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Eichrom Technologies 社製品のご紹介
Eichrom Technologies 社について Eichrom Technologies 社は、米国アルゴンヌ国立研究所の化学部で開発した化学的分離技法を商品化する ために、1990年に設立されました。以来、放射化学、地球化学、有害金属分析そしてダイオキシンや関連化合物 の環境スクリーニングの各分野における新商品開発とその製品化の最先端を常に歩み続けております。 Eichrom Technologies 社の抽出クロマトグラフィーレジンのラインナップは、様々なサンプルマトリクスか らのアクチノイドや核分裂生成物を化学的分離するための画期的な新しい方法にご使用いただけます。今やこれら の製品は、米国環境保護庁(EPA)や国際原子力機関(IAEA)、日本の文部科学省等、放射線分野における正規認定 研究所や規制機関でスタンダードな技法の一つとして使用されております。 また、Eichrom Technologies 社は湿式冶金法、ボトル水の精製や放射性廃棄物処理に使われているホスホン 酸基イオン交換樹脂シリーズについても特許を取得しています。 2004年、Eichrom Technologies 社はフランス国レンヌに水質試験室を立ち上げました。ヨーロッパにおけ る飲料水やボトル水の分析に、同社のユニークな放射化学分析法が適用されています。 そ し て2008年、Eichrom Technologies 社 は 放 射 線 遮 蔽 機 関 と し て 米 国 Nuclear Power Outfitters (NPO)を買収しました。放射線防護分野において30年以上にわたる経験を持つ NPO は、ALARA(As Low As Reasonably Achievable)の目的に見合う放射線遮蔽業界のリーダーです。NPO は、米国海軍や米国エネ ルギー省、原子力発電所向けに、鉛ブランケットや送気マスク、タングステン製フレキシブル遮蔽および特注品 等を含む様々な遮蔽材を製造しています。NPO による放射線遮蔽解決に関する詳細は、NPO のウェブサイト www.alarasolutions.com をご覧下さい。 現在、Eichrom Technologies 社は米国シカゴ郊外とフランス国レンヌに事務所を構え、総合的なカスタマー サービスとテクニカルサポートを、日本を含む全世界に提供しております。 本カタログに記載されている価格に消費税は含まれておりません。また、価格は予告なく変更される場合がございます。 ■2■ 目 次 Eichrom Technologies 社製品のご紹介 商品名 Actinide レジン Beryllium レジン カラーコード ●黄色 DGA レジンシリーズ CL レジン ●茶色 使用目的 ページ Group actinide separations/gross alpha measurements & Be Analysis 6〜8 Actinides, Lanthanides, Y, Ra 9〜11 CL, I 12〜13 Cs 14〜15 Cu 16〜17 Diphonix®イオン交換樹脂 Actinides and transition metals 18〜19 分析用イオン交換樹脂 Analytical grade cation and anion exchange resins 20〜21 Cs レジンシリーズ Cu レジン Ln レジンシリーズ ●ベージュ ●紫 Lanthanides, 228 Ra 22〜24 プレフィルターレジン Organics removal MnO2レジン Ra 26〜27 25 Nickel レジン ●ピンク Ni 28〜29 Pb レジン ●黒 Pb 30〜31 Th, U, Np, Pu, Am, Cm, rare earth elements 32〜33 RE レジン Sr レジン ●赤 Sr, Pb, Po 34〜35 TEVA®レジン ●緑 Tc, Th, Np, Pu, Am/lanthanides 36〜14 ³H 40〜41 Tritium カラム TRU レジン ●青 Fe, Th, Pa, U, Np, Pu, Am, Cm 42〜44 UTEVA®レジン ●オレンジ Th, U, Np, Pu 45〜47 付属品 レンジカートリッジおよびカラム用付属品 48〜49 ResolveTM Filters シリーズ Alpha spectroscopy source preparation and Radiological Air Monitoring 50〜53 主な使用目的は青字で記載されています。 セクション 内 容 ページ 製品の概要 放射化学分析のためのサンプル調整用製品 4 原理の概要 抽出クロマトグラフィーの原理の概要 5 アプリーケーションノート Eichrom Technologies 社が発行した製品に関するアプリケーションノート 54 分析法一覧 Eichrom Technologies 社の公開分析法一覧 55 Compendial Methods Eichrom Technologies 社製品を使用した分析技法 推奨文献目録 56〜57 Eichrom Technologies 社製品を取り上げた技術論文 58 テクニカルアプリケーションペーパー 59 最新のプレゼンテーション 様々な会議で発表された Eichrom Technologies 社製品に関するプレゼン テーション 60〜61 FAQs Eichrom Technologies 社製品に関するよくあるご質問 62〜63 ■3■ 放射化学分析のためのサンプル調製用製品 Eichrom Technologies 社は、アルゴンヌ国立研究所 で独自開発された3種類の新しい抽出クロマトグラフィー レジンを製品化するために1990年に設立されました。 現在、それらは Sr レジン、TRU レジン、UTEVA® レジン と名付けられ、アクチノイドと放射性ストロンチウムの 分析研究において大きな役割を果たしています。その後、 抽出クロマトグラフィー用新素材、分析用イオン交換樹 脂、アルファ線スペクトロメトリーにおける光源調整用 高性能フィルター等が加わり、放射化学者や地球化学者 のサンプル調製のニーズに応える広範囲の製品ラインが できあがりました。これらのレジンは研究室での省労力化 に直接つながります。重力フローや真空補助器を使用 することのできる充填済の形式になっているため、とても 簡単にご使用いただけるようになっております。 本 カ タ ロ グ で は、Eichrom Technologies 社 の 放 射 化 学 の 製 品 に 関 す る 技 術 情 報 と 商 品 番 号、Eichrom Technologies 社で開発された分析法の一覧、第三者機関 から発表された分析法およびアプリケーションノートを 紹介しております。抽出クロマトグラフィーの原理の概要 も記載されております。分析法の完全版やニュースレター およびEichrom Technologies 社 製 品 や プ レ ゼ ン テ ー ションに関する参考文献目録は Eichrom社のウェブサイト www.eichrom.com をご覧下さい。日本のユーザーの皆様 には、Eichrom Technologies 社の総代理店権を有する 桑和貿易株式会社のウェブサイトwww.sowa-trading.co.jp からもその詳細をご覧いただけます。さらに、ウェブ サイトからは参考文献目録のいくつかを著作権法の許す 範囲で入手できるようになっており、もしくは発行元に リンクできるようになっております。 Eichrom Technologies 社 は 画 期 的 な 化 学 分 離 方 法 を1990年 代 に 製 品 化 し ま し た。 現 在、 知 識 豊 富 な 化学者で構成された同社の開発チームによって作られた EichromTechnologies 社の分析化学製品は、世界中の 正式な認可を受けた研究所や管理機関から高い評価と 信頼を得ています。 ■4■ 抽出クロマトグラフィーの原理の概要 抽出クロマトグラフィーは、様々なサンプルからの放射性核種の分離に最適な方法です。この方法は、液 - 液抽出の選択性と カラムクロマトグラフィーの使いやすさを兼ね備えています。下の表には、Eichrom Technologies 社が製造する抽出クロマト グラフィーレジンが記載されています。 左の図は、抽出クロマトグラフィーレジンで用いられている抽出クロマトグラ 多孔質ビーズの表面 フィーシステムの3つの要素、すなわち不活性支持体、固定相そして移動相の 拡大イメージ図です。不活性支持体は、直径50 ~ 150μの多孔質シリカもしくは 有機ポリマーで構成されています。これ以外の粒径についても特別なアプリケー ション向けに研究されています。固定相としては、液体抽出剤を単一もしくは 混合物のいずれかで用いました。抽出剤の可溶化を促進したり、固定相の疎水性 を増加させるために希釈剤を入れたりすることもあります。 固定相 本抽出クロマトグラフィーシステムでは、移動相は通常、 硝酸や塩酸等の酸性溶液を用いており、また選択性を向上させ 不活性支持体 移動相 たり、強く保持された金属イオンをカラムから揮散するために シュウ酸や塩酸等の錯形成剤が頻繁に用いられます。 分離の達成 抽出クロマトグラフィーで分離を行うためには、抽出バンド 幅を充分狭くすることにより、分離したい成分の早期破過と過剰な二次汚染を防 がなければなりません。固定相を含む抽出剤がある1つのイオンに対して非常に 高い選択性を示していたとしても、広い抽出バンド幅に表されるようにカラム効 率が悪いと、実際には実用的ではないと言えます。カラム効率とは一般的に理論 段数相当の高さによって表されます。段数の高さは多数の物理的要因と化学的要 因の複合関数です。抽出クロマトグラフィーシステムにおけるカラム効率は主に流動現象、固定相における拡散と抽出反応速度 によって決まります。カラム効率に対するそれら3つの相対的重要性は、特定の化学系、支持体の粒径と気孔率、抽出剤の装填 と移動相の速度、そして作業を行う温度によって決まります。 選択性の実現 下に列記した抽出クロマトグラフィーレジンは、広範囲の選択性をカバーしており、核分裂生成物や、各アクチノイド元素の、 もしくはアクチノイドの多くの新しい高効率な分離を行うことができます。各レジンの章で記載されている図は、主要なアクチ ノイドと非アクチノイドの回収における酸濃度依存性を示しており、分配係数 k’ 値によって記載されます。下の表は主要なレジン の重要な特性のまとめたものです。 購入可能な粒径(μ) 20 ~ 50、50 ~ 100、100 ~ 150 層密度(g/mL) 0.33 ~ 0.39 FCV* 65 ~ 69 *FCV =フリーカラムボリューム(カラムの空隙容量) 詳しくは、p.62をご覧下さい。 抽出クロマトグラフィー レジン 抽出剤と金属元素の割合に基いた ベッドの Mmol/mL 50%最大充填(ベッドの mg/mL) * 実験的に決定 Actinide 0.18(U) 8.6(Nd)、21(U)、14(Am) DGA & DGA ブランチド 0.083(Eu) 6.3(Eu) Ln, Ln2, Ln3 0.12、0.091、0.094(Eu) 9.1、6.9、7.1(Eu) Sr & Pb 0.14(Sr、Pb)& 0.11(Pb、Sr) 6(Sr)、14(Pb)& 11(Pb)、4.7(Sr) TEVA® 0.16(Th、Np、Pu) 15(Pu) TRU 0.036(Am) 4.5(Am) UTEVA® 0.25(Th、U) 32(U) ■5■ Actinide レジン Eichrom Technologies社 製 の Actinideレ ジ ン は、 右 図 の DIPEX® 抽 出 剤 を 用 い た 製 品 で す。 こ の レ ジ ン に は、 アクチノイド元素に対して極めて高い親和性があります ( 右 下 図) 。酸濃度が1M に満たない場合、Actinide レジンの アクチノイド元素に対する保持率は、TRU レジンより、 はるかに高くなります。したがって、Actinide レジンは、 大容量の水溶性サンプルからのアクチノイドの予備濃縮に 非常に有効だと言えます。つまり、Actinide レジンは水溶性 放射性廃液中のアクチノイド元素のモニタリングに理想的 なレジンです。このレジンは、バッチで接触させ、その後、 液体シンチレーション測定法で直接測定を行うことができ るため迅速な測定が可能です。 アルゴンヌ国立研究所のE. Philip Horwitzらは、Actinide レ ジ ン を 使 用 し て 酸 性 に し た 河 川 水 か ら Am を 回 収 し、それを測定しました。Actinide レジン量とサンプル 量の比率を変えて行った研究の結果は下の図の通りで、 1gのレジンで4L までの水からは99%、10L までの水から は90% の Am が回収されることが解りました。 追加実験により、一般的に全アルファ線の測定でみられる放射性核種 の予備濃縮には、同じように Actinide レジンが使えることが解りました。 Eichrom Technologies 社の分析法については桑和貿易株式会社までお 問合せ下さい。この分析法は、フランス電離放射線防護局(OPRI)後援 の下行われたヨーロッパの水中アルファ線放射能量の相互比較テストに おいて、オランダ国立公衆健康研究所(RIVM)の Pieter Kwakman が 用いました。彼の分析法では、0.3g の Actinide レジンと10mL の水溶 性サンプルを4時間バッチ接触させるというものでした。なお、液体シンチレーション測定を4時間行うと、検出限界は0.03Bq/L (0.8p Ci/L)になりました。 Kwakman の研究所で得られた結果は OPRI の設定値と極めてよく一致し、また代表的な研究所の結果よりも、明らかに誤差 が小さいものでした。彼の研究結果は、2002年5月にパリで行われたヨーロッパの Eichrom Technologies 社製品ユーザーズ ミーティングで発表されました。 ■6■ 様々な元素に対する Actinide レジンの最大保持量は下の図をご参照下さい。このレジンは、アクチノイド元素、特に + Ⅵ価の U( レジン1mL 当たり50mg) と + Ⅳ価の Th( レジン1mL 当たり30mg) によく機能していることが解ります。 Metal mmol/g res mmol/mL bed mg/g res mg/ml bed Th(IV) U(VI) 0.371 0.612 0.131 0.215 86.1 145.7 30.3 51.3 Nd(III) 0.315 0.111 45.4 16.0 Fe(III) 0.575 0.202 32.1 11.3 Ca(II) Ba(II) 0.369 0.328 0.123 0.115 14.8 45.0 5.2 15.8 アクチノイド元素の保持力に対する Feの影響は、放射化学においてしばしば 懸念されることです。下の2つの図は、 様 々 な 塩 酸 溶 液 中 の Am( Ⅲ )の 保 持 に 対 す る Fe( Ⅲ )と Fe( Ⅱ )の 影 響 を 表しています。第二鉄イオン [Fe(Ⅲ)] が大きな影響を及ぼすのに対し、第一鉄 イオン [Fe(Ⅱ)] の影響はごくわずか であることが解ります。Fe イオンの濃度が高いと思われる Fe サンプルには、アスコルビン酸等の還元剤を加えることにより Am の保持力に対する Fe の影響を最小限に抑えることができます。 HFとして加えられたフッ化物の影響は右の図に示されています。アクチノイド元素 の抽出は、HF から特に大きな影響を受けることはありません。このような特性に より、Actinide レジンは塩酸/フッ化水素溶液で分解した土壌サンプルから直接 アクチノイド元素を予備濃縮することができます。HF濃度が1M以下であれば、土壌 サンプル中のケイ素塩を溶解する際に用いられる HF が Actinide レジンのアクチ ノイド元素の抽出率を大幅に下げることはありません。このレジンにおけるアクチ ノイド元素の保持力はかなり高いため、このレジンからアクチノイド元素を効果的に 溶離することはできません。その代わりに、イソプロパノールを用いて DIPEX® 抽出剤を溶かす必要があります。詳細は桑和貿易株式会社までお問合せ下さい。 Actinide レジン 粒 径 容 器 Bottles 100-150µ Columns (2mL) DIPEX® Extractant Bottle 数 量 商品番号 25g AC-B25-A 50g AC-B50-A 100g AC-B100-A 200g AC-B200-A pkg of 20 AC-C20-A pkg of 50 AC-C50-A pkg of 200 AC-C200-A 10g AC-SX-10 価 格 ¥92,000 ¥163,000 ¥280,000 ¥489,000 ¥70,000 ¥153,000 ¥548,000 ¥93,000 ■7■ Beryllium レジン 慢性ベリリウム症(CBD)は、過去から現在の米国エネ ルギー省(DOE)で働く人達に100例以上も確認されてい ます。その病気は深刻で、米国エネルギー省は、同省の 労働者を汚染粉塵の被ばくから守るため、1999年に CBD 防止プログラムである10CFR(連邦規則基準)Part850 を公布しました。このプログラムでは、潜在的な健康上の 危険を特定するために、空気と汚染された可能性のある表 面を頻繁に観察することが要求されています。産業衛生 コミュニティーは、職場における許容可能な Be レベルを 低減し、全産業における CBD の実例を今後減らすことを 目指して、防護手段を再検討しています。 米 国 テ ネ シ ー 州 オ ー ク リ ッ ジ の Y-12 National Security Complex の 科 学 者 か ら の 要 望 で、Eichrom Technologies 社は、表面を拭き取って行う Be 測定の 効率を向上させる新しい方法を開発してきました。この 方法は、従来のICP-AES(誘導結合プラズマ発光分光分析) と同じ分析法で行うことができます。表面の拭き取り (スワイプ)を行った後、スワイプサンプルを酸で分解し、 ICP-AES で 分 析 を 行 う 前 に、Eichrom Technologies 社製の Beryllium レジンを使用してスペクトルを妨害す る元素を取り除きます。これにより、ICP-MS(誘導結合 プラズマ質量分析)で再測定する手間が省けます。Y-12 ではこの方法を用いた初期検査を完成させ、2005年3月 に カ リ フ ォ ル ニ ア 州 サ ン デ ィ エ ゴ で 行 わ れ た Spring ACS National Meeting に お い て そ の 成 果 を 発 表 しました。Eichrom Technologies 社や PG Research Foundation の研究とアプリケーション成功例データもま た、2005年の米国化学会(ACS)で発表され、Talanta誌 や Solvent Extraction and Ion Exchange 誌 で 公 表 されました。 Beryllium レジンは、1種類の粒径(50 ~ 100μ)で 図1:粒径50 〜 100μの Beryllium レジンの充填済2mL カートリッジ 上での Be, Ce, U, Zr, Nb の溶離挙動。流速2mL/ 秒、22℃。 製造されています。真空補助器で使うことができる充填済 導入溶液: Be, Ce, U, Zr, Nbが各140μgスパイクされたΦ=5.5cm の の2mL カ ー ト リ ッ ジ も 販 売 し て い ま す の で、 す ぐ に 無灰ろ紙を、硫酸と過酸化水素水で分解、硝酸で10mL に希釈、3.4M ご使用いただけます。 の酢酸ナトリウムによって pH1に中和した溶液です。 Beryllium レジン 粒 径 50-100µ 容 器 数 量 商品番号 価 格 Bottle 10g BE-B10-S ¥55,000 pkg of 25 BE-R25-S ¥78,000 Cartridges (2mL) pkg of 50 BE-R50-S ¥141,000 pkg of 200 BE-R200-S ¥510,000 なお、Beryllium レジンは2014年末で製造中止となりました。前ページの Actinide レジンが代替品となります。 詳細は、桑和貿易株式会社までお問合せ下さい。 ■8■ DGA レジンと DGA ブランチドレジン Eichrom Technologies 社製の DGA レジンは、抽出 剤そのものが、N,N,N’,N’,-tetra-n-octyldiglycolamide (ノーマル DGA レジン)もしくは N,N,N’,N’,-tetrakis-2éthylhexyldiglycolamide(DGA ブランチドレジン)の 抽出クロマトグラフィー材料からできたものです。DGA 分子の構造は、上の図に示されているように、Rグループ は直鎖、もしくは分岐した C8グループです。両 DGA レジンの層密度は、約0.38g/mLで、レジン1mLにつき Srを 7.23mg、Ybを11mg抽出することができます。 90 両 DGA レジンは、Am に対してある条件下で極めて 高い親和性を示し、別の条件下では容易に溶離します (右の図をご覧下さい) 。Diphonix® レジンは、Am(Ⅲ)に 対し高い親和性を示しますが、DGA レジンを使用する時 ほど容易には溶離しません。TRU レジンも、0.5 ~ 5M 硝酸において保持係数が100という、Am(Ⅲ)に対する 高い親和性を示します。この酸濃度範囲では、両レジン 22℃で1時間の平衡時間における、硝酸濃度に対するノーマル DGA レ ジ ン と DGA ブ ラ ン チ ド レ ジ ン(50 〜 100μ)の Th(Ⅳ) 、U(Ⅵ) 、Am(Ⅲ)そして Pu(Ⅳ)の分配係数 k’ 値です。 とも Am(Ⅲ)の分配係数 k’ 値は、TRU レジンに比べて 30 ~ 500程高くなります。 DGA レジンは、弱い保持力が原因で起こる破過を心 配することなく Am(Ⅲ)を選択的に分離することが可能 です。Am(Ⅲ)は、5M 硝酸もしくは塩酸の条件で DGA レジンへ強く固定され、0.01M硝酸もしくは0.01M塩酸 で溶離されます。 U、Pu、Th の保持力の分析結果も図に示しました。 図では、より高い Pu/Am の分離係数がノーマル DGA レジンにより得られたことを示しています。検討した 酸濃度全範囲に渡り、レジンは、Pu(Ⅳ)に対し保持係数 が分配係数 k’ 値>3000の強い親和性を示しています。 DGA レジンに対する U と Th の親和性は、酸とその濃度、 そして DGA レジンの種類によって決定されます。これ らのデータが示すように、TEVA®レジンとDGAレジン を組み合わせることで、U と Am を DGA レジンに保持 したまま、まずは4価の元素を TEVA® レジンで抽出 することができます。初めに U が0.5M 硝酸で、続いて Am(Ⅲ)が0.5M 塩酸で溶離されます。 22℃で1時間の平衡時間における、塩酸濃度に対するノーマル DGA レ ジ ン と DGA ブ ラ ン チ ド レ ジ ン(50 〜 100μ )の Th(Ⅳ) 、U(Ⅵ) 、Am(Ⅲ)そして Pu(Ⅳ)の分配係数 k’ 値です。 ■9■ Ra/Ac の分離 左の図は、塩酸と硝酸中の Ra と Ce の 分配係数 k’ 値の酸濃度依存性を表したも のです。硝酸溶液において、Ra はレジン (1< k’Ra <7)に対して全くの親和性を示 しません。しかし、濃度が1M 以上の硝酸 溶液においては、Ce の値は1000より大き くなります。AcとCeは同じような抽出挙動 を示していると考えられるため、濃度が 1 〜 3M の硝酸において Ra が溶離される 間、Ac はレジン上でよく保持されると推測 されます。その後、Ac は低濃度の酸で溶離 されます。塩酸溶液において、分離が効率 的に行われる濃度は8M(選択性α(Ce/Ra) >104)です。その後、Ce(もしくは Ac) は低濃度(<0.5M 塩酸)で溶離することが できます。 Y/Sr の分離 下の図は、ノーマル DGA レジンの4つのアルカリ土類の陽イオンの吸着を示したものです。塩酸からほとんど抽出されず、 Sr と Ca だけが濃度約0.5M から5M の硝酸条件において、やや抽出されているのが解ります。次のページの図は、硝酸と塩酸の 条件下における Sr と Y の抽出を比較したものです。どちらの酸条件でも、全ての濃度範囲において Y(Ⅲ)は Sr(Ⅱ)に比べて レジンにより強く保持されています。Eichrom Technologies 社製の Sr レジンと DGA レジンを組み合わせることで、放射性 医薬品の精製やシングルステップで89/90Sr 測定のための Sr/Y 分離を行うことができます。 最後に、次のページの図に、様々な遷移とポスト遷移元素の抽出を示しています。Bi は、全ての濃度範囲の硝酸と塩酸の両方 の条件において保持されています。分析のために Bi の汚染除去が必要な場合は注意が必要です。 ■ 10 ■ ノ ー マ ル DGA レ ジ ン と DGA ブランチドレジンを湿らせること は困難であるため、充填済カー トリッジの使用を推奨します。 DGA レジン 粒 径 容 器 Bottles 50-100µ Cartridges (1mL) Cartridges (2mL) Normal Extrantant Bottle 数 量 商品番号 10g DN-B10-S 25g DN-B25-S 50g DN-B50-S pkg of 50 DN1ML-R50-S pkg of 200 DN1ML-R200-S 50-100µ Branched Extrantant Cartridges (2mL) Bottle ¥35,000 ¥82,000 ¥147,000 ¥80,000 ¥284,000 pkg of 25 DN-R25-S ¥72,000 pkg of 50 DN-R50-S pkg of 200 DN-R200-S ¥130,000 10g DN-SX-B10 ¥14,000 ¥33,000 DGA ブランチドレジン Bottle 価 格 10g DB-B10-S pkg of 25 DB-R25-S pkg of 50 DB-R50-S pkg of 200 DB-R200-S 10g DB-SX-B10 ¥529,000 ¥69,000 ¥127,000 ¥450,000 ¥20,000 ■ 11 ■ CL レジン CL レジンは、塩化物やヨウ化物の分離に使用されるものであり、これ Extraction condition Dw, mL.g-1 Ag 1M H2SO4 650000 Ag Sulfuric acid, pH 3 600000 Ag Sulfuric acid, pH 5 350000 Cd 1M H2SO4 <1 Ce 1M H2SO4 4 Co 1M H2SO4 <1 Cu 1M H2SO4 <1 Analyte は白金族金属、金、銀に対して選択性がある抽出システムに基づいていま す。銀をレジンに充填しながら、ハロゲン化物の選択性を紹介しています。 表1は、CL 上にある選択された陽イオンの DW 値を表示しています。 実用的な理由から、硫酸が抽出媒体として選ばれています。CL レジンは、 Pd および Ag に対しても高い選択性があることが解ります。これに対し て、すでに実験された他の要素の DW 値は、低いことが解ります。Ag は、 pH 領域で広範囲に及び、さらに高い DW 値を表示します。(1M 硫酸から pH5の希硫酸が得られます)このように、様々の範囲の pH 値が凝固した り抽出されたりします。 Fe 1M H2SO4 <1 Mn 1M H2SO4 <1 ます。特に、ハロゲン化物に関しては少しずつ形成を行い、また Ag 錯体 Ni 1M H2SO4 <1 を溶解しません。1M 硫酸内の銀レジンが充填された CL レジン上の塩化物 Pd 1M H2SO4 87000 やヨウ化物の DW 値は、1600と1980のそれぞれであると確定されて Zn 1M H2SO4 25 銀カチオンでレジンを充填することで、陰イオンに優れた選択性を与え います。このような状態では、どちらも充分に保持されています。DW 実験に使用された CL レジンは、20mg の Ag +/g で充填されています。 表1:硫酸中の選択された陽イオンの CL レジンの DW 値 これは、抽出実験より前に行われ、標準的な保持量と対応しています。これらの状態における、銀が充填されたレジンの塩化物や ヨウ化物の保持量、2mLカラムにつき、16.3±1.6mg のヨウ化物(1g レジンにつきヨウ化物約25mg含有) 、2mL のカラムに つき、4.3±0.2mg の塩化物(1g レジンにつき塩化物約6.5mg 含有)です。保持量が高いハロゲン化物を得るためには、CL レジンの銀の充填量を増やして得ることができます。 図1:pH7で CL レジンに充填された Ag+ 上の CL- と I- の DW および 変化したチオシアン酸イオン濃度 図2:pH7で CL レジンに充填された Ag+ 上の I- と DW および変化した硫化 ナトリウム濃度 塩化物やヨウ化物における分離の最適な状態を見極めるために、塩化物やヨウ化物の DW 値は、様々なチオシアン酸イオン および硫化物イオンの濃度における銀を充填した CL レジンに決定されました。図1および図2は得られた結果を示しています。 塩化物は、チオシアン酸イオン溶液を使用することで簡単に溶離することができます。これに対して、ヨウ素は同じ状態を保 ちます。ヨウ素は高濃度硫化物イオン溶液を使用することで簡単に溶離することができます。この情報に基づき、塩化物やヨウ素 の分離方法は、Zulauf らによって開発され、最適化されました。図3は、この手法を図式的に表しています。塩素とヨウ素の 両方が塩化物とヨウ化物として表れることを確実にするには、サンプルは硫酸溶液から充填されたと思われます。また、硫酸溶液 には還元剤として0.1M 硫酸第一錫を含みます。特に塩素の場合、極めて重要となってきます。例えば、塩素酸塩がレジンと 固定されていないのに対して、ヨウ素酸塩が抽出された場合、銀塩の溶解度データより予想されるためです。 ■ 12 ■ サンプルは、銀の充填された1M 硫酸(わずかに酸性もしくは 中性でも可)から CL レジンに充填することが望ましいです。1回 目の洗浄(脱イオン化水)時に、マトリクス要素および潜在的 な不純物はカラムから取り除かれます。塩化物はそれから少量の チオン酸アンモニウムもしくはチオシアン酸ナトリウムに溶離し ます。 手法の最適化中、ヨウ化物溶離前の希アルカリ溶液でのカラム の洗浄は、ヨウ化物の収率を劇的に向上させることが解っていま す。そのため、CL レジンのカラムは、1% の水酸化ナトリウム (苛性ソーダ)でヨウ化物が最終的に少量の硫化ナトリウムに溶離 する前に適宜洗浄されます。(注意:硫化ナトリウム溶液を取り 扱う際には、液体シンチレーションカクテル剤の追加時を含め、 ドラフト下で行って下さい。) 少ない溶離量で、得られたフラクションを液体シンチレーション カウンターで測定することができます。 (注意:液体シンチレーション カクテル剤で、カラムから共溶離した微量の Ag+ を取り除きま す。これは、結果として黒ずんだ液体シンチレーション サ ンプルとなります。したがって、ご使用前にテストされること を推奨します。) CL レジンは2種類の粒径(50 ~ 100μおよび100 ~ 150μ)で製造されています。ボトルもしくはすぐに使用できる充填 済カラム(重力フロー用)とカートリッジ(真空補助フロー用)でご購入いただけます。 参 考:(1)A. Zulauf、S. Happel、M. B. Mokili、A. Bombard、H. Jungclas:Characterization of an extraction chromatographic resin for the separation and determination of 36Cl and 129Ⅰ. J. Radanal Nucl Chem、 286 (2) 、 539-546(DOI: 10.1007/s10967-010-0772-5) CL レジン 粒 径 容 器 Bottles 100-150µ Columns (2mL) Bottles 50-100µ Cartridges (2mL) 数 量 商品番号 価 格 25g CL-B25-A ¥90,000 50g CL-B50-A ¥160,000 100g CL-B100-A ¥293,000 200g CL-B200-A ¥550,000 pkg of 20 CL-C20-A ¥99,000 pkg of 50 CL-C50-A ¥226,000 pkg of 200 CL-C200-A ¥780,000 25g CL-B25-S ¥95,000 50g CL-B50-S ¥160,000 100g CL-B100-S ¥290,000 200g CL-B200-S ¥550,000 pkg of 25 CL-R25-S ¥130,000 pkg of 50 CL-R50-S ¥185,000 pkg of 200 CL-R200-S ¥672,000 ■ 13 ■ Cs レジン(AMP-PAN レジンと KNiFC レジン) AMP-PAN と KNiF-PAN の両レジンは、プラハにあるチェコ工科 大学のŠebestaによって開発されました。MnO2-PANレジンのように、 ポリアクリルニトリルを基にした有機マトリクスに充填された無機材質 に基づいています。この無機材質は、大変微細であり、選択性がある ため、両レジンの特性を活かすことができます。活性成分は、広く利 用 さ れ て い る Ammonium Phosphomolybdate( 別 名:Ammonium MolybdoPhosphate, AMP)とPotassium Nickel Hexacyanoferrate(II) (別名:Potassium Nickel FerroCyanate, KNiFC)です。 両レジンは、様々な液体サンプルから Cs の分離や濃縮に使用されて います。 AMP-PAN レジンは、Ammonium Phosphomolybdate という無機 イオン交換樹脂に基づいています。この樹脂は、酸濃度が上昇した時や 反応速度が速い時、放射線が安定している時でさえ、Cs に対して高い 選択性があることで知られています。 AMP の使用における主な抑制するものの1つに、不都合な微結晶構造 があります。そのため、グラニュロメトリーを向上させるために、多く のことが行われています。有機マトリクスに AMP を充填することで、 粒径、トポグラフィー、他孔性、親水性そしてレジンマトリクスの クロスリンクをコントロールすることができます。レジンに充填された AMP の量も同様にコントロールすることができます。 ŠebestaとŠtefulaによると、PANマトリクスにAMPを充填しても、 Cs の吸着速度および充填済AMP の Cs容量に限定的な影響を与えます。 Cs の吸着速度は依然として速く、1M 硝酸 /1M 硝酸ナトリウムもしく は1M 水酸化ナトリウム /1M 硝酸ナトリウムという劣悪な条件下でも、 レジンは化学的に安定しています。また、上記条件下で1 ヶ月間レジン を保管した後であっても、物理的ダメージは見受けられません。KD 値、 吸着速度、最大容量に変化はありませんでした。最大106Gy まで酸性 溶液にレジンを曝しても、KD 値も吸着速度にも変化が見受けられなかっ た点で、レジンの放射性分解の安定性が評価されました。 濃縮されたアンモニウム塩を使用することによってのみ、セシウムの 脱着が可能です。例えば、 5M塩化アンモニウムの10ベッドボリュームで、 カラムから Cs を92% 溶離することができます。(代わりに、硝酸アンモニウムを使用することもできます。もしくは5M 水酸化 ナトリウムのような強アルカリ性溶液を使用して AMP を破壊することで脱着することもできます。) 劣悪な条件下で、かつ高濃度の放射能であっても、Cs に対して高い選択性があるため、AMP-PAN レジンは、放射能廃液の 処理に優れています。Brewer らは、大量の K と Na を含む高活性酸性廃液から137Cs を除去するために、AMP-PAN レジンを 試しました。1.5mL のカラム、供給液2つ(シュミレーションした廃液タンク1つ(100Bq/mL の137Cs を混ぜたもの)と実際に 使用している廃液タンク1つ)を使用した小規模の実験を行いました。両方の溶液を、フィルターで処理し、ポンプシステムを 流速26 ~ 27ベッドボリューム / 時間で使用して、カラムの中に送り出しました。一定間隔で一定の量を採取し、137Cs 放射能 のために解析しました。実験後、5M 硝酸アンモニウムの30ベッドボリュームで AMP-PAN カラムを溶離し、流出物をカラム の中に再度送り出しました。実際に使用している廃液のサンプルでは、1回目の送り出し中に(Cs 除染係数が3000以上である ことに対応しながら)サンプルが1000ベッドボリュームを導入した後、Cs 溶出が0.15% ありました。2回目の送り出し中に サンプルが830ベッドボリュームを導入した後は、0.53% でした。それぞれの溶離における Cs の回収率は、87% でした。 ■ 14 ■ 高塩濃度に対して AMP-PAN は耐久性があるため、環境分析、とりわけ海水中の134/137Cs の分析に使用することができます。 Pike らは、 20mL の海水サンプル (pH1 ~ 2の酸性にしながら、 図1:海水サンプルで得られた値と基準値の比較 ICP-MS で収量決定するために、安定した Cs を加えたもの)から、 基準値 (Bq/m) 参 考 Cs を濃縮、精製するために、AMP-PAN を使用しました。5mL カラムを使用して、流速35mL/ 分で行いました。抽出後、0.1M 硝酸を使用してカラム上のレジンを洗浄し、ガンマ線スペクトル 得られた値 (Bq/m) WHOI 3.4 ± 0.4 3.7 ± 0.2 IAEA-443 340 ~ 370 369 ± 8 で解析しました。収率は、93.5% ± 5.0% (n=55) であると解 りました。彼らは、国内のウッズホール海洋学研究所(WHOI)の 研究基準3種類と国際原子力機関(IAEA)の基準材料の海水サン プルで、さらに解析しました。結果は図1にまとめられています。 さらに大量の海水サンプルの場合でも、Kamenik らによって解析されました。彼らは、AMP-PAN レジンだけでなく、PAN マトリクスに充填されている Potassium-Nickel Hexacyanoferrate(II)に基づく KNiFC-PAN レジンも使用して溶離させました。 彼らは、最大流速300mL/ 分で、AMP-PAN もしくは KNiFC- 図2:AMP-PAN と KNiFC-PAN を 使 用 し て100L の 海 水 サンプルで得られた化学収率の比較 PAN の25mL ベッドボリュームに100L の酸性の海水サンプル を送り出しました(同様に KNiFC-PAN を使用して非酸性の海水 レジン サンプルも実験しました) 。つまり、6時間以内に100L のサンプ ルを送り出しました。前述にもありましたが、ICP-MS で化学 収率を決定するために、安定した Cs を海水サンプルに加えてい ます。導入後、カラム上のレジンを洗浄、乾燥させ、ペトリ皿 ジオメトリーに43% の効率で、同軸 HPGe 検出器を使用した ガンマ分光で測定しました。得られた化学収率は、図2にまとめ マトリクス 化学収率(%) AMP-PAN 海水(pH1) 88.1 ± 3.3 KNiFC-PAN 海水(pH1) 92.9 ± 1.1 KNiFC-PAN 海水 90.2 ± 2.7 られています。収率は概ね高く、酸性の海水サンプルにおいて、 AMP-PAN よりも KNiFC-PAN の方がわずかに高いです。また、KNiFC-PAN で、酸性と非酸性の海水サンプルにおける化学収率を 比較することができました。 KNiFC-PAN レジンを使用した非酸性の海水サンプルの処理は、より速い流速で試しました。流速470mL/ 分であっても、Cs 収率 は依然として85% 以上です。彼らは、50 ~ 70時間の係数時間における100mL サンプル中の検出限界放射能(MDA)と平均化学収率 を計算しました。137Cs の MDA は0.15Bq/㎥であり、134Cs は0.18Bq/㎥でした。 さらに、牛乳と尿中の Cs 同位体の決定に、KNiFC-PAN レジンが使用されました。牛乳と尿中における KNiFC-PAN レジンに 吸着された Cs の化学収率は、95% 以上でした。牛乳においては、5L のサンプルを1,000時間測定した場合、137Cs の検出限界値は 2mBq/L であると算出されました。 AMP-PAN と KNiFC-PAN の両レジンは、粒径100 ~ 600μで製造されています。ボトルもしくは充填済カラム(重力フロー用) でご購入いただけます。 AMP-PAN レジン 粒 径 容 器 商品番号 価 格 HC-B50-M ¥105,000 100g HC-B100-M ¥200,000 200g HC-B200-M ¥320,000 Column (2mL) pkg of 200 HC-C200-M ¥690,000 Column (5mL) pkg of 20 HC5-C20-M ¥225,000 Column (8mL) pkg of 20 HC8-C20-M ¥275,000 Column (10mL) pkg of 20 HC10-C20-M ¥306,000 50g NC-B50-M 100g NC-B100-M ¥103,000 200g NC-B200-M ¥210,000 Bottles 100-600µ 数 量 50g KNiFC-PAN レジン 100-600µ Bottles ¥55,000 ■ 15 ■ Cu レジン 図 1a Cu レジンは、Cu の選択的分離のために使用しま す。とりわけ、放射性同位体64Cu と67Cu の分離に 有効です。Cu レジンは、特に亜鉛もしくは濃縮され た Ni ターゲットに代表されるような異なる元素、 そして異なる酸性媒質に特徴があります。 Cu レジンは、陽イオン全体の酸性塩酸、硝酸およ び希硫酸のために、pH2 〜 5の間で Cu を選択して 含んでいます。陽イオンは、Ni と Zn を含む試験済 みのものです。塩酸と希硫酸媒質内では、Fe は共通 の抽出されたものです。しかし、それはより少ない 程度にです。すなわち、pH 値が高くなれば、選択性 図 1b Cu/Fe や α Cu/Fe は 減 り ま す。 α Cu/Fe は pH2で 約1000、pH5で約70です。図1を参照して下さい。 pH2よりも高い場合、Cu 抽出は通常高いです。 その場合、0.1M よりも高い濃度の鉱酸で、簡単に 溶離します。 Cu レジンの主なアプリケーションは、Cu 同位体 (例えば64Cu や Cu)の放射性照射ターゲット(特 67 に Zn もしくは Ni ターゲット)からの分離です。した がって、Ni と Zn よりも Cu に対して選択的に高いこ との他に、増えた Zn と Ni の量による影響に対して、 図 1c Cu レジンは強くなければいけません。図2a と2b で は、Cu 抽出における Zn もしくは Ni の影響について まとめられています。以上のように、両方の要素が 大量にあっても、pH2の塩酸内の Cu 抽出はごくわ ずかにしか妨げることができないことが解ります。 また、Ni もしくは Zn が1g あっても、DW(Cu)に 使用された1g 当たりの Cu レジンは1000よりも多 く保持することも解ります。 図 2a ■ 16 ■ 図 2b Ni と Zn から Cu を分離する方法は、シュミレーションした目的の水溶 図3 液(1)を使用して最適化されました。2種類の水溶液で試験しました。 —シュミレーションした Ni を目的にした水溶液は、pH2で5mL の 塩酸内の Cu と Co、Zn をそれぞれ10μ g、Ni を200mg 含んでいます。 —シュミレーションした Zn を目的にした水溶液は、pH2で5mL の 塩酸内の Cu と Co、Zn をそれぞれ10μ g、Ni を200mg 含んでいます。 両方のシュミレーションした目的水溶液のために、サンプル溶液を導 入し、洗浄している間、Ni と Zn、Co をカラムから定量的に取り除きます。 一方で、1 〜 1.5mL の8M 塩酸での高い収率(>85%)で Cu を回収しま す〔図3(2, 3)〕。 さらに図3 (2) では、 溶離条件を最適化した方法を見ることができます。 表1 この方法は、その能力に影響を与えずに、流速を上げて (例えば真空吸引システムを使用して)行うことができます。 カラムを導入し、Cu を溶離することは概算で行います。 流速1mL/ 分から最大6mL/ 分でカラムを洗浄することが できます。したがって最終の Cu 留分は、3 〜 5分で取得 できます。 取得した全体の除染因子は高いです(表1)。Cu 収率は、 Element Decontamination Factor Ni > 20,000 An > 40,000 Ga > 10,000 Co > 30,000 Au > 30,000 図4 1mL の8M 塩酸でほぼ90% 程度に、そして1.5mL の8M 塩酸で95% よりも高く見つかりました。したがって、Cu を極めて小さい量でほぼ定量的に回収します。 主要なアプリケーションでは、Cu 溶離は酸性が強すぎる のかもしれません。このような場合(より適切な溶媒内で の Cu 留分と再分解の蒸発に代わって)、小さな陰イオン 交換樹脂を使って Cu 溶離を変質させることが可能です。 図4は陰イオン交換樹脂を使った変換法を概略的に示してい ます。高い酸性条件から低いもしくは中立の酸性条件まで の Cu 溶離を変質させることに加えて、変換工程でもまた さらに Cu を濃縮させ、Ni、Zn、Au そして本質的な不純 除染を増やします。 Cu レジンは粒径100 ~ 150μで製造されています。ボトルもしくはすぐに使用できる充填済カラム(重力フロー用)とカー トリッジ(真空補助フロー)でご購入いただけます。 Cu レジン 粒 径 容 器 Bottles 100-150µ Columns (2mL) Cartridges (2mL) 25g 50g 100g 200g pkg of pkg of pkg of pkg of pkg of pkg of 数 量 20 50 200 25 50 200 商品番号 CU-B25-A CU-B50-A CU-B100-A CU-B200-A CU-C20-A CU-C50-A CU-C200-A CU-R25-A CU-R50-A CU-R200-A 価 格 ¥140,000 ¥240,000 ¥449,000 ¥850,000 ¥185,000 ¥330,000 ¥970,000 ¥188,000 ¥330,000 ¥970,000 ■ 17 ■ Diphonix® イオン交換樹脂 Eichrom Technologies 社製の Diphonix® レジンは、金属の選 択的分離のための高性能なゲル型陽イオン樹脂です。米国の特許 を取得し、栄誉ある R&D 100 Awards を受賞した Diphonix® レジンは、最近では廃水からの金属元素の除去や酸性溶液からの 鉄の選択的分離や酸の精製等、急増するアプリケーションにうま く利用されています。 Diphonix® レジンは、ポリスチレン / ジビニルベンゼン基質の 丸いビーズ状です。このレジンは、ポリマー・マトリクスに結合 されているジホスホン酸そしてスルホン酸性基を含む多官能性で す。ジホスホン酸配位子は、溶液から選択的に対象金属を除去す ることができる独自の優れた選択能力を持ちます。親水性のスルホン酸配位子は、ポリマー・マトリクスへの金属イオンの接近 性を高め、著しく交換反応を向上させました。 優れた性能 従来のイオン交換樹脂に優る Diphonix® レジンの利点は、交換反応を除いてレジンの高度な選択性、ハイスループット比を 達成する能力、そしてレジンそのものの極めて安定した特質と高濃度の酸性溶液において使用が可能なことを特徴としています。 ■ 18 ■ 選択性 前のページで示したように、pH 値が中性に近い流れの中で、Diphonix® レジンは、Zn、Mn、Cr、U、Pb、Co、Ni、Cu そ して Na や Ca、Mg 等のアルカリ性の陽イオンを含んだ様々な金属の多価陽イオンに対して選択性があります。Diphonix® レジン は、高濃度の酸性溶液から、Fe、Cr、U、Pu そして他の金属も除去します。Diphonix® レジンへのこれらの金属陽イオンの 組み合わせは、水素イオン濃度の増加の影響は受けません。 処理能力 目的金属のみを選択して除去することで、Diphonix® レジンは他のレジンに比べ、はるかに高度な処理能力を一定の量で 供給することができます(処理能力は、レジンに通水する前の、特定の金属の流出濃度に対する量と定義されています)。目的 金属に対する目的外金属の割合が増加するにつれて、これはますます利点となります。また、Diphonix® レジンは、ある特定の 金属もしくは高濃度の酸性溶液に対して唯一のレジンになる可能性があります。また、排出量の限度を工程品質の基準に合わせ ることで、目的金属の濃度を他のレジンよりも低くすることもできます。 反応 親 水 性 の ス ル ホ ン 酸 基 が 選 択 的 ジ ス ホ ン 酸 基 へ の 素 早 い ア ク セ ス を 可 能 に す る た め、Eichrom Technologies 社 製 の Diphonix® レジンは極めて大きい交換速度があります。このため、このレジンは市販のキレート樹脂よりもはるかに速く反応し ます。推奨される流動速度は溶液化学によって決まります。典型的な廃水処理で行う流動速度は、203.5 〜 610.5ℓ/m/㎡に 及びます。他のアプリケーションにおいては、望ましい排出水質を得るために流動速度を低くする必要があります。 物理的安定性 広範囲の温熱条件と化学的条件にわたって用いることができるプラスチック母材を Diphonix® レジンにも用いています。 ジホスホン酸官能基は、プラスチック重合時に基質へ組み込まれるため、とても安定しています。 使用基準 この高い選択性を持つ多性能な Diphonix® レジンは、溶液から特定の種類の金属を分離することが必要なほとんど全ての処理 に適用することができます。このレジンは、他のイオン交換樹脂と充分に互換性があり、下記のような状況下での使用が推奨さ れます。 ⃝ Ca、Mg、Na 等の濃度が高いために、再生や廃棄の頻度が高く、使用しているレジンの消耗が多い、もしくは使用した レジンの再生および / もしくはレジンの廃棄処理費用が高い場合。 ⃝ 処理過程において、多価金属を除去しなくてはならないが、Ca や Mg、Na 等は除去しなくても良い場合。 ⃝ 廃液の金属濃度が規格に合わない、もしくは排出量の限度を超えている場合。 入手可能な形式 Diphonix® レジンは、多くの実験や処理のアプリケーションに適合するよう、様々なサイズの粒径と交差結合のものが入手 可能です。 Diphonix® レジン 粒 径 容 器 数 量 商品番号 20-50µ DP-B500-20-50 50-100µ DP-B500-C-H 100-200µ 60-100µ (on silica) Bottles 500g 価 格 ¥58,000 ¥200,000 DP-B500-M-H ¥260,000 DS-B500-C-H ¥230,000 ■ 19 ■ 分析用イオン交換樹脂 Eichrom Technologies 社は、分析アプリケーションに応じて精製され た陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂を広範囲にわたり取り扱っていま す。これらの樹脂の品質と性能は、米国 Bio-Rad® 研究所が提供している AG® レジンに匹敵するものです。Eichrom Technologies 社は、16年以 上にわたり、分析サンプル調整の専門知識を持ち、放射性学および湿式化学 応用の技術サポート研究所を所有しています。Eichrom Technologies 社 は、化学分析と生化学分析におけるサンプル調製法の向上とサポートに焦点 をあて、これに取り組んでいます。 陽イオン交換樹脂 分析アプリケーションのための陽イオン交換樹脂として、Eichrom Technologies 社は、タイプ50W 用の強酸性陽イオン 交換樹脂(スチレン ジビニル - ベンゼン高分子ビーズ上のスルホン酸交換基)を用意しています。4% と8% の DVB 架橋度で、乾燥 時の粒径が50 ~ 100μ、100 ~ 200μ、200 ~ 400μのものをご購入いただけます。陽イオン交換樹脂は全て H+ 型です。 その他の架橋度や粒径のものをお探しの際は桑和貿易株式会社までご連絡下さい。 陽イオン交換樹脂の特性 % 架橋度 最小湿式交換容量 (meq/mL) 保水容量 (塩素イオン型) 最大抽出可能量 * 4% 1.1 64 ~ 72% 1 mg/g 8% 1.7 50 ~ 58% 1 mg/g * 微粒子のイオン交換樹脂から抽出可能な水性残留物に対する米国材料試験協会(ASTM)D5627標準テスト方法に基づきます。 架橋度4% と8% の陽イオン交換樹脂の主な用途: − DNA サンプルからのエチジウム臭化物の除去 − DNA サンプルからのピロピジウムヨウ化物の除去 − ペプチドとアミノ酸の分離と予備濃縮 − 陽イオンの除去(脱塩) − 金属イオンの分離 Eichrom Technologies 社製のイオン交換樹脂は、ボトル(500g) 、ケース(1箱9本) 、ドラム缶(10kg)等様々なパッケージ サイズを用意しています。また、充填済カートリッジ(真空補助フロー用)も用意しています。現在入手可能な梱包のオプション と価格につきましては桑和貿易株式会社までご連絡下さい。 陽イオン交換樹脂 粒 径 50Wx4 100-200µ 50-100µ 50Wx8 100-200µ 200-400µ ■ 20 ■ 容 器 数 量 商品番号 価 格 Bottle 500g C4-B500-M-H ¥73,000 Case 9 x 500g C4-CS09-M-H ¥635,000 Drum 10kg C4-DR10-M-H ¥1,350,000 Bottle 500g C8-B500-C-H ¥96,000 Case 9 x 500g C8-CS09-C-H ¥840,000 Drum 10kg C8-DR10-C-H ¥1,800,000 Bottle 500g C8-B500-M-H ¥82,000 Case 9 x 500g C8-CS09-M-H ¥710,000 Drum 10kg C8-DR10-M-H ¥1,550,000 Cartridges (2mL) pkg of 50 C8-R50-M-H pkg of 200 C8-R200-M-H Bottle 500g C8-B500-F-H ¥53,000 ¥189,000 ¥97,000 陰イオン交換樹脂 分析アプリケーションのための陰イオン交換樹脂として、Eichrom Technologies 社は、タイプ1の強塩基陰イオン交換樹脂 (スチレンジビニル-ベンゼン高分子ビーズ上の四級アミン官能基)を用意しています。4%と8%のDVB架橋度で、乾燥時の粒径が 50 ~ 100μ、100 ~ 200μ、200 ~ 400μのものをご購入いただけます。陰イオン交換樹脂は全て Cl- 型です。その他の 架橋度や粒径のものをお探しの際は桑和貿易株式会社までご連絡下さい。 陰イオン交換樹脂の特性 % 架橋度 最小湿式交換容量 (meq/mL) 保水容量 (塩素イオン型) 最大抽出可能量 * 4% 1.0 55 ~ 63% 1 mg/g 8% 1.2 39 ~ 45% 1 mg/g * 微粒子のイオン交換樹脂から抽出可能な水性残留物に対する米国材料試験協会(ASTM)D5627標準テスト方法に基づきます。 架橋度4% と8% の陰イオン交換樹脂の主な用途: − 食塩に含まれる陰イオンの交換 − ウラン錯体(ウラニルイオン)の分離 − 低分子量の無機陰イオン − 環状ヌクレオチドの分析 − 有機酸の分画 Eichrom Technologies 社製のイオン交換樹脂は、ボトル(500g) 、ケース(1箱9本) 、ドラム缶(10kg)等様々なパッケージ サイズを用意しています。また、充填済カラム(重力フロー用)とカートリッジ(真空補助フロー用)も用意しています。現在入手 可能な梱包のオプションと価格につきましては桑和貿易株式会社までご連絡下さい。 陰イオン交換樹脂 粒 径 50-100µ 1-x4 100-200µ 20-50µ 50-100µ 1-x8 100-200µ 容 器 商品番号 価 格 500g A4-B500-C-CL ¥58,000 Case 9 x 500g A4-CS09-C-CL ¥500,000 Drum 10kg A4-DR10-C-CL ¥1,090,000 Bottle 500g A4-B500-M-CL ¥82,000 Case 9 x 500g A4-CS09-M-CL ¥720,000 Drum 10kg A4-DR10-M-CL ¥1,500,000 Drum 5kg A8-DR5-I-CL Bottle 500g A8-B500-C-CL ¥68,000 Case 9 x 500g A8-CS09-C-CL ¥580,000 Drum 10kg A8-DR10-C-CL ¥1,280,000 Bottle 500g A8-B500-M-CL ¥68,000 Case 9 x 500g A8-CS09-M-CL ¥580,000 Drum 10kg A8-DR10-M-CL ¥1,280,000 pkg of 20 A8-C20-M-CL pkg of 50 A8-C50-M-CL pkg of 200 A8-C200-M-CL pkg of 50 A8-R50-M-CL pkg of 200 A8-R200-M-CL Columns (2mL) Cartridges (2mL) 200-400µ 数 量 Bottle ¥95,000 ¥22,000 ¥46,000 ¥137,000 ¥53,000 ¥189,000 Bottle 500g A8-B500-F-CL ¥75,000 Case 9 x 500g A8-CS09-F-CL ¥650,000 Drum 10kg A8-DR10-F-CL ¥1,400,000 ■ 21 ■ Ln, Ln2, Ln3レジンシリーズ 図1 他の Eichrom Technologies 社製品と同様、Ln レジン は、選択的有機溶媒抽出剤を抽出クロマトグラフィーレジン に変換して作られました。Ln レジンでは、di(2-ethylhexyl) orthophosphoric acid(HDEHP)を抽出剤にしています。 HDEHP を用いたクロマトグラフィーシステムは30年以上 前から文献があり、www.eichrom.com 内の文献目録でご 覧いただけます。 1975年、Horwitsz らは、初期の研究で、疎水性支持体 上で HDEHP を用いて、様々な金属イオンにおける硝酸に 対する分配係数(Kd)を求めました。図1はこのデータを使っ ており、今日用いられている数々の放射化学分離の最初の 操作を考える上で使用されています。ここで留意すべき点は、 Eichrom Technologies 社 の Ln レ ジ ン は、Kd を4.33で 割ることによって、分配係数 k' 値(ピーク最大値に対する FCV の近似値)に変換できます。Ln レジンは、Ra、Nd、 Pm の分析へ利用され、図1が示すように、さらに多くの分析応用が可能で、すでに利用されています。 1995年、Bill Burnett らは、Ln レジンを使用した228Ra の測定に関する優れた論文を発表しました。この論文は、ベータ線 放射娘核種228Ac から228Ra を分離するのに、Eichrom Technologies 社製の TRU レジンが、ご使用いただけることを示してい ます。それだけでなく、米国環境保護庁(EPA)の混合有機廃棄物を発生させない科学物質分析法 Ra-05-1 (EPA Procedures Manual 520/ 5-84-006) で使用されているものと同じ HDEHP 抽出剤に頼っていることから、Ln レジンがアメリカの規制 当局から支持されていることも解ります。図2はBill Burnettらの分析法の概要です。硫酸バリウムの沈殿を炭酸バリウムへ変換後、 0.095M 硝酸10mL に調整したサンプルを Ln レジンの充填済カラム(0.7g)に導入します。アルカリ土類、鉛や他の妨害元素 を除去するため、濃度が同等の硝酸15mL でカラムを洗浄します。(通水後フラクションとリンスフラクションを採取して、 )最後に、0.035M 硝酸10mL を使用し、Ac を定量的に溶出します。 ラドン放射能濃度によって226Ra を分析することができます。 この溶液を用いて比例計数管用の線源を準備することができます。ルーチン作業では、Ba の回収が80% でカウントが30分 以下条件で、2L のサンプルでは、1.0pCi/L(0.037Bq/L)以下の検出下限値を得ることができます。この分析法は、米国環境 保護庁の研究所間での比較テストでも用いられ、全ての結果が期待 値の95% の信頼区間に一致しました。 Eichrom Technologies 社では、この分析法を改良しました。 陽イオン交換濃縮法が、硝酸バリウム沈殿 / カーボネート転換に代わ りました。 アルファ線スペクトロメトリーは、短半減期の224/226Ra に用いられます。この分析法は RAW03 Radium in Water として 発表され、www.eichrom.com 内の “method section” でご覧いた だけます。さらに追加のパフォーマンスデータが、2002年5月に 開かれた Eichrom Technologies 社の北米ユーザーズミーティング で紹介されました。 Ln レジンは、147Pm の分析においても有効です。原子力関連施設 からの環境サンプルもしくは廃棄物サンプルを分析する際、他の 核分裂生成物とアクチノイドから Pm を分離させなければ、正確な 測定はできません。水サンプルの分析法は、Cableらによって1997年 に概説されています。0.5 ~ 2L の水サンプルから、リン酸水素 カルシウムの共沈もしくは蒸発で濃縮されます。得られた濃縮物は、 アスコルビン酸存在下で0.2M 硝酸に溶解します。 ■ 22 ■ 図2 アスコルビン酸は、Fe(Ⅲ)を Fe(Ⅱ)に還元させます。 55mg の Fe(Ⅱ)を含む溶液を用いたテストでは、0.2M 硝酸35mL を通過させても、Pm の溶出はありませんでした。一般的な手順において、Ln レジンの標準的な充填済カラムを導入する場合、 洗浄には合計で18 ~ 20mL の硝酸が必要です。潜在的に干渉となる Am は、Sr とともにカラムから洗い流されます。Pm は、 Bi、Y、そしてトレーサーとして用いられる Sm もしくは Gd とともにレジンに抽出され、保持されます。Pm は、Sm もしくは Gd のトレーサーと共に1M 硝酸5mL で溶離することができます。 あるテストによると、148Gd を収量トレーサーとして使用した場合の147Pm の回収率は88% 以上でした。60Co、134/137Cs、 そして89/90Sr の極めて高い汚染除去を達成することができました。もう1つの潜在的干渉はベータ線とガンマ線放射体である Ce です。ガンマ線スペクトロメトリーを用いて、144Ce を除去することができます。 144 図3 Christian Pin らは、1996年にケイ酸塩岩 内の Sm、Nd、Th、U の遂次的分析の分析法を 発表しました。この分析法は、Ln レジンと共に Eichrom Technologies 社製の TRU レジンを 使用して行うものです。玄武岩質サンプル等の 鉄を多く含むサンプルの場合、50W×4の強酸 性陽イオン交換樹脂のカラムをまず使用します。 サンプルを溶解し、陽イオン交換樹脂を用いて 可能な限り処理を行った後、このサンプルを 1M 硝酸に調整して TRU レジンのカラムに導 入します。不要な陽イオンは濃度が同等の硝酸 で 溶 離・ 除 去 す る こ と が で き ま す。 そ の 後、 軽希土類元素(LREE)は0.05M 硝酸で溶離し ます。TRUレジンのカラムからこのフラクション を Ln レジンのカラムへ直接導入することで、 LREE を抽出することができます。Pin らの 方 法 で は、Eichrom Technologies 社 製 50 ~ 100μのバルク Ln レジンを0.3g 用いて カラムを作成します。図3は、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu の溶出挙動を示しています。La、Ce、Pr、Nd を0.25M 塩酸で計5.5mL 使用して溶離しますが、ここに含まれる Sm は、ID-TIMS 分析法で検出されない程度です。0.75M 塩酸0.75mL を通過した後、 次の0.5mL で Sm は溶出され、Eu はさらに次の0.75M 塩酸0.5mL において最後に回収されました。これは、15サンプルのケ イ酸塩岩の国際的な標準物質を用いて比較を行ったところ、充分一致しました。元素濃度のレベルは mg/g からμ g/g です。 Ln レジンの Nd の最大容量は約22mg/mL と算出されています。実際の分析過程において、この量の10 〜 20% を超えるこ とは好ましくありません。そのため、Ln レジンの実容量は2 〜 4mg の Nd/mL、もしくは4 〜 8mg/2mL の充填済カラムもし くはカートリッジです。 Dan McAlister と Horwitz は、新たな2種類の Ln レジン、すなわち Ln2 -2-ethyl-1-hexyl(2-ethyl-1-hexyl)phosphonic acid(HEH[EHP])および L3 -bis(2,4,4-trimethyl-1-pentyl)phosphonic acid(H[DTMPP])の特性データを2007年に発 表しました。 次のページの図4をご覧下さい。エステル酸素が除去されるにつれ、抽出剤のイオン性陽子の酸度は低下します。そのため、 エステル酸素が2つの LN 抽出剤が最も酸性が強く、エステル酸素が1つの LN2とエステル酸素がない LN3がそれに続きます。 結果として、この Ln シリーズのレジンの抽出基は比較的弱いので、目的元素の保持や溶離の条件を様々な系の水溶液で適切に 調整することができます。 ■ 23 ■ 図4 右のランタノイド元素の例が示すように、Ln レジンシリーズの カートリッジを重ねて、異なる種類のランタノイドを同じ導入試料 溶液から別々のカートリッジ内に抽出することができます。 Ln レジン 粒 径 容 器 20-50µ Ln2 レジン 50-100µ 20-50µ Ln3 レジン 50-100µ ■ 24 ■ 商品番号 LN-B25-A LN-B50-A LN-B200-A Bottles Columns (2mL) pkg of 20 pkg of 50 pkg of 200 LN-C20-A LN-C50-A LN-C200-A Bottles 25g 50g LN-B25-S LN-B50-S Column (10mL) pkg of 20 LN10-C20-S Cartridges (2mL) pkg of 50 pkg of 200 LN-R50-S LN-R200-S Bottle 10g LN-B10-F Bottle 10g L2-B10-S Cartridges (2mL) pkg of 50 pkg of 200 L2-R50-S L2-R200-S Bottle 10g L2-B10-F Cartridge (1mL) pkg of 50 pkg of 50 pkg of 200 L3-1ML-R50-S L3-R50-S L3-R200-S 100-150µ 50-100µ 数 量 25g 50g 200g Cartridges (2mL) 価 格 ¥63,000 ¥121,000 ¥462,000 ¥71,000 ¥150,000 ¥540,000 ¥66,000 ¥126,000 ¥203,000 ¥126,000 ¥440,000 ¥43,000 ¥35,000 ¥159,000 ¥575,000 ¥35,000 ¥106,000 ¥136,000 ¥494,000 プレフィルターレジン Eichrom Technologies 社製のプレフィルターレジンは、コーティングしていない不活性マクロ多孔性ポリメタクリル酸 サポートレジンで、水溶液から微量の有機化合物を除去することができます。 この非特異性収着剤は、液体シンチレーション測定法においてクエンチング(消光現象)を引き起こす着色有機化合物を除去し、 また、直列で使用されている抽出クロマトグラフィーカラム間の有機物の移動を減少させることができます。 使用法例 土壌中の99Tc 分析法において、TEVA® レジンにサンプルを導入する前に、プレフィルターレジンのカートリッジを TEVA® レジンのカートリッジの上に重ねることで有機物を除去することができます。サンプルがプレフィルターレジンを通って TEVA® レジンに移動したら、プレフィルターレジンを廃棄します。次に TEVA® レジンを洗浄し、液体シンチレーションバイアルへ入れ て計測します。 プレフィルターレジンは、尿サンプルから色素を取り除くためにしばしば用いられます。C. Li らは、 『Field deployable technique for Sr emergency bioassay』という論文を発表しています。この論文において、尿サンプルから色素と有機物 90 を除去するためにプレフィルターレジンが使用されました。 プレフィルターレジンの粒径は1種類(100 ~ 150μ)であり、ボトルもしくはすぐに使用できる充填済カラム(重力フロー 用スラリー導入)とカートリッジ(真空補助フロー用)でご購入いただけます。 プレフィルターレジン 粒 径 容 器 Bottles 100-150µ Columns (2mL) Cartridges (2mL) 数 量 商品番号 価 格 100g PF-B100-A ¥68,000 200g PF-B200-A ¥117,000 pkg of 50 PF-C50-A pkg of 200 PF-C200-A ¥60,000 ¥216,000 pkg of 25 PF-R25-A ¥26,000 pkg of 50 PF-R50-A ¥46,000 pkg of 200 PF-R200-A ¥165,000 ■ 25 ■ MnO2レジン MnO2レジンは、Eichrom Technologies 社が2005年に発売を開始した製品の一つです。その初めてのアプリケーションで ある水溶性サンプル中の Ra の分離分析法は Moon らによって開発、発表されました。次のいくつかの段落にわたり、彼らの 業績を取り上げます。 図1:MnO2レジンへの133Ba の抽出率。脱イオン水10mL とレジン 図2:水溶性サンプルの塩分濃度に対する133Ba の抽出挙動。0%、 25mL を20℃で60分間マグネチックスターラーで攪はんし、pH 値 0.02%、0.35% お よ び3.5% の 塩 分 に 調 整 さ れ た10mL の は塩酸もしくは水酸化ナトリウムで調整しました。Nal ウェル型 水溶性サンプルに、133Ba をトレーサーとしてスパイクしました。 ガンマカウンターで測定しました。 pH7に調整した各溶液をマグネチックスターラーで攪はんしなが ら、各時間に MnO2を加えた条件です。 図3 MnO2レジンで Ra を水から分離する時の異なるパラメーター(pH 値、反応時間、レジン量、塩効果そして流速)を測定しました。 ほとんどの実験において、133Ba が Ra 用のトレーサーとして使われました。図1と図3によると、溶液が pH4 ~ 8の時、MnO2 レジンの133Ba に対する親和力は最大になります。 水の塩分含有量が多ければ多いほど、Ba(もしくは Ra)吸着の反応速度は減速します(図2)。0 〜 0.02% の塩分量を含む水 においては、サンプルが15分間接触した後、平衡状態に達するのに対し、0.35% の塩分量を含む水の場合は、平衡状態に達す るまで25分間を要します。海水に近い成分の水(3.5% の塩分濃度)の場合は、平衡状態に達するまで90分を要します。 ■ 26 ■ 脱イオン水 人工海水 図4:133Ba と228Ra の回収率 MnO2レジンによる脱イオン水と人工海水からの Ba と Ra のバッチ吸着の研究は引き続き行われ、類似性があると見なされて います。図4は、脱イオン水1L にレジン1g(DDW1および DDW2)、そして人工海水1L にレジン1g(SW1および SW2)とい う2つの状況下における、レジンによる等価抽出状況を示しています。 Ba Ra 133 228 Flow rate (mL/min) Flow rate (mL/min) Ba と228Ra の回収率に対する流速の影響に関する研究が、脱イオン水と人工海水の2種類の水でなされました。 塩水におい 133 ては、流速20mL/ 分を超えてはならず、さもなければ、回収率が30% 低下してしまう可能性があります。さらに、Ba と Ra の 化学収率は互いに異なり始め、133Ba は化学的な類似性があるとはもはや言えないので、トレーサーとして用いるのが適切では なくなります。 米国 Savannah River Laboratory の Sherrod Maxwell が開発した方法の中で、MnO2レジンが Ln レジンと DGA レジンと 一緒に使用されています。1 ~ 1.5L の水溶性サンプルから Ra を予備濃縮するために MnO2レジンが使用されます。1L 当たり 1.25g の MnO2レジンをサンプルごとに使用します。初めに、サンプルを pH6 ~ 7に調整し、1L 当たり25mg の Ca を加えま す。その後、サンプルを約15mL/ 分の流速で MnO2レジンに導入します。Ra は、4M 塩酸 /1.5% 過酸化水素水混合溶液15mL で溶離されます。Ln レジン(U と Th の保持)のカートリッジを上、そして DGA レジン(228Ac の保持)のカートリッジを下に 積んで導入する前に、この15mL の溶液を最低36時間そのままにして228Ac の成長を待ちます。228Ac は、0.5M 塩酸10mL で DGA レジンから溶離され、その後、ResolveTM Filters 上にフッ化セリウムと共沈させてからマウントします。この方法は、 Eichrom Technologies 社の研究所で、現在検証されています。 MnO2レジンの粒径は1種類(75 ~ 150μ)であり、100g ボトルとすぐに使用できる充填済2mL カートリッジでご購入 いただけます。 MnO2 レジン 粒 径 容 器 Bottle 75-150µ Cartridges (2mL) 数 量 商品番号 100g MN-B100-A pkg of 50 MN-R50-A pkg of 200 MN-R200-A 価 格 ¥62,000 ¥80,000 ¥286,000 ■ 27 ■ Nickel レジン Eichrom Technologies 社製の Nickel レジンは、Ni 分析用の 図1 ジメチルグリオキシム(DMG)による沈殿生成法に基づいていま すが、作業手順を大幅に単純化することができます。 Nickel レジンは、ポリメタクリル酸レジンの細孔内部に DMG を含んでいます。Ni-DMG の沈殿物はレジン中に生じますが、 その沈殿物はその中で保持され、上澄みと分離することができます。 図1は、DMG と Ni-DMG 錯体の化学構造です。 Nickel レジンは、DMG を11%(w/w)導入したもので、レジン の密度は0.25g/mLです。Niレジンの実容量は、レジン1mL当たり 図2 1.5mg、充填済の2mL カラムやカートリッジの場合は3.0mg です。 図2は、Ni の 分 析 法 の 概 略 を 説 明 し て い ま す。2mg の Ni 担体を含むサンプルを pH8 ~ 9のクエン酸アンモニウム溶液で 導入します。0.2M クエン酸アンモニウム溶液20mL で洗浄した 後、少量の1.5 ~ 3M 硝酸を使用して、カラムから DMG 錯体を 溶解・溶離します。その後、63Niは液体シンチレーションカウンター で、59Ni は X 線で測定することができます。 サ ン プ ル 中 の55Fe を 分 析 す る に は、Nickel レ ジ ン に 導 入 す る 前 に55Fe を 分 離 し な く て は な り ま せ ん。Eichrom Technologies 社の分析法 FEW01 Fe55 in Water では、Ni から Fe を分離するのに、TRU レジンを使用しています。 米国 Carolina Power & Light 社は、Nickel レジンの評価をしました。表1は、10-6から100mCi/unit までの63Ni の放射能 範囲を持つ様々なサンプルを用いて、標準的な DMG 沈殿方法と Nickel レジンカラム法の対照比較の結果を示しています。全て の放射能濃度の範囲において、沈殿方法と Nickel レジンカラム法の相関関係は±10% と優れたものでした。 ■ 28 ■ 汚染除去試験もまた、Carolina Power 表1 Comparison of Precipitation and Column Methods (Results in µCi/unit) & Light社で行われました。この試験では、 放射性廃棄物除去レジン(RWCU レジン) を使用しました。様々な放射能濃度と核分 裂生成物の除染係数(Nickel レジンカラム 法によるサンプル処理前後の濃度比)は、 表2の通りです。 表3は、Carolina Power & Light 社が このカラム法について確認した特性の概略 です。総合的にこれらの要素を比較したと ころ、カラム法の方が沈殿法よりも極めて 速く使いやすい事を表しています。カラム Sample Type Sample Method Nickel Column Ratio TL/HS Tank 2.30E-6 2.38E-6 0.97 Lab Waste Tank 2.66E-6 2.49E-6 1.08 WECT Tank 4.31E-6 4.17E-6 1.03 Ni spike 5.07E-4 5.35E-4 0.95 59 Ni spike 1.00E-2 1.07E-2 0.93 DAW Smears 4.18E-2 4.63E-2 0.90 Radwaste filter 7.40E-1 7.79E-1 0.95 RWCU Resin 1.83E+0 2.05E+0 0.89 63 D. Cahill, Carolina Power & Light, New Hill NC 法の化学回収は沈殿法よりも高く、所要時 間 は 沈 殿 法 の1/3で す。 こ の 研 究 で は、 カラム法で環境に優しいカクテル剤が使用 できるため、研究室で混合廃棄物を減らす ことができます。 表2 Decontamination Factors (RWCU Resin Sample) Cr 51 >37,000 表3 General Observations Parameter Standard Method Column Method Mn 270,000 Chemical Yield 63±9% 90±14% Co 110,000 LLD (50mL/30 min) 1.27E-7 6.5E-8 Co 113,000 Nb 13,700 Overall 12 hours 4 hours Cs >9,000 Hands-on 8 hours 2 hours Cs 58,000 LSC cocktail Mixed Waste ––– 54 58 60 95 134 137 Analysis Time D. Cahill, Carolina P&L D. Cahill, Carolina P&L, New Hill NC Nickel レジンは1種類の粒径(100 ~ 150μ)で製造されています。ボトルもしくはすぐに使用できる充填済カラム(重力 フロー用)とカートリッジ(真空補助フロー用)でご購入いただけます。カラムは購入日から6 ヶ月間の保証付きです。 Nickel レジン 粒 径 容 器 Bottles 100-150µ Columns (2mL) Column (5mL) Cartridges (2mL) 数 量 商品番号 価 格 25g NI-B25-A ¥73,000 50g NI-B50-A ¥116,000 pkg of 20 NI-C20-A ¥58,000 pkg of 50 NI-C50-A ¥132,000 pkg of 200 NI-C200-A ¥475,000 pkg of 20 NI5-C20-A ¥150,000 pkg of 50 NI-R50-A ¥109,000 pkg of 200 NI-R200-A ¥386,000 ■ 29 ■ Pb レジン Eichrom Technologies 社製の Pb レジンは、Sr レジン 図1 (図1)に使用されている物と同じクラウンエーテル抽出剤 を基とした抽出クロマトグラフィー材料ですが、より低い 濃度かつ長鎖アルコール希釈することにより、レジンから の Pb 溶出を促進させることができます。 図2は、Pb といくつかの +1価の陽イオンの抽出挙動を 示しており、図3は、Pb と代表的なアルカリ土類金属の 抽出挙動を示しています。Sr レジンにおけるこれらの 元 素 の 抽 出 挙 動 と 類 似 し て い る こ と に ご 注 意 下 さ い。 0.1M 〜 10M の硝酸濃度範囲にわたり、Pb の保持力は 高いです(分配係数 k' 値 >100)。Pb は、0.1M クエン酸 を10mL、もしくは Pb 担体を使用する場合には、20mL の水でカラムから溶出します。 図2 Pb レジンにおける Pb 抽出でのマトリクス成分の効果 は、Sr レジンにおける Sr の関係と似ています。図4を見 ると、Ca や Na は濃度が最大1M であっても、Pb 抽出に おいてほとんどもしくは全く影響がないことが解ります。 K の濃度が上がるにつれて Pb 抽出は低下します。幸い、 Pb レジンにおける Pb の保持力は充分に高いため、この 分析法HP194はPbの分配係数k'値が100以下にならない 1M 以下の K に用いることができます。 図3 ■ 30 ■ 図4 Pb レジンにおける Pb 抽出は硝酸溶液中で最大値が得 図5 られますが、Pb を塩酸溶液でレジンに導入することも 可能です。図5は、硝酸溶液と塩酸溶液からの Pb の抽出 曲線の比較を示しています。0.1M 以上になると曲線 は分岐し、硝酸溶液では曲線が上昇します。濃度が1M までの範囲では、塩酸溶液から Pb は充分に保持されま す。濃度が1M を超えると、Pb の保持力は急激に低下し ます。Vajda らは、この作用に関する Sr レジンにおけ る Pb の塩酸抽出曲線を報告しました(分析法 VN195)。 Vajda らは、6M 塩酸で Pb を溶離することができるこ とを、Pb と Po の分析法の中で報告しました。このこと は Pb レジンでも同様であると類推することができます。 Pbレジンは、 3種類の粒径 (20 ~ 50μ、 50 ~ 100μ、 100 ~ 150μ)で製造されています。ボトルもしくは すぐに使用できる充填済カラム(重力フロー用)とカート リッジ(真空補助フロー用)でご購入いただけます。 参考文献:Horwitz, E.P.; Gale, N.H.; et al, A Lead- Selective Extraction Chromatographic Resin and Its Application to the Isolation of Lead from Geological Samples, Analytica Chimica Acta, Vol. 292, pp. 263-273(1994) Pb レジン 粒 径 容 器 Bottles 100-150µ Columns (2mL) Bottles 50-100µ Cartridges (2mL) 20-50µ Bottle 数 量 商品番号 価 格 25g PB-B25-A ¥137,000 50g PB-B50-A ¥221,000 100g PB-B100-A ¥433,000 200g PB-B200-A ¥840,000 pkg of 20 PB-C20-A ¥102,000 pkg of 50 PB-C50-A ¥222,000 pkg of 200 PB-C200-A ¥788,000 25g PB-B25-S ¥142,000 50g PB-B50-S ¥230,000 pkg of 50 PB-R50-S ¥194,000 pkg of 200 PB-R200-S ¥690,000 10g PB-B10-F ¥68,000 ■ 31 ■ RE レジン Eichrom Technologies 社製の RE レジンは、不活性のメタ クリル酸高分子支持体にコーティングされたリン酸トリブチル (TBP)中 の1M octyl(phenyl)-N, N-diisobutylcarbamoylmethylphosphine oxide(CMPO)で構成された抽出クロマト グラフィー材料です。CMPO 分子は右に示されています。 RE レジンは、希土類元素の群分離に有効な手段であり、 地質年代測定や、放射性核種移行の研究に使用されています。RE レジンにおける Y の保持力が高いことから、がんの治療で使用 されるイットリウム(90Y)の精製にも適用されています。 RE レジンは、Eichrom Technologies 社製の TRU レジンに類似しています。両方とも同じ抽出剤システム(CMPO/TBP) で構成されていますが、CMPO の濃度は RE レジン内の方がより高くなります。これによって、酸性水溶液中からの希土類元素 と Y に対する親和性は増加します。上の図は、2つのレジンにおけるいくつかのランタノイド元素の抽出率の比較を対数表記し たものです。このように、これらの元素の抽出力は RE レンジの方が TRU レンジの通常2倍であることが解ります。 次のページの図は、米国 Huff and Huff 社が発表した、全てのランタノイド元素に対する分配係数 k’ 値と硝酸濃度の関係を表 した図です。ここで注目すべき点は、全てのランタノイド元素に対して分配係数 k’ 値は硝酸濃度が4M になるまで増加するとい うことです。より高い酸濃度において、より重希土類元素に対して分配係数 k’ 値は増加しますが、軽希土類元素に対しては減少 します。 ■ 32 ■ 上 の 図 は、Huff and Huff 社 に よ っ て 作 成 さ れ た 重 量 分 布 デ ー タ か ら 計 算 し た も の で す( 分 析 法 HD193)。Eichrom Technologies 社製品は、品質仕様書に基づいて製造されています。Esser らは環境水サンプル中の希土類元素を測定するため の分析法を開発しました。彼らは、導入 / 溶離溶液が2N/4N 硝酸の組み合わせの時、導入(15FCV*)とカラム洗浄(25FCV*) の段階において、より重希土類元素の破過を観測しました。6N 硝酸を使用した場合は、ランタノイドの破過は観測されません でした。このことは、右上の図に示されている重希土類元素の酸濃度依存性からも実証されます。Huff and Huff 社の実験で、 全ての硝酸濃度範囲にわたり、Zr、Th および U のみが RE レジンによって保持されることが解ります。彼らは、他のアクチノイド 元素の保持の評価はしませんでしたが、TRU レジンから得られている既知のデータから推定すると、1M 以上の硝酸において 全てのアクチノイドは強い保持力を示すであろうことが予想されます。 *FCV =フリーカラムボリューム(カラムの空隙容量) 詳しくは、p.62をご覧下さい。 RE レジンは、3種類の粒径(20 ~ 50μ、50 ~ 100μ、100 ~ 150μ)で製造されています。ボトルもしくはすぐに使用 できる充填済カラム(重力フロー用)とカートリッジ(真空補助フロー用)でご購入いただけます。 RE レジン 粒 径 容 器 Bottles 100-150µ Columns (2mL) Bottles 50-100µ Cartridges (2mL) 20-50µ Bottle 数 量 商品番号 価 格 25g RE-B25-A ¥84,000 50g RE-B50-A ¥152,000 pkg of 50 RE-C50-A ¥155,000 pkg of 200 RE-C200-A ¥562,000 25g RE-B25-S ¥87,000 50g RE-B50-S ¥158,000 pkg of 50 RE-R50-S ¥137,000 pkg of 200 RE-R200-S ¥497,000 10g RE-B10-F ¥43,000 ■ 33 ■ Sr レジン Eichrom Technologies 社製の Sr レジンは、1オクタノール中に 1.0M に 調 製 し た 4,4'(5')-di-t-butylcyclohexano 18-crown-6 (crown ether)です。40%(w/w)のこの有機溶媒が不活性のクロ マトグラフィー支持体に導入されています。Sr レンジの層密度は、 約0.35g/mL です。 下の図では、様々な元素と共に、Srレジンに対する Sr の分配係数 k' 値 の 酸 依 存 性 が 示 さ れ て い ま す。Horwitz ら は、Sr レ ジ ン を 用 い た バ ッ チ 実 験 で こ れ ら の デ ー タ を 得 て 発 表 し ま し た。Eichrom Technologies 社製品は、同社が公表している分析法を確実に行うた めの設定規格を満たしています。 Sr レジンによる Sr 抽出は、硝酸濃度の増加と共に増 加します。分配係数 k’ 値は8M 硝酸において約90で、 硝酸濃度が0.05M より低くなると1以下に減少します。 左の図から解るように、硝酸濃度の領域において、アル カリとアルカリ土類金属は Sr に比べ、レジンに対して かなり低い親和性を示します。アルカリ土類金属の中で は Ca の抽出力が最も低く、簡単に Ca から Sr を分離す ることができます。この分離を行うために従来用いられ ていた方法はとても面倒で、しかも危険な発煙硝酸を 用いていました。Ba の保持力はやや高めですが、その 抽出力は約3M 硝酸において最大に達し、硝酸濃度がそ れ以上になるとその抽出力は低下してしまいます。Sr 分析において充分な Ba の汚染除去を確実に行うために は、8M 硝酸溶液から Sr をレジンに導入します。充分 に洗浄することで Ba はカラムから流出し、純度の高い Sr のフラクションが残ります。 四価アクチノイドは、Sr レジンにおいて著しく高い 保持力を示しています。左下の図をご覧下さい。拮抗す る錯体であるシュウ酸を加えることで、アクチノイド元素 のカラムへの抽出を防ぐことができます。 広範囲の硝酸濃度にわたり、Sr レジンによる Pb の 保持力は高いです。左の右下の図をご覧下さい。錯化剤 を使用しないで Sr レジンから Pb を除去することは困難 です。そこで Pb を分析するレジンが開発されました。 Eichrom Technologies 社製の Pb レジンは、Pb を簡単 に溶出するためにクラウン・エーテルの濃度を低くし、 水に溶けにくい希釈剤(イソデカノール)としています。 Srレジンは、通常の環境サンプルや生体サンプルに見 られる様々な陽イオンの干渉に対する耐性を示します。次 のページの左上の図は、SrレジンによるSr抽出における 様々な陽イオンの影響を示しています。CaとNaは、濃度 が0.5Mまではほとんど干渉を引き起こしません。牛乳等 特定の種類のサンプル内で見受けられるマクロレベルの Caは、Srの回収に著しく影響を及ぼす可能性があります。 ■ 34 ■ 英 国 核 燃 料 会 社( 旧 Magnox Electric 社 )で 行 わ れ た 研 究 で、 Sr のスパイクを8M 硝酸から前処理済の Sr レジンの2mL カラム 85 に導入しました。カラムは8M 硝酸で洗浄され、Sr は水で溶離しま した。回収率は、320mg までの Ca のレベルに対して定量的でし たが、そのレベルを超えると化学収率は減少しました。 実験的に決定した Sr に対するレジンの最大容量は、2mL のカラム に対し約21mg です。過去の例から見ても、その他の決定的な 報告例がない限り、全ての Eichrom Technologies 社製のレジンは、 最大容量の10 〜 20% を実容量として推奨してきました。しかし、 Magnox Electric 社の研究のおかげで、Sr レジンの場合は最大 8mg の Sr 担体を使用することが可能です。 左上の図が示すように、K の水準が比較的低くても、K は Sr 抽出 を著しく減少させる可能性があります。さらに、Sr フラクションの 中に40K があると、90Sr の測定において誤計測を引き起こすことも あります。したがって、問題を引き起こすのに充分な量の K を含む サンプルにおいて K の干渉をなくすためには、二価のシュウ酸塩に よる選択的沈殿が推奨されます。 左下の図は、異なる2つの粒径の Sr レジンの溶離プロフィールを 示しています。Srレジンの粒径が小さければ小さいほど、溶離バンド は狭くなります。すなわち、低流速という犠牲を払い、結果として 分析時間が長くなりますが、クロマトグラフィーとしての分離性能 は高まります。 ポリカーボネート真空吸引システム等の真空補助フローを使用す ることで、重力フローによるものより速い流速で、より粒径が小さ いレジン(20 ~ 50μや50 ~ 100μ)を使用することができます。 Sr レジン 粒 径 容 器 50g SR-B50-A ¥249,000 100g SR-B100-A ¥430,000 200g SR-B200-A ¥844,000 pkg of 20 SR-C20-A ¥110,000 pkg of 50 SR-C50-A ¥243,000 pkg of 200 SR-C200-A ¥850,000 Column (5mL) pkg of 20 SR5-C20-A ¥218,000 Column (8mL) pkg of 20 SR8-C20-A ¥365,000 Column (10mL) pkg of 20 SR10-C20-A ¥422,000 25g SR-B25-S ¥162,000 50g SR-B50-S ¥258,000 100g SR-B100-S ¥448,000 pkg of 50 SR1ML-R50-S ¥104,000 pkg of 200 SR1ML-R200-S ¥365,000 pkg of 25 SR-R25-S ¥103,000 pkg of 50 SR-R50-S ¥189,000 pkg of 200 SR-R200-S ¥650,000 10g SR-B10-F Columns (2mL) Cartridges (1mL) Cartridges (2mL) 20-50µ 価 格 ¥155,000 Bottles 50-100µ 商品番号 SR-B25-A Bottles 100-150µ 数 量 25g Bottle 4, 4' (5') di (t-butylcyclohexano) 18-crown-6, Bottle, 10g SR-SX-B10 ¥69,000 ¥168,000 ■ 35 ■ TEVA® レジン Eichrom Technologies 社の分析用製品の中で万能と言えるものの1つ が TEVA® レジンです。TEVA® レジンは、Tc の分析や四価アクチノイドの 測定、ランタノイドから Am の分離等に日常的に用いられています。単独で、 もしくは他のレジンと容易に組み合わせて使用することができ、そのため より複雑なサンプルの分離を行うことができます。 TEVA® レジンの活性成分は脂肪族第4級アミンです(右図)。それ自体は、 典型的な強塩基陰イオン交換樹脂と似た特性を有しています。しかし、官能 基が液状であるため、ポリマー骨格(イオン交換樹脂と同様に)に固定され るよりは、むしろ目的陰イオンの周辺で配位するための高い柔軟性を保持し ます。このことは、多くの場合低い酸濃度においてこれらのイオンに対する 抽出力は概して高いことを意味します。 この性質は、左の図の硝酸と塩酸からのアクチノイド と Tc の TEVA® レジンの酸濃度依存性の分布曲線に 示 さ れ て い ま す。 四 価 の Pu、Np、Th は2M 〜 4M 硝酸において最も抽出されていることが解ります。この 酸濃度の範囲内において、六価の U と三価の Am は 充分に保持されず、したがって、レジンは四価イオン をアクチノイドから分離することができます。この性能 は幅広く活用されています。 レジンの錯体形成部位における硝酸イオンとの競合 より、硝酸の濃度が2 〜 4M よりも高いときの四価 アクチノイドに対する分配係数 k' 値は減少します。 硝酸と塩酸における抽出曲線の違いにより、特定の アクチノイドを他から分離するために使用することが できます。例えば、全ての四価アクチノイドは、3M 硝酸から取り込むことができます。アクチノイドが 四価になるように、価数調整が必要になる可能性があ ります。その後6M 塩酸に切り替えることで、Th(Ⅳ) は選択的に溶離され、一方で Pu(Ⅳ)と Np(Ⅳ)は カラム内に留まります。 過テクネチウム酸(Ⅶ)の Tc(Ⅶ)の分配係数につい ても左の図に示されています。レジンはこの陰イオン を低濃度の硝酸、もしくは塩酸の溶液中から強く抽出 します。上記では示しませんが、中性溶液、もしくは 塩基性溶液からもまた Tc の分配係数を示します。Tc 分析において TEVA® レジンの使用は業界基準になっ ています。TEVA® レジンは、Tc 分析で使用する際に 流速200mL/ 分まで耐えることができるディスクでも ご購入いただけます。 オークリッジ国立研究所の K-25にある Darrin Mann の実験室での研究は、TEVA® レジンは、99Tc をアルカリ性溶液や 中和後の酸を含む様々なマトリクスの溶液からの分離に使用できることが実証されました。www.eichrom.com 内にある分析法 MA193をご参照下さい。 ■ 36 ■ 左上の図は、TEVA® レジンによる5M 硝酸からの Np 抽出におけるサンプル中の U と Th の含有量の影響について示したもの です。Th の影響が著しく、かつ直線的である一方、U は濃度が0.05M に達するまでは Np の保持に対してそれほど悪影響を 及ぼしません。例えば15mL の導入サンプル溶液では、これは約180mg に相当します。 右上の図が示しているのは、TEVA® レジンによる2M 硝酸 からの Np 抽出における様々な多原子陰イオンのマトリクスの 影響です。シュウ酸塩は Np 抽出において強い影響力を示して います。シュウ酸はただちに四価アクチノイドと錯形成し、 これらの複合体は TEVA® レジンによって抽出はされません。 シュウ酸は TEVA® レジンから四価アクチノイドの溶離液とし てしばしば使用されています。 リン酸塩は、基本的に様々なサンプルマトリクスに含まれて います。全ての四価アクチノイド(Pu、Th、Np)におけるその 影響は似ていますが、Th は TEVA® レジンによって最も保持さ れにくいため、サンプル中にある高濃度のリン酸塩によって 最も影響を受けます。導入サンプル溶液に Al を加えることで、 この影響は低減します。リン酸塩は Al を選択的に複合するので、 四価のアクチノイドはフリーになるため、ニトラト錯体を形成 し、抽出することができます。 左の図は、干渉を引き起こすもう一つの陰イオンマトリクス を示します。シュウ酸塩の場合、導入サンプル溶液の硝酸濃度 を2M から3.5M に増加させると、Np 抽出力は一桁以上増加し ます。 ■ 37 ■ 右の図は、TEVA® レジンを用いた Np からの Pu の分離を示したものです。 四価の Pu を選択的に Pu(Ⅲ)に還元することによってこの分離を行うことができ ます。この価数において、どの濃度の硝酸もしくは塩酸下でも保持されない Am と同様の挙動を示します。右の図では、Pu はヒドロキノンによって還元されてい ますが、ヨウ化アンモニウムやスルファミン酸鉄のような試薬が使用されること もあります。 下の表は、2M 硝酸(FCV1 〜 30)、4M 塩酸(FCV31 〜 40)そして水(FCV 41 〜 50)中の TEVA® レジンからの様々な元素の溶出挙動を示しています。 *FCV =フリーカラムボリューム(カラムの空隙容量) 詳しくは、p.62をご覧下さい。 Elution of Selected Elements from a TEVA column 2M HNO3 Element 1-5 6-10 11-15 16-20 Li Na Mg Al K Ca Cr Mn Fe Co Ni Cu Zn Rb Sr Y Zr Mo Ag Cd Cs Ba La Ce Pr Nd Sm Eu Hg Th U 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 100 4.1 -100 ----------------------------52.5 --- ----------------------------45.6 --- ----------------------------23.5 --- ■ 38 ■ 21-25 26-30 -------------------------------- -------------------------------- 4M HCl H2O 31-40 41-50 -----------------------------100 -- -------------------------------- TEVA® レジンは、希土類元素からの Am の分離にも有効です。左の図は、希土 類元素が1.0M チオシアン酸アンモニウムと0.1M ギ酸を含む導入サンプル溶液 によって群分離されることを示しています。Am はこの状況下で保持され、後に 塩酸で溶離されます。左の図は0.25M 塩酸での Am 溶出の様子を示しています が、後に2M 塩酸の方が TEVA® レジンから Am の溶離に対してより効果的で再 現性が高いことが明らかになりました。このアプリケーションの詳細は、www. eichrom.com の参考文献一覧の中に記載されています。 TEVA® レジンは3種類の粒径(20 ~ 50μ、50 ~ 100μ、100 ~ 150μ) で製造されています。ボトル、すぐに使用できる充填済カラム(重力フロー用)と カートリッジ(真空補助フロー用)そして大量の水サンプルの99Tc 分析のための ディスクでご購入いただけます。 参考文献:Horwitz, E.P., Dietz, M.L., Chiarizia, R., Diamond, H., Maxwell III, S.L., and Nelson, M., “Separation and preconcentration of actinides by extraction chromatography using a supported liquid anion exchanger: Application to the characterization of high-level nuclear waste solutions", Analytica Chimica Acta, 310(1995)63-78(HP195) TEVA® レジン 粒 径 容 器 Bottles 100-150µ Columns (2mL) 価 格 ¥66,000 50g TE-B50-A ¥118,000 100g TE-B100-A ¥225,000 200g TE-B200-A ¥408,000 pkg of 20 TE-C20-A ¥60,000 pkg of 50 TE-C50-A ¥133,000 pkg of 200 TE-C200-A ¥470,000 pkg of 20 TE5-C20-A ¥177,000 Column (10mL) pkg of 20 TE10-C20-A ¥227,000 25g TE-B25-S ¥69,000 50g TE-B50-S ¥122,000 100g TE-B100-S ¥234,000 200g TE-B200-S ¥424,000 Cartridges (1mL) Cartridges (2mL) Bottle 20-50µ 商品番号 TE-B25-A Column (5mL) Bottles 50-100µ 数 量 25g Discs pkg of 50 TE1ML-R50-S pkg of 200 TE1ML-R200-S ¥67,000 ¥240,000 pkg of 25 TE-R25-S ¥60,000 pkg of 50 TE-R50-S ¥105,000 pkg of 200 TE-R200-S ¥370,000 10g TE-B10-F pkg of 10 TE-D10-F ¥30,000 pkg of 50 TE-D50-F ¥135,000 pkg of 200 TE-D200-F ¥480,000 ¥45,000 ■ 39 ■ Tritium カラム 図1 水サンプル中の H 分析に最もよく使われている蒸留法に代わるものとして、 3 Eichrom Technologies 社製の Tritium カラムはデザインされました。このカラム は蒸留法と同様、液体シンチレーションカウンターでのスペクトル測定への潜在的 干渉を除去します。 これは、濃縮操作のために使われるのではなく、Tritium カラムを通して処理さ れた5 ~ 10mL のサンプル(+ カクテル剤)を直接測定することによって、必要な 検出限界が達成される状況においてのみ使用されなくてはなりません。 図1は Tritium カラムの構成を、表1は各構成物の対象物と最大容量を示していま す。Diphonix® レジンは、水素イオンと交換に陽イオンを除去し、理論上の最大容 量は各カラム0.8mEq になります。陰イオン交換樹脂は Cl- 型で分析グレードの 1×8のレジンです。このレジンは、サンプル中の陰イオンを塩化物イオンと交換し ます。 (サンプルは pH1より大きいことが推奨されます。)ポリメタクリル酸成分は 有機形トリチウムと14C を除去します。 表1 レンジ 対象分 最大容量 Diphonix® レジン 陽イオン 0.8 mEq 陰イオン交換樹脂 陰イオン 0.8 mEq 有機分子 Polymethacrylate レジン 50 mg 表2 Tritium カラムを使用したスパイク回収率の結果 サンプル 容量 H スパイク量 平均化学回収率 3 蒸留水 15 mL 97.2 Bq 96.4% (n=4) 蒸留水 25 mL 20.2 Bq 87.6% (n=4) 蒸留水 25 mL 19.5 Bq 94.9% (n=7) 地下水 25 mL 17.1 Bq 91.2% (n=5) 海水 25 mL 4.0 Bq 90.0% (n=6) 尿 25 mL 85.1 Bq 91.1% (n=4) 表2は Tritium カラムを通した時の様々な種類のサンプルマトリクスの平均化学回収率を示しています。 このカラムは潜在的に放射線の干渉を引き起こす核種を除去します。Eichrom Technologies 社で行われた実験では、放射性 核種混合溶液(60Co、137Cs、233U、90Sr/90Y、210Pb、230Th、全放射能は16.9Bq)を8つの3H をスパイクした溶液(蒸留水と 海水サンプル)に添加しました。どの場合においても、サンプルが Tritium カラムを通過した後は、トリチウムウィンドウより上 の範囲におけるカウント数は、スパイクしないサンプルのものと変わりませんでした(表3)。 表3 汚染調査の結果 スパイクされた 検出された 放射能量 放射能量(Bq) サンプル 容量 蒸留水 25 mL 19.5Bq 16.9Bq <MDA (N=2) 蒸留水 25 mL 20.2Bq 16.9Bq <MDA (N=2) 海水 25 mL 4.0Bq 16.9Bq <MDA (N=4) ■ 40 ■ H スパイク量 3 Carolina Power & Light 社の Daniel Cahill による別の研究 表4 で は、Eichrom Technologies 社 製 の Tritium カ ラ ム を Carolina Power & Light のサンプル 通過する前後の PWR および BWR 原子炉冷却材サンプル内に おける核分裂核種と放射化生成物の放射能を測定しました。 アイソトープ PWR サンプル BWR サンプル 表4は、カラムを通過する前の各サンプルの放射能をまとめた 51 Cr 2,900 1,900 ものです。 54 Mn 518 5,590 58 Co 4,740 4,960 は検出されず、>50% の計数誤差で微量の60Co の放射能が 59 Fe 109 − 検出されました。60Co の測定値はかなり低く、計数誤差は 60 Co 392 5,990 かなり高かったこと、また、BWR サンプルではカラム通過前 113 は PWR の10倍以上の Co を含むのに対し、カラム通過後は Sn 230 − 95 Nb 4,220 116 95 Zr 2,210 − 131 I 14,200 − 134 Cs 1,1200 − 137 Cs 1,320 − ご覧下さい。当カタログおよび Eichrom Technologies 社の 140 La − 1,550 ウェブサイトに発表されている研究は、同社および同社製品 144 Ce − 203 ユーザーの研究室で行われたものであり、Tritium カラムが D. Cahill, Carolina Power & Light, New Hill NC カラムを通過した後のBWRサンプル内には測定可能な放射能 60 まったく60Coを含まなかったことを考慮すると、PWRサンプル 内で微量の60Coが測定されたことは、ガンマカウンターのバック グラウンド等の機械的なエラーに起因すると考えられます。 Eichrom Technologies 社製の Tritium カラムの性能に関 する追加情報については、同社のニュースレターアーカイブを 従来の蒸留法と同等に機能するものであるということを示してい ます。皆様が分析に使用している水溶性3H サンプルの蒸留法 に対する代替手段としてこの Tritium カラムを一度ご使用する ことを推奨します。 Eichrom Technologies 社製の Tritium カラムは、充填済 の2mL カラムでご購入いただけます。20本入り、50本入り、 200本入りからお選びいただけます。 Tritium カラム 粒 径 75-150µ 容 器 Columns (2mL) 数 量 商品番号 価 格 pkg of 20 H3-C20-A ¥58,000 pkg of 50 H3-C50-A ¥124,000 pkg of 200 H3-C200-A ¥430,000 ■ 41 ■ TRU レジン Eichrom Technologies 社製のTRUレジンは、トリブチルリン酸(TBP) に溶解したoctylphenyl-N,N-di-isobutylcarbamoylmethylphosphine oxide(CMPO)である抽出クロマトグラフィー材料です。CMPO 分子 は右に示されています。TRU レジンの層密度は約0.37g/mL であり、 実 際 の Am 分 析 で は レ ジ ン1mL に 対 し て2mg、 も し く は 充 填 済 の 2mL カラムに対して4mg が可能です。この数値は、レジンの理論 上の上限抽出可能量の20% を意味しています。 CMPO/TBP 溶媒システムはアクチノイド元素と結合し、特定の水溶液からそれらを抽出します。左上の図は TRU レジンを 用いた硝酸溶液からの様々なアクチノイドの抽出を示しています。 Y 軸の分配係数 k’ 値は抽出量を示し、クロマトグラフィーカラムのピーク最大値に対する FCV の数に相当します。FCV(フリー カラムボリューム)はカラムの隙間の尺度(すなわち空隙容量)を意味します(詳しくは p.62をご覧下さい)。数値が100以上の 場合は抽出力が強いこと、1 ~ 50の場合は抽出力が弱いこと、そして1以下の場合はカラムに対する保持力がないことを表しま す。ここで紹介されているデータは、アルゴンヌ国立研究所において、実験用の TRU レジンを用いて Horwitz らが発表したもの です。Eichrom Technologies 社製品は、同社が公表している分析法を確実に行うための設定規格を満たしています。 四価アクチノイドはカラムへの極めて高い保持力を示し、2M 以上の硝酸濃度において、分配係数 k’ 値は104 ~ 106で す。U(Ⅵ)は約1桁分配係数 k’ 値が低くなります。Am(Ⅲ)の分配係数 k’ 曲線は、硝酸の濃度が1 ~ 5M の範囲において、 約100FCV で平衡状態に達します。Pu(Ⅲ)は Am と同じように挙動し、Np(Ⅴ)は全ての硝酸塩濃度において、かなり低い 保持力しか示さないことに注意して下さい。 ■ 42 ■ 前のページの図には、塩酸溶液における TRU レジンでのアクチノイドの保持作用を示しています。塩化物媒体内の Am に対す るカラムの親和性が非常に低いことが、TRU レジンからの Am(および Pu(Ⅲ))の選択的溶出の基礎となります。 前のページの図は、スパイク溶液を使用して求められた抽出曲線です。一方、下の図はアクチノイド抽出時における様々な マトリクス成分の影響を示しています。 左上の図は、TRU レジンへの2M 硝酸からの Am の分配係数 k' 値に対する様々なイオンの影響を示しています。示されている 陽イオンのなかで、Ca と Fe(Ⅱ)は Am の保持に対して影響がないことが解ります。この点は特に意義があります。というのは、 多くの環境サンプルやバイオアッセイサンプル中に Ca と Fe の両方が大量に存在しているからです。Ca や Fe は、沈殿操作にお いて担体としてよく加えられます。Fe(Ⅲ)は Am 保持において重大な悪影響を示しています。そのため、サンプル内に Fe が存 在する恐れがある場合は、アスコルビン酸等の還元剤を加えて確実に全ての Fe(Ⅲ)を Fe(Ⅱ)に還元する必要があります。この ことは、アンモニウムチオシアン酸塩を使用して指標することが可能です。Fe(Ⅲ)の存在下では、深紅の呈色を示しますが、 Fe (III) では無色になります。 Al は、TRU レジンのカラムの Am の抽出力を実質的に増加させます。このことは、Al(Ⅲ)イオンが溶媒の中で容易に水和さ れるために起こります。このことで溶媒中の硝酸イオンの活量が増加し、CMPO-TBP 抽出システムによって容易に抽出される Am 硝酸イオン錯体の形成を促進します。 上の図に示されているように、通常存在する多原子陰イオンは TRU レジンの Am の保持に実質的に何の影響も与えませんが、 四価アクチノイドの保持に対しては、全く逆の著しい影響を及ぼします。中央の図は Np の保持に対する影響のみを示していま すが、同じ条件での四価アクチノイドの挙動はこれに類似しています。Pu の曲線は Np の曲線とほぼ同一です。一方、Th の 曲線は平行で、その値は1桁程低くなるでしょう。 ■ 43 ■ 幸い、Np と Pu は充分に高い保持力を有す るため、硫酸やリン酸が比較的高濃度(0.5M まで)であっても、Eichrom Technologies 社 が公表している分析法に示されている条件下で は破過は起こりません。Th が TRU レジンで分 離される場合は、サンプル中のリン酸や硫酸の 値が上昇していることに注意を払う必要があり ます。硫酸アルミニウムを加えることで、リン酸 が Al と選択的に結合して Th にほとんど影響を 与えないため、マトリクス効果は減少します。 前のページの右の図に示されているように、 CMPO/TBP 溶 媒 シ ス テ ム で 抽 出 さ れ な い シュウ酸結合体を容易に形成するため、四価 アクチノイドに対して、シュウ酸は極めて有意 な影響を及ぼします。U の保持は、0.1M まで のシュウ酸には大きな影響を受けません。この ため、シュウ酸溶液を使用することで、Uを溶出 させることなく TRU レジンから四価アクチ ノイドを選択的に溶出することができます。 右の表は、2M 硝酸(FCV1 〜 30)と0.05M 硝酸(FCV31 〜 40)を用いた時の TRU レジン からの自然界に存在する元素の溶出挙動を示し たものです。 TRU レジンの粒径は3種類(20 ~ 50μ、50 ~ 100μ、100 ~ 150μ)であり、ボトルもしくはすぐに使用できる充填済 カラム(重力フロー用)とカートリッジ(真空補助フロー用)でご購入いただけます。 TRU レジン 粒 径 容 器 Bottles 100-150µ Columns (2mL) ■ 44 ■ 価 格 ¥57,000 50g TR-B50-A ¥105,000 100g TR-B100-A ¥200,000 200g TR-B200-A ¥362,000 pkg of 20 TR-C20-A ¥58,000 pkg of 50 TR-C50-A ¥126,000 pkg of 200 TR-C200-A ¥445,000 pkg of 20 TR5-C20-A ¥170,000 Column (10mL) pkg of 20 TR10-C20-A ¥234,000 25g TR-B25-S ¥61,000 50g TR-B50-S ¥108,000 100g TR-B100-S ¥207,000 200g TR-B200-S ¥376,000 Cartridges (1mL) Cartridges (2mL) 20-50µ 商品番号 TR-B25-A Column (5mL) Bottles 50-100µ 数 量 25g Bottle pkg of 50 TR1ML-R50-S pkg of 200 TR1ML-R200-S ¥65,000 ¥227,000 pkg of 25 TR-R25-S ¥56,000 pkg of 50 TR-R50-S ¥98,000 pkg of 200 TR-R200-S 10g TR-B10-F ¥350,000 ¥38,000 UTEVA® レジン UTEVA レジンは様々な分析に用いられてきました。例えば、環境サンプルに ® おける U の測定、高濃度の U を含むサンプルにおける U 以外の元素の測定を行う ための前処理、U や Pu、Am の遂次分析、尿中のアクチノイドの測定、そして高 レベル廃棄物中のアクチノイドの測定等があります。 UTEVA® レジン内の抽出剤であるジアミル ア ミ ル ホ ス ホ ン 酸(DAAP、 上 図 参 照 )は、 アクチノイド元素と硝酸イオン錯体を形成し ます。これらの錯体の形成は、サンプル溶媒 内の硝酸濃度によって決定されます。そのた め、硝酸濃度が高くなるとアクチノイドの 抽出率も増加します。左側の図1は、分配係数 k’ 値(ピーク最大値に対する FCV* に相当し ている抽出率の尺度)と硝酸濃度との関係を 示しています。 四価のアクチノイドと U の硝酸溶液から の抽出率は非常に似ていることが解ります。 硝酸濃度が5M 以上では、全て強い保持力 (分配係数k'>100)です。一方で、Amはいか なる硝酸濃度においても保持されないことに 留意して下さい。これは化学分離法を開発す る上で非常に重要です。スルファミン酸第一鉄 で、Pu(Ⅳ)を Pu(Ⅲ)に還元することができ、 この価数において、Pu(Ⅲ)は Am(Ⅲ)と同 じように挙動します。 右 側 の 図2は、UTEVA ® レ ジ ン へ の Np(Ⅳ) 、Th(Ⅳ) 、U(Ⅵ)の保持力に対する 塩酸の影響を示した同様のグラフです。塩酸 濃 度 が4 ~ 6M の 範 囲 に お け る U と Th の 分配係数 k’ 値が大きく異なるため、Th と U 図1 図2 両方がレジンに抽出された後に Th だけを 選択的に溶離することが可能です。 左の図からは、比較的少量のごく低濃度の硝酸(例:0.01 ~ 0.05M)で U を UTEVA® レジンから効率的に溶出することがで きることが解ります。しかし実際には、U の溶離には塩酸がより効果的なため、可能ならば硝酸の代わりとして塩酸を使用する ことを推奨します。塩酸濃度が1M までは、定量的に U を溶離することが示されています。充填済の2mL カラムもしくはカート リッジに対して、塩酸15mL が充分な量です。 このページのデータは Horwitz らが UTEVA® レジンを用いて行ったバッチ実 験の結果です。Eichrom Technologies 社の製品は、同社が公表している分析法を確実に行うための設定規格を満たしています。 詳細については同社の製品の仕様をご覧下さい。 このページのデータは Horwitz らが UTEVA® レジンを用いて行ったバッチ実験の結果です。Eichrom Technologies 社の製品 は、同社が公表している分析法を確実に行うための設定規格を満たしています。詳細については同社の製品の仕様をご覧下さい。 *FCV =フリーカラムボリューム(カラムの空隙容量) 詳しくは、p.62をご覧下さい。 ■ 45 ■ ほとんどの分析条件において、かなり高濃度の マトリクス元素が存在すると、UTEVA® レジンによる 分離が正しく行うことができなくなる可能性があり ます。右の図は、2M 硝酸からの Np と U のそれぞ れの保持に対するいくつかの多原子陰イオンの影響 について示しています。Np(Ⅳ)の保持への影響は U(Ⅳ)に対する影響よりも有意に大きいことに留意 して下さい。Th については、これらの陰イオンに よって Np と同様の影響を受けることが実際に観察 されました。 様々な生物サンプルや環境サンプルにはリン酸が 普遍的に存在するので、その影響は最も重要です。 幸い、サンプルマトリクスにAlを加えることで、この 問題を解消することができます。リン酸イオンは、 容易に四価アクチノイドと結合します。このリン酸 結合体は DAAP によって抽出されることはありませ ん。UTEVA® レジンを用いて Al を加えると、効果 的にリン酸を固定し、Np(もしくは Th)抽出に対す るそれらの干渉を妨ぐことができます。いくつかの 分析法では、リン酸への影響を弱めるために1M 程度 の硝酸アルミニウムを加えることもあります。 UTEVA® レジンにおける U の理論上の最大抽出 容量は、レジンベッド約37mg/mL です。しかし実 際には、この最大抽出容量の20%、つまりレジン 1mL 当たり7.5mg を上回ることは好ましくありま せん。2mL の充填済カラムでは15mg の U が導入 可能です。UTEVA® レジンの層密度は0.39g/mL です。 次のページの表は、約30元素の溶出挙動につい て示しています。表に示されるように、ほとんど 全てのテスト元素は、2M 硝酸の10FCV で除外さ れます(Zr と Ru はそれぞれ15以下の FCV が必要 です)。前のページの左図から予想できるように、 FCV が30を 超 え て も、2M 硝 酸 に お い て U は 全く観測されていません。溶離液が希硝酸(ここで は0.02M)になると、U の溶出は10FCV で完了し ます。 ■ 46 ■ UTEVA® レ ジ ン は 3 種 類 の 粒 径 (20 ~ 50μ、50 ~ 100μ、100 ~ 150μ)で製造されています。ボ トルもしくはすぐに使用できる充填 済 カ ラ ム( 重 力 フ ロ ー 用 )と カ ー ト リッジ(真空補助フロー用)でご購入 いただけます。 参 考 文 献:Horwitz, E.P., et al, Separation and preconcentration of uranium from acidic media by extraction chromatography, Analytica Chimica Acta, Vol.266, pp.25-37(1992) (HP392) a. B ecause of uncertainties inherent in the ICP-AES method used for quantitation, the fractions shown for a given element may not total 100%. Values in parentheses are subject to considerable uncertainly and are intended only as a guide. Feed solution contained -0.02M oxalic acid to solubilize zirconium. b. 1FCV=0.60mL here c. By flame atomic emission d. By atomic absorption e. Radiometric UTEVA® レジン 粒 径 容 器 Bottles 100-150µ Columns (2mL) 商品番号 UT-B25-A 50g UT-B50-A 100g UT-B100-A 200g UT-B200-A pkg of 20 UT-C20-A pkg of 50 UT-C50-A pkg of 200 UT-C200-A Column (5mL) pkg of 20 UT5-C20-A Column (10mL) pkg of 20 UT10-C20-A 25g UT-B25-S 50g UT-B50-S 100g UT-B100-S 200g UT-B200-S pkg of 50 UT1ML-R50-S pkg of 200 UT1ML-R200-S Bottles 50-100µ 数 量 25g Cartridges (1mL) Cartridges (2mL) 価 格 ¥48,000 ¥89,000 ¥160,000 ¥290,000 ¥50,000 ¥105,000 ¥370,000 ¥157,000 ¥170,000 ¥50,000 ¥93,000 ¥168,000 ¥300,000 ¥55,000 ¥199,000 pkg of 25 UT-R25-S pkg of 50 UT-R50-S ¥47,000 pkg of 200 UT-R200-S ¥299,000 ¥84,000 50-100µ with Pre-Filter Resin Column (10mL) pkg of 20 UT10-C20-S-3PA ¥155,000 (100-150µ, 3mL Column) Column (15mL) pkg of 20 UT15-C20-S-3PA ¥222,000 20-50µ Bottle 10g UT-B10-F ¥38,000 ■ 47 ■ レジンカートリッジの各種付属品 ポリカーボネート真空吸引システム 12 本掛け用 商品番号 24 本掛け用 AC-12-BOX 価 格 AC-24-BOX ¥119,000 ¥198,000 寸 法 32cm × 14.5cm × 18cm (縦×横×高さ) 57cm × 14.5cm × 18cm 付属品 (共通) 真空計、遠沈管(50cc)用のラック、 黄色アウターチップ、インナーサポートチューブ、 使用しない穴を塞ぐためのマニフォールドプラグ AC-12-BOX AC-24-BOX 本システムと Eichrom Technologies 社製の充填済カートリッジを組み合わせて使用すること で、重力に任せて流す従来の方法に比べて、分析時間を半分に短縮することができます。 上面部は酸にも対応できる高密度ポリエチレン(HDPE)製であり、下面部は透明のプラスチッ ク製のため回収チューブの中をよく見ることができます。4本の脚(高さ2.5cm)が付いているた め、取り外した場合でも実験台に置くことができ、使用時にカートリッジやチップに影響を与え ることはありません。セットアップ方法や使用方法は分析法 VBS01をご参照下さい。 インナーライナー 商品番号 価 格 12 本掛け用 AC-12-LINER ¥23,000 24 本掛け用 AC-24-LINER ¥31,000 AC-12-LINER AC-24-LINER この透明なプラスチック製のライナーをラックインサートの代わりに使用して、廃液を回収し ます。全容量は12本掛け用だと約2L、24本掛け用だと約4L です。24本掛け用インナーライナー の穴を全て使用している場合、1サンプル当たりの容量は160mL です。 10mL/20mL カートリッジ容器 フリット サイズ 10mL あり 20mL 10mL なし 20mL 数 量 pkg of 25 商品番号 AC-25-RV10-F pkg of 200 AC-200-RV10-F pkg of 25 AC-25-RV20-F pkg of 200 AC-200-RV20-F pkg of 25 AC-25-RV10 pkg of 200 AC-200-RV10 pkg of 25 AC-25-RV20 pkg of 200 AC-200-RV20 価 格 ¥6,000 AC-25-RV10 AC-200-RV10 ¥50,000 ¥6,000 ¥50,000 ¥4,000 ¥26,000 ¥4,000 ¥29,000 注射筒のように、ルアーロック構造のカートリッジ容器を Eichrom Technologies 社製の充填 済カートリッジの上部に取り付けます。目盛りが付いているため、真空吸引システムの使用時に 流速を測定しやすくなっています。 AC-1000-OT 黄色アウターチップとインナーサポートチューブ 数 量 商品番号 価 格 黄色アウターチップ pkg of 1000 AC-1000-OT ¥14,000 インナーサポートチューブ pkg of 1000 AC-1000-TUBE-PE ¥18,000 この使い捨てチップとチューブは真空吸引システムに充填済カートリッジを取り付ける際に使 用します。各フラクションによる二次汚染を避けるために、洗浄と溶離の間で交換、廃棄して下 さい。 ■ 48 ■ AC-1000-TUBE-PE レジンカラムの各種付属品 エクステンションファンネル 数 量 商品番号 価 格 25mL エクステンションファンネル pkg of 20 AC-120 ¥6,000 250mL エクステンションファンネル pkg of 20 AC-20X-20M ¥7,000 25mL エクステンションファンネルは、2つの部分からなるポリプロピレン製のリザーバー (25mL)です。2mL カラムの上部にぴったりはめ込むことができます。 250mL エクステンションファンネルは、一体成形のプラスチックリザーバーです。5mL/20mL カラムの上部にぴったりはめ込むことができます。有効容量は200 ~ 250mL です。 カラムコネクター 数 量 カラムコネクター pkg of 100 商品番号 AC-121 価 格 ¥16,000 2mL カラムに25mL エクステンションファンネル(AC-120)をつなぐための部品です。 エンプティーカラム 数 量 商品番号 価 格 2mL エンプティーカラム pkg of 100 AC-14l-AL ¥32,000 5mL エンプティーカラム pkg of 50 AC-50E-5M ¥17,000 20mL エンプティーカラム pkg of 20 AC-20E-20M AC-120 AC121 AC-141-AL ¥8,000 Eichrom Technologies 社製の充填済カラムと同じポリプロピレン製です。 2mL エンプティーカラムは、内径0.8cm です。カラム先端のチップは手で切り取りが可能で あり、分析時にやや異なる大きさのカラムが必要な場合に使用します。 5mL/20mL エンプティーカラムは、レジンやイオン交換樹脂が大量のベッドボリュームを必 要とする場合に使用します。 20mL エンプティーカラムは、内径1.5cm であり、収容可能容量は17mL です。 どのエンプティーカラムも、カラムの底部にはフリットが挿入されており、カラムの底部に取 り付けるカラムチップ・クロージャー、キャップそして上部用フリットが付属されています。 AC-103 15穴カラムラック 商品番号 15 穴カラムラック AC-103 価 格 ¥15,000 透明なアクリル製であり、寸法は縦24cm、横11.5cm、高さ16cm です。カラムから50cc の遠心分離管に直接注入することができるように15個の穴が配列されています。 カラムチップ・クロージャー AC-130 数 量 カラムチップ・クロージャー pkg of 100 商品番号 AC-130 価 格 ¥6,000 1回の分析でカラムを2回使用する際に、カラムが完全に乾燥しないよう、カラムの底部に弾力 性のあるプラスチック製のスリーブを取り付けます(例:分析法 SRW01)。 その他製品ラインアップ 商 品 名 商品番号 価 格 Vacuum Box Gauge, PVC AC-01-GAUGE-PVC ¥30,000 12 Hole Vacuum Box Replacement Rack AC-12-RACK ¥25,000 12 Hole Vacuum Box Replacement Lid AC-12-LID ¥25,000 12 Hole Vacuum Box Top Support AC-12-TS ¥16,000 12 Hole Large Column Rack (for 5mL/20mL Columns) AC-20M-RACK ¥25,000 24 Hole Vacuum Box Replacement Rack AC-24-RACK ¥40,000 24 Hole Vacuum Box Replacement Lid AC-24-LID ¥33,000 24 Hole Vacuum Box Top Support AC-24-TS ¥22,000 AC-50E-5M ■ 49 ■ ResolveTM Filters 0.1μ m polypropylene, 25mm dia, pkg of 100 商品番号:RF-100-25PP01 ¥15,000 0.1μ m polypropylene, 47mm dia, pkg of 50 商品番号:RF-50-47PP01 ¥15,000 一般的にフィルターは、粒子除去の規格を満たして アルファ線スペクトロメトリーにおける性能 液体の純度を得ることを目的に作られています。例えば、 ResolveTM Filters に使用されているメンブレンフィルター 細 孔 の 大 き さ が0.1μ m の フ ィ ル タ ー は、 液 体 か ら の細孔径の分布を均質に保つことで、Eichrom Technologies 0.1μ m の粒子を99.98% 取り除くことができると定義 社はアルファ線スペクトロメトリーにおいて再現性が優れた されています。しかし、表面の細孔は0.1μ m よりも大 ResolveTM Filters の製造を可能にしました。241/243Am や232U きい、もしくは小さい可能性があります。アルファ線 線源の調整における多数のフィルターの性能が評価されてき スペクトロメトリーにおいて最大のピーク分解能を求め ま し た。 図1と 図2は、 代 表 的 な ResolveTM Filters に お け る るには、希土類フッ化沈殿物を均一に分布させ、可能な 241/243 限りフィルターの表面を均一化する必要があります。 最近報告された分解能の品質では既存のメーカーの 製造仕様や品質管理手順がアルファ線スペクトロメトリー の 専 門 家 の ニ ー ズ に 対 応 し て い な い と 思 わ れ ま す。 Eichrom Technologies社製の Resolve TM Filters は、 アルファ線スペクトル測定の調整用フィルターとして 最適です。 品質管理 中に入っているフィルター材は、完成品における表面の細孔 径の分布を均一にするために、走査型電子顕微鏡(SEM)でモニタ リングおよびスクリーニングされています。また、製造された フィルターのロットごとに241/243Am の分解能を測定するテスト を行っています。この時のテストは、各ピークの半値全幅は 50keV に設定されています 図1 ■ 50 ■ Am および232U のアルファ線スペクトルを示しています。 図2 製品の妥当性の検証 アルファ線源の調製において、フィルターの表裏で異なる結果が出ると考える科学者もいます。Eichrom Technologies 社 は、ResolveTM Filters は両面でそのピーク値は異なるのかどうかを検討してきました。初めに同社、そして後に米国 Carlsbad Environmental Monitoring Research Center の Barry Stewart に よ る、 計2つ の 研 究 が 行 わ れ ま し た。Carlsbad で の 研究では、光沢のある面 / ない面、そして基質の使用 / 未使用等の様々な要因が考察されました。Stewart は、ASTM 手順の C1163-98(50μ g の La 担体)を使用して ResolveTM Filters 上に241/243Am の線源調整を行いました。彼の研究マトリクスは、 フィルターの両面、そして基質の使用による影響を評価しました。結果は下の表の通りです。 サンプル 基 質 フィルターの向き 半値全幅(KeV) Am 回収率 Am 回収率 1 無 光沢面が下 28 98.4% 98.4% 2 無 光沢面が下 25 95.7% 95.5% 3 無 光沢面が上 22 101.9% 97.6% 4 無 光沢面が上 26 100.2% 99.3% 5 有 光沢面が下 25 100.5% 96.1% 6 有 光沢面が下 23 98.6% 97.0% 7 有 光沢面が上 25 95.1% 94.8% 8 有 光沢面が上 26 97.6% 95.0% 243 241 Carlsbad での研究結果は、フィルターは両面で同じ性能を有すること、そしてフィルター上の基質の有無に関わらず243Am のピーク値(<30keV)において極めて良いピーク分解能が得られることを示しています。 Eichrom Technologies 社でも同様の調査を行い、フィルター両面における2種類の Am 放射性同位体のピーク分解能を評 価しました。この際、フィルターの形状は切断してフィルターディスクにする前の、物質上のフィルター表面の内側と外側の向 きによって表されています。この調査における線源調整は、50μ g の Ce を使用して行う Eichrom Technologies 社の分析法 SPA01に従って行われました。下の表に示されるように、241/243Am 両方の半値全幅は、フィルター形状の作用により変化する ことはありませんでした。 Am フィルター外側 243 Am フィルター内側 243 Am フィルター外側 241 Am フィルター内側 241 36 29 41 26 28 22 33 37 31 38 32 45 32 35 37 44 43 42 37 42 43 41 平均値 =34 平均値 =33 平均値 =36 平均値 =39 標準偏差 =7 標準偏差 =8 標準偏差 =4 標準偏差 =8 観測される実際のピーク分解能は様々な要因によって変化しますが、Eichrom Technologies 社の品質管理プログラムは、 フィルターそのものはアルファ線スペクトロメトリーにおいて分解能を弱める要因にならないことを保証しています。 ■ 51 ■ ResolveTM Filters 使い捨てファンネルタイプ 0.1μ m ×25mm, preloaded in disposable funnel units, pkg of 25 商品番号:RF-DF25-25PP01 ¥10,000 0.1μ m ×25mm, preloaded in disposable funnel units, pkg of 200 商品番号:RF-DF200-25PP01 ¥55,000 この使い捨てファンネルタイプは、アルファ線スペクトル測定の調整用 フィルターとして最適な ResolveTM Filters が充填されています。 ファンネルタイプも、前 のペ ージ の Resolve TM Filters のように、 サンプルの回収とフィルターの分解能を最大限にするために設計されています。使い捨てであるため、サンプル間の二次汚染が 起きる可能性はありません。また、ピンセットで簡単にフィルターを取り除いて、プランシェットに置くことができます。 Resolve PTFE Filter 3μ m, PTFE Laminate, 25mm dia, pkg of 60 商品番号:RP-60-25PTFE3 ¥15,000 3μ m, PTFE Laminate, 47mm dia, pkg of 50 商品番号:RP-50-47PTFE3 ¥15,000 Eichrom Technologies 社製の Resolve PTFE Filter は、どのような アルファ放射体のフィルターサンプルの測定器でもラドン / トロンの補正 アルゴリズムの性能を最適化するよう考案されたものです。フィルターの 品質は、性能試験により放射化学的および物理的性能が保証されています。 Resolve PTFE Filter の特性 QC パラメーター 許容基準 直径 25mm もしくは 47mm バックグラウンド <MDA dpm α / β 細孔径 3.0 μ(表面上) アルファ線分解能 <60 keV FWHM 0.15 〜 0.4mm アルファ線回収率 >80% エア・サンプリング後 反り ≦ 2.5mm 厚さ DOP 効果 >99.99% 0.3 μ m @5.33cm/ 秒 化学的適合性 ほとんどの試薬や溶媒に対して耐性がある 通気性 1.8m3/m2/ 分 @125pa(最小) 格子面を下、逆のエアフローで使用 エアフィルター本体への粒子の浸透を最小限に抑えるために、このポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のろ過面が使用さ れています。粒子の浸透を最小化することで、フィルターから得られるデータの質に2つの影響を与えます。初めにフィルター がアルファ線放出核種の吸着を最小限に抑制するために、アルファ線放出効果が増加します。そして検出器までの軌道において アルファ線放出核種がぶつかる可能性がある物質量が減少することで、アルファ線スペクトロメトリーの分解能が増加します。 取扱条件や大気条件によるろ過面への移行を最小限に抑えるため、PTFE 材料は薄く重ねて高分子のバッキングにされています。 ■ 52 ■ Eichrom Technologies 社の Canberra iSolo で行われた測定 図1:ガラス繊維フィルターに233U と 241Am をスパイクしたエア・サンプリング後のスペクトル 図2:ResolveTM Filters に233U と Am をスパイクしたエア・サンプリング後のスペクトル 241 ■ 53 ■ アプリケーションノート:www.eichrom.com でご覧いただけます。 表 題 Eichrom Product Catalog 2014 Eichrom Bibliography 参照番号 EPC2014 5/14 Determination of Thorium in High Purity Aluminum by ICP-MS AN502 SrRSA: Strontium Isotope Residual Salt Analysis AN503 Determination of Pb in Steel by flow injection – AAS AN601 Beryllium Analysis Matrix Removal (ICP-AES) AN602 Metal Impurities in Uranium, Plutonium and Mixed Oxides AN603 Tritium Columns AN1001 Resolve® Filters for Alpha Spectrometry Source Preparation AN1101 Resolve® PTFE Laminate Filters AN1102 Diphonix and Monophos Resin AN1201 Ion Exchange Resin for Analytical Applications ■ 54 ■ ZZ407 分析法一覧 Eichrom Technologies 社 の 分 析 法 は、www.eichrom.com で ご 参 照 い た だ け ま す。Microsoft Word も し く は Adobe Acrobat(pdf)の形式でご覧いただけます。オンライン上でご覧いただくか、メールで入手することができます。また、 Eichrom Technologies 社のウェブサイトを通して最新情報を受け取るように選択することもできます。 参照番号 表 題 バージョン ACS07 Uranium in soil (2 gram sample) 1.5 ACU02 Americium, Plutonium and Uranium in Urine 1.6 ACU02 VBS Americium, Plutonium and Uranium in Urine (with Vacuum Box System) 1.6 ACU03 Neptunium and Thorium in Urine 0.4 ACW01 Uranium and Thorium in Water 1.7 ACW03 Americium, Plutonium, and Uranium in Water 2.1 ACW03 VBS Americium, Plutonium and Uranium in Water (with Vacuum Box System) 1.6 ACW04 Americium in Water 0.2 ACW08 Thorium and Neptunium in Water 1.7 ACW10 Thorium in Water 1.0 ACW11 Gross Alpha Radioactivity in Water 0.3 ACW13 VBS Thorium, Plutonium and Uranium in Water (with VBS) 1.3 ACW16 VBS Am_Np_Pu_Th_Cm_U in Water (with VBS) 1.0 ACW17 Am_Np_Pu_Th_Cm_U_Sr in Water (with VBS) 1.0 FEW01 Iron-55 in Water 1.0 NIW01 Nickel 63/59 in Water 1.2 OTS01 Lead in Soil 1.1 OTW01 Lead-210 and Polonium-210 in Water 2.0 OTW02 Tritium in Water 1.0 RAW01 Radium-228 in Water 1.1 RAW03 Radium in Water 1.3 RAW04 Radium-226/228 in Water (MnO2 Resin & DGA Resin Method) 1.0 SPA01 Cerium Fluoride Microprecipitation for Alpha Spectrometry Source Preparation of Actinides 1.1 SRW01 Strontium-89,90 in Water 1.4 TCS01 Technetium-99 in Soil 1.8 TCU01 Technetium-99 in Urine (TEVA® Disc Method) 1.2 TCW01 Technetium-99 in Water 1.6 TCW02 Technetium-99 in Water (TEVA® Disc Method) 1.3 VBS01 Setup and Operation Instructions for Eichrom's Vacuum Box System (VBS) 1.3 ■ 55 ■ Compendial Methods 米国材料試験協会(ASTM)や保健および安全性研究所(HASL)、米国エネルギー省(DOE)の Methods Compendium 等には、 最新技法を取り込んだ分析法が常に追加されており、Eichrom Technologies 社製の抽出クロマトグラフィーレジンを用いた 分析法も記載されています。www.eichrom.com から発行元にリンクできるようになっており、分析法をダウンロードもしくは 有償(一部無償)でコピーを入手することができます。また、本カタログで参照している分析法は、発行元に連絡して入手するこ とも可能です。 ASTM: D19.04 (RADIOACTIVITY IN WATER) D5811-08 Standard test method for Strontium-90 in water D7168-05 Standard test method for 99Tc in water by solid phase extraction disk D7535-09 Standard test method for Lead-210 in water ASTM C26.05 (NUCLEAR FUEL CYCLE, METHODS OF TEST) C1000-05 Standard test method for radiochemical determination of uranium isotopes in soil by alpha spectrometry C1001-05 Standard test method for radiochemical determination of plutonium in soil by alpha spectroscopy C1310-01 (2007) Standard test method for determining radionuclides in soils by inductively coupled plasmamass spectrometry using flow injection preconcentration C1345-08 Standard test method for analysis of total and isotopic uranium and total thorium in soils by inductively coupled plasma-mass spectrometry C1387-08 Standard guide for determination of Technetium-99 in soil C1432-03 (2008) Standard test method for determination of impurities in plutonium: acid dissolution, ion exchange matrix separation, and inductively coupled plasma-atomic emission spectroscopic (ICP/AES) analysis C1473-05 Standard test method for radiochemical determination of uranium isotopes in urine by alpha spectrometry C1475-05 Standard guide for determination of Neptunium-237 in soil C1507-07 Standard test method for radiochemical determination of Strontium-90 in soil C1561-03 Standard guide for determination of Plutonium and Neptunium in Uranium Hexafluoride by alpha spectrometry C1614-05 Standard practice for the determination of 237Np, 232Th, 235U and 238U in urine by inductively coupled plasma-mass spectrometry (ICP-MS) and gamma ray spectrometry C1636-06a Standard guide for the determination of Uranium-232 in uranium hexafluoride C1647-06 Standard practice for removal of Uranium or Plutonium, or both, for impurity assay in uranium or plutonium materials Contact ■ 56 ■ ASTM International, www.astm.org 100 Barr Harbor Drive, PO Box C700, West Conshohocken, Pennsylvania, USA 19428-2959 HASL-300, 28TH EDITION SE-03 (sequential methods, page 19) Americium, Plutonium and Uranium in water TC-02-RC Technetium-99 in water - TEVA® resin AM-04-RC (Americium, page 16) Americium in QAP water and air filters Contact HASL-300 Methods published by US Department of Homeland Security Environmental Measurements Laboratory now hosted by NBL http://www.nbl.doe.gov/htm/EML_Legacy_Website/procman.htm DOE METHODS COMPENDIUM RP280(A) Determination of Lead-210 in water using extraction chromatography RP300(A) Nickel-59 and Nickel-63 determination in aqueous samples RP501(A), REV. 1 Determination of total radioactive Strontium in high-level samples using extraction chromatography RP550(A) Technetium-99 analysis using extraction chromatography RP725(A) Group actinide screening using extraction chromatography RP800(A) Sequential separation of Americium and Plutonium by extraction chromatography ■ 57 ■ 推奨文献目録 論文 Eichrom Technologies 社製品を取り上げた技術論文 CR296* Diphonix Chiarizia, R., et al. "Diphonix® Resin: A Review of Its Properties and Applications". Separation Science and Technology. Vol. 32, (1997) pp. 1-35. (CR296). HD193* TRU / RE Huff, Edmund A and Huff Doris R. "TRU-Spec and RE-Spec Chromatography: Basic Studies and Applications”. 34th ORNL/DOE Conference on Analytical Chemistry in Energy Technology. Gatlinburg TN. October 1993. (HD193). HP104* DGA H o r w i t z , E . P. , e t . a l . , " N o v e l E x t r a c t i o n C h r o m a t o g r a p h i c R e s i n s B a s e d o n Tetraalkyldiglycolamides: Characterization and Potential Applications," Solvent Extraction and Ion Exchange, Vol. 23, p. 319-344 (2005) HP105* Beryllium Horwitz, E. P. and McAlister, D. R. , "The Separation of Beryllium from Selected Elements Using the Dipex Extraction Chromatographic Resin,” Solvent Extraction and Ion Exchange, Vol. 23, 611-629 (2005) HP193* TRU Horwitz, E.P. et al. «Separation and Preconcentration of Actinides from Acidic Media by Extraction Chromatography». Analytica Chimica Acta. 281 (1993) 361-372. (HP193). HP194* Pb Horwitz, E.P. et al "A lead-selective extraction chromatographic resin and its application to the isolation of lead from geological samples". Analytica Chimica Acta. 292 (1994) 263-273. (HP194). HP195* TEVA ® Horwitz, E P and Maxwell, Sherrod L. et al. "Separation and Preconcentration of Actinides by Extraction Chromatography Using a Supported Liquid Anion Exchanger: Application to the Characterization of High-Level Nuclear Waste Solutions.” Analytica Chimica Acta. 310 (1995) pp.63-78. (HP195). HP197* Actinide Resin Horwitz, E.P. et al. «DIPEX: A New Extraction Chromatographic Material for the Separation & Preconcentration of Actinides from Aqueous Solution”. Elsevier Reactive & Functional Polymers. 00 (1997) REACT1088. (HP197) HP199* Horwitz, E. P., Extraction Chromatography of Actinides and Selected Fission Products: Principles and Achievement of Selectivity (HP199) HP204 Horwitz, E. P., McAlister, D. R., Bond, A. H., Barrans, R. E., Williamson, J. M., "A Process for the Separation of 177Lu from Neutron Irradiated 176Yb Targets,” Applied Radiation and Isotopes, Vol. 63, 23-36 (2005) HP292* Sr Horwitz, E P et al. „A Novel Strontium-Selective Extraction Chromatographic Resin“. Solvent Extraction and Ion Exchange. 10 (1992) 313. (HP292). HP392* UTEVA® Horwitz, E.P. et al. «Separation and Preconcentration of Uranium from Acidic Media by Extraction Chromatography». Analytica Chimica Acta. 266 (1992), 25-37. (HP392). MD205* Beryllium McAlister, D. R. and Horwitz, E. P., "A Method for the Separation of Beryllium from Spectral Interfering Elements in Inductively Coupled Plasma - Atomic Emission Spectroscopic Analysis, Talanta, Vol. 67, 873-879 (2005) MD407 LN Series of Resins McAlister, D.R. and Horwitz, E. P., "The characterization of extraction chromatographic materials containing bis(2-ethyl-1-hexyl)phosphoric acid, 2-ethyl-1-hexyl (2-ethyl-1-hexyl)phosphonic acid, and bis(2,4,4-trimethyl-1-pentyl) phosphinic acid,” Solvent Extraction and Ion Exchange, 25(6), 665-677, 2007 ZZ931* Horwitz, E.P., New Chromatographic Materials for Determinations of Actinides, Strontium, and Technetium in Environmental, Bioassay, and Nuclear Waste Samples, July, 1993, Uptake Curve Summary ■ 58 ■ 論文 テクニカルアプリケーションペーパー BW295* Burnett, W. & Cable, Peter. "Determination of Radium-228 in Natural Waters Using Extraction Chromatographic Resins." Radioactivity & Radiochemistry. Vol. 6, No. 3 (1995) 36-44 BW296* Burnett, W. et al. "Pm/Sm Separation via Ln Resin". Eichrom 1996 Cincinnati Users’ Seminar. Cincinnati, OH. August, 1996. CJ106* Connelly, J.N., "Improved Dissolution and Chemical Separation Methods for Lu-Hf Garnet Chronometry,” Geochemistry Geophysics Geosystems, Vol. 7, Q04005, doi: 10.1029/2005GC001082, 2006 CJ206* Connelly, J.N., et al, "A Method for Purifying Lu and Hf for Analyses by MC-ICP-MS using TODGA Resin," Chemical Geology, Volume 233, Issues 1-2, 30 September 2006, Pages 126136, doi:10.1016/j.chemgeo.2006.02.020 FM105 Fern, M., Thakkar, A., and Jassin, L., "Recent Developments in the Analysis of Technetium-99," Journal of Nuclear and Radiochemical Sciences, Vol. 6, No. 3, pp. 223-225, 2005 GC195* Good, C. & Schultz, A. "New Methods for the Determination of Transuranics, Boron and Silicon in Uranium Hexafluoride”. (Due to be published in proceedings of the “Third International Hexafluoride Conference: Processing, Handling, Packaging, Transporting”). HP108 Horwitz, E.P., McAlister, D.R., and Thakkar, A. H., "Synergistic Enhancement of the Extraction of Trivalent Lanthanides and Actinides by Tetra-(n-octyl)diglycolamide from Chloride Media”, Solvent Extraction and Ion Exchange, 26(1), 2008, In Press JL105 Jassin, L. E., "Radiochemical Separation Advancements Using Extraction Chromatography: A Review of Recent Eichrom Users’ Group Workshop Presentations with a Focus on Matrix Interferences,” Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, Vol. 263, No. 1 (2005) 93-96 MJ198* Martin, J.P. "Determination of Promethium-147 and Samarium-151 Using Extraction Chromatography". Paper for the Radiochemical Methods Group of the Royal Society of Chemistry 8th Symposium on: ‘Environmental Radiochemical Analysis’, Blackpool, September 1998. MS100* Maxwell, S.L. and Fauth, D. J., "Rapid Column Extraction Methods for Urine", Radioactivity & Radiochemistry, Volume 11, Number 3. MS106* Maxwell, S. L., "Rapid Column Extraction Method for Actinides and 89/90Sr in Water Samples,” Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, Vol. 267, No. 3, 537-543 (2006) MS107* Maxwell, S. L., Rapid Method for Determination of Plutonium, Americium and Curium in Large Soil Samples, Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, Vo. 275, No. 2, doi: 10.1007/ s10967-007-7032-3 MS198* Maxwell, S. L., "Rapid Actinide-Separation Methods”, reprinted from Radioactivity & Radiochemistry, Volume 8, Number 4, 1998. MS206* Maxwell, S. L., "Rapid Method for Ra-226 and Ra-228 Analysis in Water Samples," Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, Vol. 270, No. 3 (2006) 651-655 MS306* Maxwell, S. L., Culligan, B.K. "Rapid Column Extraction Method for Actinides in Soil," Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, Vol. 270, No. 3 (2006), 699-704 MS207* Maxwell, S. L., "Rapid Analysis of Emergency Urine and Water Samples," Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, Vol. 275, No. 3 MS307* Maxwell, S. L., "New Method for Determination of Actinides and Strontium in Animal Tissue," Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, Vol. 275, No. 3 VN195* Vajda, N. Et al. "A Novel Technique for the Simultaneous Determination of a Crown Ether.” Journal of Environmental Radioactivity. In Press. 210 Pb and 210 Po using ■ 59 ■ 最新のプレゼンテーション: www.eichrom.com/radiochem/meetings でご覧いただけます。 日時/催し/開催地 表題 著者 October 2013, Radiochemistry and Radiobioassay Measurements Conference, Rohnert Park, CA CS Resin Lawrence Jassin, Eichrom Technologies Separations using TEVA Resin Andrew Knight, University of Iowa Rapid Preparation Method for the Measurement of Trace U-232 in HEU using Resolve Filters Giaquinto, J.M.; Partridge, J.D., ORNL Technical Challenges with Divalent Cation Mitigation Eric Eitrheim, University of Iowa Shielding Properties Dan McAlister, Earl Jacobson, Rick Kaisner. Eichrom Technologies Development of A Rapid Method for Po, Th, and U Analysis in Hydraulic Fracturing Flowback Water Andrew Nelson, University of Iowa Utilizing combinations of Co-precipitation, solvent extraction and chromatography to design efficient analytical and preparative scale separations Dan McAlister and Phil Horwitz, Eichrom Technologies October 2012, Radiochemistry and Radiobioassay Measurements Conference, Fort Collins, CO Pushing the Limits for Detection of Trace Gallium Impurities in MOX Spent Fuels Joe Giaquinto, J.S. Delashmitt and T.J. Keever , ORNL Rapid Analytical Protocol for Bk-249 Processing Campaigns Jeff Delashmitt, R.D. Canaan, D.L. Denton, J.M. Giaquinto, R.R. Smith, J.E. Sutherland, B.K. Woody, ORNL Separation Methods Utilizing Oxalate-HCI on Anion Exchange Resins Dan McAlister and Phil Horwitz, PG Research Foundation Extraction Chromatography: a microscopic view Phil Horwitz, PG Research Foundation Radioprotection for the radiochemist: How shielding and contamination control can help to protect you in the lab Lawrence Jassin, Eichrom Technologies Rapid Fusion Method for Plutonium in Large Rice Samples Sherrod Maxwell and B.K. Culligan, Savannah River Nuclear Solutions Rapid Method for Determination of Radiostrontium in Large Soil Samples Sherrod Maxwell and B.k. Culligan Savannah River Nuclear Solutions Matrix and High Loading Effects on Eichrom Resins Dan McAlister and Phil Horwitz, PG Research Foundation Eichrom User's Group Round Table: Questions and "soulful cogitations" to your most vexing separations Panelists: Phil Horwitz, Dan McAlister, Sherrod Maxwell, Larry Jassin March 2012, Marc IX Conference, Kailua-Kona, HI Eichrom Workshop on Emergency Response MethodsActi-nides, Sr and Ra-226 Lawrence E. Jassin, Eichrom Technologies The Rapid Determination of Strontium-89 and Strontium-90 in Environmental Samples Terence O´Brien and Lawrence E. Jassin, Eichrom Technologies, and E. Philip Horwitz and Daniel McAlister, PG Research Foundation March 2012, ACS National Meeting, San Diego, Ca Recent Advances in the Recovery and Purification of Actinium Isotopes E. Philip Horwitz and Daniel McAlister, PG Research Foundation, and J.T. Harvey, Northstar Medical Radioisotopes Method for the Separation of Tc-99m from Low Specific Activity Mo-99 E. Philip Horwitz and Daniel McAlister, PG Research Foundation, and J.T. Harvey, Northstar Medical Radioisotopes ■ 60 ■ November 2011, Radiochemistry and Radiobioassay Measurements Conference, Destin FL Influence of Large Univalent Anions on Ligand Selectivity E. Philip Horwitz, Daniel McAlister PG Research Foundation, Inc. Radium Separation Method: Crown Ether Extraction from Dilute Perchloric Acid E. Philip Horwitz, Daniel McAlister PG Research Foundation, Inc. Characterisation of a Cu Selective Resin for Use in the Pro-duction of Cu Isotopes Dr. Steffen Happel Triskem International SAS Lanthanide Separations Daniel McAlister, E. Philip Horwitz PG Research Foundation, Inc. CL Resin based methods for the Separation and Determination of Cl-36 and I-129 in environmental and Decommissioning Samples Dr. Steffen Happel Triskem International SAS Rapid Radiochemical Analyses In support of Fukushima Sherrod L. Maxwell, Brian K. Culligan Savannah River Nuclear Solutions The Science of Radiochemical Separations E. Philip Horwitz PG Research Foundation, Inc/Eichrom Technologies LLC August 2011, CANDU Users’ Meeting, Toronto, Ontario, Canada Rapid, Fully Disposable No Distillation Tritium Sample Prepa-ration Lawrence Jassin Eichrom Technologies/ NPO October 2010, Radiochemistry and Radiobioassay Measurements Conference, Richland WA What Does Eichrom’s Quality Control System Do for You? Sarah Tejchma, Joel Williamson, Jill Bryant, Terence O’Brien, Lawrence Jassin Eichrom Technologies LLC E. Philip Horwitz, Daniel McAlister PG Research Foundation, Inc. Rapid Radiochemical Methods Sherrod L. Maxwell, Savannah River Nuclear Solutions Rapid Methods for the Isolation of Actinides Sr, Tc and Po from Raw Urine (Are you using the right aqueous phase chemistry?) Daniel McAlister, E. Philip Horwitz, PG Research Foundation, Inc. September 2009, International Workshop on Emergency Radiobioassay, Ottawa, Ontario, Canada Daniel McAlister, E. Philip Horwitz Rapid Methods for the Isolation of Actinides Sr, Tc and Po PG Research Foundation, Inc. James T. Harvey, Northstar Engineered Technologies, from Raw Urine LLC October 2009, Radiochemistry and Radiobioassay Measurements Conference, San Antonio, TX Removing a Needle from a Haystack with a Small Fork: Or can a series of small columns handle a kilogram of matrix? E. Phillip Horwitz and Dan McAlister, PG Research Foundation, Inc. Rapid Methods for Actinides and Sr-89/90 in Soil Sherrod L. Maxwell, Brian K. Culligan and Gary Noyes Savannah River Nuclear Solutions Radionuclide Generator Systems Daniel R. McAlister and E. Philip Horwitz PG Research Foundation, Inc. Eichrom Technical Support Busters Terence C. O’Brien and Lawrence E. Jassin Eichrom Technologies LLC Tandem Separations of Radionuclides Using an automated system Daniel R. McAlister and E. Philip Horwitz PG Research Foundation, Inc. Simplifying Separations by Column Coupling E. Philip Horwitz and Daniel R. McAlister PG Research Foundation, Inc. ■ 61 ■ FAQs Eichrom Technologies 社製品に関するよくあるご質問 Q1. レジンを保管するのに特別な条件はありますか? レジンは、常温そして適した湿度で保管して下さい。 Q2. 使用する前に、レジンを前処理する必要はありますか? 使用する前に、使用条件と類似した酸性溶液で、レジンを湿 らせておいて下さい。 Q3. 最適な粒径はありますか? 最適な粒径は、アプリケーションによって異なります。流速0.7 ~ 0.8mL/分で重力フロー用のカラムを使用して処理する場合、 100 ~ 150μが最適です。流速約0.2mL/分の場合、50 ~ 100μが最適です。Eichrom Technologies社では、真空補助フロー 用に50 ~ 100μのカートリッジも取り扱っています。20 ~ 50μのレジンは、とても小さなカラムや、隣接もしくは近接 ランタノイドの分離に最適です。 Q4. カタログに記載されていない容量の充填済カラムの購入は可能ですか? 可能です。お客様の長年のご要望に応じて、レジンの容量が0.22 ~ 15mL のカラムをご用意しています。詳細につきましては、 桑和貿易株式会社までお問合せ下さい。 Q5. フリーカラムボリューム(FCV)とは何ですか? フリーカラムボリューム(FCV)とは、クロマトグラフィーカラムの空隙容量、つまりどれぐらい隙間があるのかを意味してい ます。カラムの大きさに対して、カラムを通過する移動相の量の指標として用いられています。Eichrom Technologies 社製 の抽出クロマトグラフィー製品は、空隙容量がベッドボリュームの約65%、つまり1 FCV = レジンの容量 x 0.65mL/mL(1mL カラムの場合、0.65mL の液が通過する隙間がある)です。 Q6. 標準的な2mL カラムの FCV はどれぐらいですか? 充填済カラムは、ベッドボリュームが2mL のため、1 FCV = 0.65mL/mL x 2mL = 1.3mL です。 Q7. 2mL カラムに入っている液体は何ですか? ほとんどのカラムには、0.05M 硝酸が含まれています。ただし、Tritium カラムは例外であり、9% メチルアルコールの9% 体積パーセント水溶液が含まれています。 (注意) イオン交換樹脂以外のカートリッジは乾燥状態です。イオン交換樹脂のカートリッジには、湿ったレジンが充填されており、 水分の蒸散を最小限に留めるため、小分けに包装して出荷しています(例:50個入りの場合、通常1袋で出荷しますが、イオン 交換樹脂は5袋(各10個入り)で出荷します)。 Q8. 充填済カラムやカートリッジには、どれぐらいのレジンが入っていますか? 標準的な充填済カラムおよびカートリッジには、レジンが2mL 入っています。ほとんどの製品は、レジンの重さが約0.65g です。ただし、次の製品に関しては、レジンの密度が異なります。Nickel レジンの2mL カラムおよびカートリッジは、レジン の重さが約0.5g です。プレフィルターレジンのカラムは、レジンの重さが約0.5g です。MnO2レジンとイオン交換樹脂のカラム およびカートリッジは、レジンの重さが1.5g です。 Q9. カラムやカートリッジは再使用することができますか? Eichrom Technologies 社では、次の2つの理由から再使用することを推奨していません。まず、再使用時に二次汚染する可 能性があるためです。次に、通常の使用でも抽出剤が流出する可能性があり、再使用時に回収率が低くなる可能性があるためです。 ■ 62 ■ Q10. カラムは乾燥させても大丈夫ですか? カラムは乾燥させてはいけません。チャネリング効果を起こし、正しく流れない場合がよくあります。 Q11. カートリッジは乾燥させても大丈夫ですか? カートリッジは乾燥させても大丈夫です。レジンが密に充填されているため、最後の溶液でもきれいに分離することができます。 Q12. カラムおよびカートリッジのフリットを除去することはできますか?また、フリットは必要なものですか? 底部フリットは、カラムおよびカートリッジ内のレジンを保持するために必要です。カラムの上部用フリットは、輸送中に レジンが漏れないように入れていますが、分析時に除去しても構いません。上部用フリットが、ご自身の分析に合わない場合には、 ガラス綿やガラス玉等と交換が可能です。一方、カートリッジの上部用フリットは、除去することができません。空気が漏れずに、 カートリッジの蓋を元に戻すことができないためです。 Q13. 分離中にカラムに色がついた場合、何を意味しているのですか? 高濃度の目的物もしくはマトリクスイオンに関連して、レジンに色がつく場合があります。その他、カラム内の溶液の化学状態 に起因して、色が出る場合があります。色の変化は、だいたい二次行程で起こり、カラム内の化学状態を示す場合とそうでない 場合があります。したがって、各実験のスタンダードセパレーション中に、一貫性のある色の変化を記録するのに役立つ一方、 実験が間違っているか、もしくはただ色が異なっているかもしれないため、簡単に廃棄すべきではありません。 Q14. 重力フローでカラムを使用した場合、各サンプル溶液にほぼ同じ成分が入っているにも関わらず、サンプル ごとに流速が変わってしまうのは、どうしてですか? レジンの封入、フリットの不均一性そして微粒子サンプルの充填量や粘度のわずかな相違に起因して、溶液の流速がカラムに よってばらつきが出やすいためです。 Q15. マニュアルカラム調製法は、どのような手順で進めればよいのでしょうか。 1.レジンの重さを量り、最低30分はレジンを0.05M 硝酸で膨潤させます(一晩であればなお望ましい) 。 2.アプリケーションのために、ピペットとスクイズボトルでレジンをカラムに移し、3時間そのままにしておきます (一晩であればなお望ましい)。 3.レジンの上に、2mm の隙間を作ってフリットを置きます。 4.導入サンプル溶液と同じ濃度の酸混合物でレジンを前処理します。 Q16. 液体シンチレーション測定とは、何ですか? 液体シンチレーション測定は、2000keV より低いエネルギーのベータ放射 体で標識したサンプルを測定するために用います。この測定のために開発された 装置を液体シンチレーションカウンターと呼びます。 通常の液体シンチレーションカウンターは、低エネルギーのベータ線測定のた めに、そのバックグラウンドを減少させる方法として、2本の光電子倍増管を使 用し、同時計数回路を構成しています。 対して、桑和貿易株式会社が正規総代理店をしていますフィンランド国 Hidex 社製 Hidex300SL 液体シンチレーションカウンター(右図)は、世界で初めて 120°の角度で3本の光電子倍増管を使用し、同時計数回路を構成した独特の TDCR(Triple to Double Coincidence Ratio)技法を用いました。この結果、 外部標準線源機構および内部標準線源機構なしで自動的に正確なベクレル値が得 られます。詳しくは、桑和貿易株式会社までお問合せ下さい。 ■ 63 ■