Comments
Description
Transcript
1.9MB - リオナ.jp 鳥居薬品 医療関係者向け情報
The 26th Congress of Japan Association for Clinical Engineers, Cosponsorship Seminar 3 第26回日本臨床工学会及び平成28年度公益社団法人日本臨床工学技士会総会「共催学術セミナー 3」 ∼鉄の充足の重要性∼ 開催 催日:20 2016 16年5 年5月1 月14日 4日(土 (土) ) 場所:国立京 国立京都国 都 際会 際 館 第3会場 会場( (Room D) 司会:峰島 三千男 先生(東京女子医科大学 臨床工学科 教授) 者:秋葉 隆 先生(医療法人社団 (医療法人社団 関川会 関川病院 院長/学校法人 青淵学園 東都医療大学 臨床教授) 演者 Michio ichio MINESHIMA Takashi AKIBA 腎性貧血治療ガイドライン(GL) が約8年ぶりに再改訂 は我が クエン酸第二鉄水和物 (製品名:リオナ® 錠250mg) され、第3版にあたる「2015年版 日本透析医学会 慢性腎 国で最初の鉄含有リン吸着薬であるが、本剤の登場により、 臓病患者における腎性貧血治療のガイドライン」が発刊さ 我が国の透析患者の多くが潜在的鉄欠乏状態に陥っている 1) れた 。2015年版GLの改訂ポイントの一つに鉄補充療法 ことが再認識され、臨床現場に大きなインパクトを与えた。 に関する内容の充実が挙げられる。これは透析患者におけ 当講演では 2015年版GL改訂のポイントや今後の課題、 る鉄充足の意義が見直され、その重要性が広く認識され および鉄代謝をふまえたリン吸着薬としてのクエン酸第二鉄 たことによるものである。 の上手な使い方を秋葉先生にお話しいただいた。 また、 鉄剤使用の推奨上限についても新たに基準が設けられ、 「血 2015年版腎性貧血治療ガイドラインステートメント の主な改訂ポイント された。 しかし、 輸血を必要とする血液疾患患者の血清フェリチン上限 2008年版GLでは鉄補充療法はトランスフェリン飽和度 (TSAT) 値は500∼1,000ng/mLであり、 鉄キレート剤での治療開始基準は 20%以下、 血清フェリチン値100ng/mL以下の両方を満たした場合 この点から考えても、 透析患者の血清フェ 1,000ng/mL超である2)。 のみ鉄補充療法を開始するとされていた。 それが2015年版GLでは リチン値300ng/mL以上という基準は、 現時点で明確なエビデンス 清フェリチン値が300ng/mL以上となる鉄補充療法は推奨しない」と 鉄 利 用 率を低 下させる病 態 がない 場 合は「 血 清フェリチン 値 が欠落した、 完全なコンセンサスの得られていない数値である。 今後 100ng/mL未満 またはトランスフェリン飽和度 (TSAT) 20%未満」 の研究結果を基に再検討していきたい。 で開始するとされ、 血清フェリチン値、 TSATのどちらか一方の基準を 成人の血液透析患者におけるヘモグロビン目標値は、 2008年版GL 満たした場合に鉄補充が推奨された (図1) 。 透析患者は回路内残血 では10∼11g/dLと推奨されていたが、 2015年版GLでは10g/dL以 や失血により日常的に鉄を失っている。 今後鉄補充を必要とする患者 上12g/dL未満を推奨し、 上限値が12g/dL未満に引き上げられた。 に適切に鉄を投与できるようになると考えられる。 我が国でも血液透析患者のヘマトクリット (Ht) を4群に分けて解析 5) 、 鉄補充は経 血管イベントと感染症のリスクが2倍以上高く (表) 司 会 口的に投与する方が好ましいと結論づけられる。 実際、 2015年版 東京女子医科大学 臨床工学科 教授 GLにおいても透析患者への鉄補充において経口投与の有用性 が強調されている。 峰島 三千男 先生 Michio MINESHIMA クエン酸第二鉄の血清リン濃度低下効果と 血清フェリチン値への影響 演 者 血液透析患者への鉄補充の方法として、 鉄剤の経口投与や経 医療法人社団 関川会 関川病院 院長 学校法人 青淵学園 東都医療大学 臨床教授 静脈投与のほか、 個人用透析液供給装置使用が主流の海外では 透析液中に鉄剤 (本邦未承認) を添加して、 透析液から鉄を補充する 秋葉 隆 先生 我が国においてはクエン酸第二鉄 (リオナ) 方法が知られている6)。 Takashi AKIBA が鉄を含有する高リン血症治療剤として2014年5月に発売さ したところ、 Htが上昇するほどイベント発生率は低下傾向を示し、 れた。 血液透析患者を対象とした国内第Ⅱ相臨床試験において、 Ht33%以上で有意に死亡リスクが低いことが示されている3)。 リオナは用量依存的に血清リン濃度を低下させ、その効果は これにより血液透析患者の腎性貧血管理における鉄補充と赤血 球造血刺激因子製剤 (ESA) 補充の意義が高まったと考えられる。 図2 リオナ投与による血清リン濃度の推移 (mg/dL) 12 プラセボ群(n=44) リオナ3g/日群(n=44) 透析患者への鉄補充は経口投与が好ましい リオナ1.5g/日群(n=47) リオナ 6g/日群(n=37) 10 透析患者では経静脈的に鉄が補充される場合が多い。 これは 嘔吐などの消化器症状により服薬継続が困難な症例があったこ とが挙げられる。 しかし、 鉄を経静脈的に投与すると非トランスフェ リン結合鉄 (NTBI) というフリーの鉄が発生し、 肝臓や他の臓器に 取り込まれ、 組織障害を起こすと考えられている。 実際、 正常ラットに 血清リン濃度 容易に投与経路が得られるほか、 これまでの経口鉄剤では悪心・ 血清リン濃度の 変化量 1.5g/日 ▲1.29mg/dL 8 6 3g/日 ▲2.21mg/dL 4 鉄を経静脈的に投与すると投与前の総鉄結合能 (TIBC) を上回る 血清鉄の上昇が認められ、 この分がNTBIとして存在することが示 一方、 同様にクエン酸第二鉄を経口投与した結果で 唆された4)。 2 平均値±標準偏差 0 -3 は、 鉄は速やかにトランスフェリンと結合することが不飽和鉄結合 能 (UIBC) の低下から推測でき、 投与前のTIBCを上回る血清鉄の この結果は、 鉄の経口投与ではNTBI 上昇は認められなかった4)。 の発生は認められないことを示している。 また、 保存期慢性腎臓病 (CKD) 患者を対象に鉄補充を経静脈的もしくは経口的に行い、 腎 機能低下速度に与える影響を検討したREVOKE試験が2015年 -1 0 1 2 3 4 (週) 投与期 対 象:高リン血症を呈する維持血液透析施行中の慢性腎臓病患者192例 試験デザイン:リオナ1.5g/日、 3g/日、 6g/日またはプラセボを用いた二重盲検群間比較試験 方 法:3週間の観察期 (Wash Out期) 終了後、 リオナ1.5g/日、 3g/日、 6g/日あるいは プラセボを1日3回、 食直後に4週間投与し、 血清リン濃度に及ぼす用量反応性と 安全性を検討した。 評価項目:主要評価項目:投与開始時に対する4週観察日の血清リン濃度の変化量 副次的評価項目:投与開始時に対する2週観察日の血清リン濃度の変化量など Yokoyama, K. et al.: Am J Nephrol 36(5) : 478-87, 2012 ⓒ 2012 Karger Publishers, Basel, Switzerland. に報告された。 その結果は、 経静脈投与群は経口投与群に比べ心 図1 -2 観察期 (Wash Out期) 2015年版腎性貧血治療ガイドラインステートメントの主な改訂ポイント 2008年版1) 2015年版2) 鉄補充療法 鉄補充療法 ・ESA製剤も鉄製剤も投与されていない 血清フェリチン値<50ng/mLの場合、ESAに先行して行う ・開始基準 TSAT≦20%、および血清フェリチン濃度≦100ng/mLとする ・十分なESA治療を行っている 血清フェリチン値<100ng/mL かつ TSAT<20% ※鉄利用率を低下させる病態がない場合* 血清フェリチン値<100ng/mL または TSAT<20% ・鉄補充療法の推奨値* 血清フェリチン値≧300ng/mLには鉄補充療法を推奨しない Hb目標値 透析患者 :10∼11g/dL 保存期・PD・腎移植患者:11∼13g/dL Hb目標値 透析患者 :10g/dL以上12g/dL未満 保存期・PD・腎移植患者:11g/dL以上13g/dL未満 *このステートメントは、作成ワーキンググループ会議にて全会一致ではなく2/3以上の合意をもって採択 された唯一の記載である。したがって、 この内容に関してはまだ議論が多く残されていると考えている。 1)日本透析医学会: 2008年版「慢性腎臓病患者における腎性貧血治療のガイドライン」. 透析会誌 41(10) : 661-716, 2008 2)日本透析医学会: 2015年版「慢性腎臓病患者における腎性貧血治療のガイドライン」. 透析会誌 49(2) : 89-158, 2016 The 26th Congress of Japan Association for o Clinical Engineers, Cosponsorship Seminar 3 1.5g/日投与群で−1.29mg/dL、 3g/日投与群で−2.21mg/dLで 査値が、 2015年版GL1)の推奨範囲内に収まるよう、 ESA投与量 7) 。 また、 血液透析患者を対象とした国内第Ⅲ相臨床 あった (図2) とあわせて投与量を調節する (図3) 。 試験(長期投与試験) でも、 リオナを52週間投与した結果、血清 この試験において、 鉄・貧血関連検査値も上昇し、 血清フェリチン 腎性貧血管理における今後の課題 : 鉄マーカーとしての血清フェリチンの問題点 値はリオナの用量依存的に上昇した。 血清フェリチン平均値の上 腎性貧血治療において、 今後検討を要する重要な課題の一つ 昇はリオナ3g/日投与群でも2015年版GLにおける鉄剤の中止 に、 測定系の問題がある。 日本医師会が約1,200の施設の協力を リン濃度は6mg/dLを超えることなく適切にコントロールされた。 8) ヘモグロビン値 基準である300ng/mLに達することはなかった 。 得て、 25種の血清フェリチン測定キットについて施設間および測 はリオナ投与開始後緩やかに上昇し、 ESA、 静注鉄の減量により 定キット間での差を検討したところ、 測定キットの違いにより測定値 試験期間を通じて12g/dLを超えることはなかった8)。 現在、 血清フェリチン値の測 に2倍近いばらつきが認められた10)。 これらの結果に鑑みて、 リオナ投与時は、 ①血清リンコントロール 定時には、 WHO標準品として第一世代から第三世代までの3種類 の観点から、 「慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガ のキットが使用されており、 血清フェリチン値のばらつきの要因の 9) ②鉄・貧血関連検 イドライン 」で示す管理目標値に収めたうえで、 図3 リオナの用量調節 正確な管理を行うことは困難である。 今後、 測定方法の標準化な ●血清リンコントロールの面から 血清リン濃度を、 ガイドライン目標値に収めるよう食事指導 を徹底する。 ● 血清リン濃度を、 ガイドライン目標値に収めるようリオナ投 与量を増量する。 ● リオナは、 血清リン濃度を6錠/日で約1.3mg/dL、 12錠/日で 約2.2mg/dL低下させる7) (国内第Ⅱ相臨床試験) 。 ● ●鉄コントロールの面から 血液ヘモグロビン濃度を、 日本透析医学会貧血治療ガイドラ イン推奨値に収めるよう増減する。 ● 鉄マーカーを、 日本透析医学会貧血治療ガイドライン推奨値 に収めるよう増減する。 ● 提供:秋葉 隆氏 表 一つに新旧世代のキットが混在していることが考えられる。 このよ うな問題がある現況において、 血清フェリチン値によって鉄補充の ど血清フェリチン値の適正値を再検証すること、 鉄過剰・鉄欠乏状 態を迅速に判定できる新たな指標の開発が重要である。 引用文献 :89-158, 2016 1)日本透析医学会:2015年版「慢性腎臓病患者における腎性貧血治療のガイドライン」. 透析会誌 49(2) 2)厚生労働省 「特発性造血障害に関する調査研究班:輸血後鉄過剰症の診療ガイド」, 2008 3)Inaba, M. et al.:Nephron Clin Pract 120 (2) :c91-c100, 2012 4)宮崎 章 他:日薬理誌 144 (6) :294-304, 2014 5)Agarwal, R. et al.:Kidney Int 88 (4) :905-14, 2015 6)Macdougall, IC.:Kidney Int 88 (5) :946-9, 2015 7)Yokoyama, K. et al.:Am J Nephrol 36 (5) :478-87, 2012 8)Yokoyama, K. et al.:J Ren Nutr 24 (4) :261-7, 2014 :301-56, 2012 9)日本透析医学会:慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドライン, 透析会誌 45(4) 10)日本医師会 「平成25年度 (第47回) 臨床検査精度管理調査結果報告書」 経口投与と経静脈投与による鉄剤投与の安全性の比較 (REVOKE試験) 経静脈投与 IV iron(n=67) Subjects Subjects (n (n) 40 11 6 2 4 3 1 2 19 9 2 8 0 4 1 4 18 15 5 1 Events Incidence rate (n) (events/100 PY) 176 168.4 27 25.8 6 5.7 7 6.7 4 3.8 5 4.8 2 1.9 3 2.9 36 34.4 15 14.3 2 1.9 9 8.6 0 0 4 3.8 2 1.9 4 3.8 29 27.7 22 21 6 5.7 1 1 Subjects (n) 37 19 7 3 8 3 5 1 17 9 2 8 2 4 2 5 14 12 2 3 Events Incidence rate (n) (events/100 PY) 201 199 37 36.6 11 10.9 4 4 11 10.9 5 4.9 5 4.9 1 1 55 54.4 28 27.7 2 2 9 8.9 2 2 5 4.9 3 3 6 5.9 28 27.7 21 20.8 4 4 3 3 Incidence rate ratio, IV/oral(95% CI) P 1.18(0.97−1.45) 0.106 1.42(0.86−2.33) 0.168 1.90(0.70−5.13) >0.2 0.59(0.17−2.02) >0.2 2.85(0.91−8.94) 0.073 1.03(0.30−3.57) >0.2 2.59(0.50−13.33) >0.2 0.34(0.04−3.32) >0.2 1.58(1.04−2.41) 0.033* 1.93(1.03−3.62) 0.040* 1.03(0.15−7.35) >0.2 1.03(0.41−2.61) >0.2 2.0e+07(0.00−.) >0.2 1.29(0.35−4.82) >0.2 1.55(0.26−9.29) >0.2 1.55(0.44−5.50) >0.2 1.00(0.59−1.68) >0.2 0.99(0.54−1.80) >0.2 0.69(0.19−2.44) >0.2 3.10(0.32−29.84) 経口投与の方が経静脈投与よりも安全 司会のことば 東京女子医科大学 臨床工学科 教授 峰島 三千男 先生 CKD患者にとって腎性貧血は、 QOLの低下だけでなく、 腎機能 または心機能の悪化などの臓器障害の進展にもつながる重要な 問題であり、 新たなエビデンスに基づき、 腎性貧血治療GLが改訂 されたことは非常に大きな意義を有する。透析患者における静注 Eve t type Even type Overall SAEs Infections Skin Bone Lung UTI Sepsis Other Cardiovascular CHF Angina MI Stroke Arrhythmia PVD Other Renal AKI Hyperkalemia Other 経口投与 Oral iron(n=69) Adjusted inc ciden dence ce rate rati t o, o IV/or V/o al(95% (95% CI) CI) ) P 1.60(1.28−2.00) <0.0001 2.12(1.24−3.64) 0.006 3.79(1.32−10.87) 0.013 4.35(1.23−15.39) 0.022 2.37(0.60−9.34) >0.2 122.15(0.89−16819.84) 0.056 2.51(1.56−4.04) 2.07(1.04−4.11) <0.001 0.038 1.25(0.41−3.82) >0.2 1.39(0.78−2.47) >0.2 Reprinted from Kidney Int., 88(4), Agarwal, R. et al, A randomized trial of intravenous and oral iron in chronic kidney disease, 905-14, ⓒ 2015 with permission from International Society of Nephrology. 鉄投与の準備は、 透析室スタッフにとって時間のかかる作業であ り、 今回のGLで経口鉄製剤の使用が広がると、 医療チームの負担 が軽減するかもしれない。 透析液成分濃度測定装置については、現在、 臨床工学技士 や業界が協力して標準化の試みが進められており、血清フェリ チン測定キッ トについても同様の試みが開始されれば、 腎性貧血 管理におけるさらなる改善が期待できるであろう。 **2016年1月改訂 (第5版) *2015年5月改訂 クエン酸第二鉄水和物(Ferric Citrate Hydrate)錠 和 名 リオナ®錠 250mg 洋 名 Riona ®Tab. 250mg 日本標準商品分類番号 クエン酸第二鉄水和物 (Ferric Citrate Hydrate) 87219 性 状 ・ 剤 形 外 22600AMX00005000 承 認 年 月 2014年1月 薬 価 収 載 2014年4月 販 売 開 始 2014年5月 販 売 元 鳥居薬品株式会社 製 造 販 売 元 日本たばこ産業株式会社 臨床症状・措置方法 セルロース、 ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、 ポリビニルアルコール・アクリル酸・メタクリル酸メチル共重合体、 ヒドロキシプロ ピルセルロース、 クロスポビドン、 ステアリン酸Ca、 ヒプロメロース、酸化チタン、 タ ルク、 ポリエチレングリコール 白色のフィルムコーティング錠 キノロン系抗菌剤 シプロフロキサシン等 テトラサイクリン系抗生物質 テトラサイクリン等 セフジニル 抗パーキンソン剤 ベンセラジド・レボドパ等 エルトロンボパグ オラミン 経口アルミニウム製剤 注2 ) 水酸化アルミニウムゲル 合成ケイ酸アルミニウム 形 上面 機序・危険因子 これら薬剤の作用を減弱させるおそれが これら薬 剤と結 合 あるので、 併用する場合にはこれらの薬剤 し、吸収を減少させ の作用を観察すること。 るおそれがある。 甲状腺ホルモン剤 レボチロキシン等 有 効 成 分 クエン酸第二鉄水和物を無水物として (クエン酸第二鉄として)250mg含有 ( 1 錠 中 ) 物 承 認 番 号 薬剤名等 組成・性状 加 3年 (外箱等に表示の使用期限を参照のこと) 3. 相互作用 併用注意 (併用に注意すること) 【禁忌(次の患者には投与しないこと)】 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 添 気密容器、室温保存 (「取扱い上の注意」参照) 使用期限 注1)注意−医師等の処方箋により使用すること 商品名 一 般 名 貯 法 他のクエン酸製剤との併用で血中アルミニ クエン酸との併用に ウム濃度が上昇したとの報告があるので、 より、 吸収が促進され 同時に服用させないなど注意すること。 るとの報告がある。 側面 注2) 透析療法を受けている患者へは投与禁忌である。 サ イ ズ 識 別 コ ー ド 長径 約14.9mm、短径 約6.9mm、厚さ 約4.6mm 4. 副作用 国内における本剤の主要な臨床試験において、 801例中204例 (25.5%) に副作用が認め られた。 主な副作用は、 下痢、 便秘、 腹部不快感、 血清フェリチン増加であった。 (承認時) その他の副作用 下記の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場 合は適切な処置を行うこと。 JTP 751 効能・効果 慢性腎臓病患者における高リン血症の改善 種類 用法・用量 通常、成人には、 クエン酸第二鉄として1回500mgを開始用量とし、1日3回食直後に経口 投与する。以後、症状、血清リン濃度の程度により適宜増減するが、最高用量は1日 6,000mgとする。 <用法・用量に関連する使用上の注意> ・本剤投与開始時又は用量変更時には、1∼2週間後に血清リン濃度の確認を行う ことが望ましい。 ・増量を行う場合は、 増量幅をクエン酸第二鉄として1日あたりの用量で1,500mgまで とし、 1週間以上の間隔をあけて行うこと。 使用上の注意 1.慎重投与 (次の患者には慎重に投与すること) (1)消化性潰瘍、 炎症性腸疾患等の胃腸疾患のある患者[病態を悪化させるおそれが ある。] (2)ヘモクロマトーシス等の鉄過剰である患者 [病態を悪化させるおそれがある。] (3)C型慢性肝炎等の肝炎患者[病態を悪化させるおそれがある。 ] (4) 血清フェリチン等から鉄過剰が疑われる患者[鉄過剰症を引き起こすおそれがあ る。] (5) 他の鉄含有製剤投与中の患者 [鉄過剰症を引き起こすおそれがある。 ] (6)発作性夜間血色素尿症の患者[溶血を誘発し病態を悪化させるおそれがある。] 2. 重要な基本的注意 (1)本剤は、血中リンの排泄を促進する薬剤ではないので、食事療法等によるリン摂取 制限を考慮すること。 (2)本剤は、定期的に血清リン、血清カルシウム及び血清PTH濃度を測定しながら投 与すること。血清リン、血清カルシウム及び血清PTH濃度の管理目標値及び測定 頻度は、学会のガイドライン等、最新の情報を参考にすること。低カルシウム血症の 発現あるいは悪化がみられた場合には、活性型ビタミンD製剤やカルシウム製剤の 投与を考慮し、 カルシウム受容体作動薬が使用されている場合には、 カルシウム受 容体作動薬の減量等も考慮すること。 また、 二次性副甲状腺機能亢進症の発現あ るいは悪化がみられた場合には、 活性型ビタミンD製剤、 カルシウム製剤、 カルシウム 受容体作動薬の投与あるいは他の適切な治療法を考慮すること。 (3)本剤は消化管内で作用する薬剤であるが、 本剤の成分である鉄が一部吸収される ため、血清フェリチン等を定期的に測定し、鉄過剰に注意すること。 また、ヘモグロ ビン等を定期的に測定し、特に赤血球造血刺激因子製剤と併用する場合には、 過剰造血に注意すること。 販売元 2016年6月作成 東京都中央区日本橋本町3ー4ー1 製造販売元 頻度 2%以上 2%未満 胃腸障害 下痢(10.1%)、便秘(3.2%)、 腹部膨満、腹痛、十二指腸潰瘍、排便回数増 腹部不快感 (2.5%) 加、 胃腸障害、 悪心、 嘔吐、 便通不規則 臨床検査 血清フェリチン増加 (2.7%) 血中アルミニウム増加、 γ-グルタミルトランスフェ ラーゼ増加、 ヘマトクリッ ト増加、 ヘモグロビン増加 赤血球増加症、肝機能異常、食欲減退、 そう痒 症、 高血圧 その他 5. 高齢者への投与 一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に 投与すること。 6. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人、産婦及び授乳婦には、治療上の有益性 が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。 [これら患者への投与に 関する安全性は確立していない。] 7. 小児等への投与 小児等に対する安全性は確立していない (使用経験がない)。 8. 適用上の注意 薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。 (PTPシートの誤飲により、 硬い鋭角部が食道粘膜に刺入し、 更には穿孔をおこして縦隔 洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。 ) 9. その他の注意 (1)本剤の投与により便が黒色を呈することがある。 腹部のX線又はMRI検査で、本剤が存在する胃腸管の画像に未消化錠が写る可能性がある。 (2) (3) イヌを用いた長期反復投与毒性試験において、最大臨床用量の鉄として約5倍に 相当する用量より、鉄の過剰蓄積に伴う肝臓の組織障害(慢性炎症巣、細胆管の 増生及び肝実質の線維化)が認められた。 これらの変化は休薬による回復性はな く、 休薬期間中に病態の進行が認められた。 包 装 リオナ®錠250mg:100錠(10錠×10 PTP包装)、500錠(10錠×50 PTP包装)、1,000錠 (10錠×100 PTP包装) 取扱い上の注意 アルミピロー開封後は湿気を避けて保存すること。 詳細は添付文書をご参照ください。 禁忌を含む使用上の注意の改訂に十分にご留意ください。 資料請求先 鳥居薬品株式会社 お客様相談室 TEL 0120-316-834 FAX 0120-797-335 ® 登録商標 IF15-1607P RIO TJ020A