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Title Lack of Correlation Between UGT1A1*6, *28
Title Lack of Correlation Between UGT1A1*6, *28 Genotypes, and Plasma Raltegravir Concentrations in Japanese HIV Type 1-Infected Patients Author(s) 平野, 淳 Citation 博士論文要旨Abstract 以下に掲載:AIDS RESEARCH AND HUMAN RETROVIRUSES 28(8) pp.776-779 2012. Mary Ann Liebert,Inc., 共著者 :Atsushi Hirano, Kenji Ikemura, Masaaki Takahashi, Masaaki Shibata, Katsuo Amioka, Toshiharu Nomura, Yoshiyuki Yokomaku, Wataru Sugiura Issue Date 2014-03-22 Type Thesis or Dissertation Text version none URL http://hdl.handle.net/2297/40284 Right 学位授与機関 金沢大学 学位の種類 博士(医学) 学位授与年月日 2014年3月22日 学位授与番号 甲第3985号 *KURAに登録されているコンテンツの著作権は,執筆者,出版社(学協会)などが有します。 *KURAに登録されているコンテンツの利用については,著作権法に規定されている私的使用や引用などの範囲内で行ってください。 *著作権法に規定されている私的使用や引用などの範囲を超える利用を行う場合には,著作権者の許諾を得てください。ただし,著作権者 から著作権等管理事業者(学術著作権協会,日本著作出版権管理システムなど)に権利委託されているコンテンツの利用手続については ,各著作権等管理事業者に確認してください。 http://dspace.lib.kanazawa-u.ac.jp/dspace/ 論文内容の要旨及び審査結果の要旨 報 告番 号 受 付番 号 甲 第 2409 号 論 文審査 担当 者 氏名 平野 淳 主査 宮本 謙一 副査 市村 宏 副査 清水 徹 学位請求論文 題 名 Lack of Correlation Between UGT1A1*6, *28 Genotypes, and Plasma Raltegravir Concentrations in Japanese HIV Type 1-Infected Patients (日本人 HIV-1 感染症患者において、UGT1A1*6, *28 の遺伝子型と血漿中ラルテグ ラビル濃度の間に相関関係はない) 掲載雑誌名 AIDS RESEARCH AND HUMAN RETROVIRUSES 第 28 巻第 8 号 776 頁~779 頁 平成 24 年 8 月掲載 ラルテグラビル(以下、RAL)は、ウイルス DNA を宿主 DNA に組み込む際に必要なインテグラーゼを阻害 する新しい作用機序を有する抗 HIV 薬である。RAL は、主に UGT1A1 によるグルクロン酸抱合により代謝さ れるが、*6,*27,*28,*37 の遺伝子多型を有する症例において、UGT1A1 活性の低下をもたらす可能性が指摘 されている。そこで本研究では、日本人 HIV-1 感染症患者を対象に UGT1A1*6,*27,*28 の各遺伝子多型と血 漿中 RAL 濃度との相関関係についての検討を行い、以下のような成績を得た。 独立行政法人国立病院機構名古屋医療センターに通院中の 56 例(男性 50 例、女性 6 例)について UGT1A1 遺伝子の解析を行った結果、56 例中、UGT1A1*6 ホモ接合体を有する症例は 2 例であった。また UGT1A1*6 ヘテロ接合体を有する患者は 13 例、UGT1A1*28 ヘテロ接合体を有する患者は 11 例であった。登録患者中 UGT1A1*27 をヘテロまたはホモ接合体で有する症例は見られなかった。血漿中 RAL 濃度を測定した結果、 UGT1A1*6ホモ接合体を有する症例1例では、 UGT1A1*6野生型およびヘテロ接合体を有する患者と比較して、 血漿中 RAL 濃度はやや高値であったが、もう 1 例では低値であった。また UGT1A1*6 もしくは*28 ヘテロ接 合体を有する症例では、それぞれの野生型と比較して、血漿中 RAL 濃度に有意な差は認められなかった。 これまで海外において UGT1A1*28 ホモ接合体を有する症例では、野生型と比較してわずかに血漿中 RAL 濃度が高いことが報告されている。しかし本研究では、UGT1A1*28 ホモ接合体を有する症例はいなかった が、UGT1A1 野生型症例と*28 ヘテロ接合体を有する症例との比較においては、血漿中 RAL 濃度に有意な差 は認められなかった。UGT1A1*6 については、ホモ接合体を 2 例、ヘテロ接合体を 13 例確認したが、血漿 中 RAL 濃度は、野生型症例と*6 遺伝子型症例との比較において、一定の傾向、関係は認められなかった。 以上の結果より、UGT1A1*6 および*28 のホモ接合体の遺伝子多型が血漿中 RAL 濃度に及ぼす影響を明確 にすることはできなかったが、UGT1A1*6 および*28 のヘテロ接合体を有する日本人 HIV-1 感染症患者にお いて、これらの遺伝子多型は少なくとも血漿中 RAL 濃度に顕著な影響は及ぼさないことを示した。RAL は、 他抗 HIV 薬のみならず、代謝酵素や薬物トランスポートの発現に影響を及ぼすリファンピシンをはじめと する抗菌薬と併用して使われる可能性の高い薬物であるため、薬効や副作用発現に十分に注意して使われ るべきであることを示した意義深い研究と認められた。