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中・東欧ミニ情報 中・東欧ミニ情報
中・東欧ミニ情報 中・東欧ミニ情報 《換金事情》 ポーランド 両替所「カントル」が普及 都市部では、街中に政府公認の両替所 「KANTOR(カントル)」が点在している。た いてい「KANTOR 」や「EXCHANGE」と大 きく表示してあるため見つけやすい。換金レー トはホテルや空港より良く、手数料は取られな い。また、24時間営業の店舗もあり、旅行者や 外国人ビジネスマンにとって便利である。カン トルが普及しているためか、銀行での両替業務 はあまり発達しておらず、街中には換金業務を 行う銀行の窓口も見当たらない。 カントルでは、米ドル、ユーロはもちろん、 そのほかの欧州諸国の通貨にも換金できる。旧 ソ連諸国の通貨も取り扱っているところが多 い。日本円を扱っているカントルは少ないが、例 えば日系企業が多く入居しているワルシャワの LIMセンター(マリオットホテルの上層階を占め るビジネスセンター。住所:Al.Jerozolimskie 65/79)のカントルであれば、日本円を扱って いる。 社会主義時代や市場経済移行直後のように外 貨を蓄えておく必要が薄まったこと、海外旅行 の際にクレジットカード払いが一般的になって きたことから、市民の換金の機会は減っている。 このため、カントルの数は年々減少しつつある。 2001年には3,728店舗あったが、2002年はそのう ち100店舗以上が姿を消した。 チ ェ コ 両替はレートを見て使い分け チェコ・コルナ(CZK)は、5,000、2,000、1,000、 500、200、100、50コルナの紙幣、および50、20、 10、5、2、1コルナの硬貨が流通している。この ほかコルナの10分の1の単位であるハレーシュ(ha) 硬貨も、50、20、10haがあるが、20、10ha硬貨は 2003年6月に姿を消す。1コルナは約4円である。 数年前まで両替は銀行でというのが定番であ ったが、現在は街中の両替屋の手数料が下がり、 レートもかなりよくなっているので、中には銀 行で替えるより有利なところもある。また、両 替屋は営業時間も銀行より長く、土日・祝日も 248 開いているところが多いので便利。ホテル、デ パート、商店等はレートが悪いので避けたほう がよい。 コルナへの両替は、米ドル、ユーロで持ち込 むのが一般的。円も大方問題なく両替できるが、 円のT/Cは法外な手数料を取られることが多 い。最近ではコルナの外貨への両替もどこでも 問題なくできるようになった。ただし、円への 両替は円の流通量が安定していないため、希望 の金額が両替できないこともある。 一方、クレジットカードは大手のものであれ ば、外国人が多く出入りするような店ではたい てい通用し、JCBも大抵使えるようになった。 JETRO ユーロトレンド 2003.3 ハンガリー お薦めは街中の換金所 ハンガリーでは、2001年6月に為替管理制度 が自由化された。しかし、換金業務は商業銀行 とその系列の代理店に限定されているので、道 で言い寄ってくる人と換金をすると違法行為と なる。 ホテルでもフォリントへの換金はできるが、 フォリントから他の通貨への換金ができないこ と、手数料が5∼6%と高いこと、換金レート が非常に悪いことがあるので、緊急の場合以外 はお薦めしない。 市内の銀行であればどこでも換金業務を行っ ているが、一回の取引が30万フォリント(約15 万円)を超える場合には、身分を証明する必要 がある。 お薦めは、街中の銀行系列の換金所である。 系列銀行と同じレートで換金でき、ほとんどの 場合、手数料はとられない。銀行により換金レ ートが違うことはある。また、換金所で働く人 は、外国語の習得を含めた換金業務の訓練を受 けているので、コミュニケーションの面でも安 心できる。 ブダペスト市内であれば、日本円の換金も可 能である。 ルーマニア 最近はユーロが人気 ルーマニアでは、主要基軸通貨への両替が可 能だが、一般にドルとユーロへの両替が好まれ ている。これまでは圧倒的にドルが多かったも のの、最近はユーロの人気が高まっている。ユ ーロ、ドル以外の外貨にはほとんど交換されて いない。日本円の両替が可能な銀行は限られて いる。 中央銀行は週に5日、国内通貨レイの為替レ ートを発表している。ルーマニアは2007年に EU加盟を目指していることから、交換レー トの基本になっているのはユーロである。な お 、 交換レートは中央銀行のウェブサイト (http://www.bnro.ro/def_en.htm)で公表され ており、1月23日現在、1ユーロ=35,859レイ、 1ドル=33,351レイである。 換金場所は、銀行、公認の両替所、ホテル、空 港などである。交換レートが良いのは、銀行、 両替所、ホテル、空港の順であるが、大きな差は ない。街の両替所は毎日レートが変わり、両替 所間でも若干の差がある。 ルーマニアでは交換手数料を取らないところ が多い。銀行、ホテル、空港の場合は手数料が 不要である。両替所も多くは手数料を取らない が、最近手数料を取るところも出てきた。手数 料は1∼2%から6∼8%と両替所によって大 きく異なる。 T/Cを換金できるのは銀行のみで、交換レー トも悪く、手数料も取られる。 ブルガリア 両替商での交換が有利 ブルガリアの通貨レバはユーロとの交換レー トが固定されている(1ユーロ=1.95583レバ) 。 ブルガリアでは、2002年にエネルギー価格が4 割も引き上げられたにもかかわらず、消費者物 価上昇率が5.8%と比較的安定しているのはこの ためだ。 ユーロ圏に接する中・東欧諸国の国境の町で は、ユーロでの支払いが可能というのはよく見 られる光景だが、ソフィア市内でユーロや米ド ルで支払いをしようとしても、一般的には断ら れることが多い。筆者も夜、ホテル横の中華料 理店でユーロでの支払いを断られ、夜中に隣の ホテルに駆け込んでレバに交換してもらった経 JETRO ユーロトレンド 2003.3 験がある。 このようにブルガリアでは、レバの信任が厚く、 つまり、それだけ両替商が必要とされており、 街中では多くの両替商を目にする。また空港や ホテルでの交換率は悪いが、街の両替商ではほ ぼ固定レートに近い率で交換できる。 一方で、ホテルでの支払いはレバ建てとなっ ていることが多く、ホテルで支払いをユーロで 行うと、固定レートよりも 割以上不利になる 場合もある。 ソフィア空港から市内までのタクシー代は4 レバ程度なので、空港での両替は最小限にして、 両替は市内の両替商で行うこと、また、金額の 大きい支払いをホテルで行う場合は、事前に両 替商で交換しておくことが勧められる。 249