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2016年3月タイ特有の会社設立時の税務留意点ついて

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2016年3月タイ特有の会社設立時の税務留意点ついて
タイ特有の会社設立時の税務留意点ついて
バンコック駐在員事務所
小沢
康正
サワディーカップ。今回は『タイ特有の会社設立時の税務留意点』についてレポート致します。
日本から多くの企業が海外進出されていますが、日本とは異なる特有の税制に、経営者の皆様は悩まれている
ことと思います。
今回はタイ特有の会社設立時の税務留意点についてまとめました。F/S への活用や今後の投資計画の一助とし
ていただければ幸甚です。
タイで会社設立後、税務に関して必ず必要となる手続きに VAT(付加価値税)登録があります。
タイでは会社設立と同時に会社番号が与えられ、それが法人税の納税者番号となりますが、VAT 登録は別途行
う必要があります。1 年間の課税売上高が 180 万バーツ以上(約 5 百万円)となる場合には登録が強制され、
設立当初しばらく売上が見込めなくても、設立後に生じる工場の建設工事、事務所内装、備品購入等といった
取引には VAT が課税されるため、支払った VAT を将来の売上の VAT と相殺すべく申告しておく必要があります。
VAT 登録に必要な資料
・オーナーの Letter of Consent(同意書)
・賃貸ビル自体のタビヤンバーン(住居登録証)
・事務所物件の賃貸借契約書
・会社登記事項証明書
・月間予想売上高の情報やサイン権のある取締役 1 名のパスポートコピー等
また会社設立後よくあるケースとして親会社立替費用の精算があります。
タイ子会社設立前に、不動産の契約を一時的に親会社名義で行い、前払い家賃等のタイ子会社費用を親会社が
負担することはよくあると思います。日本の税務上、原則として、海外子会社設立後における海外子会社に係る
経費は損金参入が認められないことから、これらの経費は海外子会社へ請求することになります。親会社は Debit
Note(支払請求書または伝票のこと)を英文で作成し、タイ子会社へ請求することで、タイの税務上の損金処理
が可能となります。
親会社立替費用精算の流れ(オフィス賃貸借契約の例)
①親会社がタイ子会社に変わりオフィス賃貸借契約を締結し前払家賃を支払う
②会社設立
③VAT 登録
④親会社が契約した賃貸借契約をタイ子会社へ名義変更
⑤親会社が立替払いした前払家賃等は親会社が Debit Note を発行して子会社へ請求する
グローバルに事業展開する企業にとって税務は悩みの種です。クロスボーダーで資金を動かす時は各国の税制
への理解が必要不可欠となりますので、顧問税理士にご相談して下さい。
201603 広告審査済
※参考文献:朝日税理士法人・東京(2015 年 11 月 20 日)『ASEAN 諸国との国際税務』
中央経済社出版
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