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最新・税制改正のポイント

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最新・税制改正のポイント
<ポーランド税務・会計情報>
最新・税制改正のポイント
2011 年 2 月
独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)
本資料はジェトロが PricewaterhouseCoopers Sp. z o.o. に委託して作成しました。ジェトロは同社の許諾
を得て本ウェブサイトに掲載しています。Copyright (C) 2012 PricewaterhouseCoopers Sp. z o.o.
目
次
1.2010 年の税制改正のポイント .................................................................... 1
2.2010 年に導入が見送られた税制改正のポイント ....................................... 4
3.2011 年の税制改正のポイント .................................................................... 5
本報告書の利用についての注意・免責事項
本報告書は、日本貿易振興機構(ジェトロ)ワルシャワ事務所が現地会計事務所
PricewaterhouseCoopers Sp. z o.o.に作成委託し、2011年2月現在入手している情報に基づ
くものであり、その後の法律改正等によって変わる場合があります。また、掲載した情報・
コメントは筆者およびジェトロの判断によるものですが、一般的な情報・解釈がこのとお
りであることを保証するものではありませんこと予めお断りします。
ジェトロおよびPricewaterhouseCoopers Sp. z o.o.は、本報告書の記載内容に関して生じ
た直接的、間接的、派生的、特別の、付随的、あるいは懲罰的損害および利益の喪失につ
いては、それが契約、不法行為、無過失責任、あるいはその他の原因に基づき生じたか否
かにかかわらず、一切の責任を負いません。これは、たとえジェトロおよび
PricewaterhouseCoopers Sp. z o.o.がかかる損害の可能性を知らされていても同様としま
す。
本報告書にかかる問い合わせ先:
独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)
進出企業支援・知的財産部 進出企業支援課
〒107-6006
東京都港区赤坂1-12-32
Tel:03-3582-5017
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<ポーランド税務・会計情報>
最新・税制改正のポイント
1.2010 年の税制改正のポイント
(1)付加価値税
VAT パッケージ(Dz.U.2009.195.1504)

「VAT パッケージ」と呼ばれる一連の付加価値税に係る税制改正が、2010 年
1 月 1 日付で発効した。主な変更点は以下のとおり。

国境を越えてサービスが供給される場合の VAT の取り扱いの変更
従来は、国境をまたぐサービス提供について、サービス提供者の所在国を原
則的な課税地としていたが、2010 年 1 月 1 日以後は、顧客(すなわち、サー
ビス受領者)の所在国が原則的な課税地となり、顧客が拠点を置いている国に
おいて供給されたものとして取り扱われる。
例えば、ポーランドの会社が日本へ輸送サービスを提供した場合、従来は、
実際に輸送サービスが提供された場所での付加価値税制が適用され、日本企業
にポーランド付加価値税の支払いが要請されていた。しかし、今後はそのサー
ビスは日本にて提供されたものとして、概念上取り扱われることになる(ポー
ランド国外)。その結果、ポーランドの付加価値税は、ポーランドにて提供さ
れたサービスのみに対して課されるため、上述のような場合には、ポーランド
付加価値税は課税されない。ただし、多くの例外的な取り扱いが同時に定めら
れている。

EU 域内で支払われた付加価値税の還付
従来は、付加価値税が実際に支払われた国で還付申請を行う必要があった。
改正後の付加価値税の還付申請は、申請者が拠点を置いている EU 加盟国から
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電子的な方法によってのみ行われるため、還付に関するコストの削減が期待さ
れる。
また、還付が既定の期間内に行われなかった場合には遅延利息が支払われる
が、この改正により還付期間の短縮化(6 カ月から 4 カ月へ)も図られている。
ただし、この変更は EU 域外には適用されない。

報告要請
EU 域内の会社が、他の EU 域内にある会社にサービス提供を行う場合、
「EC
Sales List」を毎月提出する必要がある(従来はそのような報告は求められて
いなかった)。さらに、EU 域内での物品の移動についても、多くの場合、月
次で報告する必要がある(以前は四半期ごと)。また、輸送サービスなど特定
のクロスボーダーサービスの提供において、その課税時点(タックスポイント)
の考え方が、他の EU 諸国と報告のタイミングを統一するために修正されてい
る。
(2)税務手続き

未払税額に対する遅延利息の増額(Dz.U.2010.197.1306)
当該改正により、未払法人税額の支払い遅延に対する延滞利息が増額されて
いる。従来は、抵当権付ローンの基本利率の 2 倍と計算されていたが、この利
率に追加 2%が上乗せされ、遅延利息は 8%を下回らないとされている。
(3)物品税

乗用車の域内取得に伴い発生した物品税-要約版物品税支払確認書
(Dz.U.2010.151.1013)
従来、関税当局はすべての乗用車について、個別に物品税支払確認書を発行
する必要があったが、2010 年 9 月 1 日より、域内取得の場合には、要約版とし
ての物品税支払確認書を発行できるようになった。これにより実務上、一つの
要約版支払確認書によって数台の乗用車の取得に対する物品税の支払いを特定
することができる。
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ただし、当局が要約版物品税支払確認書を発行するのは、ディーラーによる
新車の域内取得で、かつ長期供給契約によりショールームに展示されるような
乗用車についてのみを対象としている。
(4)地方税

地方自治体による地方税の上限税率の引き上げ(固定資産税、運搬用車両に
関する税)(M.P.2009.52.742)
地方税の税率は、地方自治体によって決定されている。地方税に関するポー
ランド法は、地方自治体が税率を設定する際に順守しなければならない上限税
率を設定している。
2010 年 1 月 1 日、地方税(固定資産税および運搬用車両に関する税)の上限
税率が、約 3.5%引き上げられた。
以下の表は上限税率に関する主要な変更点を示している。
2009年度
2010年度
上限税率
上限税率
0.74 PLN/m2
0.77 PLN/m2
居住用建物
0.62 PLN/m2
0.65 PLN/m2
事業活動に関連する建物
19.81 PLN/m2 20.51 PLN/m2
土地
事業活動に関連する土地
建物
運搬用車両
トラック:最大車両重量が3.5トン超 ~ 5.5トン以下
トラック:最大車両重量が5.5トン超 ~ 9.0トン以下
704.61 PLN
729.28 PLN
1,175.49 PLN 1,216.64 PLN
トラック:最大車両重量が9.0トン超 ~ 12.0トン未満 1,410.58 PLN 1,459.96 PLN
2,691.81 PLN 2,786.03 PLN
トラック:最大車両重量が12.0トン以上
ただし上述の変更は、必ずしも特定地域においては、地方税の増額につなが
らないことに注意する必要がある。この法定上限税率の引き上げに合わせて、
特定地域の地方税率を変更するか否かは、地方自治体にその決定権限が与えら
れている。
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2.2010 年に導入が見送られた税制改正のポイント
(1)法人税

法人税の月次前納手続き
2009 年 1 月 1 日に発表された法人税法の改正案では、12 月分の法人税額の
前払いは、翌年 1 月の 20 日までに支払われることが要請されていた。
政府はこの改正を延期し、2011 年 12 月 31 日以後開始する税務年度より適用
開始とすることを決定した。その結果、2011 年 12 月分の前払法人税は、現状
どおり 2011 年 12 月 20 日までに、11 月分と共に支払われることになる。
そして 2012 年度から、12 月分の前払法人税は、翌年の 1 月 20 日までに支払
われることになる。

外国の投資ファンド・年金基金に関する免税制度
2011 年に導入された。後述を参照。

個人使用目的で社用車を利用した場合の税務上の取り扱い – 廃案
雇用者側には、従業員が個人目的で利用する社用車の登録簿を作成する義務
がある。適切な登録簿が作成されていない場合、雇用者は車両購入価額の一定
割合を課税売上げとして認識しなければならない。(廃案となった)

私有車を、業務に利用した場合の費用負担に関する規則 – 廃案
現状の費用精算に係る損金計算方法は、実際の走行距離に1キロあたり法定
レートを乗じた金額を上限としている。改正案ではこのような制限が取り除か
れている。(廃案となった)
(2)個人所得税

雇用者による年度申告書の準備 – 廃案
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現状では、従業員の求めがあった場合もしくは特定の場合にのみ、雇用者が
従業員の代わりに年次税務申告を行う。しかし、審議中の改正案では、原則と
して雇用者が従業員の年次税務申告を行う責任を有する。(廃案となった)

個人使用目的で社用車を利用した場合の税務上の取り扱い – 廃案
改正案では、社用車を個人使用目的で利用する場合、その便益に対して個人
所得税を支払うことが要求されており、月次の課税対象所得を車両購入価額の
一定割合としている。また、雇用者側には、従業員が個人目的で利用するすべ
ての車両の登録を行う義務がある。(廃案となった)
(3)税務手続き

過払税額の還付申請手続きの変更 – 廃案
この変更は、納税者がその税額について、何らかの経済的な負担を負った場
合にのみ、過払いの税金の還付を申請できるようにするものである(たとえば、
その税額分を価格に含めず、販売先に賦課していないなど)。これによって、実
際上、間接税の過払いに対する還付申請は非常に困難になることが想定されて
いた。(廃案となった)
3.2011 年の税制改正のポイント
(1)法人税

外国の投資ファンド・年金基金に関する免税制度(Dz.U.2010.226.1478)
従来は、ポーランドの投資ファンドもしくは年金基金は法人税を免除されて
いた。しかし欧州委員会から、これは EU もしくは EEA(欧州経済領域:ノル
ウェイ、アイスランド、リヒテンシュタイン)域内の投資ファンドや年金基金
に対する差別的取り扱いであることが指摘されていた。そのため、2011 年から
は EU および EEA のファンドや基金も同様に免税対象として取り扱われる。

事業を買収した場合の税務上の価額算定(Dz.U.2010.226.1478)
現物出資によって、企業体もしくは組織化された事業の一部分が移転された
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場合、買収側がどのように取得した資産(有形・無形固定資産以外、売掛金や
棚卸資産等)を評価するかについて、従来は税務上特別な規定が存在せず不透
明であった。
今回の改訂により、現物出資を為す側の帳簿価格を基礎として、税務上の価
値を計算することが明確にされた。

ポーランド PE での外国税額控除(Dz.U.2010.226.1478)
ポーランドに PE(支店等)を有する外国企業は、PE に帰属すべき所得金額
の計算上、ポーランド国外で支払い済みの税額を損金算入できる。これは、EU
および EEA に拠点を持つ外国企業が、ポーランドに PE を有する場合に関係す
る変更である。
新規則によれば、ある所得がポーランドの PE に帰属し(租税条約に基づいて)、
かつこの所得金額が外国企業の存する国でも課税対象となっていた場合には、
ポーランド PE としての税務申告書作成上は、ポーランド国外で既に支払われた
税額については損金として算入できる権利が与えられる。今回の改正により、
これまでポーランド現地法人に認められていた権利が、PE にも適用されること
が明確となった。
例えば、ドイツ企業がポーランドに支店を有しており、ドイツでの法人税申
告の際に、ポーランド支店で獲得された所得に対する税額がすでに支払われて
いた場合、その外国税額はポーランド支店の法人税申告上、損金処理できる対
象となる。この規則は、ポーランドと他国の租税条約を補完するものである。

利息、知的財産権等から生じた所得に関する免税措置(Dz.U.2010.226.1478)
利子収入、知的財産権等から生じた所得に関する免税措置は、EU 諸国のみな
らず EEA の企業にも同様に適用される。

物品・サービス区分(PKWiU)の変更(1997 年度版から 2008 年度版へ)
(Dz.U.2010.226.1476)
税務上の目的で利用されている物品・サービス区分(PKWiU)が 1997 年版
から 2008 年版へ変更された。これは、税制諸規則を最新の物品・サービス区分
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に適合させるためである。
SEZ 許可証の書き換えの際などに影響してくるものと考えられるが、現在保
有している SEZ 許可証はこれを原因として書き換える必要はなく、税務上の取
り扱いに直接影響を与えるものではない。
無償の製品提供から生じたアウトプット VAT の損金算入性
(Dz.U.2010.57.352)

物品の無償移転取引から生じるアウトプット VAT(当局へ納付すべき税額、
自己請求)は、この移転取引が他の取引に付随して発生したものであると考え
られる場合には、法人税上損金算入コストとみなされる。
従来は、代理行為や広告活動の一環として生じたアウトプット VAT の取り扱
いについては明確な規定がなかった。2011 年 1 月 1 日より適用される。
(2)個人所得税
無償の製品提供から生じたアウトプット VAT の損金算入性

(Dz.U.2010.57.352)
上述
(3)付加価値税
物品・サービス区分(PKWiU)の変更(1997 年度版から 2008 年度版へ)
(Dz.U.2010.226.1476)

上述
VAT 税率の改定(Dz.U.2010.238.1578)

2011 年 1 月 1 日より、VAT 税率が引き上げられる。この増率改正は 3 年間の
時限立法である。

22%から、23%へ
7
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(1%増率:軽減税率が適用されるもの以外の物品・サービス取引)


7%から、8%へ
(1%増率:食料品、子供用衣類、衛生用品、医薬品、旅客サービス、給
排水サービスなど)
3%(廃止)から、5%へ
(新設:一部の食料品(肉類、魚類、乳製品、野菜、果物等)、書籍類な
ど)

インプット VAT の控除制限(Dz.U.2010.247.1652)
2011 年 1 月より、乗用車および燃料の購入に際して発生したインプット VAT
に、一定の控除制限が課される。具体的には、乗用車の場合はインプット VAT
の 60%相当額だけが控除可能に、燃料については 0%(控除が不可能)になっ
た。
インプット VAT の控除制限は、ポーランドが EU に加盟したときから存在し
ていたが、2008 年 12 月には、欧州裁判所の判決によりこの取り扱いは排除さ
れ、乗用車、燃料購入に伴って発生した VAT の全額控除が可能となっていた。

輸入 VAT の申告(法案審議中)
輸入 VAT は、VAT 申告書により、輸入日より 4 カ月以内に関税当局に対して
申告される必要がある。従来は、輸入 VAT について銀行保証が付されているこ
とを当局に提示する義務があったが、本法案が成立すれば、義務は解除される
ことが予定されている。そのため、銀行保証料の支払いは必要なくなる。

E-invoice に関する簡素化(Dz.U.2010.255.1713 など)
これまでインボイスの発行は紙ベースが原則であり、電子フォーマットを利
用するためには、電子署名が適切に認証されたものであるかなどの要件を満た
す必要があった。しかし、2011 年 1 月以降この要件が緩和され、従来の紙ベー
スのインボイスも含め、電子フォーマットでのやり取りが可能となり、実務上
の手続きが大幅に簡素化されることが期待されている。
また、従来は、修正がある都度、個々に修正インボイスを発行することが義
務付けられていたが、サマリー形式(例えば月次単位)による修正インボイス
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の発行も可能となった。ただし、金額を減額修正する場合にだけ(VAT 額が結
果として減少する場合のみ)、この取り扱いは認められている。
(4)関税関係
EU-韓国自由貿易協定(FTA)

2010 年 10 月 6 日に署名完了、2011 年 7
月 1 日より発効
FTA 発効による主要な影響、考慮すべきポイントには、以下が挙げられる:




EU および韓国を原産地とする品目の関税撤廃
関税・貿易促進制度の導入
非関税障壁の制限
貿易上の技術的障害の縮減
この FTA が、ポーランド・韓国間の輸出入取引に与える潜在的な影響として、
考慮すべき重要なポイントは以下が挙げられる:

EU および韓国を原産地とする品目の関税撤廃
FTA の発効後 5 年以内に、工業製品にかかる関税の撤廃が予定されている。
大部分の品目の関税は、発効後即時に廃止される。関税撤廃の影響を受けやす
い品目については、段階的に廃止される予定である。以下に、主な品目を例示
する。
自動車産業
液晶テレビ産業
発効と同時に、  自動車(10人乗り以上) (CN
即時撤廃され
るもの
8702) 10-16%
2.9%
 バイク(CN 8711) 6-8%
(%は現在の関  エンジン部品 (CN 8409) 2.7%
税率)
 偏光プリズム (CN 9001 20)
 シートベルト(CN 8708 21)
 バックライト(CN 9405 40)
4.7%
 ドライバIC (CN 8529 90) 3%
 ケーストップ (CN 8529 90)
4.5%
 ブレーキ (CN 8708 30) 4.5%
3年もしくは5 3年間で撤廃:
3%
5年間で撤廃:
年かけて、順次  空気ゴムタイヤ (CN 4011)
 TVモニター (CN 8528) 14%
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撤廃されるも
 TVセット (CN 8528) 14%
4-4.5%
 乗用車 (1.5L超) (CN 8703 23,
の
(%は現在の関
税率)
8703 24, 8703 32, 8703 33) 10%
 輸送用自動車 (ディーゼル)
(CN 8704 22) 22%
 セットトップボックス (CN
8528) 14%
 DVDプレーヤー、レコーダー
(CN 8521 90) 13.9%
5年間で撤廃:
 乗用車(1.5L以下) (CN 8703 21,
8703 22, 8703 31) 10%
 電気乗用車 (CN 8703 90) 10%
 輸送用自動車 (ディーゼル)
(CN 8704 21, 8704 23) 10-22%

関税・貿易促進制度の導入
通関手続き、貿易業務の簡易化、効率化 (通関手続きに係るコスト削減、
出荷前調査の排除など)。これらの恩恵は、AEO(Authorised Economic
Operator)資格を有する企業から、まず適用されるものと考えられる。

非関税障壁の制限と貿易上の技術的障害の縮減
貿易取引上のさまざまな技術的な障害(各種テストや資格付与、その他手続
き上の標準化など)が排除されると期待されている。

関税還付手続きの適用
例えば中国などの第 3 国からの部品を輸入し、その部品を使用した最終製品
を輸出した場合、第 3 国からの輸入部品に対して支払った関税の還付申請を行
なうことができる。
ポーランド・韓国間の貿易取引上、免税措置の恩典を受けるためには、対象
となる輸入物品が EU もしくは韓国が原産地であることを証明する「特恵原産
地証明(Invoice Declaration)」を得ている必要がある。
特恵原産地を有するものとして取り扱われるためには一定の条件がある。品
目によって条件は異なるが、たとえば EU もしくは韓国を原産地として認めら
れるためには、製品の製造に使用された外国産原材料の比率が、工場出荷時点
価格の 50%未満でなければならないなどのルールがある。
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そのため、EU・韓国 FTA による関税面でのメリットを享受するためには、
FTA で認められた特恵関税に関する原産地規則を適切に満たしているかを検証
するために、原産地の分析を実施することが望ましい。つまり、EU(もしくは
韓国)へ輸出される物品の製造過程において、その韓国(もしくは EU)の製造
業者へ部品などを供給している取引先を明確にしておく必要がある。
さらに物品の原産地については、
「特恵原産地証明」に加え、輸出業者が保管
する特定の証憑書類によって証明する必要がある。このため、韓国(もしくは
EU)から EU(もしくは韓国)に物品を輸入している企業は、必要書類につい
て、取引先とあらかじめ適切な合意を取りつけておくことが肝要である。
物品の原産地を証明するこれらの文書は、関税当局によって認められた「認
定輸出業者」が発行したもののみが有効とされるため、EU の輸入業者は、取引
先の韓国企業(サプライヤー)が、韓国の関税当局より「認定輸出業者」の資
格を適切に入手していることを確認することが求められる。
また、特恵関税率の適用が、関税コード分類に基づく点には注意を要する。
このため、輸入品の関税コード分類が適切に行われているかを精査しておくこ
とが重要となる。この検証を通じて、関税分類が適切か、輸出業者が適切に原
産地規則の運用を行ってきているか、対象物品の輸入にあたって FTA に基づく
関税撤廃の便益を将来的に享受することができるかの判断が可能となる。
このように、ポーランド・韓国間の貿易取引に際し、この関税メリットを確
実に活用するためには、該当物品の原産地証明を適切に取得しておく必要があ
り、FTA の発効にあわせ、輸出業者や輸入業者と協調することが肝要となる。
(5)地方税

地方自治体による地方税の上限税率の引き上げ(固定資産税、運搬用車両に
関する税)(M.P.2010.55.755)
地方税の税率は、地方自治体によって決定されている。地方税に関するポー
ランド法は、地方自治体が税率を設定する際に順守しなければならない上限税
率を設定している。
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2011 年 1 月 1 日、地方税(固定資産税および運搬用車両に関する税)の上限
税率が、約 3.5%引き上げられた。
以下の表は上限税率に関する主要な変更点を示している。
2010年度
2011年度
上限税率
上限税率
事業活動に関連する土地
0.77 PLN/m2
0.80 PLN/m2
事業活動に関連する建物
20.51 PLN/m2 21.05 PLN/m2
ただし上述の変更は、必ずしも特定地域においては、地方税の増額につなが
らないことに注意する必要がある。この法定上限税率の引き上げに合わせて、
特定地域の地方税率を変更するか否かは、地方自治体にその決定権限が与えら
れている。
(報告書作成委託先現地会計事務所:PricewaterhouseCoopers Sp. z o.o.)
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