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議事録 - 国土交通省
第 6 回名古屋交通圏タクシー協議会(議事要旨) Ⅰ、開催日時 平成23 年 9 月 27 日(火)13 時30分 Ⅱ、場所 名古屋国際ホテル2階「紅梅の間」 Ⅲ、出席者 ○ 特定地域における一般乗用旅客自動車輸送事業の適正化及び活性化に関する特別措 置法第8条第1項に規定する構成員 ・ 中部運輸局自動車交通部長 村田 有(協議会会長) ・ 中部運輸局愛知運輸支局長 森 祐次(協議会副会長) ・ 愛知県交通対策課長 松井圭介(代理 課長補佐 崎下雅司) ・ 瀬戸市生活課長 須々木久修 ・ 津島市企画政策課長 加藤敏明 ・ 尾張旭市都市整備部次長兼企画調整主幹 大橋一也 ・ 日進市生活安全課長 福岡滋之 ・ 愛西市総務課長 猪飼 明 ・ 清須市企画政策課長 飯田浩視(代理 主事 岩田紀昭) ・ 北名古屋市防災交通課長 福永直吉(代理 主任 村上智春) ・ 弥富市防災安全課長 伊藤久幸 ・ あま市企画政策課長 後藤幹寿 ・ 東郷町くらし協働課長 野々山 誠 ・ 豊山町総務課長 安藤光男 ・ 名古屋タクシー協会会長 森 博一(協議会副会長) ・ 名古屋タクシー協会副会長 天野清美 ・ ㈳全国個人タクシー協会中部支部支部長 摺木健雄 ・ 全自交愛知地方連合会執行委員長 犬飼政則 ・ 東海中立労組協議会議長 石田正英 ○ 法第8条第2項に規定する構成員 ・ なごや消費者団体連絡会会長 佐々木千代子 ・ 愛知労働局監督課長 川又修司(代理 特別司法監督官 渡辺勇治) ・ 中日新聞社社会部長 齋田太郎 ○ 協議会事務局 ・ 中部運輸局自動車交通部旅客第二課長 小林裕之 ・ 中部運輸局自動車交通部旅客第二課専門官 野口欣司,小笠原洋和,野田敏幸 ・ 中部運輸局自動車交通部旅客第二課監理係長 金森幹雄 ・ 中部運輸局愛知運輸支局首席運輸企画専門官 西尾和晴 ・ 名古屋タクシー協会専務理事 永山明光 1 1.開会 (事務局:西尾和晴愛知運輸支局首席運輸企画専門官) ただいまから、 「名古屋交通圏タクシー協議会 第 6 回協議会」を開催いたします。 本日は昨年 4 月 19 日の第 4 回協議会で地域計画が作成されてから、2 回目のフォ ローアップ協議会となります。今回は引き続き「タクシー事業の適正化及び活性化の 推進」の取組状況、またその効果測定等を中心に報告させていただくこととしており ます。 それでは、配布資料の確認をさせて頂きます。 〈配布資料の確認〉 議事次第 委員名簿(出席者名簿) 配席図 資料1 特定事業計画(事業再構築)申請・認定状況(交通圏全体、各社別) 資料2 名古屋交通圏地域計画「特定事業」実施状況(法人、個人) 資料3 特定事業及びその他の事業の取り組み状況について(協会) 資料3-1~3 事業者取組事例(3 事業者の取り組み) 資料4 名古屋交通圏タクシー輸送実績の推移 資料5 特定事業等実施に伴う労働条件改善状況 資料6 ワーキンググループ(WG)の実施状況 資料7 生活交通改善事業計画(バリアフリー化設備等整備事業) 参考資料1 「地域のニーズに応じたバス・タクシーに係るバリアフリー車両の 開発」報告書について 参考資料 2 タクシーシンポジウム報告書(23・6・13 開催) 2.出席者紹介 (事務局:西尾専門官) 本日の出席者は配布資料の委員名簿と配席図により確認していただきますようお願 いします。 なお、人事異動により委員の変更がございましたので、新しく就任されました委員 のご紹介をさせて頂きます。 まず、中部運輸局自動車交通部長の村田有でございます。 尾張旭市都市整備部次長兼企画調整主幹、大橋一也様です。 東郷町くらし協働課長、野々山誠様です。 以上、変更になられた委員の方々です。出席者名簿にございます名古屋市さんです が急遽、欠席の連絡がございましたのでここで報告させて頂きます。 この協議会は完全公開制で開催しています。マスコミの方にお願いですが、会議の 妨げになるような写真撮影はご遠慮いただきますようにお願いします。 2 Ⅳ、議事内容 (事務局:西尾専門官) それでは、これより議事に入らせていただきます。委員の皆様にはご発言いただく 際に所属とお名前をおっしゃっていただきますようお願いいたします。 では、ここからの進行は会長にお願いします。村田会長よろしくお願いします。 (村田 有会長:中部運輸局自動車交通部長) 只今ご紹介にあずかりました村田でございます。私自身、7月8日に着任いたしま して約3ヶ月経ちました。最初ですからお時間頂きまして自己紹介させて頂きます。 生まれは名古屋でございまして9歳まで居ました。その後は東京に35年位暮らし ておりました。そういう意味では、私自身の生まれた名古屋を交通という観点から一 歩でも皆さんと共に良くしていきたいという意気込みで着任して仕事をしております。 まだ、現状がわからず空回りすることもございますが、忌憚のないご意見等をタク シー問題のみならず、様々な観点から教えて頂きたいと思いますのでどうぞよろしく お願いいたします。 それでは、議事に入らせて頂きますが前回が平成 22 年 4 月の開催で、1 年 3 ヶ月 も前の話でございますので若干、復習もさせて頂きます。 この協議会は 22 年 10 月に施行されましたタクシー特別措置法におきまして、名 古屋交通圏が特定地域の指定を受け 21 年 11 月に名古屋交通圏タクシー協議会が設 置されております。そして 4 回のご審議を賜りまして 22 年 4 月に地域計画の合意を 頂いているところでございます。 その後、特定事業計画の取り組みによる評価見直し等を図るために協議会を定期的 に開催することとしておりまして、本日は第 2 回目のフォローアップ協議会となりま す。 この間、タクシー事業者や関係自治体の皆様方におかれましては、地域計画に定め られました特定事業等に積極的に取り組んで頂きまして誠に感謝申し上げる次第でご ざいます。 本日は、こうした取り組みや地域計画取組後の輸送実績などについて、事務局から 報告させていただいて、その内容についてご審議をいただきたいと思います。さらに 今後の取組みの方向性につきましても、ご意見賜りたいと思っておりますので、どう ぞよろしくお願いいたします。 それでは、議事に入らせていただきたいと思います。 次第を見て頂きたいのですが、本日の議事が(1)から(4)までございます。 3 (1) 特定地域におけるタクシー事業の適正化及び活性化の推進状況について ① 特定事業計画(事業再構築)申請状況について ・・・・ 資料 1 ② 特定事業等の取り組み状況について ・・・・・・・・・ 資料 2、3 ③ (事例報告)名鉄グループ、毎日グループ、名古屋近鉄タクシー ・・・・ 資料 3-1~3 ④ 名古屋交通圏タクシー輸送実績の推移について ・・・・ 資料4 ⑤ 特定事業等実施に伴う労働条件改善状況について ・・・ 資料5 (2) ワーキンググループの実施状況について ・・・・・・・・ 資料 6 (3) 地域公共交通確保維持改善事業に係る「生活交通改善事業計画」について ・・・・ 資料 7 (4) その他 まず(1)の特定事業計画におけるタクシー事業の適正化及び活性化の推進状況につい て①、②を事務局から報告をお願いします。 (事務局:小林裕之中部運輸局自動車交通部旅客第二課長) (1) 特定地域におけるタクシー事業の適正化及び活性化の推進状況について それでは、①の特定事業計画の申請状況について報告をさせて頂きます。 資料 1 の特定事業計画(事業再構築)申請状況についてですが、地域計画の目標を達 成するために行う特定事業を実施するための計画ということで、資料1につきまして は減車と休車の取り組みについてまとめたものでございます。 名古屋交通圏内の事業者数は現在、91 者でございます。そのうち特定事業計画申 請事業者数は 90 者、そのうち事業再構築による、減・休車の取り組みを行っている 事業者が 76 者となっております。 前回も、この資料につきましては報告させていただきましたが、最新の 9 月 1 日現 在の状況を取りまとめたものです。 続いて減・休車の具体的な取り組み状況でございますが、名古屋交通圏におきまし て基準車両数は平成 21 年 7 月 17 日時点の 6,908 両と定めております。 その後、地域計画が承認されまして各事業者の方が特定事業計画の申請を開始した 平成 22 年 6 月 8 日時点の車両数が 6,799 両と、この時点で若干減車等が行なわれ てきておりましたが、特定事業計画における減車の削減に取り組んだ車両数は 392 両、休車は 372 両で削減数が 764 両、その後追加等が 12 両ございまして、9 月 1 日現在における事業再構築実施後の車両数は 6,023 両となっております。 この結果、基準車両数からの削減数は 885 両となり、削減率は 12.8%となってお ります。前回報告させて頂いた時は 12.5%でしたので若干増えております。 また、行政から適正車両数ということでタクシーの輸送需要量に対応する効率的な 車両運用を前提とした車両数ということで、実働率を 85%~90%の幅で適正車両数 を提示させていただいておりますが、実働率 85%では 5,848 両、実働率 90%では 4 5,524 両ですが、達成状況で見ますと 85%の適正車両数に対して 97.1%。90%の 適正車両数で見ますと 91.7%ということになっております。 行政の目安として示させて頂いた、下限の 85%で比較しても若干乖離があるとこ ろでございます。 資料の 2,3 枚目につきましては、各事業者毎の減・休車の取り組み状況でござい ます。 行政が示した適正車両数を参考値としまして、事業者の方が自主的な判断を基に取 り組んで頂いたということでございます。 それから資料 2 につきましては、地域計画の目標を達成するために行う特定事業に つきまして、この中から各事業者の方が選択して認定を受けた特定事業の実施状況を 取りまとめたものです。1、2 枚目が法人タクシーの取り組み状況、3 枚目が個人タ クシーの取り組み状況でございます。 実施状況につきましては、当初の計画の中で 1 年以内に取り組む短期的な計画と、 指定期間の 3 ヵ年の間に行う中期的な計画に区分されておりますが、この中ではまだ 取り組み状況にバラつきがございますがご理解いただきたいと思います。 具体的な説明についてはこの後、協会から報告がございますので内容については省 略させていただきます。 (村田会長) 次に、資料3の「特定事業」及び「その他の事業」の取り組み状況につきまして、 タクシー協会より説明をお願いします。 (事務局:永山明光名古屋タクシー協会専務理事) 事務局を構成いたしております名古屋タクシー協会の永山といいます。 当協会とタクシー事業者による「特定事業及びその他事業の取り組み状況につ いて」資料3により時間の関係もありますので概要になりますが報告いたします。 当業界は、面的な個別輸送機関としてその社会的役割を果たすために、長年に 渡って会員各社それぞれの経営判断・方針の中で、 「安心・安全で快適な顧客サー ビスの向上」に取り組んできておりますが、タクシー適正化及び活性化特別措置 法により設置された当協議会におきまして、昨年 4 月 19 日開催の第 4 回協議会 で作成承認された「地域計画」を受け当協会および会員各社は、それぞれの経営 状況を踏まえつつ、地域計画から選択した特定事業の認可を受け計画の推進に努 めております。 この資料は地域計画において実施主体が協会とされたもの及び、各社の特定事 業計画に差異がありますが、協会事業を含めた業界全体の形で取りまとめたもの です。 資料 3 の1ページをご覧下さい。 5 ○ タクシーサービスに関する調査につきまして 利用者サービスの向上に資するため、平成 6 年から継続してタクシーモニタ ーを一般公募し毎年 10~12 月の3ヵ月間、実車調査をお願いしております が、本年度はモニターを従来の 30 名から 40 名に増やしご意見等を頂くこと としております。 ○ 運転者のサービス向上の教育の充実につきまして 平成 20 年 6 月から、タクシー業務適正化特別措置法の適用を受け当協会内 に「名古屋タクシー運転者登録センター」を設置し、新任運転者を対象とした 毎週 2 日間法令・安全・接遇・地理の4教科を内容とする講習会を開催し、運 転者のレベルアップ等に努めております。 また、運転者の地理理解度を補足いたしますカーナビゲーションの導入も業 界全体で約 7 割まで進んでおります。 ○ タクシー利用促進策につきまして タクシーは鉄道・バスを補完し、近距離主体の乗り物との認識から、平成 19 年 10 月の運賃改正で初乗り距離を 1,3 キロに短縮する制度改正を行な うとともに、70 歳以上の方を対象とする 1 割引を導入し利用促進に努めてお ります。 ○ タクシー無線のデジタル化の推進につきまして 利用者に対する迅速な配車と経営の効率化、新たなサービスの展開に資する タクシー無線のデジタル化は全体の 7 割となっております。 また、モバイルパケット通信とスマートフォンを使ったシステムの導入も取 組まれております。 なお、この資料全体につきまして「実施状況等欄」の*印の箇所は 6~7 ペ ージに用語説明をさせて頂いております。 2ページをご覧下さい。 ○ 運賃精算システム電子化につきまして キャッシュレスに対応した運賃決済につきまして、複数の種類がありますが カード等決済端末機の導入は概ね進んでおります。 ○ ドライブレコーダー装着促進及び事故防止教育の実施につきまして 映像型ドライブレコーダーの装着は、事故原因の調査やヒヤリハット情報の 収集などによる運転者教育に有効なことから、約 8 割の車両に導入がされてき ております。 運行状況の把握につきまして、 速度や走行状態などを記録した運行記録計は、 適正な営業と事故防止対策に不可欠なことから、名古屋タクシー交通圏では法 令の改正により 19 年 12 月から装着が義務づけられております。 今後は、データーの日々チェックの徹底と活用が一層肝要と考えております。 ○ 飲酒運転撲滅対策の推進につきまして 6 法令の改正により、本年 4 月からアルコールチェッカーの備え付けが義務付 けられ、始業時及び終業時のチェックが実施されております。 ○ 交通事故防止運動の展開につきまして、 輸送の安全は、常に交通機関の最も重要な責務であります。 このため各季の交通安全県民運動や年末年始の総点検等、業界全体で社内教育 の実施や一斉街頭指導の実施など、 効果的な運動に繰り返し取組んでおります。 3ページをご覧下さい。 ○ 健康管理の増進につきまして 法人タクシー運転者の平均年齢が 58 才を越え、業界全体として日々の健康 管理のチェック・指導が一層課題となっていることから、セミナーの開催や衛 生管理者の養成などに取組んでおります。 ○ タクシー防犯対策につきまして 近年タクシーを狙った犯罪が増加傾向にあり、本年に入って愛知県下におき ましても既に 5 件発生しております。 このため、タクシー車内防犯仕切り板の取り付けや、犯罪発生時の連絡シス テム導入及び運転者の対応教育に取組んでおります。 ○ 最低賃金対策につきまして タクシー営業は経済状況が厳しい中で、依然として市場全体が縮小する傾向 に置かれておりますが、今回の業界全体が協調した減車効果による生産性の向 上や、勤務形態の工夫など重ねながら引き続き労働条件の維持・改善に取り組 んで行く事が肝要と考えております。 ○ タクシー輸送秩序の適正化推進につきまして、 タクシー需要が多い鉄道駅ターミナルや市内繁華街に、タクシーが時間帯に より集中し一般交通を阻害していることから、協会全体として名古屋駅前や、 金山総合駅、地下鉄藤が丘駅などには整理員を常時配置する体制をとるととも に、会員各社の自主的なパトロールなどと連携しながら輸送秩序の維持に取組 んでおりますが、なお改善の要望もあり今後とも状況を踏まえながら対応をし て参ります。 4ページをご覧下さい。 ○ 地球環境対策につきまして タクシーは燃料にLPGを使用し、Co2の排出量はガソリン車に比べ 5~ 15%少ないとのデーターが示されておりますが、車両代替に際しては低燃費 車やアイドリングストップ車の導入にも取組まれております。 また、22 年度の名古屋タクシー交通圏全体の Co2排出量は 12 万 5 千ト ンと試算しておりますが、今回の約 860 台の減車により副次的に 2 万 1 千ト ンの削減となります。 我が国において、温室効果ガスの排出量を 2008 年から 2012 年の 5 年間 7 の平均で 1990 年より 6%削減するとの目標が設定されておりますが、すで に当業界は大幅にこれを達成しております。 ○ タクシー評価ランク制の調査につきまして 名古屋地区におけるタクシー評価ランク制の導入につきましては、協会に勉 強会を設置しておりますが、どのような方策が考えられるのか時間を掛けて調 査・研究が必要な課題と考えております。 5ページをご覧下さい。 ○ 地域社会に貢献する名古屋交通圏のタクシーについて タクシーは面的な輸送機関として基本的に 24 時間運行し、名古屋交通圏全 体における1日当りの走行距離は、地球 25 周分に当る約 100 万㌔走行して おります。 この特性を生かして、地域社会に貢献する立場から自治体や警察当局に連携 し、街頭犯罪の監視活動や大規模震災発生時における情報提供などの活動に積 極的に取組んでおります。 以上、概略でご報告いたしましたがタクシー事業が地域社会に必要な交通機 関としての役割を果たすために、タクシー特別措置法の目的に沿って引き続き 当協議会における地域計画の推進に取り組むとともに、新たな活性化へのご意 見などご指導を頂ければと思いますのでよろしくお願いいたします。 (村田会長) ありがとうございました。ただ今、事務局から減車の取り組みを含めた特定事業の 実施状況について報告がありました。 タクシー事業者の方々が需給バランスの著しい不均衡を是正するために、国の示し た適正車両数を適切に斟酌いたしまして自主的な減車に取り組んで頂いております。 今、事務局からご説明があった通りほぼ下限の目標に近いところまで進んできてお りますけれども、なお達成までは更なる努力が必要かと思います。 また、タクシー事業の活性化に資する特定事業につきましては、各社が適正化及び 活性化に向けて取り組まれている状況について詳しくご説明して頂きましたが、これ らにつきましてご意見・ご質問を頂きたいと思いますが何かございますか。 (特に意見はなし。 ) 続きまして、タクシー事業者の取り組みにつきましてですが、当協議会地域計画の 目標を達成するために行う特定事業の取り組みにつきまして、本日は三社の方々にご 報告をお願いしております。 まず初めに、名鉄交通の山田社長様にご説明を賜りたいと思います。よろしくお願 いいたします。 (名鉄交通:山田健夫社長) 8 名鉄交通の山田でございます。本日は名鉄交通、愛電交通、名鉄名古屋タクシーの 名鉄グループ名古屋 3 社の乗務員の接遇について、お話する機会を頂きまして感謝申 し上げます。 我々タクシー事業はサービス産業であります。そのサービスには 2 種類あります。 1 つは旅客輸送サービスであり、もう 1 つは接客サービスであります。 この 2 つのサービスを通して、お客様に満足して頂くことにより社会貢献をしてい る訳であります。 名古屋地域協議会における特定事業計画においても、 「サービスの活性化」 「安全と サービスで競争する」といった理念が反映されたサービスの取り組みが、皆様方各社 においても多々あり実行されている事と思います。 今年の 4 月に発足しました名鉄グループ名古屋 3 社の親会社である名鉄タクシーホ ールディングス㈱の社是にも「安全・安心・信頼の実現」というのがありますが、い かに、我々タクシー事業者にとって、 「安全とサービス」が重要であるかということ であります。サービスといっても多岐に亘りますので、ここでは「接客サービス・接 遇」に絞ってお話を進めたいと思います。 名鉄交通では、よりよい接遇サービスを提供する為の PDCA サイクルの重要性を 認識しています。教育、周知・啓発、実践、検証、反省、教育 この繰り返しです。 昭和 51 年 9 月からお客様を大切にする「ご乗車ありがとうございます」から始ま る「接遇の言葉」を実施して以来、35 年間、PDCA を愚直なまでに実践してまいり ました。名鉄グループ名古屋 3 社のみならず、名古屋市内チケット提携会社 33 社の 皆様にも同じレベルの接遇サービスを要請してまいりました。それではPDCAを実 践するなかでの最近の主な「接遇サービス」の取り組みを紹介させていただきます。 1. 新人教育の一元化の推進につきまして グループでの同一レベルの接遇サービスの提供、事故防止対策の実施を目的と しています。 名古屋市を中心とした現在名鉄グループ 10 社で合同教育しています。 2. 苦情情報の共有と処理の迅速化につきまして 当日中に全苦情を各基地へ FAX し周知させる。苦情申告簿を交通事業統括部経 由担当役員に回覧し情報を共有する。5 日以内に調査結果をまとめ本社に報告す る。翌月にサービス向上委員会にて懲罰審議する。このような取組みを通じて再 発防止に努めています。 3. ドライブレコーダー(ウイットネスⅢ)の更新につきまして 事故、交通違反ばかりでなくクレームの検証、走行指導に活用し接遇の向上を 計っています。 4. 他社のサービス実態体験につきまして 営業係長クラスの乗務員に、他社のタクシーに乗車させ自己チェックをさせる ことと、他社見学により自社及び自分自身の接遇を考えさせる取り組みをいたし 9 ております。 5. モニター時間の拡充につきまして 現在名鉄グループ名古屋 3 社と名古屋市内チケット提携会社 33 社に対して、 モニター調査を実施していますが、マンネリ化を防止するため、モニターの巡回 時間、巡回場所を見直し幅広くデーターを集め接遇向上を計っております。 6. 名古屋タクシー協会モニター(10 月~12 月)結果の活用につきまして 「大変良い」 「やや良い」の最優秀者及び優良者に賞品を添えて表彰し、インセ ンティブを与え接遇サービス向上に活用しております。 7. 内部統制室の設置につきまして 本来の内部統制は不正経理など社内の不祥事を防ぐ目的で設置されますが、こ こでの内部統制室は、もう 1 つの役割を持たせています。 すなわち、日報などを中心に現場での乗務記録、苦情簿など実態を精査し指導 しています。コンプライアンス違反、接遇不良を起こさない、起させない職場を 目指し、現在、取締役及び管理職経験者を調査役として 2 名選任しています。 8. 配車指示に対するお客様間違いなどのペナルティにつきまして 配車要請に対する、お客様間違い・配車指示違反などクレームに発展する可能 性のある不適切な行為について「優マーク」を一定期間停止するペナルティを実 施しています。 ※優マーク 一部を除き専用待機場所への入構制限がない特典 9. 営業パトロール制度の見直し・強化につきまして 現場でのマナー・モラル向上を目的とし、指導的立場にある乗務員がプロの目 線で指導するという制度です。従来からありましたが、8 月 1 日から名鉄グルー プ名古屋 3 社で制度の見直しするとともに強化・統一しました。 見直しの中身は①要員の厳選 ②ワッペンの着用 ③指導者・営業パトロール の表示 ④違反者に対する「優マーク」の一定期間の停止等であります。 10. 接遇サービスについての周知、啓発につきまして 社内 LAN の「サイボーズ」 、月刊社内報の「WAKO」 、各基地での掲示板に随 時、必要に応じて掲載し、周知に努めています。 以上名鉄グループ名古屋 3 社の主な取り組みを紹介させていただきました。 我々 は、地域の公共交通機関としての使命、役割を継続的に果たすために、愛され、 親しまれるタクシーとなるように、安全とサービスの実現に向けて、今後もたゆ まぬ叡智の創出と努力を払ってまいります。 これをもちまして、発表とさせていただきます。ご清聴ありがとうございまし た。 (村田会長) 10 山田社長、有難うございました。続きまして毎日グループの松川社長様よろしくお 願いいたします。 (毎日グループ:松川佳道社長) まいにちタクシーグループの松川でございます。 特定事業の取り組みについて担当の山田から報告いたします。 (毎日グループ:山田 勇企画部長) 毎日グループの山田でございます。よろしくお願いします。 特定事業の取り組みについてですが、簡単な資料2ページものを用意しました。 タクシー適正化・活性化特別措置法に基づく協議会で作成されました地域計画に基 づいて、私たちのグループも交通圏全体における需給バランスの改善という部分では 事業再構築、つまり減・休車に対しても 15%実施したところであります。 また同時に、無線のデジタル化、GPS、カーナビを導入し配車効率の向上とお客様 の利便性の促進についても行ってきたところであります。 さらに、市内の営業拠点を集約し合理化を図っております。 それでは具体的に認定を頂いた2点について報告させていただきます。 1点は輸送秩序の適正化推進についてであります。 タクシー協会からも取り組み状況の報告があったように繁華街や鉄道駅周辺におい ては車両が集中することにより円滑な一般交通への阻害と、交通輻輳による交通事故 の原因にもなりかねません。 名鉄百貨店前については特に需要が集中する時間帯を中心に、タクシー協会、名古 屋市交通局のみなさまとも連携しながら 10 時~20 時迄、当社として自主的に指導 員を配置し指導を行っているところであります。 基本的な街頭指導は、第1に笹島交差点から北へ 300m程は全て駐停車禁止場所で あり、市バスの降車場(第一車線)にタクシー車を滞留させないよう指導・誘導する。 第 2 は百貨店前の信号機から待機路まで 70mから80mございますが、ここまで の間の待機路が満車の場合には並ばせない、市バスのお客様の降車の邪魔をしない為 に待機車両を通過させる。以上の 2 点が主な内容でございます。 また、錦三丁目など市内の夜の繁華街等の交通輻輳箇所での自主的なパトロール車 による巡回指導も実施しております。 広小路通り、錦通り、大津通りや東新町等における交差点付近の違法駐停車をさせ ないような指導を行っております。 「地域計画」の中でも、業界による統一的な運転者に対する啓発活動や、各季にお ける交通安全運動における街頭指導が盛り込まれており、協会による事業活動ととも に継続して取り組んでまいります。 それから事故防止教育についてですが、 安全安心な輸送サービスの提供を図るため、 未然防止対策についてドライブレコーダー映像を活用したヒヤリハット情報の収集と 11 活用を図るとともに、デジタル運行記録計の分析等により乗務員一人一人の運行状況 のチェックを徹底し、その都度個別指導を実施しております。 ドライブレコーダー映像は、スピード超過、急なハンドル操作、信号の遵守状況、 一旦停止の不履行等の情報を提供してくれます。 それを活用し指導することは非常に効果的であります。 事故の再発防止対策についてですが、事故惹起者に対しては再発防止の徹底を図る ため、事故の状況の分析を第一に、運転者の性格、疲労度・精神状態のチェック、運 転操作等、出来る限りデーターを把握して、その都度マンツーマンで指導を実施して おります。 集団指導についてですが定期的に自動車事故対策機構さんの KYT の訓練、適性診 断結果に基づく運転行動の安定性、精神的安定性について指導を実施しております。 この事故防止教育につきましては、どの事業者さんも取り組んでおられると思いま す。以上、簡単ではありますが報告させていただきました。ご清聴ありがとうござい ました。 (村田会長) 松川社長、山田部長ありがとうございました。最後になりますが名古屋近鉄タクシ ーの服部様、よろしくお願いいたします。 (名古屋近鉄タクシー:服部支配人) ただいまご紹介頂きました名古屋近鉄タクシーの服部でございます。 本日は、海部郡飛島村と弥富市にある海南病院間を運行する「海南病院通院支援タ クシー」についてご報告させていただきます。 まず、運行開始の経緯目的でございますが、飛島村は愛知県の西南部に位置してお り、公共交通機関としては平成 19 年に地域公共交通会議が設立されておりますが、 当時には名古屋港と飛島村の臨海部の工場地帯を結ぶ飛島バス、近鉄蟹江駅と村内の 新政成公園を結ぶ三重交通バス(飛島蟹江線)、それから名鉄バスセンターと南桑名を 結ぶ三重交通バス(南桑名線)しかありませんでした。 また、村内には総合病院がないために多くの住民が弥富市の海南病院を利用してい ましたが、通院の足である三重交通バス近鉄弥富線は平成 17 年に廃止となっており ます。 道路運送法の改正に伴い、平成 19 年には地域公共交通会議が設立され、コミュニ ティバスの運行を中心として交通空白地域の解消を目指した取り組みが始まりました。 その中で住民アンケート調査等を踏まえ、平成 21 年 10 月から「路線不定期運行」 の乗合タクシー「海南病院通院支援タクシー」の実証実験がスタートしました。 その後平成 22 年 10 月からは、さらに利便性が高く、運行経費の節減が図れる「区 域運行」による乗合タクシーの運行に移行しております。 本日は、その概要と輸送実績等についてご紹介させていただきます。 12 レジメ 1 枚目の 2 項からですが、許可区分は一般乗合旅客自動車運送事業(区域運 行)で、当社の蟹江営業所に所属するタクシー車両 44 両を利用した乗合運送を行っ ています。 事業主体は、飛島村地域公共交通活性化再生法による協議会で、運行主体は名古屋 近鉄タクシー株式会社、運行開始は平成 22 年 10 月 1 日からとなっています。 次に概要ですが、まず乗合運行の形態について簡単に説明しますと、乗合運行には 「定時・定路線」 、 「路線・不定期」 、 「区域運行」の 3 種類がありますが、平成 21 年 にスタートしたデマンド型の「路線・不定期運行」は、あらかじめ路線が定められて いるため、利用者の有無にかかわらず始点から終点までの全ての停留所を経由しなけ ればならない不便がありました。 したがって、目の前に停留所があるにもかかわらず、定められた路線に従って大回 りしなければならないことも多々あり、運行経路や所要時間も長くなり費用もかかり ます。 運行系統を増やせば問題解決できますが、 乗合の発生率が下がってしまいます。 これが区域運行では、路線を定めずに旅客の需要に応じた乗合運送を行うことが出 来るとされ、路線が定められていないため途中の停留所に立寄ることなく、実際に乗 降される停留所間を最短距離で結ぶことが出来ます。 したがって所要時間の短縮、あるいは乗合発生率の向上が期待できます。 レジュメに戻っていただいて概要の 1 点目ですが、 「運行区間は飛島村内の 13 区 域・38 停留所と海南病院間を運行する」 とありますが、2 枚目の地図をご覧ください。 地図のように、飛島村を 13 の区域に分けて、この中に 38 の停留所が設けてあり ます。運行系統としては、区域運行と言いながら大きく飛島村を右上半分の東部ゾー ン(この中に 16 の停留所があります。 )と左下半分の西部ゾーン(こちらには22の 停留所があります。 )に分け、飛島村から海南病院に向うときは、東部ゾーンと西部 ゾーンの 2 系統で運行します。 また海南病院から飛島村へ向うときは、村内全域を対象とした 1 系統で運行します。 運行系統を出来るだけ減らし、路線を定めなくてよいという区域運行のメリットを 生かして乗合率の向上と運行経費の削減を図っています。 また、運行の際にはその下の写真のように、助手席扉の外面及び車内助手席シート 背面に「乗合タクシー」の表示をして運行しています。 1 枚目に戻って頂いて概要 2 点目の運行は予約がある便についてのみ行い、予約の ない便については運休とするデマンド方式です。予約受付と配車業務は当社蟹江営業 所が行っています。 3 点目ですが、運行する便は乗合のある停留所のみを発車または経由して最短距離 で目的地まで運行します。 もう一度地図をご覧ください。 運行例として、新政成区域には北新政停留所がありますが、ここから 1 名の予約が あったときは、蟹江営業所から北新政停留所まで回送で直行して乗車していただき、 13 途中の停留所を経由せずに最短距離で終点の海南病院へ向います。 また、同じ便でもう 1 名の予約があった場合、例えば竹之郷に飛島村役場停留所が ありますが、北新政で乗車していただいた後、飛島村役場まで途中の停留所を経由せ ず最短距離で運行し飛島村役場で二人目に乗車していただき、乗合で海南病院へ向か います。 したがって 1 名の予約の場合は、運行経路はほぼ固定されますが、乗合の場合は予 約場所によって運行経路が変わることになります。 もう一度前に戻っていただいて 4 点目ですが、使用車両はセダン型タクシー車両と し、運行する便に複数人の予約がある場合は乗合で運行します。1 運行の最大乗車人 員は 3 人までとし、4 人以上の場合は追加の便を出すことにしています。 5 点目ですが、海南病院行きの予約受付は利用日前日の午後 8 時までとし、飛島村 各停留所域の予約受付は、利用日当日の海南病院バス停の発車時刻30分前までとし ています。これは、飛島村発の早い便はタクシー車両の少ない時間帯なので前日に車 両手配し、飛島村まで回送しなければならないためです。 一方、海南病院発は利用者の方の病院の混み具合等により、病院を出る時間がわか らないため利便性を考慮して最大限の融通を利かせています。 これは、帰宅の時間帯になれば空車車両が出ることと、海南病院及び弥富駅に当社 の待機車両があるために対応できるものです。 6点目の運賃ですが、1乗車1人 500 円の定額制とし、小学生未満は無料ですが 小学生未満の単独利用は出来ません。また運賃と実運行にかかる経費との差額は、事 業主体より補填を受けています。 7 点目の運行記録は、一般乗合旅客自動車運送事業として記録し、タクシーの事業 報告とは別に報告します。また、毎月の運行実績を飛島村地域公共交通活性化協議会 あてに報告することとなっています。 次に輸送実績ですが、乗合運行を始める前は飛島村から海南病院へのタクシー配車 依頼は月に 5~6 件程度、帰りの便を考慮しても 10 数件のご利用しかありませんで したが、平成 21 年 10 月から「海南病院通院支援タクシー」ということで、行政か らのご支援もあり利用件数は 2~3 倍になったのではないかと推測しており、当社に とっても非常にありがたいことです。 今回の区域運行を開始してから 10 ヶ月間の輸送実績は表のようになっています。 一カ月平均の輸送実績を半年単位で比較すると、輸送回数は 33 回から 42.4回、 取り扱い収入は 10 万2千円から12万9千円とそれぞれ 25%以上増加しており、 順調に利用が増加していることがわかります。 一方、輸送人員の伸びは 12%程度であることから乗合の発生率は低下しています が今後、乗合タクシーの利便性、経済性が浸透してくれば更に利用頻度が高くなると 思われます。 14 ちなみに、乗合の発生状況ですが総輸送回数 410 回のうち 1 名乗車が 378 回で 92.2%。2 名乗車は 30 回で 7.3%。3 名乗車は 2 回しかなく 4 名以上になって 2 便目を出さなければならなくなったことはありませんでした。 最後になりましたが、 「海南病院通院支援タクシー」運行にあたって苦労した点な どについて簡単にお話しいたします。 まず、運行開始にあたっては、当初路線不定期運行から始まったため、運行系統ご との経路が複雑であり、また乗降場所についても不案内な場所が多くありました。 運行は特定の乗務員だけではなく全乗務員が出来るようにするため、予め全乗務員 に運行マニュアルを作成・配布しました。 マニュアルには運行経路図、全停留所を移した写真、乗合運行の方法、報告書の書 き方など細かく記載し、間違いの無いよう教育しました。 また、実際の運行に際しては「乗合表示」の取付けや乗合としての運行記録など乗 務員の負担も増えてはいますが、発着の一方が営業拠点の一つである海南病院である ことから、スムーズな運行ができています。 「海南病院通院支援タクシー」は路線不定期運行を含め約 2 年を経過しましたが、 これまで事故・苦情も無く順調に運行しております。 今後の運行体制ですが、現在、飛島村から海南病院へ向かう便は前日 20 時までに 予約をして頂くことになっていますが、お年寄りや病気治療中の方が利用されていま すので、夜のうちに体調不良となり病院へ行かなければならなくなった時は、家族に 乗せていってもらうか、通常のタクシー料金を支払って乗っていただくしかありませ んでした。 これまで約 2 年間運行しノウハウを蓄積してきた結果、発車予定時刻の 2 時間前ま でに予約を入れて頂ければ対応できる目途がつきましたので、今後は、当日朝の予約 も受付け利便性をアピールし、利用者の増加を図っていきたいと思います。 最後になりましたが、 「海南病院通院支援タクシー」の運行にあたりましては、愛 知運輸支局並びに飛島村役場総務部の皆様方には大変お世話になり、誠にありがとう ございました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。 以上をもちまして、 「海南病院通院支援タクシー」のご紹介とさせていただきます。 ご清聴ありがとうございました。 (村田会長) ありがとうございました。ただ今、名鉄交通の山田様、毎日グループの松川様・山 田様、名古屋近鉄タクシーの服部支配人様からご説明賜りました。 ひと言で申しますと、タクシーの事業者の方々が日々、接遇サービスに取り組まれ ているという部分。それから毎日グループ様からは日々、自主的に巡回など事故防止 に取り組んでいるご説明がありました。さらには名古屋近鉄タクシー様のほうからは 乗合タクシーの取り組みについて説明がございました。 15 これらの取り組みを踏まえますと、自治体の方々、国・地方合わせて一千兆円の借 金があり財政制約と、一方で高齢化社会が進んでいる中で接遇サービスの向上に日々 努め、事故防止に日々努力しているタクシーサービス、運行経費を削減できる乗合タ クシーなど、今後の公共交通機関としての活用方策が大きいと考えています。 我々も、最近調査していますがデマンド方式の乗合タクシーに取り組んでおられる 事業者や自治体が増えてきております。これを機に自治体の方々にはご検討賜りたい と思っておりますし、中部のタクシー協会連合会が本年の 6 月に開かれたタクシーシ ンポジウムの中で、そのような取り組みが多々報告されておりますので是非、ご参考 にされながらタクシーの公共交通機関としての可能性についてご検討賜りたいと思い ます。 ご質問等ございましたら私共や協会、事業者にもご連絡いただきたいと思います。 どうぞよろしくお願いいたします。 続きまして、④の名古屋交通圏タクシー輸送実績の推移と⑤の特定事業等実施に伴 う労働条件改善状況について、事務局から説明をお願いいたします。 (事務局:小林旅客第二課長) それでは④名古屋交通圏タクシー輸送実績の推移について、 資料4をご覧ください。 前回のフォローアップ会議では平成 22 年の 9 月までのデーターを示させていただ いておりましたが、今回は今年の 7 月までのデーターにより輸送実績の推移を見てお ります。 資料 1 頁ですが、車両数の推移のグラフですが、20 年度が緑、21 年度が青、22 年度が黄、23 年度が赤と色分けしております。 車両数に関しては 20 年度と 21 年度はほぼ横ばいでしたが、休・減車の取り組み によりまして 22 年 6 月以降減少が顕著になっておりまして、23 年の 3 月末には 6,045 両。その後 23 年 7 月には 6,030 両になっております。 次頁の上の表ですが一日当たりの実働車両数の推移ですが、稼働した日車数の合計 ですが、グラフを見ていただくと車両数が減車したことで実働車両数も減少している 状況が見て取れるかと思います。 下のグラフは実働率の推移ですが、実働率は稼働したタクシーの日車数を日々実在 するタクシーの日車数で割ったもので、実働率については高いほど効率的な車両運用 が行われているということになりますが、このグラフを見て頂くと実働率については 平成 22 年 8 月以降、10 月を除いては過去2ヶ年の実績を上回ってきているという ことで、これにつきましては減車・休車により運行していなかった車両が整理された こと、効率的な車両運用になっていることが伺えるかと思います。 次頁のグラフは総実車キロの推移ですが、利用者が乗車した距離の合計ですが、こ れはタクシー事業における需要量の算定の指標となります。 22 年4月以降につきましては前年と同位置に推移しております。20 年度はリーマ 16 ンショック以前の実績なので数値が高くなっているということもあります。 それに比べまして下の日車営収の推移ですが稼働した車両の1台当りの平均的な一 日の運送収入ですが、この日車営収につきましては黄色い線の 22 年7月以降は前年 を上回ってきているということで、総実車キロのグラフではずっと下回ってきたもの が、日車営収では上の位置を推移しています。これは大幅な車両数の減少によりまし て一台当たりの営業収入が徐々に改善されているということが伺えます。 次頁ですが、運送収入の推移のグラフです。これは前ページの総実車キロのグラフ と同様の形をしていると思いますので細かな説明は省略いたしますが、22 年度まで は前年と同じ推移をしています。但し 20 年度の実績までは回復に至っていません。 次頁は最後にまとめたグラフですが、赤い棒グラフは車両数の実数値でして、その 他の折れ線グラフは前年度との比較をまとめたものとなっております。 グラフの中央右の黒い縦線は平成 22 年 6 月 28 日の特定事業計画の認定日でして、 この日を境に車両数が大幅に減少している事がわかります。 黄色い折れ線の総実車キロは前年度と比べて殆ど 100%を下回っている状況ですが、 車両数の減少により緑色の折れ線の日車営収のグラフは 22 年 6 月以降プラスで推移 していることがわかります。 この実績の推移をまとめますと、表の上の黄色い部分ですが名古屋交通圏において の総需要量は依然低迷が続いております。 特に 23 年3月4月は震災の間接的な影響により大きく落ち込んでいます。供給量 (車両数)を見ると 21 年 9 月以降徐々に減少し、22 年 6 月末の特定事業計画認定 後、減・休車が進み車両数の減少により総供給量(延実働車両数)は減少していたが、 当初予定していた減・休車がほぼ完了した 23 年 2 月以降は横ばい状況で推移してい ます。 一方、日車営収をみると特定事業計画認定後プラスに転じ、23 年 3 月に震災の影 響により一端落ち込んだものの、その後は回復しており供給量の削減が日車営収を押 し上げているとみられます。 続きまして⑤特定事業等実施に伴う労働条件改善状況です。資料5をご覧下さい。 22 年 4 月に承認いただきました地域計画では、タクシー事業の現況の分析の中で は運転者の労働条件の低下及び高齢化を指摘されていまして、地域計画の目標の一つ としてタクシー運転者の労働条件の悪化の防止・改善を掲げております。 今回この目標の減車効果の検証として前回の会議から一歩踏み込んで労働条件改善 状況について検証をしたものでございます。 調査は地域協議会参加の法人 90 社に対し、今年の 7 月中に労働時間と賃金を中心 に行いました。 調査の対象はいずれも今年の 2 月から 4 月までの 3 ヶ月間の月毎と、 同年の同期間を比較しております。今年 2 月から 3 ヶ月間とした理由は減車・休車の 配車などの手続きが 1 月中にほとんど完了したことから 2 月以降、車両の変動がほぼ 17 無くなった頃の数値を調査したのです。 次頁ですが、一般乗務員(定時制乗務員等除く)一人当たりの月別平均労働時間を 比較したものです。22 年 2 月が 199.8 時間の労働時間が 23 年 2 月は 199.9 時 間と前年比 100%とほぼ横ばいです。3 月は 22 年が 200.4 時間、23 年 3 月は 200.9 時間と前年比 100.3%とこの月も変化は見られませんでした。4 月は 22 年 が 203.9 時間、23 年は 202.7 時間と若干下がっておりまして対前年同月比 99.4% となっております。 その右側は一般乗務員数の推移です。毎月 5%ずつ乗務員が減少していることがわ かります。これは減・休車の取り組みの関係は分かりませんが一般乗務員も減少して おります。数値は示していませんが、定時制乗務員も一般乗務員と同じような比率で 減少している結果も出ています。 次頁ですが、賃金について月別平均賃金の比較ですが、22 年 2 月は 198,220 円 で 23 年 2 月は 206,906 円と 104.4%アップしております。3 月は 22 年が 220,934 円で 23 年が 226,229 円と 102.4%アップです。4 月につきましては、 22 年は 226,651 円が 23 年には 218,187 円と 96.3%とダウンしております。 右側の表は交通圏全体の運送収入ですが、2,3,4 月共に減少しています。 特に 3,4 月は震災の間接的な影響により大幅に減少しています。しかしながら、 全体の運送収入が減少している中で、乗務員の賃金がアップしていることがわかるか と思います。4 月の賃金についても、22 年よりも減少しているものの、算定の基礎 となる 3 月の収入減の比率ほどは減っていないことがわかるかと思います。 下の表ですが、賃金の調査に合わせて各社さんの労働条件の改善の取り組みについ て取りまとめたものですので参考にさせていただきたいと思っております。 一頁戻っていただいて、労働条件の改善状況について取りまとめたのが黄色い部分 となっております。一般乗務員一人当たりの月別の労働時間は乗務員数が減少してい る中で 2 月~4 月について、対前年同月比に大幅な変化は見られない状況となってい ます。 一方、一般乗務員一人当たりの月別平均賃金については、交通圏全体の運送収入が 減少しているなか、対前年同月比で 2 月は 4.4%の増加、3 月は 2.4%の増加がみら れたものの、4 月は東日本大震災の間接的な影響によりまして 3.6%の減少となりま した。しかしながら、4 月についても運送収入の減少率に比して少ない減少率にとど まっています。 一人当たりの月別平均労働時間に変化はみられないものの、一人当たりの月別平均 賃金については改善の状況がみられ、労働条件については減・休車等の効果もあり僅 かであるが改善効果がみられる結果になっています。以上でございます。 (村田会長) ありがとうございました。ただ今事務局から減・休車の効果として日車営収を押し 上げている。 さらに賃金、 労働条件の改善も見られているという説明がございました。 18 これらの輸送実績や賃金、労働条件につきましては景気の動向に大きく影響を受け ますけれども、特定事業の実施に伴う評価、見直し、今後の取組みの方針等を検討す るうえで大変必要な資料だと思っております。 引き続き事業者の方の協力を得ながら収集に努めて頂きたいと思います。 ただ今の事務局からの説明につきまして、質問がございましたらお伺いいたします。 (犬飼政則委員:全自交愛知地方連合会執行委員長) 全自交の犬飼と申します。組合側の代表ということでよろしくお願いいたします。 先程の資料 5 の説明の中で一般乗務員一人当たりの平均労働時間の比較ということ で、23 年の 4 月は 202 時間が平均だということですが、それぞれ経営者の方もお 見えです。いわゆる運転労働者の改善基準の中で流し営業地区は 262 時間というこ とで、それに近い数字で皆さん労働しているという実態は把握されていると思います が、そういう意味でこの 60 時間はどこへ行ってしまったのかささやかな疑問です。 もし知っていることがあれば教えて頂きたいと思います。 それぞれの平均賃金の比較ということですから、先程タクシー協会の永山専務が説 明されたとおり、58 歳の平均年齢で 21 万 8 千円の収入だという解釈で思っていま すが、その解釈で良いのかどうか。またこの平均賃金を出すにあたってこういう産業 は賞与が無いところもたくさんあると思いますが、年収ベースで考えますと愛知県下 は 300 万を切っているという厚生労働省の資料がございます。賞与と退職金等につ いては、どのように掌握されているかお尋ねしたいと思います。 (村田会長) 把握している中で事務局から説明お願いいたします。 (事務局:小林旅客第二課長) 今回の効果は減・休車の効果を見てみるということで行った調査でして、具体的な 細かい各社の賃金の実態や制度まで踏み込んでいません。 全体的な会社の前年度と当年度を比較してどのようになったかというものでござい ます。事務局としては細かなとこまでは把握して調査しておりません。 労働時間の消えた 60 時間に関しても同じ条件で各社に調査したものですので、こ れ以上の具体的な検証はまだ行っておりません。 また、こういうことも加味した上で今後検証していくべきであればご助言賜りなが ら検証していきたいと思っております。 (村田会長) ありがとうございました。他にご意見ご質問等ございますか。 (特になし。 ) 19 続きまして議題(2)のワーキンググループの実施状況につきまして、事務局から説明 をお願いします。 (事務局:小林旅客第二課長) それでは資料 6 をご覧ください。ワーキンググループ(WG)の実施状況というこ とですが、この名古屋交通圏の協議会の設置要綱の第 9 条の中でワーキンググループ が設置することができるということになっておりますが、この協議会の中では評価ラ ンク制の勉強会を設置しております。この中で検討状況を逐次、協議会に報告すると ういことになっておりますので、途中経過ではございますが報告させていただきたい と思います。 タクシー評価ランク制勉強会の設置状況ですが、設置の目的は「安全とサービスで 競争するタクシー」の推進を図るとういことの一環から、WGに評価ランク制勉強会 を設置しました。安全とサービスに優れたタクシーが利用者に選択される事業環境の 実現を目指してタクシー評価ランク制の導入、それから評価ランク制に連動したタク シー乗り場のあり方に関する検討を行うという目的になっておりまして、23 年 3 月 11 日に勉強会を開催しております。この時の検討内容ですが、評価制度のあり方、 それから名古屋に必要な制度、運転者の評価基準について検討しております。 主な意見として、名古屋は流し営業形態・チケット利用・無線配車等で利用者は実 態として、すでに事業者を選別しているという意見があります。 それから良質な運転者を確保するためにも運転者個人を評価することが先決である。 また評価基準の中身の問題と継続的な基礎情報の収集が難しい。 運転者の表彰制度と組み合わせた制度の導入が良いのではないか。また乗り場につ いては、優良タクシー乗り場設置が可能かという観点から意見が出ております。 今後としましてはこういった意見を踏まえて、名古屋タクシー交通圏の実態を踏ま えた、実情に応じた評価ランク制導入の可能性について、引き続き調査、検討を進め いくということにしております。 (村田会長) ありがとうございました。続きまして議題(3)地域公共交通確保維持改善事業に係 る「生活交通改善事業計画」につきまして、事務局から説明をお願いします。 (事務局:小笠原洋和中部運輸局自動車交通部旅客第二課専門官) それでは、地域公共交通確保維持改善事業に係る「生活交通改善事業計画」につき まして、資料 7 によりご説明します。 今回の補助制度については周知期間が短く、交付申請受付期間も当初 4 月 22 日ま でで、後日 5 月 31 日までに延長されたのですが、短期間であったため本来であれば 協議会開催のうえ承認を頂かなければならないところを、書面開催にて合意を頂きま 20 した。 資料 7 の上から 6 枚目までが今回、4 月 22 日に合意を受けた生活交通改善事業計 画となっています。今回合意を頂いた地域公共交通確保維持改善事業補助について簡 単に説明させていただきます。 下から 3 枚目のカラー版の資料が、地域公共交通確保維持改善事業の概要資料です。 この補助制度については平成 23 年度に新設された補助制度で、昨年 22 年度まで にありました地方バス路線維持対策費補助,公共交通移動円滑化事業費補助,これが バリアフリー推進に関係する補助制度でしたが、加えて、地域公共交通活性化再生総 合事業補助,離島航路等補助等をすべて統合して、新らたな一つの補助制度とされた ものです。 それぞれ、この補助を受けるためには 2 枚目にあります生活交通ネットワーク計画 を作成する必要があります。ただ、バリア解消促進事業においては生活交通改善事業 計画の単独の作成でも可能となっています。 今回書面協議をさせて頂いた地域公共交通バリア解消促進事業は、生活交通改善事 業計画として書面協議により作成させていただいたものであります。 協議会のメンバーが 2 枚目の下の方にあります、 地方公共団体 (都道府県・市町村) , 関係交通事業者,国(地方運輸局等)等となっていまして、新たな協議会を設置する 等の検討する時間も無く、当協議会を活用させていただくことしたものです。 今回の福祉タクシーの導入については、3 枚目にありますように福祉タクシーの導 入ということでバリアフリー化事業の一つとして補助対象となっております。 次に、今回のバリア解消促進事業の生活交通改善事業計画の進捗状況について説明 いたします。 資料 7 の4枚目にあります別紙 1 の当初 10 事業者の 17 両の実施ということで予 定となっておりましたが、4 番目の三協福祉サービスさん、6 番目のたかとう福祉タ クシーさん、10 番目のコスモスコーポレーションさんについては諸般の事情により 申請がされませんでした。3 番目のあんしんネット 21 さんに関してはリフトが寝台 へ変更。5 番目のオオツカさんは寝台 2 両となっておりましたが、寝台 1 両、スロー プ 1 台の変更となっております。7 番目の琴葉さんについては当初、スロープ2台で したが、寝台1両への変更となっています。 以上、3台減少し7事業者13両の補助対象となりました。 今回、右側にあります特定事業計画提出状況について申請予定となっておりますの は、既に5月 13 日付をもって運輸局の認定を受けております。 補助申請についてはすべて 7 事業者 13 両、5 月中に提出がありまして、全ての事 業者が 6 月 3 日までに国の交付を受けております。今後、車両の導入後は実績報告の 提出、国の額の確定、補助金の交付となります。以上、進捗状況であります。 今回の福祉タクシーの導入については、後程説明しますユニバーサルデザインタク シーというものが新たに加わりまして、障害者だけでなく高齢者、妊産婦さん等にも 21 乗り降りし易いものになっており、交通バリアフリー法の基準に適合するものになっ ています。 今後はバス・鉄道と共に自治体さんの基本構想の中にもユニバーサルデザインタク シーを是非とも導入の検討として頂いて、公共交通のバリアフリー化を促進していく 上でも当協議会以外の地域公共交通会議の場における活用の検討など、今後は各自治 体さんに相談させて頂きたいと考えていますのでよろしくお願いいたします。 (村田会長) ありがとうございました。ただ今説明頂きました議題2,3 につきまして報告事項 ではありありますが、ご質問等ありましたらお願いします。 (特になし。 ) ご意見がないようですので、全体を通しまして今回の報告全体の意見、感想等ござ いましたらご意見賜りたいのですが、いかがでしょうか。 (福岡委員:日進市生活安全課課長) 先程ご説明ありました資料 5 の中で、特定事業等実施に伴う労働条件改善の状況で すが、減車について事業者の皆さんがご苦労されたと感じました。 その中で、名古屋の地域はこのように効果が出ていますが、全国的にはどうなって いるかということと、名古屋と比べてどうかということを教えて下さい。 (事務局:小林旅客ニ課長) 全国でフォローアップ協議会が開催されておりますが、まだ労働条件関係の減車の 効果の検証が全国的には進んでない状況でして、東京でも賃金の関係の検証はありま したが、労働条件に関してはまだです。名古屋では全国的に先行している状況で検証 しています。 (村田会長) ありがとうございました。他にございますか。 無いようですので、最後にタクシー業界の適正化及び活性化の取組状況について、 名古屋タクシー協会の森会長から感想をお伺いいたしたいと思います。 (森 博一副会長:名古屋タクシー協会会長) 本日は大変お忙しい中、ご出席いただきましてありがとうございました。 これで第 6 回目となりますが、特定事業計画の最重要事項でございますタクシーの 労働者の労働条件の改善ということが問題で取り組んで参りました。 先程からご説明ございましたように、当初下限の目標でありました 15%の減車ま では行きたいと思っておりましたが、報告ございましたように現状で 12.8%の減車 となっております。 これは、中小の台数の少ない会社については実質的にということで減車を行わなか ったところもありますので 12.8%で終わったということもあります。 その結果、全体の車が減った分どのような効果があったかということですが、業界 全体の収入で見ますと 2~3%総体的な売上が落ちております。ただ、乗務員個々に 22 ついては 2~3%の増収効果が出ております。 昨今の不況で大変落ち込みが大きいのですから、それから比べますと従来稼働しな かった分の稼働は上がったかと思います。それでも乗務員の賃金は 300 万を大幅に 下回っている状況でありまして、ここをさらに最低賃金の問題と、労働時間の厳守と いう厳しい指導等ございます中に、燃料や自賠保険の値上げ、その他厚生年金等の負 担等色々あります。 そうしたことを業界としても圧縮する努力をしておりますが労働条件の改善はやや されているものの、まだ絶対額は 300 万円まではいってないという実態ですので経 営側も労働者側も大変厳しい環境に置かれております。 そうしたことで乗務員も高齢化が進み、このタクシー産業に対する魅力を失い乗務 員数は減少傾向にあります。その中で業界として我々産業だけでなく一般産業も大変 厳しい状況ですので、負けないように努力していこうと安全・快適な輸送を確保しよ うということで努力しております。 先程の 3 社の事例報告もありましたが、業界としましても生き残るために努力して おりますので、よろしくご支援のほどお願いを申し上げましてごあいさつに代えさせ て頂きます。ありがとうございました。 (村田会長) ありがとうございました。まとめとして話をさせて頂きますが、事業者におかれま しては引き続きサービス向上や事故防止に日々、適正化・活性化の取組を推進してい ただきたいと思います。さらに適正車両数と減・休車の車両数は若干の乖離があると いうことは認識を新たにしていただきたいと思っております。 また、減車の取り組みだけではなく輸送サービスの質の向上や新たな輸送需要の開 拓などが重要であり、タクシー需要を回復していくためには地域計画に掲げられた特 定事業、その他の事業を積極的に取り組み実施していくこととともに、自治体の皆様 におかれましてはタクシーが公共交通機関としての活用の可能性について、国の補助 制度なども活用しながらご検討賜りたいと思います。 あと事務的な話ですが、今後もこの協議会を定期的に開催し、この特定事業計画の 実施状況などを評価していきたいと考えております。 そのためにも、引き続き事業者さんのご協力賜わりながら必要なデーターを収集し ていきたいと思いますのでご協力をよろしくお願いします。 その他(4)としまして事務局から何かございますか。 (事務局:小林旅客第二課長) 参考資料1,2について説明をさせていただきたいと思います。 まず、参考資料1の「地域のニーズに応じたバス・タクシーに係るバリアフリー車 両の開発」報告書についてですが、これは国交省が関係者と協力して 3 カ年に渡り実 現しようと実車や実車模型を用いて検討を重ね、今年 7 月に公表されたものでござい 23 ます。 今回発表されましたバリアフリー対応乗合タクシー、ユニバーサルデザインタクシ ーは既に一部のメーカーにより、ガイドラインに沿った車両が発売されております。 障がい者の他、高齢者、妊産婦など様々な人が利用できる非常に使い勝手が良いも のとして紹介させていただきました。この資料は抜粋版ですので全国版は国交省HP をご覧頂きたいと思っています。 簡単に説明しますと、次頁ですがバリアフリー対応乗合タクシー、それからユニバ ーサルデザインタクシーとういことですが、バリアフリー対応乗合タクシーについて は車椅子用のリフトの設置や座席の配置の見直し等により、コストを抑えつつも障が い者、高齢者が利用しやすい乗合タクシーのガイドラインが策定されております。 4 頁目の写真で使い勝手の良さが説明されております。 ユニバーサルデザインタクシーにつきましては現時点で実現可能な、様々な人にと って利用しやすい構造を有するユニバーサルデザインタクシーのガイドラインが策定 されております。また、より良いユニバーサルデザインタクシーの普及を後押しする ため、ガイドラインに沿っており構造的に優れたユニバーサルデザインタクシーを国 が認定する制度を創設する必要性があるということと、車椅子利用者でも利用可能な タクシーであるということを表すために、タクシーの外部にユニバーサルデザインタ クシーであることを示すマークを表示する仕組みの創設が必要とされております。 5 頁目に写真で説明がありますが、流し営業にも活用されることを想定し紹介され ています。 先程、若干説明させていただきましたが、今年からの新しい補助制度、地域公共交 通・バリア解消促進等事業、この中のバリア解消促進事業でいずれの車両につきまし ても補助対象とされているということで紹介させていただきました。 それから参考資料 2 ということで、タクシーシンポジウム報告書を配布させて頂き ました。これにつきましては「タクシー事業の役割と期待」をテーマに、6 月 18 日 に開催されたタクシーシンポジウムについて報告書として作成したものです。 今後、タクシー事業者の皆様、自治体の皆様、関係者の方々がタクシー事業の活性 化策や活用について検討するうえでの参考にして頂ければと思います。 (村田会長) ありがとうございました。他に何かご質問等ございましたらお願いします。 (事務局:小林旅客第二課長) 次回の協議会の開催についてですが、特定地域の指定期間が 3 年間ということで、 名古屋交通圏につきましては来年 9 月末までの指定期間となっております。 これを勘案し、あと 2 回程度の開催を検討しております。 今後とも、効果の検証等の為のデーター収集を重ねまして、次回の協議会を来年 3 月頃に開催できるように進めて参りたいと考えています。 (村田会長) 24 ありがとうございました。 以上をもちまして、予定の議題はすべて終了いたしました。 円滑な議事の進行にご協力をいただきましてありがとうございました。 25