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第9回研究開発小委員会
資料9
ナノテク分野の政策体系図及び技術マップ
ナノテク政策の基本的な考え方(案)
ナノテク分野の特徴
具体的施策
社会的効果
○ナノテク研究開発の推進
○製造業の基盤となるキーテクノロジー
ナノテクノロジーは、ツールであり、情報通信、医療、
環境・エネルギーなど、多岐の分野にわたる融合的な
技術である。さらに、高分子、炭素、金属、セラミックス
等のすべての材料に対し横断的なキーテクノロジーで
あるため、製造業全体へのインパクトが大きい。
○我が国の強み
我が国は、応用開発のみならず、カーボンナノチュー
ブの発見、導電性高分子の開発等の革新的成果を上
げている。ナノデバイスやナノ構造材料において、我
が国は、世界的に優位であるとされている。
・超微細構造を制御することで、新機能を有するマテ
リアルの創出
・ナノレベルの成形加工技術、計測技術等の共通基
盤技術
・具体的出口を見据えた実用化研究への取組
・実用化シナリオを活用したプロジェクト推進
・ナノテク技術戦略マップに基づいた革新的ナノテク
技術開発への投資
○シーズとニーズのマッチング
・ナノテク技術シーズの部材化・デバイス化による実
用化への摺り合わせ(垂直連携)を促進
・異業種連携、産学連携、スピンオフベンチャーなど
の促進
○ナノテク国際競争の激化
○他施策との連携、府省連携
<米国>
2000年に国家ナノテクイニシアティブ(NNI)を策定。
さらに、「21世紀ナノテク研究開発法」を制定。2005
年会計年度から4年間で総額約4400億円の研究費
投入。
<EU>
第6次フレームワーク計画(2002−2006年)にお
いて、ナノテク予算を拡大(約480億円)。
<アジア>
韓国では、2001−2010年のナノテクノロジーマス
タープランを策定。予算総額は約288億円。
中国では、2005年までの5年間で約300億円を政
府から予算投入。全土に40ヶ所程度のナノテクノロ
ジーセンターを設置予定。
・個別産業施策、地域ものづくり施策、中小企業高
度化施策との連携
・総合科学技術会議における府省連携プロジェクト
による垂直統合的なプロジェクトの推進
等を通じた、ナノテクによる既存産業の高度化
○普及促進
・ナノテクノロジービジネス推進協議会による商品・
ビジネスの創出
・ナノテクノロジーの標準化の推進
・ナノテク関係の人材育成
・ナノテクノロジーの安全性に関する科学的知見の
収集・整理
○ナノテクによる既存産
業の高度化
・微細化技術を利用した電子
材料の高密度化、高速化等、
高度情報通信社会の実現
・DDSやバイオチップなど医療、
検査の簡易化、高精度化等、
健康で安心な社会の実現
・触媒や電解質膜等の高度化
による燃料電池の高効率化、
センサー機能による環境保
全等、環境配慮型の社会の
実現
○ナノテク産業の創出
・ナノ素材産業やナノ加工・計
測機器産業など、ナノを直接
利用した高付加価値産業の
創出
・ナノテクによる革新的製造プ
ロセス技術(ナノインプリント
の様々な産業分野への応用
等)の展開
1
ナノテクノロジー技術戦略マップの考え方(案)
技術戦略マップの作成に当たっては、ニーズ側からのアプローチと、広範な分
野にわたる共通基盤技術としてのシーズ側からのアプローチの双方を用いること
とする。その際、ナノテクノロジーが基盤的な研究開発要素を持つという特性を踏
まえ、概ね2020年までのロードマップを検討する。
1.ニーズ側からのアプローチ
ニーズ側からのアプローチとして、他の分野の技術戦略マップの対象範囲との
関係、製品の市場規模やナノテクノロジーに対するニーズの大きさなどを考慮し、
「半導体・電子部品」、「光デバイス」、「メモリ・ストレージ」、「ディスプレイ」など電
子・情報分野に係るナノテクノロジーを対象として、技術戦略マップを作成する。
2.共通基盤としてのアプローチ
応用範囲が広くデバイス化に必要なナノ加工技術やナノテクノロジーの研究開
発や製品管理などに不可欠なナノ計測技術について、出口イメージを示しながら、
技術戦略マップを作成する。
2
ナノテクノロジーの応用分野 −求められる機能−(案)
① 構造材料
機能材料
②環境・エネルギー
③電子・情報
・CNTと酵素を用いた太陽電池
④バイオ・医療
・CNT高周波トランジスタ(高周波特性向上、出力向上)
カーボンナノチューブ
燃料電池
(固体高分子型)
ナノガラス
・高強度化
DDS
ディスプレイ
光デバイス
(LCD、PDP、有機EL、FED、フレキシブル)
・電解質膜の耐熱性・耐久性向上
・電解質膜のメタノール透過制御
・非水系電解質膜の探索
・膜電極接合体(移動効率向上)
・白金触媒低減、白金代替触媒
・触媒活性向上(高出力密度)
・高精細化
・低消費電力化
・高速応答性
・CNTとバイオ分子の組合せ
・遺伝子解説技術
・CNTとタンパク質を用いた電極技術
・高速化(光スイッチ切換時間短縮)
・光分波器/光合波器の小型化
・光増幅器の高出力化
・フォトニック結晶の波長制御
・ナノシリコン(波長制御、室温動作)
・フォトダイオードの高速化、高感度化
・輝度ムラ低減
・高輝度
・高寿命化
材 料 / 機 能
[DDSカプセル]
・徐放性制御
・ナノ細孔開閉技術(ナノ分子ド
アの構築)
[分子イメージング]
・プローブ発光強度向上
・細胞透過性向上
ナノコンポジット
半導体デバイス
(非CMOS型 等)
ナノセラミックス
ナノメタル
ナノ合金
・高強度化
・耐熱性の向上
太陽電池
[シリコン系]
[色素増感型]
・高電圧化(極薄膜化)
・高起電力化
・高電流化(表面凹凸微細化) ・光捕集効率向上
[化合物系]
・電解質の固体化
・高効率化
・低コストリフトオフ技術
ストレージ
・スピンデバイス(高集積化)
・有機半導体(高速化、低電圧
化)
・単電子デバイス(高集積化)
・ワイドバンドギャップ半導体
基板の欠陥低減
メモリ(不揮発性)
(OUM、RRAM、
有機メモリ 等)
(DVD、ホログラフィ、
パターンドメディア等)
・高密度化
・書き換え高速化
・高集積化
・高速化
・低電圧化
バイオチップ
・分子認識精度向上
・センシング材料の位置選択性と配向制御
・高効率分離
・単一生体分子マニピュレーション
・自己組織化を利用したインテグレーション
半導体製造技術
(CMOS型))
精密高分子
・高強度化
・耐熱性の向上
・難燃性の向上
・耐衝撃性
環境調和プロセス
[絶縁膜]
[配線技術]
・Low-k(低誘電率化)
・抵抗減少
・High-k(高誘電率化)
・Cu配線用バリアメタル層薄膜化
[プロセス]
・ゲートエッチング(高アスペクト比)
・低温プロセス化
[実装技術]
[次世代リソグラフィー]
・圧電体
・誘電体
・絶縁体
[ナノインプリンティング] [自己組織化・自己集積化]
⑤共通基盤
ナノ加工
ナノ計測
[薄膜成長技術]
[成膜技術]
・転写性能向上
・ナノ細孔シート(及びカプセル)による培
養支持体
・生体適合化
[EUVL]
[EPL]
[LEEPL]
[ナノインプリンティング]
[DPL]
[近接場光リソグラフィー]
電子部品
有害物質除去
再生医療
次世代リソグラフィー
[パターン加工]
[ナノ空間]
等
・S-FIL
・LADI
・μ-CP
[ナノ計測基盤]
・微粒子サイズ質量計測 ・空孔計測 ・長さ計測 ・熱計測 ・粗さ計測
[走査プローブ顕微鏡]
・立体計測 ・電流計測 ・容量計測 ・磁気計測
シミュレーション(材料/機能設計)
[電子状態計算]・ナノ構造の精密計算 ・マクロ構造の近似計算
[電子顕微鏡・量子ビーム計測]
・薄膜分析 ・磁化計測
[構造安定性評価]・機能材料の実現性の判断
3
半導体+電子部品分野の技術マップ(案)
技術領域
半
導
イ
体
ス
デ
バ
半
導
体
製
造
技
術
ナノテクとしての技術課題
スピンデバイス
高集積化
有機半導体
高速化/低電圧化
・ゲート絶縁膜薄膜化
単電子デバイス
高集積化
・量子ドットの微細化
・トンネル障壁材料の開発
low-k
低誘電率化
・配線遅延を減少させるための低誘電率材
料開発
high-k
高誘電率化
・ゲート絶縁膜リーク電流減少のための高誘電
率材料開発
絶縁膜
・Cu配線対応ビアホール膜厚均質化
・カーボンナノチューブ配線
配線技術
抵抗減少
EUVL(極紫外線リソグラフィー)
転写性能向上
・反射ミラー形状高精度化
・マスク表面の平坦度向上
・マスク内部の欠陥低減
EPL(電子線投影方式リソグラフィー)
転写性能向上
・高精度メンブレンマスク
LEEPL(低加速電子ビーム等倍近接転写リソグラ
フィー)
転写性能向上
・ステンシルマスク高精度化
S−FIL(ステップ&フラッシュ・インプリント・リソ
グラフィー)
転写性能向上
・テンプレート製作用Cr膜の薄膜化
LADI(レーザアシストダイレクトインプリント)
転写性能向上
・高精度モールド成形
μCP(マイクロコンタクトプリンティング法)
転写性能向上
・スタンプ材の拡散制御
DPL(デッィプペンリソグラフィー)
転写性能向上
・インク材の自己組織化制御
ナ
ン
ノ
テ
イ
ン
ン
プ
グ
リ
ィ
ィー
次
世
代
リ
ソ
グ
ラ
フ
機能
ディスプレイ分野の技術マップ(案)
技術領域
機能
高精細化
液晶(LCD)
プラズマディスプレイ(PDP)
ス
プ
レ
イ
・単結晶薄膜の大きさと位置の制御
高速応答性
・多結晶シリコン高純度粒界制御技術,擬
似単結晶化技術,チャネル界面制御技術の
開発
高速応答性
・液晶材料の開発
低消費電力化
ィ
デ
ナノテクとしての技術課題
・蛍光粒子の微細化
高精細化
・単結晶薄膜の大きさと位置を制御
・高精度の印刷アライメント技術
高輝度化
・リン光材料開発
輝度ムラ低減
・EL膜厚制御技術
有機ELディスプレイ(EL)
長寿命化
・EL材料開発(不純物除去,アクティブマト
リックス駆動方式)
電界放出ディスプレイ(FED)
輝度ムラ低減
・CNT均一電子放出制御,CNT高密度化
表面伝導型電子放出ディスプレイ(SED)
低消費電力化
・インクジェット法による超微粒子薄膜スリッ
ト(電子放出部)形成技術
4
メモリ+ストレージ分野の技術マップ(案)
技術領域
機能
高集積化
MRAM
高速化
・磁性膜の超薄膜化による高MR比実現
高集積化
・キャパシタ電極の高精度成形
・強誘電体キャパシタの高分極化
・MOCVDによる強誘電体層の成膜技術
低電圧化
・強誘電体キャパシタの超平坦薄膜化
FeRAM
メ
モ
リ
ナノテクとしての技術課題
・加工精度の向上及び膜厚制御による動作マージンの確保
・銅配線技術の確立、MTJの構造改良
・高精度パターンニング加工、酸化膜厚制御
高集積化
OUM
(Ovonic Unified Memory)
・相変化・耐熱材料の探索
高速化
書換耐性
RRAM
(Resistance RAM)
・電極界面材料特性劣化防止
高集積化
・巨大抵抗変化メカニズムの解明
低電圧化
高集積化
有機メモリ
・メカニズムの解明、有機材料耐熱性、材料探索
書換耐性
次世代DVD
ジ
高密度化
・LDの短波長化、集光機能ガラス膜の開発
高密度化
・スラブ導波路多層化、集光機能ガラス膜の開発
ホログラフィ
書換高速化
ー
ス
ト
レ
光
記
録
磁
気
記
録
パターンドメ
ディア
高密度化
・書換可能材料の開発
・磁性微粒子の整列
光デバイス分野の技術マップ(案)
技術領域
光
デ
バ
イ
ス
機能
ナノテクとしての技術課題
光スイッチ
高速化
(切換時間短縮)
・導波路型光スイッチ用屈折率高速変化材料の開発
光分波器/光合波器
小型化
・コア/クラッド屈折率の差を大きく取れる材料の開発
光増幅
高出力化
広帯域化
・電流密度の向上およびレーザ発振の抑制
フォトニック結晶
波長制御
・点欠陥寸法形状位置制御
・ソース、ドレイン、ゲートの高精度配置
波長制御
・Siナノ粒子の微細化及び寸法制御
室温動作
・量子ドットの微小化
高速化
高感度化
・電流増倍層と光吸収層の薄膜化
ナノクリスタルシリコン
フォトダイオード
5
ナノ加工の技術マップ(例)(案)
ナノインプリンティングの課題
技術領域
機能
課題
S-FIL法
転写性能向上
・低表面ポテンシャル膜のテンプレートコーティング開発
・低表面ポテンシャル膜であるクロム膜圧の低減
LADI法
転写性能向上
・高精度(線描画能力、幅10nm、高さ5nm以上)モールド成形
μ- CP法
転写性能向上
・スタンプ時のチオール分子の下地Auへのイオン拡散制御
次世代半導体リソグラフィ用レジスト形成に対する微細化【高集積化】
ストレージ
ナノインプリンティング
半導体
製造技術
ナノインプリンティングの用途
次世代DVD (直径mn,200Gbsiでの最小ビット69nm)に対応できる広範
囲・高精度加工【高密度化】
バイオチップ
高アスペクト比のピラー形成による緻密化【高効率分離】
微小流路の大量加工【高効率化】
太陽電池
SnO2の微細加工による短波長光吸収可能な基板の作製【微細化・高電流化】
ナノ計測の技術マップ(例)(案)
ナノ計測の課題
技術領域
機能
課題(目標)
微粒子サイズ・質量
計測
高精度化
・質量1∼1000fg
・直径1∼100nm
空孔計測
高精度化
・空孔径0.5∼数nm
長さ計測
高精度化
熱計測
高精度化
・厚さ目盛り25nm
・深さ目盛り10nm
・測定厚さ ∼70nm
ナノ計測の用途
ナノ計測
ナノ計測基盤
微粒子サイズ
質量計測
低温焼結セラミックス、磁気記録用磁性材料の評価 【高精度化】
空孔計測
濾過膜、low-k膜の空孔評価【高精度化】
長さ計測
半導体微細加工の校正【高精度化】
熱計測
光磁気ディスクの記録面の熱特性評価【高精度化】
6
参考資料
表1.1991∼2000年のナノテク関連特許出願数トップ25
順位
図1.ナノ構造材料技術テーマ別特許出願人国籍別出願比較
(1990∼1998)
出願人
順位
出願人
1
NEC
14
松下電器産業
2
イーストマン・コダック(米)
15
東芝
3
日立製作所
16
バイエル(独)
3
ロレアル(仏)
17
米海軍
5
ソニー
18
科学技術振興事業団
6
カリフォルニア大学(米)
19
ゼロックス(米)
7
産業技術総合研究所
20
ナノシステムズ(米)
8
ヘキスト(独/現アベンティス)
21
デュポン(米)
9
キャリパーテクノロジーズ(米)
22
アライドシグナル(米/現ハネウェル)
10
IBM(米)
23
仏原子力庁
11
日立金属
23
スリーエム(米)
12
BASF(独)
23
シーメンス(独)
12
キャノン
(日経サイエンスが英ダウエント・インフォ社の資料をもとに作成)
表2.ナノテクノロジー市場規模予測
単位:億円
2010年
(出典)2000年度特許出願技術動向調査分析報告書
全体
191,133
主な内訳
高密度記録用磁気材料
95,813
半導体製造装置
31,950
光メモリ用材料
17,063
遺伝子治療薬
4,510
超精密加工装置
2,963
その他
約76%
38,834
※㈱三菱総合研究所と日本経済新聞による調査(2001年)
7
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