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本文PDF - J
735
原
著
ファントム試験に基づく PET 装置間の standardized
uptake value の標準化 SUVpeak の有用性
赤松
論文受付
2015 年 5 月 28 日
論文受理
2015 年 7 月 23 日
Code
No. 333
剛1, 2, 3 西田広之2 藤野 晃4 大西章仁2 井狩彌彦2
西尾知之2 前畠 彬3 佐々木雅之5 千田道雄2
1
先端医療センター放射線技術科
2
先端医療センター分子イメージング研究グループ
3
九州大学大学院医学系学府保健学専攻
4
先端医療センター PET 診療部
5
九州大学大学院医学研究院保健学部門
緒 言
査は生体内のブドウ糖代謝を非侵襲的に測定して画像
18
F-fluoro-2-deoxy-D-glucose positron emission to-
化できる特徴を有し,多くの悪性腫瘍の検出,病期診
mography/computed tomography (FDG-PET/CT) 検
断,治療効果判定,予後予測,放射線治療計画に利用
Harmonization of Standardized Uptake Value among Different Generation PET/ CT
Cameras Based on a Phantom Experiment Utility of SUVpeak
Go Akamatsu,1, 2, 3 Hiroyuki Nishida,2 Akira Fujino,4 Akihito Ohnishi,2 Yasuhiko Ikari,2
Tomoyuki Nishio,2 Akira Maebatake,3 Masayuki Sasaki,3 and Michio Senda2*
1 Department
of Radiological Technology, Institute of Biomedical Research and Innovation
of Molecular Imaging, Institute of Biomedical Research and Innovation
3 Department of Health Sciences, Graduate School of Medical Sciences, Kyushu University
4 Department of PET Diagnosis, Institute of Biomedical Research and Innovation
2 Department
Received May 28, 2015; Revision accepted July 23, 2015
Code No. 333
Summary
Standardized uptake value (SUV) has been widely used as a semi-quantitative metric of uptake in FDGPET/CT for diagnosis of malignant tumors and evaluation of tumor therapies. However, the SUV depends on
various factors including PET/CT scanner specifications and reconstruction parameters. The purpose of this study is
to harmonize the SUV among two PET/CT models of different generation: two units of Discovery ST Elite
Performance (DSTEP) and Discovery 690 (D690) PET/CT scanners. The NEMA body phantom filled with 18F
solution was scanned for 30 minutes in list-mode. The D690 PET images were reconstructed with OSEM,
OSEM+TOF, and OSEM+PSF. Gaussian post-filters of 4-9 mm FWHM were applied to find the parameters that
provides harmonized SUV. We determined the SUV-harmonized parameter for each reconstruction algorithm. Then,
the 10 PET images simulating clinical scan conditions were respectively generated to evaluate the bias and
variability of SUVmax and SUVpeak. The SUVmax strongly depended not only on spatial resolution but also on
image noise. On the other hand, the SUVpeak was a robust metric to image noise level. TOF improved the
variability of SUVmax and SUVpeak. Thus, we were able to harmonize the spatial resolution using SUVpeak based
on the phantom study. Because SUVmax was also strongly affected by image noise, sufficient count statistics is
essential for SUVmax harmonization. We recommended that TOF reconstruction and SUVpeak metric should be
used to harmonize SUV.
Key words: positron emission tomography (PET), fluoro-D-glucose (FDG), standardized uptake value, harmonization, SUVpeak
*Proceeding author
Vol. 71 No. 9 Sep 2015
736
されている1〜6).その中でも,種々のがんに対する治
程度と SUV の再現性の関係や,PSF 補正や TOF 技
療効果判定においては多くの報告がなされており7),
術が SUV の標準化に与える影響についてはほとんど
Young ら が 提 唱 し た European organization for re-
評価されていない20,
21)
.また,画像ノイズの影響を
8)
search and treatment of cancer(EORTC)の Criteria
受けにくい指標として一定の大きさの関心領域(vol-
や Wahl らが提唱した PET response criteria in solid
ume of interest: VOI)の平均値である SUVpeak が注
9)
tumors(PERCIST) が標準的な方法として用いられ
目されている9,
22)
.
ている.これらの治療効果判定法では,定性的な視覚
本研究の目的は異なる PET 装置間における SUV
評価とともに半定量的指標である standardized up-
の標準化である.SUV の標準化とは,対象となる
take value (SUV) を 用 い て 評 価 を 行 う.そ の た め,
PET 装置において SUV を定められた基準範囲内に収
SUV の精度を担保することは診断を行ううえで極め
めつつ,装置間の値の差をできる限り小さくすること
て重要である.
である.そこでわれわれは,日本核医学会発行のファ
しかし,SUV はさまざまな因子の影響を受けると
いう大きな問題がある
10〜12)
.特に,PET 装置が異な
ントム試験手順書を参考にし,各種画像再構成におい
て SUV が標準化される画像再構成条件を求めた.更
ると感度,計 数 効 率,空 間 分 解 能,画 像 再構成法,
に,求めた画像再構成条件を臨床撮像条件の画質を想
point-spread function (PSF) 補 正 や time-of-flight
定したファントム画像と実際の臨床画像に適用し,得
(TOF)技術の有無などの違いによって画像から得ら
られた SUVmax と SUVpeak を検証した.
れる SUV が変化する.そのため,複数の PET 装置
を保有している施設では PET 装置の違いによる影響
1.方
に 頭 を 悩 ま す こ と が 多 い.当 院 に お い て も 新 旧 の
1-1 使用機器
法
PET/CT 装置が設置されており,特に繰り返し FDG-
PET/CT 装 置 は GE Healthcare 社 製 の Discovery
PET/CT 検査を行う患者では装置間による SUV の違
ST Elite Performance(DSTEP)2 台と Discovery 690
いが診断に大きく影響すると考えられる.SUV の標
(D690) の 2 機 種,計 3 台 を 使 用 し た.DSTEP と
準化に関しては日本核医学会が,がん治療などの多施
D690 の基本性能と,臨床で使用している撮像条件を
設臨床研究を想定した FDG-PET/CT の標準的な検査
Table 1 に示した.
プロトコールとファントム試験手順書を公開してい
る
13, 14)
.このファントム試験手順書は PET 画像の画
質の指標とともに SUV に関しても基準範囲を定めて
全装置とも CT は管電圧 120 kV,管電流 40 mA,
スライス厚 5 mm,回転周期 0.5 秒/周で撮影した.
CT は減弱補正に使用した.
おり,PET 装置の空間分解能などの特性,各種設定
条件を加味した各サイズのホット球における総合的な
SUV を評価することができる.そのため,画像再構
成条件などを調整することによって SUV を標準化す
1-2 SUV リカバリが標準化される画像再構成条件の
検討
1-2-1 ファントム試験
本研究では各サイズのホット球における SUVmax
ることが可能である.
現在,臨床の読影において SUV というともっぱら
最大画素値である SUVmax が使用されている
15〜17)
.
を SUV リカバリと定義した.ファントム試験は日本
核医学会発行の “18 F-FDG を用いた全身 PET 撮像の
SUVmax を用いる利点としては,最も代謝が活発な
た め の フ ァ ン ト ム 試 験 手 順 書”14)を 参 考 に 行 い,
領域の値であり臨床的に重要であると考えられるこ
National Electrical Manufacturers Association
と,部分容積効果の影響が少なく小病変でも値が目減
(NEMA)body ファントムを使用した.NEMA body
りしにくいこと,関心領域の設定に依存せず個人によ
ファントムはヒトの胴体を模した準円筒の空洞(内容
る差がないこと,ほとんどのワークステーション上で
量 9.8 L),6 つの球形ファントム(10, 13, 17, 22, 28, 37
簡単に得られることなどが挙げられる17,
mm)と肺野を模擬した筒状のインサートから構成さ
18)
.一方で,
一つのボクセルの値であるため,画像ノイズに大きく
17)
れる.封入する放射性薬剤として 18 F-FDG を使用し
影響されるという欠点がある .画像ノイズは被写体
た.各 投 与 量 (D690: 4. 0 MBq/kg, DSTEP: 3. 0 MBq/
の放射能量,撮像時間,画像再構成条件,PSF 補正
kg) に お け る 投 与 60 分 後 か ら の 撮 像 を 想 定 し て,
や TOF 技術の有無などに依存し,SUVmax を過大評
バ ッ ク グ ラ ウ ン ド の 放 射 能 濃 度 を 2. 74 kBq/mL
19)
価する原因となり再現性を低下させる .しかし,こ
(D690)と 2.05 kBq/mL(DSTEP)とした.すべての球
れまでの SUV 標準化の報告において,画像ノイズの
形ファントムに対バックグラウンド比 4:1 の放射能
日本放射線技術学会雑誌
737
Table 1
PET/CT specifications and imaging protocols
Detector materials
Crystal dimension
Coincidence time window
Sensitivity
Spatial resolution
Scatter fraction
FOV
Axial FOV
Reconstruction method
Iteration
Subset
Post filter (FWHM)
Matrix size
Injection activity
Acquisition time
Discovery 690
Discovery STEP
LYSO
4.2×6.3×25 mm3
4.9 ns
7.0 cps/kBq
4.9 mm@1 cm
37 %
70 cm
15.7 cm
3D-OSEM+TOF (VUE Point FX)
3
8
Gaussian 4.00 mm
192×192
4.0 MBq/kg
3.0 min/bed
BGO
4.2×6.3×30 mm3
9.7 ns
8.1 cps/kBq
5.3 mm@1 cm
45 %
70 cm
15.7 cm
3D-OSEM (VUE Point)
2
21
Gaussian 5.14 mm
128×128
3.0 MBq/kg
2.0 min/bed
濃度(10.96 kBq/mL もしくは 8.22 kBq/mL)を封入し,
station 4.6 に搭載されている PET volume computer
リストモードにて 30 分収集を行った.SUV は下記の
assisted reading (PET VCAR) ツ ー ル を 使 用 し た.
式にて算出した.
DSTEP 2 台それぞれのファントム画像より各球の
SUV =
PETカウント(cps)/組織体積(mL)
投与放射能(Bq)/体重(g)
1
×
相互校正係数(cps/Bq)
相互校正係数は事前にクロスキャリブレーションを
行 っ て 算 出 し た 値 を 用 い た.Digital Imaging and
Communications in Medicine(DICOM)ヘッダーの体
SUVmax を測定し,2 台の平均を基準(SUVmax,
ref)と
した.D690 の各画像より SUVmax of i-mm diameter
sphere(SUVmax, i)を測定し,SUV リカバリ曲線を作
成した.SUVmax,
ref との相対誤差(relative
error of i-
mm diameter sphere; REi)を以下の式にて算出した.
REi =|SUVmax, i−SUVmax,
ref, i|/SUVmax, ref, i
重の欄にはファントムのバックグラウンド内容量であ
また,六つの球の SUVmax の相対誤差の平均を平
る 9.8 L と身体比重である 1.0 kg/L の積より 9.8 kg を
均相対誤差(mean relative error)とした.それぞれの
入力した.画像ノイズの影響を除外するため,十分な
画像再構成条件の PET 画像における平均相対誤差か
計数統計量と考えられる 30 分収集画像を評価対象と
ら,基準に最も近かった条件を SUV が標準化される
23)
した .
画像再構成条件として採用した.
1-2-2 画像再構成とデータ解析
D690 の フ ァ ン ト ム 画 像 は 3-dimensional (3D) ordered subsets expectation maximization (OSEM)
(VUE Point HD),OSEM+TOF (VUE Point FX),
1-3 臨床撮像条件での SUVmax および SUVpeak
の検証
1-3-1 ファントム画像作成
OSEM+PSF(VUE Point HD-S)の 3 種類で画像再構
1-2-1 項の 30 分のリストモード収集データより,臨
成を行い,それぞれガウシアンフィルタを 4〜9 mm
床で使用している収集時間(D690: 3 min/bed, DSTEP:
full width at half maximum(FWHM)と変化させた.
2 min/bed)の画像を 10 個ずつ作成した.D690 では
逐次近似画像再構成における画像再構成条件は
OSEM, OSEM+TOF, OSEM+PSF の 3 種類で画像再
OSEM で iteration 2, subset 18,OSEM+TOF で iter-
構成を行い,画像再構成条件は 1-2-2 項において決定
ation 3, subset 8,OSEM+PSF で iteration 3, subset
した SUV リカバリが標準化される画像再構成条件を
18 とした.TOF 技術を加えた場合は逐次近似におけ
使用した.30 分収集データより,D690 では 0-3 分画
る 画 像 の 収 束 が 早 く な る た め,画 像 の 更 新 回 数
像,3-6 分画像…,DSTEP では 0-2 分画像,2-4 分
(subset×iteration)を減らし,PSF 補正を加えた場合
画像…とそれぞれ独立した画像を作成した.
は画像の収束が遅くなるため,更新回数を増やした条
1-3-2 SUVmax と SUVpeak の再現性の評価
24〜27)
.SUV 測定には実際の読影で使用
SUVmax と SUVpeak は PET VCAR ツールにて測
し て い る GE Healthcare 社 製 の Advantage Work-
定した.SUVpeak は集積部の最も値が高くなる位置
件を使用した
Vol. 71 No. 9 Sep 2015
738
に直径 12 mm の球形 VOI(1 cm3)を設定し,その平
初回検査時が 59 分,2 回目の検査時が 55 分であっ
均 SUV と定義した9,
.なお,10 mm 球における
た.FDG の投与量は Table 1 に示すとおり D690 では
SUVpeak は VOI が集積部より大きくなり,過小評価
4.0 MBq/kg,DSTEP では 3.0 MBq/kg である.SUV
となるため算出していない.再現性の評価として 10
の変化率については以下の式にて算出した.
個 の 再 構 成 画 像 に お け る 各 ホ ッ ト 球 の SUVmax,
SUV の変化率
17)
SUVpeak の 平 均 値 と 標 準 偏 差 (standard deviation:
SD) よ り,下 記 式 に て 各 ホ ッ ト 球 (i-mm diameter
sphere)の変動係数(coefficient of variation: CV)と全
28)
CVmax, i = (SD of SUVmax, i/Mean of SUVmax, i)×100(%),
[n=10]
CVpeak, i = (SD of SUVpeak, i/Mean of SUVpeak, i)×100(%),
[n=10]
mean
mean
れる画像再構成条件のそれぞれで画像を作成した.病
変サイズは CT 画像上にて測定した.
なお本研究では,倫理委員会が承認した臨床研究に
参加している被験者を対象としており,被験者に説明
た.その取扱いは本院および厚生労働省で定められた
個人情報保護に関する規定に従って,非連結匿名化を
= Mean of CVpeak, i (%),
行ったうえで検討した.
[i=13, 17, 22, 28, 37]
また,各ホット球の SUVmax, SUVpeak で箱ひげ
2.結
果
2-1 各画像再構成条件を用いた 30 分収集画像に
図を作成し,ばらつきの程度を視覚的に示した.
画像ノイズの評価として 10 個の再構成画像におけ
る % バックグラウンド変動性(N10 mm)を算出した
D690 で撮像されたデータより,通常使用している
し同意を得たうえで実施された PET データを使用し
= Mean of CVmax, i (%),
[i=10, 13, 17, 22, 28, 37]
CVpeak,
2回目検査時のSUV−初回検査時のSUV
× 100 %
初回検査時のSUV
画像再構成条件(Table 1)と SUV リカバリが標準化さ
ホット球の平均変動係数を算出した .
CVmax,
=
14, 29)
.
おける SUV
Fig. 1 に DSTEP 撮像画像の SUV リカバリ,D690
画 像 解 析 は PMOD ver. 3. 4 software (PMOD group,
撮像画像の各画像再構成条件における SUV リカバリ
Switzerland)を用いて行った.PET 画像で 10 mm
および日本核医学会が発行している SUV リカバリの
ホット球が最も明瞭に描出されるスライスを中央と
基準範囲を示した.
し,±1 cm と ±2 cm のスライス(計 5 スライス)上に
また D690 撮像画像の SUV リカバリと DSTEP 撮
12 個(計 60 個)の 10 mm 径の円形 region-of-interest
像画像の SUV リカバリとの平均相対誤差を Table 2
(ROI)を設定してバックグラウンド領域における画素
に示した.
値を測定した.各 ROI の平均値を用いて,下記式に
て N10 mm を算出した.
N10 mm = SD10 mm/CB,
ここで CB,
10 mm
10 mm×100(%),
最も平均相対誤差が小さくなった条件は OSEM で
はガウシアンフィルタ 6 mm,OSEM+TOF では 7
[n=10, respectively]
は 10 mm 径の円形 ROI から算出し
mm,OSEM+PSF では 9 mm であった.Fig. 2 に通
常使用している画像再構成条件の画像と SUV リカバ
リが標準化される画像再構成条件の画像を示した.
たバックグラウンド領域の平均値であり,SD10 mm は
前述の条件下であれば,D690 の 3 種類の画像再構
バックグラウンド領域に設定した ROI 計数の標準偏
成法ともに日本核医学会の基準範囲内であった.ガウ
差である.
シアンフィルタの半値幅が小さい場合,OSEM と
OSEM+PSF では全体的に SUVmax が上昇したが,
1-4 臨床画像における SUV の検証
OSEM+TOF ではサイズが小さい球で大きく上昇す
ファントム実験に基づいて決定した SUV リカバリ
る傾向であった.また OSEM+PSF ではガウシアン
が標準化される画像再構成条件を用いて臨床例を画像
フィルタの半値幅が小さい場合に 17 mm 球において
再構成し,通常の画像再構成条件(Table 1)と比べ
過大評価がみられた.
SUVmax および SUVpeak がどのように変化するかを
試験的に検証した.対象は肺がん症例 1 例で, D690
→ DSTEP の順に FDG-PET/CT 検査を受けている.
2-2 臨床撮像条件における SUVmax および
SUVpeak の評価
また初回検査後に化学療法を行っている.前処置は 4
Fig. 3 に臨床撮像条件における 10 個のデータから
時間以上の絶食,投与から撮像までの安静待機時間は
得られた各ホット球の平均 SUVmax と平均 SUVpeak
日本放射線技術学会雑誌
Fig. 1
Table 2
4
5
6
7
8
9
SUVmax in DSTEP and Japanese society of nuclear medicine (JSNM) criteria as a function
of sphere size (a). SUVmax in relation to PET/CT camera, reconstruction algorithm, and
FWHM of Gaussian filter are also shown (b, c, d). SUVmax in all reconstruction algorithms decreased as a function of strength of Gaussian filter. In images with PSF-based
reconstruction under small-FWHM filter, Gibbs artifact occurred at 17 mm spheres.
Mean relative error between D690 and DSTEP images
in relation to the FWHM of Gaussian filter
Gaussian filter
(FWHM)
mm
mm
mm
mm
mm
mm
d b
c a
739
Mean relative error
OSEM
OSEM+TOF
OSEM+PSF
0.06
0.03
0.01
0.03
0.06
0.09
0.14
0.08
0.05
0.02
0.02
0.05
0.17
0.13
0.10
0.06
0.03
0.02
DSTEP に比べて SUV のばらつきが小さかった.ま
た,SUVmax, SUVpeak ともに OSEM+TOF におい
て最も平均変動係数が小さかった.Fig. 5 に臨床撮像
条件を想定して作成した再構成画像と 10 個の再構成
画像における N10 mm の平均値を示した.
30 分収集画像において SUV リカバリを標準化した
条件下であっても,臨床撮像条件における再構成画像
では PET 装置や画像再構成法によって画像ノイズの
程度に大きな違いがあり,各球の視認性が異なること
がわかった.D690 の OSEM+TOF において最も
を SUV リカバリ曲線で示した.
SUVmax は DSTEP が D690 よりも高い値となり,
N10 mm が小さかった.また,現時点における日本核医
学会発行の基準である 5.6% 未満を満たした14).
特に大きい球で顕著であった.SUVpeak は両機種と
これらの結果より,D690 における OSEM+TOF
も に 同 等 の 値 が 得 ら れ た.Fig. 4 に 各 ホ ッ ト 球 の
のガウシアンフィルタ 7 mm を SUV リカバリが標準
SUVmax と SUVpeak の箱ひげ図と平均変動係数の値
化されるとともに最も SUV の再現性がよい画像再構
を示した.
成条件であると判断し,採用することとした.
D690 で は い ず れ の 画 像 再 構 成 条 件 に お い て も
Vol. 71 No. 9 Sep 2015
740
Fig. 2
Fig. 3
PET images reconstructed by parameters used in routine clinical PET scans
(upper) and those harmonized by the present study (lower) with 30 min acquisition. D690 images reconstructed with harmonized parameters were apparently
similar to DSTEP images. Although the 10 mm hot sphere was clearly observed in
D690 images reconstructed with routine clinical parameters, it was relatively
unclear in the other images.
Average of SUVmax and SUVpeak in 10 PET images simulating clinical scan conditions. SUVmax
in DSTEP images were higher than that in D690 images. On the other hand, SUVpeak were almost
the same in all images.
2-3 臨床画像における SUV の検証
少,2. 4% 減 少 と 大 き な 違 い が み ら れ た.一 方,
Fig. 6 に 臨 床 例 の maximum intensity projection
SUVpeak に関しては原発巣が 12.1% 減少,6.5% 減
(MIP)画像,肺がん原発巣(短径 32 mm)と縦隔リン
少,縦隔リンパ節は 12.0% 減少,1.0% 減少という結
パ節(短径 16 mm)の SUVmax および SUVpeak を示
果となった.
した.
通常の画像再構成条件とファントム実験で SUV リ
3.考
察
カバリを標準化した画像再構成条件では,SUVmax
本研究では,まずファントム実験に基づいて各画像
および SUVpeak の値に違いがみられた.2 回目の検
再構成法における画像再構成条件を決定し,新旧の
査時と初回検査時の SUV の変化率について,通常再
PET/CT 装 置 に お け る 各 サ イ ズ の ホ ッ ト 球 の
構成と標準化再構成のそれぞれの SUV は,SUVmax
SUVmax(SUV リカバリ)を標準化した.そして臨床
で原発巣が 10.9% 減少,6.5% 上昇と明確な違いがみ
撮像条件を想定したファントム画像にて SUVmax と
られたほか,縦隔リンパ節の集積については 14.5% 減
SUVpeak の再現性を評価した.また,臨床例におい
日本放射線技術学会雑誌
741
Fig. 4
Fig. 5
Box plots and variability of SUVmax and SUVpeak in 10 PET images simulating clinical scan
conditions. The variability of SUVpeak was smaller than that of SUVmax. TOF improved the
variability of SUVmax and SUVpeak.
Harmonized PET images simulating clinical scan conditions. Image noise level was obviously
different between DSTEP and D690 images.
て SUV リカバリを標準化した画像再構成条件にて試
構成し病変部の SUVmax および SUVpeak の変化率
験的に画像再構成を行い,SUVmax と SUVpeak に対
を検証したところ,通常使用している条件とは大きく
する影響を検証した.
異なる結果となった.画像再構成条件や評価指標の違
FDG-PET/CT は生体内のブドウ糖代謝を画像化で
いが治療効果判定に影響しうることが検証できた.
きるという特徴から,さまざまな疾患の新しい治療法
本研究では SUV に影響する因子として PET 装置
や新規治療薬における治療効果判定に用いられてい
の違いのみを対象として検討を行った.Doot らや
る7).新しい治療法のエビデンスを確立するために
Kinahan らは PET を用いて治療効果判定を行う臨床
は,多施設における臨床研究や治験が必要である.し
試験では,装置による違いを減らすことで真の治療効
かしながら PET 検査は撮像を行う PET 装置によっ
果を判定できるとともに被験者数やコストを減らすこ
て感度や空間分解能が違うため,得られる画像に差が
とができると報告している31,
30)
32)
.しかしながら SUV
生じる .本研究においても,ファントム実験におい
に影響する因子はほかにも数多くある.被検者に起因
て SUV リカバリを標準化した条件で臨床例を画像再
する因子としては,FDG の場合は血糖値,血中イン
Vol. 71 No. 9 Sep 2015
742
の各団体とも PET 画像の標準化に取り組んでおり,
グローバルな臨床試験を行う際には各団体との足並み
をえることも重要であると考えられる21,
35)
.
PET 装置の空間分解能は検出器の大きさや消滅放
射線の飛程・角度揺動などに起因して限界があるた
め,サイズが小さい集積では実測値が真の放射能濃度
値よりも過小評価されてしまう.これを部分容積効果
といい,PET 装置に固有の finite resolution effect と
ボクセルサイズに起因する tissue fraction effect に分
けられる39).特に空間分解能が悪い PET 装置や小集
積では部分容積効果の影響が顕著であるため,小集積
部の SUV は再構成画像の空間分解能に大きく依存す
る.逆に言えば,PET 画像の空間分解能をえるこ
とができれば,各サイズの高集積部における SUV を
標準化することができると考えられる.本研究では,
ファントムにおける SUV リカバリが PET 画像の総
合的な空間分解能を反映した指標であると考え,新し
い PET 装置の再構成画像にスムージングフィルタ処
理することで SUV リカバリを古い装置に合わせこん
だ.これは Lasnon らや Kelly らの報告と同じ手法で
あり,国際的に用いられている手法である20,
40)
.し
かしながら本手法ではマトリックスサイズやボクセル
Fig. 6 Sequential PET images of a patient with lung cancer.
SUVmax and SUVpeak of the lung cancer (LC) and
lymph node (LN) were measured. Lesions of SUVmax
were considerably different between the images reconstructed with routine parameters and harmonized parameters in first PET scan.
サイズなどの再構成条件はえていない.そのため,
より厳密に再構成条件を一致させていくことで,空間
分解能の差が更に小さくなる可能性もある.
また,高集積部の SUV は PET 画像の画像ノイズ
にも影響されることが報告されている17,
41)
.本研究
においても,臨床撮像条件を想定した PET 画像にお
スリン値,安静状態,投与から撮像までの待機時間,
い て は,旧 PET/CT 装 置 に お い て 各 ホ ッ ト 球 の
撮像時の体動,呼吸移動などが挙げられる.絶食や安
SUVmax が上昇し,変動も大きくなった.Boellaard
静などの前処置や適切なポジショニングが重要であ
ら は,ノ イ ズ が 多 い PET 画 像 で は 高 集 積 部 の
る.また,周辺機器に起因する因子として相互校正係
SUVmax は上昇し,変動が大きくなると報告してい
数(クロスキャリブレーションファクタ)を算出する対
る19).当院では運用上の理由によって新旧の PET/
象である電離箱式放射能測定装置(ドーズキャリブ
CT 装置の投与量,撮像時間を合わせることが難し
レータ)や自動投与機の精度,時刻のずれなどがある.
い.旧 PET/CT 装置では新 PET/CT 装置よりも投
PET 装置本体だけでなく,関連機器の品質管理も重
与量が少なく,撮像時間が短いため,画像ノイズの程
要である.そのため,SUV などの定量値を用いて評
度に大きな差が生じたと考えられる.SUVmax の標
価を行う多施設臨床研究の場合には,SUV の標準化
準化を行うには SUV リカバリの標準化だけでなく,
に加えて,検査方法の標準化および品質管理を徹底す
投与量を増やす,撮像時間を延長するなどして,十分
る こ と が 重 要 で あ る.な お,Society of Nuclear
な計数統計量を得ることが重要である.SNM/CTN
Medicine/Clinical Trial Network (SNM/CTN)33,
34)
,
が行っている PET 装置認証制度では,撮像時間を 1
European Association of Nuclear Medicine/EANM
ベッドあたり 4 分収集,古い装置ではあれば1ベッド
35, 36)
Research Ltd(EANM/EARL)
, American College
37)
of Radiology/ACR Imaging Network(ACR/ACRIN)
あたり 6 分収集と設定しており,これらが考慮されて
いる34,
42)
.
および Radiological Society of North America/Quanti-
一方 SUVpeak は,臨床撮像条件を想定した PET
38)
画像においてもほとんど機種間差がなかった.画像の
tative Imaging Biomarkers Alliance(RSNA/QIBA)
日本放射線技術学会雑誌
743
“最大値”ではなく最も代謝が活発な 1 cm3 内の “平均
は同様にスムージングフィルタ処理によって PSF 再
値” を用いているため,画像ノイズによる値の変動の
構成画像における SUV リカバリを OSEM 再構成画
影響が小さくなったと考えられる.そのため,画像ノ
像にえている20).しかし,より空間分解能が高い基
イズの影響を受けにくく,再現性が高い指標である.
準で標準化する必要性が出てくると Gibbs アーチファ
多施設臨床研究において,個々の PET 装置でファン
クトの影響を無視できなくなる.UPICT においては
トム試験を行って SUV リカバリをえることはでき
PSF 補正などの空間分解能補正は,定量値に与える
るが,実際の臨床画像において画質をえることは非
影響が不明なため,現時点では治療効果判定に用いる
常に難しいと思われる.画質は PET 装置の基本性
べきではないと記載している46).EANM のガイドラ
能,各種補正法の有無,投与量,撮像時間のほか,被
イン36) では,空間分解能補正などの新技術は多施設
検者の体格にも依存するためである43,
臨床研究や定量評価が必要な場合には,定量値を標準
44)
.そのため,
画質ノイズによる影響が小さい SUVpeak を補助的に
化するために追加のフィルタ処理などが必要であり,
算出することで,より精度よく治療効果判定できると
それでも基準を満たさない場合には使うべきではない
考えられる.Lodge らは計数統計量が十分でない場合
と述べられている.また Gibbs アーチファクトを緩和
には SUVpeak が SUVmax よりもロバストな指標で
するためであったとしても,半値幅 7 mm を超えるス
17)
あ る と 報 告 し て い る .Makris ら は SNM-CTN,
ムージングフィルタ処理を行うのは望ましくないとも
EANM, ACR が提案している SUV 標準化のファント
記載している.同様に SNM/CTN の PET 装置認証
21)
ム試験の比較
89
や Zr PET/CT における定量値の標
45)
制度においても,現時点では PSF 補正を採用しない
が,VOI のピーク値を用いた
こととしている34).これらの理由から,現時点では多
SUV の方が画質の影響を小さくでき,標準化を行う
施設臨床研究や治療効果判定において PSF 補正を用
に は 有 用 で あ る と 報 告 し て い る.ま た Wahl ら は
いるべきではないと考えられる.TOF 技術に関して
PERCIST において除脂肪体重で SUV を正規化した
は,本研究の結果と同様に Murray らが SUV の再現
準化を行っている
9)
SULpeak を 使 用 す る こ と を 求 め て い る .更 に
性を改善すると報告していることや41),EANM のガ
RSNA が 母 体 と な っ て 作 成 し て い る Uniform
イドライン36) でも使用を推奨していることから,多
Protocols for Imaging in Clinical Trials(UPICT)では
施設臨床研究や治療効果判定においても積極的に採用
FDG-PET/CT を臨床試験で実施する際の撮像の標準
していくべきだと考える.しかしながら,SUV リカ
化 に 関 し て 記 載 さ れ て お り,定 量 評 価 に つ い て は
バリや画質に従来法と大きな差が生じてしまう場合に
SUVmax に加えて SUVpeak を算出することが望まし
は,除外することも考慮する必要がある34).新しい
いとされている46).しかし SUVpeak は直径 12 mm
PET 装置や画像再構成技術に関してはその都度検証
の VOI を設定する必要があるため,小病変には使え
が必要であると考える.
ないという欠点がある.また,最も値が高くなる位置
新旧の装置で SUV リカバリの標準化を行うと,新
を自動で算出するためには専用のソフトウェアが必要
しい装置の空間分解能を落として合わせるといった方
である.その他にも画像ノイズによる影響が小さいと
法を取らざるを得ないため,新しい装置の利点を消す
考えられる評価指標として,FDG 集積の体積に着目
ことにもつながる.多機種における SUV を用いた治
し た metabolic tumor volume (MTV) や total lesion
療効果判定などを行うことがなければ,病変の検出能
47, 48)
.これ
が高い,空間分解能が高い再構成条件を用いるべきだ
らの指標についてはまだ治療効果判定におけるエビデ
と考える.また UPICT では病変検出用の再構成と病
ンスが確立されていないため,今後のさらなる研究が
変定量用の再構成を分けて使用する必要があるかもし
期待される.
れないと記載しており46),病変検出用の空間分解能が
glycolysis(TLG)などが使われてきている
本研究では OSEM, OSEM+TOF, OSEM+PSF の
高い画像と病変定量用の SUV リカバリが標準化され
三つの再構成法すべてにおいてスムージングフィルタ
た画像を別々に用いるということも一つの案である.
処理によって SUV リカバリを標準化した.ガウシア
Boellaard らが述べているように,今後さらなる技術
ンフィルタ 4 mm 程度の場合,PSF 補正を加えると
の発展によって装置間差は大きくなると考えられ,
Gibbs アーチファクトの影響による過大評価がみられ
SUV の標準化の方法や基準についてはその都度更新
49)
た .PSF 補正を加えてもガウシアンフィルタ 9 mm
とかなり強めにスムージングフィルタ処理をすれば
SUV リカバリを標準化することができた.Lasnon ら
Vol. 71 No. 9 Sep 2015
していくべきだと考える50).
744
4.結
語
また,SUV を評価指標として用いる多施設臨床研
ファントム実験によって PET 装置間の SUV を標
究や治療効果判定においては,TOF 技術は積極的に
準化することができた.しかし SUVmax の標準化に
使用するべきであるが,現時点では PSF 補正を用い
は十分な計数統計量を確保し,ノイズが少ない画像を
るべきではないと考えられる.今後,PET 装置の発
得ることが非常に重要である.十分な計数統計量が得
展とともに SUV の標準化の方法やその基準について
られない場合には画像ノイズによる影響が小さい
も検討を続けていくべきである.
SUVpeak を用いることが有用であると考えられる.
臨床画像における病変部の SUVmax は,PET 画像の
謝
辞
空間分解能と画像ノイズに大きく影響される.PET
本研究に際して多くの知識や示唆を頂いた日本核医
検査を利用して治療効果判定を行う多施設臨床研究に
学会 PET 撮像法標準化小委員会の皆様に厚く御礼申
お い て は,標 準 的 な 検 査 手 順 を 定 め る と と も に,
し上げます.
PET 画像の空間分解能を標準化し,十分な計数統計
量を得ることが真の治療効果を判定するうえで極めて
本研究の一部は JSPS 科研費 15H04914 の助成を受
重要である.
けた.
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