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海外エネルギー事情研修会を終えて

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海外エネルギー事情研修会を終えて
海外エネルギー事情研修会を終えて
百石高等学校
関川
貴祐
僕は1月24日から2月4日まで海外エネルギー事情研修会でフランスとス
ウェーデンへ行ってきました。これから報告をします。
1月24日、この日は東京に移動してスウェーデン大使館に行きました。大
使さんから激励の言葉をもらったり、スウェーデンについてのお話をしてくれ
ました。
25日、この日はいよいよフランスへ出発する日です。初の海外旅行と飛行
機です。耳抜きができないと耳が痛くなると聞いていたので心配していました
が、自然に耳抜きできて大丈夫でした。フランスの高速道路では、車がとても
速く走っていることに驚きました。もちろん、外車ばかりが走っているので、
少し興奮しました。
26日は世界遺産のモン・サン・ミシェル見学でした。私は、モン・サン・
ミシェルはフランス国王のお城だとばかり思っていたのですが、ガイドさんか
ら宗教的な建物であったり、牢獄だったことをうかがったりして大変勉強にな
りました。ここでは、有名なオムレツを食べましたが、量がとても多くて食べ
るのが大変でした。
27日、ラ・アーグ再処理工場の見学に行きました。六ヶ所再処理工場との
違いをふたつ見つけることができました。まず一つ目は、規模の大きさです。
使用済燃料プールを保管しておくプールですが、ラ・アーグは六ヶ所の約5倍
もあるとのことでした。もうひとつは、使用済の燃料棒を燃料プールに入れる
作業です。六ヶ所では水中で作業していますが、ラ・アーグでは地上の隔離さ
れた部屋で行われているとのことでした。水中で作業を行うよりも、地上の隔
離された部屋で遠隔操作により行ったほうが安全だからという話でした。六ヶ
所で水中で行っているのは何故だろう、と疑問に思ってしまいました。
28日、グリニャール高校の生徒とのディスカッションと交流会でした。去
年の研修に参加した先輩方からディスカッションで思うように発言できず悔し
い思いをしたと聞いていたので緊張しましたが、事前研修で練習してきた甲斐
もあって五分五分ぐらいにできたと思いました。でも、フランスの高校生たち
は即座に次の意見がポンポンと出てきて素晴らしいと思う反面、見習わなきゃ
とも思いました。交流会では、日本の伝統的な遊びのけん玉、紙風船、折り紙
などを紹介しました。彼らは興味深々で、私たちがやってみせると盛り上がり
ました。彼らにやり方を教えたところ、すぐにできてしまって悔しい思いをし
ました。前日にたくさん練習してできるようになった私は、フランス人に負けた
気がしました。交流会後の夕食会では、ポケモンやスーパーマリオの話で盛り上
がりました。日本のアニメやゲームが世界に浸透していてうれしかったです。
29日はパリに移動してルーブル美術館を見学しました。知っている絵画や、
世界史の教科書の表紙の絵があったりと、とても興奮しました。一番興奮した
のは「モナリザ」です。そこは観光客で込み合っていましたが、ベストポジシ
ョンでツーショット写真が撮れたので嬉しかったです。他にも、ガイドさんの
説明を聞くと、絵がどのような理由で描かれたなどを知ることができて勉強に
なりました。
翌30日はパリ市内観光でしたが、風邪でずっと寝ていました。寝ている時
に随行の方やガイドさんに付き添ってもらいありがたかったですが、せっかく
の観光の時間を…と申し訳なく思っています。ノートルダム寺院やエッフェル
塔を直接見ることができなかったので残念です。この日のうちに飛行機でスウ
ェーデンに移動しました。
31日、ストックホルムの市内観光をしました。現地(ウプサラ)の学生が
3名同行してくれました。ノーベル賞の晩餐会が開かれる市庁舎や市街地を見
学しました。市庁舎はとてもきれいで広くて感動しました。ウプサラの学生た
ちが市庁舎に行くのが初めてだと言っていたのには驚きました。
2月1日、フォルシュマルクの原子力発電所と、中・低レベル放射性廃棄物
貯蔵所を見学しました。原子力の安全性を地域の人々に理解してもらえるよう、
各家庭へ電話したり、それでも疑問がある方々に対しては家庭訪問し説明する
といった活動をしていると聞き、すごいと思いました。廃棄物貯蔵所は、廃棄
物を地中ではなく海底約50mの岩盤に埋めており、何があっても大丈夫なよ
うになっていてすごかったです。
この日は私の誕生日で、夕食の時に7人からメッセージを寄せた色紙をもら
いとても感動しました。一生記憶に残る誕生日になりました。
2日、カテドラル高校の生徒たちと交流しました。カテドラル高校の生徒た
ちは日本が上手で頭が良いなと思いました。ノーベル賞受賞者が3名も出てい
る学校ということでした。
3日、午前中にカテドラル高校の生徒たちの案内でウプサラ市内をショッピ
ングしました。これが最後の交流になったので、とても悲しい気持ちになり、
最後の別れのときには泣きそうになりました。
ストックホルムから飛行機でロンドンに移動し、成田へと向かいました。4
日には成田、羽田、青森と移動しました。青森空港に着いてからは、すぐにみ
んなと別れてしまったので、悲しむ暇もありませんでした。
最後に、この研修会を企画してくださった青森県商工会議所連合会の皆さん
や、携わってくださった方々に感謝したいと思います。皆さんのおかげで海外
の文化や生活に触れ合い、成長できたと思います。今回は本当に貴重な機会を
ありがとうございました。
【追記】
私が今回の震災で福島第一原子力発電所の事故をニュースで見たとき、とて
も驚きました。東通の発電所やフランスやスウェーデンの施設を見学して、施
設はとても頑丈にできているとお聞きしたので事故は起こらないだろうと思っ
ていたからです。事故の原因は津波のようですが、原子力発電所は水が必要不
可欠で、日本の場合は沿岸部に建てることが多い。しかし、日本は島国で周り
が海に囲まれているほか、造山帯にあるので再び地震が起こり津波で壊される
可能性もある。だから、発電所を地上より10m以上高い場所に建てるなど工
夫する必要があると思いました。
私がもし研修に参加していなかったら、原子力は危ないものというイメージ
になり、原子力なんか止めたほうがよいと考えていたと思います。
現在、福島にはフランスやアメリカなど各国からの支援により事故を収束さ
せようと頑張っています。
原子力発電は資源に乏しいわが国としては必要なので、関係者の皆さんに頑
張ってもらい、一日も早く収束させてほしいと思います。
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