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自転車をうまく使いこなすために

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自転車をうまく使いこなすために
自転車をうまく使いこなすために
区では、平成24年10月1日から平成25年2月28日まで、区役所所有の自転車の利用状況を調査しまし
た。その結果、寒く厳しい時期にもかかわらず、多くの職員が自転車を利用しました。もし、この期間に自転車
で移動した距離と同じ距離を、乗用車を使用して走った場合と比較すると、二酸化炭素(CO₂)発生量が自転
車の約50倍、トラックや大型車を含む自動車全般との比較では66.3倍になる計算です。 自転車にはエアコンがなく、人も荷物も少ししか積めず、長い距離を早く移動するのも苦手ですが、季節を
感じながら健康的に身体を動かすさわやかさがあります。環境と健康を考えながら移動するためには、自動
車と自転車を必要に応じて上手に使いこなす工夫と、できるかぎり自転車を活用するという一人ひとりの選択
が必要です。 この冊子では、区役所職員の自転車利用の様子をさまざまな調査データで見ていくとともに、自転車を安全
で快適に利用する上で知っておきたいこと、気をつけたいことなどをまとめました。自転車を利用する区民の
皆さんに、これからも環境や健康に貢献する自転車利用を進めるため、参考にしていただければ幸いです。 自転車のCO₂発生量 (運転者の呼気に含まれる量) 1km当たり約3.5g
クルマ(自動車全般) のCO₂発生量 1km当たり 約232g
1年間なら地球を2周
できるかも?
2万8,686km
5ヶ月間の調査期間中に、世田谷
区の職員、延べ4,588人が自転
車で走った距離は
交通手段
これは地球一周4万kmの約
4分の3に相当する距離にな
ります。自転車は意外に遠く
電動アシスト自転車
まで走ることができ、とても
自動車全般
便利に使える都市にぴった
りの交通手段です。
自家用乗用車
二酸化炭素(CO₂)は製造
ハイブリッド車
や廃棄するときにも発生し
電気自動車
ますが、ここでは走行中の
飛行機
CO₂発生量を比べました。
もし世田谷区の職員が自
鉄道
転車でなく自動車を使ってい
徒歩
たら、右の大きな丸で示した
大きさのCO₂(約6.7t)を発生
する計算になります。
実際に自転車に乗っている間に
呼吸によって排出したCO₂の量を計
算しました。約100kgを同じ縮尺で示し
てみると、こんな小さな丸の大きさになります。
(2012/10月〜2013/2月調査)
自転車
km当たりCO₂
発生量
CO₂発生量 自転車との比較
3.5g/km
100.4 kg
1.0 倍
4g/km
232g/km
165g/km
76g/km
61.5g/km
110g/km
18g/km
13g/km
114.7 kg
6,655.2 kg
4,733.2 kg
2,180.1 kg
1,764.2 kg
3,155.5 kg
516.3 kg
372.9 kg
1.1 倍
66.3 倍
47.1 倍
21.7 倍
17.6 倍
31.4 倍
5.1 倍
3.7 倍
自転車にもスピードメーターがあ
ることをご存じでしたか?
電動アシスト自転車は高いけれ
ど大人気
自転車も車両の仲間なので、走行速度や走行距離
を計測する機材が用意されています。
もともとはサイクリングや自転車レースを楽しむマ
ニア向けでしたが、最近では2,000円程度で購入
でき、消費カロリーまで計算して表示してくれるもの
も登場しています。
最新型はクルマのナビゲーターと同じようにGPS衛
星からの信号をキャッチして、移動の情報をさまざま
なデータとして記憶したり、ペダルを漕いだ回数やそ
の早さなどを記録して専門的なトレーニングに役立
てたりできるようになっています。
今回、区役所の自転車の利用状況を調査するため
に使った機材は、前輪のスポークに小さな磁石を取
り付け、車輪を支えている部分にセンサーをセットし
て一定時間に何回磁石が通過するかを感知して速
度や距離を計算しています。
機械的に動作するわけではないので、負荷がなく、
ペダルが重くなることはありません。
ご自分の自転車がいっ
たいどのくらいの速度で
走っているのか、いつも
行くところまで何kmある
のかなどを知ることで、
ひょっとすると自転車の
楽しみ方が広がるかも
しれません。
区では、職員の業務のために自転車を38台、電動
アシスト自転車を11台、計49台の自転車を使って
います。今回、走行距離などを調査したのは自転車
だけですが、利用回数は全車について調べました。
保有台数
電動アシスト車; 22% 11台:38台
自転車; 78%
利用回数
電動アシスト車; 28% 1768回:4587回
自転車; 72%
電動アシスト車の保有割合は22%ですが、利用回
数は全体の28%もあり、人気の高さがわかります。
乗ってみると驚くほど楽で快適な電動アシスト車です
が、実はこぎ出しがスムーズですぐに安定した速度
に達するので、安全性も高いのです。
また、自転車はこぎ出しに力が必要なので、なるべ
く止まりたくないという心理が働き、曲がり角などでつ
いつい飛び出して事故を起こすことがとても多いこと
がわかっています。電動アシスト車は、こぎ出しが楽
なのだから、安全確認のために止まることを、習慣に
して欲しいものです。
自転車安全利用5則/自転車は、車道が原則、歩道は例外/車道は左側を通行/歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行
自転車をもっと上手に使うために 世田谷区職員に聞く「こうだったらいいな」
区では、「地球温暖化対策地域推進計画」に基づき、低炭素社会の実現をめざし、エネルギー消費の少ない自転車利用を促
進しています。区役所の環境に配慮した率先行動に参加した職員たちの感想や意見の一端をご紹介します。(回答者数:81)
問1、現在行っている「自転車利用促進事業」は、23
区で初めての取組みです。世田谷区が他自治体に
先駆けてこのような取組みを行うことに対して、どう
思いますか? 0 10 20 30 40 50 問4、今後、自転車に乗る頻度を増やしたいと思いま
すか?
0 10 20 30 40 50 60 増やしたい
評価できる 増やすつもりはない 特に必要とは思わない どちらでもない どちらでもない
問5、区職員が、自動車の代替手段として率先して
自転車を利用するためには、どんな取組みが効果的
だと思いますか?
その他
0 問2、走行距離やカロリー消費量などを測定できる
サイクルコンピューターが庁有自転車に搭載された
ことにより、自転車に乗ることに対する気持ちは変化
しましたか?
0 10 20 30 40 50 10 20 30 40 庶務担当課長会等庁内会議での周知
環境マネージャー等による職場内での周知
60 自転車利用を進める庁内でのルールづくり
今後も利用していきたい
その他
管理されているようで利用したくない
変わらない
その他
「速度が分かるようになり、スピードの出しすぎに注
意するようになって良かった」という意見がありました。
問3、以前と比べ、自転車に乗ることによって、体調
の変化はありましたか?
0 20 40 60 その他には電動アシスト車の増強(8件)、自転車
保険の加入(3件)、仕事先の支庁や各課専用車の
配備(2件ずつ)を求める声の他、走りやすい道路、
使いやすい自転車、庁有自動車を減らしたら、という
意見などもありました。
問6、区民の自転車利用を進めるために、区が優先
して取り組むべき施策は何だと思いますか?(複数
回答)
0 10 20 30 40 50 80 自転車レーン拡充などの道路整備
快調になってきた
駐輪場の整備
交通ルールに関する広報・啓発
悪くなった気がする
変わらない 地球温暖化対策として有効な交通手段であるとい う広報・啓発
その他
安全ルールを守る○飲酒運転・二人乗り・並進禁止○夜間点灯○信号遵守と一時停止・安全確認/子どもはヘルメットを着用
出会い頭事故を起こさない
ためには、歩道では「徐行」
(いつでも止まれる速度、警察庁資料では時速6〜7
km)し、歩行者を邪魔しそうなときには一時停止する
ことが必要です。道路交通法では、歩道での「歩行
者優先」を明確に規定しており、違反すれば「三月以
下の懲役又は五万円以下の罰金」(道路交通法第
百十九条)となっています。
しかし、法律どおりのゆっくりした速度では、ふらつ
いて危ないし、むしろ速く歩いた方が良いくらいで、
自転車を使う意味がないということになります。そこ
でクルマが通らない歩道を、そうとうな速度で歩行者
の間をすり抜け、安全確認をしないで交差点や曲が
り角に突入して事故に遭うケースがあとを絶ちませ
ん。
歩道は歩行者のための道です。裁判所は、歩行者
との事故の責任は100%自転車側にあるとして、裁
判を始める方針を明らかにしています。数百万から
数千万円もの損害賠償が言い渡され、人生が大きく
変わってしまうこともあるのです。
車道を自転車で走るのは怖いし、危険だと思うの
は当然です。現状では危ない道も少なくありません。
車道に自転車レーンなどを整備しようという動きが
全国各地で始まっています。安全で快適な自転車利
用を進めていくためにも、自転車は車両の仲間であ
ることを意識して安全運転を心がけましょう。
歩道は安心?
実は、「歩道」を
歩道が危険?なぜ?
走る自転車が、
交差点や曲がり角でクルマと出会い頭の事故を起こ
していることがわかってきました。
統計によると、自転車の事故は年間約14万件。そ
の8割以上がクルマとの事故です。最も多い事故は
「出会い頭事故」で、7割以上を占めています。事故
が起きている場所は、交差点や曲がり角が圧倒的で
す。このほとんどが車道を走る自転車ではなくて、歩
道を安心して走っている(法的には徐行することに
なっています)自転車が起こしているのです。
クルマのドライバーは、周囲のクルマとの衝突を第
一に注意する傾向があります。次に歩行者や自転車
に注意するのですが、いったん歩行者などを確認し
たあとで、もう一度クルマを確認して発進したり曲が
ろうとする短い時間に、自転車は歩行者の3、4倍の
スピードで移動するため、出会い頭事故が起きてし
まうのです。
歩道を通るときには、歩行者用の道を「借りている」
ことを意識して、気をつけて通ってください。すぐに止
まれる速度と歩行者優先が、歩道上で守らなければ
ならないルールです。車道を行く自転車より速い速
度で歩道を暴走したり、ベルを鳴らして歩行者に道を
ゆずってもらったりすることはやめましょう。
車道逆走や歩道の建物寄りは危険がいっぱい! 50.4倍
北海道札幌市の自転車走行ブルーレーン
1
1.1倍
1.1倍
23.1倍
3.1倍
出典:自転車事故発生状況の分析と事故防止のための交差点設計方法の検討
武田圭介・金子正洋・松本幸司 国土交通省国土技術政策総合研究所2008/11 車道を走る自転車は、いかにも危なく見えます。クルマも迷惑そうです。
しかし、実は自転車も立派な車両の仲間であり、車道の左側をクルマ
と同じように左側通行することが原則です。車道では決してクルマと反対の方向に走ってはいけません。重大事
故につながる確率は、順行走行に比べると50倍以上になるという調査結果(右上参照)もあります
最近では、車道の左端に自転車のための走行空間を色分けしたところ(左上写真参照)が増えてきました。ク
ルマのドライバーが、同じ車道を自転車が走るんだな、ということを認識しやすくする工夫も進んでいます。
車道を安全に走るには、クルマのドライバーに自転車の存在をしっかり認識してもらうことが大切です。明るい
派手な色の服を着て、少し暗くなったら存在を知らせる尾灯を点け、ヘルメットをかぶり、堂々と目立つようにまっ
すぐ走ってください。曲がったり、進路を変えるときには、よく後方を確認して安全を確かめてください。バックミ
ラーをうまく使いこなすと、自信を持って車道を走ることができるようになります。
自転車も生命を乗せて走っている車両なのだ、とわかれば、定期的に整備したり、保険をかけることが必要で
あると思うことができます。大人の真似をして不幸な事故に遭う子どもがいるかもしれません。子どもたちが見て
いる!ということも意識して、正しい運転を心がけましょう。
車道を安全に走るには
発行:世田谷区 環境総合対策室 環境計画課 〒154-8504 世田谷区世田谷4-21-27 TEL03-5432-2273 FAX03-5432-3062
調査・分析:(NPO)自転車活用推進研究会 〒166-0011 杉並区梅里2−6−3 TEL080-3918-2932 FAX03-6316-9170
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