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EMC SnapView統合モジュールを使用した SQL Server 2000の
B a c k u p S o l u t i o n EMC SnapView統合モジュールを使用した SQL Server 2000の自動オンライン・バックアップ EMCの「SnapView」は、スナップショット技術を用いることで、 業務を停止させることなくデータのバックアップおよびリストアを遂行できるバックアップ・ソフトである。 EMCはこのほど、データベース・ソフトの代表格とも言えるマイクロソフトの「SQL Server」向けに、 SnapViewの統合モジュール「SIMS」を開発した。本稿では、SIMSを用いて 「SQL Server 2000」データベースのオンライン・バックアップ処理を自動化する方法を解説する。 文=アナンダ ・サンカラン、ケビン・グイン SQL Serverの仮想デバイス・インタフェース ※日本では、本稿で紹介しているSIMSで実現する連携と同様の仕 組みを、より確実かつ容易に構築するためのアプリケーションと して、EMCの「 Replication Manager/Local」、もしくは 「Replication Manager SE」の利用を提案している。本稿では、 SnapViewとSQL Serverとの連携についてご理解いただきたい。 データベース全体を対象とした完全バックアップか、ファイル単位 (またはファイル・グループ単位) のバックアップのみとなる。 そこで、 スナップショット・バックアップを実行する際は、データベースの差 バックアップ処理の効率化を図ろうとすると、多くの場合、 「デ 分バックアップ、ファイルの差分バックアップ、 トランザクション・ロ ータベース・ボリュームのバックアップ/リストア時間をいかに短縮 グのバックアップのいずれかを組み合わせて利用し、障害発生 するか」 という難題に直面する。この解決法として一般的に使わ 時にはデータベースを特定の時点に復元することになる。 れているのがスナップショットだ。これは、ソース・ボリュームの「あ ハードウェア・ベースのスナップショット・バックアップが有する利 る時点での状態」 をコピーし、バックアップ・データとして保管する 点としては、次のようなものがある。まず、バックアップ/リストア 技術である。BCV(Business Continuance Volume)やクローンも の処理速度が飛躍的に向上すること、そして、業務にまったく支 スナップショットの一種で、これによりデータの完全な複製を作る 障を来さないかたちでバックアップを実行できることだ。スナップ ことができる。 ショットの活用により、非常に可用性の高いデータベース・システ EMCの「SnapView」は、スナップショットを素早く作成できるソ フトウェアで、その特徴の1つは複製の作成中にデータベースを 停止させる必要がないことだ。 このSnapViewの統合モジュールである「SIMS」は、EMCが 「SQL Server」向けに提供しているツールである。業務ホスト上の ムを実現できるのである。 通常、サードパーティ製のバックアップ・ソフトウェアには、VDI経 由でSQL Serverと通信する「スナップショット・プロバイダ」が含ま れている。これは、キャプチャするボリューム上のデータベース・フ ァイルをほぼ瞬時にコピーするソフトウェアである。 データベース・ボリュームを自動的に固定することで、静止した状 スナップショット・プロバイダとSQL Serverは、VDI経由で通信 態のデータ・イメージを作成し、それをバックアップ用ホストに保存 しながら、最初にバックアップ・データセットのメタデータをバックア することができる。 「SQL Server 2000」の仮想デバイス・インタフェ ップ・ソフトウェアにキャプチャさせる。次に、スナップショットが取 ース (VDI) を使用し、SnapViewで作成した「Dell|EMC CXシリ 得される。これらのデータをバックアップするときは、まずバックア ーズ」ストレージ・アレイ上のスナップショットを管理する。 ップ・ソフトウェアが VDIの API( Application Programming SQL Server 2000のVDIは、高性能なバックアップ・インタフェー スである。VDIを使えば、サードパーティ製のバックアップ・ソリュー Interface)に対してバックアップ・コマンドを発 行する。すると、 SQL ServerはVDIを通してバックアップ・ソフトウェアにバックアッ ションとSQL Serverとの連携が可能になるため、同ソリューション プ・データセットのメタデータを渡す。ただし、SQL Serverはこのと からオンライン・データを素早くバックアップすることができる。VDI き、バックアップ・データそのもの(データおよびログ・ファイル) は渡 によってバックアップ性能が向上し、リストアの所要時間が短縮 さない。なぜなら、実際のデータおよびログ・ファイルがすでにデ されるだけでなく、業務へのオーバーヘッドも最小限に抑えられ ータベース・ボリュームのスナップショットに含まれているためだ。バ るのである。 VDIは、従来と同様のオンライン・バックアップと、スナップショッ ト・バックアップの2種類のバックアップ方法をサポートしている。 ックアップ・データセットのメタデータは、スナップショットからデータ ベースそのものをリストアする際に必要となる。 スナップショットの実行時間とは、SQL Serverがスナップショッ 前者を選択した場合は、SQL Serverがサポートするバックアッ ト・プロバイダにスナップショット・コマンドを発行してからスナップシ プ/リストア機能をすべて利用できる。一方、後者はストレージ・ ョット・プロバイダが適切な結果を出力するまでの時間を指すが、 メーカーのスナップショット技術(スプリット・ミラー方式、またはコピ この実行時間中はキャプチャ対象となるデータベース・ファイルへ ー・オン・ライト方式) に基づいて実行されるため、利用できるのは、 の書き込みが保留される。したがって、スナップショット・プロバイダ 1 4 POWER SOLUTIONS J a n u a r y 2 0 0 6 B a c k u p は、スナップショット処理を迅速に終わらせ、SQL Serverの業務に S o l u t i o n 図1:SQL ServerとVDI、バックアップ・ソリューションの相関図 支障を来さないようにしなければならない。そのためスナップショッ ト・プロバイダは、処理が終了次第、その旨をSQL Serverに通知 し、SQL Serverがデータベース・ファイルへの書き込みを再開でき SQL Serverデータ およびログ・ボリューム VDI (仮想バックアップ・デバイス) るようにする。また同時に、スナップショットの整合性を保持する。 上述したように、VDIは、サードパーティ製のバックアップ・ソリュ EMC SIMS ーションとSQL Serverとのインタフェースの役割を果たし、バックア ップ・ソリューションがSQL Serverの仮想バックアップ・デバイスと サードパーティ製 バックアップ・ ソリューション して動作できるようにするものだ(図1)。バックアップ処理におい て、SQL Serverはこの仮想バックアップ・デバイスにデータを書き Dell|EMC CXシリーズの ストレージ・アレイ (スナップショット、 またはクローン) 込み、リストア処理ではこのデバイスからデータを読み込む。バッ クアップ・ジョブを実行するときは、スナップショット・プロバイダが VDI経由でデータ・ストリームを受け取り、データベースのバックア ップ処 理を行う。一 方 、リストア・ジョブを実 行するときは、SQL 得後に更新された部分のディスク・ブロックのみということになる。 Serverがスナップショット・プロバイダからVDIストリームを受け取っ コピー・オン・ライト方式のスナップショットはスプリット・ミラー方式 てデータベースを復元する。こうしてVDIは、オーバーヘッドを最 ほど高速ではないが、ハードウェアを別途追加する必要がないう 小限に抑えながら、SQL Serverとスナップショット・プロバイダ間で え、利用するディスク領域も最小限で済むため、ストレージの容量 データを高速に転送するのである。 面での負担が小さくなる。 スナップショット技術――スプリット・ミラーとコピー・オン・ライト ト・オン・コピー方式のスナップショットを作成するには、SnapView なお、Dell|EMC CXシリーズのストレージ・アレイ製品上でライ 一般に、 VDI経由のスナップショット技術を提供するメーカーは、 の製品パッケージが別途必要となる。 スプリット・ミラーとコピー・オン・ライトという2種類の方法をサポート している。 SQL Server向けの統合モジュール「SIMS」 ●スプリット・ミラー方式 ストレージのミラーリング機能を利用して、オリジナルのデータベ 上 述したとおり、SIMSは、EMCのSnapViewとSQL Server ース・ボリュームとまったく同一のコピーを作る方式。この種のスナ 2000のVDIにより、SQL Serverデータベースのスナップショットを作 ップショットは、一般にBCV、またはクローンと呼ばれる。この方式 成するために開発された統合モジュールである。Dell|EMC CX では、 ミラー・イメージの一方を凍結してこれ以上更新されないよ シリーズのストレージ・アレイに保存されているSQL Serverのデー うにするものの、もう一方のミラー・イメージはオンライン状態のま タであれば、SIMSを使用することでオンライン・バックアップを取 まにしておくので、こちら側は引き続き更新可能となる。このよう 得できるようになる。こうして取得したデータベースのコピーは、ハ に、 ミラーの分割(スプリット) によって取得されたスナップショットと ードディスクやテープ・デバイスにバックアップとして保存できる。 メタデータがデータベースのバックアップとなる。このときのメタデ さらに、SIMSを利用すれば、一連のバックアップ処理の間もサ ータとはスナップショットの内容を記述したデータのことで、SQL ーバを停止する必要はなく、オンライン状態のまま使い続けるこ Serverの側で作成する。スプリット・ミラー方式では、スナップショ とができる。これに対し、通常のバックアップ・ソリューションでは、 ットからデータベース全体をリストアする際の所要時間が大幅に SQL Serverをバックアップ・モードに変更した後、そのモードを長 短縮されるが、 ミラー用のディスクを設置しなければならないため、 時間にわたって維持しなければならない。バックアップするファイ その分コストがかかる。 ルのサイズにもよるが、場合によっては数時間に及ぶことさえあ なお、Dell|EMC CXシリーズのストレージ・アレイ製 品 上で る。一方、SIMSを使用すれば、SQL Serverをバックアップ・モー BCVを作成するには、SnapViewの製品パッケージとSnapViewク ドに維持しておく時間は、SnapViewがスナップショット処理を実 ローン・プロバイダが別途必要となる。 行 する間 のわ ずか数 秒 間 で済む 。この方 法 であれ ば 、SQL Serverをほぼ通常の稼働モードに保つことができる。 ●コピー・オン・ライト方式 その名のとおり、書き込み(ライト)処理が行われるたびにキャ また、SQL Serverのホスト側ではデータを移動させてバックアッ プする処理が発生しないため、オーバーヘッドが最小限に抑えら プチャ時の元データ (変更前のデータ) をコピーしていく技術であ れる。というのも、Dell|EMC CXシリーズのストレージ・アレイが、 る。この方式では、スナップショットの取得後、元のデータベース ホストの代わりにこの処理を行うからだ。これにより、たとえバック が更新されるたびに、その部分のディスク・ブロックが更新前の状 アップ中でもホストは通常の稼働を継続することができる。 態で保存されていく。スナップショットとデータベースはディスク・ブ ロックの大半を共有するが、共有されないのはスナップショット取 SIMSがサポートする3種類のバックアップ・ジョブは以下のとお りである。 POWER SOLUTIONS J a n u a r y 2 0 0 6 15 B a c k u p S o l u t i o n 成されたスナップショットについては、バックアップ用のセカンダ 図2:SIMSを使ったバックアップ データ 業務用 SQL Server ホスト SIMS ログ バックアップ用 セカンダリ・ ホスト SIMS リ・ホストを使ってディスクにバックアップすることもできるし、サード パーティ製のテープ・バックアップ・ソリューションを通じてテープに バックアップすることもできる (図2)。このジョブ・タイプの場合、あ る時点でのコピーを取得した後は、データに加えられた変更部分 のみをバックアップしていくため、ディスク容量は最小限で済む。 スナップショット、 スナップショット、 またはクローン またはクローン バックアップ中、SIMSはSQL Serverのチェックを行い、VDI処 理を開始してホストのファイルシステムをフラッシュする。このVDI Dell|EMC CXシリーズの ストレージ・アレイ ディスク・バックアップ用 ストレージ 処理のプロセスでは、まず、データベースにロックをかけて書き込 テープ・ バックアップ・ システム みが行えないようにし、バックアップ用のメタデータを作成する。 そして、SIMSがストレージ・アレイ上ですべてのスナップショット処 理を終わらせれば処理は完了となる。 こうしてデータベース・データの一貫したイメージが取り込まれた スナップショットに対しては、バックアップ用セカンダリ・ホストからア 表1:SQL Serverの業務用ホストに必要なソフトウェア クセスできるので、ディスクに保存することもできるし、サードパー コンポーネント バージョン ティ製のテープ・バックアップ・ソリューションを通じてテープに保存 SQL Server 2000 Service Pack 3 することも可能だ。 EMC PowerPathソフトウェア(推奨) 3.0.6 EMC Navisphereホスト・エージェント 6.6.0.3.8 EMC SIMS 1.00 EMC SnapView admsnapユーティリティ 2.3.0.0.9 このジョブ・タイプ の 場 合 、S I M Sは 、事 前 に 作 成 済 み の EMC Navisphereコマンドライン・インタフェース(CLI) 6.6.0.3.8 SnapViewクローンをバックアップ処理に利用する。SIMSは、業務 Java 2 Runtime Environment(J2RE) 1.4.2_04 ●「BCV」ジョブ・タイプ 用ホストにマウントされたデータベース・ソースのLUNのクローンを 最新データに同期させる。これらのクローンは、各データベース・ 表2:バックアップ用のセカンダリ・ホストに必要なソフトウェア コンポーネント バージョン EMC PowerPathソフトウェア 3.0.6 EMC Navisphereホスト・エージェント 6.6.0.3.8 EMC SIMS 1.00 ソースのLUNの完全なコピーとなるため、これを利用すれば、バ ックアップ用セカンダリ・ホスト上でデータベースを素早く復元する ことができる。 具体的には、SIMSはバックアップ中、SQL Serverをチェックし、 EMC SnapView admsnapユーティリティ 2.3.0.0.9 クローンの同期をとる。そして、VDI処理を開始し、データベース EMC Navisphere CLI 6.6.0.3.8 をチェックしてデータベース・ファイルをフラッシュする。次にSIMS J2RE 1.4.2_04 は、ストレージ・アレイ上のクローンLUNを分割(ミラーリングしたク テープ・バックアップ・ソフトウェア(推奨) サポート対象のテープ・バックア ップ・アプリケーションであれば いずれも可 ローンLUNをスプリット) し、VDI処理のプロセスを終了する。 こうしてデータベースのデータが取り込まれたクローンには、バ ックアップ用のセカンダリ・ホストからアクセスできるので、ディスク 表3:Dell|EMC CXシリーズのストレージ・アレイ製品に必要なソフトウェア に保存することもできるし、サードパーティ製のテープ・バックアッ コンポーネント バージョン プ・ソリューションを通じてテープに保存することもできる。 EMC FLAREオペレーティング環境 02.06.x00.5.01x EMC Navisphereソフトウェア 6.6.0.3.18 EMC Access Logixソフトウェア 01.01.5.001 EMC SnapViewソフトウェア 02.03.5.004 EMC SnapViewクローン・プロバイダ 6.6.0.3.6 EMC Navisphere CLIプロバイダ 6.6.0.3.1 のクローンからスナップショットを取得し、それをアクティブにする点 EMC Navisphere管理サーバ 6.6.0.5.0 である。このクローンを使えば素早く復元でき、さらにはスナップシ EMC Navisphere Manager GUI(推奨) 6.6.0.3.6 ョットをディスクにバックアップすることも、サードパーティ製のテー EMC SnapView GUI(推奨) 6.6.0.4.1 ●「BCV-SV」ジョブ・タイプ スナップショット・ボリュームとBCVの混合型ジョブ・タイプである。 BCVジョブ・タイプと似ているが、唯一異なるのは、SIMSがLUN プ・バックアップ・システムを通じてテープに保存することも可能 だ。つまり、このジョブ・タイプを使えば、データベース・データの完 ●「スナップショット・ボリューム(SV) 」ジョブ・タイプ 全なコピーと、ある時点でのコピーの両方を取得できるのである。 このジョブ・タイプでは、SIMSがバックアップ処 理 用にSnap Viewのスナップショットを作成する。まず、SIMSは、ホストにマウン SIMSのシステム要件 トされたSQL Serverデータベース・ソースのLUN(論理ディスク・ユ SIMSは、ホストやストレージ・アレイ上にある他のEMCソフトウェ ニット)からスナップショットを作成し、それをアクティブにする。作 ア・コンポーネントとの間で通信を行う。こうした情報のやり取りを 1 6 POWER SOLUTIONS J a n u a r y 2 0 0 6 B a c k u p 通して、SIMSは、Dell|EMC CXシリーズのス S o l u t i o n 図3:SIMSを使った統合バックアップ構成 トレージ・アレイ上にあるスナップショットとクロー 業務用のSQL Server 2000ホスト (PowerEdge 1750) バックアップ用セカンダリ・ホスト (PowerEdge 1650) ・Windows Server 2003 ・SQL Server 2000 ・EMC SIMS ・EMC SnapView admsnap ・EMC Navisphere CL I ・EMC Navisphereホスト・エージェント ・Windows Server 2003 ・EMC SIMS ・EMC SnapView admsnap ・EMC Navisphere CL I ・EMC Navisphereホスト・エージェント ンを管理し、ホスト上にあるSQL Server 2000の データベース・ボリュームを静止状態にする。そ して、そのボリュームの一貫したイメージをバッ クアップ用ホストに提供するのである。 表1∼3は、本稿執筆にあたって検証を行っ た(2004年5月) ソフトウェア・コンポーネントであ る。それぞれ、SQL Serverホスト (表1)、バック アップ用セカンダリ・ホスト (表2)、Dell|EMC CXシリーズのストレージ・アレイ製品(表3)のデ ータをまとめている。SIMSを用いたSQL Server McDATA Sphereon 4500 ファブリック・スイッチ McDATA Sphereon 4500 ファブリック・スイッチ 2000のバックアップ・ソリューションを実装するに は、ここに示したバージョンのソフトウェア・コンポ ーネントが基本的に必要となる。 SQL Server 2000の 統合オンライン・バックアップ環境 図 3に、Dell|EMCストレージ・アレイ上 で 業務用データベースのLUNとスナップショット またはクローン (Dell|EMC CX500) ・EMC SnapView ・EMC SnapViewクローン・プロバイダ ディスクにバックアップされたLUN (Dell|EMC CX300) 注:CX500には両方のホストからアクセスできるが、CX300にアクセスできるのはバックアップ用セカンダリ・ ホストのみである。このアクセス制御には、 ファイバ・チャネル・スイッチのゾーニング(ゾーン分け機能) を 利用している。 SQL Server 2000のオンライン・バックアップを可 能にする構成の例を示す。この例では、管理 者がバックアップ用のセカンダリ・ホスト上でバックアップ・ジョブを トやクローンを管理することができるため、SQL Server 2000デー スケジューリングする (ジョブ・タイプはSV、またはBCV)。 タベースではオンライン・バックアップを継続的に実行可能だ。加 スケジューリングされたジョブをSIMSが実行するときは、ホスト えて、SIMSは「業務データを静止状態にし、そこから一貫したデ 上のSQL ServerとVDI経由で通信する。すると、SQL Serverは ータ・イメージを作成して、バックアップ用セカンダリ・ホストに提供 オンライン・バックアップ・モードに入り、SIMSが(ジョブ・タイプに応 する」という一連の処理を自動化するので、オンライン・バックア じて) スナップショット処理あるいはクローン処理を完了するまで ップをシンプルなかたちで実行することができる。 待機する。SIMSは、Dell|EMCストレージ・アレイ上でスナップシ こうしてデータを受け取ったバックアップ用ホストは、ディスクに ョット/クローン処 理を実 行し、それが終わりしだい、その旨を バックアップすることも、また、サードパーティ製アプリケーション・ソ VDI経由でSQL Serverに伝える。バックアップ処理の完了通知 フトウェアを使ってテープにバックアップすることもできる。以上の を受け取ると、SQL Serverは通常の稼働を再開する (通常の稼 ようにSIMSを活用すれば、システム運用とバックアップ管理の両 働状態に戻るまでに、ほんの数秒しかかからない)。 方を効率化することが可能である。 こうしてデータベースのデータから作成されたスナップショットや クローンは、バックアップ用のセカンダリ・ホストからアクセスできる ※本稿で紹介しているシステム環境のバージョンは、最新版にアップデートされている。最 新の認定構成については、別途営業まで確認のこと。 ようになる。管理者は、別のストレージ・アレイ上のディスクにバッ クアップしてもよいし、サードパーティ製のテープ・バックアップ・ソ リューションを利用してもよい。 シンプルで信頼性の高い データベース・バックアップ・システム デルの「PowerEdge」サーバ、Dell|EMCストレージ・アレイ、デ ルの「PowerVault」テープ・ライブラリなどに代表される標準的な ハードウェアとSIMSとを組み合わせれば、シンプルで高い信頼 性を備えるデータベース・バックアップ・システムの構築が可能で ある。 上述したとおり、 SnapViewの統合モジュールであるSIMSは、 SQL Server 2000のVDIと通信しながら、Dell|EMC CXシリーズ のストレージ・アレイ上にある、SnapViewで作成したスナップショッ アナンダ・サンカラン デルの高可用性クラスタ開発グループに所属するシステム・エンジニア。現在、ストレー ジ・システム、アプリケーション性能、ビジネスの連続運用、クラスタ管理などを含む高可 用性クラスタリング分野に携わっている。米国テキサス農工大で、コンピュータ科学の修 士号を取得。 ケビン・グイン デルの高可用性クラスタ開発グループに所属するシステム・エンジニア。現在、ストレー ジ管理やビジネスの連続運用に関する業務に従事している。米国テキサス大学オースチ ン校で機械工学の学士号を取得しているほか、マイクロソフト認定システム・エンジニア (MCSE)の資格も有する。 【詳細情報】 EMC SnapView http://emc.com/products/software/snapview2.jsp SQL Server http://www.microsoft.com/sql SQL Severの可用性 http://www.microsoft.com/sql/evaluation/features/maximize.asp http://www.microsoft.com/sql/evaluation/features/reliable.asp POWER SOLUTIONS J a n u a r y 2 0 0 6 17