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国際比較で明らかになる日本の教育の特徴及び教育政策に関する提言
OECD Indicators of Policy Meeting at MEXT Education Systems 27 November 2009 29 29 世界を見渡すと 高等教育財政 学校の学習成果の改善 1960年の業務分布のパ|セント値を中間とする OECD Indicators of Policy Meeting at MEXT Education Systems 27 November 2009 30 30 職能需要の変化 経済全体における単純作業と非単純作業の調査結果 (アメリカ) (Levy and Murnane) OECD Indicators of Policy Meeting at MEXT Education Systems 27 November 2009 31 31 ニューヨークタイムズ1週間分の情報は18世紀に一人の人が 生涯に接する情報量と同じと推測されている。 MySpaceには2億人以上のユーザー登録がなされている。もし MySpaceが国であったなら世界で5番目に大きな国となる。 グーグルでは毎月310億件の検索が行われている。グーグルが できる前は誰にこれらの質問がなされていたのだろう? 最初の商業携帯メールは1992年12月に送ら れた。今日、毎日、送受信される携帯メール 数は地球の総人口を超える。 この講演を行っている間にも100万曲以上が不法に ダウンロードされる。 OECD Indicators of Policy Meeting at MEXT Education Systems 27 November 2009 32 32 OECDのPISA調査 15歳児の知識と技能の評価 世界経済の 77% 85% 86% 87% 83% 81%をカバー OECD Indicators of Policy Meeting at MEXT Education Systems 27 November 2009 33 33 高い科学の成績 科学的推定と応用にお ける15歳児の成績の平 均値 … 18か国がこのライン以下 低い科学の成績 科学の成績の上位国と下位国 % このレベルの生徒は科学的知識を常に認識、説明、 レベル1以下 レベル2 レベル3 レベル 4 応用できる。また、異なる情報源と解説をリンクさせ、 そこから得られる証拠で結論を裏付け、未知の状況 において高度な科学的考え方を示すことができる。 100 80 60 530 563 515 527 531 534 500 474 475 424 410 489 レベル5 レベル6 522 40 このレベルの生徒は、科学的探求のカギ となるポイントで混乱し、間違った情報を 適用し、個人的考えと論拠となる事実を 混同する… 20 0 20 40 Korea United States Mexico Turkey Italy OECD average Canada Japan Australia United Kingdom Finland New Zealand 韓国 アメリカ メキシコ カ ナ ダ トルコ ス ト ラ リ ア 日 本 イタリア オ ポルトガル ラ ン ド ン ラ ン ド イ ギ リ ス ー ー ジ フ ィ ニ OECD平均 60 Portugal 成績の悪い生徒の割合が大きい 成績の良い生徒の割合が大きい ュー OECD Indicators of Policy Meeting at MEXT Education Systems 27 November 2009 34 34 高い科学の得点 35 35 OECD Indicators of Policy Meeting at MEXT Education Systems 27 November 2009 高い平均得点 社会経済的格差が大きい 生徒の成績に強い社 会経済的影響がある Average performance of高い平均得点 15-year-olds in science – extrapolate 社会的公平性が高い and apply 社会的に公平な 学習機会の提供 低い平均得点 低い平均得点 社会経済的格差が大きい 社会的公平性が高い 低い科学の得点 高い科学の得点 36 36 Durchschnittliche Finland 高い平均得点 560 Schülerleistungen フィンランド im 社会的公正性が高い Bereich Mathematik OECD Indicators of Policy Meeting at MEXT Education Systems 27 November 2009 高い平均得点 社会経済的格差が大きい ベルギー Hong Kong-China 540 香港 Chinese Taipei New Zealand 台湾 ハンガリー ニュージーランド Estonai エストニア Australia Canada カナダ Japan 日本 Netherlands オーストラリア Korea Slovenia 520 韓国 リヒテンシュタイン 生徒の成績に強い社会 Germany United スロベニア Kingdom ドイツCzech Republic イギリスSwitzerland 社会的に公平な Macao-C 経済的影響がある Belgiumチェコ Austria スイス マカオ Ireland オーストリア 学習機会の提供 Hungary アイルランド Sweden 500 スウェーデン Poland フランス Denmark ポーランド France デンマーク Croatia Iceland Latvia クロアチア United States アイスランド Slovak Republic Spain Lithuania アメリカ Norway ラトビア Luxembourg スペイン リトアニア Liechtenstein オランダ ノルウェー ルクセンブルグ 480 Russian Portugal スロバキア ポルトガル 低い平均得点 ロシア Greece ギリシャ 460 社会経済的格差が大きい Federation Italy イタリア 低い平均得点 イスラエル 社会的公平性が高い Israel 低い科学の得点 学校の成績と社会経済的背景 OECD Indicators of Policy Meeting at MEXT Education Systems 27 November 2009 37 37 日本 生徒の成績と学校内における生徒の社会経済的背景 学校の成績と学校の社会経済的背景 生徒の成績と生徒の社会経済的背景 学校規模に比例する 生 徒 の 成 績 不利 社会経済的背景のPISA指数 有利 学校の成績と社会経済的背景 OECD Indicators of Policy Meeting at MEXT Education Systems 27 November 2009 38 38 アメリカ 生徒の成績と学校内における生徒の社会経済的背景 学校の成績と学校の社会経済的背景 生徒の成績と生徒の社会経済的背景 学校規模に比例する 生 徒 の 成 績 不利 社会経済的背景のPISA指数 有利 学校の成績と社会経済的背景 OECD Indicators of Policy Meeting at MEXT Education Systems 27 November 2009 39 39 フィンランド 生徒の成績と学校内における生徒の社会経済的背景 学校の成績と学校の社会経済的背景 生徒の成績と生徒の社会経済的背景 学校規模に比例する 生 徒 の 成 績 不利 社会経済的背景のPISA指数 有利 OECD Indicators of Policy Meeting at MEXT Education Systems 27 November 2009 40 40 成績上位国の状況 優れた教育と国の研究活動の活発さ Performance in science and proportions of students expecting a 科学の成績と30歳で科学関連の仕事をしていたいと思う生徒の割合 science-related career at age 30 科学の平均得点は上位だが、30歳で フィンランド 科学に関連する仕事をしていたいと思 う生徒の割合が少ない 科学の平均得点が上位で、30歳で科 学に関連する仕事をしていたいと思う 生徒の割合が多い スイス スウェーデン 香港 台湾 エストニア 日本 韓国 チェコ オーストリア OECD平均 マカオ ラトビア クロアチア デンマーク スロバキア ポーランド フランス リトアニア ルクセンブルグ ロシア ギリシャ アメリカ アイルランド ベルギー ハンガリー カナダ ノルウェー ニュージーランド オーストラリア オランダ リヒテンシュタイン スロベニア イギリス ドイツ アイスランド スペイン イタリア ポルトガル イスラエル セルビア チリ ブルガリア トルコ ルーマニア ウルグアイ ヨルダン タイ モンテネグロ メキシコ インドネシア 科学の平均得点が下位で、30歳で科 学に関連する仕事をしていたいと思う 生徒の割合が少ない キルギス Source: OECD PISA 2006 database, Tables 3.12 and 2.1c. アルゼンチン ブラジル コロンビア チュニジア アゼルバイジャン OECD平均 OECD Indicators of Policy Meeting at MEXT Education Systems 27 November 2009 41 41 科学の平均得点は下位だが、30歳で 科学に関連する仕事をしていたいと思 う生徒の割合が多い OECD Indicators of Policy Meeting at MEXT Education Systems 27 November 2009 42 42 費用は問題だがそればかりではない OECD Indicators of Policy Meeting at MEXT Education Systems 27 November 2009 43 43 各国で異なる費用のかけ方 中等教育教員の人件費となるさまざまな要素の生徒1人当たりの費用を 1人当たりのGDPに対する比率で示す(2004年) パーセント値 OECD Indicators of Policy Meeting at MEXT Education Systems 27 November 2009 44 44 高い向上心と普遍的基準 厳しさ、集中力そして 一貫性 優れたシステムは優れた教 師を引きつけ、最良事例と 質の高い専門家育成に取り 組む手段をもたらす OECD Indicators of Policy Meeting at MEXT Education Systems 27 November 2009 45 45 強い向上心 新しい責任、 活動の中心としての学校 成功と反比例する 責任能力と介入 最良事例と質の高い専門 家育成への取り組み OECD Indicators of Policy Meeting at MEXT Education Systems 27 November 2009 46 46 現場の責任と国の規定 システム全体の持続可能な改革に向けて 国の規定 現在のフィンランド 学校業務に関する 詳細な規定 能力づくり すべての学校が 効果的学校 学校主導の改革 OECD Indicators of Policy Meeting at MEXT Education Systems 27 November 2009 47 47 公立学校と私立学校 % Score 得点差point difference 私立学校の方が 成績が良い 公立学校の方が 成績が良い OECD Indicators of Policy Meeting at MEXT Education Systems 27 November 2009 48 48 蓄積されている国際的データ、抽出校の効果/モデルの他要因 すべてを考慮後の科学の成績に関するシステム的要因 教材の質に関する学校長の 積極的評価 競合校がある学校 (総計のみ) (総計のみ) 自主性が大きい学校 (資源) (総計と正味) 科学学習を促進する学校の活 測定結果 動 追加自習1時間または宿題 (総計と正味) (総計と正味) 科学の授業追加1時間 (総計と正味) 結果を公表 科目選択性の学校(総計と正 (総計と正味) 味)、しかしシステム全体では ない 能力別クラスを実行している 学校 (総計と正味) 校外の追加授業1時間 追加の各公的資金10% (総計と正味) 優秀な教師の不足は指導を (総計のみ) 妨げるという学校長の認識 (総計のみ) 生徒、学校、国の社 会経済的背景を考 慮した後の結果 OECD (2007), PISA 2006 – Science Competencies from Tomorrow’s World, Table 6.1a OECD Indicators of Policy Meeting at MEXT Education Systems 27 November 2009 49 49 強い向上心 総合的教育機会 責任能力 新しい責任、 活動の中心としての学校 規定どおりの教え方と評 価法から個人に合わせた 学習へ 最良事例への取り組みと 質の高い専門家育成 高い科学得点 50 50 Durchschnittliche 高い平均得点 Schülerleistungen im 社会的公正性が高い Bereich Mathematik OECD Indicators of Policy Meeting at MEXT Education Systems 27 November 2009 高い平均得点 社会経済的格差が大きい 生徒の成績に強い社会 経済的影響がある 社会的に公平な 学習機会の提供 早期の選別と教育機関の分岐 選別・分岐の程度 高い 低い平均得点 低い平均得点 選別・分岐の程度 低い 社会的公正性が高い 社会経済的格差が大きい 低い科学得点 OECD Indicators of Policy Meeting at MEXT Education Systems 27 November 2009 51 51 強い向上心 総合的教育機会 成功に反比例する 責任能力と介入 新しい責任、 活動の中心としての学校 個人に合わせた学習 最良事例と質の高い専門 家育成への取り組み Some general conclusions OECD Indicators of Policy Meeting at MEXT Education Systems 27 November 2009 52 52 旧来の官僚的教育システム 近代的な可能性を与える教育システム 行き当たりばったり 普遍的な高い基準 画一性 多様性の承認 事前の決めごと 結果 官僚主義-上を見る 先進的-外を見る 公平さについて話す 公平さを実践 認められた知識 データと最良事例 規定 情報に基づく専門家 区別 協調 OECD Indicators of Policy Meeting at MEXT Education Systems 27 November 2009 53 53 日本に関する考察 r 世界で最も成功している学校教育システムの一つ z z z r 高い学習成果, 高い平均能力、成績上位グループが占める高い割合 公平な学習機会 高い費用対効果 ただし課題もある z 児童生徒が知識を再生産するだけでなく、次のことに対応できるよう にする必要 … ますます速くなる変化に対応すること… … まだ存在しない仕事につけるようにすること… – アメリカで最も需要の多い10の職は2004年時点では存在していなかった。こ うした新たな職が生まれる潮流は今後とも続くものと思われる … まだ開発されていない技術を使うこと… … まだ起ると分かっていない問題に対処すること z z z 児童生徒のやる気、興味、積極的な関わりの姿勢を強めること 1人ひとりに応じた学びを通じて児童生徒の多様化に対応すること これまでのように親が学校を支援できなくなること、あるいは支援しなくな ることについて先手をうつこと OECD Indicators of Policy Meeting at MEXT Education Systems 27 November 2009 0 アメリカ 日本 ドイツ イギリス フランス イタリア メキシコ スペイン 韓国 カナダ トルコ オーストラリア ポーランド オランダ ベルギー スウェーデン ギリシャ チェコ オーストリア ノルウェー スイス ポルトガル ハンガリー デンマーク フィンランド アイルランド ニュージーランド スロバキア ルクセンブルグ アイスランド 54 54 教育改善による経済効果は高い 潜在的な経済的成果 (10億ドル) 14000 12000 10000 8000 6000 4000 2000 OECD Indicators of Policy Meeting at MEXT Education Systems 27 November 2009 55 55 z www.oecd.org; www.pisa.oecd.org – Education at a Glance 『図表で見る教育』 – 高等教育財政に関 する最新データ – Tertiary Education for the Knowledge Society 『知識社会の ための高等教育』 – 高等教育財政に関する比較検討 – Science Competencies for Tomorrow’s World 『明日の世界の ための科学能力』 – 学校における学習成果に関する質及び公平 性の最新分析 – Creating Effective Teaching and Learning Environments 『効 果的な教育学習環境の醸成』 – 教員の観点からの教育制度の分 析 ありがとうございました ! z Email: [email protected] 『実証的データに基づかずにものを言う人は、 個人的な意見を持った単なる一人の人間にすぎない』