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1 - 一般社団法人コンピュータソフトウェア協会
米国 IT 業界動向 2010 年 10 月 JETRO/IPA New York 1.主要 IT 企業動向 (1)グーグル ・ 米国1600社以上のIT担当者のうち、アンドロイド搭載スマートフォンを使 用する人の割合は8月の段階で16%に達した。過去3ヵ月間で60%増を 記 録 し た こ と に な る 。 チ ェ ン ジ ウ ェ イ ブ ・ リ サ ー チ ( ChangeWave Research)が報告した。一方、iフォンの使用率は31%で、同期におけ る伸び率が3%増にとどまった。また、調査会社IDCは、世界市場におけ るアンドロイド搭載スマートフォンのシェアが、今年末までに16%に達す るとみている。そのほか、シンビアンが40%、ブラックベリーが18%、iOS が15%となり、アンドロイドがiフォンを抜くと予測されている。 【9月22日 Computer World】 ・ グーグルは、携帯向け入力ソフトを開発するブラインドタイプ (BlindType)を買収した。買収金額は明らかにしていない。ブラインド タイプは携帯機器の入力を正確かつ簡単にするソフト技術を開発してい る。グーグルは、同社の技術を使ってアンドロイドの文字入力機能を向上 させたい考え。【10月1日 TechCrunch】 ・ グーグルは、大手メディア企業各社とグーグルTVへのコンテンツ提供で 提携した。提携先には、ケーブル局のTBSおよびTNT、HBOや映画配信サ ービスのネットフリックス(Netflix)ほか、番組製作会社NBCユニバーサ ル、CNN、USAトゥデイ、インターネット・ラジオのパンドラ(Pandora)、 NBA(全米バスケットボール協会)が含まれる。 HBOの親会社タイムワーナーは、グーグルTV環境に向けて最適化した 600時間以上の映画を提供する計画だ。 グーグルTVでは、動画を含むオンライン・コンテンツをデジタル・テレ ビに再生できるほか、トゥイター(Twitter)の確認や、オンライン写真 アルバムの閲覧もテレビ画面で可能となる。【10月4日 CNN】 ・ ロジテック(Logitech)は、グーグルTV対応のセットトップ・ボックス (STB) 「レビュー(Revue)」を近く公開する。グーグルTV向けSTBとし ては業界初となる。 ユーザーは、レビュー経由でDVR機能を使えるほか、ケーブル・テレビ や衛星放送をグーグルの検索ボックスと一体化することで、テレビ番組 や録画番組、ウェブサイトをまとめて検索できる。レビューにはキーボ ードが同梱されているが、手のひらサイズのコントローラー(130ドル)、 TV会議用のカメラ(150ドル)は別売り。【10月6日 Yahoo News】 ・ グーグルは、オラクルがグーグルを技術特許侵害で訴えていた件で、オラ クルの行為を不当として、訴えを棄却するよう連邦地裁に求めた。事の発 端は、オラクルが2010年8月12日、グーグルのアンドロイドがJavaの著作 1 権と特許を侵害しているとしてグーグルを連邦地裁に訴えたのが始まり だ。これに対してグーグルは、Javaがオープンソースのプログラミング言 語であり、オラクルもそれを容認してきたのに、その方針を突然変えたと して非難している。オラクルは、Javaのコードをオープンソース・ライセ ンスの規定に基づき公開しているが、一部の企業が使用する際には、使用 条件に関する合意を前提としている。 Javaは業界に広く浸透していることから、他社も両社による係争の行方 を見守っている。【10月10日 San Jose Mercury】 ・ ソニーは、テレビ放送とインターネット経由のストリーミングの融合を高 精細HDTVで実現したグーグルTVの発売を発表した。アンドロイドOSと インテル社製Atomプロセッサを搭載し、ブラウザーはchoromeを搭載し、 CNBC, Napster, NBA, Netflix, Pandora, Twitter, YouTubeなどがアプリケ ーションとして利用できる。また、2011年初をめどに、アンドロイド・マ ーケット経由でアプリケーション追加にも対応予定。価格帯は32インチ HDTVが799.99ドル、42インチHDTVが1399.99ドル、グーグルTV対応の ブルーレイディスクプレーヤーが399.99ドル。米国では10月16日から販 売開始される。【10月12日 Sony Electronics】 ・ グーグル2010年7~9月期決算は、大幅な増収増益となった。自社サイト のオンライン広告収入に加えて、提携先サイトからの関連収入が好調だっ た。自社サイトの広告収入は、全売上の7割弱を占めている。 売上高を地域別にみると、米国外の売り上げが37億7000万ドルで売り上 げの52%を占めた。【10月14日 Google】 (2)アップル ・ 調査会社IDCの予測によると、2010年米国携帯広告市場におけるアップル のシェアはAdMobの買収もあり、21%に増加する見込みである。一方、 グーグルのシェアは昨年の27%から21%に減尐、さらにマイクロソフト も10%から7%に、ヤフーが12%から9%に、ノキアが5%から2%に減尐 する見通しだ。 米国携帯広告市場は今年、前年から約倍増の5億ドル近くに拡大すると みられている。これに伴い、関連企業は広告向けソフトの改良や企業買 収で競争力強化を進めている。さらに新興企業も台頭してきており、例 えば、ジャンプタップ(Jumptap)のシェアが昨年の10%から今年は13% に拡大したほか、ミレニアル・メディア(Millennial Media)もシェアを9% から11%に伸ばすとみられている。 また、無線通信機器メーカーのエリクソン(Ericsson)がAdMarketの開 設を発表したほか、米国以外で広告網を展開するインモビ(InMobi)が6 月に米国オフィスを開設し米国市場へ参入している。このほか、リサー チ・イン・モーション(RIM)も、携帯広告ネットワークの買収を検討し ているという。【9月26日 BusinessWeek】 ・ アップルは、携帯電話機製造大手ノキア(Nokia)を英国で提訴した。ア ップルの訴えによると、同件は、アップルがノキアを2009年12月に技術 2 ・ ・ ・ ・ 特許の侵害で訴えた件に関連している。アップルは昨年12月、ノキアが先 に特許10件を侵害していると主張して同社を訴えていた件に対して、ノキ アを逆提訴した。そして、今回、英国でのノキア提訴に発展した格好だ。 米国でアップルがノキアを訴えた係争の一部は、今年11月1日から審理が 始まる。同時に、ノキアがアップルを訴えた係争の一部も、11月29日か ら審理が始まることになっている。【9月28日 BusinessWeek】 アップルは、特許侵害を理由にミラー・ワールズ(Mirror Worlds LLC)に 対し6億2550万ドルの支払いを支払うよう評定が下った件に関し、レオナ ルド・デイビス裁判長に対し、評決の差し止めを求めた。デイビス裁判長 はアップルの申請を受けて、両社の弁護士に対し、テキサス州陪審が裁定 した賠償額について弁論書の提出を求めた。 アップルは差し止めの理由として、争点となっている3件の特許のうち 2件に未解決問題があることと、3つの特許侵害が同時発生(triple dipping)することから、特許ごとの2億850万ドルの支払い額が法外な値 段である点を挙げている。争点となっている特許は、コンピュータ・ス クリーン上の文書表示方法に関するもので、ミラー社が、iポッド、i フォン、そしてマック・コンピュータが同社の特許を侵害しているとし て 2008 年 に 訴 え て い た 。 裁 判 で は 、 マ ッ ク OS の ス ポ ッ ト ラ イ ト (Spotlight)、タイム・マシン(Time Machine)、カバー・フロー(Cover Flow)といった各機能がミラー社の特許を侵害しているか否かが争点と なっていた。 今回の賠償額は、特許侵害賠償額としては米国史上で4番目に大きいと いう。【10月4日 Bloomberg】 調査会社iサプライの発表によると、新型アップルTV(99ドル)の製造 コストが64ドルで、旧機種(299ドル)に比べて利幅が最小限ぎりぎりの 製品となっている。 iサプライによると、アップル独自のA4アプリケーション・プロセッサ が1個当たり16.55ドルで、製品の中で最も高額の部品となっている。次 に高価な部品は東芝製の8ギガバイト(GB)フラッシュメモリ・チップ で14ドル。ただし、A4プロセッサは、iフォンやiパッドにも搭載され ており、それによってプロセッサ・コストを引き下げている。 【10月5日 Computer World】 モトローラ(Motorola)は、10月6日、同社の特許を侵害したとして、イ リノイ州とフロリダ州の連邦地裁および米国際貿易委員会(ITC)にアッ プルを提訴した。 モトローラの訴えによると、アップルのiフォンやiパッドがモトロー ラの特許18件を侵害しているという。同社は、ITCに対し、速やかな調査 開始と製品の広告・販売差し止めを求めている。【10月6日 Bloomberg】 小売最大手のウォルマートは、アップルのiパッドを販売する。iパッド は2010年4月からベスト・バイで、10月からはターゲットでも販売が開 始されている。ウォルマートは歳末商戦が本格化する11月半ばまでに 2300店以上でiパッドを扱っていく。価格については、ウォルマートが 3 ・ ・ ・ ・ 得意とする値引きは実施されず、メーカー小売希望価格(下位機種なら499 ドル)で販売する。【10月12日 WSJ】 ベライゾン・ワイヤレスは、iパッドを10月28日から販売する。iパッ ドはGSM規格にのみ対応しており、ベライゾンが採用する通信規格 CDMAには対応していない。このため、ベライゾン版iパッドでは、イン ターネット接続のため、CDMAをいったんMiFiと呼ばれる接続機器(Wi-Fi ホットスポット装置)で受けて、Wi-Fi経由で接続することになる。価格 は、最小容量(16GB)のiパッドがMiFi付きで629ドル(アップルの本体 小売価格は499ドル)。データ通信プランは、1GBまでなら月額20ドル、 3GBなら35ドル、5GBなら50ドルとなっている。 【10月14日 Computer World】 AT&T は、iパッドを企業向けに販促していく。具体的な価格設定は発表 されていないが、割安の無線データ通信プランとセットで販売していく計 画だ。また、これに先立ち、AT&T では 10 月はじめ、企業市場開拓戦略 の一環として、タブレットやスマートフォンから各種業務情報を管理する ためのアプリケーションを顧客企業が開発しやすくするための支援サー ビスも立ち上げている。【10 月 15 日 WSJ】 アップル7〜9月期決算は、大幅な増収増益となった。ともに過去最高額 を記録した。iフォン4とiパッドの好調な売り上げが奏功した。iフォ ン全体の販売個数は 1410 万台、iパッドが 419 万台となった。また、パ ソコン「マック」は前年同期比 27%増の 389 万台となった。一方のiポ ッドは同 11%減の 905 万台にとどまった。【10 月 18 日 Apple】 20 日、アップルは、超薄型ラップトップ機種のマックブック・エアー (MacBook Air)と MacOS の最新版を発表した。 新型マックブック・エアーは、画面サイズ 11.6 インチと 13.3 インチの2 種類がある。記録メディアにフラッシュメモリ(65GB と 256GB)を採 用し、バッテリ持続時間は最大7時間となっている。11.6 インチ型は重 さがわずか 1.06 キログラムと超薄型軽量。さらに、トラック・パッドが マルチタッチ対応になっているのが特徴だ。新型の下位機種は 999 ドル。 一部では、他のラップトップ機種に比べると、プロセッサの処理速度が 遅いという指摘もあるが、フラッシュメモリを搭載することで、読み込 みや書き込み速度をディスク・ドライブ型に比べて約2倍高速にしてい る。また、次期 OS のライオン(Lion)では、動画電話のフェイスタイム (FaceTime)や、アプリケーション・ダウンロード・サービスのデスク トップ版が注目の新機能として関心を集めている。【10 月 21 日 NYT】 (3)Amazon.com ・ オンライン販売大手Amazon.comは、グーグルの携帯電話用OSアンドロ イド(Android)向けのアプリケーション・ストアー(アップ・ストアー) の開設を進めている。スマートフォンの普及とタブレット機器の市場拡大 によって、書籍やゲームがアプリケーションのオンライン販売に弾みがつ くと考え、アップ・ストアーで新たな収入源の確保とモバイル・コマース 4 (mコマース)の拡充を狙って行く。同アップ・ストアーの決済には、e-Bay 傘下のペイパルを採用する方針だ。 ソフト会社アプセラレーター(Appcelerator)と調査会社IDCがアプリケ ーション開発業者を対象に共同で実施した調査によると、回答者の88% がアップルの提供するアップ・ストアーが一番と答えている。一方、ア ンドロイド版のアップ・ストアーを高く評価した割合は10%にとどまっ た。 アップルのアップ・ストアーの売り上げは、2010年の4億2500万ドルか ら2015年には23億ドルに達するとみられている。【10月11日 WSJ】 ・ Amazon.comの7〜9月期決算は大幅な増収増益となった。オンライン小 売部門で、キンドル(Kindle)の出荷台数が伸びたのが奏功した。また、 電子書籍のダウンロード販売が伸びた結果、関連部門でも増収を記録した。 【10 月 21 日 Amazon.com】 (3)マイクロソフト ・ マイクロソフトは、モトローラ製アンドロイド搭載スマートフォンが同社 の保有する計9件の特許を侵害しているとして、ワシントン州地方裁判所 と米国際貿易委員会(ITC)に訴えた。マイクロソフトは、モトローラに 対して対象技術の使用差し止めを求めている。 マイクロソフトの訴えによると、侵害対象となっているのは受け取った 電子メール管理ソフトなど。同社は、10月にも多機能携帯の目玉製品「ウ ィンドウズ・フォーン7」を市場投入するべく準備を進めている。 【10 月 1 日 ZDNet】 ・ ニューヨーク・タイムズは、マイクロソフトのバルマー最高経営責任者 (CEO)とアドビのナラエンCEOが、アドビの社屋で極秘会談を行った と発表。その結果、マイクロソフトがアドビ・システムズの買収を検討し ているという憶測が飛び交っている。同紙の報道によると、両CEOは、携 帯電話機市場でのアップルの支配力と、それに対抗するための複数の選択 肢を協議したが、その選択肢の中にマイクロソフトによるアドビ買収案も 含まれている可能性がある。関係者によれば、過去、マイクロソフトがア ドビ社の買収を検討したこともあったが、その時点では、独占禁止法上の 問題で買収は不可能であった。しかし、グーグルやアップルの台頭により 現在は状況が異なっているとのことである。 両社は談話に関するコメントを控えている。 【10 月 7 日 New York Times 】 ・ マイクロソフトは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)最 大手フェイスブックとの提携を強化する。具体的には、フェイスブックの ユーザーの自己紹介や、ユーザーがフェイスブックの「いいね(お気に入 り)」ボタンを押すことによって、推奨しているウェブ・ページの内容を Bingの検索結果に反映させることができるという。その結果、利用者個人 の好みや交友関係に関連した検索結果を得られるようになる仕組みだ。 【10月14日 New York Times】 ・ マイクロソフトは、同社の最高ソフトウェア設計者、レイ・オジーが退任 5 することを明らかにした。同氏は、2005 年の就任以来、クラウド・コン ピューティング事業を第一線で率いた人物だけに、今回の退任は業界の話 題となっている。 オジー氏はロータス・ノーツを開発したことで知られる。マイクロソフ 移籍後は、同社のクラウド・プラットフォーム「ウィンドウズ・アジュ ール(Windows Azure)」を完成させている。【10 月 18 日 WSJ】 ・ マイクロソフトは、オフィスのクラウド版サービス「オフィス 365」を開 始した。サービスは、米国ほか、日本や欧州、香港、シンガポールを含む 13 の地域でベータ版の提供を開始し、2011 年中に 40 ヵ国で正式サービス を展開していく。 オフィス 365 は、従来からクラウドで提供してきたオフィスソフトに加 え、電子メールや文書、スケジュール共有機能をオンラインで提供する。 月額使用料は、中小企業向けが利用者1人当たり6ドル(または 5.25 ユ ーロ)。大企業向けが同 24 ドル(22.75 ユーロ)。【10 月 19 日 WSJ】 ・ マイクロソフトは、ネット経由でゲームを提供する自前の新配信システム を 11 月 15 日に立ち上げる計画を明らかにした。マイクロソフトによると、 専用システムをコンテツ販売サイト「マーケットプレイス」内に構築し、 手軽さを追求した計約 100 種類のゲームを用意する計画。対象は、ウィン ドウズ・フォーン7搭載のスマートフォン利用者およびウィンドウズ7搭 載パソコン利用者。【10 月 22 日 Techcrunch 】 (5)インテル ・ インテルは、家庭用エネルギー管理機器の開発および販売を目指すメーカ ーや小売企業のために、ハードウェアの仕様および関連ソフトを示す設計 仕様を発表した。 サンフランシスコで開催された「ウェスト・コースト・グリーン会議」 において、ダグ・デイビス副社長は、同仕様は2011年第1四半期から正 式に提供される計画であることを発表するとともに、同仕様に基づく家 庭用消費電力モニタリング端末の試作品を披露した。この試作品は、低 電力消費プロセッサ「アトム(Atom)」を採用している。 また、スマート・グリッド技術を手がける新興企業グリッド・ネット(Grid Net)は、オーストラリアの公益事業者エネルギー・オーストラリア (Energy Australia)が、インテルのチップとグリッド・ネットのソフト を使った初の装置を採用すると発表した。スマート・グリッドを急速に 進めているオーストラリアのSmart Grid Smart Cityプロジェクトには、両 社とインテル、IBM、GE、ベタープレイス社がコンソーシアムを組んで 参加している。 家庭用エネルギー管理機器については、新興企業のグリーンボックス (Greenbox)を昨年買収したシルバー・スプリング・ネットワーク、家 庭用エネルギー管理製品を今年投入したシスコシステムズ、そしてメー ターを手がけるeメーター(eMeter)がしのぎを削っている。 【9月30日 GigaOM】 6 ・ インテルは、同社製半導体ベースのスマートフォンやタブレット機器にi フォン用アプリケーションを移植するために、アプリケーション開発者向 けツールの開発に着手した。ツールの提供時期は明らかにされていない。 iフォンやiパッドを含む携帯機器のほとんどはARMベースのプロセッ サを搭載しているため、携帯向けアプリケーション開発者はARM製チッ プ向けの開発を好む。そこで、インテルは、ツールを提供することで同社 製プロセッサ「アトム(Atom)」へのアプリケーション移植を簡便化し、 モバイル機器分野での市場シェア拡大を図る考えだ。 また、インテルのソフトウェア・サービス・グループのダグ・フィッシ ャー副社長は、将来的にLinuxベースのミーゴー(Meego)とウィンドウ ズ対応ツールの提供に踏み切る可能性も明らかにしている。ミーゴーは インテルとノキア(Nokia)が開発したモバイルOSで、今年2月に投入 された。【10月5日 Computer World】 ・ インテルの7〜9月期決算は大幅な増益を記録した。パソコンやスマート フォン向けプロセッサの販売引き続き好調だったのが奏功した。地域別に 売り上げをみると、アジア太平洋地域は 20.3%増と好調で、米州地域が 22.9%増、日本 23.4%増だった。一方の欧州地域は前年実績を下回った。 【10 月 13 日 Intel】 ・ インテルは、総額 60 億〜80 億ドルを使って米国内にある半導体工場を 大々的に刷新する。半導体製造に直接かかわる雇用として 800〜1000 人 が新たに採用される見込みだ。対象となるのは、オレゴンおよびアリゾナ にある工場で、製造ラインを 22 ナノメートル線幅加工に対応させる。ま た、工場刷新と同時に研究&開発(R&D)センターも新設される。 インテルは現在、ニュー・メキシコ州にも工場を所有する。米国外では、 アイルランドとイスラエルに製造拠点を持つほか、現在、中国でも建設 中だ。2010 年における設備投資予算は 52 億ドルに達する。 【10 月 21 日 BusinessWeek】 (6)IBM ・ IBMは、データ通信技術会社ブレード・ネットワーク・テクノロジーズ (Blade Network Technologies)を買収する。買収金額は明らかにしてい ない。 ブレード社は、データ・センターにあるサーバと各種システムと の間におけるデータ転送を最適化する技術を開発している。中核事業は、 高性能スイッチの開発で、同社製品はフォーチュン500社の半数以上の企 業に採用されている。買収手続きは、2010年第4四半期に完了する見込 み。【9月27日 San Jose Mercury】 ・ IBMは、スマート建物管理技術に関する一連の新製品およびサービスを発 表した。これらには、一般企業や公益事業者向けのエネルギー管理・最適 化ソフトのほか、それらのツールを管理するためのサービス、さらに、建 物オートメーション・システムを販売するシュナイダー・エレクトリック (Schneider Electric)との新しい提携関係が含まれる。 すでにロード・アイランド州のブライアント大学構内では、IBMとシュナ 7 ・ ・ ・ ・ イダーの協力によるデータ・センター効率化プロジェクトが進められて おり、キャンパス全体で総電力使用量を15%削減する効果を生んでいる。 【9月30日 GigaOM】 IBMは、オープンJDK(OpenJDK)の開発でオラクルと協力する方針を明 らかにした。IBMは、Javaアプリケーションに必要なコンポーネントをア ンドロイド向けに開発するプロジェクト・ハーモニー(Project Harmony) から脱退。プロジェクトの活動自体が事実上停止状態になった。その結果、 Javaをめぐるオラクルとグーグルの争いで、IBMがオラクル側についた格 好だ。 今後、Javaが刷新された場合、互換性の問題が発生する危険性がある。 グーグルは、オラクルと和解するか、あるいは逆提訴して長期戦を展開 するかの選択を迫られている。【10月12日 Mashable】 IBMは、オーストラリアのメルボルン大学敷地内に新たな研究・開発 (R&D)施設を設立する。施設のオープンは、2011年第1四半期になる 予定で、5年以内に約150人を雇用していく。同R&D施設では、天然資源 管理や自然災害管理分野の研究開発に重点を置いていく。 【10月13日 CNBC】 IBM の7〜9月期決算は微増の増収増益となった。増益には、新興国市場 での販売増が貢献した。例えば、ブラジル、ロシア、インド、中国のいわ ゆる「ブリックス(BRICs)」4ヵ国では売り上げが 29%増と大幅に伸び ている。部門別では、ハードウェア部門が 10.4%増と高い伸びを示した。 そのほか、中核の技術サービス部門が 0.7%増、ビジネス・サービス部門 が 5.4%増、ソフト部門が 0.7%増となっている。 【10 月 18 日 IBM】 IBM は、財務管理および分析ソフトを開発するカナダのクラリティ・シス テムズ(Clarity Systems)を買収した。買収金額は明らかにしていない。 クラリティ・システムズは、世界中に約 600 社の顧客を抱え、予算編成や 事業計画、財務上の予測および分析を行う製品で、好評を得ている。 IBM は、クラリティを自社の分析ソフトウェア部門に組み込み、IBM のビ ジネス・インテリジェンス(BI)向けソフト開発およびサービスに従事さ せて行く。【10 月 21 日 Computer World】 (7)ヒューレット・パッカード(HP) ・ HPは、7インチのタブレット機器に自社製プリンタ「フォトスマート・ イーステイション(Photosmart eStation)」をセットして399ドルで発売す る。タブレット機器は基本的にプリンタのスクリーンとしても機能する。 また、Wi-Fiに対応しており、書籍販売大手バーンズ&ノーブルから電子 書籍をダウンロードして閲覧できるほか、楽曲の再生も行える。また、フ ェイスブック(Facebook)を含むソーシャル・メディアにも対応してい る。 他社製品に比べて、かなりの割安感があるが、アンドロイド・マーケッ ト(Android Market)にフル・アクセスできないほか、バッテリの持続時 8 間が4時間しかないといった欠点がある。【9月23日 BusinessWeek】 ・ HPは8月に引責辞任したマーク・ハード最高経営責任者(CEO)の後任 として、独SAPの前CEOであるレオ・アポテーカー氏(57)を起用する と発表した。アポテーカー氏は11月1日付けで就任する。同氏はSAPに20 年以上勤務し、企業向けITサービスの国際展開やM&A(合併・買収)を主 導し、業績を拡大していた。同氏は今年2月にSAPを退職している。 【9 月 30 日 TechCrunch 】 ・ HP は、パーム(Palm)を買収した際に獲得したウェブ OS(WebOS)の 最新版「HP ウェブ 2.0」およびスマートフォンのプリー(Pre)の最新版 「プリー2」を発表した。 HP ウェブ 2.0 は、テキストを入力するだけで、電子メール作成やオンラ イン検索といった操作を簡単に実行できる。また、デベロッパーがプラ グインを簡単に開発する環境を整備し、グーグルやフェイスブックの情 報を簡単に統合できるようにした。最大の特徴は、正真正銘のマルチ・ タスク機能。それにより、複数のアプリケーションを同時に稼働させな がら、すばやく切り替えられる。 一方、プリー2は、1ギガヘルツ(GHz)のプロセッサと 500 万画素の カメラを搭載する。フランスではすでに発売されているが、米国内では 年内にベライゾン・ワイヤレスが発売するとみられている。 【10 月 19 日 Washington Post】 (8)シスコシステムズ ・ シスコは、各種設定が非常に簡単なLinuxベースのネットワーク・スイッ チ製品群「300シリーズ」を発表した。同新製品は小規模事業者が対象で、 ネットワーク上のスイッチを検知するブラウザー・ツールやIPv6サポート といった新機能が含まれる。300シリーズは、昨年発売されたシスコ100 シリーズの高位機種に当たる。【9月22日 Internet News】 ・ シスコは、EMC、VMウェア(VMware)と共に、管理型プライベート・ クラウド・コンピューティング・サービスを提供するためにフランス・テ レコムの一部門でもあるオランジュ・ビジネス・サービシズ(Orange Business Services)と提携した。 シスコは、EMC、VMウェア(VMware) と共に、管理型プライベート・クラウド・コンピューティング・サービス を提供するためにフランス・テレコムの一部門でもあるオランジュ・ビジ ネス・サービシズ(Orange Business Services)と提携した。 4社の提携事業は「フレキシブル4ビジネス(Flexible 4 Business)」と 呼ばれるプライベート・クラウド・サービスで、2009年にシスコ、EMC、 VMウェアの米3社がスタートさせた統合仮想化(バーチャライゼーショ ン)事業の業務提携「バーチャル・コンピューティング・エンバイロメ ント連合(VCE coalition)」を引き継ぐものとなる。 【9月28日 Internet News】 9 (9)オラクル ・ 過去5年間で65社以上を買収してきたオラクルは、特定業界に特化した半 導体を開発する企業に照準を合わせ、事業を拡大していく。ラリー・エリ ソン最高経営責任者(CEO)が、サンフランシスコで23日に開かれた年 次会議で明らかにした。同社は今年1月、サン・マイクロシステムズ(Sun Microsystems)を買収してハードウェア業界に初めて進出。今後も自社ソ フト製品との相乗効果をもたらしながらサンの製品を活かすハードウェ ア事業の拡充に注力する考え。【9月23日 Bloomberg】 ・ オラクルは、次世代の企業資源計画(ERP)アプリケーション「フュージ ョン(Fusion)」の価格制度の概要を発表した。フュージョンは、数ヵ月 以内に市場に投入される予定。製品は、従来のERP機能に加えて、ビジネ ス・インテリジェンス(BI)および協業機能を備える。ERPの機能はフル 装備ではなく、100種類以上のモジュールの形で提供されるのが特長だ。 価格自体は明らかにされなかったものの、新しい価格制度では、既存顧 客がフュージョンにアップグレードする場合、 「ネット・フォー・ネット (net-for-net)」が適用される。これは、従来のライセンス契約を置き換 えるシステムで、例えば、CRM(顧客関係管理)のライセンスをすでに 購入している顧客の場合、同じ数のフュージョン用ライセンスを追加料 金なしで取得できる仕組み。一方、ミドルウェアや一部のBI機能といっ たパッケージ製品の利用には追加コストが発生する。 オラクルはまた、フュージョンが、既存システムと互換性を持ち、オン ラインでもオフラインでもコードを共有し、アップグレードが容易であ る点を強調している。【10月7日 Computer World】 主な企業の決算報告: 企 業 名 グ ー グ ル ア ッ プ ル A m a zo n .c o m イ ン テ ル IBM 四 半 期 売 上 高 7 2 .8 6 億 ド ル 2 0 3 .4 3 億 ド 7 5 .6 億 ド ル ル 前 年 同 期 比 四 半 期 純 益 前 年 同 期 比 2 3 .0 % 2 1 .6 7 億 ド ル 3 2 .0 % 6 6 .7 % 4 3 .0 8 億 ド ル 7 0 .1 % 3 9 .0 % 2 .3 1 億 ド ル 1 6 .0 % 1 1 1 .0 2 億 ド ル 1 8 .2 % 2 9 .5 5 億 ド ル 5 9 .2 % 2 4 2 .7 1 億 ド ル 3 .0 % 3 5 .8 9 億 ド ル 1 1 .7 % 2.端末(PC、携帯機器、家電等)と周辺機器・ソフト (1)ソニー・エリクソン・モバイル・コミュニケーションズ(Sony Ericsson Mobile Communications)は、今後発売する携帯電話機へのシンビアン (Symbian)OS搭載を取りやめる。ソニー・エリクソンは現在、スマート フォン市場で苦戦を強いられており、現状を打破するためにアンドロイドの 採用を開始しており、今後の新機種はアンドロイドへ移行する。 シンビアンを開発したノキアは、シンビアンのコードを財団加盟メーカー やアプリケーション開発業者に公開することで、シンビアン市場の縮小を 10 阻止しようと必死だ。しかし、アンドロイドの進撃を食い止めることがで きず、衰退の一途をたどっている。【9月24日 BusinessWeek】 (2)リサーチ・イン・モーション(RIM)は、iパッドの対抗製品「プレイブ ック(PlayBook)」を発表した。発売時期は2011年初期としか明らかにされ ていない。 プレイブックは、7インチのタッチパネル液晶画面と独自の専用OS(ブラッ クベリー・タブレットOS)を搭載する。筐体の表と裏の両面に高解像度の小 型カメラを備えている。重さは、400グラムで、厚さが1センチ。ブラックベ リーとコンテンツを迅速に共有できるのも特長だ。ネットへの接続は、Wi-Fi およびブラックベリー経由となっている。【9月27日 Engadget】 (3)韓国サムスン電子(Samsung)とシトリックス・システムズ(Citrix Systems)は、スマートフォン及びタブレット機器分野で提携する。具体的 には、サムスン製タブレット機器「サムスン・ギャラクシー・シリーズ」に シトリックス製ソフト「シトリクス・レシーバ(Citrix Receiver)」を搭載す る。その結果、利用者が、出先から職場のデスクトップや各種システムおよ び 社 内 ネ ッ ト ワ ー ク に 安 全 に ア ク セ ス で き る よ う に な る 。【 10 月 5 日 Information Week】 (4)アウゲン(Augen)は、アンドロイドとウブントゥ(Ubuntu)という2 つのLinux OSに対応したタブレット型コンピュータ「ジェンタッチ・エスプ レッソ・ドーピオ(Gentouch Espresso Doppio)」 (599.99ドル)を発売した。 ドーピオでは、利用者がタブレット起動時にアンドロイド2.2かウブントゥの どちらかを選択できる。 ディスプレイには、取り外し可能な10.2インチ・マルチ・タッチ・キャパシ ティブ・スクリーン(Multi-Touch Capacitive Screen)を採用。本体部分には、 発光ダイオード(LED)をバックライトに仕様したQWERTY方式キーボード を搭載した。バッテリ持続時間は、スクリーンと本体を別々に使う場合で10 時間、スクリーンと本体を連結して使う場合で最大15時間となっている。そ のほか、動画会議向け3メガピクセルDSCカメラやWi-Fi対応機能も搭載して いる。アウゲンは年内にも、あと5機種のタブレット投入を計画している。 【10月12日 PC World】 (5)対人コミュニケーションに問題を抱える子どもたちの治療目的として、 iパッドとそのアプリケーションを活用する試みが注目されている。 例えば、脳性麻痺の診断を受けたある2歳児が、アシスティブウェア (AssistiveWare)のiパッド用アプリケーション「プロロクウォ2ゴー (Proloquo2Go)」(190ドル)を使うことで、色を識別したり、「外に行きた い」といった意思を伝えたりすることができるようになったというケースも 報告されている。 プロロクウォ2ゴーでは、iパッドの画面に表示された画像を触ると、それ 11 に関連する言葉を機器が発声するというもの。ほかにも、物語を利用して基 本的な言語パターンを教えるものなど、言語障害者向けに様々なアプリケー ション開発が進んでいる。現在はiパッド向けの開発が主流だが、今後はグ ーグルのアンドロイド搭載タブレットでも開発が進む見通しだ。 一方、言語障害者向け専用端末は、ダイナボックス(DynaVox)やプレント キー・ローミック(Prentke Romich)などが開発しているが、ソフトとサー ビス料金込みで2500~1万5000ドルと非常に高額。このため、価格が499~ 829ドルのiパッドに市場を奪われる可能性が指摘されている。 【10月13日 WSJ】 (6)玩具大手トイザラス(Toys "R" Us)は、iポッドの中古品を下取りする トレードイン・プログラムを一部の店舗で開始した。実施期間は2010年10月 17日~23日の1週間で、正常に機能するiポッドを一人3台まで下取りし、 その引き換えとして店舗で利用できる商品券「トレードアップ・カード」を 提供する。下取り額は、機種の年式や仕様に応じて査定されるが、最高で100 ドルとなっている。同社は、このプログラムで店舗への客足を増やす作戦だ。 【10月14日 CNN】 3.消費者向けインターネット/メディア・ビジネス (1)近年人気が高まっている電子書籍リーダー(eリーダー)は、今後もさら に利用者が増える見通しだ。ハリス・インタラクティブが米成人2775人を対 象にした調査では、eリーダーをすでに使っている人は全体の約8%だが、約 12%は「向こう半年以内に購入する可能性が高い」と回答している。 また、調査会社フォレスター・リサーチによると、2007年に発売された Amazon.comのキンドル(Kindle)はこれまでに約500万台、2009年に発売さ れたバーンズ&ノーブルのヌーク(Nook)は約100万台売れている。 ハリスは、eリーダーの販売が増え続け、その種類も増えていることから、米 国人の読書習慣が変わるのは必至とみている。実際、eリーダーの所有者は、 持っていない人に比べ本を購入する傾向がはるかに高く、約5分の1が過去 1年間に21冊以上の本を購入しているという。 【9月22日 Reuters】 (2)ブルーレイ・ディスク(BD)が、広く普及しないまま廃れていく可能性 が高まっている。すでに企業の中には、新製品への搭載を見合わせる動きが 出てきている。例えば、英国マイクロソフトの幹部は、Xボックス360支援組 織のエックスボックス360アチーブメンツ(Xbox360 Achievements)に対し、 BD対応のディスク・ドライブを搭載したXボックス360を当分出さない方針を 示した。 すでに、アップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)も同規格 を支援しない方針を公言しているほか、ネットフリックス(Netflix)も、先日 12 発表したカナダ向けストリーミング専用サービスでBD規格の作品を扱わない 方針を明らかにしたばかり。ネットフリックスは、米市場で近く開始する同 サービスでも同様の方針を取る。 こうした動きの背景には、高精細(HD)コンテンツのダウンロードまたはス トリーミング配信環境が整備されてきたことがある。それに伴い、消費者が オンライン配信サービスに移動し、高額のBDを買わなくなっている。 【9月24日 Fast Company】 (3)デジタル・ビデオ録画(DVR)サービス大手ティーボ(TiVo)は、オン ライン動画配信業者フールー(Hulu)と提携した。提携により、ティーボは、 同社のプレミアDVR(TiVo Premiere DVR)加入者のテレビにフールー・プ ラス(Hulu Plus)のコンテンツをストリーミング配信していく。 また、今回の提携を受けて、ティーボ・プレミアの加入者は、フールー・プ ラスがオンライン配信するABCやフォックス、NBCといった米4大地上波放 送局の人気番組をDVR経由で再生できる。 【9月28日 WSJ】 (4)アメリカン・オンライン(AOL)は、シリコン・バレー拠点のハイテク 情報配信大手テッククランチを買収する。買収額は明らかにされていないが、 最大4000万ドル程度と見積もられている。AOLは動画配信をはじめとするコ ンテンツ強化に取り組んでおり、テッククランチ買収はその一環となる。 【9月29日 LA Times】 (5)ソニー・ピクチャー、ワーナー・ブラザーズ、ウォルト・ディズニーの 3社は、新作映画を劇場で公開した直後に家庭向けに高額で公開するプレミ アム・ビデオ・オン・デマンド(VOD)計画の提供について、ケーブル・テ レビ(CATV)大手と交渉を開始した。関係筋が明らかにした。 3社は実際、3大CATV会社のコックス・コミュニケーションズ、コムキャス ト、タイムワーナー・ケーブルと提携している動画サイトのイン・デマンド (iN DEMAND)と交渉を進めている。プレミアム・サービスが実施されれば、 消費者は映画の公開後、3~4ヵ月も待つことなく自宅で新作映画を視聴で きるようになる。 また、ディズニーは、マイクロソフトのXボックスやソニーのプレイステーシ ョン3といったネット接続型ビデオゲーム機への映画ストリーミング配信に 関しても可能性を話し合っている。 一方、ソニー・ピクチャーの親会社ソニーは、すでにブラビアの所有者を対 象に、2008年にはウィル・スミスの「ハンコック」、2009年にはCGアニメ「く もりときどきミートボール」を24.95ドルで提供し、試験を開始している。 【9 月 29 日 BusinessWeek】 (6)ショッピング・モールや空港内における携帯電話を使った場所案内サー ビ ス が 普 及 し つ つ ある 。 サ ー ビ ス 提 供 会社 と し て は 、 フ ァ スト モ ール (FastMall)、ポイントインサイド(PointInside)、マイセロ(Micello)など 13 がある。例えば、屋内マッピング・サービスのファストモールは、地図上で 店舗を見つける検索エンジンを備えており、店名を入力すれば、その場所が 地図上に示され、 「take me there」ボタンを押せば、そこまでの道順を示す仕 組みだ。最寄りのトイレの場所を知りたければ、電話機を振るだけで済むと いう。 場所案内アプリケーションの大半は無料で、iフォンやiポッド・タッチ、 iパッドで利用できる。ポイントインサイドは、アンドロイドにも対応して いる。 【10月11日 NYT】 (6)任天堂は、ウィー(Wii)を映画レンタル大手ネットフリックス(Netflix) のビデオ・ストリーミング・サービスに対応させる。同サービスは、すでに、 マイクロソフトの X ボックス 360(Xbox360)とソニーのプレイステーショ ン3(PS3)に対応している。 ユーザーは、「ウィー・ショープ・チャンネル(Wii Shop Channel)」を通じ て映画やテレビ番組のストリーミング視聴が可能になる。月額会費は米国で 8ドル 99 セント、カナダで7ドル 99 セント。 ただし、ウィーは、光学ド ライブによって DVD 映画を再生できないほか、自前のオンライン・ビデオ・ ストアを開設しておらず、さらに、ネットフリックスの高精細(HD)ストリ ーミング・サービスにも対応していない。【10 月 18 日 Yahoo】 4.電子商取引と企業向け IT サービス (1)米国の小売各社は共同で、会員制特典制度「ショップランナー (ShopRunner)」を開始した。ユーザーは79ドルの会費を払えば、2日以内 の配達を無料で無制限に利用できる。Amazon.comが2005年に開始した79ド ルのサービス「アマゾン・プライム(Amazon Prime)」への対抗策となる。 79ドルの会費は結局、送料の前払いと同じことになる。このため、得点制度 の会員は会費を回収しようとするために購入頻度が高くなる。 ショップランナーは、オンライン小売サイト(www.shoprunner.com)と参加 小売業者のウェブサイトでの購入に適用される。また、商品返品にも無料で 応じる。同制度には今のところ、これまでにラジオ・シャック(Radio Shack) やベビーザらス(Babies 'R' Us)といった大手を含む数十社が加盟している。 【10月6日 WSJ】 (2)新興企業タスクラビット(Taskrabbit)は、個人向けアウトソーシング・ サービスを開始した。同サービスは、郵便小包の受け取りから犬の散歩まで、 日々の細かなことを簡単な手続きと低価格で引き受ける。オンライン上で、 依頼主が請負人を探す仕組みで、例えば、猫の餌を自分の代わりに餌を買っ て自宅に届けてくれる人をオンラインで募集したというケースもある。この 場合、報酬15ドルで請け負う人が、募集してから10分以内に見つかったとい う。 14 同様の個人向けアウトソーシング・サイトには、ウェブ・デザインを手掛け るelance.comや、配管工事を請け負うレッド・ビーコンredbeacon.comがあ る。 【10月11日 San Francisco Chronicle】 (3)消費者は、顧客サービスの質が高い e コマース・サイトに対する支出を 惜しまない傾向にある。調査会社大手ハリス・インタラクティブ(Harris Interactive)の調査で分かった。 同社の調査結果によると、回答者の 85%は、顧客サービスが優れているサイ トに対して、製品やサービスにより多くのお金を支払ってもいいと回答してい る。さらに、そのうちの 55%は競合サイトよりも 10%高額でも払うと答え、 10%が 25%割高でも払うと答えた。また、顧客サービスが「素晴らしい(great)」 ことを理由にそのウェブサイトで買い物する人は 55%に達している。一方、 サービスに不満を持った人の 79%は、その体験を友人知人に伝えたという。 さらに、そのうち 66%がそのウェブサイトとの取り引きを友人知人にも止め させたいと回答した。不満の主な内容として、スタッフの悪態(73%)、問題 解決の遅さ(55%)、スタッフの知識不足(51%)が挙げられた。 【10 月 20 日 San Francisco Chronicle】 5.半導体とハードウェア技術 ( 1 ) 半 導 体 メ ー カー の フ リ ー ス ケ ー ル・ セ ミ コ ン ダ ク タ ー( Freescale Semiconductor)は、自社製プロセッサ「フリースケールi.MX ARM」を使っ た、電力メーター向けプラットフォームを発表した。 同プラットフォームには、家電向け短距離無線通信規格であるジグビー (ZigBee)に対応したチップを供給することで、食器洗浄機や、台所に置い て使うエネルギー管理のゲートウェイも含まれる。フリースケールの電力消 費管理プラットフォームは、Wi-Fiかジグビーのいずれかにのみ対応している ほかのプラットフォームと比べると、有線でも無線でも両方に使える点で競 合製品より柔軟性がある。フリースケールのプラットフォームは、今年第4 四半期に出荷される見通しだ。【9月22日 Greentech Media】 (2)調査会社ディスプレイサーチによると、年末商戦を前に液晶ディスプレ イ(LCD)テレビの価格が低下し始めている。液晶パネルの記録的な供給過 多が原因。同社の報告によると、LCDテレビの価格は2010年9月末に前年同 期比で約5%低下したが、その後の3ヵ月で同12%まで下がる見通しだ。 一方、調査会社iサプライは、感謝祭後のブラック・フライデーに平均価格 が249~299ドルになり、199ドルの特売もあり得るとの予測を示した。 液晶パネルの米国内在庫は2010年1~9月に膨れあがり、第2四半期にはパ ネルの出荷が5200万だったのに対し、実際に小売店に出荷されたテレビの数 は3870万台にとどまった。その結果、需給量の格差が第1四半期の25%から 36%にまで拡大し、2009年を上回る水準に達している。 15 パネルの供給過多が発生したのは、テレビ・メーカーが値下げを拒否したこ とから薄型平面テレビの売れ行きが鈍化したためとみられている。ただし、 供給過多を受けて、各メーカーはすでに減産を開始していることから、価格 低下は年末か2011年初めには収まる見通しだ。【9月23日 CNN】 (3)音響機器製造大手ボーズ(Bose)は、同社初となる46インチ型液晶(LCD) テレビ「ビデオウェーブ(VideoWave)」を市場投入する。テレビの内蔵スピ ーカーの質に不満を抱く消費者に狙いを定めて、販促していく格好だ。ただ し、価格は5350ドルと高額。また、3DもLEDも採用されていない。ただし、 音響に対しては様々な工夫が施されている。音響は、同社のアダプティク (Adaptiq)技術で自動補正され、フェーズガイド(PhaseGuide)という音 波放射器技術を使い、高周波音波を壁に反射させてサラウンド音響効果を再 現している。【9月29日 BusinessWeek】 (4)スマート・メーターやスマート・サーモスタット、スマート家電には、 異なるチップが組み込まれているが、それを1つのシステム・オン・ア・チ ップ(SoC)に統合しようという動きが出てきている。例えば、イタリアの アクセント(Accent)が5月に発表したプラットフォーム「ASM グリッド (ASMgrid)」は、複数のスマート・メーター機能を統合し、複数の通信規格 にも対応している。同社によると、シリコン・ベースの機器をゼロから開発 するには2年を要するが、当社の SoC を利用することで3〜6ヵ月に開発期 間を短縮できる。現在、アクセントの顧客には、スマート・メーター・メー カーのアイトロン(Itron)も含まれる。 そのほか、フリースケール(Freescale)は昨年、マイクロ・コントローラ製 品「MCF51EM」を発売しているほか、高度なメーター機能を1つの SoC で 提供している。テリディアン・セミコンダクター(Teridian Semiconductor) や ST マイクロエレクトロニクス(ST Microelectronics)も同様に SoC 製品 を開発している。 今後、SoC ソリューションのメーカーは、各地の市場に合わせて様々な技術 開発企業と緊密に連携していく必要がある。新興市場では無数の小規模なメ ーター・メーカーが存在するため、それらの企業が SoC を利用して製品を開 発する可能性もある。【10 月 14 日 GigaOM 】 6.政府・議会動向、通信その他 (1)ハイテク系新興企業の情報を提供するクイド(Quid)が、買収先や提携 先を物色するIT企業の間で注目を集めている。クイドは、技術系新興企業に 関する企業概況データベースを構築し、その情報を提供している。 ハイテク企業の情報を提供する会社はこれまでにもいくつかあるが、クイド が他社と異なるのは、様々な数字を駆使した緻密な分析内容だ。例えば、同 社が自ら開発したソフトは、従業員の募集人数をもとにして、任意の新興企 16 業がどれくらいの速さで成長しているかを示す。同社は、過去2年にわたっ て数千社の新興企業を調べ上げ、データベースを構築した。その中には、法 的な各種申請書類や財務情報、さらにはオンライン・ソーシャル・メディア に記述されている企業評まで網羅する。 同社のサービスを利用する大手の1社、マイクロソフトでは現在、2000人の 中間管理職がクイドのサービスを利用してソーシャル・ゲーミング業界の動 向を追っている。さらに、英国政府も同社のサービスを利用している。 【9月22日 Businessweek】 (2)連邦通信委員会(FCC)は、アナログ・テレビ電波の送信に利用してい た電波帯域(ホワイト・スペース)の最終的な使用規定を決定した。その結 果、同帯域が開放され、事実上商用化が認められたことになる。 同帯域の特徴は、FCCの規定に従えば、通信事業免許を取得しないで利用で きる点。そのため、今後は同帯域を使った革新的な通信サービスの登場が期 待されている。そうした企業の1社が、新興企業スペクトラム・ブリッジ (Spectrum Bridge)。同社は、ホワイト・スペースの開放と使用規定決定を待 つ間に、スマート・グリッド専用通ネットワークの開発と実験を進めてきた。 ソフトには、グーグルを使っている。すでに、北カリフォルニアの小規模公 益事業者プラマス・シエラ・ルーラル・エレクトリック・コーポレイティブ &テレコミュニケーションズ(Plumas-Sierra Rural Electric Cooperative & Telecommunications)が同社と提携している。【9月23日 GigaOM】 (3)ノバテル・ワイヤレス(Novatel Wireless)が提供するWi-Fiルータ「マイ ファイ(MiFi)」が注目を集めている。クレジット・カード大のマイファイは、 3G対応の無線信号を利用してネットに接続する。その結果、複数の携帯機器 を同時にネットへ接続できるため、データ通信費用を節約できる。 マ イ ファ イ端末 はい やま 4G にも対 応し ている。 例えば クリ アワイヤー (Clearwire)は4G対応機種を、スプリントは3Gと4G両通信網に対応するデ ュアル・モードの携帯用ホットスポット「オーバードライブ(Overdrive)」を 提供している。 【9月23日 BusinessWeek】 (4)政府や企業を標的にしたサイバースペースのスパイ行為が世界中で急増し ている。例えば、米軍や民間のネットワークは1日に計数千回の侵入を受け ているほか、北大西洋条約機構(NATO)の本部だけでも1日に100回以上の ハッカー攻撃を受けているという。 米国防当局によると、米ネットワークへの侵入を試みる国は、中国とロシア を中心に100ヵ国を超える。しかし、米政府の対応は遅い。国防総省のサイバ ー司令部は10月に稼動を開始するものの、ほかの米省庁機関では、各局間で 互いの権限をめぐっていまだ話し合いが続いており、実際の対応が遅れてい る。さらに、関係筋によると、NATOのネットワーク・システムは米国より遅 れているという。 米政府のサイバー政策に助言する戦略・国際問題研究所のジェイムズ・ルイ 17 ス氏は、今後、アルカイダのような非国家組織がかなり優れたサイバー・ウ エポンを手にすることになると警鐘を鳴らしている。【9月28日 WSJ】 18