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日本食文化の無形文化遺産 記載提案書の概要

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日本食文化の無形文化遺産 記載提案書の概要
日本食文化の無形文化遺産
記載提案書の概要
平成24年2月
日本食文化の世界無形遺産登録に向けた検討会
「自然の尊重」という精神に則ってできた「和食」を提案
和食では
日本の国土に根ざした多様な食
材が新鮮なまま使用されている
• 明確な四季の存在と地理的な多様性
のおかげで、新鮮で多様な山海の幸
が使用されている。
• 食材の持ち味を引き出し、引き立た
せる工夫が発達している。(うま味
だし
が豊富な出汁、独特の調理道具)
• 風土に即した発酵技術が発達してい
る。(味噌・醤油、日本酒)
コメを中心とした栄養バ
ランスに優れた食事構成
となっている
食事の場において「自然
の美しさ」「季節の移ろ
い」が表現されている
• コメ、味噌汁、魚や野菜・
山菜といったおかずなどに
よりバランスよく食事が構
成されている。
• 料理に葉や花などをあしら
い、美しく盛り付ける表現
法が発達。
• 動物性油脂を多用していな
いため、日本人の長寿や肥
満防止に寄与している。
• 季節感を出すため、季節に
あった食器を使用したり、
部屋をしつらえたりする。
正月や田植え、収穫祭のような年中行事と密接に関連している
食事の時間を共にすることで家族やコミュニティメンバーの絆を強める役割をもっている。
「和食」を
食事という空間の中で「自然の尊重」という精神を表現している「社会的慣習」
として提案。
日本食文化を、無形文化遺産に。
1
「和食」を記載することで期待される効果
無形文化遺産全体の認知や重要性の認識が向上する。
「和食」は
 バランスの良い食事により健康増進に貢献する。
 「もったいない」の精神で環境問題の解決にも
寄与する。
 「和食」が記載されれば、無形文
化遺産が健康や環境問題にも寄与
するという新たな地平を拓くこと
により、認知を広げる。
コミュニティや集団、個人間の対話を促進する。
 記載により、各地域の食文化が「自然の尊重」の精神という共通の背景を持つことが理解
される。
 様々なコミュニティが、他のコミュニティの食や地域行事・祭事について興味をもつこと
となり、対話が促進される。
 既に代表一覧表に食文化が記載されているフランス等の国との対話も促進される。
文化の多様性、人類の創造性に対する敬意を醸成する。
「和食」は、
 地域の多様性を色濃く残す慣習である。
 同時に、他地域や諸外国の食文化を取り入れ
て常に変化してきた。また伝統工芸など食関
係の文化もこれに合わせて発達してきた。
 食の領域で文化の多様性と人類の
創造性を同時に示しているもので
ある。
日本食文化を、無形文化遺産に。
2
保護措置は全国約500のコミュニティ・グループ等の取組を中心に構成
全国約500のコミュニティ・グループ等の取組(実践例や提案)
地域及び地方公共団体の取組
 子ども達に「和食」を伝えるため、学校給食や地域の行事で郷
土料理を提供
(例:霧島食育研究会、一関もち食推進会議、鶴岡市食育・地産地消推進協議会、鯖
江市)
 家族や学校、生産者、民間団体の協力のもと、あらゆる世代・
立場の人への食育を実施
その他の取組
 地域の「和食」を正しく記録するため、またその機能や
意義を知るために様々な調査や研究を実施
(例:日本家政学会、日本食育学会、沖縄県栄養士会、日本伝統食品研究会)
 和食の文化の継承を支援する料理の専門家や研究者の育
成を行うための高等教育機関を設立
(京都府)
(例:庄内浜文化伝道師協会、小牛田地域精進料理の会、小浜市、富士宮市)
 地域の「和食」の伝統に関する知識や技術の保持者を匠として
登録する制度
(例:JA秋田やまもと、北海道、岩手県、香川県、大野市)
 各地のシンポジウムやセミナーにおいて、様々な食文化を展示
(例:滋賀の食事文化研究会、愛媛県農山漁村生活研究協議会、山菜文化研究会)
モニタリングの実施
 申請に賛同するコミュニティや集団による「日本食文化
のユネスコ無形文化遺産化推進協議会(仮称)」のもと、
登録に伴う過度の商業化等についてモニタリングを実施
国のサポート
食育推進基本計画に沿って、生涯食育の普及、団体などが行う食文化の継承のための活動を支援
地域固有の農林水産物・食品の保全に資する地理的表示の保護制度の導入
新たな展覧会の開催
モニタリングの取組を支援
日本食文化を、無形文化遺産に。
3
アンケート結果では日本食文化の提案が圧倒的に支持されている
あなたは、日本食文化を保護し、価値を高め、
子供や孫の世代にも伝えることは重要だと思い
ますか。
そう思わない
1.5%
全くそう思わない
0.1%
そう思う
44.9%
98.4%
強く思う
53.5%
あなたは、日本食文化をユネスコの無形文化
遺産に提案することを支持しますか。
全く支持しない
0.8%
支持しない
7.4%
強く支持する
39.4%
支持する
52.4%
91.8%
 調査対象:日本国民 男女 20歳以上  調査形式:無記名 Webアンケート
 実施時期:2011年9月15日~9月20日
 有効回答数:3134
日本食文化を、無形文化遺産に。
4
全国約1,500のコミュニティ、草の根グループ等が提案に賛同
[賛同したコミュニティ、グループの例]
•
•
•
•
•
•
•
•
NPO法人霧島食育研究会
ロハス越前
一関もち食推進会議
鶴岡市食育・地産地消推進協議会
庄内浜文化伝道師協会
岩沢まごころ市
アグリネットななえ
山菜の里いび
•
•
•
•
•
•
•
各地のスローフード協会
各地の農協・漁協
沖縄 食の風
小牛田地域精進料理の会
滋賀の食事文化研究会
愛媛県農山漁村生活研究協議会
日本箸文化協会
等
[賛同した地方自治体等]
北海道、岩手県、長野県、京都府、香川県等 32県
富士宮市、鯖江市、小浜市、大野市、京都市等 290市町村
全国知事会、全国市長会、全国町村会
日本食文化を、無形文化遺産に。
5
(参考)既に代表一覧表に記載されている食の分野の無形文化遺産
フランスの美食術(22年登録)
地中海料理(22年登録)
【登録内容】
• 出産、結婚、誕生日等の生活における最も重要な時を祝
うための社会的慣習
• 特定の料理ではなく、より美味しく食事をするという美
食の慣習
【登録内容】
• 風景から料理に至るまでの一連の技術、知識、慣習、伝
統に基づく社会的慣習
• 魚介類、麦類、乳製品、野菜等をバランスよくとり、オ
リーブオイルを中心に油脂分を摂取する健康的な食事
【保護措置】
• 小学校における「味覚教室」の実施
• 食や美食に対する研究組織の設立
• 保護措置の監視機関の創設 等
【保護措置】
• 子供たちへの食育プログラム、レシピコンテストの開催、
書籍の出版、イベントの開催
• 地中海の食事のデータベースの作成 等
【社会の賛同】
• 89.2%の国民が無形文化遺産への登録を支持(アンケー
ト調査)
• 各地域の美食を保護しようとする団体が数多く賛同
【社会の賛同】
• スペイン、ギリシャ、イタリア、モロッコの4カ国で
147団体が賛同
メキシコの伝統料理(22年登録)
トルコのケシケキの伝統(23年登録)
【登録内容】
• 儀式や祝祭における伝統的メキシコ料理に係る社会的慣
習
【登録内容】
• 結婚式や祝日、雨乞いなどの儀式におけるケシケキ料理
(麦かゆ)に係る社会的慣習
【保護措置】
• 伝統料理の保護モデルの確立、地域の食の調査研究
【保護措置】
• ケシケキのイベント関係、ケシケキの研究、記録
【社会の賛同】
• 地方公共団体や食の関係者が多数賛同
等
等
【社会の賛同】
• 27団体が賛同
日本食文化を、無形文化遺産に。
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