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第1回 道の駅川俣活性化計画検討委員会 次 第
第1回 道の駅川俣活性化計画検討委員会
次
第
日時:平成 28 年 5 月 26 日(木)
午後 1 時 30 分∼
場所:道の駅川俣
からりこ館講義室
1
開会
2
委嘱状交付
3
町長挨拶
4
委員紹介
5
委員長・副委員長選出
6
議事
(1)「道の駅川俣」を取り巻く状況と現状について
(2)現地調査
(3)「道の駅川俣」の課題と活性化の方向性について
(4)今後のスケジュールについて
(5)その他
7
閉会
資料1 道の駅川俣活性化計画検討委員会委員
第1回検討委員会
事前配布資料1
氏名
構成組織・団体等
役職
区分
1
高橋圭次
川俣町文化財保護審議会
会長
委嘱委員
2
大内雄一
ふくしま未来農業協同組合川俣支店
支店長
委嘱委員
3
渡辺良一
川俣町農業振興公社
専務取締役
委嘱委員
4
佐藤常幸
鶴沢公民館
館長
委嘱委員
5
紺野栄二
川俣町商工会
会長
委嘱委員
6
藤原和一
福島県織物同業会
事務局長
委嘱委員
7
高野イキ子
川俣町女性団体連絡協議会
会長
委嘱委員
8
斎藤泰行
川俣町観光協会
会長
委嘱委員
9
竹田利彦
日本旅行東北福島支店
担当部長
委嘱委員
10
菅野純正
一般公募
委嘱委員
11
佐藤容子
一般公募
委嘱委員
12
今西一男
福島大学
行政政策学類教授
委嘱委員
13
木戸啓仁
近畿大学
生物理工学部
食品安全工学科教授
委嘱委員
14
佐藤修一
川俣町
企画財政課長
任命委員
15
伊藤智樹
川俣町
副町長
任命委員
<敬称略>
第 1 回検討委員会
事前配布資料2
資料2
「道の駅川俣」を取り巻く状況と現状
1.道の駅川俣活性化計画について
1-1.道の駅川俣活性化計画の背景
わが国全体が人口減少社会を迎えているように、川俣町でも人口の減少と高齢化が著しく、東日
本大震災の影響により、さらに問題が深刻化しています。
そのため、町は人口減少・少子高齢化の克服と地域経済の発展や活力ある地域社会の形成を推進
するため、平成 28 年 1 月に「川俣町まち・ひと・しごと創生人口ビジョン・総合戦略」を策定しま
した。
「川俣町まち・ひと・しごと創生人口ビジョン・総合戦略」では 4 つの基本目標を掲げており、
目標の一つとして『川俣町への新しいひとの流れをつくる』を掲げています。
「道の駅川俣」は、福島県の浜通りと中通りを結ぶ国道 114 号沿いに立地しており、町内施設の
中でも流動人口が多い場所となっています。そのため、この道の駅を拠点とした地域(経済)活性化
の取り組みが有効であると考えられることから、町は「道の駅のさらなる魅力化を図り、交流人口
の拡大を図る」ことを目指しています。
■「道の駅川俣活性化計画の位置付け」
川俣町まち・ひと・しごと創生
人口ビジョン・総合戦略
町の人口減少・少子高齢化の克服と地域経済の発展や活力ある地域社会の形成を推進する
ための計画
4 つの基本目標
基本目標1
基本目標2
若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる
川俣町への新しいひとの流れをつくる
(1)道の駅のさらなる魅力化を図り、交流人口の拡大を図る
基本目標3
川俣町における魅力ある雇用の場を創出する
基本目標4
活力があり安心なくらしを守るまちづくり
「道の駅川俣」活性化計画の策定へ
p. 1
1-2.道の駅川俣活性化計画の目的
「道の駅川俣」活性化計画の目的
◆道の駅の機能拡充により、道の駅への来訪者を増加させ、町の交流人口を拡大する。
◆中心市街地への人の流れを作るなど、道の駅を拠点とした地域の活性化を目指す。
道の駅川俣には、物産館や農産物直売所、絹織物展示館・体験館が併設されており、道の駅におけ
る道路情報提供施設としての役割のみならず、地域振興施設・観光情報提供施設としての役割が期
待されるものの、各施設はそれぞれの趣旨に基づき段階的に設置されたことに加え、以後の効果検
証や見直しが行われておらず、不活性となっている可能性があります。
そのため、新たなコンセプトにもとづく道の駅のリニューアルと運営改善が必要であり、住民力
を活かした「町への愛着と誇りを持って川俣町をセールスする中核拠点」として新たに位置づけ、
交流人口の増加による地域産業の振興により、まちの魅力と元気を高め福島都市圏の「住みたくな
るまち」(定住人口の増加)を目指します。
また、「川俣町総合戦略」において平成 31 年の道の駅利用者数(シルクピア、ここら)の目標を
311,400 人としており、本計画としても本数値の達成が求められています。
道の駅利用者数
目標値
350,000
311,400
291,060
利用者数(人)
300,000
250,000
200,000
150,000
100,000
平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年
平成31年
福島県観光客入込状況(平成 26 年)より
※道の駅利用者数:シルクピア、ここらの利用者数の合計値
p. 2
2.「道の駅川俣」を取り巻く環境について
2-1.福島県の観光客入込客数の推移
■ 平成 23 年 3 月の東日本震災の影響により、福島県内の観光客数は大きく減少しており、震
災以前の数値を回復できていません。
■ 一方で、福島県全体に比べると、震災直後の「道の駅川俣」の利用者数の減少は小さく、平成
25 年以降は震災以前よりも増加している傾向にあります。
観光客入込客数
道の駅川俣
(人)
70,000,000
福島県
(人)
350,000
60,000,000
300,000
50,000,000
250,000
40,000,000
200,000
30,000,000
150,000
20,000,000
100,000
10,000,000
50,000
0
0
平成22年
平成23年
平成24年
平成25年
平成26年
※道の駅川俣の利用者数はシルクピア、ここらの合計値
出典:福島県観光客入込状況(平成 26 年)
平成22年の観光客数を100%とした場合の推移
110%
100%
100%
103%
101%
84%
82%
93%
84%
90%
80%
78%
70%
60%
62%
50%
40%
平成22年
平成23年
平成24年
福島県
平成25年
平成26年
道の駅川俣
出典:福島県観光客入込状況(平成 26 年)
p. 3
2-2.川俣町への観光客の流れ
■川俣町での滞在人口では、休日よりも平日の人口が多く、特に 9 月の人口が多い傾向にありま
す。また、滞在時間では、6 時、7 時が多く、夕方にかけて減少傾向にあります。
■平日、休日ともに、福島市、二本松市、郡山市等の近接市からの来訪者が多い傾向にあります。
県外では、平日、休日ともに宮城県からの来訪者が見られます。
■平日、休日ともに、インターネットによる経路検索では、町内の主な集客施設のうち、道の駅
川俣の検索回数が最も多いです。平日では、6 月~9 月、休日では 8 月~9 月の検索数が多
いです。
【滞在人口月別推移】
【滞在人口時間別推移】
出典:地域経済分析システム(RESAS(リーサス)) - まち・ひと・しごと創生本部事務局
p. 4
【滞在人口(出身市区町村)割合:平日】
【滞在人口(出身市区町村)割合:休日】
出典:地域経済分析システム(RESAS(リーサス)) - まち・ひと・しごと創生本部事務局
p. 5
【川俣町内で、目的地としての設定される地点・川俣道の駅の検索回数:平日】
出典:地域経済分析システム(RESAS(リーサス)) - まち・ひと・しごと創生本部事務局
【川俣町内で、目的地としての設定される地点・川俣道の駅の検索回数:休日】
出典:地域経済分析システム(RESAS(リーサス)) - まち・ひと・しごと創生本部事務局
p. 6
2-3.福島県内の道の駅について
福島県内の道の駅は、平成 5 年度の道の駅登録制度運用から福島市の「道の駅つちゆ」が平成 5 年
5 月に道の駅に登録されたのを初めに、平成 28 年 5 月時点で 29 の道の駅が整備されています。
「道
の駅川俣」は平成 6 年 4 月に道の駅として登録された、福島県内では 2 番目となる道の駅であり、
普通車駐車台数 69 台は県内で7番目の駐車台数です。
出典:福島県道路整備課ホームページ
■ 平成 28 年 5 月に登録された「道の駅猪苗代」(平成 28 年 11 月 OPEN 予定)イメージ図
p. 7
【近隣の道の駅の利用者数(観光客数)の推移】
観光客入込客数の推移
(人)
300,000
239,432
250,000
200,000
150,000
100,000
80,426
75,228
50,000
0
道の駅安達(上り)
平成22年
ふくしま東和
平成23年
平成24年
さくらの郷
平成25年
平成26年
出典:福島県観光客入込状況(平成 26 年)
シルクピア 観光客入込客数の推移
※参考:シルクピア観光客入込客数の推移
(人)
250,000
(人)
210,000
200,000
150,000
100,000
50,000
0
平成22年
平成23年
平成24年
平成25年
平成26年
出典:福島県観光客入込状況(平成 26 年)
p. 8
2-4.道の駅の動向について
■ 「道の駅」は、道路利用者の休憩、情報提供、地域連携の場として、制度発足から 20 年、全
国各地に広がり、現在 1,000 を超える施設が登録されています。売上高は、大手コンビニチ
ェーン並の規模となっています。
○ 制度発足当初は、通過する道路利用者へのサービスが中心でした。
○ 近年は、農業・観光・福祉・ 防災・文化など、地域の個性、魅力を活かした様々な取り組
みがなされています。
■ 道の駅とは
目的
道路利用者への安全で快適な道路交通環境の提供および地域の振興に寄与することを目的とす
る。
機能
道の駅は、道路の沿線に駐車場やトイレなどの休憩機能と、道路情報や地域情報の発信機能、ま
た、交流を促進する地域振興機能の3つを併せ持つ施設である。
登録要件
① 休憩・駐車場
・・・24時間利用可能で、利用者が無料できる十分な容量の駐車場
トイレ
・・・清潔で24時間利用可能なトイレ、障害者用も設置
② 情報発信
・・・道路情報、地域の観光情報、緊急医療情報等を提供
③ 地域の連携
・・・文化教養施設、観光レクリエーション施設などの地域振興施設
④ 設置者
・・・市町村または市町村に代わり得る公的な団体
⑤ その他配慮事項 ・・・施設及び施設間を結ぶ主要経路のバリアフリー化
【道の駅の登録数の推移と概要】
○全国登録数
1,093 ヶ所
○全国年間売上額
2,200 億円
○全国年間購買客数 2 億 2,000 万人
出典:国土交通省ホームページ
p. 9
■ 重点「道の駅」
国土交通省では、道の駅の機能強化を図るため、平成26年度より地域活性化の拠点となる先駆
的な取組を重点「道の駅」として選定し、重点的に支援する取り組みが実施されています。平成27
年度は、重点「道の駅」として以下の8項目の取り組み内容から38箇所が選定されています。
(平成26年度:35箇所選定…福島県内では「道の駅猪苗代」が選定)
【主な取り組み内容】
① 産業振興:地域の特産品を活かした産業振興「道の駅」
② 地域福祉:地域の高齢化等に対応した住民サービス(地域福祉)を提供する「道の駅」
③ 交通結節点:公共交通の結節点として地域住民に交通サービスを提供する「道の駅」
④
⑤
⑥
⑦
防災:災害時に高度な防災機能を発揮する「道の駅」
観光総合窓口:地域の観光総合窓口となる「道の駅」
インバウンド観光:インバウンド観光を促進する「道の駅」
地方移住等促進:地方移住・ふるさと納税推進に貢献する「道の駅」
⑧ 交流・連携:地域間の交流・連携を促進する「道の駅」
※平成 27 年選定の重点「道の駅」
p. 10
■ 道の駅優良事例(全国モデル「道の駅」より)
① 萩市しーまーと(山口県萩市)
年間利用者
約 140 万人
販売額
約 10 億円
○ 隣接の魚港で水揚げされた海産物が直接店頭に並ぶ新鮮さを特長に、地元のニーズにこた
える「道の駅」を展開。
○ 隣接の魚港で水揚げされた海産物が直接店頭に並ぶ新鮮さを特長に、地元のニーズにこた
える「道の駅」を展開。
○ 値も付いてなかった魚を加工品として商品化する「萩の地魚もったいないプロジェクト」
を推進し、漁業者の所得向上に寄与。
② 道の駅「もてぎ」
(栃木県茂木町)
年間利用者
約 144 万人
販売額
約 7.2 億円
○ 1986 年洪水の教訓から、地域に根差した防災啓発のために茂木町防災館を備え、防災井戸
を設置。
○ 柚子、エゴマ等の特産品を加工する「もてぎ手づくり工房」を整備し、
「道の駅」を核とし
た6次産業化を推進し、33 種類のオリジナル商品を開発、販売。
○ 真岡鉄道の SL やサーキットなど地域の魅力へのアクセスポイントとして、地域センター
機能とゲートウェイ機能を兼ねるにぎわいの核として定着。
p. 11
■ 道の駅のこれから(今後)
道の駅は「通過する道路利用者へのサービス提供の場」だったが、今後は「地域の課題を解決
する場」に成長してきています。これからは「地域の拠点機能の強化」と「ネットワーク化」を
重視し、「道の駅」自体が目的地となるよう育てていく取り組みが見られます。
これまでの道の駅
これからの道の駅
p. 12
3.「道の駅川俣」の現状について
3-1.「道の駅川俣」の施設概要
① 道の駅川俣の経過
川俣町市街地への玄関に位置する小学校跡地を有効に活用するため、町発展の礎となった絹織
物の歴史や伝統技術を後世へ伝承する「おりもの展示館」
(昭和 63 年 11 月開館)が整備されまし
た。その後、この区域を絹の里と称して、川俣絹や川俣シャモ等の特産品を展示販売する「銘品館
シルクピア」
(平成 4 年 5 月開館)や屋外トイレ、駐車場が整備されました。平成 5 年に一般道路
の休憩施設「道の駅」構想が誕生したことを受けて、平成 6 年 3 月に絹の里区域を道の駅として
登録申請し、平成 6 年 4 月に県内で 2 番目の道の駅「オアシス in シルクロード」として登録され
ました。
また、道の駅としての機能を充実させるため、体験型の手織り・草木染め研修施設「からりこ
館」
(平成 7 年 10 月開館)を整備し、
「見る・体験する・食べる・買う」といった来場者の動線を
設定することにより、観光拠点として集客が図られました。平成 8 年 6 月にはJA農産物直売所
「愛菜館」
(テント)が開設されました。
(平成 9 年 1 月から簡易プレハブ)
平成 7 年 3 月に国道 114 号バイパスが全面開通しましたが、交通量の増大とともに道の駅利用
者も増加し、駐車場が慢性的に不足しました。そのため、町からの要望に基づき県は、平成 15 年
度からの 2 か年事業で、駐車場の拡張(西側)
、屋外トイレの改築、情報館の新築を行いました。
平成 18 年 3 月には、JA農産物直売所「愛菜館」
(平成 19 年 2 月 1 日のJA合併に伴い「ここ
ら」に名称変更)が改築増床されました。
【経過一覧】
平成 63 年 11 月 27 日
おりもの展示館開館
平成 4 年 5 月 16 日
銘品館シルクピア開館
平成 6 年 3 月
道の駅登録申請
平成 6 年 4 月 26 日
道の駅登録(福-2 川俣)
平成 6 年 5 月 1 日
道の駅開所
平成 7 年 3 月
国道 114 号バイパス全面開通
平成 7 年 10 月 6 日
からりこ館開館
平成 8 年 6 月
愛菜館(テント)開設
平成 9 年 1 月
愛菜館(簡易プレハブ)改築
平成 15 年 3 月
屋外トイレ改築
平成 16 年 12 月
駐車場拡張(西側)
平成 17 年 3 月
情報館新築
平成 18 年 3 月
愛菜館(平屋)改築増床
p. 13
② 道の駅川俣の施設概要
施設名
管理
運営
備考
おりもの展示館
町
福島県織物同業会
延べ面積 554.51 ㎡
からりこ館
町
福島県織物同業会
延べ面積 499.20 ㎡
銘品館シルクピア
町
川俣町農業振興公社
延べ面積 304.92 ㎡
ここら
JAふくしま未来
JAふくしま未来
面積 119.20 ㎡
駐車場
屋外トイレ
情報館
③
町:除雪
面積 3,585 ㎡
県:維持修繕
普通 69 台、身障者 3 台、大型 11 台
町:清掃、消耗品
面積 130 ㎡
県:維持修繕
男性 13 器、女性 11 器
町:清掃
面積 9 ㎡
県:維持修繕
各施設の営業状況
施設名
営業時間
備考
おりもの展示館
9:00 ~ 18:00
休館日:毎週月曜及び 12 月 29 日~1 月 3 日
からりこ館
9:00 ~ 17:00
休館日:毎週月曜及び 12 月 29 日~1 月 3 日
銘品館シルクピア
9:00 ~ 18:00
休館日:12 月 30 日 15:00 ~ 1 月 1 日
蕎麦六
11:30 ~ 14:00
定休日:毎週月曜
ここら
9:00 ~ 17:30
休館日:年末年始 (11 月~3 月は 17:00 終了)
p. 14
3-2.来客数・客単価の推移
① 各施設の入場数・売上等の推移及び客単価【年度推移】
■ 入場者数
シルクピア 入館者数
ここら 入館者数
250,000
120,000
204,346
200,000
152,700
97,341
100,000
83,103
80,000
150,000
60,000
100,000
40,000
50,000
20,000
0
0
からりこ館 入館者数
1,800
1,600
織物展示館 入館者数
7,000
1,552
6,000
1,400
5,673
5,214
5,000
1,200
4,000
1,000
800
516
600
3,000
2,000
400
200
1,000
0
0
■ 売上等
シルクピア 売上額
100,000,000
90,000,000
80,000,000
70,000,000
60,000,000
50,000,000
40,000,000
30,000,000
20,000,000
10,000,000
0
ここら 販売額
100,000,000
90,000,000
80,000,000
70,000,000
60,000,000
50,000,000
40,000,000
30,000,000
20,000,000
10,000,000
0
p. 15
織物展示館 入館料
からりこ館 材料費
2,500,000
500,000
450,000
400,000
350,000
300,000
250,000
200,000
150,000
100,000
50,000
0
2,000,000
1,500,000
1,000,000
500,000
0
■ 客単価(1 人当たりの入館料・材料費等)
シルクピア 入場者数と客単価の推移
(人)
463
200,000
180,000
160,000
152,700
140,000
120,000
100,000
(人)
1,800
1,600
204,346 480
470
460
450
436
440
430
420
410
400
390
380
からりこ館 入場者数と1人当たりの材料費の推移
1,552
2,086
1,400
1,200
1,000
400
200
0
110,000
97,341
100,000
(円)
ここら 入場者数と客単価の推移
(円)
1,150
1,105
1,100
83,103 1,050
90,000
80,000
971
1,000
70,000
950
60,000
50,000
900
40,000
850
織物展示館 入場者数と1人当たりの入館料の推移
(人)
(円)
3,000
7,000
90
2,500
6,000 5,673
80
2,000
5,000
5,214
73
50
1,500
516
3,000
1,000
500
2,000
1,000
0
0
p. 16
70
60
4,000
1,290
800
600
(人)
(円)
220,000
40
45
30
20
10
0
■各施設の入場数・売上等の推移及び客単価【年度推移】より
シルクピア⇒入場者数は増加しているが、客単価は減少傾向にある。
ここら
⇒客単価及び入場料は上昇傾向にあるが、震災以前の入場数の回復には至っていない。
からりこ館⇒入場者が大きく減少しており、平成 16 年度の半分以下となっている。
織物展示館⇒入場者数の減少もあるが、1 人当たりの入館料が大きく減少している。
シルクピア、ここら、織物展示館の売上額等の合計値は、震災の影響で減少しましたが、近年は
上昇しておりほぼ横ばいの動向となっています。
■道の駅川俣の売上等の推移
合計販売額の推移
(円)
200,000,000
180,000,000
160,000,000
140,000,000
120,000,000
100,000,000
80,000,000
60,000,000
40,000,000
20,000,000
0
シルクピア
ここら
織物展示館
■平成 21 年度を「1」とした各施設の入場者及び売上額等の比較
平成21年度の売上額を1とした場合の推移
1.2
1.1
1
0.9
0.8
0.7
0.6
0.5
0.4
0.3
平成21年度の入場者数を1とした場合の推移
1.2
1.1
1
0.9
0.8
0.7
0.6
0.5
0.4
0.3
平成21年度
シルクピア
ここら
織物展示館
平成22年度
シルクピア
p. 17
平成23年度
ここら
平成24年度
平成25年度
からりこ館
平成26年度
織物展示館
平成27年度
② 各施設の入場数の推移及び客単価等の推移【平成 26 年度季節推移】
○各施設において 8 月の入場者が多くなっています。
○「ここら」においては、入場者の多い 8 月に客単価が上昇している一方で、シルクピアにおい
ては客単価の増加は大きくは無く、12 月が最も客単価が高くなっています。
■入場者数
(人)
シルクピア入場者数
ここら入場者数
(人)
30,000
12,000
25,000
10,000
20,000
8,000
15,000
6,000
10,000
4,000
5,000
2,000
0
0
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月11月12月 1月 2月 3月
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月11月12月 1月 2月 3月
からりこ館 入場者数
織物展示館 入場者数
(人)
(人)
120
700
600
500
400
300
200
100
0
100
80
60
40
20
0
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
■客単価の推移
(人)
シルクピア入場者数と客単価の推移
30,000
(円)
800
24,800
25,000
712
700
(人)
ここら入場者数と客単価の推移
12,000
1,357
10,000
500
15,000
10,000
400
380
10,000
300
8,000
885
1,000
6,000
4,000
800
3,456
100
0
600
400
200
5,000
1,400
1,200
600
20,000
(円)
1,600
10,214
2,000
200
0
0
0
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
p. 18
3-3.交通量及び駐車場の利用率について
○国道 144 号線は、午前と夕方の交通量が多く、日中の交通量は減少しています。道の駅川俣へ
の入場率は、平日休日ともにお昼頃が一番高いです。
○道の駅川俣を利用する車両は、平日は川俣市街地方面からやってくるものが多く、休日は福島
市方面からが多いです。
○駐車場の利用状況は、平日のお昼頃の利用率が非常に高いです。
○道の駅川俣周辺の国道 114 号では、平成 26 年の交通量は平成 22 年に比べて、11.4%増加して
います。
■ 交通量
日付
5.13(金)
5.13(金)
5.13(金)
5.14(土)
5.14(土)
5.14(土)
日付
5.13(金)
5.13(金)
5.13(金)
5.14(土)
5.14(土)
5.14(土)
調査日時
10:20~10:50
12:30~13:00
14:25~14:55
10:25~10:55
12:30~13:00
14:45~15:15
調査日時
10:55~11:10
13:05~13:20
14:55~15:10
10:55~11:10
13:00~13:15
15:15~15:30
全体交通量
550
456
488
500
401
487
入場交通量
43
36
33
29
39
37
福島方面からの入場
8
9
10
7
11
13
入場率
7.82%
7.89%
6.76%
5.80%
9.73%
7.60%
川俣町市街地からの入場
12
6
12
5
5
11
資料:平成 28 年 5 月 13 日~14 日実施現地調査結果
■ 駐車場の利用状況
日付
5.13(金)
5.13(金)
5.13(金)
5.14(土)
5.14(土)
5.14(土)
調査日時
11:00
12:45
15:00
11:15
13;15
15:30
全体駐車台数
39
64
53
43
51
49
大型車駐車台数
1
10
6
1
0
0
普通車専用スペース使用率
64.3%
92.9%
76.8%
71.4%
76.8%
73.2%
資料:平成 28 年 5 月 13 日~14 日実施現地調査結果
p. 19
※参考:平成 26 年度 福島県内交通量調査
p. 20
駐車場
チャージングポイント
アーケード
WC
ここら
イベント広場
国道 114 号線
シンボルタワー
駐車場
かわまた銘品館
シルクピア
おりもの展示館
展示館・
からりこ館用駐車場
からりこ館
(織りと染めの体験施設)
事前配布資料3
第1回検討委員会
第 1 回検討委員会
事前配布資料4
資料4
「道の駅川俣」の課題と活性化の方向性
「道の駅川俣」の課題と活性化の方向性について【たたき案】
視点
現状把握の項目
○客数
○客単価
①来場者
○滞在時間
○交通量
○入場のしやすさ
○祭事・イベント
②地元住民
○住民の参加・活躍
○観光の拠点機能
○防災の拠点機能
調査方法
課題
・客単価が低い
○来訪者の動向調査
・滞在時間が短い
・来訪者が入らない施設がある
○客数の年度推移、
季節推移
・車が入場しづらい
○交通量調査からの
交通量の推移
・催事・イベントが少ない
・住民の参加のきっかけが少な
い
○交通量調査
・来訪者が中心市街地へ足を運
活性化の方向性(たたき案)
① 来訪者の道の駅での滞在時間を延ばす
・賑わいをつくる(コト消費)
・イベントの企画
② 地元団体・商店街とのネットワーク形成
・中間スペースの有効活用
・町内の情報の集約
・道の駅を拠点とした地域内回遊、連携の促進
ぶきっかけが少ない
③情報発信
○発信内容
○情報発信の対象
○情報発信の方法
○来場者の情報の受け取り方
○車の入場時の挙動
調査
・情報を入場者が受け取ってい
ない
○情報紙・ポスター
のリスト化
・川俣町の情報がすくない
・来訪者が情報を見ていない
・来訪者がよく見るところに町
○おもてなし
④店舗
○陳列・POP
○入場者の購買行動
○パッケージデザイン
○来訪者の情報媒体
への反応調査
・発信する情報の内容の検討
・発信する情報の優先順位をつける
・発信するターゲットを絞る
・情報発信媒体・方法の検討
内の情報がない
・来訪者の視界に入らない商品
がある
○来訪者の商品への
反応調査
③ 情報発信の内容と方法の検討
・来訪者が商品と手に取ってい
ない、売りが分かりにくい。
④ 商品の販売の額の向上
・販売方法の工夫
・新商品の開発
・食堂が混雑している
⑤施設ブラン
ドイメージ・
施設連携
○施設のコンセプト
○来訪者の動線
○中間スペース(イベント広
場等)の活用
・道の駅川俣のコンセプトが分
かりにくい(シンボルタワー
が何を示しているのか分かり
にくい)
・来訪者が施設内で迷っている
・中間スペースが利用されてい
ない
⑤ 道の駅のブランド化、施設間連携の推進
・道の駅をみて、コンセプトが分かる空間形成
・来訪者の動線の整備
・トータルコーディネート(施設管理・運営)の方法
の検討
■「道の駅川俣」の課題と活性化の方向性として、
①来場者、②地元住民、③情報発信、④店舗、⑤施設ブランドイメージ・施設連携
の 5 つの視点から課題を整理し、方向性を検討していきます。
①来場者の視点
課題
・道の駅の利用者数は主にシルクピアにおいて上昇傾向にあり、平成 22 年と比べると 110%の上
昇となっている。しかしその上昇率は復興による交通量の増加率 111%とほぼ同じであり、今
後は相馬福島道路の開通など交通量の減少とともに利用者が減少する可能性が高い。そのため
減少している客単価の上昇や滞在時間の拡大等の取り組みが必要となる。
・駐車場の利用率は概ね 7 割以上と高い占有率となっているが長時間移動のない駐車スペースも
3 分の1ほど見られる。また、入場者が減少している施設では広場の利用者が少ないなど道の
駅の利用者が気付きにくい場所となっている。
滞在時間別の割合
利用者の見られないスペース
16%
6%
50%
28%
利用者の滞在が見られるのは日陰のあるトイレ前のベンチ
かシルクピア内のイートインスペースと限られている。
10分未満
10~30分
30分以上
不明
資料:平成 28 年 5 月 13 日~14 日実施現地調査結果
活性化の方向性
道の駅での滞在時間を延ばす取り組み
・賑わい創出(コト消費)
・イベントの企画
p. 1
②地元住民の視点
課題
・道の駅を拠点として町を活性化のためにはスペースの有効活用や催事・イベントの道の駅内で
の開催など住民が参加する場が必要となってくるが現時点では地元住民が参加する機会は少な
く「しゃも祭り」等も道の駅とは異なる場所が主として開催されている。
・道の駅川俣は町への目的地検索数あるいはその観光客数をみても町で最も流動人口が多い場所
であり、道の駅を町の観光拠点とするためにも、町の観光の玄関口としてより有効活用してい
かなければならない。
■川俣がどのような町か分からない
シルクピア店内では川俣町の PR 映像が流れているが、映像を
見る事ができる場所はイートインスペースと限られており、祝
日は埋まっていることが多く見る事の出来る機会は少ない。
取り組みの方行性
地元団体・商店街とのネットワークの形成
・中間スペースの有効活用
・町内の情報の集約
・道の駅を拠点とした地域内回遊、連携の促進
p. 2
③情報発信の視点
課題
・道の駅の配布物やポスター等の展示物には川俣に関するものがほとんど無く、利用者への情報
の発信の機会を有効活用できていない。
・シルクピア店内の PR 映像やタブレット等の情報発信ツールが活かしきれていない。
■町の情報が少ない
道の駅入り口に配布物やポスター等があるが、川俣町に関わる
情報は「川俣ロードレース」に関するポスター1 つだった。
スタンプ・ラリー利用者も多く、観光客が多く見る場所だった。
■情報発信ツールが使用できない
タブレット等は配置しているが、電源が切れているなど利用できる状態ではなく利用者は
見られなかった。
活性化の方向性
情報発信の内容と方法の検討
・発信する情報の内容の検討
・発信する情報の優先順位をつける
・発信するターゲットを絞る
・情報発信媒体、方法の検討
p. 3
④店舗の視点
課題
・道の駅川俣としてどの商品を主力として販売していくかがハッキリとしていないとしていない。
川俣しゃもを気軽な価格で試食できる商品等の開発や、陳列方法の変更等が検討できる。
・以前道の駅で行なわれたアンケート調査でも店舗へ希望する意見として、「レジの配置の工
夫」や「商品の説明案内」
、
「陳列」や「絹の PR」などあり、中央に作業台のあるレジ周りや
ソフトクリームの作成場所などの検討していくべき事項がある。
活性化の方向性
商品の販売の額の向上
・販売方法の工夫
・新商品の開発
・スタッフの動線等の改善
⑤施設ブランドイメージ・施設連携
課題
・「道の駅川俣」のイメージがわかない
施設利用数別の割合(平日)
施設利用数別の割合(休日)
3%
・敷地内で複数の施設を利用する方が
14%
12%
26%
少ない。
53%
35%
57%
0カ所
1カ所
2カ所
3カ所
0カ所
1カ所
2カ所
3カ所
資料:平成 28 年 5 月 13 日~14 日実施現地調査結果
活性化の方向性
道の駅のブランド化、施設間連携
・道の駅をみて、コンセプトが分かる空間形成
・来訪者の動線の整備
・トータルコーディネート(施設管理・運営)の方法
p. 4
食農観光資源の新たな組み合わせと商品開発による経験価値の提供と産業振興
オール近大”川俣町復興支援 PJ 産業振興(観光振興)グループ
生物理工学部 教授 木戸 啓仁
経営学部
准教授
大内 秀二郎
1.概要
食農観光資源活用による「経験価値の提供」は、新たな産業振興のあり方として注目されてきてい
る。集客に成功している観光地において「提供された経験価値」は、観光客の「日常生活でのこだわ
り」や 「非日常体験への期待」と深く関係している。
平成 24 年度∼平成 26 年度に実施した川俣町食農観光資源調査の結果、および平成 27 年 8 月に実施
した観光客を対象にしたアンケート調査結果から、川俣町の食農観光資源活用による産業振興には、
機能統合強化による道の駅「川俣シルクピア」のプラットフォーム化が重要であることが明らかとな
った。
以下、これまでの取り組みの概要を述べ、道の駅「川俣シルクピア」における食農観光資源の「新
たな組み合わせと商品開発」による「経験価値の提供」の方策、産業振興について考える。
2.4 年間の取り組みの歩み
平成 24 年 10 月 川俣町訪問、川俣シャモに関する現地視察
平成 25 年 3 月 総務省の平成 25 年度補正予算による事業「
『域学連携』地域活力創出モデル事業」
募集の説明会に参加
平成 25 年 8 月 産業文化資源、観光資源に関する聞き取り調査
平成 26 年 3 月 川俣町シルク製品メーカー等現地調査
平成 26 年 3 月 川俣町復興支援プロジェクト報告会(1)
平成 26 年 8 月 川俣シャモまつり参加」ほか(学生参加)
平成 26 年 11 月 長野県絹織物の観光資源化と高付加価値商品開発(先進地調査)
平成 26 年 11 月 アグリビジネス創出フェアに出展
平成 27 年 3 月 川俣町食農観光資源の「新たな組み合わせと商品開発」調査
平成 27 年 3 月 川俣町復興支援プロジェクト報告会(2)
平成 27 年 8 月 道の駅「川俣シルクピア」調査(アンケート調査を含む)
3.調査結果の概要
(1)川俣町の歴史と食農観光資源について次の①∼⑤に着目した。
①歴史・自然
・川俣盆地を中心に、絹織物の町として発展
・慶長年間(1596 年∼1614 年)に生糸、絹織物取引の市
・江戸城御用の川俣絹を生産
・国内有数の絹織物産地に発展
・明治・大正・昭和の時代には羽二重を輸出
②川俣シルクピア
1
・織物展示館、からりこ館、かわまた銘品館シルクピア
③絹加工場、絹製品
・絹加工場見学、絹製品
④川俣シャモ
・川俣シャモの生産・加工・販売
⑤イベント
・コスキン・エン・ハポン、川俣シャモまつり、からりこフェスタ、絹市
(2)川俣シャモに関する現地視察(平成 24 年 10 月)
川俣町での視察を実施した。川俣町役場関係者
との会合の後、山木屋の除染産業現場、川俣町農
業振興公社を訪問した。その中で、川俣シャモの
生産・販売は、震災後一時期大きく落ち込んだも
のの、現在は震災前の8割程度まで回復しており、
産業振興チーム内の経営学部内で想定していた
ほど悪い状況ではないことが明らかとなった。
図 1 川俣町農業振興公社の外観
図
2
川
俣
町
農
業
振
興
公社 作業風景
図 3 川俣シャモ 平飼いの鶏舎
(3)産業文化資源、観光資源する現地視察(平成 25 年 8 月、平成 26 年 3 月)
川俣町の産業文化資源、観光資源調査、および川俣町シルク製品メーカー(5社)
、福島県織物同業会
(織物展示館を含む)での調査は、産業文化資源、観光資源、製品メーカーの技術力を知るうえで極
めて有効であった。
(4)川俣シャモまつり参加(平成 26 年 8 月)
経営学部大内ゼミ所属学生有志 6 名を引率して、川
俣町の絹織物工場の見学、会津若松市内のアンテナ
ショップ「小手姫ノ衣」店舗見学、および川俣シャ
モまつりの近畿大学屋台の運営支援などを行った。
震災後 3 年が経過した川俣町の現状や現地の人々の
2
復興に向けた取り組みを目の当たりにし、学生たちは多くのことを学び考えたようであった。
図 4 ショップ「小手姫ノ衣」外観
図 6 齋栄織物 工場見学の様子
図 5 世界薄い絹織物「フェアリー・フェザー」
図 7 齋栄織物 齋藤 泰行 氏
図 8 齋栄織物 インタビューの様子
(5)
「長野県絹織物の観光資源化と高付加価値商品開発」調査(平成 26 年 8 月)
長野県の絹織物産業の歴史は古く、かつては世界一の生糸生産地であった。現在は、この歴史を継承
するための様々な取り組みが行われている。今回、調査対象とした「岡谷市立岡谷蚕糸博物館」と「駒
ヶ根シルクミュージアム」は優良事例と考えられる。特に、
「岡谷市立岡谷蚕糸博物館」は、地元繊維
企業が博物館を経営しているため、従業員による手作業の操糸実演を見学できるようになっている。
「駒ヶ根シルクミュージアム」は、展示のほかに入館者に対して体験交流教室「体験工房」が設けら
れている。どちらの観光施設も、
「カイ
コとシルクの歴史」
、
「絹糸=生糸の操糸
工程」
、
「カイコ・シルクの新しい利用」
、
「カイコの一生とバイオテクノロジー」
に関する詳細な情報提供が行われ、入館
者に長野の絹織物産業の歴史を伝えな
がら、絹織物の現代的な価値を継承する
取り組みが行われている。
(公財)南信州・飯田産業センターから紹介を受けた「小栗織物研究所」に伺い、絹織物の歴史と
現状についてヒヤリングを行った。代表の小栗弘平氏は、信州紬の伝統工芸士でその織物技術は高く
評価されている。シルクロードから渡来したとされる伝統的な織物「太子間道(復元)
」や、長野オリ
ンピック公式写真集の表装なども手がけられ、その実物も拝見した。また、現在開発している新製品
のことなども伺うことができた。衰退する絹織物産業であるが、食農観光産業との連携を図りつつ高
付加価値への取り組みが重要である。
3
(6)川俣町食農観光資源の「新たな組み合わせと商品開発」調査
川俣町食農観光資源の「新たな組み合わせと商品開発」調査(平成 27 年 3 月)
平成 24 年 10 月の川俣町訪問から現在まで、
から現在まで、川俣町の歴史をはじめさまざまな食農観光資源
食農観光資源に関する
実態調査を実施してきた。その目的は、
実態調査を実施してきた。その目的は、先述したように、
食農観光資源活用による「経験価値の提供」
資源活用による「経験価値の提供」が可能である
かという点である。集客に成功している観光地
に成功している観光地の多くは、
観光客の「日常生活でのこだわり」や 「非日常体験への期
待」を理解し、それを実現するために
を理解し、それを実現するために「経験価値の提供」
を行っている。この「経験価値の提供」
「経験価値の提供」は、新たな産業振
興のあり方として注目されてきている
興のあり方として注目されてきている。川俣町においても
食農観光資源活用の新たな組み合わせ
の新たな組み合わせによる「経験価値の
提供」は可能であろう(右図は食農観光資源活用による経
食農観光資源活用による経
験価値の提供の概略図)。
」調査(平成 27 年 8 月)
(7)道の駅「川俣シルクピア」
平成 24 年度∼平成 26 年度に実施した川俣町
実施した川俣町食農観光資源調査の結果、川俣町の
結果、川俣町の食農観光資源活用
による産業振興には、道の駅「川俣シルクピア
川俣シルクピア」を
機能統合強化し、プラットフォームとして
プラットフォームとして位置づけ
ることが重要であると考えた。そこで、
た。そこで、平成 27 年 8
月に、道の駅「川俣シルクピア」の
」の観光客を対象に
アンケート調査を実施し、
「川俣シルクピア
川俣シルクピア」の現状
と課題を探った。
の趣旨を直接説明し、同
調査は、アンケート調査の趣旨を直接
意を得た後、調査票を同封の返信用封筒
返信用封筒で期限内に
指定場所に送付してもらうようにした
もらうようにした(N=100)
。回収率は、85%であった。なお、
った。なお、
「シャモ
「シャモまつり」が
町内の別の場所で実施されていたため、
実施されていたため、
同所に一時的に立ち寄り、
「シャモまつり」
」
の
の開催場所の確認、
トイレ休憩をする観光客が散見された。
散見された。
調査票の集計・分析(クロス集計
集計、因子分析、回帰分析)から以下の点が明らかとなった
明らかとなった(有効サ
ンプル数は 71)
。
①観光客の多くは、川俣町を除く
除く「福島県内から」
(福島市、白河市、蓬莱町、
、白河市、蓬莱町、郡山市、三春町、二
本松市、南相馬市、伊達市、いわき
いわき市)であった(83%)
。福島県外は、宮城県、
県、東京都である(8.5%)
。
年齢構成は、
「60 代以上」
(47%
%)
、
「50 代」
(30%)
、
「40 代」
(13%)であり、性別では
)であり、性別では男性(40%)
、
女性(60%)であった。
②訪問の目的を複数回答で聞いたところ
で聞いたところ、川俣町イベント(66%)
、
「かわまた銘品館シルクピア
かわまた銘品館シルクピア」
(32%)
、農産物直売所「ここら」
「ここら」
(31%)
、シルクピア2階での食事(32%)
、
「
「織物展示館」
(3%)
、
「からりこ館」
(3%)となった。交通手段は
)となった。交通手段は車(98%)である。
③訪問回数は、
「はじめて」が
が 30%、
「1回以上」が 70%であった。
「旅の途中でみつけた
途中でみつけた」という
回答もあった。ほどんど(92%)
)は「日帰り」である。
4
④同行者は、
「一人」
(4%)
、
「家族」
(82%)
、
「知人・友人」
(11%)である。その主な数は、
「二人」
(63%)
、
「三人」
(14%)である。
⑤旅行業者が「企画した旅行」はない。
⑥観光客のうち、
「かわまた銘品館シルクピ
ア」で購入をしなかった人が 23%いた。
⑦銘品館シルクピアの「雰囲気」
、
「スタッフ
対応」
、
「シルク商品のデザイン」
、
「シャモ商品
の陳列」について関係性をみるために次のモデ
ルを設定し、重回帰分析を適用して計測した(N=71)
。
(雰囲気)=α0+α1(スタッフ対応)+α2(シルク商品のデザイン)+α3(シャモ商品の陳列)
(注:α0 は定数、
α1∼α3 は推定すべきパラメータ)
「雰囲気」と「スタッフ対応)
、
「シルク商品のデザイン」
、
「シャモ商品の陳列」の間には有意な関係
がみられる(表4)
。つまり、
「スタッフ対応)
、
「シルク商品のデザイン」
、
「シャモ商品の陳列」は、
銘品館シルクピアの「雰囲気」づくりに重要な要素であると考えられる。
表 4「雰囲気」と「スタッフ対応」
、
「シルク商品のデザイン」
、
「シャモ商品の陳列」の関係性モデルの計測結果
標準化されていない係数 標準化係数
モデル
B
標準誤差
(定数)
-.302
.382
スタッフ対応
.357
.098
シルク商品のデザイン
.518
シャモ商品の陳列
.194
1
ベータ
共線性の統計量
T値
有意確率 許容度
VIF
-.790
.433
.315
3.627
.001
.793
1.261
.105
.459
4.935
.000
.693
1.444
.096
.199
2.021
.047
.619
1.616
注:従属変数 雰囲気、自由度調整済決定係数は 0.581。
⑧アンケート調査表の問 16∼問 18 は自由回答である。この観光客の声には、道の駅「川俣シルクピ
ア」の直面する課題解決のためのヒントが多く含まれていると考えられる。以下、観光客の声を掲載
する。
(質問 16)シルクピアを含む道の駅全体について、
「こんな体験ができたら」
、
「こんな便利なサービ
スがあったら良い」と思うことがありましたら、ご記入をお願いします。
(1)シャモとシルクの場所を別にしてほしい。
(2)シャモ、川俣野菜を使った料理教室を開いてほしい。
(3)シャモなどその場で焼いていたらよい
(4)観光案内所
5
(5)シャモを焼いたり、煮たり、その場で食べられるものがあったらよい。
(6)魚料理、魚販売
(7)駐車場を広くしてほしい。
(8)シャモのひなに触れられる。
(9)駐車場を広く、農産物と道の駅の行き来をするときに、危険を感じた。
(10)シャモなどその場で焼いていたらよい
(11)シャモラーメンやシャモ親子丼などもおいてほしい。
(12)展示などを見やすく、道の駅のイベントなどの紹介をする。
(13)足湯があってほしい。
(14)陳列の並びをかえてほしい、日替わり商品の展示。
(15)まゆを使って子供たちが作れる体験コーナーがあったらよい。
(16)道の駅の出入り口の考慮。
(17)店内を広く、品数を多く、お客さんが目を引くような商品があったらよい。
(18)豆腐作り、こんにゃく作りなどがあったらよい。
(19)シルクスカーフのデザイン数を増やしてほしい。若い人でも身に着けれるようなデザインを求め
る。
(20)店内を広くしてほしい。
(21)インフォメーションがほしい。お店の人に聞くのが申し訳ない。
(22)お菓子をばら売りにしてほしい。
(23)市町村の商品の取り扱いを増やしてほしい。
(24)休憩所がほしい。
(25)これ以上便利になって混雑してほしくない。現状で満足。
(26)シルクの表現や販売方法(PR)を改善するべき。
(27)シルク商品が高価で見るだけになってしまっている。
(28)値段が安いシャモの焼き鳥が食べれれば良い。
(29)川俣町の宣伝ビデオを流したらよいのではないか。
(30)手軽にできる民芸品への絵付けが体験したい。
(例:会津柳津赤べこへの絵付け)
(31)はたおり体験。川俣町の分かりやすい案内図。
(質問 17)シルクピアを含む道の駅全体について、施設・サービスなどで改善を希望する内容があり
ましたらご記入をお願いします。
(1)品揃えを増やしてほしい。
(2)店内を広くしてほしい、食べるところを増やしてほしい。
(3)狭い、二階の蕎麦屋の場所がわかりにくい。
(4)店内を広く、食べ物を増やしてほしい、蕎麦屋さんの値段が高いのでフードコートなだあってほし
い。
(5)駐車場の出入り口を分け,目印などを作ってほしい。
(6)食べる場所、シルクピア、会館、体験館を一体化にしてほしい。
(7)川俣シャモまつりと道の駅を連携しいてほしい。
6
(8)店内を広く、食べる所を増やしてほしい。
(9)お風呂があってほしい。
(10)駐車を広くしてほしい。
(11)店内を広く。
(12)清潔なトイレ、全体的に暗い、トイレと道の駅の通路に屋根がほしい、蕎麦屋さんがわかりにく
い、陳列が雑然としている、駐車場を広くわかりやすく。
(13)駐車場の整備。
(14)その場ならではの食べ物に心がひかれた。
(15)駐車場が混雑時に誘導係が必要。
(16)施設のまわりの環境設備。
(17)駐車場を広く。
(18)出入り口が狭い。
(19)売り場を広く、シルク商品をもっとおいてほしい、特に男性もの。
(20)店内を広く。
(21)店内を広く。
(22)くつろぎたい、二階へ行くエレベータがほしい。
(23)特産物の展示、食事、休憩スペースがほしい。
(24)袋詰めのサービス。
(25)店内の案内の表示。
(26)シルクピアとここらが同じ店であってほしい。
(27)店内全体がばらばらで利用しにくい。ごちゃごちゃしている。商品数と広さがあっていない。狭
い。
(28)食事場を増やしてほしい。
(狭い・小さい)
(29)道路から入りやすい構造にしてほしい。みんなが見てみたいと思う道の駅になってほしい。
(30)トイレがきれいではなかった。
(31)2 階そば屋への案内をわかりやすくしてほしい。
(32)無料休憩所の設置を希望
(33)2 階そば屋が混雑時、2 階ではなく1階で待つように言われたが、膝が悪いため苦痛となった。1
階にしてほしい。
(34)直売所で売っている野菜が線量検査済みのため購入している。良い。
(35)駐車場を改善してほしい。駐車しにくい。出にくい。
(36)シルクピア独自の商品があればよい。アピールもっとしてほしい。
(37)出入口が少ない。案内板が整備されていない。
(質問 18)シルクピア1階、2階での「商品の印象・おみやげ」について、何かご感想、ご意見、要
望などがありましたらご記入をお願いします。
(1)シルク商品の高級感を出してほしい、商品をプレゼント用に包んでもらえるか心配になった。
(2)シャモ料理の品物がほしい、シャモの値段が高い。
(3)レジの位置の工夫。
(4)商品の説明案内。
7
(5)シャモの値段が高い。
(6)新鮮な野菜を安く提供してほしい。
(7)店のバランスが悪い。
(8)蕎麦の味が薄い。
(9)絹の PR が下手だと思う、見せる仕掛けがたりない。
(10)時間的に品切れのものが多い。
(11)ごちゃごちゃしている。
(12)蕎麦の味はよかったが、エレベーターがなくふべんだった。
(13)蕎麦がすごくおいしかった、その場の飲食スペースを広く。
(14)食品のお土産はよい、店内を明るく、ディスプレイしたり、若い人でも買いたくなる様な物を置
いてほしい。
(15)手ごろで買える商品を増やしてほしい。
(16)シルク商品の値段が高い。
(17)お蕎麦がおいしいです、いつまでも続けてほしいです。
(18)展示物が少ない、大きな文字で表示してほしい。
(19)店内を広くしてほしい。
(20)商品の陳列をみて、シャモ以外の特産物を知ることができた。
(21)県外の人にとっては良いお土産であると思う。
(22)2 階そば屋の昼時に 40 分待ち・1 時間待ちは長すぎる。
(23)休憩所が使いにくい。
(24)陳列のセンスが悪い。もっと商品が生かされる陳列方法をするべき。
(25)段ボールが店内に置かれているのはやめた方が良い。フードコート形式で地元食材が食べれれば
良い。
(26)人気商品の在庫数を増やしてほしい。
(27)様々な人が興味を持つ工夫が必要。
(試食・くじ引き)
(28)和菓子のばら売りがほしい。近畿大学とシルクピアの関係が知りたい。
(29)シャモという名前に抵抗がある人がいることを知ってほしい、対応してほしい。
(川俣地鶏など)
(30)2 階そばがいまいちだった。
(31)通路が狭いためゆっくりとみることが出来なかった。これから改善の余地あり。
4.提案
以上の現状分析をふまえて、道の駅「川俣シルクピア」における食農観光資源の「新たな組み合わ
せと商品開発」による「経験価値の提供」の方策、産業振興について提案を行う。
①「銘品館シルクピア」の商品構成を食品(おみやげ、店舗販売)に限定する。2階の「手打ちそば」
は、店舗表示を再度見直し、主力メニューは2階以外の場所でも食べることができるようにする。
②「新たな施設」は、現在、
「銘品館シルクピア」
、
「織物展示館」
、
「からりこ館」の間の空間(画像参
8
照)を再整備しそこに設ける。
③「新たな施設」は道の駅川俣シルクピアのリニューアルの中核施設とし、東北で有数の川俣を体現
し、また町民の憩いの場、集客したい場所、誇れる場所となるように、
「かわまたアグリレストラン」
とする。
・シャモ肉を使った料理を手軽に食べることができる
・使用する食材は、できるだけ農産物直売所「ここら」より調達する
・シャモ肉商品を販売している「銘品館シルクピア」との連携を図る
・地元企業が製造・販売している食品のなか
で、レストランで使用できる材料はできる
だ
け活用し、この食材が使用されていること
を
表示(例:本日のメニュー表示の中に)す
る
・このレストランだけのオリジナルコーヒ
ーをブレンドし販売する
・手打ちそばを食べることができる
・
「ゆったりできる空間を演出したレストラ
ン」とする
・この施設は、バリアフリーとしトイレも用意
する
・季節の花を(花壇)用意する
・新たな雇用を生み出すことができる施設であるので、継続的な運営ができるように独創的な
メニュー開発、スタッフ教育、観光客との円滑なコミュニケーションなどに尽力し、
「経験価
値が創造できる店舗」になるようにする
・川俣町の食農観光資源の活性化を図るためのプラットフォームになるように、さまざまな独創的な
工夫をする。観光客が「お驚き、納得できる」施設を作り上げる
④「銘品館シルクピアのシルク展示販売」
、
「織物展示館」
、
「からりこ館」を再構成する。
「銘品館シル
クピアのシルク展示販売、おみやげ(食品以外)
」は、再構成の重要検討項目に含める。特に、
「か
らりこ館」は、
「織物展示館」との施設統合・機能連携を視野に施設の改善を早急に進める。
⑤道の駅「川俣シルクピア」の出入り口を大きくする。織物展示館側の駐車場も再整備する。
⑥町内の観光施設、イベント開催場所などの表示をわかりやすく図示する。
⑦この道の駅「川俣シルクピア」で新たなイベントを企画する。
⑧各施設間の移動がスムーズに行えるようにバリアフリーとし、また雨などで濡れないように屋根の
配置を考慮する。
⑨喫煙場所は、施設入り口や通路に設けない。
⑩道の駅「川俣シルクピア」の運営主体である「川俣町農業振興公社」は、以上の提案を実行するた
めにCSV(共通価値創造)の戦略的導入を図ることが必要であり、
「道の駅」の活性化には不可欠で
ある。CSVとは、マイケル・ポーターが提唱した「社会価値」と「企業価値」を両立させようとす
る経営の枠組みである。道の駅「川俣シルクピア」の運営主体である「川俣町農業振興公社」には、
このような考え方を導入し、地域経済の振興に寄与することがますます求められている。
9
注:Porter, M., M.Kramer( 2011)“Creating Shared Value: Redefining Capitalism and the Role of
the Corporation in Society”, Harvard Business Review, January and February 2011.(「共通価
値の戦略」『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー2011 年 6 月号』ダイヤモンド社)
10
図 経験価値創造による
経験価値創造による道の駅「川俣シルクピア」の機能統合強化
機能統合強化
11
図 CSVの戦略的導入による
CSVの戦略的導入による(株)川俣町農業振興公社の
公社の機能統合強化
12
第 1 回検討委員会
資料5
今後の進めについて
事前配布資料5
平成 27 年 5 月 26 日開催の委員会を「第 1 回 道の駅川俣活性化計画検討委員会」として、平成
28 年 3 月頃までに合計 6 回の検討委員会の開催を予定しています。各検討委員会において検討委員
会事務局より議論内容について資料の提供・素案等の提案を行ない、委員の皆様からご意見を頂き
ます。
また、
「道の駅川俣活性化計画」の策定を進めると同時に、道の駅に関わる人材の育成や、機能改
善策の実施は随時行なっていきます。
■ 「道の駅川俣活性化計画検討委員会」今後のスケジュール
開催時期
開催回数
予定内容
5月
第1回
7 月頃
第2回
・現状と課題についての報告、整理・分析
・道の駅川俣の機能拡充の方行性の検討
9 月頃
第3回
・道の駅川俣活性化計画の方行性の決定
11 月頃
第4回
・機能拡充計画の検討
・新たな利活用策の検討
1 月頃
第5回
3 月頃
第6回
・本事業の趣旨説明
・現状と課題についての現地調査及び意見交換
・道の駅川俣機能拡充計画の策定
・地域活性化計画の検討
・道の駅を核とした地域活性化計画の策定
・道の駅川俣活性化計画書の策定
■ 「道の駅川俣活性化計画」策定のスケジュール
項目
5月
検討委員会
1回
現状・課題
の整理・分析
道の駅川俣の機能
拡充計画の検討
道の駅川俣を拠点
とした地域活性化
計画の検討
人材の育成
改善策の実施
・・
7月
2回
・・
9月
3回
随時実施
p. 1
・・
11 月
4回
・・
1月
5回
・・
3月
6回
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