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5.2 騒音

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5.2 騒音
5.2 騒音
5.2.1 調査
(1) 調査項目
騒音の調査項目は、対象事業の特性及び地域の特性を踏まえ、環境騒音の状況、道路交通騒音の
状況及び交通量の状況とし、調査項目を表 5.2-1 に示す。
表 5.2-1 騒音の調査項目
調査項目
環境騒音の状況
等価騒音レベル、時間率騒音レベル
道路交通騒音の状況
等価騒音レベル
交通量の状況
交通量(方向、時間、車種別)、車速
道路構造の状況
道路構造
地表面の状況
地表面の状況
(2) 調査手法
環境騒音の状況及び道路交通騒音の状況の調査手法は、騒音に係る環境基準及び騒音規制法に定
められた測定方法に基づき実施した。騒音の現況調査手法を表 5.2-2 に示す。
表 5.2-2 騒音の現況調査手法
調査項目
調査手法
環境騒音の状況
JIS Z 8731 環境騒音の表示・測定方法
道路交通騒音の状況
交通量の状況
方向別、大型車・小型車・二輪車別に、1
時間毎の通過台数を計測
既設処分場に係る廃棄物運搬車両台数の
通過台数は既設処分場の搬入記録を利用
一定区間の通過時間をストップウォッチ
により計測
道路構造の状況
現地踏査による確認
地表面の状況
現地踏査による確認
備考
「騒音に係る環境基準」
(平成 10
年環境庁告示 64 号)及び騒音規
制法に定められた測定方法
―
―
―
(3) 調査地点
騒音の現況調査地点は、環境騒音の状況については対象事業実施区域の近接民家側敷地境界
(St.1)とした。また、道路交通騒音の状況及び交通量の状況については、工事用車両及び廃棄物
運搬車両の主要走行ルートのうち、住居地域に近い稲川集落付近(St.2)とした。騒音の現況調査地
点を表 5.2-3 及び図 5.2-1 に示す。
5.2-1
表 5.2-3 騒音の現況調査地点
調査項目
地点
環境騒音の状況
調査地点の選定理由
近接民家側敷地境界 1 地点
道路交通騒音の状況
主要走行路のうち住居地域に
近い稲川集落付近
交通量の状況
影響を及ぼすおそれのある範囲内の
現況を把握できる地点である。
道路構造の状況
地表面の状況
騒音調査地点の周辺
(4) 調査期間
調査は、
カエルや虫の鳴き声及び積雪による騒音レベルへの影響を避けるため 11 月に実施した。
また、調査は 24 時間実施した。
調査期間を表 5.2-4 に示す。
表 5.2-4 騒音の調査期間
調査項目
実施期間
環境騒音の状況
道路交通騒音の状況
交通量の状況
平成 26 年 11 月 27 日(木)18 時~28 日(金)18 時
道路構造の状況
地表面の状況
5.2-2
図 5.2-1 騒音調査地点位置図
5.2-3
(5) 調査結果
1) 環境騒音
環境騒音の調査結果を表 5.2-5 に示す。騒音レベルが最大となったのは 9:00~10:00 の時間帯で
等価騒音レベルが 60.4dB(A)、時間率騒音レベル LA5 が 59dB(A)であった。
対象事業実施区域及びその周辺では環境基準の類型指定はされていないが、参考として、主とし
て住居の用に供される地域に適用されるB類型の基準値との比較を行った。同様に騒音規制法に基
づく特定施設の騒音の規制基準についても類型指定されていないが、住居の用に供されているため、
静穏の保持を必要とする区域に適用される第 2 種区域の規制基準値との比較を行った。
等価騒音レベル(LAeq)の平均値は昼間 54.3dB(A)、夜間 39.0dB(A)であり、環境基準値を満足して
いた。また、時間率騒音レベル 90%レンジ上端値(LA5)は朝 41dB(A)、昼間 51dB(A)、夕 38dB(A)、
夜間 39dB(A)であり、規制基準値を満足していた。
表 5.2-5 環境騒音調査結果(St.1)
単位:dB(A)
時間率騒音レベル
90%レンジ上端値(LA5)
等価騒音レベル(LAeq)
調査時間
時間区分
1 時間値
時間帯
平均値
環境基準
値
(B 類型)
時間区分
1 時間値
6:00~7:00
40.9
7:00~8:00
44.9
8:00~9:00
57.3
58
9:00~10:00
60.4
59
10:00~11:00
58.0
56
11:00~12:00
52.1
45
12:00~13:00
55.7
13:00~14:00
57.7
14:00~15:00
昼間
55.7
朝
昼間
54.3
55
以下
41
41
45
57
52.3
44
16:00~17:00
47.6
42
17:00~18:00
54.3
54
18:00~19:00
37.5
38
19:00~20:00
41.1
20:00~21:00
37.3
38
21:00~22:00
37.7
39
22:00~23:00
38.0
39
23:00~0:00
38.3
40
0:00~1:00
37.7
39
2:00~3:00
夜間
38.5
38.2
夕
39.0
45
以下
騒音規制法規
制基準値
(第 2 種区域)
41
50
以下
51
55
以下
38
50
以下
39
45
以下
54
15:00~16:00
1:00~2:00
時間帯
平均値
夜間
39
40
40
3:00~4:00
37.7
39
4:00~5:00
38.8
40
5:00~6:00
42.5
39
注)等価騒音レベルの時間帯平均値はエネルギー平均、時間率騒音レベルの平均値は算術平均
5.2-4
2) 道路交通騒音
道路交通騒音の調査結果を表 5.2-6 に示す。等価騒音レベルが最大となったのは 8:00~9:00 の
時間帯で 67.3dB(A)であった。
対象事業実施区域及びその周辺では環境基準の類型指定はされていないが、道路沿道に住居があ
ることから、B地域のうち 2 車線以上の道路に面する地域に適用される環境基準値との比較を行っ
た。
等価騒音レベル(LAeq)の時間帯平均は、昼間 61.3dB(A)、夜間 47.9dB(A)であり、環境基準
値を満足していた。
表 5.2-6 道路交通騒音調査結果(St.2)
単位:dB(A)
等価騒音レベル LAeq
環境基準値
調査時間
時間区分
1 時間値
6:00~7:00
54.7
7:00~8:00
58.9
8:00~9:00
67.3
9:00~10:00
63.0
10:00~11:00
64.8
11:00~12:00
64.9
12:00~13:00
56.1
13:00~14:00
14:00~15:00
昼間
16:00~17:00
59.9
17:00~18:00
59.9
18:00~19:00
54.8
19:00~20:00
51.6
20:00~21:00
47.0
21:00~22:00
48.9
22:00~23:00
49.1
23:00~0:00
42.2
0:00~1:00
53.6
2:00~3:00
61.3
65
64.1
58.1
夜間
(B 地域)
59.0
15:00~16:00
1:00~2:00
時間帯平均値
47.6
39.2
3:00~4:00
46.0
4:00~5:00
41.4
5:00~6:00
46.2
注)等価騒音レベルの時間帯平均値はエネルギー平均
5.2-5
以下
47.9
60
以下
3) 交通量
交通量調査結果を表 5.2-7 に示す。交通量のピークは朝 8 時台(64 台)と夕方 17 時台(66 台)
となっていた。既設処分場に廃棄物を搬入する車両は 28 台(往復 56 台)であった。
表 5.2-7 交通量調査結果
単位:台
調査時間
西方向(既設処分場方向)
大型車
小型車
東方向(国道 116 号方向)
二輪車
大型車
小型車
二輪車
合計
6:00~7:00
1
(0)
11
(0)
0
0
(0)
1
(0)
0
13
7:00~8:00
3
(0)
25
(0)
0
5
(0)
7
(0)
0
40
8:00~9:00
8
(7)
14
(0)
0
12
(0)
30
(0)
0
64
9:00~10:00
14
(2)
10
(2)
0
8
(7)
11
(1)
0
43
10:00~11:00
12
(5)
12
(0)
0
5
(5)
12
(1)
0
41
11:00~12:00
7
(3)
16
(0)
0
5
(2)
13
(0)
0
41
12:00~13:00
0
(0)
13
(0)
0
5
(0)
11
(0)
0
29
13:00~14:00
8
(4)
16
(0)
0
5
(5)
15
(0)
0
44
14:00~15:00
6
(4)
16
(0)
0
6
(3)
26
(0)
0
54
15:00~16:00
9
(1)
9
(0)
0
4
(4)
17
(0)
0
39
16:00~17:00
4
(0)
16
(0)
2
4
(0)
12
(0)
0
38
17:00~18:00
2
(0)
31
(0)
0
1
(0)
32
(0)
0
66
18:00~19:00
0
(0)
9
(0)
0
0
(0)
21
(0)
0
30
19:00~20:00
0
(0)
4
(0)
0
0
(0)
13
(0)
0
17
20:00~21:00
0
(0)
3
(0)
0
0
(0)
3
(0)
0
6
21:00~22:00
0
(0)
2
(0)
0
0
(0)
7
(0)
0
9
22:00~23:00
0
(0)
3
(0)
0
0
(0)
7
(0)
0
10
23:00~0:00
0
(0)
1
(0)
0
0
(0)
1
(0)
0
2
0:00~1:00
0
(0)
4
(0)
0
0
(0)
2
(0)
0
6
1:00~2:00
0
(0)
0
(0)
0
0
(0)
2
(0)
0
2
2:00~3:00
0
(0)
0
(0)
0
0
(0)
0
(0)
0
0
3:00~4:00
0
(0)
1
(0)
0
0
(0)
1
(0)
0
2
4:00~5:00
0
(0)
0
(0)
0
0
(0)
0
(0)
0
0
5:00~6:00
0
(0)
3
(0)
0
0
(0)
1
(0)
0
4
合計
74 (26)
219
(2)
2
60
(26)
245
注)カッコ内の数字は既設処分場に出入りした廃棄物運搬車両台数の内数である。
(2)
0
600
5.2-6
4) 走行速度
走行速度調査結果を表 5.2-8 に示す。昼間(6~22 時)の平均は 50.4 ㎞/h、夜間(22~6 時)の
平均は 50.2 ㎞/h、24 時間平均は 50.4 ㎞/h であった。
表 5.2-8 走行速度調査結果
調査時間
平均速度
測定台数
(km/h)
(台)
調査時間
平均速度
測定台数
(km/h)
(台)
6:00~7:00
51.8
5
18:00~19:00
50.1
5
7:00~8:00
50.5
5
19:00~20:00
53.4
5
8:00~9:00
53.8
5
20:00~21:00
52.2
5
9:00~10:00
48.9
5
21:00~22:00
52.6
5
10:00~11:00
47.8
5
22:00~23:00
53.7
5
11:00~12:00
48.5
5
23:00~0:00
40.3
2
12:00~13:00
53.0
5
0:00~1:00
55.1
5
13:00~14:00
47.6
5
1:00~2:00
55.4
2
14:00~15:00
45.3
5
2:00~3:00
――
0
15:00~16:00
53.5
5
3:00~4:00
45.3
2
16:00~17:00
47.3
5
4:00~5:00
――
0
5:00~6:00
51.1
5
夜間平均(22~6 時)
50.2
――
17:00~18:00
50.8
5
昼間平均(6~22 時)
50.4
――
24 時間平均
50.4
――
5) 道路構造の状況
調査対象の道路は平面構造の 2 車線道路である。道路断面図を図 5.2-2 に示す。
図 5.2-2 調査地点の道路構造
6) 地表面の状況
St.1 は搬入道路の既設処分場敷地境界において測定した。調査地点の周囲の地表面の状況は、搬
入道路のアスファルト舗装及びその他の範囲は、柔らかい土の地面となっていた。アスファルト舗
装は音を反射する地表面であり、その他の柔らかい土の上面は吸音性のある地表面となっていた。
St.2 の測定対象となる道路は、アスファルト舗装道路であり音を反射する地面であった。また、
その背後地は柔らかい土の地面となっており、吸音性のある地表面となっていた。
5.2-7
5.2.2 予測及び評価の結果
(1) 工事中の建設作業に伴う影響
1) 予測項目
予測項目は、建設機械の稼働に伴い発生する騒音レベルとした。
2) 予測地域及び地点
予測地域は、対象事業実施区域周辺とし、予測地点は、表 5.2-9 及び図 5.2-3 に示す地点とし
た。
予測高さは、地上 1.2mとした。
表 5.2-9 予測地点
No
1
2
予測地点
近接民家側敷地境界
近接民家付近
3) 予測対象時期
工事開始後 13 ヵ月目から 21 ヵ月目までは造成工事、遮水工事、その他の設備工事及び浸出水
処理施設建設工事が重複して実施される。この時期に建設機械の稼働台数が最大となること想定
し、予測対象時期を工事開始から 13 ヵ月目から 21 ヵ月目とした。(表 1.7-1
工事工程 参照)
また、工事は原則昼間に行うこととするが、地盤改良施工時に夜間作業が一時的に見込まれる
ことから、予測対象時間帯は、昼間と夜間の時間帯を想定した。
5.2-8
図 5.2-3 建設作業騒音・振動予測地点
5.2-9
4) 予測方法
① 予測手順
「道路環境影響評価の技術手法 平成 24 年版」((財)道路環境・道路空間研究所,2013 年)に示
される建設作業に伴って発生する騒音の予測手法に基づき行った。建設機械の稼働による騒音の
影響の予測手順を図 5.2-4 に示す。
発生源ユニット位置及び発生源ユニット騒音レベルの設定
各ユニットからの予測計算
予測地点での騒音レベルの合成
図 5.2-4 建設機械騒音の予測手順
② 予測式
予測式は、建設作業騒音の予測に広く用いられる「道路環境影響評価の技術手法 平成 24 年
版」((財)道路環境・道路空間研究所,2013 年) に記載されている建設作業機械の稼働に係る騒音
レベルの予測式(ASJ CN-MODEL2007)を用いた。
 n L / 10 
LAeq  10 log 10 Aeq,i 
 i 1

LAeq,i  LWAeq,i  8  20 log 10 ri  ΔLdi  ΔL gi
L A5  LAeq  ΔL
ここで、 LAeq : 予測地点における等価騒音レベル(dB)
LWAeq , i : ユニットiの騒音パワーレベル(dB)
LWAeq , i : 予測地点におけるユニットiの等価騒音レベル(dB) r : ユニットiから予測地点までの距離(m)
i ΔLdi : ユニットiに対する回折効果による補正量(dB)
ΔL gi : ユニットiに対する地表面効果による補正量(dB)
L A5 : 予測地点における騒音レベル90%上端値(dB)
ΔL : LAeqのL A5への補正値(dB)
③ 予測条件の設定
a. 建設機械の配置
造成工事時(工事開始から 13 ヵ月目から 21 ヵ月目)の建設機械配置は図 5.2-5 に示す。なお、
音源位置はともに地上 1.5m とした。
b. ユニットの騒音パワーレベルの設定
建設機械の騒音パワーレベルは、
「低騒音型・低振動型建設機械の指定に関する規程(平成 9 年
7 月 建設省告示第 1536 号)」及び「建設工事に伴う騒音振動対策ハンドブック(第 3 版)」
(
(社)
日本建設機械化協会、平成 13 年 2 月)を用い、表 5.2-10 に示すとおり設定した。
なお、建設機械から発生する騒音の周波数は 1kHz と設定して予測を行った。
1 日当たりの稼働時間は 8 時間を基本とした。ただし、一部の工事(地盤改良工事)において
5.2-10
一時的に 24 時間稼働を行う場合がある。そこで、地盤改良工事に用いるクローラクレーンにつ
いては 24 時間稼働を予測条件とした。
表 5.2-10 建設機械の騒音パワーレベル
NO
機械名称
規格
台数
騒音パワーレベル
(dB(A))
出典
備考
1
バックホウ
0.7 ㎥級
2
106
1
低騒音型
2
バックホウ
0.4 ㎥級
2
99
1
低騒音型
3
ブルドーザー
D6 級
2
105
1
低騒音型
4
ブルドーザー
D7 級
3
105
1
低騒音型
5
スクレープドーザー
0.2 ㎥級
1
114
1
低騒音型
6
タイヤショベル
2 ㎥級
2
107
1
低騒音型
7
モータグレーダ
4m 級
1
105
2
――
8
振動ローラ
10t 級
1
104
1
低騒音型
9
タイヤローラ
10t 級
1
104
1
低騒音型
低騒音型
――
10 クローラクレーン
11 ダンプトラック
注
40t級
2
107
1
10t
4
109
2
注:クローラクレーンについては 24 時間稼働とした。
出典1:低騒音型・低振動型建設機械の指定に関する規程(平成 9 年 7 月 建設省告示第 1536 号)
出典 2:
「建設工事に伴う騒音振動対策ハンドブック(第 3 版)
(
(社)日本建設機械化協会、平成 13 年 2 月)
c. 暗騒音
施設稼働騒音予測地点における暗騒音レベルは、騒音規制法に基づく特定建設特定建設作業に
伴って発生する騒音の規制基準の比較を想定し、St.1 における現地調査結果のうち、作業時間を
考慮し、昼間(午前 8 時~午後 5 時)の 90%レンジ上端値(LA5)の平均値、及び夜間(午後 5
時~翌 8 時)の 90%レンジ上端値(LA5)の平均値とした。
環境騒音における暗騒音レベルは、騒音に係る環境基準との比較を想定し、現地調査結果の昼
間(午前 6 時から午後 10 時まで)
・夜間(午後 10 時から午前 6 時まで)の等価騒音レベル(LAeq)
とした。各地点の暗騒音レベルを表 5.2-11 に示す。
表 5.2-11 予測地点の暗騒音レベル
単位:dB(A)
予測地点
近接民家側敷地境界
近接民家付近
時間帯
暗騒音
昼間注 1:
51
注 2:
40
夜間
昼間
54.3
夜間
39.0
注 1:表 5.2-5 に示す騒音レベル 90%レンジ上端値(LA5)の
午前 8 時~午後 5 時までの値を算術平均して設定した。
注 2:表 5.2-5 に示す騒音レベル 90%レンジ上端値(LA5)の
午後 5 時~午前 8 時までの値を算術平均して設定した。
d. 回折・地表面吸収等
予測にあたっては、地形による遮へい、回折を考慮した。
また、樹林等による遮へい、地表面による吸収は考慮しなかった。
5.2-11
5.2-12
図 5.2-5 建設機械配置図
5) 予測結果
予測地点における建設作業に係る時間率騒音レベル(LA5)の予測結果は表 5.2-12 及び図 5.2-6
)
に示すとおりとなった。
近接民家側敷地境界(NO.1)では、建設作業騒音は昼間 40.0dB(A)、夜間 30dB(A)未満であり、
暗騒音との合成の結果は昼間 51dB(A)、夜間 40dB(A)であった。また、近接民家付近(NO.2)では
建設作業騒音は昼間夜間ともに 30dB(A)未満であり、暗騒音との合成の結果は、昼間 54dB(A)、夜
間 40dB(A)であった。
表 5.2-12 建設機械の稼働による騒音予測結果
単位:dB(A)
NO
1
2
予測地点
時間帯 暗騒音
寄与値
(建設作業騒音)
予測値
昼間
51
40.0
51(51.3)
夜間
40
<30
40(40.4)
昼間
54.3
<30
54(54.3)
夜間
39.0
<30
40(39.5)
近接民家側敷地境界
近接民家付近
注)暗騒音は環境騒音調査結果のうち敷地境界地点である St.1 の値とした。
予測値は地上 1.2m における値である。
予測値は、小数点以下第 1 位を四捨五入した。
5.2-13
5.2-14
図 5.2-6 建設機械の稼働による寄与レベル予測結果(昼間:予測高さ 1.2m)
6) 環境保全措置の内容
本事業の実施においては、事業者として実行可能な範囲内でできる限り環境への影響を回避・
低減させるものとして表 5.2-13 に示す環境保全措置を実施する。
事業者として実行可能な範囲内でできる限り環境への影響を回避・低減するため、「低騒音型機
械の使用」を行うこととした。この「低騒音型機械の使用」については、予測の条件として採用し
ている。
(表 5-2-10、図 5.2-5 参照)
表 5.2-13 環境保全措置(建設機械の稼働)
環境保全措置
環境保全措置の内容
環境保全措置
の種類
低騒音型機械の使用
建設機械は、低騒音型又は超低騒音型の
建設機械を使用する。
最小化
【環境保全措置の種類】
回 避:全部又は一部を行わないこと等により、影響を回避する。
最小化:実施規模又は程度を制限すること等により、影響を最小化する。
修 正:影響を受けた環境を修復、回復又は復元すること等により、影響を修正する。
低 減:継続的な保護又は維持活動を行うこと等により、影響を低減する。
代 償:代用的な資源もしくは環境で置き換え、又は提供すること等により、影響を代償する。
7) 評価
① 評価方法
評価の方法は、調査及び予測の結果並びに検討した環境保全措置の内容を踏まえ、騒音の影響
が、事業者として実行可能な範囲内でできる限り環境への影響を回避・低減されているかどうか
を検討した。
また、予測結果が、表 5.2-14 に示す環境保全に関する目標と整合が図れているかどうかを検討
した。
近接民家付近を含む対象事業実施区域周辺は、特定建設作業に係る騒音の規制の地域指定及び
騒音に係る環境基準の類型指定のいずれの地域にも該当しない。ただし、環境影響を低減し、良
好な環境を維持するために、特定建設作業に係る騒音の規制基準及び騒音に係る環境基準(B 類型)
を環境保全目標として設定した。
表 5.2-14 環境保全に関する目標(建設機械の稼働)
環境保全に関する目標
備
騒音規制法に定められる特定建設作業に
伴って発生する騒音の規制に関する基準
85dB(A)以下
昼間
55dB(A)以下
夜間
45dB(A)以下
騒音に係る環境基準(B 類型)
考
近接民家側敷地境界における
基準値
近接民家における参考値
5.2-15
② 評価結果
a. 環境への影響の回避・低減に係る評価
事業の実施にあたっては、
「6)環境保全措置の内容」に示す環境保全措置を講じる。建設作業
機械の稼働に伴う騒音の影響を抑制するため、
「低騒音型機械の使用」を行う。これらのことは、
事業者として実行可能な範囲内でできる限り環境への影響を回避・低減する措置である。以上の
ことから、建設機械の稼働による騒音の影響については、環境への影響の回避・低減に適合する
ものと評価する。
b. 環境保全に関する目標との整合性に係る評価
各地点の予測結果は、表 5.2-15 に示すとおり、近接民家側敷地境界(NO.1)及び近接民家付
近(NO.2)ともに環境保全に関する目標を満足している。
以上のことから、環境保全に関する目標との整合性は図られているものと評価する。
なお、工事の実施に際して、モニタリングを行い、工事の実施が環境に影響を及ぼすことがな
いよう適切に対応する。
表 5.2-15 環境保全に関する目標との整合性に係る評価結果(建設機械の稼働)
NO
予測地点
1
近接民家側
敷地境界
2
近接民家付近
対象
特定建設作業
(LA5)
騒音に係る環境
基準(B 類型)
環境保全に
関する目標
単位:dB(A)
環境の保全に関す
る目標との整合性
○:整合
×:不整合
時間帯
予測値
昼間
51
夜間
40
昼間
54
55 以下
○
夜間
40
45 以下
○
○
85 以下
注:予測値は地上 1.2m における値である。
5.2-16
○
(2) 工事中の工事用車両の走行に伴う影響
1) 予測項目
予測項目は、工事に伴い発生する工事用車両及び作業員の通勤車両(以下、工事用車両)の走
行による等価騒音レベルとした。
2) 予測地域及び地点
予測地域は、工事用車両の走行道路の沿道及び沿道住居を含む地域とし、現地調査地点を予測
地点とした。予測地点位置を表 5.2-16 及び図 5.2-8 に示す 1 地点とした。
表 5.2-16 予測地点
NO
3
予測地点
県道出雲崎石地線
出雲崎町稲川地内
3) 予測対象時期
予測対象時期は、工事用車両の台数が多く、影響が最大と想定される工事開始から 13 ヵ月目
から 21 ヵ月目とした。
また、工事は昼間に実施することから、予測対象時間帯は昼間の時間帯(6 時~22 時)とした。
4) 予測方法
① 予測手順
工事用車両の走行による騒音の影響の予測手順は、
「道路環境影響評価の技術手法 平成 24 年
版」((財)道路環境・道路空間研究所,2013 年)を参考に図 5.2-7 に示すとおり設定した。
工事用車両の走行による騒音の影響は、現況交通量のみが走行する「現況」の交通条件の場合
と、現況交通量に工事用車両が加わる「工事中」の交通条件の場合について、等価騒音レベルを
算出し、その増加量を予測し、影響を検討した。
現況等価騒音レベル
LAeq*
「現況」の交通条件
「工事用車両」の交通条件
「現況」の交通条件による
等価騒音レベルの計算
「工事用車両」の交通条件による
等価騒音レベルの計算
「工事用車両」の上乗せによ
る等価騒音レベルの増加
工事用車両走行時の等価騒音レベル
図 5.2-7 工事用車両の走行による騒音の影響の予測手順
5.2-17
図 5.2-8 工事用車両の走行ルート及び予測地点
5.2-18
② 予測式
予測式は、
「道路環境影響評価の技術手法 平成 24 年版」((財)道路環境・道路空間研究所,2013
年)に記載されている次式(ASJ RTN-Model2013)を用いた。
この予測式は一般的に広く道路交通に係る騒音予測計算で用いられているものである。
LAeq =LAeq*+ΔL
ΔL =101og10{(10LAeq,R/10 +10LAeq,HC/10)/ 10LAeq,R/10}
ここで、
LAeq :工事用車両走行時の等価騒音レベル(dB(A))
LAeq*:現況等価騒音レベル(St.2 の測定値(昼間)=61.3 dB(A))
ΔL :工事用車両の走行により増加する等価騒音レベル(dB(A))
LAeq,R :現況交通量から ASJ RTN-Model 2013 を用いて求められる等価騒音レベル(dB(A))
L Aeq,HC:工事用車両の交通量から、ASJ RTN-Model 2013 を用いて求められる等価騒音レベル
(dB(A))
a. A特性補正音響パワーレベルの算出式
LwA=B+30log10V+C
B
V
C
:騒音パワーレベル式の定数項(大型車類 53.2,小型車類 46.7)
:走行速度[km/h]
:基準値に対する補正項
C=ΔLsurf+ΔLgrad+ΔLdir+ΔLetc
ΔLsurf:排水性舗装等による騒音低減に関する補正量[dB]
ΔLgrad:道路の縦断勾配に関する補正量[dB]
ΔLdir :自動車走行騒音の指向性に関する補正量[dB]
ΔLetc :その他の要因に関する補正量[dB]
ΔLsurf、ΔLgrad、ΔLdir、ΔLetc については今回適用しなかった。
b. 伝搬計算の基本式
LA,i=LwA,i-8-20log10ri+ΔLcor,i
LA,i
:i 番目の音源位置から予測点に伝搬する騒音の A 特性騒音レベル[dB]
LwA,i
:i 番目の音源位置における自動車走行騒音の A 特性補正音響パワーレベル[dB]
ri
:i 番目の音源位置から予測点までの直達距離[m]
ΔLcor,i:i 番目の音源位置から予測点に至る音の伝搬に影響を与える各種(回折、地表面
効果、空気の音響吸収)の減衰要素に関する補正量[dB]
このうち、ΔLcor については今回適用しなかった。
5.2-19
③ 予測条件の設定
a. 工事用車両交通量
工事用車両の交通量については、表 5.2-17 に示す計画日交通量を用いることとし、大型車の
時間配分は、作業時間内(8 時~17 時、12 時台を除く)で均等に配分、通勤車両は朝夕の出退勤時
刻に配分した。
表 5.2-17 計画日交通量(工事用車両)
単位:台/日
予測時期
項
工事開始後
13 ヵ月目から
21 ヵ月目
目
台
数
通勤車両(小型車計)
40(往復 80 台)
資機材等運搬車両(大型車計)
60(往復 120 台)
b. 予測に用いた交通量
予測に用いた交通量は、現地調査地点の値とし、表 5.2-18 に示すとおりとした。
なお、予測に用いた時間帯別交通量は資料編に示した。
表 5.2-18 予測に用いた交通量
単位:台/(6 時~22 時)
工事中
工事用車両
現況交通量+
(往復)
工事用車両
現況
時期
NO
工事開始後
13 ヵ月目か
ら 21 ヵ月目
現況交通量
予測地点
県道出雲崎石地線
出雲崎町稲川地内
3
小型車
大型車
小型車
大型車
小型車
大型車
438
134
80
120
518
254
c. 走行速度
予測に用いた走行速度は車速の現地調査結果をもとに表 5.2-19 に示す 50 ㎞/h とした。
(表
5.2-8 走行速度調査結果 参照)
表 5.2-19 走行速度条件
単位:km/h
NO
3
予測対象道路
県道出雲崎石地線
出雲崎町稲川地内
走行速度
50
d. 道路条件
工事用車両の走行ルートである県道出雲崎石地線の予測地点(出雲崎町稲川地内)の断面図を
図 5.2-9 に示す。
音源は、両側車線の中央に設置した。また、予測位置は住宅地側の官民境界とし、高さは地上
1.2m とした。
県道出雲崎石地線 出雲崎町稲川地内
図 5.2-9 予測断面図
5.2-20
5) 予測結果
工事用車両の走行による等価騒音レベルの増加量は 4.6dB(A)となり、これを現況測定値
61.3dB(A)と合わせると予測値は 66dB(A)となる。工事用車両の走行による等価騒音レベルの予測
結果を表 5.2-20 に示す。
表 5.2-20 工事用車両の走行による等価騒音レベル予測結果
単位:dB(A)
予測値
計算値
NO
3
予
測
地
点
県道出雲崎石地線
出雲崎町稲川地内
工事に
よる増
(LAeq*)
(LAeq,R) (LAeq,HC)
加量
(ΔL)
測定値
61.3
現況
工事中
56.7
59.5
(LAeq*+ΔL)
4.6
66(65.9)
注)予測値は、昼間の時間における地上 1.2m の値である。
予測値は、小数点以下第 1 位を四捨五入した。
6) 環境保全措置の内容
本事業の実施においては、事業者として実行可能な範囲内でできる限り環境への影響を回避・
低減させるものとして表 5.2-21 に示す環境保全措置を実施する。
事業者として実行可能な範囲内でできる限り環境への影響を回避・低減するため、
「搬入時間の
分散」
、
「交通規制の遵守」及び「走行ルートの限定」を行うこととした。
表 5.2-21 環境保全措置(工事用車両の走行)
環境保全措置の内容
環境保全措置
の種類
搬入時間の分散
工事用車両が集中しないよう搬入時期・時間の分
散化に努める。
低減
交通規制の遵守
工事用車両は、積載量等の交通規制を遵守する。
低減
環境保全措置
走行ルートの限定
工事用車両は可能な限り住宅地を避け、県道出雲
崎石地線を走行する。
低減
【環境保全措置の種類】
回 避:全部又は一部を行わないこと等により、影響を回避する。
最小化:実施規模又は程度を制限すること等により、影響を最小化する。
修 正:影響を受けた環境を修復、回復又は復元すること等により、影響を修正する。
低 減:継続的な保護又は維持活動を行うこと等により、影響を低減する。
代 償:代用的な資源もしくは環境で置き換え、又は提供すること等により、影響を代償する。
5.2-21
7) 評価
① 評価方法
評価の方法は、調査及び予測の結果並びに検討した環境保全措置の内容を踏まえ、騒音の影響
が、事業者として実行可能な範囲内でできる限り環境への影響を回避・低減されているかどうか
を検討した。
また、予測結果が、表 5.2-22 に示す環境保全に関する目標と整合が図れているかどうかを検討
した。予測地点は騒音に係る環境基準の類型指定がなされていない地域であるが、騒音に係る環
境基準のうち、B 地域の2車線以上の車線を有する道路に面する地域に定められる値を環境保全目
標とした。
表 5.2-22 環境保全に関する目標(工事用車両の走行)
環境保全に関する目標
備
騒音に係る環境基準
(B 地域のうち2車線以上の車線を有する道路に面する
地域)
65dB(A)
以下
考
昼
間
(6 時~22 時)
② 評価結果
a. 環境への影響の回避・低減に係る評価
事業の実施にあたっては、
「6)環境保全措置の内容」に示す環境保全措置を講じる。工事用車
両の走行に伴う騒音の影響を抑制するため、「搬入時間の分散」、「交通規制の厳守」及び「走行
ルートの限定」を行う。これらのことは、事業者として実行可能な範囲内でできる限り環境への
影響を回避・低減する措置である。
以上のことから、工事用車両の走行に伴う騒音の影響について、環境への影響の回避・低減に
適合するものである。
b. 環境保全に関する目標との整合性に係る評価
工事用車両の走行による等価騒音レベルの予測結果は、表 5.2-23 に示すとおり、工事の最盛
期において、環境保全に関する目標を超過する結果となる。
なお、工事の実施に際して、モニタリングを行い、工事の実施が環境に影響を及ぼすことがな
いよう適切に対応する。
表 5.2-23 環境保全に関する目標との整合性に係る評価結果(工事用車両の走行)
NO
3
予
測
地
点
県道出雲崎石地線
出雲崎町稲川地内
予測値
環境保全に関す
る目標
66
65 以下
単位:dB(A)
環境の保全に関
する目標との整
合性
○:整合
×:不整合
×
注)環境保全に関する目標値が整数であることから、予測値は小数点以下第 1 位を四捨五
入し整数とし、その値をもって評価を行った。
5.2-22
③ 環境保全措置の追加を踏まえた評価結果
a. 環境への影響の回避・低減に係る評価
表 5.2-21 に示す環境保全措置を実施する場合であっても、環境保全に関する目標を満足でき
ない結果となった。そこで、追加の環境保全措置として、表 5.2-24 に示す県道出雲崎石地線の
住宅地付近での工事用車両の走行速度を 40 ㎞/h に制限する措置を実施することとした。
これにより、工事用車両の走行に伴う騒音が及ぼす環境への影響はより回避・低減されるもの
と評価する。
表 5.2-24 追加の環境保全措置(工事用車両の走行)
環境保全措置の内容
環境保全措置
の種類
走行速度の制限
工事期間中は、工事用車両と既設処分場への廃棄
物運搬車両が重複して走行することから、県道出
雲崎石地線の住宅地付近での工事用車両の走行速
度を 40 ㎞/h に制限する。
低減
環境保全に関する
目標を超過するお
それがある場合の
追加の保全措置の
検討・実施
工事期間中の工事用車両の走行や騒音レベルを確
認し、環境保全に関する目標を超過するおそれが
生じた場合には、さらなる環境保全措置を検討・
実施します。
低減
環境保全措置
【環境保全措置の種類】
回 避:全部又は一部を行わないこと等により、影響を回避する。
最小化:実施規模又は程度を制限すること等により、影響を最小化する。
修 正:影響を受けた環境を修復、回復又は復元すること等により、影響を修正する。
低 減:継続的な保護又は維持活動を行うこと等により、影響を低減する。
代 償:代用的な資源もしくは環境で置き換え、又は提供すること等により、影響を代償する。
b. 環境保全に関する目標との整合性に係る評価
「走行速度の制限」を実施した場合の予測結果は、表 5.2-25 に示すとおり、環境保全に関す
る目標に整合する結果となった。
なお、工事用車両の走行に際して、モニタリングを行い、工事用車両の走行が環境に影響を及
ぼすことがないよう適切に対応する。
表 5.2-25 工事用車両の走行による等価騒音レベル予測・評価結果(再予測)
計算値
NO
3
予測地点
県道出雲崎
石地線
出雲崎町稲
川地内
測定値
(LAeq*)
61.3
現況
工事中
(LAeq,R)
(LAeq,HC)
56.7
予測値
工事に
よる増
加量
(ΔL)
(LAeq +
ΔL)
環境保全
に関する
目標
3.9
65(65.2)
65 以下
58.4
*
単位:dB(A)
環境の保全
に関する目
標との整合
性
○:整合
×:不整合
○
注)予測値は、昼間の時間における地上 1.2m の値である。
環境保全に関する目標値が整数であることから、予測値は小数点以下第 1 位を四捨五入し整数とし、その値をも
って評価を行った。
5.2-23
(3) 存在・供用時の施設の稼働に伴う影響
1) 予測項目
予測項目は、施設の稼働による騒音レベル(等価騒音レベル・時間率騒音レベル)とした。
2) 予測地域及び地点
予測地域は、対象事業実施区域周辺とし、予測地点は、表 5.2-26 及び図 5.2-11 に示す地点と
した。
予測高さは、地上 1.2mとした。
表 5.2-26 予測地点
NO
1
2
予測地点
近接民家側敷地境界
近接民家付近
3) 予測対象時期
予測対象時期は、施設が通常の状態で稼働する時点とした。
4) 予測方法
① 予測手順
施設の稼働による騒音の影響の予測手順は、
「廃棄物処理施設生活環境影響調査指針」
(環境省
2006 年)を参考に図 5.2-10 に示すとおり設定した。
施設稼働騒音は、各設備からの発生源騒音レベルを設定し、予測地点での合成騒音レベルを予
測した。なお、地表面による減衰効果は考慮しないこととした。
発生源位置及び発生源騒音レベルの設定
各点音源からの予測計算
予測地点での騒音レベルの合成
図 5.2-10 施設稼働騒音の予測手順
5.2-24
図 5.2-11 施設稼働騒音・振動予測地点
5.2-25
② 予測式
予測式は、
「廃棄物処理施設生活環境影響調査指針」
(環境省 2006 年)に示される音源から発
生する音(各設備の稼働音)が距離減衰する伝搬理論計算式を用いた。
[屋内騒音レベルの算出]
L(in)=Lw+10・log(4/A)
ここで、
L(in):室内の騒音レベル(dB)
Lw:騒音源の音響パワーレベル(dB)
A:屋内吸音力(m2) A=Sα
S:屋内全表面積(m2)
α:屋内平均吸音率
[外壁透過後の騒音レベルの算出]
L(out)=L(in)-TL-6
ここで、
L(out):外壁面からの騒音レベル(dB)
TL:透過損失(dB)
[仮想点音源の音響パワーレベルの設定]
受音点における壁面からの音響パワーレベルは、受音点において点音源とみなせる大きさに壁
面を分割し、各分割壁の中心に仮想点音源を配置した。
仮想点音源の音響パワーレベルは次式を用いて算出した。
Lw=L(out)+10・log10(Si)
ここで、
Lw:仮想点音源の音響パワーレベル(dB)
Si:分割壁の面積(m2)
[半自由空間における点音源の距離減衰式] (ASJ CN-MODEL2007)
LA=Lw-8-20・log(r)+ΔLd
ここで、
LA :受音点における騒音レベル(dB(A))
Lw :騒音源の音響パワーレベル(dB(A))
r :音源から受音点までの距離(m)
ΔLd :回折効果による補正量
[騒音レベルの合成]
L=10・log10(10L1/10+10L2/10+‥‥‥+10LAn/10)
ここで、
L
:合成された騒音レベル(dB(A))
LAn :発生源 n に対する予測地点の騒音レベル(dB(A))
5.2-26
③ 予測条件の設定
a. 屋内音源位置
ア) 騒音発生機器
屋内音源は水処理施設のブロアーとし、水処理施設の中央部に配置した。
イ) 室内音源の騒音パワーレベル
各機器の基準点騒音レベルは、表 5.2-27 に示すとおり設定した。
表 5.2-27 屋内機器類の基準点騒音レベル及び周波数特性
機器名称
台数
基準点騒音レベル
1
95
曝気用ブロアー
出典:環境アセスメントの技術(社団法人環境情報科学センター,1999 年)
ウ) 水処理施設の稼働時間
水処理施設の稼働時間は 24 時間とした。
エ) 水処理施設建屋の諸元
水処理施設建屋の諸元は表 5.2-28 に示す値とした。
表 5.2-28 施設内機器類の基準点騒音レベル及び周波数特性
外壁材質
吸音率(1000Hz) 等価損失(1000Hz)
ALC 板(100mm)
0.02
39dB(A)
b. 屋外音源
ア) 屋外音源位置
屋外音源は埋立作業機械とし、図 5.2-12 に示すとおり埋立処分場の近接民家側に配置した。
イ) 屋外音源の騒音パワーレベル
各機器の基準点騒音レベルは、
「低騒音型・低振動型建設機械の指定に関する規程(平成 9 年 7
月 建設省告示第 1536 号)」及び「建設工事に伴う騒音振動対策ハンドブック(第 3 版)((社)
日本建設機械化協会、平成 13 年 2 月)を用い、表 5.2-29 に示すとおり設定した。
表 5.2-29 埋立作業機械騒音パワーレベル
NO
機械名称
規格
台数
騒音パワーレベル
(dB(A))
出典
備考
1
バックホウ
0.7 ㎥級
2
106
1
低騒音型
2
ブルドーザー
D6 級
1
105
1
低騒音型
3
ダンプトラック
10t
2
109
2
――
出典1:低騒音型・低振動型建設機械の指定に関する規程(平成 9 年 7 月 建設省告示第 1536 号)
出典 2:
「建設工事に伴う騒音振動対策ハンドブック(第 3 版)
(
(社)日本建設機械化協会、平成 13 年 2 月)
ウ) 埋立作業機械の稼働時間
埋立作業機械の稼働時間は 8 時~17 時とした。
5.2-27
5.2-28
図 5.2-12 埋立作業機械及び水処理施設の配置図
c. 暗騒音
施設稼働騒音予測地点における暗騒音レベルは、騒音規制法に基づく特定工場等において発生
する騒音の規制に関する基準との比較を想定し、
現地調査結果の朝
(午前 6 時から午前 8 時まで)、
昼間(午前 8 時から午後 6 時まで)
、夕(午後 6 時から午後 9 時まで)を、夜間(午後 9 時から午
前 6 時まで)の各時間帯の時間率騒音レベル(LA5)とした。
環境騒音における暗騒音レベルは、騒音に係る環境基準との比較を想定し、現地調査結果の昼
間(午前 6 時から午後 10 時まで)
・夜間(午後 10 時から午前 6 時まで)の騒音レベル(LAeq)と
した。
各地点の暗騒音レベルを表 5.2-30 に示す。
表 5.2-30 予測地点の暗騒音レベル
単位:dB(A)
予測項目
施設稼働
騒音
環境騒音
予測地点
近接民家側敷地境界
近接民家付近
時間帯
暗騒音
朝
昼間
夕
41
51
38
夜間
39
昼間
夜間
54.3
39.0
d. 回折・地表面吸収等
予測にあたっては、地形による遮へい、回折を考慮した。
また、樹林等による遮へい、地表面による吸収は考慮しなかった。
5) 予測結果
敷地境界地点における施設の稼働による騒音の予測結果は表 5.2-31 及び図 5.2-13 に示すとお
りとなった。
近接民家側敷地境界(NO.1)での施設稼働騒音は昼間に 35.3dB(A)、その他の時間帯は 30dB(A)
未満であった。また、近接民家付近(NO.2)の施設稼働騒音は全ての時間帯で 30dB(A)未満であ
った。
表 5.2-31 施設の稼働による騒音予測結果
単位:dB(A)
予測項目
NO
予測地点
施設稼働
騒音
1
近接民家側敷地境界
環境騒音
2
近接民家付近
時間帯 暗騒音
朝
昼間
夕
夜間
昼間
夜間
41
51
38
39
54.3
39.0
寄与値
(施設稼働騒音)
<30
35.3
<30
<30
<30
<30
注)予測値は地上 1.2m における値である。
予測値は小数点以下第 1 位を四捨五入した。
<30 は 30dB(A)未満を示す。暗騒音との合成は 30dB(A)として行った。
5.2-29
予測値
41(41.3)
51(51.1)
39(38.6)
40(39.5)
54(54.3)
40(39.5)
5.2-30
図 5.2-13 施設の稼働による騒音予測結果(昼間:予測高さ 1.2m)
6) 環境保全措置の内容
本事業の実施においては、事業者として実行可能な範囲内でできる限り環境への影響を回避・
低減させるものとして表 5.2-32 に示す環境保全措置を実施する。
事業者として実行可能な範囲内でできる限り環境への影響を回避・低減するため、
「低騒音型機
械の使用」
、
「騒音発生機器の適切な防音措置」、
「騒音発生の大きい機器の屋内への設置」及び「機
器類の定期的な管理」を行うこととした。
このうち、
「低騒音型機械の使用」については、予測の条件として採用している。
(表 5.2-29、
図 5.2-12 参照)
表 5.2-32 環境保全措置(施設の稼働)
環境保全措置
環境保全措置
の種類
環境保全措置の内容
騒音発生機器の適切な
防音措置
埋立作業機械は、低騒音型又は超低騒音型の建設
機械を使用する。
騒音発生機器は吸音材等で覆うなどの適切な防
音措置を講じる。
騒音発生の大きい機器
の屋内への設置
騒音発生の大きい曝気ブロアは室内に設置する
ことにより外部への騒音の伝搬を低減する。
最小化
機器類の定期的な管理
定期的に機械及び施設装置の点検を行い、異常の
確認された機器類は速やかに修理、交換し、機器
の異常による大きな騒音の発生を未然に防ぐ。
低減
低騒音型機械の使用
最小化
最小化
【環境保全措置の種類】
回 避:全部又は一部を行わないこと等により、影響を回避する。
最小化:実施規模又は程度を制限すること等により、影響を最小化する。
修 正:影響を受けた環境を修復、回復又は復元すること等により、影響を修正する。
低 減:継続的な保護又は維持活動を行うこと等により、影響を低減する。
代 償:代用的な資源もしくは環境で置き換え、又は提供すること等により、影響を代償する。
7) 評価
① 評価方法
評価の方法は、調査及び予測の結果並びに検討した環境保全措置の内容を踏まえ、騒音の影響
が、事業者として実行可能な範囲内でできる限り環境への影響を回避・低減されているかどうか
を検討した。また、予測結果が、表 5.2-33 に示す環境保全に関する目標と整合が図れているかど
うかを検討した。
近接民家付近を含む対象事業実施区域周辺は、特定工場等において発生する騒音の規制に関す
る規制の地域指定及び騒音に係る環境基準の類型指定のいずれの地域にも該当しない。ただし、
環境影響を低減し、良好な環境を維持するために、特定建設作業に係る騒音の規制基準(第 2 種
区域)及び騒音に係る環境基準(B 類型)を環境保全目標として設定した。
表 5.2-33 環境保全に関する目標(施設の稼働)
環境保全に関する目標
騒音規制法に基づく特定工場等において
発生する騒音の規制に関する基準(第 2
種区域)
環境基準値 B 類型
備
朝・夕
50 dB(A)以下
昼間
55 dB(A)以下
夜間
45 dB(A)以下
昼間
55 dB(A)以下
夜間
45 dB(A)以下
5.2-31
考
近接民家側敷地境界
における基準値
近接民家付近
② 評価結果
a. 環境への影響の回避・低減に係る評価
事業の実施にあたっては、
「6)環境保全措置の内容」に示す環境保全措置を講じる。
「低騒音型
機械の使用」
、
「騒音発生機器の適切な防音措置」、
「騒音発生の大きい機器の屋内への設置」及び
「機器類の定期的な管理」を行うことで施設の稼働に伴う騒音の影響を抑制するものである。こ
れらのことは、事業者として実行可能な範囲内でできる限り環境への影響を回避・低減する措置
である。
以上のことから、施設の稼働に伴う騒音の影響については、環境への影響の回避・低減に適合
するものと評価する。
b. 環境保全に関する目標との整合性に係る評価
予測結果は、表 5.2-34 に示すとおりであり、予測値は環境保全に関する目標を満足している
ことから、環境保全に関する目標との整合性は図られているものと評価する。
表 5.2-34 環境保全に関する目標との整合性に係る評価結果(施設の稼働)
予測項目
施設稼働
騒音
(参考)
環境基準
B
類型
NO
1
2
予測地点
近接民家側
敷地境界
単位:dB(A)
環境の保全に関す
環境保全に関 る目標との整合性
する目標
○:整合
×:不整合
時間帯
予測値
朝
41
50 以下
○
昼間
51
55 以下
○
夕
39
50 以下
○
夜間
40
45 以下
○
昼間
54
55 以下
○
夜間
40
45 以下
○
近接民家付近
注:予測値は地上 1.2m における値である。
5.2-32
(4) 存在・供用時の廃棄物運搬車両の走行に伴う影響
1) 予測項目
予測項目は、供用時において発生する廃棄物運搬車両の走行による等価騒音レベルとした。
2) 予測地域及び地点
予測地域は、廃棄物運搬車両の走行道路の沿道及びその後背地を含む地域とし、予測地点は、
表 5.2-35 及び図 5.2-15 に示す1地点とした。
表 5.2-35 予測地点
NO
3
予測地点
県道出雲崎石地線
出雲崎町稲川地内
3) 予測対象時期
予測対象時期は、施設が通常の状態で稼働し、廃棄物運搬車両が通常の状態で走行する時期と
した。
4) 予測方法
① 予測手順
廃棄物運搬車両の発生による騒音の影響の予測手順は、
「道路環境影響評価の技術手法 平成 24
年版」((財)道路環境・道路空間研究所,2013 年)を参考に図 5.2-14 に示すとおり設定した。
予測は、現況交通量のみが走行する「現況」の交通条件の場合と、現況交通量に供用時に増加
する廃棄物運搬車両が加わる「供用時」の交通条件の場合について、等価騒音レベルを算出し、
その増加量を予測し、影響を検討した。
現況等価騒音レベル
LAeq*
「現況」の交通条件
「廃棄物運搬車両」の交通条件
「現況」の交通条件による
等価騒音レベルの計算
「廃棄物運搬車両」の交通条件に
よる等価騒音レベルの計算
「廃棄物運搬車両」の上乗せに
よる等価騒音レベルの増加
廃棄物運搬車両運行時の等価騒音レベル
図 5.2-14 廃棄物運搬車両による騒音の影響予測手順
5.2-33
図 5.2-15 廃棄物運搬車両の走行ルート及び予測地点
5.2-34
② 予測式
予測式は、
「道路環境影響評価の技術手法 平成 24 年版」((財)道路環境・道路空間研究所,2013
年)に記載されている次式(ASJ RTN-Model2013)を用いた。
この予測式は一般的に広く道路交通に係る騒音予測計算で用いられているものである。
LAeq =LAeq*+ΔL
ΔL =101og10{(10LAeq,R/10 +10LAeq,HC/10)/ 10LAeq,R/10}
ここで、
LAeq :廃棄物運搬車両走行時の等価騒音レベル(dB(A))
LAeq*:現況等価騒音レベル(St.2 の測定値(昼間)=61.3dB(A))
ΔL :廃棄物運搬車両の走行により増加する等価騒音レベル(dB(A))
LAeq,R :現況交通量から ASJ RTN-Model 2013 を用いて求められる等価騒音レベル(dB(A))
LAeq,HC:廃棄物運搬車両の交通量から、ASJ RTN-Model 2013 を用いて求められる等価騒音レベ
ル(dB(A))
なお、LAeq,R、LAeq,HC については、以下に示す日本音響学会提案の予測計算方法 ASJ RTN-Model
2013 を用いて求めた。
a. A特性補正音響パワーレベルの算出式
LwA=B+30log10V+C
B
V
C
:パワーレベル式の定数項(大型車類 53.2,小型車類 46.7)
:走行速度[km/h]
:基準値に対する補正項
C=ΔLsurf+ΔLgrad+ΔLdir+ΔLetc
ΔLsurf:排水性舗装等による騒音低減に関する補正量[dB]
ΔLgrad:道路の縦断勾配に関する補正量[dB]
ΔLdir :自動車走行騒音の指向性に関する補正量[dB]
ΔLetc :その他の要因に関する補正量[dB]
ΔLsurf、ΔLgrad、ΔLdir、ΔLetc については今回適用しなかった。
b. 伝搬計算の基本式
LA,i=LwA,i-8-20log10ri+ΔLcor,i
LA,i
:i 番目の音源位置から予測点に伝搬する騒音の A 特性騒音レベル[dB]
LwA,i
:i 番目の音源位置における自動車走行騒音の A 特性補正音響パワーレベル[dB]
ri
:i 番目の音源位置から予測点までの直達距離[m]
ΔLcor,i:i 番目の音源位置から予測点に至る音の伝搬に影響を与える各種(回折、地表面
効果、空気の音響吸収)の減衰要素に関する補正量[dB]
このうち、ΔLcor については今回適用しなかった。
5.2-35
③ 予測条件の設定
予測に用いた交通量は、
「現況」
(現況交通量)、「供用時」(現況交通量+廃棄物運搬車両交通
量)のそれぞれについて以下のとおり設定した。
a. 廃棄物運搬車両交通量
予測に用いた廃棄物運搬車両は、既設処分場への廃棄物運搬車両の日台数の年間最大値(平成
26 年)を採用し、表 5.2-36 に示すとおり設定した。
表 5.2-36 廃棄物運搬車両の台数
台
既設処分場への廃棄物運搬車両
の日台数の最大値(平成 26 年)
数
81 台/日(往復 162 台/日)
b. 現況交通量
現況交通量の設定を表 5.2-37 に示すとおりにした。
一般車両交通量については、騒音調査時に実施した昼間(6 時~22 時)の交通量調査結果を用
いた。
表 5.2-37 現況交通量の設定
単位:台
現況調査結果
NO
昼間の交通量(6 時~22 時)
小型車
大型車
合計
予測地点
県道出雲崎石地線
出雲崎町稲川地内
3
434
82
516
注)交通量調査地点のうち、既設処分場への廃棄物運搬車両を除いた値とした。
c. 供用時交通量
供用時の交通量は表 5.2-38 に示すとおりとした。供用時に増加する交通量はすべて大型車と
して設定した。
なお、予測に用いた時間帯別交通量は資料編に示す。
表 5.2-38 供用時交通量の設定
単位:台/6 時~22 時
現
NO
予測地点
3
県道出雲崎石地線
出雲崎町稲川地内
注)
(
況
供用時
現況交通量
廃棄物運搬車両
(大型車)
供用時交通量
(現況交通量+廃棄物運搬車両)
162
678(244)
516(82)
)内は大型車台数
d. 走行速度
予測に用いた走行速度は車速の現地調査結果をもとに表 5.2-39 に示す 50 ㎞/h とした。
(表
5.2-8 走行速度調査結果 参照)
表 5.2-39 走行速度条件
NO
3
予測対象道路
県道出雲崎石地線
出雲崎町稲川地内
5.2-36
速度(km/h)
50
e. 道路条件
工事用車両の走行ルートである県道出雲崎石地線の予測地点(出雲崎町稲川地内)の断面図を
図 5.2-16 に示す。
音源は、両側車線の中央に設置した。また、予測位置は住宅地側の官民境界とし、高さは地上
1.2m とした。
県道出雲崎石地線 出雲崎町稲川地内
図 5.2-16 予測断面図
5) 予測結果
廃棄物運搬車両の走行による等価騒音レベルの増加量は 3.9dB(A)となり、これを現況測定値
61.3dB(A)と合わせると予測値は 65dB(A)となる。廃棄物運搬車両の走行による等価騒音レベルの
予測結果を表 5.2-40 に示す。
表 5.2-40 廃棄物運搬車両の走行による等価騒音レベル予測結果
単位:dB(A)
予測値
計算値
NO
3
予
測
地
点
県道出雲崎石地線
出雲崎町稲川地内
供用時
の増加
(LAeq*)
(LAeq,R) (LAeq,HC)
量
(ΔL)
測定値
61.3
現況
56.7
注)予測値は、昼間の時間における地上 1.2m の値である。
予測値は、小数点以下第 1 位を四捨五入した。
5.2-37
供用時
58.4
3.9
(LAeq*+ΔL)
65(65.2)
6) 環境保全措置の内容
本事業の実施においては、事業者として実行可能な範囲内でできる限り環境への影響を回避・
低減させるものとして表 5.2-41 に示す環境保全措置を実施する。
事業者として実行可能な範囲内でできる限り環境への影響を回避・低減するため、
「交通規制の
遵守」及び「走行ルートの限定」を行うこととした。
表 5.2-41 環境保全措置(廃棄物運搬車両の走行)
環境保全措置
交通規制の遵守の要請
走行ルートの限定
環境保全措置
の種類
環境保全措置の内容
廃棄物運搬車両は、速度や積載量等の交通
規制を遵守するよう、運搬を行う事業者に
要請する。
廃棄物運搬車両は可能な限り住宅地を避
け、県道出雲崎石地線を走行する。
低減
低減
【環境保全措置の種類】
回 避:全部又は一部を行わないこと等により、影響を回避する。
最小化:実施規模又は程度を制限すること等により、影響を最小化する。
修 正:影響を受けた環境を修復、回復又は復元すること等により、影響を修正する。
低 減:継続的な保護又は維持活動を行うこと等により、影響を低減する。
代 償:代用的な資源もしくは環境で置き換え、又は提供すること等により、影響を代償する。
7) 評価
① 評価方法
評価の方法は、調査及び予測の結果並びに検討した環境保全措置の内容を踏まえ、騒音の影響
が、事業者として実行可能な範囲内でできる限り環境への影響を回避・低減されているかどうか
を検討した。
また、予測結果が、表 5.2-42 に示す環境保全に関する目標と整合が図れているかどうかを検討
した。環境保全に関する目標は、騒音に係る環境基準のうち、B 地域の 2 車線以上の車線を有する
道路に面する地域に定められる値とした。
表 5.2-42 環境保全に関する目標(廃棄物運搬車両の走行)
環境保全に関する目標
騒音に係る環境基準
(B 地域のうち2車線以上の車線を有
する道路に面する地域)
備
65dB(A)以下
5.2-38
考
昼
間
(6 時~22 時)
② 評価結果
a. 環境への影響の回避・低減に係る評価
事業の実施にあたっては、
「6)環境保全措置の内容」に示す環境保全措置を講じる。
「交通規制
の遵守の要請」及び「走行ルートの限定」」を行うことで廃棄物運搬車両の走行に伴う騒音の影
響を抑制するものである。これらのことは、事業者として実行可能な範囲内でできる限り環境へ
の影響を回避・低減する措置である。
以上のことから、廃棄物運搬車両の走行に伴う騒音の影響については、環境への影響の回避・
低減に適合するものと評価する。
b. 環境保全に関する目標との整合性に係る評価
廃棄物運搬車両の走行による等価騒音レベルの予測結果は、表 5.2-43 に示すとおりである。廃
棄物運搬車両の走行が最大となる条件でも環境保全に関する目標を満足することから、環境保全
に関する目標との整合性は図られているものと評価する。
なお、廃棄物運搬車両の走行に際して、モニタリングを行い、廃棄物運搬車両の走行が環境に
影響を及ぼすことがないよう適切に対応する。
表 5.2-43 環境保全に関する目標との整合性に係る評価結果(廃棄物運搬車両の走行)
NO
3
予
測
地 点
県道出雲崎石地線
出雲崎町稲川地内
予測値
環境保全に関す
る目標
65
65 以下
単位:dB(A)
環境の保全に関
する目標との整
合性
○:整合
×:不整合
○
注)予測値は地上 1.2m における値である。
環境保全に関する目標値が整数であることから、予測値は小数点以下第 1 位を四捨五入し整
数とし、その値をもって評価を行った。
5.2-39
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