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求む!人間力。
[OUR FIELD]
かけがえのない経験
∼税制の企画・立案に携わる魅力∼
Yoshiyuki Goto
財務省主税局
〔主税局税制第一課〕
知られざる財務省主税局の一面
財務省、とりわけ主税局に対し、皆さんはどのようなイメージを持ってい
るだろうか。意外かもしれないが、財務省内で最も結束力、団結力のある
局は、主税局と言われている。
財務省主税局で働く多くの職員は、全国から集まった国税出身の精鋭達
だ。予算編成を担当する主計局の半分に満たない人数ながら、この道10年、
20 年と税制改正に携わり、税制のみならず関連政策、改正経緯等に精通し
た職員ばかりだ。
財務省主税局
税制第一課課長補佐
までの役人人生でこれほど周囲の支えにありがたみを感じたことはなかった。
上司や同僚、部下職員、そして共に国税庁から出向している総合職の先輩
〔平成 12 年入庁〕
諸氏。今の自分は、まさに主税局のよき伝統に支えられていると言える。
profile
一方で、執行の現場に注意を払い、声なき声に耳を傾ける努力も欠かせ
ない。所得税担当の国税調査官として街を自転車で走り回った経験や税務
署長として多くの納税者の声に耳を傾けた経験は、今まさに活かされている
と感じる。あるべき税制の姿に少しでも近づけようと、理想と現実の狭間で
奮闘する日々であり、所得税法の道を究めるにはまだほど遠い。
「税」を通じて自らを磨く
現在のポストで求められるスピード感や要求水準は、これまで経験したポ
ストをはるかに上回ると感じる。何度も壁にぶちあたり焦燥感を募らせ、自
らの至らなさを痛感しながら、いかに組織に貢献できるか、自らに問う繰り
返しだ。
……………………………………………………………………
H 12.4 国税庁長官官房人事課
13.7 大阪国税局調査第二部国税調査官
14.7 北税務署個人課税部門国税調査官
15.7 内閣府産業再生機構担当室主査
17.7 国税庁長官官房企画課企画第四係長
18.7 国税庁課税部課税総括課調査第一係長
19.6 財務省大臣官房総合政策課課長補佐
21.7 沖縄国税事務所総務課長
22.7 英国・ロンドンメトロポリタン大学留学
23.7 小樽税務署長
24.7 財務省主税局税制第一課課長補佐
税制改正の現場 ∼税制改正は一日にしてならず∼
私は現在、所得税を担当している。
「税は国家なり」という言葉があるよう
に、税制は経済のみならず社会のあり方にも大きな影響を与える。特に所
得税は様々な利害が複雑に絡むことから、局内では細心かつ理詰めの議論
が繰り返される。
主税局で改めて思うのは、ひとつひとつの条文にもこれまで積み重ねられ
Mari Kawazoe
てきた多くの議論や様々な判例など、深遠なる世界があるということだ。また、
きっと、
あなたの想像以上
初心
国税庁を志望したきっかけは、大学で受講した租税法の講義です。米国
し、数兆円規模で財政に深刻な影響を与えていることを知りました。制度の
不完全性を突く精緻かつ巧妙なタックスシェルターの仕組みに感心する一方
で、今後日本でも課税逃れの横行により税収が減少し、国家の存立が困難
になる状況に至るのではないかという危機感を抱くようになりました。また、
当時から巨額の税務訴訟が相次いでおり、その中でも、約 3 千億円の法人
税の課税処分を取り消す、いわゆる「興銀税務訴訟」の最高裁判決に衝撃を
財務省主税局
調査課外国調査第二係長
受けました。この訴訟には、バブル経済の崩壊に伴う金融機関の不良債権
川副 麻莉
踏まえて税法をどう解釈するかが問題となっていました。
〔平成 18 年入庁〕
profile
………………………………………………………………………………………
H 18.4 国税庁長官官房総務課
19.7 国税庁課税部資産課税課
20.7 大宮税務署法人課税部門国税調査官
21.7 東京国税局調査第一部国際調査課国税調査官
22.7 米国・ジョージタウン大学留学
23.5 国税庁調査査察部調査課調査係長
24.6 財務省主税局調査課外国調査第二係長
これまでを振り返ると、多様な経験を積み重ねながら、自分に今足りない
ものは何かを探し、絶え間ない自己研鑽を繰り返す、非常にチャレンジング
な職場環境であったと言える。また、辛く苦しいこともあるが、多くの人々と
の出会いや見知らぬ土地での生活を通じ、行政官としてのみならず、自分自
身や家族の人生は間違いなくより豊かなものとなっている。
「税」の世界を通じ、行政官として、一人の人間として成長したい方は、
是非とも国税庁を志望されることを切に願う。
〔主税局調査課〕
では課税逃れ商品(タックスシェルター)を開発・販売するビジネスが産業化
NATIONAL
TAX
ねの上に税制は築かれている。
そのような中、国税庁総合職職員としては、一騎当千の存在でありたいと
ころだが、主税局一年目の身としてはそう甘くはない。この半年の間、これ
後藤 善行
19 AGENCY.2013
過去の政府税制調査会での提案が数十年後に実現されている場合や、自分
の担当事項がすぐには日の目をみないこともあるなど、先人の努力の積み重
通じて国の税制の企画・立案を行っており、私は調査課において、この一
連の過程における議論の参考となる、他国の税制や政治社会情勢を調査し、
数々の国際比較を行っています。米国留学中、ロースクールでタックスシェ
ルターの展開等を含む米国租税法を研究し、また、IMF(国際通貨基金)で
のインターンでは、消費税の国際比較を行いました。そうした経験から学ん
だのは、税制は、各国の歴史や法体系、社会・経済的背景を基礎に、試
行錯誤しながら設計・執行されており、その国際比較には制度の根本まで遡っ
た分析が必要であるということです。自分のこれまでの知識や経験を基に、
上司や同僚と議論しながら、外国調査を通じて日本の税制のあるべき姿を
模索することに、やりがいを感じています。
処理という、まさに私が物心ついてから生きてきた時代背景があり、それを
私は、税に興味を持ち、納税者と課税庁のせめぎ合いの中で、誰かが国
を「守る側」に立っていなければならないと考え、国税庁を第一志望で訪問
しました。
国税組織の魅力と可能性
私が官庁訪問をしたとき、国税庁の採用パンフレットには「きっと、あな
たの想像以上」というフレーズがありましたが、まさに今それを実感していま
す。平成 18 年に入庁して以来、各部署へ異動するたびに公務への使命感
や責任感に溢れる人たちと出会い、公私の多様な経験を通じて自らの大き
日本の税制のあるべき姿とは
国税庁勤務、国税局・税務署での現場経験、米国ロースクールへの留学
な成長を感じてきました。国税庁には、きっと、あなたが想像する以上の可
能性があります。
を経て、現在は財務省主税局で仕事をしています。主税局は、税制改正を
2013 国税庁職員採用案内〈総合職〉20
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