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バスケットボールの授業における三年間の体系的な

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バスケットボールの授業における三年間の体系的な
茨城県教育委員会
学校体育研究推進校
『バスケットボールの授業における三年間の体系的な指導法の研究』
茨城県立竜ヶ崎第一高等学校
Ⅰ
研究の概要
1
研究主題
新学習指導要領に則り,バスケットボールを学年毎に段階を追って指導するために,
生徒達の個人技能や集団技能を高める効果的な体系的指導方法を確立する。
2
主題設定の理由
本校では,男女共にバスケットボールを第1学年から第3学年まで行っている。また,
毎年行われる球技会の種目にもなっており,生徒達にとって関心の高い種目である。し
かし,3年間継続して単元に取り組んでも,パスやドリブル,シュートといった個人技
能が定着していない生徒や,集団技能について理解していない生徒が見受けられた。そ
のため,授業で行うリーグ戦で,本来のバスケットボールの楽しみを感じることのでき
ない生徒が見られた。さらに,新学習指導要領の中で指導内容の明確化や体系化をうけ,
今回の研究では,3学年を通して段階的に個人技能や集団技能を身に付けさせる体系的
な指導方法について研究することを試みた。
3
研究のねらい
バスケットボールの個人技能や集団技能の中で,特に生徒に身に付けさせたい内容を
明確にし,体系的に技能の習得を考えた単元計画を作成することで,バスケットボール
を専門としない教員でも魅力ある授業を展開でき,生徒達の運動技能が向上することを
ねらいとして研究を行った。
4
研究の仮説
バスケットボールの個人技能や集団技能を段階的に整理し,学年を追って練習内容を
組み立てることで,生徒達の運動技能の向上がスムーズに進むのではないか。
Ⅱ
研究の実践
(1) 学年における技能目標
① 第1学年ではスキルテストを用いて基本技術の習得を目指す。
② 第2学年では基本技能の定着と集団技能(チームプレー)の習得を目指す。オフェ
ンス,ディフェンスの意識を持ちながら,2~5人のミニゲームを効果的に出来るまで
高める。
③第3学年では多くの戦術を習得させる。学習カードを用いて具体的な戦術(マンツ
ーマンディフェンス,ゾーンディフェンスなど)を指導し,それを生徒が自ら実践し
楽しむことのできる力を身に付けさせる。
◎学年に応じたルールを理解させる。
(2)授業計画
①
指導と評価の計画
指導と評価の計画(第1学年)
時間
1
2
3
4
種
目
)
ボール
ハンド
リング
ク
(
ョ
ン
内
容
6
7
8
9
10
11
12
13
14
スキルチェック(4種目)【ルーティーン・ドリルズ】
パス&ラン/スクリーン
シュート
ドリブル
パス
ゲーム
基本練習Ⅰ
基本練習Ⅱ
基本練習Ⅲ
リーグ戦
(個人戦術の習得)
(グループ戦術の習得)
(チーム戦術の習得)
ハーフコート
2on2
2Men
ドリブル
ハーフコート
シュート
1on1
2on1
3on2
基本
ゲーム
シュート
(リーグ戦)
簡易ゲーム
課題発見ゲーム
ス
キ
ル
チ
ェッ
ー
オ
リ
Dエ
V ン
D テ
鑑
賞シ
の
説
明
4
5
アンケート
導入(2時間)
時間
1
導
入
2
3
4
展
開
Ⅰ
5
6
展開Ⅰ(4時間)
学習のねらいと活動
まとめ
展開Ⅱ(4時間)
アンケート
まとめ(4時間)
学習活動における具体の評価規準
思考・判断
運動の技能
知識・理解
関心・意欲・態度
バスケットボール スキルチェックか
ボールの中心をと バスケットボール
○オリエンテーション
・バスケットボール世界選手権のDVDを鑑賞することに の特性に触れ,仲 ら,自分の課題を見 らえて,ボール保持 の特性に応じた技
間と積極的にかか つけ出し,練習方法 を失うことなく扱うこ 術の構造や基本的
より,競技の特性を理解し,学習の見通しを持つ。
わりながら楽しもう を工夫している。
とができる。
なルールについて,
・授業の約束事を確認する。
とする。
言ったり書きだした
○スキルチェック
りしている。
・内容を理解しスムーズに行なえるようする。
○実態把握アンケートの実施
○基礎的技能(ボールハンドリング)を身につける
用具や服装,練習 学習したことをもと ミートする動きの
基本動作や技能
○個人技能(個人戦術)を身につける
・シュート・ドリブル・パス・ボールハンドリング(4ス 場所を確認し危険 に,チームや自分 なかで,確実にボー の構造・合理的な
キル)の実践を通して基本的動作の重要性を理解 回避に努め,自己 の課題を解決する ルをコントロールし 練習方法につい
の健康・安全に留 ために適切な練習 シュートにつなげる て,説明したり,話
し,個人技能を習得する。
意し運動しようとす をしている。
ことができる。
し合っている。
Ⅰシュート力の向上
る。
(ドリブルシュート,セットシュート,ドリブルジャンプシュート)
自分を客観視して ディフェンスの
パスをしたあと適 ルールや審判法
1.2Menシュート
フォームの改善を 様々な状況に応じ 切なスペースに走 について,具体例を
①オールコート2Menパスからランニング
行なうなどして,基 たシュートやドリブ ることができ,攻め 挙げて言ったり,書
②2Men連続シュート
本技能の向上を図 ルの技術を使って ることができる。
き出したりしてい
Ⅱドリブルでボールをキープする
ろうとする。
いる。
る。
Ⅲドリブルでディフェンスを破る
相手の変化に気
基本的技能の習
ドリブルでディフェ ゲームの分析に
2.ドリブル1on1
づき積極的に助言 得に向け,仲間の ンスを突破し攻撃 ついて話し合ったり
①サークル・ドリブル・キープ
したり,協力し合い 助言に耳を傾け練 することができる。 書き出している。
②ジグザグ・ドリブル1on1
ェッ
ながら練習やゲー 習方法を工夫して
ス ○簡易ゲーム
ムをしようとする。 いる。
キ
ル ○個人技能を最大限発揮しチームプレイに活か チームプレイを意 グループや個人 スクリーンプレイ セルフジャッジす
識して,互いに協力 の能力に応じた課 などのチームプレイ るなかで,バイオ
7 チ す。
(
ク
展 8
開
4
Ⅱ 9
種
目
)
10
11
ま 12
と
め
13
14
・仲間と動きを連動させ,的確な状況判断を行い
プレイする。そして,チーム全員がシュートを打つ
ことを目標とする。
Ⅰ攻撃のきっかけをつくる
1.ハーフコート2on1・2on2
・パス&ランを使って味方のスペースをつくる
・インサイドスクリーンを使って味方を活かす
Ⅱ数的優位な状態を活かして攻撃する
2.ハーフコート3on2
して練習や試合をし 題を設定している。 によりアウトナン
レーションやファー
ようとする。
バーの状態をつくり ルなどをコールして
だせる。
いる。
○仲間と協力して円滑にゲームを運営させる。
1.リーグ戦
各クラス6名のチームを4チームつくる。
※2クラス合併(48名)の場合,合計8チーム
となる。
仲間と協力して
チームの課題解
ゲームを円滑に運 決に向け,作戦や
営ようとする。
戦術を工夫してい
る。
自分の役割や責
任を理解し,積極的
にプレイしようとす
る。
アウトナンバーの
ディフェンスの
様々な状況に応じ 状態を活かして
て,オフェンスの方 シュートできる。
法を考案しようとし
ている。
プレイのタイミング
などについて,言っ
たり,話し合ったり
している。
ゲームのなかで, ルールやマナー
状況に応じた個人 や審判法につい
技能が使える。
て,説明したり教え
たりしている。
ルールやマナーを 相手チームに応じ 速い展開のなか
自チームの特性
守り,公正な態度で た作戦を立てゲー で,状況にあったプ に合った戦術を考
取り組もうとする。 ムを行っている。
レイが選択できる。 案し,ゲームに生か
そうと話したり説明
したりしている。
指導と評価の計画(第2学年)
時間
1
2
3
ョ
シ
ン
ー
ボ
3Men
クリスクロス
クリスクロス
2on1
導入(2時間)
時間
3Men
ウイーブ・プレイ
課題発見ゲーム
3on3
展開Ⅰ(4時間)
○オリエンテーション
・学習のねらいや進め方を知る。
1 ・授業の約束事を確認する。
導
入
12
13
14
ゲーム
リーグ戦
(チーム戦術の習得)
ゲーム
(リーグ戦)
アンケート
まとめ(4時間)
学習活動における具体の評価規準
思考・判断
運動の技能
知識・理解
関心・意欲・態度
仲間と積極的に
スキルチェックか
ボールの中心を
バスケットボール
かかわりながら楽し ら,自分の課題を見 捉えて,確実にボー の技術やルールに
もうとする。
つけ出し,練習方法 ルをコントロールで ついて言ったり説明
を工夫している。
きる。
したりしている。
・チームづくり
○スキルチェック
・内容を理解しスムーズに行なえるようにする。
2
○基礎的技能「ボールを使った動きづくり」
・1年次に行った種目にバスケットボール的な動きを加える。
健康・安全に留意 バディーが息を合 数的優位の状態
クリスクロスの動
○バスケットボール的な動きⅠ
し運動しようとす
わせて,決められた を活かし,シュート きについて,バ
「アウトナンバーの状態での攻撃」
3
・特有の動きを覚えると同時に,数的優位な状態を活かして攻撃する。
○バスケットボール的な動きⅡ
「攻撃のきっかけをつくる動き」
5
・特有の動きを覚えると同時に,互いのスペースを使いあって攻撃する。
【シュート練習2】
ェッ
ス ・センターラインからウイーブの動きを使って~
キ 【課題発見ゲーム】
6
ル ・ハーフコート3on3(ピックアップ・ゲーム)
チ
7
(
ク
・決められたスペースの中で,空いているスペースに走ってプレイする。
3.ハーフコート4on3
4.ハーフコート5on5(ピックアップ・ゲーム)
○仲間と協力して円滑にゲームを運営させる。
14
練習やゲームで
学習したことをもと ドリブルによって
自分の役割を果た に,チームや自分 チャンスをつくり出
そうとする。
に適した課題を設 しオープンの仲間を
定している。
見つけることができ
る。
ディーと話し合った
り,教え合ったりし
ている。
互いのシュート
フォームやパスのタ
イミングなどについ
て説明したりアドバ
イスし合ったりてい
る。
ボールを持った選 他の選手の動き
適切なポジション プレイしながら,
手のプレイを生か を見ながら,適切な にとどまったり移動 互いのポジションに
・仲間と動きを連動させ,的確な状況判断を行いプレイする。 すための動きをしよ ポジションに移動し する動きができる。 ついて話し合ったり
うとする。
てプレイしている。
している。
1.ハーフコート5on0(サポートプレイ)
)
の
10 実
施
ま 12
と
め
13
動きができている。 やパスができる。
○バスケットボール的な動きⅢ
「ボールを保持している選手に合わせた動き」
8 4 2.ハーフコート4on4(ピックアップ・ゲーム)
展
種 ○バスケットボール的な動きⅣ
開
Ⅱ 9 目 「空いているスペースに動く」
11
る。
【シュート練習1】
・エンドラインからクリスクロスの動きを使って~
【クリスクロス~2on1】
・サイドラインからクリスクロスの動きを使って~
4
展
開
Ⅰ
ピックアップ・ゲーム
4on4
5on5
まとめ
展開Ⅱ(4時間)
ピックアップゲーム
学習のねらいと活動
11
ウイング・ドライブから
4on0
4on4
ダミーディフェンス
動
き
づ
く
り
)
ル
ハ
ン
ド
リ
ン
グ
ル
ハ
ン
ド
リ
ン
グ
(
内
容
4
5
6
7
8
9
10
スキルチェック(4種目)【ルーティーン・ドリルズ】
クリスクロス
ウイーブ
サポート・プレイ
バスケットボール的な動きⅠ
バスケットボール的な動きⅡ
<グループ戦術の習得Ⅰ>
(グループ戦術の習得Ⅱ)
ボ
ー
ー
オ
リ
エ
ン
テ
練習やピックアッ
パスをしたあと、
プゲームで仲間と 空いたスペースに
協力したり,励まし 動いている。
合ったりしようとす
る。
練習やピックアップ プレイ中にオープ
ゲームでオープンの ンの選手とボール
選手に的確なパスが を持つ選手の間で
できる
声をかけたりしてコ
ミュニケーションを
取っている。
ルールやマナーを チームの得点が
ゲームにおいて, バスケットボール
守り,公正に試合を 増えるように,作戦 オフェンスの個人的 の基本的なルー
や戦術を工夫して 技能やスクリーンな ル,マナー,審判法
いる。
どの集団的技能を について,説明した
活用できる。
り教え合ったりして
いる。
1.リーグ戦
しようとする。
各クラス6名のチームを4チームつくる。
※2クラス合併(48名)の場合,合計8チーム
試合の進行がス
相手チームに応じ ゲームにおいて, 自チームの特性
ムーズに行えるよう た作戦を立てようと ディフェンスのフット に合った戦術を考
に,積極的に審判 している。
ワークやチームディ 案したり,ゲームに
などの運営に協力
フェンスができる。 活用するために話
しようとする。
し合ったりしてい
る。
指導と評価の計画(第3学年)
時間
1
2
3
ー
オ
リ
エ
ン
テ
ョ
シ
ン
内
容
ュー
シ
ト
練
習
4
5
6
7
オフェンス練習 ディフェンス練習
(グループ戦術の習得)
2
年
生
の
時
の
復
習
3on2
ハーフコートでの
5on5
4on3
ハーフコートでの
5on5
オールコートでの
5on5課題ゲー
ム
8
9
10
11
12
13
シュート練習
チーム練習
リーグ戦
(チーム戦術の習得)
ハーフコートでの
5on5
オールコートでの
5on5課題ゲーム
リーグ戦
ゲーム
まとめ
導入(2時間)
時間
1
導
入
2
3
展 4
開
Ⅰ
展開Ⅰ(4時間)
学習のねらいと活動
○オリエンテーション
・昨年度までの学習内容について復習し,学習の見通
しを持つ。
・授業の約束事を確認する。
○スキルチェック
・内容を理解しスムーズに行なえるようする。
○基礎的技能(ボールハンドリング)を身につける
○グループ戦術を習得する
【チーム・オフェンス】
1.オフェンスにおけるポジションニングについて理解し,
数的優位(3on2・4on3)な状態な中でゲームを進
める。
・ボールを持った時の判断を素早く行う。
・ボールを持たない時には,ポジショニングを素早く行
う。
(ガード,センターの役割に応じて)
2.5on5の中でオフェンスのポジショニングを意識した
ゲームを行う。
5
6
14
学習活動における具体の評価規準
思考・判断
運動の技能
知識・理解
関心・意欲・態度
バスケットボール
スキルチェックか
ボールの中心をと
の特性に触れなが ら,自分の課題を見 らえて,ボールを扱
ら,仲間と積極的に つけ出し,練習方法 うことができる。
かかわりながら楽し を工夫している。
もうとする。
バスケットボール
の特性に応じた技
術の構造やルール
について言ったり説
明したりしている。
自己の役割を果
チームプレイの中
すなかでボールをコ でどの様に個人プ
ントロールし,
レイを活用すべき
シュートにつなげる かについて,仲間と
ことができる。
話し合ったり書きだ
したりしている。
客観的な目で互
【ゾーン・ディフェンス】
1.ゾーンディフェンスにおける一人ひとりの役割を,ハー いに評価しあいな
がら,協力して技能
フコートでの5on5のゲームの中で学習する。
を高めようとする。
2.オールコートで3チームから4チームで5on5の課題
ゲームを行い,攻守の切り替えを意識しながらゾー
ンディフェンスで守ることを学習する。
自分やチームに
必要な基本技能を
的確に把握し,練
習方法を考案して
いる。
スペースがあるこ
とを確認し,ドリブ
ルやパスによって
チャンスをつくり出
し,安定したシュー
トが打てる。
ュー
ま 12
と
め
13
まとめ(4時間)
オフェンスやディフェンス
の技能習得に向
け,仲間の助言に
耳を傾け,練習方
法を工夫している。
○チーム戦術を習得する
・オフェンスでは,ポジションを意識しながら動きを
ト 連動させ,チームとしてシュートチャンスをつくる。
練 ・ゾーンディフェンスでは,自分の役割を理解しプレイす
8
習 ることで,相手チームにフリーな状態でシュートを打たせ
展
ないようにする。
開
1.ハーフコート5on5
Ⅱ 9
2.オールコート5on5課題ゲーム
3.ゲーム
※攻守の切り替えを意識する。
※全員で守ることを意識する。
10
11
アンケート
展開Ⅱ(4時間)
それぞれの体調
について確認しあっ
たり用具や服装を
確認し,健康でかつ
安全に運動しようと
する。
シ
7
14
○仲間と協力して円滑にゲームを運営させる。
1.リーグ戦
1試合5分で行い。監督役の生徒が自分のチー
ムについて評価をし,ゲーム中の指示を出すよう
にする。
チームディフェンス
の動きについて,ホ
ワイトボードなどを
使い説明したり話し
合ったりしている。
チームプレイと話 グループや個人
自分の役割を理
セルフジャッジで
し合いながら,練習 の能力に応じた課 解しゲーム中にプレ バイオレーションや
方法を考案し,試合 題を設定している。 イすることで,
ファールなどをコー
の進めようとする。
シュートチャンスを ルしながら行おうと
つくろうとしている。 している。
自分の役割や責
ディフェンスの
任を明確にし,積極 様々な状況に応じ
的にプレイしようと て,オフェンスの方
する。
法を考え出そうとし
ている。
仲間と話し合いな チームの課題解
がら,チーム独自の 決に向け,作戦や
戦術を取り入れ
戦術を工夫してい
ゲームを行おうとす る。
る。
インラインを守る意 チームの弱点や
識を持ちながら,
課題について言っ
シュート,パス,ドリ たり話し合ったりし
ブルに対応しようとし ている。
ている。
ゲームにおいて, バスケットボール
個人的技能や集団 の基本的なルー
的技能を活用でき ル,マナー,審判法
る。
について,説明した
り教え合ったりして
いる。
ルールやマナーを 相手チームに応じ 速い展開のなか
他のチームの戦
守り,公正な態度で た作戦を立てゲー で,状況にあったプ 力について分析し
取り組もうとする。 ムを行っている。
レイを冷静かつ正 たり話し合ったりし
確に選択することが ている。
できる。
②指導案の例
・第 1 学年(4 時間目)
(高等学校・体育編)
保健体育科学習指導案
日時時限
平成
年
月
日(
)
第2週 2時限目
教諭
欠席
学年・組
場 所
単元
第 1学年
組
男子
46名
名
竜ヶ崎第一高等学校 体育館
用具
バスケットボール・ゴール6カ所
バスケットボール,デジタイマー,コーン,得点板
バスケットボール
本時間
14時間中の4時間目
⑴バスケットボールの基本的技能を身につけ,これらの技能や作戦を生かしたゲームをできるようにする。
単元目標
⑵ 仲間と協力し,お互いに教え合いながら,意欲的に運動に取り組めるようにする。
⑶ 自己の能力に応じた課題を設定し,その解決を目指して,練習やゲームをできるようにする。
本時目標
①スキルテストを実施することにより,基本技能を習得をすること。
②お互いが協力しあい,アドバイスをしながら安全に活動をすること。
学習のねらい・活動
段階
整列,挨拶をする。
出欠確認の確認をする。
導入
5分
5分
本時の説明を受ける。
(本時の授業内容を把握する。)
準備運動を行う。
1.スキルテスト(全4種目)
①ゴール下シュート
②8の字ドリブル
③対面2ボールパス
④8の字レッグスルー
・各種目6グループ,全種目同時に行う。
(1グループ2名)
・各種目を30秒間行う。
(計測間のインターバルを15秒,
移動の際のインターバルを30秒で行う。)
指導・評価(○は指導の留意点●は評価)
○出席番号順に4列横隊で整列させる。
○生徒の状態を確認しながら体調の確認、怪
我や体調の悪い者は見学させる。
○入念にストレッチングさせる。
○種目間の移動をスムーズに行わせる。
○各種目を決められたルール通りに行わせ
る。
●互いに教えあいながらスキルテストを行って
いる。
・①と②は1人が実技を行い,もう1人が回数を
数える。③と④は各人で回数を数える。
展開
まとめ
45分
50分
40分
5分
2.2人組シュート
①ミート~セットシュート
②ミート~ドリブルジャンシュート
・1人がシュートを打ち,もう1人がリバウンドを取り
パスする。
・5本連続でシュートを打ち,交代する。
○トラベリングをしないように,空中でキャッチ
させる。
●「キャッチ!1,2!のリズムでリズミカルに
シュートできる。
○ゴールに正対し,バランスの良い状態で
シュートさせる。
3.ハーフコート3on2
・ハーフコートに3列に並び,ディフェンス2人を攻め,
最後にシュートした選手もしくは最後にボールに触った
選手が抜け,残りの2名がディフェンスとなる。
○オフェンスが数的な優位性を利用して攻撃
できるよう意識させる。
●ディフェンスの状況に応じてオフェンスの方
法を考え出そうとしている。
用具の後片付けをする。
○協力してすばやく片付けさせる。
集合・整列をする。
○健康状態,怪我の確認をする。
整理体操をする。
○リラックスして行わせる。
本時の反省を行う。
次回の予告
○本時の反省を次回の課題につなげる。
挨拶
○体育委員により号令をかけさせる。
①ミートする動きのなかで,確実にボールをコントロールしシュートにつなげることができたか。
評
価
②パスをしたあと適切なスペースに走ることができ,攻めることができたか。
③お互いが協力しあい,アドバイスをしながら安全に活動をすることができたか。
・第2学年(5時間目)
(高等学校・体育編)
保健体育科学習指導案
日時時限
平成
学年・組
第 2学年
年
月
日(
)
第3週 1時限目
教諭
欠席
場 所
単元
組
男子
46名
名
竜ヶ崎第一高等学校 体育館
用具
バスケットボール・ゴール6カ所
バスケットボール,デジタイマー,コーン,得点板
バスケットボール
本時間
14時間中の4時間目
⑴バスケットボールの基本的技能を身につけ,これらの技能を生かしたゲームをできるようにする。
単元目標
⑵ 仲間と協力し,お互いに教え合いながら,意欲的に運動に取り組めるようにする。
⑶ 自己の能力に応じた課題を設定し,その解決を目指して,練習やゲームをできるようにする。
本時目標
①スキルテストを実施することにより,基本技能を習得をすること。
②バスケットボール的な動き(ウイーブ)を活用し,攻撃のきっかけをつくる。
学習のねらい・活動
段階
整列,挨拶をする。
出欠確認の確認をする。
導入
展開
まとめ
5分
50分
55分
5分
45分
5分
本時の説明を受ける。
(本時の授業内容を把握する。)
準備運動を行う。
1.スキルチェック(全4種目)
①ゴール下シュート
②8の字ドリブル
③対面2ボールパス
④8の字レッグスルー
・各種目6グループ (1グループ2名)
全種目同時に行う。
・各種目30秒間行う。
(ペアのインターバルを10秒,種目間のインターバル
を30秒で行う。)
2.シュート練習2 ~ 「ウイーブ」
・3名1組で行う。
・ゴールに向かい3名がセンターラインに広がって並ぶ。
・中央に位置する選手が,右サイドの選手にドリブルで
近づき手渡しパスをする。
・手渡しパスを受けた右サイドの選手が中央から左
サイドの選手に近づき再び手渡しパスをする。
・手渡しパスを受けた左サイドの選手が中央へドリブル
しシュートする。
指導・評価(○は指導の留意点●は評価)
○出席番号順に4列横隊で整列させる。
○生徒の状態を確認しながら体調の確認、怪
我や体調の悪い者は見学させる。
○入念にストレッチングさせる。
○種目間の移動をスムーズに行わせる。
○各種目を決められたルール通りに行わせ
る。
○スキルテストが終了したら,スムーズに集合
させ,記録用紙への記入をさせる。
○手渡しパスのプレイをしている間は,もう1人
の選手は離れてスペースを取らせる。
○手渡しパスをする選手は,ファールにならな
いように止まってからパスさせる。
●互いのシュートフォームやパスのタイミング
などについて説明したりアドバイスし合ったりて
いる。
3.ハーフコート3on3(ピックアップゲーム)
・オフェンス側のチームの1人の選手がセンターサーク
ルの中に位置したところからオフェンスを始める。
・ディフェンス3名に対して攻撃する。
・1回の攻撃で攻防を切り替える。
・2分間攻防を繰り返す。
・2分間のゲームが終了したら,残りの2チームと交代。
○ウイーブの動きを活用しながら,オフェンス
が有利になる方向へ動きながらプレイすること
を意識させる。
●ドリブルによってチャンスをつくり出しオープ
ンの仲間を見つけることができる。
用具の後片付けをする。
○協力してすばやく片付けさせる。
集合・整列をする。
○健康状態,怪我の確認をする。
整理体操をする。
○リラックスして行わせる。
本時の反省を行う。
次回の予告
○本時の反省を次回の課題につなげる。
挨拶
○体育委員により号令をかけさせる。
①互いのシュートフォームやパスのタイミングなどについて説明したりアドバイスし合うことができたか。
評
価
②ドリブルによってチャンスをつくり出しオープンの仲間を見つけることができたか。
・第3学年(8時間目)
(高等学校・体育編)
保健体育科学習指導案
日時時限
平成
年
学年・組
第 3学年
月
日(
)
第4週 2時限目
教諭
欠席
場 所
単元
組
男子
46名
名
竜ヶ崎第一高等学校 体育館
用具
バスケットボール・ゴール6カ所
バスケットボール,デジタイマー,コーン,得点板
バスケットボール
本時間
14時間中の6時間目
⑴バスケットボールの基本的技能を身につけ,これらの技能や作戦を生かしたゲームをできるようにする。
単元目標
⑵ 仲間と協力し,お互いに教え合いながら,意欲的に運動に取り組めるようにする。
⑶ 自己の能力に応じた課題を設定し,その解決を目指して,練習やゲームをできるようにする。
本時目標
①シュート練習により,シュートに関する理論と基本技能を習得をすること。
②お互いが協力しあい,アドバイスをしながら安全に活動をすること。
学習のねらい・活動
段階
整列,挨拶をする。
出欠確認の確認をする。
導入
5分
5分
本時の説明を受ける。
(本時の授業内容を把握する。)
準備運動を行う。
指導・評価(○は指導の留意点●は評価)
○出席番号順に4列横隊で整列させる。
○生徒の状態を確認しながら体調の確認、怪
我や体調の悪い者は見学させる。
○入念にストレッチングさせる。
1.2人組シュート
①ミート~セットシュート
②ミート~ドリブルジャンシュート
・1人がシュートを打ち,もう1人がリバウンドを取り
パスする。
・5本連続でシュートを打ち,交代する。
○トラベリングをしないように,空中でキャッチ
させる。
2.ハーフコート5on4
○オフェンスが数的な優位性を利用して攻撃
できるよう意識させる。
○ゴールに正対し,バランスの良い状態で
シュートさせる。
・ハーフコートに5列に並び,ディフェンス4人を攻め, ●自分の役割を理解しゲーム中にプレイする
最後にシュートした選手もしくは最後にボールに触った ことで,シュートチャンスをつくろうとしている。
選手が抜け,残りの4名がディフェンスとなる。
展開
45分
40分
3.5on5の連続(ゾーンディフェンス)
○パスした後,別のスペースを使いプレイする
よう意識させる。
・Aチーム(オフェンス)対Bチーム(ディフェンス)でハー
○常にゴールを見ながら動けるようにさせる。
フコートの5on5を行う。その間,Cチームが反対側の
ハ
●セルフジャッジでバイオレーションやファー
ーフコートで待機し,続いてBチーム(オフェンス)対Cチ ルなどをコールしながら行おうとしている。
ーム(ディフェンス)でハーフコートの5on5を行う。
○5人が連動して動くようにさせる。
まとめ
50分
5分
用具の後片付けをする。
集合・整列をする。
整理体操をする。
本時の反省を行う。
次回の予告
挨拶
○協力してすばやく片付けさせる。
○健康状態,怪我の確認をする。
○リラックスして行わせる。
○本時の反省を次回の課題につなげる。
○体育委員により号令をかけさせる。
①自分の役割を理解しゲーム中にプレイすることで,シュートチャンスをつくろうとしたか。
評
価
②セルフジャッジでバイオレーションやファールなどをコールしながら行おうとしているか。
③スキルテスト
第1学年と第2学年においては基本技能の定着を図るためスキルテストを以下の
ような内容で実施した。
・ゴール下連続シュート
・8の字ドリブル
・2メン2ボールパス(チェストパス)
・2メン2ボールパス(バウンズパス)
・8の字レッグスルー(前)
・8の字レッグスルー(後)
生徒は2人組をつくり,30秒間にできた回数を測定し,すべての種目が終了後ス
キルチェック表に記入させた。
ゴール下シュート
8の字ドリブル
2メン2ボールパス
8の字レッグスルー
③ アンケート
第1学年の最初と各学年の終了時に、アンケートを行い、興味関心・基本技能・基本
技能の知識・集団技能・集団技能の知識・ルールについての意識調査を行った。
回答方法は5段階でおこない,選択肢は,5良くできる(よく知っている)4できる
(知っている)3どちらでもない2あまりできない(あまり知らない)1全くできない
(全く知らない)とした。各項目で平均を出し,学年による変化を調べた。
また,第3学年の単元終了時に3年間の感想を記入させ,生徒達の意見を聞いた。
Ⅲ
結果と考察
(1) スキルテストとアンケートの結果について
① 基本技能について
スキルテストの結果(表1・表2)を見ると,男女とも学年を追うに従って各種目
の平均が上がっていることがわかる。しかし,アンケート結果(表3・表4)の基本
技能の点数をみると,単元前に比べ,点数は高くなっているものの,男子では第1学
年から第2学年の得点の変化がなく,女子では低くなっている。
② 集団技能について
集団技能については,アンケート結果(表3・表4)から,男子では学年を追うに
したがい集団技能に関する得点が高くなっている。しかし,男子の集団技能に関する
知識と女子の結果の得点を見ると,第3学年で点数が一番高くなってはいるが,第2
学年の時に落ち込みがみられた。
表1
スキルテスト女子の学年平均回数
ゴール下
8字ドリブル
1年女子
4.2
12.3
21.7
21.7
32.5
27.3
2年女子
4.8
12.9
24.0
24.0
35.6
30.2
バウンズパス
レッグ前
レッグ後
表2
チェストパス
バウンズパス
レッグ前
レッグ後
スキルテスト男子の学年平均回数
ゴール下
8字ドリブル
1年男子
6.8
17.0
28.0
27.8
44.2
37.2
2年男子
7.5
17.4
31.1
31.1
45.1
40.0
表3
チェストパス
男子アンケート結果
男子
単元前
1年終
2年終
3年終
興味関心
3.4
3.9
3.9
3.9
基本技能
3.4
3.8
3.8
3.7
基本技能知識
2.4
3.4
3.2
3.3
集団技能
2.4
2.9
3.0
3.2
集団技能知識
2.3
2.9
2.8
3.2
ルール
1.9
2.5
2.5
2.7
表4
女子アンケート結果
女子
単元前
1年終
2年終
3年終
興味関心
3.4
3.6
3.6
3.7
基本技能
3.2
3.7
3.3
3.6
基本技能知識
2.2
2.7
2.5
3.0
集団技能
2.1
2.5
2.3
2.9
集団技能知識
2.0
2.6
2.2
3.1
ルール
1.9
2.2
2.0
2.4
③ 単元終了後の感想について
ほとんどの生徒達がバスケットボールのシュートやパスといった基本技能が上達
したことを感じていた。また,男女とも第3学年では,集団技能として,ゲーム中
の動き方やディフェンスの方法について理解できたと書いている生徒が多かった。
(2)考察
第2学年においてアンケートの点数が各項目と
も低くなった原因は,ゲームよりも練習の割合が多
く,生徒達のゲームをしたいという欲求に対し,授
業内容が基本技能の定着(スキルテスト)と集団技
能(チームプレー)の練習中心の内容だったため,
生徒達のモチベーションが下がったことが原因であ
ると感想から考えられる。そのため,第2学年では,
スキルテストの回数を減らし,集団技能の基本を学習するミニゲームを増やすなどの対
策が必要であろう。しかし,第 1 学年からのスキルテストによって,パス,ドリブル,
シュートといった基本技能は確実に上昇しており,有効性は高いと考える。
また集団技能については,アンケートの結果や感想から,第3学年では,ゾーンディ
フェンスなどの戦術について学習し,ゲームの中で実際に用いることで,レベルの高い
ゲーム内容となり,バスケットボールという競技の特性を楽しむことができたことがう
かがえた。
Ⅳ
まとめ
今回,3年間バスケットールの体系的な指導を研究してきたが,研究の前の授業と比べて
格段にレベルの高いゲームができるようになった。特に女子などは,一試合に 4 点取れるか
どうかだったが,10 点以上のゲームが多くなり,ゲーム
中の得点力が向上したことを感じた。
基本技能の向上
と集団技能の向上の結果としてそのようなゲームが多く
なったのであろう。
基本技能の習得のためにおこなったスキルテストは,
大変有効であり,バスケットボールの専門でない教員に
とっても扱いやすい内容だと感じた。今回の結果から,
第1学年では毎時間行い,第2学年では3時間に一回くらいの割合で行うことが効果的であ
ろうと思われる。
集団技能については,第2学年で,オフェンスでボールをもらう際に,フリーになるため
にどう動くのかを意識させ,ディフェンスの時は,インライン守ることを意識させミニゲー
ムを行った。第3学年では大まかなポジションを決めた攻め方や,ゾーンディフェンスによ
る守り方を学習させ,最後のリーグ戦でチームごとに考えながらゲームを行った。教員の主
観だけでなく生徒達の感想の中にも最後のリーグ戦のレベルが上がっていたことや,チーム
が充実し楽しむことができたことが書かれていた。
研究の中で,今までの授業で取り組んできた学習内容や,改めて取り組んだ学習内容を個
人技能や集団技能について段階的に整理し,3年間を見通した学習内容を組み立てることが
できた。そのような単元の流れができたことにより,教員側にとっては大きな指導の方向性
となり,生徒達にとってもバスケットボールの技能向上や特性に深く触れられる授業となっ
たのではないかと思われる。今後も今回の経験を生かした授業を展開していきたい。
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