLeroy, M.S.,2 Chester J. Donnally III, B.S.,1 Bruce Gnade, Ph.D.,2 Jer-Tsong Hsieh, Ph.D.,1 Margaret S. Pearle, M.D., Ph.D.,1 and Jeffrey A. Cadeddu, M.D.1 18 1 Department of Urology, University of Texas Southwestern Medical Center, Dallas, Texas. Departments of Electrical Engineering/Chemistry, University of Texas at Dallas, Dallas, Texas. Address correspondence to: Jeffrey A. Cadeddu, M.D. Department of Urology UT Southwestern Medical Center 5323 Harry Hines Blvd, J8.106 Dallas, TX 75390-9110 E-mail: [email protected] 2 要約 背景および目的:我々は、シュウ酸カルシウム結石片に結合して常磁性を与える新規の鉄ベース微粒子 (Fe-MP)を開発した。すでに、非生物モデルでの磁性器具を用いた結石除去試験において除去効率の 改善を確認している。In vivo 結石除去試験に先立ち、Fe-MP の細胞毒性についてさらに明確にし、結合 特性に対する生体液の影響を評価することとした。 材料および方法:毒性:マウス線維芽細胞、ヒト尿路上皮細胞およびヒト移行上皮癌細胞の単層を、ア ガロース重層法により 1 mg/mL Fe-MP または生理食塩液に曝露した。細胞生存性をニュートラルレッ ド染色と密度測定により評価した。生物学的機能性:ヒトシュウ酸カルシウム結石片を、様々な濃度の 尿(10%~50%)または血液(0.5%~2%)を含有する 1 mg/mL Fe-MP 液とともに 10 分間インキュ ベートした。その後、8F 磁性器具を用いて結石片の除去を行った。小型(3~3.9 mg)または大型(6 ~6.9 mg)に分類される 10 個の結石片について、実験を各濃度につき 4 回行った。 結果:細胞を微粒子に 48 時間曝露した結果、尿路上皮細胞の最低細胞濃度の場合を除き、3 つの細胞株 のいずれについても毒性は認められなかった。結石除去成功率は、尿および血液の濃度に関わらずすべ ての結石で 100%であり、除去は 10 分以内に完了した。 結論:予備的な毒性試験の結果、Fe-MP による細胞毒性はほとんどまたは全く認められなかった。内視 鏡下結石除去術施行時の条件として考えられる臨床的意義のある濃度の尿および血液の存在下において、 本微粒子の機能性は良好である。今後は、動物モデルで毒性および結石除去の試験を行う必要がある。 ウシ ex vivo 動物モデルにおける光選択的前立腺蒸散術中のレーザーファイバー 回転運動の至適条件 To cite this article: E. Charles Osterberg, Eric C. Kauffman, Hyun Wook Kang, Ed Koullick, and Benjamin B. Choi. Journal of Endourology. July 2011, 25(7): 1209-1215. doi:10.1089/end.2010.0600. Published in Volume: 25 Issue 7: July 8, 2011 Online Ahead of Print: June 28, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (466 KB) • PDF w/ links (298.8 KB) E. Charles Osterberg, M.D.,1 Eric C. Kauffman, M.D.,1 Hyun Wook Kang, Ph.D.,2 Ed Koullick, Ph.D.,3 and 19 Benjamin B. Choi, M.D.1 1 Department of Urology, Weill-Cornell Medical Center, New York, New York. 2 Laser Therapy Research, American Medical Systems Innovation Center, San Jose, California. 3 American Medical Systems, West Minnetonka, Minnesota. Address correspondence to: E. Charles Osterberg, M.D. Department of Urology Weill-Cornell Medical Center Starr 900 525 E. 68th St. New York, NY 10065 E-mail: [email protected] 要約 背景および目的:光選択的前立腺蒸散術(PVP)は、前立腺肥大による尿路閉塞に対する有効な組織減 量術として臨床導入されている。しかしながら、蒸散を最も効率よく行うための手技に関して、科学的 な検討はほとんど行われていない。我々は、ex vivo ウシ前立腺モデルを用いて、レーザーファイバーの 回転運動(“sweeping”)の角度の変化が前立腺組織蒸散効率にどう影響するかを調べた。 材料および方法:実験は GreenLight™ HPS 120W レーザーシステムを用いて行った。1 名の外科医が 臨床 PVP 例のビデオ解析を行い、これに基づいて本研究をデザインした。軸方向運動のコンピュータ制 御機構を備えた ex vivo チャンバーを用い、ウシ前立腺組織 60 個に対して蒸散を行った。組織の蒸散は 一定の sweeping 速度(0.5 回/秒)で sweeping 角度(0、15、30、60、90 および 120°)を変えて行っ た。蒸散された組織の量を横断切片から算出し、二標本 t 検定で比較した。 結果:1 名の熟練外科医による臨床 PVP ビデオ解析において、平均角度は 47.7°であり、25%の症例で は角度が 0°~30°の間であった。Ex vivo 解析の結果、sweeping 角度を増大させると、組織の蒸散の 規模は広範囲となったがより表面的となり、結果的に蒸散量は減少した。具体的に述べると、sweeping 角度が 0、15 および 30°の場合は 45、60 および 90°の場合に比べて蒸散量が有意に多かった(1.5~ 3.0 X;P<0.05)。凝固組織の厚さは sweeping 角度の増大に伴い有意に増大した。 結論:我々の ex vivo モデルによると、PVP で最良の成績が得られるのはレーザーファイバーの sweeping 角度が狭い場合であった。本研究結果から、PVP レーザーファイバーの動きについて科学的な 検証を行い、蒸散効率を最大化するためのパラメータを特定できることが示された。 軟性尿管鏡用のニチノール製結石除去用バスケットの in vitro 評価 To cite this article: Christopher Netsch, Gerado Herrera, Andreas J. Gross, and Thorsten Bach. Journal of Endourology. July 2011, 25(7): 1217-1220. doi:10.1089/end.2010.0709. Published in Volume: 25 Issue 7: July 8, 2011 Online Ahead of Print: June 17, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (98 KB) • PDF w/ links (105.5 KB) Christopher Netsch, M.D., 20 Gerado Herrera, M.D., Andreas J. Gross, M.D., and Thorsten Bach, M.D. Department of Urology, Asklepios Hospital Barmbek, Hamburg, Germany. Address correspondence to: Christopher Netsch, M.D. Department of Urology Asklepios Hospital Barmbek Rübenkamp 220 22291 Hamburg Germany E-mail: [email protected] 要約 背景および目的:逆行性腎内手術(RIRS)の臨床的重要度が高まるにつれ、尿路内視鏡的治療の分野に は様々な結石除去用バスケットが導入されている。形状や材質の違いは RIRS の実施や有効性に影響す る可能性がある。本研究の目的は、現在市販されている各種ニチノール製結石除去用バスケットの in vitro 性能を評価することである。 材料および方法:RIRS 用バスケットの製造会社 10 社に本評価への参加を要請した。評価項目は、屈曲 に対するバスケットの内部抵抗測定値、軟性尿管鏡(URF-P5、Olympus)の屈曲角度に対する影響お よび尿管鏡最大屈曲時のバスケットの機能性とした。測定はいずれも 5 回行った。 結果:9 社が本評価への参加を決定し、評価の対象となったバスケットは計 15 製品であった。尿管鏡の 最大屈曲角度は 275°であり、12 製品についてはこの角度に達したが、3 製品については最大屈曲角度 が低下した。最大屈曲時にバスケットの完全な開放が可能であったのは 13 製品であった。1 製品は部分 的に開放でき、他の 1 製品は開放不能であった。バスケット内部抵抗を測定した結果、製品によって大 きなバラツキがみられ(5.97~38 mm 変位/g)、15 製品中 10 製品で抵抗値に応じて尿管鏡最大屈曲時 の内側の曲率半径が増大した。 結論:今回評価したバスケットでは、屈曲に対する抵抗に大きなバラツキが認められた。ただし、総合 的な屈曲能への影響は小さいようである。一方、抵抗値の高いバスケットの場合は尿管鏡最大屈曲時の 内側の曲率半径が増大するため、機能性に影響があるかもしれない。個々の患者で最適なツールを選択 するためには、バスケットの主要特性と製品間の性能の差を理解しておくことが重要であると思われる。 小児の症候性陰嚢水瘤に対する腹腔鏡下腹膜外的修復術:単一施設における 73 例の成績 To cite this article: De-juan Wang, Jian-guang Qiu, You-qiang Fang, Tu-jie Si, Jian-bin Luo, and Xin Gao. Journal of Endourology. July 2011, 25(7): 1221-1225. doi:10.1089/end.2010.0594. Published in Volume: 25 Issue 7: July 8, 2011 Online Ahead of Print: June 28, 2011 Full Text: • HTML • PDF for printing (367 KB) • PDF w/ links (242.6 KB) 21 De-juan Wang, M.S.,1 Jian-guang Qiu, M.D.,1 You-qiang Fang, M.D.,1 Tu-jie Si, M.S.,1 Jian-bin Luo, B.S.,2 and Xin Gao, M.D.1 1 Department of Urology, Third Affiliated Hospital of Sun Yat-sen University, Guangzhou, China. 2 Department of Urology, Second Hospital of Longyan, Longyan, China. Address correspondence to: Jian-guang Qiu, M.D. Department of Urology Third Affiliated Hospital of Sun Yat-sen University Guangzhou 510630 China E-mail: [email protected] [email protected] 要約 目的:小児の陰嚢水瘤の治療における新規の 2 ポート腹腔鏡法を紹介する。この手法では、開存した腹 膜鞘状突起(PPV)の完全腹膜外閉鎖が可能であり、腹腔鏡下縫合技術を必要としない。 患者および方法:水瘤(交通性と推定される)が確認された男児 56 例(年齢中央値 36 ヵ月、範囲 12~ 144 ヵ月)の連続集積症例について報告する。これらの水瘤に対して 2009 年 7 月から 2010 年 6 月の間 に腹腔鏡下修復術を施行した。修復術では、5 mm 腹腔鏡と 3 mm 把持鉗子を同一の臍部切開創(10 mm)から挿入した。内鼠径輪の周囲を一周縫合することにより、水瘤嚢の開口部を腹膜外的に閉鎖した。 結果:全例とも術前の身体検査および超音波検査で片側性と診断された。手術中、56 例中 17 例 (30%)で対側に PPV が認められた。腹腔鏡下治療の施行例数は延べ 73 例であり、成功率は 100%で あった。平均手術時間は片側手術の場合が 25±6 分、両側手術の場合が 36±5 分であった。追跡期間中央 値 6 ヵ月(範囲 1~12 ヵ月)の時点で、再発およびその他の術後合併症は認められていない。 結論:我々の限定的な成績に基づくと、2 ポート完全腹膜外的腹腔鏡法は小児陰嚢水瘤の治療法として 安全かつ有効で有望な選択肢になりうると思われる。 22