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禁忌(次の患者には投与しないこと) - リオナ.jp 鳥居薬品 医療関係者

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禁忌(次の患者には投与しないこと) - リオナ.jp 鳥居薬品 医療関係者
販売元
東京都中央区日本橋本町3ー4ー1
製造販売元
IF30-1406P
2014年6月作成 RIO TC001C
【禁忌(次の患者には投与しないこと)】
本剤の成分に対し過敏症の既往歴の
ある患者
CONTENTS
リオナの作用メカニズムを教えてください ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
Q
リオナの作用メカニズムを教えてく
ださい
A
リオナ錠250mg( 以下、
リオナ)は、
クエン酸第二鉄
水和物を有効成分とする薬剤で、消化管内で速やか
に溶解します。
溶解した第二鉄(3価鉄)は食事由来のリン酸と結合
し、そのまま便中に排泄されることでリンの消化管
吸収を抑制します。
リオナの主成分である第二鉄(3価鉄)のリン結合力は
どの程度ですか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
何日くらいで効果を発現しますか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
リオナの製剤学的特性を教えてください ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
他剤と比較してリオナの溶解性はどの程度ですか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
水に溶けやすいリン吸着薬は他にありますか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
リオナの胃腸障害について教えてください ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
リン利尿ホルモンのFGF-23に対する影響を教えてください ・・・・・・・・・・・・・9
・
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・
・
・10
参 考 CKD-MBDの病態とFGF-23の役割 ・
Fe
リオナの消化管吸収について教えてください ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11
トランスフェリンと結合した鉄(血清鉄)の推移を
教えてください ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
クエン酸
リオナは消化管内で速や
かに溶解します。
Fe3+
リオナ投与中の血清フェリチンの推移を教えてください ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
血清フェリチン、ヘモグロビン等の鉄・貧血関連検査値の
推移を教えてください ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
鉄関連検査値の定常化メカニズムを教えてください
・
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・15
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・
・
・
・16
Column プリンスエドワード島 ・
Fe3+
溶解した第二鉄(3価鉄)
は食事由来のリン酸と結
合します。生 成したリン
酸 第 二 鉄 は 難溶性であ
り、そのまま便中に排泄
されます。
P
Fe
Fe
P
P
P
P
Fe
Fe
P
P
Fe
Fe
なぜですか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
P
P
排泄
リオナ錠は食直後投与ですか? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
Drug Information ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
Fe3+
Fe3+
リオナで酸化ストレスマーカーが上昇しなかったのは
用量変更はどのように行いますか? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
Fe3+
P
P
リオナと静注鉄剤で酸化ストレスマーカーの変動に違いは
ありますか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
P
Fe3+
Fe3+
Fe
P
Fe
Fe
P
Fe
P
P
Fe
Fe
P
P
2
Q
リオナの主成分である第二鉄(3価鉄)
のリン結合力はどの程度ですか?
Q
何日くらいで効果を発現しますか?
A
3価の金属イオンは1価・2価の金属イオンよりリン酸
イオンとの結合力が強く現れる傾向にあります。
リオナの主成分である第二鉄(3価鉄)は3価の陽イ
オンで、ランタンやアルミニウムとほぼ同等のリン結
合力を有します。
A
血液透析患者を対象とした臨床試験において、血清
リン濃度の低下が1週間で認められ、以降その効果
が持続しました。
各種金属のリン結合力*の比較
強
3価
リン結合力
2価
弱
1価
プラセボ群(n=44)
金属
リン酸塩
飽和溶液中の
リン酸濃度
(mol/L PO4)
クロム
(緑)
CrPO4
4.90×10−12
ランタン
LaPO4
6.08×10−12
鉄
(Ⅲ)
FePO4
1.14×10−11
アルミニウム
AlPO4
1.14×10−10
鉛
Pb(PO
3
4)
2
2.99×10−9
銅
Cu(PO
3
4)
2
3.29×10
鉄(Ⅱ)
Fe(PO
3
4)
2
4.95×10−8
カルシウム
Ca(PO
3
4)
2
2.28×10−7
カドミウム
Cd(PO
3
4)
2
2.37×10−7
ニッケル
Ni(PO
3
4)
2
6.83×10−7
マグネシウム
Mg(PO
3
4)
2
3.59×10−6
2.52×10
バリウム
Ba(PO
3
4)
2
ナトリウム
Na3PO4
1.03
カリウム
K3PO4
2.42
各種金属塩における飽和リン酸イオン濃度の比較(日本たばこ産業株式会社社内資料)
リオナ 3g/日群(n=44)
リオナ 6g/日群(n=37)
8
6
4
2
−8
−5
リオナ 1.5g/日群(n=47)
10
血清リン濃度
価数
血清リン濃度の推移
(mg/dL)
12
0
平均値±標準偏差
-3
-2
-1
0
1
観察期
(Wash Out期)
2
3
4 (週)
投与期
JTT-751 第Ⅱ相臨床試験−血液透析患者を対象とした JTT-751の有効性及び安全性についての検討−(GBA2-1)
(日本たばこ産業株式会社社内資料)
試験概要
対象
高リン血症を呈する維持血液透析施行中の慢性腎臓病患者192例
方法
3週間の観察期(Wash Out期)終了後、
リオナ1.5g/日、3g/日、6g/日あるいはプラセボを1日3回、食直後に
4週間投与し、血清リン濃度に及ぼす用量反応性と安全性を二重盲検法により検討した。
<飽和溶液中のリン酸濃度>
各リン酸塩の飽和溶液中に存在し得る最大リン酸濃度のこと。この値が小さいほど、
リン酸イオン
との結合力が強いことを示す。
3
*各種金属のリン結合力は、飽和溶液中のリン酸濃度からリン酸との沈殿形成能を指標としています。
飽和溶液中のリン酸濃度は、報告されている溶解度積や溶解度から算出しました。
4
Q
リオナの製剤学的特性を教えてくだ
さい
Q
他剤と比較してリオナの溶解性はどの
程度ですか?
A
比表面積を大きくする製剤設計が施されているた
め、溶解速度が速い特性を有しています。
A
各種高リン血症治療剤の水に対する溶解度を測定
したところ、リオナは水酸化アルミニウム製剤、炭
酸ランタン製剤および炭酸カルシウム製剤と比較し
て、水への高い溶解度を示しました。
独自の製造法による特徴
各種高リン血症治療剤の溶解度
(μg/mL)
≧1.0×10³
500
400
溶解度
300
200
リオナのクエン酸第二鉄水和物
:32.4∼39.9
比表面積(m2/g)
食品添加物のクエン酸第二鉄
:0.62
比表面積(m2/g)
(走査型顕微鏡による表面構造撮影像)
溶解性
(pH1.2)
溶出試験第1液
溶出試験第2液
(pH6.8)
試験概要
5
食品添加物の
0
リオナの
クエン酸第二鉄
クエン酸第二鉄水和物
52%
93∼102%
80%
100
99∼103%
リオナ
(錠剤)
≦1.0
0.2
2.2
水酸化
アルミニウム製剤
(細粒)
炭酸
ランタン製剤
(チュアブル錠)
炭酸
ランタン製剤
(顆粒)
13.9
炭酸
カルシウム製剤
(錠剤)
水酸化アルミニウム製剤は、透析療法を受けている患者へは投与禁忌です。
JTT-751の特性解明−各種高リン血症治療剤の溶解度−
(日本たばこ産業株式会社社内資料)
試験概要
リオナ(錠剤)、水酸化アルミニウム製剤(細粒)、炭酸ランタン製剤(チュアブル錠、顆粒)および炭酸カルシ
ウム製剤(錠剤)の室温での水に対する溶解度を測定した。
日局一般試験法の溶出試験法の第2法(パドル法)に基づき、
クエン酸第二鉄の溶解性を毎分100回転のパ
ドル回転数にて検討した。値は、試験開始10分後に溶解した割合を示す。
6
Q
水 に 溶 け や す いリン吸 着 薬 は 他 に
ありますか?
A
高リン血症治療剤の分類では、
リオナは唯一の水溶
性金属塩タイプに属します。
胃酸の出にくい患者や、H 2 受容体拮抗剤・プロトンポ
ンプインヒビターを併用している患者においても、
未消化錠のまま排泄されることなく効果を発現する
ことが期待できます。
Q
リオナの胃腸障害について教えてく
ださい
A
主要な臨床試験において、801例中204例(25.5%)
に副作用が認められ、胃腸障害では下痢(10.1%)、
便秘(3.2%)、腹部不快感(2.5%)等が報告されま
した。
(承認時)
副作用
国内における本剤の主要な臨床試験において、801例中204例(25.5%)
に副作用が認められ
た。主な副作用は、下痢、便秘、腹部不快感、血清フェリチン増加であった。
(承認時)
高リン血症治療剤の分類
水溶性金属塩タイプ
生理的金属塩型
生 体 内 に 生 理 的 に 多く存 在
する金属の塩
クエン酸第二鉄(Ⅲ)
(リオナ)
非生理的金属塩型
生体内に生理的にあまり存在
しない金属の塩
リン吸着薬としては開発されて
いない
その他の副作用
下記の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合は適切
な処置を行うこと。
頻度
2%以上
2%未満
胃腸障害
下痢(10.1%)、便秘(3.2%)、
腹部不快感(2.5%)
腹部膨満、腹痛、十二指腸潰瘍、排便回
数増加、胃腸障害、悪心、嘔吐、便通不
規則
臨床検査
血清フェリチン増加(2.7%)
血中アルミニウム増加、
γ−グルタミル
トランスフェラーゼ増加、ヘマトクリット
増加、ヘモグロビン増加
種類
難溶性金属塩タイプ
生理的金属塩型
生 体 内 に 生 理 的 に 多く存 在
する金属の塩
炭酸カルシウム
炭酸マグネシウム
酸化水酸化鉄(Ⅲ)
非生理的金属塩型
生体内に生理的にあまり存在
しない金属の塩
炭酸ランタン
水酸化アルミニウム
不溶性タイプ
高分子レジン型
イオン交換樹脂
セベラマー塩酸塩
ビキサロマー
不溶性金属化合物型
そ れ 自 体 は 電 離して 自 由 な
イオンにならないイオン交換
金属化合物
ハイドロタルサイト
その他
赤血球増加症、肝機能異常、食欲減退、
そう痒症、高血圧
リオナ錠250mg 添付文書 第2版(2014年5月改訂)
監修:新潟大学医歯学総合病院 血液浄化療法部 准教授 風間 順一郎 先生
7
8
Q
A
リン利尿ホルモンのFGF-23*に対す
る影響を教えてください
保存期慢性腎臓病患者を対象とした臨床試験にお
いて、
リオナ群のFGF-23はプラセボ群に比して有意
に低下しました。
*FGF-23(線維芽細胞成長因子)
:リンの負荷に反応して骨細胞で産生さ
れるホルモンで、腎臓におけるリン排泄促進、ビタミンD活性化抑制など
の作用があります。
参 考 CKD-MBDの病態とFGF-23の役割
リン負荷
CYP27b1の発現抑制
FGF-23の推移
(pg/mL)
1,200
FGF-23分泌亢進
OH
リオナ群(n=57) プラセボ群(n=29)
リン再吸収抑制
活性型ビタミンDの
産生低下
2D
1,25(OH)
HO
1,000
OH
CKD早期では血清リン値は
正常範囲に保たれる
800
FGF-23 600
カルシウム吸収低下
CKDが進行すると
代償機構は破綻
400
高リン血症
200
中央値/第1四分位、第3四分位
0
観察
開始時
観察期
(Wash Out期)
0
(Wilcoxon順位和検定 p<0.0001)
4
8
12
投与 (週)
終了時
投与期
JTT-751第Ⅲ相臨床試験−透析導入前の CKD患者を対象とした JTT-751の有効性及び安全性についての検討(二重盲検比較試験)−(GBA4-4)
(日本たばこ産業株式会社社内資料)
試験概要
対象
高リン血症を呈する透析導入前の保存期慢性腎臓病患者(CKDステージ3∼5)90例
方法
2∼4週間の観察期(Wash Out期)終了後、
リオナまたはプラセボを1日3回、食直後に12週間投与した。
リオナの投与量は1.5g/日から開始し、2週観察日に3g/日に増量した。4週観察日以降は1.5∼6g/日の範囲
で用量を調節(1回の増減量は1.5g/日)、血清リン濃度低下効果および安全性を無作為化二重盲検法により
検討した。
9
副甲状腺
二次性副甲状腺機能亢進症
血管石灰化
リンの負荷に反応してFGF-23の分泌が亢進すると、そのリン再吸収抑制作用
によりCKD早期では血清リン値は正常範囲に保たれますが、CKDが進行しそ
の代償機構が破綻すると高リン血症となります。
FGF-23分泌亢進は腎臓のビタミンD活性化酵素CYP27b1の発現を抑制
するため、活性型ビタミンD低下によるPTH上昇を惹起し、二次性副甲状腺機
能亢進症の原因ともなります。
またFGF-23はCKD患者における死亡、左心室肥大に対する独立危険因子で
あることや、鉄欠乏性貧血がFGF-23の転写を促進することも報告されてい
ます。
10
Q
リオナの消化管吸収について教えて
ください
Q
トランスフェリンと結合した鉄(血清
鉄)の推移を教えてください
A
リオナの主成分である第二鉄(3価鉄)
は大部分がリ
ン酸と結合し、
リン酸第二鉄を形成して便中に排泄さ
れます。一部の鉄は腸上皮細胞に取り込まれます。
腸上皮細胞に取り込まれた鉄の一部は、
トランスフェ
リンと結合して全身を循環します。また、一部の鉄は
腸上皮細胞の脱落により消化管へ排泄されます。
クエン酸第二鉄をヒトに経口投与したとき、約98%
は吸収されずにそのまま便中に排泄されたとの報
告1)があります。
A
血液透析患者を対象とした長期投与試験において、
血清鉄は16週間上昇する傾向が認められ、以降定常
化しました。またその推移には用量相関が認められ
ました。
200
1)Arzneim. Forsch/Drug. Res. 1987: 37
(1); 1a : 107-112
平均値±標準偏差
リオナの薬物動態
P
P
溶解
P
Fe3+
Fe3+
P
Fe
P
Fe3+
P
Fe
DMT1
Fe
P
P
Fe2+
Fe3+ Dcytb
P
Fe
Fe
P
P
Fe
P
血清鉄
Fe3+
リン酸第二鉄として
便中に排泄
Fe3+
リオナ
リオナ≦1.5g/日
(n=39)
リオナ3<∼≦4.5g/日
(n=39)
リオナ1.5<∼≦3g/日
(n=87)
リオナ4.5<∼≦6g/日
(n=15)
150
管腔側
Fe3+
血清鉄の推移
(μg/dL)
100
50
Fe2+
腸上皮細胞の脱落
Fe2+
Fe2+
フェリチン
Fe3+
Fe2+
基底側
11
Dcytb:duodenal cytochrome b
DMT1:divalent metal transporter 1
トランスフェリン
第二鉄
︵3価鉄︶
はトランスフェリン
と結合し、
全身を循環
ヘファエスチン
フェロポーチン
0
-1 0 2 4 6 8 10 12
16
20
24
28
36
44
52 (週)
JTT-751 第Ⅲ相臨床試験−血液透析患者を対象とした JTT-751の長期投与における安全性及び有効性についての検討(2)−(GBA4-6)
(日本たばこ産業株式会社社内資料)
試験概要
対象
高リン血症を呈する維持血液透析施行中の慢性腎臓病患者180例
方法
1週間の観察期終了後、
リオナを1日3回、食直後に52週間投与した。投与量は1.5g/日から開始し、1.5∼
6g/日の範囲で用量を調節、血清リン濃度の推移および安全性を非盲検法により検討した。
12
Q
リオナ投与中の血清フェリチンの推移
を教えてください
Q
血清フェリチン、ヘモグロビン等の
鉄・貧血関連検査値の推移を教えて
ください
A
血液透析患者を対象とした長期投与試験において、
血清フェリチンは28週間上昇する傾向が認められ、
以降定常化しました。またその推移には用量相関が
認められました。
A
平均TSATは16週間上昇する傾向が認められ、以降
定常化しました。平均ヘモグロビンおよび平均血清
フェリチンはTSAT同様16週間上昇する傾向が認め
られましたが、その後、平均ヘモグロビンは28週ま
で低下、平均血清フェリチンは28週まで上昇し、以降
血清フェリチンの推移
(ng/mL)
定常化しました。
800
700
リオナ≦1.5g/日
(n=39)
リオナ3<∼≦4.5g/日
(n=39)
平均値±標準偏差
リオナ1.5<∼≦3g/日
(n=87)
リオナ4.5<∼≦6g/日
(n=15)
鉄・貧血関連検査値の推移
600
(%)(ng/mL)
400
TSAT
30
100
50
20
24
28
36
44
52(週)
JTT-751 第Ⅲ相臨床試験−血液透析患者を対象とした JTT-751の長期投与における安全性及び有効性についての検討(2)−(GBA4-6)
(日本たばこ産業株式会社社内資料)
対象
高リン血症を呈する維持血液透析施行中の慢性腎臓病患者180例
方法
1週間の観察期終了後、
リオナを1日3回、食直後に52週間投与した。投与量は1.5g/日から開始し、1.5∼
6g/日の範囲で用量を調節、血清リン濃度の推移および安全性を非盲検法により検討した。
0
0
100
50
0
週あたりの
静注鉄投与量
16
11.5
150
10
-1 0 2 4 6 8 10 12
5000
12
200
20
100
6000
12.5
11
4000
ESA
200
平均値
ヘモグロビン
50
40
試験概要
250
60
300
0
300
70
血清フェリチン
血清フェリチン
500
(血液透析患者 平均投与量2.73g/日:n=180) (g/dL)(IU/週)
TSAT
ヘモグロビン
ESA換算量*
血清フェリチン
3000
2000
4
10.5
0∼12週
12∼28週
(mg)
-1 0 2 4 6 8 10 12
16
20
24
28
28∼52週
36
44
1000
10
52(週)
* ESA(赤血球造血刺激因子製剤)換算量…遺伝子組換えヒトエリスロポエチン:ダルベポエチン アルファ:エポエチン ベータ ペゴル
=1:200:200で換算量を算出
JTT-751 第Ⅲ相臨床試験−血液透析患者を対象とした JTT-751 の長期投与における安全性及び有効性についての検討(2)−(GBA4-6)
(日本たばこ産業株式会社社内資料)
試験概要
対象
高リン血症を呈する維持血液透析施行中の慢性腎臓病患者180例
方法
1週間の観察期終了後、
リオナを1日3回、食直後に52週間投与した。投与量は1.5g/日から開始し、1.5∼
6g/日の範囲で用量を調節、血清リン濃度の推移および安全性を非盲検法により検討した。
13
14
Q
鉄関連検査値の定常化メカニズムを
教えてください
A
腸上皮細胞でのムコーサルブロックによる鉄吸収抑
制が考えられますが、詳細は不明です。なお、鉄吸収
フェロポーチン等の発現
に関与するDcytb、DMT1、
減少がムコーサルブロックのメカニズムとして考え
られています。
Column プリンスエドワード島
リオナの有効成分であるクエン酸第二鉄水和物は
カナダ東部、セントローレンス湾に浮かぶプリンス
エドワード島で製 造されています。プリンスエド
ワード島は
「赤土の島」
として有名で、
その土壌に豊富
に含まれる鉄は海を豊かにし、
ロブスターやムール貝
などの良い漁場となっています。生命を育むこの島
からリオナは届けられています。
プリンス
エドワード島
15
16
Q
リオナと静注鉄剤で酸化ストレスマー
1 カーの変動に違いはありますか?
A1
正常ラットにおいて検討したところ、静注鉄剤投与群
で酸化ストレスマーカーの有意な上昇が認められた
のに対して、
リオナ投与群では有意な変動は認めら
れませんでした。
Q
リオナで酸化ストレスマーカーが上昇
2 しなかったのはなぜですか?
A2
酸化ストレスマーカーの推移
経口で投与するリオナの場合は血清鉄の上昇に伴ったUIBCの
低下が認められました。一方、静脈内に直接投与する静注鉄剤
の場合は、急速な血清鉄の上昇に伴うUIBCの低下は認められ
ませんでした。
したがって、
リオナ投与時に増加する血清鉄はそ
の殆どがトランスフェリンに結合して安定な状態であるのに対
し、静注鉄剤投与時に増加する血清鉄はその殆どがトランス
フェリンに結合していない非トランスフェリン結合鉄
(NTBI)
と
して存在しており、その一部の不安定鉄が酸化ストレスを引き
起こす可能性が考えられました。
(Δμmol/L)
6
溶媒
(リオナ)
リオナ
(各n=4)
TBARS*
リオナ
(μg/dL)
1000
*
4
血清鉄・UIBCの推移
溶媒
(含糖酸化鉄)
含糖酸化鉄
血清鉄
UIBC
投与前TIBC
900
*
2
*
0
*: p<0.05
( Aspin-Welch’
s -testまたはStudent’
s -test)
0
1
2
3
4
24 (時間)
5
*酸化ストレスマーカーの1つである血清マロンジアルデヒド
(MDA)濃度を、
チオバルビツール酸反応物質(TBARS)濃度として測定した。
1000
800
700
700
600
600
500
500
400
400
300
300
200
200
100
100
0
5min 30min 1hr
時間
2hr
4hr
血清鉄
UIBC
NTBI
投与前TIBC
900
800
0
静注鉄剤
(μg/dL)
24hr
0
0
5min 30min 1hr
時間
2hr
4hr
24hr
JTT-751及び静注鉄剤の正常ラットにおける血清中マロンジアルデヒド濃度に対する作用の検討
(日本たばこ産業株式会社社内資料)
試験概要
17
雄性SDラットにリオナ100mg/kg ※
経時的に測定した。
を単回経口投与もしくは静注鉄剤(含糖酸化鉄)を鉄として2mg/kg ※を単回静脈内投与し、血清中TBARS、血清鉄およびUIBCを
※リオナ錠250mg、含糖酸化鉄(フェジン
静注40mg)の臨床における1日最大用量を参考に、成人体重(60kg)
で除して算出した。
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Q
リオナ錠は食直後投与ですか?
Q
用量変更はどのように行いますか?
A
リオナ錠は食直後に投与してください。
です。
開始用量は1回2錠(1日6錠)
なお、1日最高用量は24錠です。
A
増量を行う場合は、増量幅を1日あたり6錠(1.5g)
1週間以上の間隔をあけて行ってください。
までとし、
リオナ投与時にご注意いただきたいこと
●リオナは血中リンの排泄を促進する薬剤ではありませんので、食事
療法等によるリン摂取制限を考慮してください。
食直後に 1回2錠∼
●定期的に血清リン、血清カルシウムおよび血清PTH濃度を測定しな
がら投与してください。
●リオナは消化管内で作用する薬剤ですが、鉄が一部吸収されるた
め、鉄過剰や過剰造血に注意してください。血清フェリチンやヘモ
グロビン等の鉄・貧血関連検査値を定期的に測定してください。
<参考>高リン血症治療剤の投与タイミング
高リン血症治療剤
セベラマー塩酸塩
ビキサロマー
投与タイミング
食直前
沈降炭酸カルシウム
炭酸ランタン
食直後
リオナ
※投与タイミングの異なる薬剤と併用される場合はご注意ください。
19
●便が黒色を呈することがあります。
用法・用量
通常、成人には、
クエン酸第二鉄として1回500mgを開始用量とし、1日3回食直後に経口投与
する。以後、症状、血清リン濃度の程度により適宜増減するが、最高用量は1日6,000mgとする。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
・本剤投与開始時又は用量変更時には、1∼2週間後に血清リン濃度の確認を行うことが
望ましい。
・増量を行う場合は、増量幅をクエン酸第二鉄として1日あたりの用量で1,500mgまでと
し、1週間以上の間隔をあけて行うこと。
20
注1)
*2014年5月改訂
(第2版)
2014年1月作成
貯 法
使用期限
クエン酸第二鉄水和物(Ferric Citrate Hydrate)錠
商 品 名
和 名 リオナ®錠 250mg
洋 名 Riona ®Tab. 250mg
気密容器、室温保存
(「取扱い上の注意」参照)
3年
(外箱等に表示の使用期限を参照のこと)
注1)注意−医師等の処方せんにより使用すること
承 認 番 号 22600AMX00005000
承 認 年 月 2014年1月
*薬 価 収 載 2014年4月
クエン酸第二鉄水和物
*販 売 開 始 2014年5月
一 般 名
(Ferric Citrate Hydrate)
販 売 元 鳥居薬品株式会社
日本標準商品分類番号 87219
製 造 販 売 元 日本たばこ産業株式会社
組成・性状
<用法・用量に関連する使用上の注意>
・本剤投与開始時又は用量変更時には、
1∼2週間
後に血清リン濃度の確認を行うことが望ましい。
・増量を行う場合は、増量幅をクエン酸第二鉄と
して1日あたりの用量で1,500mgまでとし、1週間
以上の間隔をあけて行うこと。
有効成分 クエン酸第二鉄水和物を無水物とし
(1錠中) て
(クエン酸第二鉄として)
250mg含有
使用上の注意
【禁忌(次の患者には投与しないこと)】
本剤の成分に対し過敏症の既往歴の
ある患者
1.慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
セルロース、
ポリビニルアルコール・ポ
(1)消化性潰瘍、炎症性腸疾患等の胃腸疾患のあ
リエチレングリコール・グラフトコポリ
る患者[病態を悪化させるおそれがある。]
マー、
ポリビニルアルコール・アクリル
(2)ヘモクロマトーシス等の鉄過剰である患者[病態
酸・メタクリル酸メチル共重合体、
ヒド
を悪化させるおそれがある。]
添 加 物
ロキシプロピルセルロース、
クロスポ
(3)C型慢性肝炎等の肝炎患者[病態を悪化させる
ビドン、
ステアリン酸Ca、
ヒプロメロー
おそれがある。]
ス、酸化チタン、
タルク、
ポリエチレン
(4)血清フェリチン等から鉄過剰が疑われる患者
グリコール
[鉄過剰症を引き起こすおそれがある。]
(5)他の鉄含有製剤投与中の患者[鉄過剰症を引
性状・剤形 白色のフィルムコーティング錠
き起こすおそれがある。]
(6)発作性夜間血色素尿症の患者[溶血を誘発し
病態を悪化させるおそれがある。]
外
形
2. 重要な基本的注意
(1)本剤は、
血中リンの排泄を促進する薬剤ではない
上面
側面
ので、
食事療法等によるリン摂取制限を考慮する
こと。
長径 約14.9mm、短径 約6.9mm、
サ イ ズ
(2)本剤は、定期的に血清リン、血清カルシウム及び
厚さ 約4.6mm
血清PTH濃度を測定しながら投与すること。血
識別コード JTP 751
清リン、血清カルシウム及び血清PTH濃度の管
理目標値及び測定頻度は、学会のガイドライン
等、最新の情報を参考にすること。低カルシウム
効能・効果
血症の発現あるいは悪化がみられた場合には、
活性型ビタミンD製剤やカルシウム製剤の投与
慢性腎臓病患者における高リン血症の改善
を考慮し、
カルシウム受容体作動薬が使用され
ている場合には、
カルシウム受容体作動薬の減
用法・用量
量等も考慮すること。
また、二次性副甲状腺機
通常、成人には、
クエン酸第二鉄として1回500mgを
能亢進症の発現あるいは悪化がみられた場合
開始用量とし、1日3回食直後に経口投与する。以後、
には、活性型ビタミンD製剤、
カルシウム製剤、
カ
症状、血清リン濃度の程度により適宜増減するが、最
ルシウム受容体作動薬の投与あるいは他の適
高用量は1日6,000mgとする。
切な治療法を考慮すること。
(3)本剤は消化管内で作用する薬剤であるが、本
剤の成分である鉄が一部吸収されるため、
血清
フェリチン等を定期的に測定し、鉄過剰に注意
すること。
また、ヘモグロビン等を定期的に測定
し、特に赤血球造血刺激因子製剤と併用する
場合には、
過剰造血に注意すること。
3. 相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法 機序・危険因子
甲状腺ホルモン剤 これら薬剤の作用を これら薬剤と
レボチロキシン等 減 弱させるおそれ 結合し、吸収
があるので、併用す を減少させる
キノロン系抗菌剤
シプロフロキサシン等 る場合にはこれらの お そ れ が あ
薬剤の作用を観察 る。
テトラサイクリン系 すること。
抗生物質
テトラサイクリン等
セフジニル
抗パーキンソン剤
ベンセラジド・レ
ボドパ等
エルトロンボ パグ
オラミン
経 口アルミニウム
製剤注2)
水酸化アルミニ
ウムゲル
合成ケイ酸アル
ミニウム
他のクエン酸製剤と
の併用で血中アルミ
ニウム濃 度が上 昇
したとの報告がある
ので、同時に服用さ
せないなど注 意す
ること。
クエン酸との
併 用により、
吸収が促進
されるとの報
告がある。
注2)透析療法を受けている患者へは投与禁忌である。
4. 副作用
国内における本剤の主要な臨床試験において、
801
例中204例
(25.5%)
に副作用が認められた。
主な副
作用は、
下痢、
便秘、
腹部不快感、
血清フェリチン増
加であった。
(承認時)
その他の副作用
下記の副作用があらわれることがあるので、観察を
十分に行い、異常が認められた場合は適切な処置
を行うこと。
種類
頻度
2%以上
2%未満
胃腸障害
下痢(10.1%)、便 腹部膨満、
腹痛、
十
秘(3.2%)、腹部不 二指腸潰瘍、排便
快感(2.5%)
回数増加、胃腸障
害、悪心、嘔吐、便
通不規則
臨床検査
血 清フェリチン増 血中アルミニウム増
加、
γ-グルタミルトラン
加(2.7%)
スフェラーゼ増加、
ヘマトクリット増加、
ヘモグロビン増加
その他
販売元
東京都中央区日本橋本町3ー4ー1
5. 高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
6. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人、産婦
及び授乳婦には、治療上の有益性が危険性を上
回ると判断される場合にのみ投与すること。
[これ
ら患者への投与に関する安全性は確立していな
い。]
7. 小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない
(使用経
験がない)。
8. 適用上の注意
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取
り出して服用するよう指導すること。
(PTPシートの誤
飲により、硬い鋭角部が食道粘膜に刺入し、更には
穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発
することが報告されている。
)
9. その他の注意
(1)本剤の投与により便が黒色を呈することがある。
(2)腹部のX線又はMRI検査で、本剤が存在する
胃腸管の画像に未消化錠が写る可能性があ
る。
(3)
イヌを用いた長期反復投与毒性試験において、
最大臨床用量の鉄として約5倍に相当する用量
より、鉄の過剰蓄積に伴う肝臓の組織障害(慢
性炎症巣、細胆管の増生及び肝実質の線維
化)
が認められた。
これらの変化は休薬による回
復性はなく、休薬期間中に病態の進行が認めら
れた。
包 装
リオナ®錠250mg:100錠(10錠×10 PTP包装)
取扱い上の注意
アルミピロー開封後は湿気を避けて保存すること。
*本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第
97号
(平成20年3月19日付、平成18年厚生労働
省告示第107号一部改正)
に基づき、平成27年
4月末日までは、投薬は1回14日分を限度とされて
います。
詳細は添付文書をご参照ください。
禁忌を含む使用上の注意の改訂に十分にご留意くだ
さい。
赤 血 球 増 加 症、肝
機 能 異 常、食 欲 減
退、
そう痒症、
高血圧
製造販売元
資料請求先
鳥居薬品株式会社 お客様相談室
TEL 0120-316-834
FAX 0120-797-335
® 登録商標
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