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カフェオイルキナ酸による アルツハイマー症予防効果

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カフェオイルキナ酸による アルツハイマー症予防効果
カフェオイルキナ酸による
アルツハイマー症予防効果
カフェオイルキナ酸
5-カフェオイルキナ酸 (5-caffeoylquinic acid) は、コーヒー酸のカルボ
キシル基がキナ酸5位のヒドロキシ基と脱水縮合した構造を持つ化合物であ
る。コーヒー豆から初めて単離され、現在では多くの双子葉植物の種子や
葉から見いだされている。
コーヒー豆中に 5–10% 近く含まれ、含有量はカフェイン (1–2%) よりも
多い。
アルツハイマー症とは?
アルツハイマー病 (アルツハイマー型認知症) は、進行性の記憶障害・認知障
害などを主症状とする進行性神経変性疾患であり、アミロイドβタンパク質
による神経細胞死が原因の一つと考えられている。
現在、日本の痴呆症患者数は130万人であり、その中でアルツハイマー患
者数は60万人である。さらに、2010年には80万人を超えると予測される。
アルツハイマー症の脳
正常の脳
現在までに行った研究
・神経細胞保護アッセイ
・プロテオミクス
・アルツハイマー症モデルマウスを用いた動物実験
1.神経細胞保護アッセイ
神経細胞保護アッセイ
神経細胞毒素である
アミロイドβで処理
調べたいサンプルで処理
神経細胞保護作用
無しのサンプル
神経細胞
細胞培養器
神経細胞保護作用
有りのサンプル
結果1
1.6
1.5
1.4
アミロイドβの毒素
がら神経細胞保護
!細胞保護!
細胞生存率の相対値
1.3
1.2
1.1
1
×1/10
×1/10
0.9
0.8
×1/102
0.7
×1/103
×1/102
×1/103
0.6
非処理
アミロイドβ 処理
カフェオイルキナ酸処理
細胞死
結果2
カフェオイルキナ酸誘導体
2.2
生存率の相対値
2
1.8
1.6
1.4
!細胞保護!
1.2
1
0.8
非処理
3,5-di-カフェ 4,5-di-カフェ
オイルキナ酸 オイルキナ酸
0.6
3,4-di-カ
フェ
オイルキナ酸
細胞死
アミロイドβ 処理
結論
カフェオイルキナ酸による神経細胞保護効果を調べた結果、
カフェオイルキナ酸にはアミロイドβによる神経細胞死から
細胞を保護することを見出した。
2.プロテオミクス
プロテオミクス とは?
細胞や組織に存在する遺伝子の発現情報をタンパク質のレベルで解析する
方法で、それらの相互の関連と機能を解明することを目的としている。
発現量の増加
サンプル処理
【Control】
非処理細胞の全タン
パク質のマップ化
新しい発現
細胞からタンパク質を抽出
抽出したタンパク質を定量
pH3
pH10
一次元電気泳動(等電点)
-
二次元電気泳動
( SDS-PAGE )
+
ゲルを染色
MALDI-TOF(質量分析)
目標タンパク質の
スポット
タンパク質回収
データベース解析
T4
T3T2
T1
T5 T6
【質量スペクトルの結果】
タンパク質の同定
プロテオミクスの結果
発現量の増加
18
16
14
+A
+A 、+CA
Intensity
12
10
8
6
4
2
0
Control
CA
A
A +CA
A アミロイド ;アルツハイマーを引き起こす毒素
Control
+CA
CA;カフェオイルキナ酸
質量分析
PGK1 (Phosphoglycerate kinase 1)
;パーキンソン病、細胞毒や低酸素から神経細胞を保護するタンパク質
結論
プロテオミクスの結果からカフェオイルキナ酸はパーキン
ソン病、細胞毒や低酸素から神経細胞を保護するタンパク質
である PGK1 (Phosphoglycerate kinase 1)の発現増加を誘
導することにより、アミロイド 毒素から神経細胞を保護す
ると考えられる。
3.アルツハイマー症モデルマウス
を用いた動物実験
モデルマウスを用いた抗アルツハイマー症実験
対象;SAM P8 10週齢(老化促進モデルマウス;学習・記憶障害を自然発症するモデルマウス)
①モデルマウスにカフェオイルキナ酸をゾンデで経口投与(6.7mg/kg・day)
水面下にある透明なフラットホーム
モーリス水迷路(直径;120cm、深さ;25cm)
②モデルマウスが泳いでフラットホームに乗るまでの時間を計る(1日1回)。
③記憶・学習能力があるマウスは到達時間が段々短くなる。しかし、
記憶・学習能力がない(老化・痴ほう症)のマウスは時間が短くならない。
④カフェオイルキナ酸投与群と非投与群を比較し、カフェオイルキナ酸の
抗アルツハイマー症効果を評価する。
結果
??
?
モデルマウス
非投与
(n=9)
??
?
酸 投与群 (n=9)
モデルマウス
投与群(n=9)
(n=9)
CA投与群
酸 投与群)
投与群)
*
*
*
**
**
*
**
訓練期間
健康なマウス
**;P<0.01 vs PBS投与群
*;P<0.05 vs PBS投与群
正常マウスに近いぐらい
の改善効果が見られる!
本実験
**
*
**
結論
アルツハイマーモデルマウス実験の結果、カフェオイルキナ酸に
抗老化予防効果、特に学習記憶障害(痴呆症)を予防することを見出
した。
カフェオイルキナ酸投与群とPBS投与群を比較した結果、7日目か
らカフェオイルキナ酸投与群から学習記憶障害予防効果が見られ、
25日目からは著しい予防効果がカフェオイルキナ酸投与群から見ら
れた。
特許出願
• 発明者:礒田博子、韓畯奎、繁森英幸
• 出願者:筑波大学
• 「アルツハイマー病予防または治療剤・並びに飲食物」
特願2006-029255
• Agents for the prevention or treatment of
Alzheimer, food and drink, JP2007/052151
企業への期待
中高年向けの飴、ガム、
ふりかけ、飲料などを開発
カフェオイル
カテキン強化飲料
4ヶ月あまりで60億円を超える売上を達
成!!
カフェオイルキナ酸強化コー
ヒー
カフェオイルキナ酸とサツマイモ??
カフェオイルキナ酸含有量(mg/100g)
カフェオイルキナ酸がサツマイモに多量含まれている!!!
25
20
15
10
5
0
サツマイモ
イモ
ニンジン
カブ
トマト
ナス
干しいも抽出物のHPLCクロマトグラム
3,5-ジカフェオイルキナ酸
クロロゲン酸
4,5-ジカフェオイルキナ酸
3,4-ジカフェオイルキナ酸
お問い合わせ先
【技術内容について】
筑波大学大学院生命環境科学研究科
礒田博子
電話:029ー853ー5775 FAX: 029ー853ー5775
E-mail:[email protected]
【ライセンスについて】
筑波大学研究事業部知的財産
電話:029ー853ー2907、2908 FAX: 029ー853-6565
E-mail:[email protected]
【連携について】
筑波大学産学リエゾン共同研究センター
文部科学省産学官連携コーディネータ 角井修(kakui osamu)
TEL 029-853-7513 FAX 029-853-6565
E-Mail [email protected]
あいち健康長寿産業クラスター推進協議会
(財)科学技術交流財団
クラスター・マネージャー 小坂 岑雄(こさか みねお)
電話:052-231-1477 FAX:052-231-5658
E-mail:cho-ju@ astf.or.jp
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