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ジーエス・ユアサ コーポレーション

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ジーエス・ユアサ コーポレーション
経済研究所企業調査レポート
2010 年 1 月 22 日
ジーエス・ユアサ コーポレーション(6674
東証 1 部)
株価 637 円(2010 年 1 月 21 日終値) 株価レーティング
新規A
訪問取材
セクター:エレクトロニクス
アナリスト:今中 能夫
株価レーティング(基準株価は表紙記載の株価)
A:今後6~12 ヶ月間で絶対株価が 20%以上上昇すると予想される
B:今後6~12 ヶ月間で絶対株価が 5%以上 20%未満上昇すると予想される
C:今後6~12 ヶ月間で絶対株価が±5%未満の範囲に留まると予想される
D:今後6~12 ヶ月間で絶対株価が 5%以上 20%未満下落すると予想される
E:今後6~12 ヶ月間で絶対株価が 20%以上下落すると予想される
連結決算
283,421
-6.7
14,276
20.1
10,979
16.1
4,228
189.8
10.3 予
会社新
240,000
-15.3
7,000
-51.0
5,000
-54.5
2,500
-40.9
10.3 予
楽天証券新
240,000
-15.3
7,000
-51.0
5,000
-54.5
2,500
-40.9
11.3 予
楽天証券新
290,000
20.8
8,000
14.3
6,000
20.0
3,500
40.0
12.3 予
楽天証券新
367,000
26.6
16,000
100.0
14,000
133.3
6,200
77.1
10.2
6.1
6.1
8.5
15.0
09.3
売上高(百万円)
前年比(%)
営業利益(百万円)
前年比(%)
税引前利益(百万円)
前年比(%)
当期純利益(百万円)
前年比(%)
EPS(円)
配当(円)
6.0
5.0
5.0
5.0
5.0
PER(倍)
62.2
105.2
105.2
75.2
42.4
09.4-6
1Q
48,917
-29.7
-2,243
赤転
-2,293
赤転
-2,412
赤転
09.7-9
2Q
60,443
-19.3
2,156
-49.0
2,340
-36.1
740
-45.3
株式時価総額
2631 億円
自動車用電池の大手、自動車用リチウムイオン電池を増産中
発行済株数
413,001 千株(他に自己株
573 千株)
z
自動車用蓄電池で世界第 3 位。日米欧アジアに生産販売拠点を持ち、ほとんどの
日系自動車メーカーに納入している。2009 年 7 月から三菱自動車の電気自動車
「アイミーブ」向けリチウムイオン電池の出荷を開始。同電池の量産は世界初。ま
た、同電池の本田技研向け工場を建設中。リチウムイオン電池で飛躍を目指す。
z
2010/3 期は国内向け自動車用電池の減少、産業電池の低迷、自動車用リチウム
イオン電池の投資負担などから大幅減益が予想される。ただし、下期から国内向
け電池が回復中。海外事業も伸びが続いており、2011/3 期は増益転換が見込ま
れる。リチウムイオン電池は引き合い強く、電気自動車用新工場を計画中。
z
リチウムイオン電池の利益寄与は 2012/3 期からと思われる。需要は予想以上に
増加中。同電池の量産で先行している。株価レーティング「A」、目標株価レンジ
800~900 円でカバレッジを開始する。
要 約
PCFR(10/3 期楽天証券
予想) 21.0 倍
PBR(09/9 期末ベース)
2.54 倍
配当利回り(10/3 期楽天
証券予想) 0.78%
ROE(10/3 期予)
2.4%
自己資本比率
43.3%(09/9 期末)
目標株価レンジ
800~900 円
楽天証券株式会社________________________________________________________________________________
〒140-0002 東京都品川区東品川 4-12-3
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本資料は、掲載されているいかなる銘柄についても、その売買に関する勧誘を意図して作成したものではありません。本資料に掲載さ
れているアナリストの見解は、各投資家の状況、目標、あるいはニーズを考慮したものではなく、また特定の投資家に対し特定の銘柄、
投資戦略を勧めるものではありません。また掲載されている投資戦略は、すべての投資家に適合するとは限りません。銘柄の選択、売
買、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料で提供されている情報については、
当社が情報の完全性、確実性を保証するものではありません。本資料にてバリュエーション、レーティング、推奨の根拠、リスクなど
が言及されている場合、それらについて十分ご検討ください。また、過去のパフォーマンスは、将来における結果を示唆するものでは
ありません。アナリストの見解や評価、予測は本資料作成時点での判断であり、予告なしに変更されることがあります。当社は、本資
料に掲載されている銘柄について自己勘定取引を行ったことがあるか、今後行う場合があり得ます。また、引受人、アドバイザー、資
金の貸手等となる場合があり得ます。当社の親・子・関係会社は本資料に掲載されている銘柄について取引を行ったことがあるか、今
後取引を行う場合があり得ます。掲載されているレポート等は、アナリストが独自に銘柄等を選択し作成したものであり、対象会社か
ら対価を得て、又は取引を獲得し若しくは維持するために作成するものではありません。この資料の著作権は楽天証券に帰属しており、
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ご照会等には一切お答えいたしかねますので予めご了承お願いいたします。
経済研究所企業調査レポート
GSユアサの事業構造と 2009/3 期までの業績推移 ■
1.会社沿革: ジーエス・ユアサ コーポレーション(以下GSユアサ)は、2004 年 4 月に旧日
本電池と旧ユアサ コーポレーションが経営統合してできた会社である。旧日本電池は 1917
年設立、旧ユアサ コーポレーションは 1918 年設立で、いずれも蓄電池の老舗である。ちな
みに旧日本電池(商標はGS)の創業者、島津源蔵氏は日本で始めて鉛蓄電池を製造した
人物である。
2.GSユアサの業界での位置付け:2008 年の世界の自動車電池市場における市場シェア
は8%、3位である。1位はアメリカのジョンソン コントロールズ(Johnson Controls(JCI))で世
界シェア 31%、2 位はこれもアメリカのエキサイド テクノロジーズ(EXIDE Technologies)で
世界シェア 12%である。ただし、これら 2 社はエコカー(ハイブリットカー、電気自動車)用新
型電池の開発では出遅れた模様である。
従来型自動車電池の日本におけるシェアは 1 位 35%である。2 位はパナソニックでシェア
20%弱、3 位は新神戸電機でシェア 20%弱である。日本ではトヨタ自動車、本田技研などほ
とんどの自動車メーカーと取引があるが日産自動車とは取引が無い。また、海外でも日系自
動車メーカーが主な取引先である。
また、アジアでのシェアが高く、台湾、インドネシアで各々約 70%、タイで約 50%のトップ
シェアを持っている。中国でも 15%前後のシェアがある(順位不明、トップはフーファンの 20
~25%)。
米国では二輪車用のみを手掛けている。
GSユアサは、全社売上高の 46%(2010/3 期上期)が海外売上高であり、日本だけでなく、
アメリカ、欧州、中国を含むアジアに多数の生産、販売拠点を持っている。海外生産比率は
50%弱である。これは、顧客である四輪車、二輪車メーカーの現地生産と、補修市場(取替
え市場)に対応するためである。グローバル展開している企業である。
なお、エコカー用新型電池の世界市場では、日本の3社、三洋電機、GSユアサ、パナソ
ニックEVエナジー(トヨタとパナソニックの合弁会社)が先行している。三洋電機は従来から
あるニッケル水素電池を車載用に開発して参入し、ホンダ(インサイト)、フォード、フォルクス
ワーゲンのハイブリットカー用へ供給している。リチウムイオン電池はハイブリット用を 2011/3
期から独フォルクスワーゲンとトヨタに供給する予定である。パナソニックEVエナジーはニッ
ケル水素電池をトヨタのプリウス向けに供給している。将来はホンダにも供給する模様。リチ
ウムイオン電池はトヨタのプラグインハイブリット車向けに 2011/3 期から供給する予定である。
この2社は現在の主力がニッケル水素電池で、リチウムイオン電池は 2011/3 期からになる。
これに対してGSユアサは、世界で始めて自動車用リチウムイオン電池の量産に成功した会
社であり、既に 2009 年 5 月から三菱自動車のアイミーブ向けに供給している。自動車用ニッ
ケル水素電池は製品リストには載っているが、主力はリチウムイオン電池である。
楽天証券株式会社
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〒140-0002 東京都品川区東品川 4-12-3
品川シーサイド楽天タワー
2
経済研究所企業調査レポート
表1 部門別損益
07/3期
自動車電池
外部顧客向け
前年比
(国内)
内部売上高
売上高小計
前年比
営業利益
営業利益率
前年比
産業電池及び電源装置 外部顧客向け
前年比
(国内)
内部売上高
売上高小計
前年比
営業利益
営業利益率
前年比
海外
外部顧客向け
前年比
内部売上高
売上高小計
前年比
営業利益
営業利益率
前年比
電池及び電源
外部顧客向け
前年比
小計
内部売上高
売上高小計
前年比
営業利益
営業利益率
前年比
照明
外部顧客向け
前年比
内部売上高
売上高小計
前年比
営業利益
営業利益率
前年比
その他
外部顧客向け
前年比
内部売上高
売上高小計
前年比
営業利益
営業利益率
前年比
消去又は全社
売上高
営業利益
合計
売上高
前年比
営業利益
営業利益率
前年比
単位:百万円
出所:会社資料より楽天証券作成
08/3期
69,309
-0.1%
1,131
70,440
0.9%
-2,987
-4.2%
赤字
60,489
9.8%
114
60,604
9.0%
7,771
12.8%
19.7%
90,782
21.9%
42
90,824
22.0%
2,810
3.1%
-1270.8%
220,582
10.9%
1,288
221,870
11.0%
7,594
3.4%
42.0%
8,924
-5.5%
78
9,002
-5.3%
640
7.1%
-15.9%
24,091
-10.1%
7,666
31,758
-6.5%
-389
-1.2%
赤転
-9,033
-1,502
253,598
7.9%
6,343
2.5%
22.5%
77,750
12.2%
989
78,740
11.8%
-25
0.0%
赤字
65,446
8.2%
109
65,556
8.2%
8,702
13.3%
12.0%
133,807
47.4%
27
133,834
47.4%
3,782
2.8%
34.6%
277,004
25.6%
1,127
278,131
25.4%
12,458
4.5%
64.1%
9,293
4.1%
74
9,368
4.1%
485
5.2%
-24.2%
17,429
-27.7%
5,034
22,464
-29.3%
490
2.2%
黒転
-6,236
-1,543
303,727
19.8%
11,891
3.9%
87.5%
09/3期
10/3期
10/3期
11/3期
12/3期
楽天証券予想
楽天証券予想
楽天証券予想
会社予想
67,190
58,000
58,000
60,000
62,000
-13.6%
-13.7%
-13.7%
3.4%
3.3%
820
1,000
1,000
1,000
68,011
59,000
61,000
63,000
-13.6%
-13.2%
3.4%
3.3%
1,563
0
0
0
0
2.3%
0.0%
0.0%
0.0%
黒転
--------65,559
55,000
55,000
55,000
57,000
0.2%
-16.1%
-16.1%
0.0%
3.6%
79
0
0
0
65,638
55,000
55,000
57,000
0.1%
-16.2%
0.0%
3.6%
9,862
5,000
5,000
6,000
7,000
15.0%
9.1%
10.9%
12.3%
13.3%
-49.3%
-49.3%
20.0%
16.7%
126,189
100,000
100,000
110,000
120,000
-5.7%
-20.8%
-20.8%
10.0%
9.1%
0
0
0
0
126,189
100,000
110,000
120,000
-5.7%
-20.8%
10.0%
9.1%
5,112
6,000
6,000
7,000
8,000
4.1%
6.0%
6.4%
6.7%
35.2%
17.4%
17.4%
16.7%
14.3%
258,939
213,000
213,000
225,000
239,000
-6.5%
-17.7%
-17.7%
5.6%
6.2%
900
1,000
1,000
1,000
259,839
214,000
226,000
240,000
-6.6%
-17.6%
5.6%
6.2%
16,538
11,000
11,000
13,000
15,000
6.4%
5.1%
5.8%
6.3%
32.8%
-33.5%
18.2%
15.4%
-33.5%
8,941
8,000
8,000
8,000
8,000
-3.8%
-10.5%
-10.5%
0.0%
0.0%
68
0
0
0
9,009
8,000
8,000
8,000
-3.8%
-11.2%
0.0%
0.0%
24
-800
-800
-500
-300
0.3%
-10.0%
-6.3%
-3.8%
-95.1%
-40.0%
赤転
赤転
赤字
15,540
19,000
19,000
57,000
120,000
-10.8%
22.3%
22.3%
200.0%
110.5%
4,655
5,000
5,000
5,000
20,195
24,000
62,000
125,000
-10.1%
18.8%
158.3%
101.6%
3,500
-615
-1,500
-1,500
-2,500
-3.0%
-6.3%
-4.0%
2.8%
赤転
赤字
黒転
赤字
赤字
25,000
-5,623
-550,000
-600,000
-1,671
-1,700
-1,700
-2,000
-2,200
283,421
240,000
240,000
290,000
367,000
-6.7%
-15.3%
-15.3%
20.8%
26.6%
14,276
7,000
7,000
8,000
16,000
5.0%
2.9%
2.9%
2.8%
4.4%
20.1%
14.3%
100.0%
黒転
黒転
楽天証券株式会社
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3
経済研究所企業調査レポート
3.事業構造:GSユアサの部門別損益は表1の通りである。
自動車電池(国内):元々の主力事業は国内向け自動車電池だが、2010/3 期上期は赤字
である。通期でも利益ゼロが予想されており、収益への影響は乏しい。売上高の 3 分の 1 が
新車用、3 分の 2 が補修用である。
産業電池及び電源装置(国内):産業電池はフォークリフト用が多い。この部門は 2009/3 期
までは稼ぎ頭だったが、不況のため 2010/3 期 1Q は赤字転落した。ただし、2Q は回復し黒
字になった。
海外:海外事業は順調に拡大している(海外での四輪車用、二輪車用電池の販売、新車用
と補修用の両方を手掛けている)。2009/3 期 2Q から減益になったが、特にアジアでの自動
車販売の伸びに従って、2010/3 期 2Q は増益に転換した。通期でも順調に伸びる見通しで
ある。
照明:公園、道路に設置する照明とポールを地方自治体向けに販売するほか、各種工場向
けの紫外線応用装置を販売している。2008 年に発覚した循環取引の舞台になった事業で
ある。設備投資、公共投資の低迷で 2010/3 期上期は赤字だった。
その他:2009/3 期まではデジタルカメラ用小型充電器と電動工具用電池が主な製品だった。
この中に産業用、自動車用のリチウムイオン電池が入る。リチウムイオン電池の売上高は
09/3 期 27 億円だった(産業用のみ。人工衛星用、深海探査船用など)。GSユアサの計画
では、産業用、自動車用のリチウムイオン電池売上高が 2010/3 期 70 億円から 2013/3 期
400 億円に増えるとなっているが、後述するようにこの数字は上乗せされることになると思わ
れる。
車載用リチウムイオン電池事業の詳細 ■
1.GSユアサのリチウムイオン電池事業:リチウムイオン電池は今ある電池の中で小型、軽
量、高電圧が特徴であり、現時点ではエコカー用に最適な電池である。エネルギー密度は
ニッケル水素電池の約2倍、鉛蓄電池の5~6倍なので、従来の電池よりも小型軽量で、か
つ蓄えることのできる電力量が多い。ただし、リチウムは不安定な物質なので扱いが難しく、
また、安く性能の良い製品を作るためには、正極材、負極材に使う材料の最適な組合せを
見つけ出さなければならない。このため自動車用リチウムイオン電池の開発には時間がか
かった。90 年代初頭にソニーが民生用(家電用、パソコン用)に始めて商業化したが、量産
ベースでの自動車への搭載は、2009 年のGSユアサ製電池の「iMiev」(アイミーブ、三菱自
動車)への搭載が始めてである。
GSユアサは 90 年代初頭に三洋電機と合弁で携帯電話用リチウムイオン電池事業に参入し
た。この事業は直ぐに競争激化によって採算が悪化したが、GSユアサは深海探査船用、人
工衛星用などの大型リチウムイオン電池事業に重点をおいて事業展開してきた。
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4
経済研究所企業調査レポート
その後、2008/3 期初頭に三菱自動車工業から電気自動車用電池の量産の打診があった。
そこで、2007 年 12 月に三菱自動車、三菱商事、GSユアサの 3 社で「リチウムエナジージャ
パン」を設立した。出資比率はGSユアサ 51%、三菱商事 34%、三菱自動車 15%で、GSユ
アサがマジョリティを確保した。合弁会社においてマジョリティを確保したということは、GSユ
アサにとってもGSユアサの株主にとっても重要なことであり、その後の本田技研との提携に
おいてもGSユアサのマジョリティは確保されている。
2.三菱自動車向け事業:このリチウムエナジージャパンでは、2009 年 5 月に草津工場が稼
動し製品が出荷開始された。2009 年 7 月には当社製電池が搭載された世界最初の量産型
電気自動車「iMiev(アイミーブ)」が国内外の法人向けに出荷開始された。
三菱自動車のアイミーブ向けリチウムイオン電池の当初生産能力は年産 20 万セル
(40MWh)で、これはアイミーブ 2000 台用に相当する。最初の計画では 2010/3 期 1000 台
分(10 万セル、20MWh)の生産計画だったが、現在では 2000 台分に上方修正された。また、
草津工場は 2010 年春に生産能力が3倍(20 万セルから 60 万セルへ(2000 台分から 6000
台分へ)増強される予定だったが、これは更に増強されて、年産 8500 台分が確保できる見
通しである。三菱自動車では、アイミーブ生産販売台数を 2010/3 期 2000 台、2011/3 期
5000 台としていたが、電池の確保が可能になったため、2011/3 期はまず 7000 台へ、次いで
昨年末に 8500 台へ上方修正した。
また現在建設中の京都事業所内の生産ラインは 2011 年春から稼動予定で、生産能力は年
間 200MWh(年間1万台分)になる。これによって、アイミーブ向け電池の生産能力は、2011
年春には 1 万 8500 台分となる。ただし、アイミーブの増産は更に続く見通しであり、三菱ブラ
ンドの国内向け、輸出向けが急速に伸びると思われる。これは、現時点で発売されている電
気自動車で量産タイプのものはアイミーブだけであり、本格的な競争は 2011 年にならないと
始まらないためである。それまでに三菱自動車では価格低下と台数の増産に注力するが、
法人、個人の需要が強く、生産した車両は全て売れると思われる。
また、アイミーブのOEM供給で提携したフランスのプジョー・シトロエン(PSA)からは最終
的に年間 2 万 5000 台を求められている模様。2011/3 期は 2000 台程度出荷することになる
と思われる。表2で見るように、三菱ブランドのアイミーブの好調と、PSA向けOEM合わせて、
2012/3 期の総販売台数は3万台近くになると思われる。現在の増産計画だけでは間に合わ
ないため、後述のように新たな工場は早急に必要になると思われる。
リチウムイオン電池とアイミーブの価格は今後5年間で下がる見通しである。アイミーブはGS
ユアサ製のリチウムイオン電池 88 セル(個)をユニット化して搭載している。現在の車両価格
459.9 万円のうち約半分の約 230 万円が電池とそのコントロールユニットと思われる(このうち
電池価格は約 200 万円)。三菱自動車では、車両価格を5年程度で半分にする目論見であ
る。アイミーブは、2009 年度の政府と自治体の補助金を合わせると、最も安い横浜市で現在
220 万円で購入できる。しかし、購入補助金は今後減額される可能性があるため、三菱自動
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経済研究所企業調査レポート
車では段階的に車両価格を引き下げ、2014 年には補助金を付けた消費者の実質的な購入
価格を 200 万円台前半にしたい意向である。三菱自動車の力だけではこれは実現できない
が、GSユアサは量産の継続によって大きな赤字を回避しつつ、5年間で電池価格を半値に
することができると思われる。
3.本田技研工業向け事業:また、本田技研工業との間でも同様の合弁会社と工場を立ち
上げた。2009 年 4 月に GS ユアサ 51%、本田技研 49%の出資比率で「ブルーエナジー」を
設立した。工場(長田野工場)は 2010 年秋から稼働開始し、総投資額は 250 億円の見込み
(GSユアサとホンダで折半する)。生産能力はハイブリットカー向けで年産 20~30 万台分。
2010 年秋にホンダが発売する新型ハイブリットカーに搭載される予定だが、そのハイブリット
カーがどの車種なのか、通常型のハイブリットカーなのか、プラグインハイブリットなのかは現
時点では不明である。
ちなみに、電気自動車向けとハイブリットカー向けではリチウムイオン電池の性能が異なっ
ており、電気自動車向けは高電圧(400V)の大電力が発生するようになっているのに対し、
ハイブリットカー向けはより低電圧タイプ(100~200V)である。また、ハイブリットカー向けは
電気自動車向けよりも小型で充放電の繰り返しに耐える必要がある。正極、負極の材料も異
なるため、同じ工場では生産できない。GSユアサでは、電気自動車向け電池にはマンガン
系の正極材を、ハイブリットカー向けにはリチウム、コバルト、マンガンの混成材料を使って
いる。また、ハイブリットカーでも電気自動車でも、リチウムイオン電池は電装品のバッテリー
としては電圧が高いため、エコカーでも電装品を動かすために別に鉛蓄電池を搭載してい
る。従って、電気自動車やハイブリットカーが普及するからといって、従来型の鉛蓄電池がな
くなるわけではない。
表2 GSユアサ:リチウムイオン電池の生産能力
リチウムエナジージャパン(三菱自動車アイミーブ向け、単位:台)
草津事業所
京都事業所
栗東事業所
合計
2009年7月 2010年春
2011年春
2013年
2,000
8,500
10,000
100,000
2,000
8,500
10,000
100,000
ブルーエナジー(本田技研向け)
長田野工場
2010年秋
20~30万台
出所:ヒアリングより楽天証券作成
注:いずれも年産能力
楽天証券株式会社
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6
経済研究所企業調査レポート
表3 GSユアサ:リチウムイオン電池売上高とその他部門売上高予測
三菱自動車のアイミーブ生産予想
国内向け(台) 輸出(台)
自社ブランド計(台) OEM(台)
総計(台)
2010/3期
1750
250
2000
0
2000
2011/3期
5000
3500
8500
2000
10500
2012/3期
11000
7000
18000
10000
28000
2013/3期
16000
14000
30000
25000
55000
注:2010/3期の国内向け中350台は2011/3期登録台数。
三菱自動車向けリチウムイオン電池装置の価格と売上高
価格(万円) 台数(台)
売上高(億円)
2010/3期
230
2000
46
2011/3期
210
10500
221
2012/3期
180
28000
504
2013/3期
150
55000
825
2014/3期
120
100000
1200
2015/3期
120
150000
1800
本田技研向け
価格(万円) 台数(万台) 売上高(億円)
2010/3期
0
2011/3期
20
10
200
2012/3期
18
30
540
2013/3期
15
50
750
2014/3期
12
100
1200
2015/3期
12
150
1800
産業向け
売上高
2010/3期
2011/3期
2012/3期
2013/3期
2014/3期
2015/3期
2010/3期
2011/3期
2012/3期
2013/3期
2014/3期
2015/3期
20
30
40
50
60
70
リチウムイオン電池合計
売上高
66
451
1084
1625
2460
3670
リチウムイオン電 その他の部門
池以外
総合計
120
186
120
571
120
1204
120
1745
120
2580
120
3790
単位:億円
出所:ヒアリングより楽天証券作成、楽天証券予想を含む
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7
経済研究所企業調査レポート
3.今後の設備投資動向:上述のように現時点で決まっている増産投資は、三菱自動車向
けでは 2011 年春までに草津工場で年産 8500 台分、京都事業所で年産1万台分、計 1 万
8500 台分である。本田技研向けは長田野工場の年産 20~30 万台以外には決まっていな
い。表2の三菱自動車の生産計画や、ホンダのハイブリットカーの今後の見通しを考えると、
早晩次の投資が必要になろう。
そこで当社では滋賀県栗東市に電気自動車向け新工場の用地を取得する交渉を行ってい
る。用地取得後はそこに今後3年間で約 500 億円投資する方針である。年産能力は 2013
年ごろには約 10 万台分になると思われる。リチウムエナジージャパンが投資主体になり、
パートナーの三菱商事、三菱自動車との折半投資になる。GSユアサにとっては年間の減価
償却費でまかなえるため、新たな資金負担は発生しないと思われる。
ただし、アイミーブの生産予想が四半期ごとに上方修正されており、プジョーへのOEM供
給も 2011/3 期から開始するため、栗東工場も早晩三菱自動車向けにフル稼働になると思
われる。また、電気自動車参入を目論む各国の自動車メーカーからのアプローチもある模
様である。更に、一般論で言えば自動車メーカーは複数調達を考えるものなので、三菱自
動車がいつまでも折半出資に応じるかどうかは不透明な面がある。これはホンダ向けでも同
様である。ブルーエナジーを年産 20~30 万台以上に引き上げるための投資はまだ決まっ
ていない。
これらのことを考慮すると、当面の投資資金はあるものの、もしGSユアサが急拡大しつつあ
る自動車用リチウムイオン電池市場で 10~20%以上の上位シェアを獲得したいのであれば
(ちなみに今は世界シェアトップである)、近い将来資金不足に陥る可能性がある。リチウム
イオン電池工場が今後5年間に栗東以外に1~2件必要になると思われるため、今後5年間
に 400~800 億円程度が必要になる可能性がある。表4は楽天証券が試算した 2020 年の自
動車用リチウムイオン電池の市場規模だが、3.8~11.1 兆円の巨大市場になると思われるた
め、この市場の成長をリードする、あるいは追随するにしても資金力が必要になろう。
今後5年間に予想される資金不足を解消するには公募増資か他の大手企業との資本提携
が必要になろう。我々が可能性があると見ているのが、自動車、電機の大手企業との資本提
携である。特に、自動車用電池事業に関心を示す電機大手、例えばソニーや東芝などであ
る。このような大手企業は自動車用新型電池の開発、製造技術を持っているが、販路が不
十分である。GSユアサは販路は持っており、自動車用リチウムイオン電池で世界トップの実
績を持っているが、製品の種類は少なく、資金には限りがある。従って、もし電機大手との提
携が実現すれば、増産に向けて相互に補完的な良い関係を築きうるだろう。また、増資する
場合も、単独で公募増資するよりも、より複雑なスキームを採れ、株価への良いインパクトも
期待できよう。
このような観点から我々はGSユアサの今後の増産計画に注目している。
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経済研究所企業調査レポート
表4 2020年の自動車用リチウムイオン電池市場の試算
世界の四輪車販売台数(万台)
6700
6700
10000
10000
エコカー台数(万台)
エコカー比率
1,340
20%
2,010
30%
2,000
20%
3,000
30%
うちハイブリットカー台数(万台)
ハイブリットカー比率
うち電気自動車台数(万台)
電気自動車比率
1,072
80%
268
20%
1,407
70%
603
30%
1,600
80%
400
20%
2,100
70%
900
30%
10
100
10
100
10
100
10
100
10720
26800
37520
14070
60300
74370
16000
40000
56000
21000
90000
111000
GSユアサへの利益寄与(51%出
資の合弁生産を維持すると仮定)
世界シェア
営業利益率
売上高(億円)
営業利益(億円)
当期純利益(億円)
GSユアサ持分(億円)
一株当たり持分(円)
10%
5%
3752
188
94
48
11.6
10%
5%
7437
372
186
95
23.0
10%
5%
5600
280
140
71
17.3
10%
5%
11100
555
278
142
34.3
世界シェア
営業利益率
売上高(億円)
営業利益(億円)
当期純利益(億円)
GSユアサ持分(億円)
一株当たり持分(円)
20%
10%
7504
750
375
191
46.3
20%
10%
14874
1487
743.7
379
91.8
20%
10%
11200
1120
560
286
69.2
20%
10%
22200
2220
1110
566
137.1
発行済み株数(万株)
41300
電池単価
ハイブリットカー用(万円)
電気自動車用(万円)
ハイブリットカー用売上高(億円)
電気自動車用売上高(億円)
合計(億円)
出所:楽天証券試算
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経済研究所企業調査レポート
2010/3 期業績見通し ■ 2010/3 期 1Qは自動車電池、産業電池及び電源装置など海外
部門を除く全部門が赤字だった。自動車電池は国内の不況による販売数量の減少に加え、
原料である亜鉛の価格上昇に対して価格転嫁に時間がかかること(国内、輸出の新車向け
は亜鉛価格の上下に対して製品価格をスライドすることがルール化されている)から 2009/3
期 4Qに続き赤字になった。産業電池及び電源装置も不況の影響で販売が大きく落ち込み
赤字となった。海外部門は赤字にはならなかったが亜鉛価格下落による製品相場下落に
よって大幅減益になった。
これに対して 2Q は、自動車電池は製品値上げがある程度浸透して若干ながら黒字転換し
た。産業電池及び電源装置は販売が回復して黒字転換。海外部門は海外での自動車販
売増加の恩恵で増益転換した。その他の部門は、7 月からアイミーブ向け出荷が始まったが、
この事業はまだ赤字である。また、デジタルカメラ向け充電器と電動工具向け電池が落ち込
んだので、その他の部門は赤字だった。
3Q、4Q ともにトレンドに大きな変化はないと思われる。自動車電池は亜鉛価格に変動があ
る場合損益も変動する。会社予想では、自動車電池の 2010/3 期営業利益はゼロになって
いる。産業電池及び電源装置は黒字は維持しようが減益になる見込み。一方、海外部門は
順調に伸びると思われる。また、その他はリチウムイオン電池の生産が本格化しているため、
当面は赤字が続こう。
このため、2010/3 期は会社予想通り営業利益 70 億円(前年比 51%減)が予想される。
2011/3 期、2012/3 期業績見通し ■ 2011/3 期は業績は回復すると思われるが、回復ピッ
チは鈍いと思われる。海外事業は順調に伸びると思われるが、リチウムイオン電池が入るそ
の他の部門では、2011 年春稼動予定の京都事業所の初期コストや値下げの可能性がある。
2010 年秋から稼動開始するホンダ向けも初期コストがかかるだろう。その結果、2011/3 期の
その他の赤字は 2010/3 期の営業赤字 15 億円よりも拡大する可能性がある。楽天証券では
その他の部門の営業赤字を 25 億円と予想している。
この結果、2011/3 期の全社営業利益は 80 億円(前年比 14%増)と緩やかな回復にとどまる
と予想される。
一方、2012/3 期以降は、業績は成長期に入ると思われる。三菱自動車向けが大きく増加し
よう。ホンダ向けも同様で、フル稼働の年産 20~30 万台分に達する可能性がある。値下げ
があったとしてもその影響は増産で吸収できるだろう。楽天証券ではその他の部門の営業
利益を 35 億円の黒字と予想する。
このため、楽天証券では 2012/3 期の全体の営業利益予想を 160 億円とした。リチウムエナ
ジージャパンとブルーエナジーの利益の半分はホンダなどのパートナーのものなので、少
数株主持分が増えるため、2012/3 期当期純利益は営業利益のように倍増にはならないが、
77%増の 62 億円、EPSは 15.0 円を予想する。
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10
経済研究所企業調査レポート
表5 部門別損益(四半期ベース)
2009/3期
1Q
15,498
自動車電池
外部顧客向け
0.2%
前年比
161
(国内)
内部売上高
15,660
売上高小計
0.0%
前年比
-511
営業利益
-3.3%
営業利益率
赤字
前年比
13,531
産業電池及び電源装置 外部顧客向け
19.9%
前年比
10
(国内)
内部売上高
13,541
売上高小計
19.9%
前年比
823
営業利益
6.1%
営業利益率
1396.4%
前年比
34,250
海外
外部顧客向け
25.9%
前年比
4
内部売上高
34,255
売上高小計
25.9%
前年比
2,176
営業利益
6.4%
営業利益率
5781.1%
前年比
63,280
電池及び電源
外部顧客向け
17.3%
前年比
176
小計
内部売上高
63,457
売上高小計
17.1%
前年比
2,488
営業利益
3.9%
営業利益率
黒転
前年比
2,212
照明
外部顧客向け
16.5%
前年比
17
内部売上高
2,229
売上高小計
16.6%
前年比
-13
営業利益
-0.6%
営業利益率
赤転
前年比
4,089
その他
外部顧客向け
-1.4%
前年比
1,040
内部売上高
5,130
売上高小計
0.9%
前年比
257
営業利益
5.0%
営業利益率
50.3%
前年比
-1,234
消去又は全社
売上高
-430
営業利益
69,582
合計
売上高
16.0%
前年比
2,301
営業利益
3.3%
営業利益率
前年比
黒転
3,149
経常利益
4.5%
経常利益率
-274.8%
前年比
1,161
当期純利益
1.7%
当期純利益率
-166.7%
前年比
単位:百万円
出所:会社資料より楽天証券作成
2Q
18,315
-2.7%
255
18,570
-2.7%
1,248
6.7%
黒転
16,211
7.0%
48
16,260
7.3%
2,175
13.4%
36.6%
33,605
0.1%
7
33,611
0.1%
1,098
3.3%
-10.6%
68,132
0.9%
310
68,441
0.9%
4,522
6.6%
379.0%
2,303
21.7%
16
2,320
21.4%
113
4.9%
-8.1%
4,423
-2.7%
1,139
5,561
-4.3%
74
1.3%
黒転
-1,465
-482
74,857
1.2%
4,229
5.6%
652.5%
3,661
4.9%
7858.7%
1,352
1.8%
-1465.7%
3Q
18,720
-18.0%
213
18,933
-18.3%
1,205
6.4%
-18.3%
15,234
-6.1%
7
15,240
-6.3%
1,989
13.1%
2.8%
32,487
-13.9%
3
32,491
-13.9%
1,026
3.2%
-1.5%
66,440
-13.5%
224
66,664
-13.6%
4,220
6.3%
-5.2%
2,182
2.9%
24
2,205
3.0%
-84
-3.8%
赤転
3,789
-18.6%
1,126
4,915
-19.3%
-146
-3.0%
赤転
-1,373
-462
72,411
-13.3%
3,527
4.9%
-22.8%
1,476
2.0%
-64.8%
166
0.2%
-94.8%
4Q
14,657
-29.0%
191
14,848
-28.7%
-379
-2.6%
赤転
20,583
-9.7%
14
20,597
-9.8%
4,875
23.7%
-4.8%
25,847
-26.7%
-14
25,832
-26.8%
812
3.1%
-44.9%
61,087
-22.4%
190
61,277
-22.4%
5,308
8.7%
-36.3%
2,244
-33.7%
11
2,255
-33.8%
8
0.4%
-92.8%
3,239
-20.7%
1,350
4,589
-16.3%
-800
-17.4%
赤転
-1,551
-297
66,571
-22.7%
4,219
6.3%
-48.7%
2,693
4.0%
-61.6%
1,549
2.3%
1295.5%
2010/3期
1Q
12,044
-22.3%
132
12,176
-22.2%
-502
-4.1%
赤字
8,901
-34.2%
12
8,914
-34.2%
-1,313
-14.7%
赤転
22,894
-33.2%
0
22,894
-33.2%
1,050
4.6%
-51.7%
43,840
-30.7%
144
43,985
-30.7%
-765
-1.7%
赤転
1,103
-50.1%
13
1,117
-49.9%
-460
-41.2%
赤字
3,973
-2.8%
692
4,666
-9.0%
-472
-10.1%
赤転
-851
-544
48,917
-29.7%
-2,243
-4.6%
赤転
-2,293
-4.7%
赤転
-2,412
-4.9%
赤転
楽天証券株式会社
_______________________________________________________________________________
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品川シーサイド楽天タワー
2Q
13,852
-24.4%
160
14,013
-24.5%
49
0.3%
-96.1%
13,731
-15.3%
40
13,770
-15.3%
893
6.5%
-58.9%
26,329
-21.7%
0
26,329
-21.7%
2,024
7.7%
84.3%
53,912
-20.9%
200
54,111
-20.9%
2,964
5.5%
-34.5%
1,570
-31.8%
16
1,585
-31.7%
-337
-21.3%
赤転
4,961
12.2%
941
5,901
6.1%
-145
-2.5%
赤転
-1,155
-326
60,443
-19.3%
2,156
3.6%
-49.0%
2,340
3.9%
-36.1%
740
1.2%
-45.3%
11
経済研究所企業調査レポート
株価見通し ■ GSユアサのPERは現在 105.2 倍(2010/3 期予想ベース)である。PCFR(株
価/グロスキャッシュフロー比率)は同じく 21.0 倍である。GSユアサはこれから急拡大するリ
チウムイオン電池市場において将来大きな果実を得るために、目先の利益を犠牲にして生
産力の拡大を急いでいるため、当期純利益の水準は低い。しかし、株価はその行動を評価
しているためPERもPCFRも高い。
上述したように、リチウムイオン電池事業が本格的に利益を生み出すのは 2012/3 期からに
なる見込みである。2012/3 期の楽天証券予想ベースではPERは 41.9 倍、PCFR は 11.2 倍
であり、もしこの予想が正しく、かつ、2012/3 期以降のリチウムイオン電池事業による利益成
長を考えれば、株価には長期的に割安感があると思われる。我々の予想通りならば、2~3
年後に株価が経営統合以来の高値 1228 円に並ぶか抜く可能性があると思われる(例えば、
楽天証券の 2012/3 期予想の一株当たりグロスキャッシュフロー 56.2 円を今の PCFR 21.0
倍で評価すると 1180 円になる)。その観点から今後1年間の予想株価レンジを 800~900 円
とした。
ただし、ネックもある。リチウムイオン電池の生産を折半出資の合弁会社で行っている以上、
そこの利益の半分は社外に流出するため、EPS水準はその分低くなる。三洋電機のように
パナソニックというスポンサーを見つけて自社工場で生産するようになれば、この欠点は克
服されるため、GSユアサが今後の増産にどのようなスキームで臨むのか、推移を見守りた
い。
グラフ1 GSユアサ:株価とPER
(株価は左目盛、PERは右目盛)
1000
160.0
900
月末株価
140.0
PER
800
120.0
700
100.0
600
500
80.0
400
60.0
300
40.0
200
20.0
100
0
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2010年1月
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2005年3月
2005年1月
2004年9月
2004年11月
2004年7月
2004年5月
0.0
経済研究所企業調査レポート
グラフ2 GSユアサ:株価とPCFR
(株価は左目盛、PCFRは右目盛)
1000
30.0
月末株価
900
PCFR
25.0
800
700
20.0
600
500
15.0
400
10.0
300
200
5.0
100
0.0
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2004年9月
2004年11月
2004年7月
2004年5月
0
リスク要因 ■
1. 競合の問題:自動車用リチウムイオン電池を量産し、量産車に製品を供給しているのは、
現時点では世界の電池メーカーの中でGSユアサだけである。ハイブリットカーはプリウ
ス(トヨタ)もインサイト(ホンダ)も現在のモデルはニッケル水素電池を搭載しており、現時
点で唯一の量産型電気自動車であるアイミーブはGSユアサのリチウムイオン電池を搭
載している。特注のスポーツカーであるテスラ・モーターズは三洋電機の民生用リチウム
イオン電池を自動車用に束ねて使っているが、本格的な電気自動車用リチウムイオン電
池はGSユアサだけである。この先行メリットはきわめて大きい。
例えば、電気自動車は 300~400Vの高圧電流が流れるため、絶縁対策が非常に重要
である。また、リチウムイオン電池は高主力で軽量だが、リチウムは元々不安定な物質で、
正極材、負極材、電解液の材質にもよるが、不純物が混じると燃える危険があるため、
工程には十分の注意が必要である(GSユアサが使っているマンガン形正極材は燃えな
いようだ)。加えて、顧客は三菱自動車とホンダであり、各々電気自動車とハイブリット
カーで先行グループに入っている。日産自動車や欧米自動車メーカー、BYDのような
中国メーカーが電気自動車、ハイブリットカーを 2010 年後半から投入し、電池も親密先
が製造するが(日産はNEC、BYDは自社グループ)、電気自動車とハイブリットカーの
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13
経済研究所企業調査レポート
需要そのものが強いため、競争相手の出現によって当社の地盤が揺るぐとは思えない。
従って当面の間、競争の激化を心配する必要はないと思われる。
2. 利益確保の問題:リチウムイオン電池のような新しい製品の量産を進める場合、ともすれ
ば投資負担や値下げによって利益の確保が後回しになってしまう可能性がある。ただし、
リチウムイオン電池の需給は今後少なくとも5年間はかなりタイトになると思われるため、
自らを犠牲にするような過度の値下げや投資負担を心配する必要はないと思われる。
3. 資金調達の問題:これは上述した。リチウムイオン電池が必要な企業、参入を目論む企
業は多いので、中長期的には資金不足の心配は少ないと思われる。
4. 技術革新の問題:競合他社がより安く、軽量で大量生産に向いた電池を開発した場合
は脅威となる。これについては常に気をつける必要があるが、現時点で他社の電池との
間でスペック上の大差はない。
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14
経済研究所企業調査レポート
表6
ジーエス・ユアサ コーポレーション(6674)
連結業績推移
2005/3通
売上高
前年比
売上総利益
売上総利益率
前年比
販売費・一般管理費
対純売上高販管費比率
前年比
営業利益
営業利益率
前年比
経常利益
経常利益率
前年比
当期純利益
当期純利益率
前年比
EPS
配当
BPS
円(10/1/21)
百万円
百万円
2009/3通
発行済株数
自己株(外数)
413,001,016 株
573,698 株
2010/3通予 2010/3通予
2011/3通予 2012/3通予
会社予想
新楽天証券予想新楽天証券予想 新楽天証券予想
(10/1/20)
(10/1/20)
(09/11/13) (10/1/20)
283,421
240,000
240,000
290,000
367,000
-6.7%
-15.3%
-15.3%
20.8%
26.6%
64,535
56,000
58,000
68,000
22.8%
23.3%
20.0%
18.5%
1.0%
-13.2%
3.6%
17.2%
50,258
49,000
50,000
52,000
17.7%
20.4%
17.2%
14.2%
-3.3%
-2.5%
2.0%
4.0%
14,276
7,000
7,000
8,000
16,000
5.0%
2.9%
2.9%
2.8%
4.4%
20.1%
-51.0%
-51.0%
14.3%
100.0%
10,979
5,000
5,000
6,000
14,000
3.9%
2.1%
2.1%
2.1%
3.8%
16.1%
-54.5%
-54.5%
20.0%
133.3%
4,228
2,500
2,500
3,500
6,200
1.5%
1.0%
1.0%
1.2%
1.7%
189.8%
-40.9%
-40.9%
40.0%
77.1%
10.2
6.1
6.1
8.5
15.0
6.0
5.0
5.0
5.0
5.0
159.9
251.2
251.2
-42.0
0.0
152.8
235,137
0.4%
54,674
23.3%
3.5%
49,494
21.0%
-4.7%
5,179
2.2%
491.2%
4,626
2.0%
-1711.8%
125
0.1%
-100.7%
0.3
0.0
167.9
253,598
7.9%
56,681
22.4%
3.7%
50,338
19.8%
1.7%
6,343
2.5%
22.5%
5,070
2.0%
9.6%
3,131
1.2%
2404.8%
7.6
3.0
197.8
303,727
19.8%
63,875
21.0%
12.7%
51,983
17.1%
3.3%
11,891
3.9%
87.5%
9,453
3.1%
86.4%
1,459
0.5%
-53.4%
3.5
5.0
189.1
0
9,664
7,605
0
7,021
7,371
1,101
7,894
7,062
1,836
8,937
7,875
2,202
10,775
8,869
2,065
22,000
10,000
2,065
22,000
10,000
2,065
25,000
13,000
2,065
25,000
17,000
グロスキャッシュフロー
フリーキャッシュフロー
一株当たりグロスキャッシュフロー(CFPS)
一株当たりフリーキャッシュフロー(FCFPS
EBITDA
一株当たり営業利益
一株当たり売上高
-9,749
-19,413
-23.6
-47.0
8,481
2.1
567.3
7,496
475
18.2
1.2
12,550
12.5
569.3
10,193
1,198
24.7
2.9
13,405
15.4
614.0
9,334
-1,439
22.6
-3.5
19,766
28.8
735.4
13,097
120
31.7
0.3
23,145
34.6
686.2
12,500
-11,565
30.3
-28.0
17,000
16.9
581.1
12,500
-11,565
30.3
-28.0
17,000
16.9
581.1
16,500
-10,565
40.0
-25.6
21,000
19.4
702.2
23,200
-3,865
56.2
-9.4
33,000
38.7
888.6
PER
株価グロスキャッシュフロー倍率(PCFR)
PBR
配当利回り
EV/EBITDA
株価/一株当たり営業利益倍率
PSR(株価/一株当たり売上高倍率
-15.2
-27.0
4.17
0.00%
35.58
300.32
1.12
2,104.7
35.1
3.79
0.00%
24.05
50.80
1.12
84.0
25.8
3.22
0.47%
22.51
41.48
1.04
180.3
28.2
3.37
0.78%
15.27
22.12
0.87
62.2
20.1
3.98
0.94%
13.04
18.43
0.93
105.2
21.0
2.54
0.78%
17.75
37.58
1.10
105.2
21.0
2.54
0.78%
17.75
37.58
1.10
75.2
15.9
42.4
11.3
0.78%
14.37
32.89
0.91
0.78%
9.14
16.44
0.72
<別掲>
研究開発費
純資産
63,086
4,354
69,342
4,536
81,688
4,768
78,119
5,395
66,049
5,500
103,754
103,754
103,754
配当金額
設備投資額
減価償却費
234,293
2006/3通
2010/1/21
更新日
637
株価
263,082
時価総額
EV
301,772
2007/3通
2008/3通
52,838
22.6%
51,961
22.2%
876
0.4%
-287
-0.1%
-17,354
-7.4%
単位:百万円、円、倍
出所:会社資料より楽天証券作成
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15
経済研究所企業調査レポート
表7 地域別売上高
2009/3期
1Q
15,581
2Q
13,846
アジア
前年比
14,384
13,030
欧米
前年比
5,261
7,511
その他の地域
前年比
35,228
34,386
海外売上高計
前年比
34,354
40,471
日本
前年比
69,582
74,857
合計売上高
前年比
単位:百万円
出所:会社資料より楽天証券作成
3Q
16,107
4Q
13,281
10,799
9,719
6,198
3,283
33,103
26,284
39,308
40,287
72,411
66,571
2010/3期
1Q
10,388
-33.3%
9,391
-34.7%
3,469
-34.1%
23,249
-34.0%
25,668
-25.3%
48,917
-29.7%
2Q
12,338
-10.9%
9,930
-23.8%
4,529
-39.7%
26,797
-22.1%
33,646
-16.9%
60,443
-19.3%
2008/3期 2009/3期
通期
通期
57,152
58,815
2.9%
58,424
47,932
-18.0%
22,627
22,253
-1.7%
138,204
129,001
-6.7%
165,523
154,420
-6.7%
303,727
283,421
-6.7%
株価・財務指標の計算式
PER=株価÷EPS(一株当たり当期純利益)
配当利回り=配当÷株価
株式時価総額=株価×発行済株数(自己株式を除く)
PCFR=株価÷一株当たりグロスキャッシュフロー
(グロスキャッシュフロー=当期純利益+減価償却費)
ROE(株主資本利益率)=当期純利益÷株主資本
PBR=株価÷一株当たり純資産
自己資本比率=自己資本(純資産)÷総資産
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16
【リスクについてのご説明】
◆上場有価証券等のリスク
〔現物取引〕
国内外の金融商品取引所に上場されている株式(現物取引)等の上場有価証券(以下「上場有
価証券等」(※1)といいます。)には、以下のリスクがあります。
・上場有価証券等の売買等にあたっては、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品
相場等の変動や、投資信託、投資証券、預託証券、受益証券発行信託の受益証券等の裏付けと
なっている株式、債券、投資信託、不動産、商品、カバードワラント等(以下「裏付け資産」
(※2)といいます。)の価格や評価額の変動に伴い、上場有価証券等の価格が変動すること
によって損失が生じる場合があります。
・上場有価証券等の発行者または保証会社等の業務や財産の状況に変化が生じた際や、裏付け
資産の発行者または保証会社等の業務や財産の状況の変化が生じた際に、上場有価証券等の価
格が変動することによって損失が生じる場合があります。
・上場有価証券等のうち、他の種類株式、社債、新株予約権その他の財産に転換される(でき
る)旨の条件または権利が付されている場合において、当該財産の価格や評価額の変動や、当
該財産の発行者の業務や財産の状況の変化に伴い、上場有価証券等の価格が変動することや、
転換後の当該財産の価格や評価額が当初購入金額を下回ることによって損失が生じる場合が
あります。
・また、新株予約権、取得請求権等が付された上場有価証券等については、これらの権利を行
使できる期間に制限がありますのでご留意ください。
・なお、上場有価証券等が外貨建ての場合、為替相場(円貨と外貨の交換比率)が変化するこ
とにより、為替相場が円高になる過程で円貨換算した価値は下落し、逆に円安になる過程で円
貨換算した価値は上昇することになります。したがって、売却時等の為替相場の状況によって
は為替差損が生じる場合があります。
〔信用取引〕
上場有価証券等を「信用取引」でおこなう場合は、以下のリスクがあります。
・信用取引を行うにあたっては、株式相場、為替相場、不動産相場、商品相場等の変動や、投
資信託、投資証券等の裏付けとなっている株式、債券、不動産、商品等(以下「裏付け資産」
(※2)といいます。)の価格や評価額の変動に伴い、信用取引の対象となっている株式等の
価格が変動することによって損失が生じる場合があります。また、その損失の額が、差し入れ
た委託保証金の額を上回る場合があります。
・信用取引の対象となっている株式等の発行者又は保証会社等の業務や財産の状況に変化が生
じた場合や、裏付け資産の発行者又は保証会社等の業務や財産の状況の変化が生じた場合、信
用取引の対象となっている株式等の価格が変動することによって損失が生じる場合がありま
す。また、その損失の額が、差し入れた委託保証金の額を上回る場合があります。
・信用取引により売買した株券等のその後の値動きにより計算上の損失(評価損)が生じたり、
代用有価証券の価格が値下がりすること等によって、委託保証金の維持率 20%未満となった
場合には、不足額を所定の期日までに当社に差し入れていただく必要があります。
・所定の期日までに不足額を差し入れない場合や、約諾書の定めによりその他の期限の利益の
喪失の事由に該当した場合には、計算上の損失が生じている状態で建玉(信用取引のうち決済
が結了していないもの)の一部又は全部を決済(反対売買または現引・現渡)される場合もあ
ります。この場合、その決済で生じた実現損失について責任を負うことになります。
信用取引の利用が過度であると金融商品取引所または当社が認める場合には、委託保証金率
の引上げ、信用取引の制限または禁止の措置等をとることがあります。
※1 「上場有価証券等」には、国内外の店頭売買有価証券市場において取引されている有価
証券を含み、カバードワラントなど、法令で指定される有価証券を除きます。また、外国又は
外国の者の発行する証券又は証書で同様の性質を有するものを含みます。
※2
裏付け資産が、投資信託、投資証券、預託証券、受益証券発行信託の受益証券等である
場合には、その最終的な裏付け資産を含みます。
※3
各有価証券には、外国又は外国の者の発行する証券又は証書で同様の性質を有するもの
を含みます。
【手数料等についてのご説明】
○手数料について
(以下、手数料・費用は何れも税込)
国内の金融商品取引所に上場する株式等(日本株式)の現物取引における売買手数料
日本株式(現物取引)の売買が約定した際には、次の2つの手数料コースのうち、お客様が選択
されたコースの手数料を支払っていただきます。お客様が選択されている手数料コースは、当社メ
ンバー画面にてご確認ください。
[いちにち定額コース]
1日の約定代金合計
[ワンショットコース]
手数料
約定代金
手数料
20万円まで
450円/1日(※1)
10万円まで
145円/1回
50万円まで
450円/1日
20万円まで
194円/1回
100万円まで
900円/1日
50万円まで
358円/1回
200万円まで
2100円/1日
100万円まで
639円/1回
300万円まで(※2)
3150円/1日
150万円まで
764円/1回
3000万円まで
1209円/1回
3000万円超
1277円/1回
ミニ
定額
※1 2009 年 7 月 31 日までに口座を開設なさった方は、開設日から 3 カ月間に限り、1 日の約
定代金合計が 20 万円以下の場合、手数料が無料になります。ただし手数料無料の対象外
銘柄があります。
※2 以降、100万円増えるごとに1050円追加。
また、カスタマーサービスのオペレーター取次ぎによる電話注文においては、次の手数料を支払
っていただきます。
約定代金
手数料
50万円まで
3622円/1回
100万円まで
3990円/1回
150万円まで
4200円/1回
150万円超
4725円/1回
※上記の「株式等」には「上場投資信託受益証券(ETF)
」
、
「不動産投資信託証券(REIT)
」
、
「預
託証券(DR)
」を含みます。
※手数料は当社の判断により変更する場合があります。
国内の金融商品取引所に上場する株式等(日本株式)の信用取引における売買手数料
信用取引による売買が約定した際には、インターネット(マーケットスピード含む)又は自動
音声応答ダイヤルを経由した場合、次の2つの手数料コースのうち、お客様が選択されたコース
の手数料を支払っていただきます。お客様が選択されている手数料コースは、当社メンバー画面
にてご確認ください。(手数料は当社の判断により変更する場合があります。)
[いちにち定額コース]
1日の約定代金合計
ミニ
定額
[ワンショットコース]
手数料
約定代金
手数料
20万円まで
450円/1日(※1)
30万円まで
262円/1回
50万円まで
450円/1日
30万円超
472円/1回
100万円まで
900円/1日
200万円まで
2100円/1日
300万円まで(※2)
3150円/1日
※1 2009 年 7 月 31 日までに口座を開設なさった方は、開設日から 3 カ月間に限り、1 日の約
定代金合計が 20 万円以下の場合、手数料が無料になります。ただし手数料無料の対象外
銘柄があります。
※2 以降、100万円増えるごとに1050円追加。
また、カスタマーサービスのオペレーター取次ぎによる電話注文においては、次の手数料を支
払っていただきます。
約定代金
手数料
30万円まで
3412円/1回
30万円超
3622円/1回
なお、お客様が追加保証金(追証)や不足額を入金されず、当社の任意でお客様の計算により
建玉又は代用有価証券を決済・処分(強制執行)する際には、オペレーター取次ぎの手数料を支
払っていただきます。さらに、信用期日の前営業日までにお客様が信用建玉を処分されなかった
場合の強制執行においては、オペレーター取次ぎの手数料に10500円を加算した額の手数料
を支払っていただきます。
信用取引関係諸費用
[事務管理費]
建約定日から1ヶ月経過するごとに、1株あたり10.5銭の事務管理費がかかります。
(単
元株制度の適用を受けない銘柄(売買単位1株)については1株あたり105円になります。
)
ただし、同一銘柄、同一日に成立した売付株数又は買付株数をそれぞれ合計し105円に満
たない場合は105円、1050円を超える場合には1050円とします。
※税込金額を基に計算した結果生じた円未満の端数は切捨てております。
[名義書換料]
権利確定日を越えて買建をしている場合、信用建玉毎に1売買単位あたり52.5円の名
義書換料がかかります。
※税込金額を基に計算した結果生じた円未満の端数は切捨てております。
【名義書換料の一部例外について】
平成13年10月1日以降に行われた株式の分割もしくは併合または1売買単位
の株式の数の変更(取引所に上場される前に行われたものを除く。
)について、それ
ぞれ行われる都度算出された当該分割比率もしくは当該併合比率または当該1売買
単位の株式の数の変更比率をそれぞれ乗じて得た数(以下「分割等による調整率」
といいます。
)が10以上となった場合の銘柄を例外の対象とします。
※分割比率:当該株式の分割後の発行済み株式の総数を当該分割前の発行済み株式
の総数で除して得た数をいいます。
※併合比率:当該株式の併合後の発行済み株式の総数を当該併合前の発行済み株式
の総数で除して得た数をいいます。
※変更比率:1売買単位の株式の数の変更前の1売買単位の株式の数を当該変更後
の1売買単位の株式の数で除して得た数をいいます。
例外の対象となった銘柄については、信用建玉毎に1売買単位あたり52.5円
に10を乗じ、分割等による調整率で除してもとめられる金額(円未満の端数切捨
て)を名義書換料としてお支払いいただきます。
○委託保証金について
委託保証金は、売買代金の 30%以上で、かつ 30 万円以上が必要です。また、有価証券により
代用する場合の代用価格は、以下に掲げる銘柄に応じて、前日終値にそれぞれの掛目を乗じた価
格となります。
東証(マザーズを含む)上場銘柄
前日終値の
80%
大証(ヘラクレスを含む)上場銘柄
〃
80%
JASDAQ上場銘柄
〃
80%
名証単独上場銘柄
〃
0%
委託保証金率及び代用有価証券の掛目については、市場の動向により金融商品取引所により変
更
されること又は当社の判断により変更することがありますので、ご注意ください。
なお、当社の判断により代用有価証券の掛目の変更又は除外(以下「掛目の変更等」といいま
す。
)を行う事象は以下のとおりです。掛目の変更等を行う場合には、あらかじめその内容をご
通知し、変更後の掛目(又は除外)の適用日につきましては、通知した日から起算して5営業日
目の日といたします。ただし、下記③の事象の場合において、当社が必要と認めたときには、通
知した日の翌営業日から適用することができるものといたします。
(当社「信用取引規定」第5
条の2参照)
①株価が一定の水準を継続して下回る、または、出来高が過少で流動性が確保できないなど、決
済リスクの観点から当社が不適当と判断した場合。
②当社での信用取引建玉状況や代用有価証券の預り状況等に照らして、著しく偏りが見られるな
ど、与信管理の観点から当社が不適切と判断した場合。
③特定の銘柄について、明らかに経営に重大な影響を与えると認められる事象等が発生し、今後、
株価が継続かつ大幅に下落することが予想され、当該銘柄の時価が本来の株価水準を反映して
いないことから、保証金としての適切な評価を行うことができないと当社が認めた場合。
なお、明らかに経営に重大な影響を与えると認められる事象等の事例としては、例えば、次の
ようなケースが想定されます。
・重大な粉飾決算の疑いが発覚し、直近の株価の水準が粉飾されたとされる決算内容に基づき形
成されていたと判断される場合
・業務上の取引等で経営に重大な影響を与える巨額な損失が発生した場合
・突発的な事故等により長期にわたりすべての業務が停止される場合
・行政庁による法令等に基づく処分又は行政庁による法令違反に係る告発等により、すべての業
務が停止される場合
・その他上場廃止につながる可能性が非常に高い事象が発生した場合
・PTS 取引(夜間取引)は、お客様が選択されているコースにかかわらず 1 回の約定代金が
50 万円まで 472 円/1 回、100 万円まで 840 円/1 回、150 万円まで 1,050 円/1 回、150
万円超は 1,575 円/1 回がかかります。いずれも税込み。
・国内株式を募集・売出し等(新規公開株式(IPO)、立会買分売)により取得する場合は、
購入対価のみお支払いいただきます(委託手数料はかかりません)。
商号等:楽天証券株式会社
金融商品取引業者:関東財務局長(金商)第 195 号
加入協会:日本証券業協会、社団法人金融先物取引業協会
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