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第54号

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第54号
実 践 生 物 教 育 研 究
THE JOURANL OF PRACTICAL
EDUCATION IN BIOLOGY
July
2013
第54号
(No.54)
ママコノシリヌグイ Persicaria senticosa (タデ科)
= 東京大学三崎臨海実験所周辺にて =
実 践 生 物 教 育 研 究 会
The Society of Practical Education in Biology
齋 藤 生 物 教 育 研 究 所
SAITOH INSTITUTE FOR BIOLOGY EDUCATION
-1-
実 践 生 物 教 育 研 究
THE JOURANL OF PRACTICAL EDUCATION IN BIOLOGY
第 54 号
目 次
Contents
(1)巻頭言:サイエンス実験教室 15 年目
上原
The 15th year after beginning a scientific experiment lesson by Uehara Tsutomu
(2)「生物基礎」における生物学史の分析
安東
Analysis as to the History of Biology in 'Basic Biology' by Hisayuki ANDOU
(3)減数分裂の学習(図を描いて学ぶためのワークシート)
塚原
Worksheets of meiosis by TSUKAHARA Kazuhide
(4)理科の勉強を通して未来を開く
鈴木
Let's Open the Future Through Study of the Science Suzuki Ayako
(5)桜並木の保全再生について
岩佐
Preservation and Rebirth of the Street lined with Cherry trees by Iwasa Katsuji
(6)東京近郊のアリの検索
近藤
Practical Table Key Around Tokyo by Masaki KONDOH
(7)一本のケヤキの古木の消滅
田羅
Cut down of the old big tree by Masanobu TARA
(8)あとがき
齋藤
Afterword by Saitoh Mitsuo
実 践 生 物 教 育 研 究 会
The Society of Practical Education in Biology
齋 藤 生 物 教 育 研 究 所
SAITOH INSTITUTE FOR BIOLOGY EDUCATION
-2-
勉
久幸
一秀
紋子
勝司
正樹
征伸
三男
巻頭言
Foreword
サイエンス実験教室 15 年目
The 15th year after beginning a scientific experiment lesson
上原
勉
Uehara Tsutomu
板橋区子どもの科学を推進する会
代表
Representative of the meeting which promotes the children's science in Itabashi Ward
理科教育経験のあるボラティア指導者(約 10 名)による環境中心の“子ども実験教室”
を今から 15 年前に始めた。対象は小学校 4・5・6 年、関東地方の児童で、夏季 2 泊 3 日、
オリンピックセンターに泊まり、東京の科学施設を活用して実施した。参加児童は約 200
名、2 年間、有益であるが大変な事業。その後、場を変更し、北区の飛鳥中学校・田端
中学校の両校の理科室を会場にして、年間 10 回、土曜日の午前、約 2 時間、北区の参加
児童は毎回 40 名程度で、指導者の得意の内容(物・化・生・地)を織り交ぜて実施した。
すばらしい「実験教室」であった。児童の反応もよく大きな成果を挙げた。北区での「実
験教室」は 100 回を数えた。東京 23 区にこのような実例はない。(企画・岩上薫氏)
その後、板橋区でも同じような「実験教室」を実施してほしいとの要望があり、それ
に応えることにした。名称は「スーパーサイエンス実験教室」とし、対象は小学校 4 ~ 6
年に在籍する区内居住児童、受講料は無料。場所はエコポリスセンター(板橋区前野町)、
年間 10 回(6 月~ 3 月)。土曜日の朝 9 時 30 分~ 11 時 30 分まで。参加児童は 25 名で、
(4 月上旬に募集)殆ど欠席はなく、保護者の参観も多く毎回 10 名は見学に見えるので、
保護者の関心が高い。今年は 5 年目。平成 25 年度の計画と、併せて過去 4 年間の指導月
日と項目を述べる。指導計画例、児童の感想例(24 年度第 7 回・12 月 15 日)も併記する。
平成 25 年度・実験教室
( 回 )( 月・日 )
第 1 回 6 月 15 日(土)
第 2 回 7 月 20 日(土)
第 3 回 8 月 17 日(土)
第 4 回 9 月 21 日(土)
第 5 回 10 月 19 日(土)
第 6 回 11 月 16 日(土)
第 7 回 12 月 21 日(土)
第 8 回 1 月 18 日(土)
第 9 回 2 月 11 日(祝)
第 10 回 3 月 15 日(土)
( 実験指導内容 )
(開講式)太陽電池の秘密
浮沈子を調べる
昆虫の世界をのぞいてみよう
電流を調べる実験
花粉の形と受粉の観察
根の構造とキンメダイの目の構造
フズリナの化石しらべ
植物の旅
電圧と電流
“墨流し”の実験 (閉講式)
-3-
平成 21 年度(初年度)
( 回 )( 月・日 ) ( 実験指導内容 )
第 1 回 6 月 13 日(土) 酸素を作って酸素の働きを知る(開講式)
第 2 回 7 月 18 日(土) 目の構造とキンメダイの目の解剖
第 3 回 8 月 8 日(土) 心臓と脈拍の関係を調べる
第 4 回 9 月 26 日(土) 二酸化炭素とは?どんなものか
第 5 回 10 月 24 日(土) メダカの血流と鱗の観察
第 6 回 11 月 14 日(土) 磁石の秘密
第 7 回 12 月 26 日(土) ウミホタルの発光の観察
第 8 回 1 月 9 日(土) ろうそくの秘密
第 9 回 2 月 11 日(祝) イカの解剖
第 10 回 3 月 6 日(土) 生活にも役立つ電気の知識(閉講式)
平成 22 年度
( 回 )( 月・日 ) ( 実験指導内容 )
第 1 回 6 月 19 日(土) 電池の秘密(開講式)
第 2 回 7 月 17 日(土) 昆虫の科学
第 3 回 8 月 14 日(土) ビタミン C の研究
第 4 回 9 月 18 日(土) 花粉の観察と実験
第 5 回 10 月 16 日(土) シャボン玉で静電気を探す
第 6 回 11 月 13 日(土) 種(たね)の不思議
第 7 回 12 月 18 日(土) “みかん”の科学
第 8 回 1 月 15 日(土) ニワトリの卵の実験
第 9 回 2 月 19 日(祝) LED を発光してみよう
第 10 回 3 月 12 日(土) 油・石鹸・水の実験 (閉講式)
平成 23 年度
( 回 )( 月・日 )
第 1 回 6 月 11 日(土)
第 2 回 7 月 9 日(土)
第 3 回 8 月 6 日(土)
第 4 回 9 月 3 日(土)
第 5 回 10 月 1 日(土)
第 6 回 11 月 5 日(土)
第 7 回 12 月 10 日(土)
第 8 回 1 月 14 日(土)
第 9 回 2 月 4 日(土)
第 10 回 3 月 10 日(土)
( 実験指導内容 )
モーターを作ろう(開講式)
蝶と蛾のちがい
一円玉と植物
もっと知ろうよ 動物のこと
電気はどう流れるか
“音”は眼で見えるかな?
火事を防ぐには
“はかり”の原理としくみ
石や化石の見方と調べ方
タマネギの細胞の観察(閉講式)
-4-
平成 24 年度・実験教室
( 回 )( 月・日 )
第 1 回 6 月 16 日(土)
第 2 回 7 月 21 日(土)
第 3 回 8 月 18 日(土)
第 4 回 9 月 15 日(土)
第 5 回 10 月 20 日(土)
第 6 回 11 月 17 日(土)
第 7 回 12 月 15 日(土)
第 8 回 1 月 19 日(土)
第 9 回 2 月 11 日(祝)
第 10 回 3 月 16 日(土)
( 実験指導内容 )
酸素を作って酸素の働きを知る(閉講式)
光はどのように進むか
ウミホタルの発光観察
電磁石の実験
種(たね)の不思議
生活に役立つ電気の知識
イカの解剖
二酸化炭素とは、どんなものか
恐竜のふしぎ
心臓の脈拍の関係を調べる(閉講式)
平成24年度・第7回(12月15日)
主催:板橋区子どもの科学を推進する会
<スーパーサイエンス実験教室>
テーマ「イカの解剖」
指導の順序
1 外形のスケッチ
6 内臓のスケッチ
2 長さ 2cm)・重さ(g)を測る
7 肝臓、眼、口球(カラス・トンビ)、
3 脚(足)は何本あるか、長さは同じか?
えら、墨袋、の確認
4 前、後(腹側・背中側)はどちらか?
8 頭・腹・脚(足)の区別のポイント
5 ハサミで腹側から解剖する
今日のまとめ 感想ノートの記入
受講生徒の感想
-5-
Abstract
The 15th year after beginning a scientific experiment lesson
by
Uehara Tsutomu
Representative of the meeting which promotes the children's science in Itabashi Ward
We had the science laboratory experiments classroom which considered the environmental
problems for children by former teacher with enough science education experience in Kita-ward
and Itabashi-ward of Tokyo for 15 years. We taught children the proud contents of teachers.
This was a splendid science laboratory experiment lessons. The reaction of the child was good
and we were able to get a big result.
-6-
「生物基礎」における生物学史の分析
Analysis as to the History of Biology in 'Basic Biology'
安東久幸
Hisayuki ANDOU
前宇都宮大学教育学部
EX-Lecturer at the Faculty of Education, Utsunomiya University
はじめに
2009 年に高等学校学習指導要領が改訂され、「生物基礎」(2 単位)が新設された。これ
は平成 25 年度から実施されるが、理科の履修科目は「科学と人間生活」と「物理基礎」
「 化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」(いずれも 2 単位)1 科目を含む 2 科目または上
記の 基礎科目を 3 科目とした。筆者はこの新設の「生物基礎」において生物学史は、どん
な位置 や意味をもち、どんな内容でどう扱われるのかを生物学史を分析することによっ
て考察を 試みた。そして「生物基礎」が生物教育の効果を上げる方向性を模索したい。
1.「生物基礎」とその性格
「生物基礎」は、広い意味で‘生命をもった生物及び生物界の機能’を中心の柱にして
いて「生物の共通性と多様性」の概念を得ることを柱として新設し、生態系の機能、環境
保全の基本や生体の免疫の基礎知識を習得し、現代生物学の先端をいくDNAや遺伝子の
機 能を理解するような方向性をもつ。「生物基礎」の目標は、「日常生活と社会との関連
を図りながら生物や生活現象への関心を高め、目的意識をもって観察、実験などを行い、生
物学 的に探究する能力と態度を育てるとともに、生物学の基本的な概念や原理・法則を
理解さ せ、科学的な見方や考え方を養う」と規定している。(学習指導要領)
内容は、「生物と遺伝子」「生物の体内環境の維持」「生物の多様性と生態系」 の 3 分
野である。以下、各分野の学習内容の主要点を述べる。 1)
「生物と遺伝子」は生物の特徴、遺伝子とその働き、探究活動で細胞や分子レベルの
DNA 、遺伝情報、 DNA の構造の流れを追う。「生物の体内環境の維持」では生物の体内
環境と探究 活動で、動物の体内環境が一定の範囲に保ち、血液濃度の調節や免疫など人体
の現象を扱う 「生物の多様性と生態系」は植生の多様性と分布、生態系とその保全、探
究活動などで、 植生の多様性と遷移、気候とバイオームの関係、エネルギーの流れと生態
系の保全をみる。
2.「生物基礎」の教科書の生物学史の事項
「生物基礎」の教科書 5 冊について生物学史事項を調べその分析を行なった。(表1)
教科書 5 冊をA、B、C、D、Eの記号で表す。
第 1 表のように生物学史の 5 冊の全個数の延べ項目数は、 88 個である。そのうち「生物
と遺伝子」の分野は 49 項目で全体の 55.7 %で第 1 位、次が「生物の体内環境の維持」で 20
-7-
項目で 22.7 %、最後は「生物の多様性と生態系」で 19 項目で 21.6 %の順となっている。
生物学史の項目の約 6 割が遺伝子の分野であることは「生物基礎」では、生物学史を遺伝
史の関係で他の分野より重視しているといえよう。
第1表にあるように教科書の生物学史事項数は、多い順にみるとAの 48 項が最高で次
に Bの 40 項、それからCとEの 29 項とつづき、最少はDの 23 項である。総数は述べ 169
項で 1 冊 の平均数は 34 項目である。最高数と最少数の差は 25 であり大きい。それの原因
のひとつは、 各項目は存在しても、現在形の文であるものが多く、過去形になっていない
ことによると 考えられる。各教科書の項目数の全体の 88 項に対する割合をみると、Aが
54.5 %、Bが 45.4 %、CとEが 33 %、Dが 26.1 %である。平均は 38.4 %で、AとBが全体
の約半数をしめているのに対してDは約 4 分の 1 にすぎない。これは教科書によって生物
学史の項目や広くいえば 生物学史の把握に大差があり、教科書のそのとり方の積極性と
もうけとれる。次に第 2 表の各教科書の全生物学史の項数に対する割合に注目しよう。
「生物と遺伝子」の分野では、Bの 67.5 %が最高で、Dの 58.3 %が最低で、平均は 62.8 で、
どの教科書も半数以上を占めている。どの教科書も生物学史では「生物と遺伝子」の分野
がもっとも多い。つまり他の分野より生物学史に重点をおいているといえよう。
「生物の多様性と生態系」では、A、C、Eはいずれも 20 %代であるが、Dは 10 %代、C
は 1 %代になっている。最高と最低の差は大きいが、生物学史にあまり積極的ではない。
「生物の体内環境の維持」では、CとEが 10 %代、他は 20 %代である。多いとはいえな
い。平均からみると「生物と遺伝子」が 62.8 %、「生物の多様性と生態系」が 16.6 %、「生
物の体内環境の維持」が 20.6 %となっている。「生物の多様性と生態系」がもっとも少
ない のはどうしてだろうか。近年の自然破壊、公害、環境保全、生態学等の生物学の発達が
すざましいのに歴史に関してはあまり関心がないのだろうか。
第3表
分
1
2
3
4
5
計
生物と遺伝子
39
6
4
7
3
58
生物の多様性と生態系
14
3
1
1
0
20
生物の体内環境の維持
14
3
2
0
2
21
67
12
7
8
5
99
合
野
各分野の各項目の個数
計
この第 3 表を説明すると、たとえば「生物と遺伝子」の分野においては、1の数が 39 個、
3 の数が 4 個あるという意味である。つまり教科書に1冊しか記されていない項目(ある
項目に何人かの学者がいる場合は、一人を一項と数える)が 39 個ある、 3 冊ある項目はた
った 4 個しかないということである。こうしてみると生物学史の項目が 1 冊しかないもの
は全体の 99 のうちじつに 67 項も占めている。これは全体数の 68 %も占め、生物学史に対
-8-
する各教科書の独自性がうかがわれる。どの教科書も検定を経ているので同じだろうと考
えるが、生物学史に関する限り、教科書によって違いがあるといえる。冊数が多くなるにし
たがって個数は減少していく。生物学史で 5 冊全部に記載があるのは、たった 4 項目で「肺
炎双球菌の形質転換」
「形質転換物質の解明」
「遺伝子の本体は DNA」
「ホルモンの発見」
(学者が 2 名)である。少しでも教科書の特性、独自性がほしい。どの教材でどの生物学史
をとるかは執筆者が きめるのだから比較的自由に選択できるのではないか。いずれにし
ろこの傾向は適切とし なければならない。難解の遺伝子の理解を生物学史に求めている
とも解釈できる。「生物と遺伝子」が約 60 %、「生物の多様性と生態系」と「生物の体内
環境の維持」は 各約 20 %である。前述したことを繰り返すが、いかに「生物と遺伝子」
の生物学史が他の分野と比較して多いかがわかる。上記の全教科書共通の生物学史(遺伝
学史)の遺伝の 4 項目は、何十年来の伝統であって固定化したものである。いつでも、どの
教科書にも必ず記載さ れてきた。それは歴史的に説明した方が生徒にわかりやすいから
であろうか。
3.生物学史の内容の類型
生物学史の内容を類型別に分類すると生物学史の姿が明確になり、授業に使用しやす
い。類型がどの教科書にあるかがわかり、すぐ利用できる。類型と例をあげ整理するとよ
い。
独立型
生物学史の事項が歴史的に系統だってまとまりをもっているものを「独立型」とする。
「遺伝学の変遷」 19 世紀のメンデルの遺伝の実験から法則性の発見からはじめ、 20 世
紀の遺伝子の染色体上の位置の研究から DNA の発見へいき、そのつくりや機能がわか
ってきたこと、現代は遺伝情報の研究をおこなっていて、それは発生過程や細胞内の生命
活動をおこなう物質の合成などから研究かなされていることが述べられている。(C)
「DNAの解明の歴史」では、メンデルのエンドウの実験から法則へ、そして遺伝子の
概念を得た。次にミーシャの膿からDNAを発見したことへいき、モーガンのショウジョ
ウバエの実験から遺伝子が染色体上にあること、それからグリフィスの肺炎双球菌の研究
から 遺伝物質の考えにいき、つづいてエイブリーの同様な実験からDNAが遺伝物質で
あると 考え、その後、ハーシーとチェイスのバクテリオファージの実験から遺伝子の本体
はDNAであることを証明した。最後にウィルキンスとフランクリンのX線を使ってDN
Aのらせ ん状の写真をとったことにおよび、ワトソンとクリックのDNAの二重らせん
のモデルと を示し遺伝物質の複製機構を暗示したという内容である。(D)
「ゲノム・遺伝子の研究の進展と技術の革新」では、「遺伝子組換え技術」「遺伝子組
換え作物」「遺伝子診断」「遺伝子治療」からなっている。それそれのテーマの研究や理
論について説明しているが、いささか高度である。(E)
生徒がこの歴史を学ぶことによって遺伝物質であるDNAが解明されてきた歴史がわ
かり、DNAが理解しやすくなる。この箇所は難解であるから歴史から学ぶのが最良であ
る。
-9-
要点型
生物学史の内容を要点でまとめているものを「要点型」とする。
「まとめ」(B)では、生徒が学習したことをまとめる意味で「学習のまとめ」(D)が問
答式になっている。 DNA の二重らせん構造を提案した人名を問う。(C)では「整理の問題」
として DNA の構造を解明した人名を問うている。
「遺伝子の本体が DNA であることはどのようにしてわかったのだろうか」(D)では、
メン デル、ミーシャ、モーガン、クリフィス、エイブリー、ハーシーとチェイス、ウィルキン
スとフランクリン、ワトソンとクリックの業績を簡潔に説明している。
人物型
生物学者の履歴、エピソード、肖像画、写真などその人物に関して記載されているものを
「人物型」とする。
肖像画、写真はメンデル(A)ワトソン、クリック(A 、 B)北里柴三郎(A)フランクリン
(B)、(C)、(D)、ハーベイ(B)、ジェンナー(B)、シュライデン(C)、シュワン(C)、イブリー、
ハーシー、チェイス、ウイルキンス(以上 D)である。
「ワトソン・クリックにより二重らせん構造がわかり、彼らとウイルスキンがノーベル
賞を受けたが、その影にフランクリンがいた。彼女は X 線回折の方法で DNA の立体構造
を解明しようとした。このデーターは未公開で人には見せたくなかったが、ワトソン・ク
リック は見せた。彼女は 1958 年、 37 歳で亡くなった。彼女の業績は評価されなかったが、
近年評価され、 2008 年にホロウィッツを受賞した」(C)という意味のことが書かれてい
る。
実験型
生物学者の実験や観察したこと、それに類似するような生徒実験を「実験型」とする。
これは実験観察した研究から結論を出すような書き方をしている。「細胞は小さいので 17
世紀までは見られなかった。 1665 年、フックは複式顕微鏡でいろい ろなものを観察した。
そのなかにコルクがあり、小さく仕切られていた。これが細胞の発見となった」(B)とい
うあらすじがある。
本文型
教科書の本文に生物学史をとりあげて、そこから結論を導き出すようになっているもの
または本文に生物学史があるものを「本文型」という。これはきわめて少ない。
(E)では形質転換、バクテリオファージ、 DNA の二重らせん構造、呼吸のしくみ、細胞
発見の 歴史、外来生物、キーストーン種しかない。
呼吸のしくみについてみると、呼吸は息をするということから始まり、 18 世紀にラボア
ェが呼吸と燃焼は同じであることを明確化し、 19 世紀にはリービッヒが食物の有機物が
吸っ た空気の酸素によって分解しエネルギーを出し、水と二酸化炭素に分解することを
発見た という歴史がある。
「シャルガフはさまざまな生物の DNA の組成を調べ、それは多様であるとされた。同
- 10 -
じ DNA でも生物により塩基の組成が違うことがわかった。 1951 年、彼はそこから A と
T 、 G と C の割合はどの生物でも 1:1 になる規則を発見した。これをシャルガフの規則と
いう」(B)というようなことが書かれている。
以前からの教科書の伝統的な本文型は以下の 4 個である。
メンデルの遺伝の研究と遺伝の法則、(1865)、エイブリーは肺炎双球菌の形質転換する
物質は DNA であることを証明した、(1944)、ワトソンとクリックは X 線回折の結果や
ャルガフの塩基組成の研究から DNA の二重らせん構造モデルを提唱した(1953)、ハー
シーとチェイスは、ファージを構成する DNA と外殻のタンパク質を放射性同位体で識別
し、バクテリオ ファージの増殖を調べた結果、遺伝子の本体は DNA であることが明らか
になった。(1952)
問題型
生物学史に関する問題を「問題型」とする。
「グリフィスの実験からどんなことがわかったか」というような実験に対する問いがあ
る。それに対し「死んだ菌に生時の性質がある」といふうな答えがある。
「エイブリーの実験からは何がわかったか」というような問いに対して「菌の性質を
決定するものは、 DNA である」というような答えを出している。
年表型
教科書によって巻末に生物学史年表がある。これを「年表型」とする。
ここでは A 、 B 、 E がある。いずれも教科書の主内容に関しての生物学史である。 B で
は年代、 ことがら、人名・国の欄の表がある。全部で 45 項目あり、「生物の特徴」の分野
で 5 項目、「 遺伝子とその働き」の分野で 12 、「生物の体内環境とその維持」の分野で
は 14 、生物の多様性と生態系」の分野で 3 、どれにも属さないもの 1 である。
項目数は 17 世紀が 5 、 18 世紀が 3 、 19 世紀が 16 、 20 世紀が 21 となって生物学の発達
と同様の 傾向を示している。項目の例として「1926 控訴の結晶化に成功 サムナー
アメリカ」 「1855 肝臓でのグリコーゲンの存在を証明 ベルナール フランス」など
がある。 年表にみられる事項として、「1661 カエルの肺胞で毛細血管の血循環を発見
マルピー キ」「1842 尿生成について濾過説を提唱 ボーマン」「1848 染色体を発見
ホフマイスター」「1855 肝臓でグリコーゲンの存在を証明 ベルナール」などがある。
探究活動型
学習指導要領では探究活動が重視され、「探究方法を課題の特質に応じて適宜とりあげ
る。生物や生物現象の中から問題を見いだし、観察実験などを通して探究の過程をたどら
せ、科学の方法を習得させ、生物学的に探究する能力と態度を育てる」2)とあり、単元の
特 質や重視することがら難解の箇所、応用や発展的なことなどの観点からテーマがきま
る。教科書の「形質転換」では、大腸菌を用いて形質転換による形質の変化を観察する。「仮
説」は「大腸菌にGFPの遺伝子をもつDNAを入れると蛍光を発する」ことで培地を
作り、大腸菌を培養する。この実験は技術的むずかしく、高校生でできるのかどうか。
- 11 -
「探究活動の進め方」として、疑問の発生、予備調査、仮説の設定、実験計画の立案、準備
観察・実験の実施、結果の処理と考察の順に行なうことを指示している。
「探究活動の仕方」で「細胞発見の歴史から」(E)がある。フックの生い立ちからはじ
め コルクの顕微鏡観察で小さい部屋のようだと感じ、それを細胞(cell)とよび、細胞の
大 きさを測定した。他の動植物も観察した。そして 1665 年「ミクログラフィア」という
探究の筋であり、この細胞発見の過程を探究活動にあてはめることを試みている。
4.生物学史の図と写真
ほとんどの生物学史の事項には図が色刷りで描いてある。これによって生徒が理解しや
すいし、興味をもつことができる。写真の人物型で述べたことは除外する。
グリフィスの実験では、フラスコに液が入っている図、そこから→の印があり、マウスに
S型菌を入れる注射の図、そこから→印で示し、発病したとマウスが死んだ図がある。この
図解は 4 行にわたっている。(B) 細胞の発見では、フックの顕微鏡の写真がある。(A)
ゲノ ムの解読の生物では、解読された生物の年表があり、キイロショウジョウバエ(200)、
シロイヌナズナ(2000)、マウス(2002)の図がある。(E)
5.生物学史の学習
生物学史は授業の導入、展開、整理、発展、課題研究などあらゆるところに利用できる。
いくつかの生物学史の具体的な学習目標を指導書 3)を参考にしながら考える。
「遺伝子の本体が探索されてきた歴史的過程を知らせ、遺伝子が DNA であることを理
解させる」「遺伝子の本質についての考え方がどのように発展してきたかを理解させる」
「肺炎双球菌とバクテリオファージの増殖の実験から DNA がどのような役割をはたし
ているか について考え、それは他の生物に対してどのような意味をもつか」「DNA の自
己増殖のはたらきは、その構造からどのように説明されるか。過去においてこの問題の解
決にどのような努力がなされたのか」「遺伝の実験結果から導き出した法則性を学び、遺
伝子の実体がど のようにして証明されたかを理解する」
授業の中に科学者の行なった実験を取り入れる、学習内容を発展させる際に科学者の業
績を具体的に取り扱う、科学者の生涯や研究経緯に触れることで実効が上がる。 4)
1.「生物基礎」における生物学史の位置
生物基礎の教科書の本文の生物学史は前述した本文型であるが、きわめて少なく全体の
5 %である。ほとんどの生物学史は、「コラム」(COLUMN)、 Advance 、 NAVI 、「参考」
「発展」「実験・観察」「探究」「思考学習」「話題」などで本文とは別枠になっている。
この枠 は教師側としては、教えても教えなくてもいいという観念がある。また生徒にただ
「読んできなさい」ということもあるし、授業中にさっと触れる程度での傾向がある。そ
れでなくても教科書が 1 年間で終わらないので手付かずになる公算が甚だ大きい。とすれ
ばせっかく生物学史が記載されているのに学習しないことは残念なことである。つまり
「生物基礎」で は生物学史は、軽視されているといわなければならない。「学習指導要領
解説 理科編 理数編」(文部科学省 平 21)にも生物学史に関することは一口も記さ
- 12 -
- 13 -
- 14 -
れていない。これに は「生物基礎は…現代生物学の基盤となる内容」「実験観察を通し
て…基本的な概念や原理・法則を理解させる」と掲げてるにもかかわらず、その基礎のひ
とつとして生物学史が あげられる。また同書には「近年の生命科学の急速な進歩を反映
した内容…」ということ は、現代生物学の内容ということになり、前期の内容を更新して
現在の生物学やその問題や課題となっている。現代生物学としての考えが一貫して感じら
れる。しかしその逆の過去の生物学はそれに遠のくことになったというように解釈でき
る。それかといって生物学史を無くしてしまうことではなく、必要な箇所は多少は入れよ
うということだろうか。
教科書の「凡例」に「Advance」は、学習指導要領にはないが、必要に応じて学習でき
る 内容である、「COLUMN」は理解を深める内容をいくつかに区分し、そのひとつに科
学史の紹介がある。「NAVI」は学習している内容がどこに位置づけられているか示すと
いうような 意味がある。(E) 「参考」は内容に関連した参考事例であるとし、「話題」
は内容に関連した興味ある題材とあり、「発展」は学習指導要領にないが理解を深める発
展的な内容と いう説明がしてある。(B) たとえば「話題」では、細胞学の歴史と顕微
鏡の発達」「初 期の光合成研究」「血液の循環 ハーベイの発見」「ホルモンの発見」「自
律神経と器官をつなぐ物質の発見」
「ウイルキンス、フランクリンの実験」などがある。(E)
現代化が進められた。「各種調査のデータに基づいて、とくに‘生物基礎’は現行の学
習指導要領と大きく構成を変えて現代化をはかっている」5)という解説がある。理科教育
の 現代化とは基礎的、基本的事項を中心とした構造化された概念の形成と科学の方法の
習得 を探究の過程を通して行なうことをいう。 6)それは科学の発展にともなって変化し
た内容 を含む。つまり先にあげた現代生物学の内容となる。この現代化によって「生物基
礎」の課程ができたのである。その指導や理解には生物学史が有効であるが、軽視されて
いる。生物や生物現象にひそむ規則性、法則性、原理を長い時間をかけて研究してきた。そ
してそれらのひとつひとつを発見したり、明確にしたりしてきた。その過程を学ぶことに
よって生物というものの本質に触れたり、生命の不思議さ、神秘性を感じる。それによって
科学的 な思考が芽生えてくる。今後はもっと生物学史を多く取り入れたい。
引用文献
1)田代直幸 高等学校生物領域の改善事項 「理科の教育」 2009.10 19
2)文科省 高等学校学習指導要領解説 理科編理数編 74 2009
3)「生物 指導と研究」 64 1983 第一学習社
「生物Ⅰ 教授資料」 203 1980 数研
「新版生物教授資料」 180 、 182 1992 教育出版
4)尾崎匠 理科授業における科学史の活用に関する一考察 「生物教育」Vol.53
224 2013
2)前掲1 19
6)松田良一等編 日本の理科教育があぶない 89 2001 学会センター関西
- 15 -
No.4
Abstract
Analysis as to the History of Biology in 'Basic Biology'
by
Hisayuki ANDOU
Ex-Lecturer at the Faculty of Education, Utsunomiya University
I examined history of biology in six textbook of 'Basic Biology'. Their main point were next ;
Living things and gene were 49. Vanety and ecosystem of living things were 19. Support
cirulation of body were 20. Total were 88.
Content were classifed eight type ; Independence type, Substance type, Person type, Examination
type, Text type, Problem type,. Chronology type, and Research type.
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減数分裂の学習
(図を描いて学ぶためのワークシート)
Worksheets of meiosis
塚原
一秀
TSUKAHARA Kazuhide
神奈川県立新栄高等学校
Kanagawa Prefectural Shin-ei High School
A.はじめに
本校の理科は、今までは1年次に理科総合(物理分野を中心に学習、2単位)と化学
Ⅰ(2単位)を必修科目として学び、2年次に物理Ⅰか生物Ⅰを必修選択(3単位)と
してきた。(8割以上の生徒が生物Ⅰを選択)
昨年度、理科と数学が新教育課程の先行実施となったが、新しい教育課程への移行期
なので教育課程の一部手直しにとどめ、1年次に物理基礎と化学基礎を各2単位で必修
とし、2年次の現在は生物基礎を3単位の必修でおこなっている。完全に新教育課程に
なった今年の新入生からは、1年次に物理基礎と生物基礎(各2単位)、2年次に化学
基礎(3単位)をそれぞれ必修科目とした。このようにしたのは、本校の生徒にとって
は1年次に物理と化学を同時に学ぶのは負担が大きいと考えたからである。
それはさておき、旧教育課程の生物Ⅰでは1学期に「細胞」(細胞の働きと構造、細
胞の増え方、細胞と生物の体)、2学期に「生殖と発生」(生殖の方法、動物の生殖と発
生、発生のしくみ、植物の生殖と発生)を計画して授業をおこなってきた。細胞分裂の
過程は生徒が模式図を描かないと理解しにくいと思うので、私は書き込み式のプリント
に簡単な図を描かせている。
B.方法
1学期に扱う体細胞分裂は、次のことさえ抑えておけば比較的スムーズに学習が進ん
だ。
・細胞は、体細胞と生殖のための細胞(卵や精子)の2種類がある。(生殖細胞につい
てはここでは深入りせず、減数分裂の必要性だけ触れる。)
・染色体は生物の種ごとに本数や形が決まっている。
・体細胞は同形同大の相同染色体を2本ずつ持つ。
・体細胞が増えるときは、染色体を複製して均等に分ける。その結果、同じ細胞が2個
になる。
「皆の体を作っている細胞(成人で約60兆個)の染色体(遺伝情報が入っている)
は、出発点の受精卵と同じなのだ。」という話をして、これが理解できれば体細胞分裂
の授業展開はしやすい。
2学期になると、「無性生殖と有性生殖」から学び「配偶子の種類」が終わると、い
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よいよ減数分裂である。1学期に扱った体細胞分裂と減数分裂の違いを復習してから、
減数分裂の過程へと入っていく。教科書の図は、顕微鏡写真と模式図が並べられている
が、写真では染色体の形や本数はわからず、模式図も見ているだけでは理解しにくいと
思われる。そこで、書き込み式のプリントで作業をおこなった。
[作業1]
生徒が描く手間を考えると染色体数は少ないほうがよく、2n=4なら染色体の形を
2種類示せる。初めに、2n=4の細胞をモデルとして減数分裂の過程を板書・解説し、
配布したプリントに描かせた。このとき、染色体の形は単純化した長方形として、相同
染色体は色を変えて描いておいた。生徒の作業が終わると、減数分裂時のDNA量の変
化(細胞1個あたり)をグラフに示した。これも教科書に載っているが、私は説明しな
がら板書したグラフをノートに写させた。これだけでちょうど1時間分であった。プリ
ントは回収し、間違った部分を添削しておいた。
[作業2]
次の時間は2n=6の細胞モデルでの作業に入った。前回のプリント(2n=4で描
いてある)を返却して、これを見ながら描かせていった。染色体の本数の違いはわかる
が形を3種類としない生徒がいるので(同じ形の染色体を3本とするなど)、作業が始
まって少ししてから説明して、染色体の形を板書して確定しておいた。作業につまずい
ている生徒もいたので、机間巡視しながら適宜アドバイスして手助けをしていった。染
色体数が増えれば配偶子の染色体の組合せも増えるので、配偶子の染色体もしっかり描
かせた。(ポイントは染色体の形が3種類になっていること、数が半減して相同染色体
が別れ別れになっていること。)
最後に、2n=4と2n=6の両方のプリントを見ながら、配偶子の染色体の組合せ
と受精の組合せを比較させ、染色体数が増えると受精の組合せが増えていくことを理解
させた。今回のプリントも回収し、添削して返却した。
C.おわりに
私は、見たり聞いたりしただけでなく、自ら描くことも大切だと思っている。生徒が
細胞分裂の過程図を描くことによって、あいまいな知識を修正できるのではないだろう
か。
末筆ながら、発表の機会を与えてくださった安東久幸先生に厚くお礼申し上げる。
Abstract
Worksheets of meiosis
by
TSUKAHARA Kazuhide
Kanagawa Prefectural Shin-ei High School
Not only I look and heard it, but also think that it is important for picturing it by oneself. I may
revise vague knowledge by a student drawing the order of cell division (Mitosis).
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理科の勉強を通して未来を開く
Let's Open the Future Through Study of the Science
鈴 木 紋 子
Ayako Suzuki
湘南教育研究センター
Shonan Research Center of Education
理科で生物を学びそれを生かして、昔からの言い伝えも学びながら人生を楽しく、長
生きが出来たら幸せだと思う。なお、後世の為に役に立つ事を考えられたら、日本の国
が幸せになる。
①親の意見となすびの花は百に一つの無駄はない
茄子の花は、一つの花に雌しべと雄しべが一つずつある両性花なので、一つの花で無
駄なくみんな茄子になる。胡瓜は、雌花と雄花があるから単性花なので、雌花の下に胡
瓜の小さいのが付いている。尾花の花粉が雌花の柱頭に付くと胡瓜が実る。よって雄花
の方は実がならないので、無駄花であると人は言う。しかしながら、昔の人は理科を習
っていないから雌花・雄花を知らなかったのだろう。
②蟹を食うとも「がに」食うな
「がに」とは、蟹の呼吸器の部分で、エラの所で水を吸い込んだ時に、水中の微物や、
砂が入っているから、害になるといけないので食べない方が言い例え。
③鳥を食うとも「どり」食うな
「どり」は肺臓で、特に害に成ることはないので大丈夫だが、つい昔からの言い伝え
が残っている。
④秋茄子は嫁に食わすな
確かに秋の茄子は美味しいから、意地悪で「嫁には食べさせるな」と聞こえる。本当
の意味は、美味しいからたくさん食べると、冷えて妊娠しにくくなると言う意味がある。
⑤桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿
梅は枝を切ると新しく横枝が伸び、来年そこにたくさんの梅がなる。ところが桜は切
られればそのままで枝が伸びない。
⑥桃栗三年柿八年、梅は酸いとて十三年、柚子の大馬鹿二十年
本当に栗は3年目に実がなった。桃は早く実がなるので、おひな祭りに飾る。
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⑦水蕗と伽羅蕗の違い
蕗の葉柄には、穴の開いているのと開いていないのがある。穴の開いているのは水蕗
で、穴の開いていないのが伽羅蕗である。水蕗は皮を剥いて、日常の料理に美味しく煮
ておかずにする。伽羅蕗は皮ごと煮て、香道の伽羅の色になるまで煮るから、伽羅蕗と
言って佃煮にする。
⑧幻の自然薯(じねんじょ)
秋、背丈ほどのノミを持って山肌の黄色い色をした場所を探して長芋を掘る。1時間
以上かかって掘るときもある。ややしわくちゃのその芋は、自然薯と名前がついている。
これをすって食べると、これが天下一品の味がする。あまりに美味しいので、皆さんと
一緒に食べたくなる。現在お店で売っている長芋とはひと味違う。
⑨もうひとつ、天下一品の味がある
冬を越した小松菜が大きくなってまだ花つぼみが出始めの頃、つぼみごと葉っぱを取
って直ぐに茹でて醤油を掛けて食べる。これもまた天下一品の味がする。なぜだろう。
そこには花が咲く前なので栄養が山ほど入っているのだろう。一度皆さんに食べて頂き
たい。
⑩幼児は鮭の皮を食べたがる
鮭の皮は幼児達に取って、脳が盛んに成長する頃なので脳の回路の絶縁のために必要
な成分のだろう。だから、たくさん食べさせて良い。
⑪幼児には南京豆を食べさせない方が良いと言う
南京豆は消火しにくいので肺に入ると、ピーナッツは肺炎になって直らない。3 歳ぐ
らいまでの幼児には食べさせない方が良い。
⑫一歳未満の幼児には蜂蜜を食べさせるな
蜂蜜は殺菌剤、消毒剤のはたらきがありアレルギーにも効くが、一歳未満の幼児には、
蜂蜜を与えてはいけない。蜂蜜の中にあるボツリヌス菌の芽胞が繁殖して致命的な毒素
を出す事がある。
⑬5月になったら芹を採るな
昔、セリが湿地にあるのが多かった。5月頃になるとヒルが卵を産み、幼虫がセリの
茎の中をのぼっていく、幼虫が茎の中にいるから、食べない方がいいと言っていた。現
在は畑にあるので大丈夫である。
⑭七草がゆの七草を細かくきざむ時に口ずさむこと
「七草ナズナ、唐土の鳥が日本の土地に渡らぬ先にストトントン」と言いながら刻ん
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だ。七草を食べる風習は中国から伝わってきたという。
⑮胡瓜をたくさん実らせるには
胡瓜の芽が出て30cmぐらいになったら芽を摘む。するとそれぞれの葉柄の付け根
のところから新しい芽が出て、同じように成長するので、胡瓜が3倍も4倍も取れる。
⑯長生きするために
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
⑪
⑫
⑬
⑭
⑮
⑯
⑰
⑱
⑲
⑳
胃潰瘍にはジャガイモ・牛乳
風邪には、梅肉エキス・ネギ・大根
肝臓にはシジミ
癌の予防には、お茶・人参・緑色野菜・カボチャ・トマト・イチジク
感染症一般には、ニンニク・茶・蜂蜜・ワイン・イチゴ
疲れを取るには、コーヒー・蟹・海老・ヨーグルト・梅ジャム
骨粗しょう症には、牛乳・田作り・しいたけ・煮干し
高血圧には、青魚・オリーブ油・ニンニク・茶
コレステロールを正常にするには、タマネギ・大根・ニンニク
痔にはイチジク・小麦のふすま
子宮癌には、ブロッコリー・カボチャ
十二指腸には、キャベツ・豆腐・大根
疲労には、蜂蜜・梅ジャム・小豆・納豆・ミルク・海老
糖尿病には、ピーナッツ、黄色いスイカ・大豆・ヨーグルト・玄米・ヤーコン
夏バテには、梅酒・うなぎ・キュウリ・シソ・ニラ・ミョウガ・山芋
肺癌には、カボチャ・ウコン・ケール・シソ・甘草
冷え性には、杏・生姜・サツマイモ・ネギ・発酵茶
貧血には、ほうれん草・レバー・シジミ・魚介類
腹痛には、梅肉エキス(梅肉を黒褐色に煮詰めたもの)
便秘には、大麦・蕗・プルーン・クルミ・まめ・芋類
以上に記した物を気にして食べるようにすれば、長生きするでしょう。特に人参・タ
マネギ・青野菜は、毎日摂るようにしたいと思う。
野菜の歴史
昔は野草を食べていた。「春の野にい出て若菜摘む」これは、野草だった。五穀は耕
作されていたが魚介類と果実と野草は採取して食べた。食べ物は天然の物のみで木の実、
海岸に近くでは貝類があった。陸地にはセリやノビルのような野草が沢山あった。野菜
を畑で作るようになり、そして色々な野菜が増えて、人の寿命が延びた。昔は人生 50 年
と言っていたが、現在では 80 歳代はざらにいるようになった。考えれば食べ物のお陰だ
と思う。こんな甘い考えをしていたら、現在は野菜の水耕栽培が発達してきた。食料に
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もっと気を使ったら、人間はもっと長生きするだろう。学校で生物を習っている子供達
にどのようにしたらこの先、革命的な進歩が起るかを考えさせるのも生物の授業に必要
なことだと思う。今の中学生に、授業の在り方を色々と考え、長生きして幸せな日本に
成るように授業の工夫を考えたい。野草にも全て名前がある。先ず、子供達にたくさん
の植物の名前を覚えさせると近親感を覚えて興味を寄せる。まずは、たくさんの植物の
名前を覚えさせ、料理の仕方も家庭でたくさん教えておきたい。穀物も沢山あるし、色
々な野菜を沢山食べるとビタミンのはたらきで皆が長生きできる。
現在、多くの人は、地球が温暖化してると言う。しかし、武田邦彦先生は、今は長い
歴史から考えて第二の氷河期で温度は低いといっている。どんな環境でも人間が生き延
びるために、光合成で出来た産物を食料と燃料に使えば大丈夫なことは周知のことであ
るが、子供達にそれ以上の進歩発展を考え出せる人に育てておきたいと願う。
Abstract
Let's Open the Future Through Study of the Science
by
Ayako Suzuki
Shonan Research Center of Education
The human being can survive if I use the product made of photosyntheses for food and fuel in
any environment, but I pray the person who can devise further progress development when I
want to bring up children.
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桜並木の保全再生について
Preservation and Rebirth of the Street lined with Cherry trees by Katsuji Iwasa
岩佐 勝司
Iwasa Katsuji
大船地区自治町会連合会々長・離山町内会々長
Head of the Alliance Neighborhood Association in OfunaArea of Kamakura city
鎌倉市大船 3-12-24(H25 年 6 月)
Ⅰ.はじめに
大船の街の再生に向け、地域別に検討会を立ち上げた。桜並木のある私達の地域は、
「鎌倉芸術館周辺まちづくり協議会」地域内であります。
砂押川沿いの保全・再生の取り組みについて
「砂押川プロムナード沿道の桜並木」は昭和 11 年に松竹撮影所が蒲田から大船に移転
した記念に植樹された 1,200 本のソメイヨシノの一部で、地域資源として市民の方々に
愛し想われてきた桜並木です。
毎年、綺麗に花を咲かせていますが、老木となり、衰退が進んでいます。中には、花
が少なくなったり、倒木の恐れのある木もあります。
地域の資源である大切な桜並木を何とか守っていきたいと考え、平成 17 年 10 月から
砂押川沿線町内会(岩瀬町内会・南ヶ丘自治会・松竹前町内会・離山町内会)や企業が集
まり「さくら検討会」を開始しました。
1.平成 19 年 1 月 17 日(木)勉強会開催(50 名参加)
鎌倉女子大学の教室をお借りして、桜(ソメイヨシノ)の性質や樹勢回復の方法など樹
木医の先生をお招きし勉強会を開催。(ボランティア・女子大学生・検討会メンバー参
加)
2.1 月 29 日(月)、樹木医の先生に、砂押川沿いの一部を対象に「地質調査」と「樹勢
回復実験」を実施。先生のアドバイス、「まずは桜の根元や地質を調べ、衰退の原
因を把握した上で治療や対策を考えよう」と指導していただいた。
3.2 月 27 日(火)、106 本の桜の木に No.を取り付ける。
4.3 月 8 日(木)、桜のミニ診断実施。診断ポイント①木全体に小枝や葉がたくさんあ
るか②全体のバランスは良いか③枯れた枝はないか④木の肌はどうか⑤木の周りの様
子等、鎌倉女子大学の生徒さんにも参加していただき、106 本の桜の木の健康診断実
施。
5.3 月 5 日(月)と 8 日に桜の苗木の植樹。「砂押川沿いにソメイヨシノ 2 本」と「鎌倉
女子大学の校内に「山桜 2 本」」の植樹実施。
6.3 月 28 日(水)、子供たちによる「桜ワークショップ」開催。①桜ついての勉強会②
女子大生といっしょに「桜の地図づくり」「木の名前板づくり」等実施。
7.平成 19 年 4 月『さくら愛護会』発足。(ボランティア募集)
①清掃活動:毎月実施 ②新たに苗木を『植える』 ③『地域の子供達や女子大生と
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の勉強会』 ④『堆肥づくり』 ⑤『桜の手入れ』 ⑥『花苗の育成』など実施中。
8.10 月 27 日(土)『鎌倉さくらみち再生シンポジューム』鎌倉女子大学で開催。
(1)市内での取り組み事例紹介 ①鎌倉みどりの会 ②玉縄桜の会 ③大蔵頼朝桜道会
④砂押川プロムナード愛護会。 (2)基調講演「桜並地の保全再生の先進事例」(国立
桜守の会)。 (3)砂押川沿いの桜並地の現状と今後の取り組み報告。
9.12 月 5 日(水)樹勢再生治療(2 本目)樹木医先生指導(女子大生と愛護会)。
10.12 月 15 日(土)「定期清掃と草花植え」近所の小学生と愛護会。
Ⅱ.『桜並木の保全再生計画書』~よみがえれ、砂押川桜道 10 年計画~
1.現状
・106 本の桜の木が存在
・地域の人(ボランティアと学生)が調べた桜並地の現状(ソメイヨシノ 34 本、山桜 8
本、八重桜 23 本(カンザン 16 本、フゲンソウ 7 本)、寒緋桜 2 本、いずれの桜も衰
退が著しい、特に市道の街路樹は管理が行き届いていない。)
2.診断と治療方針
(1)診断の概要
A ランク(良好)・・・(右岸)4 本、(左岸)4 本、(計)8 本
B ランク(要観察~急を要しないが処置が必要となる場合あり。)
・・・(右岸)22 本、(左岸)27 本、(計)5 本
C ランク(伐採・植替えが必要)・・・(右岸)1 本、(左岸)4 本、(計)5 本
(2) 治療方針ー 13 の治療項目
①枯れ枝を取る
⑧キノコによる腐食を防止
②木食い虫に食べられた枝を取る
⑨根頭がんしゅ病を取って腐食処理をする
③天狗巣病のの枝を取る
⑩縦穴式土壌改良
④交差枝・立ち枝・平行枝を整理する
⑪不定根を育て樹勢回復
⑤胴吹きを取る
⑫コスカシバ対策
⑥幹の枯れた部分を取って腐食処理
⑬ヒコバエを取る
⑦幹の本数を減らす
3.実践の考え方
(1)基本方針:「みんなで、継続して長く取り組んでいかなければ意味がない」
そのためには、方針 1:楽しく 方針 2:無理なく 方針 3:みんなで協力して
~市民と行政と企業・大学が協力する仕組みを作っていく
(2)それぞれができること(役割) 「それぞれとは!」
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・市民の役割・・町内会としての活動、住民(ボランティア)としての活動、NPO
等としての活動をリード
・行政の役割・・街路樹や道路の管理、地域のまちづくりを支援
・企業の役割・・敷地内の樹木の管理、地域の一員として活動に参加、まちづくり
の研究の一環で活動に参加・NPO 等に協力(ゼミと学生)
(3)実践の方法
・その1:樹勢回復・・・年 3 本目標(10 年間で 30 本)
・その2:若木の植栽と苗木の育成・・・
・その3:花苗植栽と土づくり・・・花苗の植込(年 3 回)
・その4:通年の管理・・・胴吹き・枯れ枝等の除去、病虫害への対処
・その5:日常の管理・・・月 1 回の清掃、年 2 回の大掃除、ヒコバエの除去、樹
勢等観察(病虫害の発生+きのこの発生など)
・その6:楽しむ仲間を増やす(周期 PR)・・・イベント(桜まつり、子供たちと
ワークショップ、樹勢回復)を開催、地域の小学生と
の連携
(4)実践プログラム
・10 年間で現在の 106 本の桜並地の治療と再生を目指す(樹勢回復 30 本目標)
・当初 2 年間で市道の街路樹の基本的治療を施す。5 年後に状況を確認し追加治療
・経過観察及び見守り活動・日常の管理はボランティアが担う
【実践方法と役割】
①樹勢回復 ②縦穴式土壌改良 ③若木の植栽 ④苗木の育成 ⑤花苗作り(土づくり)
②通年の維持管理(枯れ枝・同吹き取り・病虫害対策など) ⑦日常の管理(ひこばえ取り
・樹勢観察など) ⑧楽しむ(イベント開催等) ⑨仲間を増やす(周知 PR)→市民・町内
会・行政・企業・大学 ☆主体となる者 ☆支援(補助)者等々
【平成 24 年度事業・活動実績】
月
活
動
日
清掃・除草
その他の活動
延べ人員
4 月 1 日・7 日・21 日
2回
さくら祭り・清掃 2 回
29 人
5 月 12 日・19 日
2回
清掃・役員会
21 人
6 月 4 日・7 日・15 日・21 日
3回
花植え・除草・総会・岩瀬町内参加
29 人
7 月 7 日・21 日
2回
アジサイ植栽・清掃・除草
14 人
8 月 4 日・18 日・22 日・25 日
2回
樹名板制作・清掃・見やり
21 人
9 月 1 日・8 日・15 日
2回
清掃・役員会
23 人
10 月 6 日・20 日・10 日・23 日
2回
樹名板取替え・現状調査・役員会・清掃
26 人
11 月 4 日・17 日・24 日
2回
清掃・大船小学校打ち合せ
18 人
12 月 1 日・15 日
1回
花苗植え・清掃
15 人
1 月 19 日
1回
清掃・樹勢回復治療
9人
2 月 1 日・15 日
1回
役員会・清掃・剪定・治療
9人
3 月 2 日・7 日・16 日
2回
清掃・治療・施肥・大船小学校リーク
23 人
◎清掃・除草= 23 回 ◎現状調査= 1 回 役員会= 3 回 計=235 人
地域の人に愛し、想われてきた桜並地を楽しく・無理なく・みんなで協力して(市民と
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行政と企業・大学)衰退した桜 106 本の再生に向け、努力中であります。
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Abstract
Preservation and Rebirth of the Street lined with Cherry trees
by
Iwasa Katsuji
Head of the Alliance Neighborhood Association in OfunaArea of Kamakura city
Inhabitants in the community of the area of Ofuna, Kamakura city, Kanagawa prefecture struggle
everyday for the reservation and re-birth of the street lined with Cherry trees named the river
SUNAOSHI-GAWA promenade by means of volunteer activities of Neighboring children and
sutudents of Kamakura Women's Umiversity The purposes of their activities are to plant young
Cherry trees in the street to prevent the aging of old 106 Cherry trees which were planted
SHOCHIKU Movie Co., Ltd. in old day to enjoy the festivals of Cherry blossoms in Spring and
to be useful to the community of the area of Ofuna.
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東京近郊のアリの検索
Practical Table Key Around Tokyo
近藤 正樹
Masaki KONDOH
近藤蟻蜘蛛研究所
Kondoh Institute of Myrmecology and Archnology
日本にすむアリは 280 種ほど知られている。これらのアリのなかには小笠原や沖縄に
すむアリも多いので、関東以北ではそれほど多くはない。県別に見ると 80 種程度と思え
ばよいだろう。さらに言うと、出会うことことが少ないアリもいるので、初心者がよく
出会うアリは 30 種程度と考えてもよかろう。
私は短期大学保育科の学生にアリの仕分け作業を手伝ってもらった経験から、アリの
形と大きさから検索する案を提供をしてみた。その結果、学生は数時間の体験でほぼ習
熟し、ほぼ間違えずに仕分けができるようになった。中学生にも試みたが、有効な検索
技術であることがわかったので、紹介する。
<
別
表
>
ここで見当がついたアリについては「日本産アリ類全種図鑑」(学研刊)を参考にして
色や形を確認するとよい。この方法を併用すると、ほとんどのアリの同定はできる。し
かし、誤認を避けるために、初心者は検索の結果を専門家に点検していただくようにお
すすめする。なお、点検をお願いする際に、一部は提供してもよいように、複数の個体
を送るという配慮は御礼としてのマナーと考えている。その結果、県別分布図の改訂に
貢献することになる。
他の地域でもこのような検索表を案出すれば、検索が便利になると思っている。
ちなみに、東京都あきる野市横沢入にある東京都里山保全地区に残されたコナラ林に
おけるハチミツ・トラップの結果を紹介しておこう。このデータは 52 地点での集計で、
常在度としたローマ数字は 20 %きざみで表示されている。
横沢入
落葉広葉樹再生林(コナラ林 周辺植生下のアリ相
種
アメイロアリ
アズマオオスアリ
キイロシリアゲアリ
類
常在度
Paratrechina lavipes
Pheidole fervida
Cremalogaster osakensis
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V
V
V
(26 種)
存在の頻度
どこにも見られる
どこにでも見られるが常緑樹の下
どこにでも見られるが落葉樹の下
トビイロケアリ
オオハリアリ
アミメアリ
アシナガアリ
ハヤシクロヤマアリ
ムネアカオオアリ
ヒメアリ
ヒメムネボソアリ
モリシタケアリ
シワクシケアリ
キイロヒメアリ
クロヤマアリ
カドフシアリ
ムネボソアリ
コツノアリの一種
トビイロシワアリ
クロオオアリ
ケブカツヤオオアリ
テラニシシリアゲアリ
ヤマヨツボシオオアリ
トゲアリ
ウメマツアリ
ウロコアリ
Lacius japonicus
Pachycondira chinensis
Pristomyrmex
Aphaenogaster famelica
Formica hayashi
Camponotus obscuripes
Monomorium intrudens
Temnomyrmex arimensis
Latius morisitai
Myrmica kotokui
Monomorium triviale
Formica japonica
Myrmecia nipponica
Temnomyrmex congruus
Oligomyrmex sp.
Tetramorium tsushimae
Camponotus yamaokai
Camponotus nipponensis
Crematogaster terenishii
Camponotusyamaokai
Polyrhachis lamellidens
Vollenhovis emeryi
Strumigenys lewisi
Ⅳ
Ⅳ
Ⅳ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅲ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
Ⅰ
やや普通(枯株に依存している)
やや普通(やや湿った土中)
やや普通(群で放浪)
やや稀(針葉樹林の付近)
やや稀(踏跡路沿い)
やや稀(落葉樹林下)
稀(林内草地)
やや稀(落葉樹林下)
稀(行列をつくっている)
ごく稀(林縁草地)
ごく稀(林内草地)
ごく稀(草地域)
ごく稀(林縁)
ごく稀(林縁)
ごく稀(落葉樹林下)
ごく稀(草地域)
ごく稀(草地域)
ごく稀(林縁)
ごく稀(林縁)
ごく稀(林縁)
ごく稀(樹間)
ごく稀
ごく稀
(ハチミツ・トラップ調査による)
Abstract
Practical Table Key Around Tokyo
by
Masaki KONDOH
Kondoh Institute of Myrmecology and Archnology
Myrmecology is the scientific study of ants, a branch of entomology. Some early myrmecologists
considered ant society as the ideal form of society and sought to find solutions to human
problems by studying them. Ants continue to be a model of choice for the study of questions on
the evolution of social systems because of their complex and varied forms of eusociality. Their
diversity and prominence in ecosystems also has made them important components in the study
of biodiversity and conservation. Arachnology is the scientific study of spiders and related
animals such as scorpions, pseudoscorpions, harvestmen, collectively called arachnids. I have
studied Ants in Tokyo for a long time with students in childcare school of Shiraume College.
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一本のケヤキの古木の消滅
Cut down of the Old big tree
田羅征伸
Masanobu TARA
岡山大学名誉教授
Emeritus of Okayama University
キーワード
古木、巨木、ケヤキ、岡山大学キャンパス、環境行政、車行政、ハンブルグ、車道真中
の巨木、車乗り入れの禁止、ハワイ、事故
はじめに
昨年、岡山大学のキャンパスから、一本のケヤキの古木が姿を消した。理由は、「新
駐車場」建設の敷地内にあったからである。樹齢は百数十年と推定される。幹の直径は
約 2 m、高さは 3 階の天井の高さである。
位置は、「岡山大学津島キャンパス」を東西に貫く、「東西通り」に面している。「環
境理工学部(旧教養部)」の「北門」の東脇、「運動場(野球場)」の北の一角である。
筆者が、毎朝、ごみを拾っている通である。これまでは、5 月になると、このケヤキ
の葉が巨大な日陰を形成していた。しかし、今年は、そこだけぽっかり穴が開いたよう
に寂しくなった。
問題は、この偉大な木を切ってまで、そこを駐車場にしなければならなかったかであ
る。筆者は、「北海道大学」に次ぐ、広大な敷地を持つ岡山大学「津島キャンパス」に
これ以上駐車場は必要ない、と思っている。その矢先の出来事であった。
1.ハンブルグの車行政と環境保護
話は飛ぶが、数年前、筆者はハンブルグ大学名誉教授シェイファー先生を訪ねた。そ
のとき、先生は、自家用車で筆者を、「放送局」や「ハンブルグ大学」などに案内され
た。その途上、車道の真ん中に近い位置に、大きな「センダン」の巨木が立ちはだかっ
た。この木を伐らないで、道路を作ったのである。もし、この木が道路の真ん中にある
ことを知らなかったら、激突するのは明らかである。
にもかかわらず、この巨木に敬意を表して残したのである。また、ハンブルグ市内は、
車の乗り入れ禁止である。だから、郊外に車を駐車、市内にはアウトバーンで乗り入れ
た。
2.ホノルルの車事故と厳しい対応
話は変わるが、筆者は、車には乗らない主義、免許状はもっていない。筆者は、1971
~ 2 年、ハワイ大学へ、研究者として滞在した。車の「国際免許状」を取る気さえあれ
ば、1 週間で簡単に取れた。理由は、次のとおりである。名も知らないご婦人が、アメ
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リカ本土で仕事をしているご主人を訪ねるため、途中、立ち寄ったハワイ・ホノルル観
光をレンタカーで試みた。
市内のさる交差点に差し掛かった時、後ろを見ずに車をバックさせた。そこに白人の
老婦人がいた。運悪く、この老婦人をはねた。さらに、悪いことは重なるものである。
その婦人は打ち所が悪く、まもなく死んでしまった。その結果、過失では済まなかった。
即「終身刑」の判決が下りた。その結果、夫は離婚し刑務所生活を余儀なくされた。
筆者にとって、この事件は他人事には思えなかった。
1 年後、筆者は広島の実家に帰宅後、広島市の私立「崇徳高校」生物教諭に復帰した。
その高校の隣接地に「大芝自動車教習所」があった。隣のよしみで、受講料は半額でよ
かった。筆者を除いて、ほとんどの先生方が車の免許状を取った。筆者は、頑として自
動車免許状を取らなかった。「自分が、車に乗らねば、他人に被害を及ぶことはない。」
という信念を持っているからである。
3.車行政と環境保護
筆者は、『「環境」を取るか「便利さ・車」を取るか』と問われたら、「環境」を取る。
実は、現在の岡山大学において、「駐車場は必ずしも必要ではない」と筆者は考えて
いる。話はそれるが、全体を見て部分を判断するために、岡山大学津島キャンパスの全
貌を述べる。
「岡山大学津島キャンパス」は、元は中国地方で唯一の陸軍の師団司令部があった場
所である。その広大な敷地の中には、数多くの樹木が生存している。さらに、予想を上
回る多くの巨木が生存している。中でも、古くから昔の旧街道筋(東西道路)には、旭川
の農業用水路が平行して流れている。このため、多くの巨大な古木が現在も健在なので
ある。例えば、ケヤキ(街路樹)、クスノキ(街路樹)、センダン、イチョウ(街路樹、南北
道路)、ヒマラヤスギ、アメリカフウ(東西道路沿い、街路樹)、ヤナギ、アベマキ、モミ、
メタセコイア、ヤマモモ、ヤマザクラ(法・文学部、1 本巨木)、ヤマモモ、クロマツ(街
路樹、南北道路)、アカマツ、スギ、ヒノキ、アベマキ、アラカシ、シラカシ、ウバメガ
シ、ヒイラギ、アオギリなどである。いずれも、幹の周囲が 2.5 m~ 3.5 mである。これ
らが、用水路の両側、および道路の南側(キャンパス内)に列を作って生存している。素
晴らしい環境である。
このほかに、キャンパス内には次の植物が散在している。
ソメイヨシノ(全学内)、カイズカイブキ(生垣、法・文学部)、ハナミズキ(アメリカから
寄贈の紅白の街路樹、東西道路)、ネズミモチ(生垣)、カナメモチ(生垣)、シャリンバイ
(生垣)、ツツジ(紅・白・ピンク、街路樹、東西道路)、サツキ(街路樹)、サザンカ(街路
樹)、モモ、ハクバイ、コウバイ、ヤエザクラ、カエデ、シモクレン、ハクモクレン、コ
ブシ、ハナズオウ、キョウチクトウ、マサキ(生垣)、アカシア、シャリンバイ、トベラ、
アジサイ、アセビ、オウバイ、ハナズオウ、シチョウゲ、ハクチョウゲ、ツゲ、イヌツ
ゲ(生垣)、マメツゲ(生垣)、ボケ、ヤブツバキ、キンモクセイ、ギンモクセイ、ヤマモ
モ、ザクロ、サルスベリ、マユミ、ヤマブキ、ジンチョウゲ、オウバイ、ツルグミ、ヤ
ツデ、ハラン、チュウゴクザサ、シュロ、オキナワザクラ(農学部玄関に 1 本)、ノイバ
ラ、ソテツ(教育学部玄関脇に 1 本)、リュウゼツラン(同)、ナツズタ、フユズタなどで
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ある。
「その中の 1 本や 2 本切っても別に問題はない。」と考える人が少なくないのも事実であ
る。しかし、筆者はそうは思わない。たとえ、一本たりとも無駄に切り捨ててはならな
い。切った木は、二度と再生しないからである。
おわりに
現在、東北の原発事故の結果、電力不足が問題になっている。原発を完全に中止する
のが問われている。ドイツでは、原発完全中止を目標に掲げている。日本も同様である。
しかし、違うところは、その具体性である。車行政、環境行政も同様である。岡山大学
管理下の「半田山(裏山)」では、「草木一本たりともとることはできない」という規則
があり、守られている。しかし、今回の件はこの原則に反している。残念である。
Abstract
Cut down of the bigold tree
by
Masanobu TARA
Emeritus of Okayama University
The old big tree was cut down in the Okayama University to construct parkinglot. Even
though, we need not to construct such a parkinglot in our campus with elimination of the old big
wonderful tree, Zelkova serrate Makino. In Hawaii, it was very severe for the accident of the car
compered to Japan. I hope to be more severe to the environmental issues in Japan.
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あとがき
Afterword
齋藤 三男
Saitoh Mitsuo
嘗ての東京教育大学(今の筑波大学)で、同期生だった東海大学名誉教授の佐々木園子
博士が、自らの教師体験を踏まえて「南足柄山地の物語」という書籍を出版されました。
ぜひ、皆さんのご購読をお願い申し上げたいと存じます。
学生達と自然林を求める仲間が調べた
「南足柄山地の物語」
戦中・戦後の禿山を修復して育った自然林の植物と土壌
東海大学教養学部人間環境学科自然環境課程
名誉教授 佐々木園子 編著
はじめに
母校であり、初めての職場だった東京教育大学が筑波移転で揉めていた頃(1976 年)、
東海大学教養学部生活学科生活科学課程に転職しました。学園紛争の中で、研究・教育
とは何のため?と悩んでいたところでしたので、湘南キャンパスの明るい雰囲気と、人
なつっこい学生気質は嬉しく、「生活科学」という名前も、生活者の視点からの研究・
教育という意味で気に入りました。その後、ここは家政科ではない、もう少し具体的な
内容を表そうということで「生活科学=資源と環境」とすることとなり(1980 年)、生物
学科植物学専攻出身の私としては、まだ自然が残っている一方で、急速に環境破壊が進
みつつある、大学近くの山や川が気になりました。若い人たちと共に現場を見ようと、
近くの二級河川・金目川の沿って植物や水質を調べたり、合成洗剤の影響を調べる実験
をしたりしていました。しかし、今一つ、何がどうしてこのように自然を壊していくの
か、それを防ぐために我々に出来ることは何か、を考える糸口がつかめませんでした。
そこで、近くでどんな開発計画があるのか、と尋ねて誘われたのが 1984 年、南足柄市
の山中で起った「横浜市休暇村計画」の視察(地元の「緑と水源を守る会」と「日本科学
者会議神奈川県支部」の共催)でした。本文(省略)に書いた通り、それは先駆種ヤシャブ
シとの出会いであり、山地の現状をよく知り、その劣化を心配して地域を守る気概のあ
る人たちとの出会いでした。これをきっかけにとして、毎年 3 年生、4 年生各 10 名程の
ゼミ生を連れてこの山地に来ることとなり、希望した学生達は卒業研究として、1 年に
数回この山地を通って植物や土壌などを調べました。<後略>
2012 年 10 月
佐々木 園子
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目
次
はじめに
第 1 章 金時山北麓の造成地に出来たヤシャブシ林
Ⅰ.造成 5 年後の観光開発予定地に生え揃った若木は植えたものではなかった!
Ⅱ.ヤシャブシ林の成長を追って
Ⅲ.まとめー表土を剥がれた裸地に自然林が回復するまで
Ⅳ.補遺ー 2011 年(造成 32 年目)秋のヤシャブシ林で採集できた木本植物
第 2 章 明神・金時北面に残る自然林の植物
Ⅰ.遷移過程を考えるための予備調査
Ⅱ.明神ヶ岳・金時山北面の尾根筋に残る自然林の調査地とお世話になった方々
Ⅲ.自然林の調査から見えてきたもの
Ⅳ.まとめー戦後の禿山から再生したシデ類、ヤマボウシの多い自然林
第 3 章 明神・金時北面山地の自然林の樹種と土壌
Ⅰ.各種樹種の葉の成分と落葉の土壌中での分解
Ⅱ.山地土壌と酸性雨
Ⅲ.まとめー樹種の違いと土壌、酸性雨はどう関わっている?
あとがき
Afterword
by
Saitoh Mitsuo
The Association of Practical Education in Biology
Saitoh Institute for Biology Education
Recently Dr. Sasaki Sonoko, professor emeritus of TOKAI University, published her book
named, "A Story of Mountainous Area in Minami-Ashigara City, Kanagawa, Japan." She appeals
for importance of the conservation of nature in Minami-Ashigara city in her book.
She is my old friend who was my classmate of Tokyo University of Education.
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実践生物教育研究会事務局
実践生物教育研究メーリングリスト
東京都緑地保全活動指導者
齋 藤 三 男
〒 193-0801 東京都八王子市川口町 2640-5
齋 藤 生 物 教 育 研 究 所
Tel&Fax: 042-654-2474
E-mail: [email protected]
URL:http://www004.upp.so-net.ne.jp/jissen/
http://www.nextftp.com.jissen/
The Society of Practical Education in Biology
SAITOH MITSUO
SAITOH INSTITUE FOR BIOLOGY EDUCATION
2640-5, Kawaguchi, Hachioji, Tokyo, 193-0801, Japan
Tel&Fax: +81-42-654-2474
E-mail: [email protected]
Website: http://www004.upp.so-net.ne.jp/jissen/english.htm
No.54
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