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情報と社会 - MOST

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情報と社会 - MOST
13/05/13
2013年度 情報と社会
2013年度 情報と社会
復習:集合知�
情報と社会
「集合知」という言葉は�
主に二つの意味合いで使われている。�
第6回�2013年5月14日�
集合知�
(Collective Intelligence)�
集団的知恵�
群衆の知恵�
(Wisdom of Crowds)� (Collective Intelligence)�
稲葉 利江子�
2013年度 情報と社会
2013年度 情報と社会
群衆の知恵モデルはバラバラなインプットに注目する。�
集団的知性モデルは知識生産のプロセスに注目する。�
---------------Henry Jenkins�
集合知:まとめ�
群衆の知恵�
集団的知性�
・インプットの多様性�
・わたしによる集約性�
・多数決的な選択�
多様性�
独立性�
分散性�
・プロセスの多様性�
・みんなによる協働�
・競創的な創造�
多様性�
共有�
集約性�
みんなの意見�
群衆の知恵�
・メディア研究者�
・南カリフォルニア大学教授�
競争�
協力�
成果�
2013年度 情報と社会
本日の予定�
2013年度 情報と社会
情報ネットワークと社会�
■前回の振り返り�
�□集合知�
情報ネットワークの現状を紹介し, 情報ネットワークがどのようなイ
ンタラクションを可能とするかを説明する。�
�
�
■情報ネットワークと社会�
�□共生:社会ネットワーク�
�□協調:グループウェア�
• 共生: 電子的なコミュニティ(Community)は自律的で緩やかな
連携を生み出し,世界の調整機構の主役となる。�
コミュニティは,メンバーが不特定で,関心を共有する。�
スモールワールドなど,社会ネットワークの性質について述べる。�
�
• 協調: 電子的なチーム(Team)は地理的に離れた人々の共同作
業を可能とする。 チームは, メンバーが明確で,かつ達成期限のあ
る共通の目的を持つ。�
グループウェア,電子会議システム, インフォーマルコミュニケーショ
ンについて述べる。�
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2013年度 情報と社会
2013年度 情報と社会
共生:Community�
社会ネットワーク�
コミュニティ概念の変化�
・コミュニティ(MacIver, 1917)�
ü  地域性、共同性、血縁関係のようなグループ�
ü  社会的相互作用、共通の絆�
ü  不特定多数の人々が生活関心を同時に充足する場�
■社会的ネットワーク(Social Network)�
�−人と人との「つながり」によって構成されたネットワーク�
�
■社会ネットワークは以下をモデル化�
�−Who knows who�
�−Who knows what�
�
■SNS: Social Network Service�
�−社会的ネットワークをインターネット上で構築すること
を目的としたサービス�
➡都市化に伴うコミュニティ解体論�
�
・コミュニティ解放論(Wellman, 1988)�
ü  地理的に遠くはなれた人々の関係を結ぶメディアの
発展と『社会ネットワーク型コミュニティ』�
ü  オンラインコミュニティ�
��・人と人とのコミュニケーションを支援�
��・コミュニティ:同じ趣味・興味,同じ出身校の人と知り合い,情報交
換することができる�
��・人と人とのつながり:「友人の友人」と知り合うことができる�
�
2013年度 情報と社会
小世界現象�−6次の隔たり−�
2013年度 情報と社会
弱い紐帯の強み�
■Mark Granovetterが1973年に提唱�
■友人の友人の友人…といった知り合いの連鎖を6回ほど辿っ
ていけば世界中の人と間接的に繋がっている??�
�
■転職したばかりの282人のホワイトカラーの労働者を調査�
�−現在の職を得るのに必要な情報をくれた人は?�
��・よく知っている人よりも繋がりが弱い人から得た情報を元にしていた�
�
■John Guaraの戯曲「Six Degrees of Separation」が語源�
�
���−1週間に2回以上コンタクトを取る人:16.7%�
���−1年に1回〜1週間に2回:55.6%�
���−1年に1回未満:27.8%�
■Milgramの実験(1967):スモールワールド実験�
�−無作為に選んだネプラスカ州の160人にマサチューセッツ州在住のある
人物宛の手紙を渡す�
�−「この人物の住所を知らない場合は,知っていそうな知人に転送してくだ
さい」�
�−160通中42通が実際に届く�
�−届くまでに要した転送の回数は平均して約6回�
�
■一見疎遠な関係である顔見知りや友人の友人といった「弱い
繋がり」が情報を入手する機会を得るために欠かせないもので
ある�
�−親友や同じ職場の仲間のような「強いつながり」の人とは,元々�同一の情報
を共有している�
�−自分が知らない情報は弱いつながりの人から得られる場合が多い�
2013年度 情報と社会
スモールワールドネットワーク�
■WattsとStrogatzの研究(1998)�
2013年度 情報と社会
スモールワールドネットワークの例�
�−近接する「ノード」をつなぐ「リンク」�
�−遠く離れたノード同士をつなぐ「ショートカットリンク」�
■スモールワールドネットワークは,多くの節点をもつ枝の少
ないネットワーク
�−アイデア:高度にクラスタリングされたグラフに,ランダムなリンクを少し
追加したらどうか?�
�−結果:高度に構造化+短い経路�
■スモールワールドネットワークの例
−映画俳優の共演グラフ(社会のネットワーク)
−アメリカ西部の電力網(人工のネットワーク)
−線虫(C. elegans)の神経回路網(生体のネットワー
ク)
�
�
�−解析の対象として,これまでは完全に正則,あるいは,完全にランダムなも
のが扱われてきた�
��・多くの生物学的,工学的,社会的ネットワークは,この両端の間�
Reference:
・S. Milgram, “The Small-World Problem,” Psychology Today 1(1), pp.66-76, 1967
・D. Watts and S. Stogatz, “Collective dynamics of ‘small-world’ networks,” Nature
393, pp.440-442, 1998.
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2013年度 情報と社会
2013年度 情報と社会
情報ネットワークと社会�
グループウェアの定義�
情報ネットワークの現状を紹介し, 情報ネットワークがどのようなイ
ンタラクションを可能とするかを説明する。�
Robert Johansenの定義�
�
�
• "....a generic term for specialized computer aids that are
designed for the use of collaborative work groups. Typically,
these groups are small project-oriented teams that have
important tasks and tight deadlines. Groupware can involve
software, hardware services, and/or group process support.“�
• 共生: 電子的なコミュニティ(Community)は自律的で緩やかな
連携を生み出し,世界の調整機構の主役となる。�
コミュニティは,メンバーが不特定で,関心を共有する。�
スモールワールドなど,社会ネットワークの性質について述べる。�
�
�
• 「協同作業を行うグループによる利用のために設計されたコンピュータ支
援に対する総称. 特にこれらのグループは小さなプロジェクト指向のチー
ムで重要な任務とデッドラインを抱えている. グループウェアはソフトウェ
ア, ハードウェア, サービス, そしてグループプロセス支援を含む. 」�
• 協調: 電子的なチーム(Team)は地理的に離れた人々の共同作
業を可能とする。 チームは, メンバーが明確で,かつ達成期限のあ
る共通の目的を持つ。�
グループウェア,電子会議システム, インフォーマルコミュニケーショ
ンについて述べる。�
2013年度 情報と社会
2013年度 情報と社会
CSCWとグループウェア�
研究の歴史�
Ø  Douglas EngelbartがSRIで,コンピュータを使い人間の知的能力を「増幅」
する研究を推進�
�−マウスやウィンドウ,ポップアップメニュー,ハイパーテキスト,ユーザインタ
フェース管理システム(UIMS)などのコンセプトを数多く発明�
�−1968年に,“NLS: oNLineSystem”と呼ばれる遠隔共同作業支援システム
の歴史的デモンストレーション�
�
• 「グループウェア」はテクノロジーあるいは製品指向の名称.�
• 「CSCW」は協調活動に焦点を当てた名前. テクノロジーと組織・社会
の共進化が課題.�
• グループウェアは工学的技術だけでなく, それを使うグループの文化
的・社会的背景, および新しいグループウェア技術の導入がユーザに
及ぼす影響を考慮して設計される.�
Ø  国際会議CSCW-86が開催�
�−当初は会議支援システムが中心的�
��トピック�
�−徐々に,技術が人間の行動や組織�
��に及ぼすインパクトに関心�
2013年度 情報と社会
2013年度 情報と社会
Mother of all demos�
インタラクションの分類�
フォーマル�
計画的�
(1)協同設計,文書編集�
コラボレーション�
協同作業�
コミュニケーション�
会話・情報交換�
ヘッドセットを付けたEngelbart の映像とNLS の出
力が合成され、デモは進行した。 �
アウェアネス�
そこにいる�
(2)会議,打ち合わせ(計画的)�
�
(3)立ち話(無計画的)�
��廊下,コーヒーラウンジ�
(4)見える,聞こえる�
��何をしているかわかる�
無計画的�
インフォーマル�
SRI のラボとデモ会場で同じ画面を共有�
NLS では、画面を共有することが可能であり、複
数のユーザが同じ画面を見ながら、会議を行うこ
とができた。�
※「アウェアネス」はコミュニケーションもコラボレーションも行なわないが, 互いがど
のような状態にあるか, 何をしているかがわかることを意味する.�
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2013年度 情報と社会
グループウェア設計の指針�
2013年度 情報と社会
電子会議システム�
Ø  手元で黒板を共有する仕組み→共有黒板�
�−WYSIWIS (What You See Is What I See, ウィジウィズ)�
��全員が見ているモノが同じであることを保証する原則�
�−テレポインタ�
��相手の画面に出るマウスカーソルで,特定個所を指すのに必要�
・利益の公平な分配を心がけること.�
�– 利益がユーザにもたらされるのなら, 特定のユーザだけに余計な仕事を
強制することは避ける.�
�
�
・例外処理を考慮すること.�
Ø  黒板の共有だけでは作業空間が共有されない→シームレス�
�– 「標準的」手続き(例:在庫管理, 注文処理)の支援を目指すグループ
ウェアは, しばしば起きる例外事象に対して柔軟な対応ができない.�
Ø  相手と視線が合わないため,会話が不自然になる�
�→アイコンタクトの支援�
�
・グループウェア評価の困難さを過小評価しないこと.�
�
�– マルチユーザアプリケーションの評価は困難. 社会的, 動機的,経済的要
因は研究室の中だけでは研究できない.�
�– グループプロセスの測定には時間がかかる. また, 評価の経験を一般化
するのが困難.�
Ø  テレポインタでは,相手が文書のどこを見ているのかわからない�
�→視線の支援�
�
Ø  会議の支援だけでは,遠隔地間の共同作業支援として不十分�
�→インフォーマルコミュニケーションの支援�
2013年度 情報と社会
共有黒板:Colab�
2013年度 情報と社会
共有黒板:Colab�
Ø  Xerox PARCで1987年頃,設計・開発された2〜6人程度の小グループの
ための実験的電子会議室�
�−全員が手元で黒板に書き込みができる個人用ワークステーション上に共有
ウィンドウを開き,討論用アイデア編集ツールを用いて議論�
�−Liveboardと呼ぶタッチセンシティブな大型電子黒板を備え,参加者全員が
自分のワークステーションからアクセスが可能�
Ø アイデアプロセッシングツールCognoterが開発。ブレインストーミングモデ
ルに基づき,グループによるアイデア生成,発表のための構造化,文章化を支
援する。�
Ø  Liveboard (Xerox):黒板に書いた内容を保存できる�
�大型ディスプレイに赤外線ペンで書き込んだ内容は,記録して�
�次回ミーティングで使用可能�
2013年度 情報と社会
2013年度 情報と社会
シームレス�
アイコンタクト�
Ø  TeamWork Station�
�−NTTヒューマンインタフェース研究所が1989年に開発�
�−「シームレスな共同作業空間」のコンセプトの実現と検証�
�−基本アイデアは,「個人作業空間映像の半透明オーバレイ」にある�
�−すべてのメンバがダイナミックな描画やポインティングのプロセスを共有で
きる(例えば,書道の遠隔指導)�
Ø  Hydra, Toronto University, 1992�
�遠隔地間の会話でも視線が合う小型の液晶テレビ・カメラ・スピーカ・マイクを
合体させたものを代理として利用�
シームレス:ユーザが複数のサービスを違和感なく統合
して利用できること�
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2013年度 情報と社会
視線(gaze)�
2013年度 情報と社会
コミュニケーション支援システム�
Ø  Clearboard (NTT)
相手が画面のどこを見ているのか分かる
左右反転する透明なガラス板を挟んで2人が会話するイメージを再現
Ø  フォーマルコミュニケーション�
�−プロジェクト会議�
�
Ø  インフォーマルコミュニケーション�
�−廊下や食堂での立ち話などの雑談�
�−自席で行う議論�など�
フォーマル�
インフォーマル�
スケジュール�
事前に決定�
予定なし�
参加者�
事前に決定�
予定なし�
議事�
事前に決定�
予定なし�
2013年度 情報と社会
コミュニケーション支援システム�
Ø  グループワークは,分散した複数のメンバの協力により遂行される。�
�その並列的でダイナミックな進行を管理する�
Ø  The Coordinator�
�−Flores とWinogradが1986年に開発�
2013年度 情報と社会
インフォーマルコミュニケーション�
Ø  協調作業にとって不可欠であり,分散拠点間での支援が必要�
Ø  事前に予定が組まれない会話のきっかけを与える様々な手法�
−メディアスペース�
・映像接続などのメディアを持ちこむことで変質したオフィス空間�
・VideoWindow (Bellcore, 1990)�
�同じ空間にいるように話せる大型ワイドスクリーンによるリアルタイムの視覚的音響
的連続空間�
−ソーシャルブラウジング�
・オフィス内を移動して話し相手に出くわすを見つける行動�
・CRUISER(Bellcore, 1993)�
�偶然に出会って会話が始まる。�
�ランダムに接続相手を選ぶ機能を持つ遠隔会議システム�
・Portholes (Xerox, 1992)�
�他者の様子をうかがってから話しかけるシステム�
The basic conversation for action
言語を社会的行為とみる言語行為理論を
発展させた一般的な会話構造モデル�
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