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市民パワー (PDFファイル/684KB)
平成 28 年度 会 派 名 事 業 名 政務調査研究報告書 市民パワー 支出伝票№ ICT教育について ① 調査研究費 事業区分(該当へ○) ⑥会議費 ②研修費 ⑦資料作成費 ③広報費 ④公聴費 ⑧資料購入費 ⑤陳情等活動費 ⑨人件費 ⑩事務所費 (1) この事業の目的:どんな課題を解決するため あるいは誰・何を対象に何を意図するのか 飯田市教育委員会が目指しているICT教育実施に向け、ICT教育の実態はどのようなものなのか、本 当に飯田市に必要なものなのか、先進地である春日井市のICT教育の実践事例を研究し、飯田市に生かす。 (2) 実施概要 日時 調査・研修の場合の 実施日時と 平成 28年 7月 25 日 訪問先・主催者 訪問先・主催者等 春日井市 教育委員会事務局 学校教育課 午後 3時~ 課 長 二村 晋示 午後 4時30分 指導主事 前川 健治 1.春日井市の概要 (1)春日井市の人口・児童生徒数など ○総人口:311,666人 男性:155,084人 女性:156,582人 ○児童生徒数:約27,000人(各学年3,000人) 学校数:52校(小学校37校・中学校15校) 教職員数:約1,700人 ○「土曜チャレンジアップ」の取り組み……児童の居場所つくりとして、地域・大学・企業などの 報 協力を得て、月1回事業を実施。 告 ○小野道風の出身地であるので、37の小学校で1年生から「水習字」に取り組んでいる。 内 容 2.春日井市ICT教育について ・ 実 (1) 導入の目的 施 ・日常の授業改善をし、授業の効率化、わかりやすい授業実践のために取り組んだ。 し ・フューチャースクール推進事業・学びのイノベーション推進事業実証研究校である「広島市立 た 藤の木小学校」の取り組みをモデルとして春日井市立出川小学校でICT教育に取り組んだ。 こ と ・東北大学大学院情報学研究所 堀田龍也先生を指導助言者とし、 「子供に力がつく授業」と 「ICT活用」を参考に「春日井スタンダード」の普及・浸透を図っている。 (2) 「春日井スタンダード」とは ・すべての子どもの学力保障を目指す。○学習規律の徹底 ○ICTの有効活用……わかりやす い授業を日常的に展開するため、市内全域で取り組むべき学習指導や学習環境を整え、どこの 学校でも同じように、日常的に取り組むことが可能な内容や方法を模索した。 ・ 「学習規律」とは……授業を効率化する。 「ノートのとり方」 ・ 「教科書など学用品の、机の上へ の置き方」などを画一化する。 「学習規律」というと管理的だと捉えられがちだが、45分を効 率的に使うには規律が大切。特別なカリキュラムはなく、教えたいポイントを特別に大きく映 像化して示す。教師が自分の力量だけで教えようとすると難しいが、効率的な方法で教えるこ とにより、楽に教えられる。 考察 ① 春日井市では、ICT教育の目的は、日常の授業改善であり、効果をあげている。ICT導入が 学習導入に効果をあげているとすれば、導入は現実的である。 ② 教育技術の補強として、ICT授業は継続無理なく継続されることであり、教員の理解が欠か せないと感じる。春日井市ではベテランの教師ほど「良い」との評価が得られているとのこと。 若い教師との融合もよい結果となっている点は参考になった。 ③ 全教師がIⅭTに精通しているわけではない。また、次期学習指導要領の改訂により、年間指導 時間数が増加することで、ICT教育導入が負担となることも考えられる。この点をいかに解 消していくかが課題である。 ④ 教師の多忙やゆとりの無さから、教員の精神疾患が増加している。 (全国的な統計では、各校ご と一人は存在すると推定されている)ICT導入がそれに拍車をかけることに繋がらないよう 努める必要がある。 ⑤ 教室のICT環境を整える必要があり、予算の重点化が必要となる。導入には、モデル校の指定 と年次計画での環境整備が求められる。 感想 ( まとめ)・市に活かせること等 ⑥ タブレット機器などを選択する場合、どのメーカーの、どの機種にするかの選択が大切。先例で は失敗した事例もあり、慎重な対応が必要である。 ⑦ 教員の研修と管理職の理解は欠かせない。飯田市教育委員会でICT教育を目指すには、 「IC T基本計画を作成する必要がある。教育現場が主体となって平準化のシステムを計画に盛り込 まなければならないと感じる。 ⑧ 小規模校、大規模校による差異を生じさせてはならない。 ⑨ 春日井市では良い点が強調されていたが、ICT導入によることのデメリットも予測し、対応 策を考えておく必要がある。 ・例えば、画面タッチでの実践のため、 「聞く力」の低下の問題。 ・コミュニケーションの機会の減少により、会話の楽しさを実感できない点。 ・一文が短くなる傾向があり、作文能力の停滞につながる点。長文が書けない、読みとれない、 人の感情や場の雰囲気などを想像することが苦手になる。語彙不足……などへの対応が課題で ある。 ⑩ LINEでのいじめや犯罪が社会問題化しているが、メディアの特性に応じた指導は必要であ り、春日井市はあくまで道徳教育の延長としてとらえている。しかし、ICT教育導入に対して は、今一度教育的観点から議論が必要であろう。 (3)学習指導要領の改訂について ・現在10年振りに次期学習指導要領の改訂が検討されている。平成28年度にとりまとめ、小学 校32年度~、中学校33年度~、高校34年度~の改定を予定している。高校大学接続改革もその 一環で、大学入試を変えようとしている。 「ゆとり教育」か「詰め込み教育」かという二項対 立的な議論には戻らない。従来の詰め込み・暗記教育から、問題解決能力のある人材を創る目 的で、パソコンを使っての人それぞれの解き方を求める大学入試の導入を検討している。パソ コンに慣れ、キーボードがうまく打てないと回答できない。現在の小学校6年生から導入され る予定。そこを目標に、ICT教育で学ぶ環境を創り上げる。文科省は、2020年に一人1 台のタブレット導入を目指しているが、実現は難しいのではないか。最低でも4人に1台は必 要となる。導入費用と無線ランの環境整備が今後の課題。機器の導入に失敗した例は他市にあ り、市と学校とが協働で環境整備に向き合わないといけない。 報 告 (4)ICT教育は誰のためか 内 ・教員が教えるのに楽に教えられるように、教える道具として。……98% 容 ・子供たちの学ぶ道具として。……2% ・ ・春日井でも教えるための道具として始めたが、結果的には子どものためになっている。 実 施 ○教師は子どもたちに分かりやすく教えたい。 し ○保護者も子供たちにできるようになってほしい。 た ○子供たちもできるようになりたいと思っている。 こ ☆基礎的・基本的な学力の習得→その支援のための授業環境 と ☆習得した知識・技能を活用して、思考・判断・表現→その学習環境 ○個に応じた能力伸長 ○協働による学びの促進 ☆グローバル化/多様化への対応 ☆格差の再生産に対する歯止め措置としての教育 ○新しい基礎・基本 ○教師の新しい役割 (5)モデル校での実践 ・春日井市教育ネットワーク(ハルネット)を1999年より実施 ・センター集中型のネットワーク 開校以来10年目・52校がセンターと光専用線接続 ・全小学校教室に実物投影機セット(中学校には3校セット) ・電子情報ボード・大型モニターを各校3台以上セット ・フラッシュ型教材 デジタル教科書など ・出川小をモデル校として、研修の拠点とする。 「公開」による校内研究 「日常的・全校的な 活用」 (6)学力向上の成果 ・全国学力・学習状況調査の結果は、A問題はほとんどの児童がクリアしている。 ・B問題(活用能力)で向上が認められている。 ・下位層の減少と上位層へのシフトがされている。 ・最初は導入に懸念を示していたベテランの教員も、実施後は良いとの評価に変わった。 平成 28 年度 政務調査研究報告書 会 派 名 事 業 名 市民パワー 新幹線駅周辺整備状況 事業区分(該当へ○) ①調査研究費 ⑥会議費 ②研修費 ⑦資料作成費 (No,1) 支出伝票№ ③広報費 ④広聴費 ⑧資料購入費 ⑤陳情等活動費 ⑨人件費 ⑩事務所費 (1) この事業の目的:どんな課題を解決するため あるいは誰・何を対象に何を意図するのか 北海道新幹線新函館北斗駅の周辺整備と北斗市の新幹線利用効果の現状を調査(駅の名称、駅周 辺整備のコンセプト、広域交通へのアクセス、高速道路とのアクセス、観光ビジネス戦略) (2) 実施概要 調査・研修の場合の実施 日時と 訪問先・主催者 日時 平成 28 年 7 月 26 日 13 時~ 15 時まで 告 内 容 ・ 実 施 し た こ と 新函館北斗駅周辺現地視察 15 時~17 時 平成 28 年 7 月 27 日 報 訪問先・主催者等 北斗市役所 池田達雄議長、石川英明経済部長 佐藤 毅企画課長、小野義則観光課長 田村宏美議会事務局長 1 視察内容 北斗市概況 町村合併:平成 18 年 2 月 1 日 旧上磯・旧大野両町が合併北海道 35 番目の市になる 面積 397.3 ㎢ 人口 47,326 人(平成 28 年 7 月 1 日現在) 市内に新幹線駅が 3 月 26 日開業する。開業後 6 日間 15 万 6 千人の利用者 北海道新幹線新函館北斗駅の周辺整備と北斗市の新幹線利用効果に付いて ア、 駅周辺のコンセプトに付いて ① 新幹線駅周辺整備のコンセプトは、駅周辺の賑わいを目的に、都市区画整理事業を 導入した。 ②この北海道新幹線の開業により北海道の玄関口となり、出発地となる本市は、観光振興 による交流人口の拡大や企業誘致による雇用の創出を図り、北海道の発展をリードし ていく南北海道の交通拠点として機能すること。 ③新幹線時代に相応しい魅力的なまちづくりを加速させ、新たな北斗市の創生に取り組 む、そこに旧市街地の移転は構想に無かった。 ④先行用地買収―駅前開発計画地 13.5ha、土地区画整理事業費 28 億 469 万円 減歩率 49.75%(公共減歩率 37.75%、保留地減歩率 12.00%)、権利者 28 名 この土地は以下の駐車場や企業誘致のために換地する。購入費の 10%補助、来年ま では 20%但し上限 3 億円 ⑤駐車場整備―立体駐車場 584 台、観光バス駐車場 20 台・・・・条例では使用料を、一泊 500 円としたが、隣接する新幹線木古内駅が無料としたことから、当分の間、無料として いる。 ⑥誘致企業―レンタカー7 社、ホテル 1 社、タクシー1 社、住宅 1 団体、レストラン 1 社 ⑦駅舎は JR 北海道管理分と北斗市管理分との合体構造、北杜市は観光交流センター ⑧JR 側は北口乗降場は計画しなかったので北斗市が予算措置して造った。 南北横断通路幅も JR 計画より 4m広くした。 イ、 広域交通へのアクセス、高速道路とのアクセスに付いて ① 新幹線利用:新函館北斗駅から新青森間最短 1 時間 01 分、東京間 4 時間 02 分 新函館北斗駅から JR 函館本線で函館駅まで約 25 分 ② 道路は一部幅員が狭いところがあり拡幅が近々に進む。 感想 ( まとめ)・市に活かせること等 ① 駐車台数の試算に付いては、難を極めたと言うが本音と思った。しかし函館と言う一 級観光地を結ぶ最大利用台数を予測し、駐車台数を584台、観光バス20台と試算 した。建設費13億円、維持費2000万円と見込み、利用料を一日500円とした 条例を制定したが、木古内駅駐車は無料としたため、現在は無料としている。リニア 新駅駐車場の台数、利用料は参考となる。 ② 駅舎デザインは市民会議によるデザイン検討会議を経て、道南杉材仕様採用は、地元 産材を使用しており参考になる。当然にリニア新駅には積極的活用を図って貰いた い。駅建設に対しては、JRと市との持ち分を明確に協議し、地元木材利用をはじめ、 トイレの規模、通路の幅、観光案内所など必要施設は駅構内に設置することが利用者 に対して大切な視点と考える。 ③ リニア時代を見据えて、交流人口、定住人口対策として、文化、スポーツ施設は有効 と考える。飯田市公共施設マネジメント基本方針優先施設検討の検討を始めたが、ト ップアスリートや音楽家等を呼べる視点、スポーツ合宿の視点は持つべきである。そ の意義は、不可分のものと考えるが、費用対効果など市民の合意形成を図る必要があ る。 ④ 北斗駅の展望台は、3階建ての駐車場の3階に仮設で設置してあった。リニア新駅 の展望台は、多大な投資をするのは慎重であるべきと考える。 ⑤ 新幹線駅と在来線との結節については、効果を上げている。結節駅建設経費の持ち 分をJR北海道と協議しており、JR北海道が電化への投資をした。リニア新駅と飯 田線との結節においても、JRとの協議や県との協議は重要である。飯田市単独での 結節駅負担は問題であり、伊那谷自治体会議の役割は大変重要である。 ⑥ 新函館北斗駅を広域的に活用する北斗市にあっては、観光ビジネス戦略を策定し、 観光振興 プラン4本柱+1(きじひき高原の整備活用、桜回廊構想、体験観光、ス ポーツ合宿+トラピスト修道院周辺の整備)を計画し戦略的に取り組んでいる点は参 考になる。リニア新駅を活用した観光振興戦略を考えるうえで、函館市に匹敵する不 動の観光地は無いが、例えば遠山郷、天龍峡100年構想、史跡群活用、アルプスの 景観などや、南信州広域全体、上伊那広域、木曽広域、松本広域、諏訪広域など広域 的に組み立てる必要性がある。多様な主体との協働で取り組む必然性を感じる。 ⑦ 北斗駅周辺整備では、賑わいをテーマにして、13.5haを都市計画決定し開発した。 開発区域では、住宅街区は完売。商業街区では、レンタカー会社が7社参入しており、 リニア郊外駅では参考になる。駅前ホテルを地元経済界が会社を立ち上げて、6階建 て約100室、1階に観光交流センター別館を建設しており、リニア新駅にも官と民 との役割分担が必要であると感じる。公共性の議論は欠かせない。 ⑧ 北斗市では、当初 130haの大規模開発を計画していたが、議論の末に 13.5haとし た。商業街区の所有者は、個人であり、減歩 37.75%に応じてくれた地権者が納得した 都市計画であった。残地は個人の所有であり、商業者が参入する場合は、市が仲介し ていた。所有地は個人であり、公の負担は軽いが、仲介には手間がかかっていた。 ③ 立体駐車場が常時 8 割方埋まっており、市外からの利用者が相当数居ると思われる ④ 新幹線が札幌に延伸開通しても新函館北斗駅利用客は減ずることなく増加を見込む ⑤ 札幌まで車で所要 4 時間 30 分、新幹線開通なら 1 時間 05 分(2030 年度末) ウ、 観光ビジネス戦略に付いて ① 日本の代表的な童謡「赤とんぼ」に縁があり、静ひつな佇まいが魅力のトラピスト修道 院や国指定史跡の松前藩戸切地陣屋跡、眼下に南北海道一の絶景が広がるきじ ひき高原など、多くの見どころがあり、自然豊かな大地と海からとれる新鮮で、美味し い農水産物が特産品の豊かな資源に恵まれたまちをアピールしている。 ② トラピスト修道院へ続くポプラ並木をイメージした大きな柱が特徴的な新函館北斗駅に は、多くの方々が訪れ賑わいを増しており、北斗市の新たなランドマークとして存在感 を示す。 ③ 駅舎内に市が設置している北斗市観光交流センターは、南北海道の観光情報を提供 する観光案内所や、特産品を販売するアンテナショップ「ほっとマルシェおがーる」等 で旅客を引き付けている。 ④ 駅前地区では、レンタカー会社や飲食店などが営業をスタート、来年の完成に向け た ホテル複合商業施設が急ピッチで工事が進められている。 ⑤ 観光振興プラン 4 本柱+1 ・ きじひき高原の整備活用・・・・・新函館北斗駅から車で 15 分、メロディロード ・ 桜回廊構想の推進・・・・10 万人の人出、観光バス多い ・ 体験型観光の推進・・・・夏野菜収穫・北海道稲作発祥地田植え体験 ホッキ貝剥き身・フノリ摘み ・ スポーツ合宿の誘致・・・・・23,860 ㎡、トラック1周 400m×8 レーン、 全天候型舗装、スポーツ合宿誘致補助金制度有り・・・・1 団体上限 50 万円 ・ トラピスト修道院周辺の整備活用・・・・「ローマへの道」石畳風舗装に整備 ⑥ 道外からの誘客促進事業・・・・首都圏・関東圏でプロモーション活動 ⑦ 観光振興推進組織の体制強化・・・・観光協会が平成 27 年に一般社団法人化 ・・・外国人対応カテゴリー・・英会話可能職員が常駐する。 ⑧ 建設中のホテル道南 6 階建て(客室約 100)の 1 階を北斗市が買い取り、観光交流 センター別館として使用する。上限 4 億 8 千万円 ⑨ 資金繰り・・・社会資本整備総合交付金・合併特例債 街路整備資金・区画整理資金等のパッケージ適用もある 平成 28 年度 会派名 事業名 政務調査研究報告書 市民パワー 支出伝票№ 北海道新幹線の部分開業における新幹線の利用実態、新函館北斗駅からのアクセスや開 業効果について調査 事業区分(該当へ○) ①調査研究費 ⑥会議費 ②研修費 ⑦資料作成費 ③広報費 ④広聴費 ⑧資料購入費 ⑤陳情等活動費 ⑨人件費 ⑩事務所費 (1) この事業の目的:どんな課題を解決するため あるいは誰・何を対象に何を意図するのか 北海道新幹線の部分開業における新幹線の利用実態を調査し、新幹線郊外駅 18 ㌔から函館市までの公共交 通機関の状況、観光誘客戦略や新幹線効果を探り、リニア駅設置に向けて、将来のまちづくりなど、あらゆ る面で戦略を考える機会とする。 (2) 実施概要 日時 調査・研修の場合の 実施日時と 訪問先・主催者等 平成 28 年 7 月 27 日 訪問先・主催者 午前 9 時 30 分~ 函館市企画部計画推進室政策推進課 函館市新幹線対策室 主査 福田 誠 午前 11 時 30 分 1.北海道新幹線の概要 (1)北海道新幹線新函館北斗開業までの経過 環境影響評価 昭和48年11月 → 駅・ルート公表平成10年2月 報 → 認可平成10年9月~平成14年1月 → 工事実施計画の認可申請 平成17年4月 告 ※新函館北斗まで認可 平成17年4月27日→ 起工式 平成17年5月22日 内 → 開業 平成28年3月26日 容 (2) 北海道新幹線の駅とルート ・ 新青森駅→奥津軽いまべつ駅→青函トンネル→木古内駅→新函館北斗駅延長約149㎞ 実 建設費約5,508億円→新八雲(仮称)駅→長万部駅→倶知安駅→新小樽(仮称)駅→札幌 施 (3)函館市内からのアクセス方法 し た こ ①函館線五稜郭・渡島大野間の電化工事概要(JR北海道が投資) つしまおおの 【工事区間】函館線五稜郭・渡島大野間14.5キロメートル と 【電化方式】交流2万ボルト(函館線函館・五稜郭間は交流2万ボルトで既に電化済み) 【総工事費】約18億円 【工期】平成25年3月~平成27年度 ②【愛称名】はこだてライナー運行(アクセス鉄道) 【定員】3両合計439人 繁忙期は6両で運行 【運行本数】16往復(すべての新幹線と接続) 【車両の特徴】バリアフリー化の推進(乗降口のステップ無,車いす対応型大型トイレの設置) 環境性能の向上(客室内の照明のLED化)客室スペースの拡大(座席をロングシート) ③新函館北斗駅へのアクセス道路を建設している (4)新幹線の開業効果 ①時間短縮効果 新青森まで1時間 仙台1時間27分 大宮1時間33分 東京1時間26分 ②乗車人員 1万人予測(関東、東北の誘客に期待) (5)開業に向けた取り組み (1)広域連携の取り組み ◎青函圏観光都市会議(事務局:函館市)石原良純氏をアンバサダーに活用しPR 函館市,青森市,弘前市,八戸市 ⇒青函圏観光の通年化,国内外からの観光客の来訪・滞在の促進 ◎北海道新幹線新駅沿線協議会(事務局:北斗市) 北斗市,函館市,七飯町,森町,鹿部町 ⇒周遊パスポート実証実験,通年型観光の取組みなど ◎北海道新幹線開業を見据えた広域観光連携協議会(事務局:八雲町) 八雲町,今金町,せたな町,島牧町,寿都町,黒松内町,蘭越町, 長万部町 ⇒道南北部エリアにおける“交流・滞在観光システム”の構築 ◎北海道新幹線×nittan地域戦略会議(事務局:苫小牧市) 苫小牧市,室蘭市,登別市,伊達市,豊浦町,壮瞥町,白老町, 厚真町,洞爺湖町,安平町,むかわ町,日高町,平取町, 新冠町,浦河町,様似町,えりも町,新ひだか町 ⇒情報,観光,交通の3本柱を重点戦略に,開業効果を最大限に 生かす取り組み(事務局苫小牧市) ◎北海道新幹線開業青函圏・みなみ北海道会議 ・北海道新幹線新駅沿線協議会 はこだて旅するパスポート(3,300円乗り放題パス) 函館のメインエリア以外に、恵山、函館市縄文文化交流センター、大沼、トラピスト修道院など を訪ねるのに便利。津軽海峡フェリーの運賃も割引に。発売期間平成29年3月31日まで利用期間平 成29年4月1日まで価格おとな3,380円、こども1,690円有効期間2日間 フリーエリア 【JR】函館本線の函館~森間、道南いさりび鉄道線全線※普通列車普通車自由席 【函館バス】函館市内全線、函館~長万部線(バスセンター~森駅前)、砂原線(森駅前~砂原東 3丁目)、濁川線、北斗南北連絡バス、七飯経由鹿部線、鹿部駅線、鹿部海岸線、下海岸線、鉄 山・蛾眉野・川汲線、函館~知内線(バスセンター~木古内駅前)、上磯線、快速松前号(函館 駅~木古内駅前) 【函館市電】全線 ・北海道新幹線開業を見据えた広域観光連携協議会 ・新幹線木古内駅活用推進協議会 ・青函圏観光都市会議 設立:平成25年3月30日 構成:青森市・弘前市・八戸市・函館市 目的:4市の広域連携によって広域観光エリアを形成し,その観光の魅力の増進により、国際競 争力を高め、内外からの観光旅客の来訪及び滞在を促進する。 事務局:函館市観光部観光推進課 ※4市人口の合計は約100万人に達する。 ※H27.3..23 同総会が開催され,名称を「青函圏周遊博」と決定。開催時期は,新幹線開業後の 2016年4月8日~2017年2月28日まで。展示館などは新設せず街をパビリオンに見立て,周遊 型の通年イベントを実施。 ※4市の四季の魅力をガイドブックを通じて紹介し,青函圏を周遊するキャンペーン。 グルメラリーや旅行商品造成等による周遊促進を図る。 ・北海道新幹線×nittan地域戦略会議 ・開業に向けた組織 商工会議所(新幹線機構)函館国際観光コンベンション協会公式サイト「みなみ北海道・青森 イベントインフォメーション」により,イベント情報を発信。 (2)函館市の取り組み ◎新幹線で未来を創るまちづくり構想 新幹線時代に対応したまちづくりの基本的な考え方や施策の方向性を示し、魅力あるまちづくり を推進することを目的に函館市が策定 ■施策体系(4分野27施策) ・観光の振興10施策・まちの賑わいの創出4施策・企業の育成・誘致6施策・交通網の充実7施策 北海道新幹線の開業に向けた検討会議 庁内検討組織として設置(ワーキンググループ、庁内検討チーム) ◎北海道新幹線開業はこだて活性化アクションプラン まちづくり構想を踏まえ,新函館開業までに行うべき施策の「行動計画」として官民協働の組織 により策定 ■施策体系(3分野26施策) ・観光振興10施策・産業振興9施策・交通アクセス7施策 現在,アクションプランに基づき,各種施策を展開中。 ◎北海道新幹線新函館開業対策推進機構(商工会議所が事務局を持っている) 函館市,函館商工会議所,観光コンベンション協会などで構成 ①二次交通充実化関係事業 ・観光路線バスの充実化 ・交通系ガイドマップの作成 北海道新幹線新函館開業対策推進機構の取り組み(H27) ②ようこそ函館演出事業 ・「ようこそ!はこだてへ。」開港通りフラッグ掲出(H27.3~11月,H28.3月~) ・「ようこそ!はこだてへ。」ポスター増刷 ③シティーセールスプロジェクトチーム(CSPT) ・各種ガイダンスの開催(月1~2回開催) ・市民・観光客向け各種イベント一覧の作成,情報収集街路灯フラッグ ■函館市中心市街地活性化基本計画 1.基本コンセプト市民生活と歴史・文化,観光が融合した回遊性の高いまちづくり 2.基本方針 (1)賑わいある集客拠点の創出 (2)新たな交流を生む都市空間の創出 (3)魅力ある生活空間の創出 3.中心市街地活性化の目標 (1)陸・空の交通拠点と観光拠点の回遊による賑わいの創出 (2)市民生活に密着した商店街と集客拠点の回遊による賑わいの創出 4.主な事業 (1)グリーンプラザ整備事業(H26~H28) (2)函館駅前若松地区第一種市街地再開発事業(H24~H28) (3)電車停留所整備事業(H25~H29) (4)観光等案内情報端末整備事業(H25~H29) ■函館駅前若松地区第一種市街地再開発事業 オープン予定:平成28年7月(一部) 施設概要:地下1階,地上16階建 地下1~地上2階:商業施設 地上3~4階:公共施設(キッズプラザ10.15オープン) 地上5~16階:分譲マンション ■函館本町地区優良建築物等整備事業 オープン予定:平成29年3月 施設概要:地下1階,地上19階建 地下1~地上3階:商業施設 地上4階:公共施設(コミィニティ-プラザ) 地上5~19階:分譲マンション(完売・移住者も入居) ■函館アリーナ整備事業(79億円) 開館:平成27年8月 施設概要:メインアリーナ~規模2,860㎡ 固定2,120席(収容5,000人) サブアリーナ~規模1,000㎡ 固定208席(収容1,044人) その他の施設~武道館,多目的会議室,スタジオ ・GLAYのコンサートでこけら落とし、全国自治体病院学会、全国中学校ハンドボール大会、 小田和正コンサートなど実施計画している。 ■函館フットボールパーク整備事業(15億円) 供用開始:平成27年8月 (供用期間:3~12月) 施設概要:サッカー・ラグビー兼用コート2面,フットサルコート3面,ナイター照明 ・全国自治体サッカー大会誘致 ■函館誘客プロモーション(開業6年前から誘客を行ってきた) 東北,北関東,首都圏の重点エリアにおいて,集客力のあるイベントとの連携や北海道や函館に 関わるプロモーションに協力し,誘客につなげる取組イベントでのPR ■函館・東北チャリティープロモーション 東日本大震災後,函館が東北と北海道の架け橋となる取り組み。 道南・東北の食と観光をPR ○開催月毎年6月(H23から実施) ○場所札幌市(大通西8丁目) ○来場者数毎年約60,000人 ■函館・みなみ北海道グルメパーク ○開催日毎年11月頃(H22から開始) ○場所新幹線沿線(仙台・大宮等) ○来場者約88,000人 平成27年度は11月21日~23日に仙台市で開催 ■「ふるさと祭り東京2016」への参加(3,500万円の予算化) 開催日:平成28年1月8~17日(2014から参加) 開催場所:東京ドーム 出展内容:飲食のほかにも,オール「函館」をリアルに体感・体験できる大型ブースで 観光PR,いか釣り体験,北海道新幹線開業PRを実施 来場者数:約42万人 その他、北海道や団体、業界等のイベントにも積極参加 ■函館出身のロックバンド「GLAY」とのタイアップによる開業PR 〇函館市や北海道などのからのオファーによりGLAYのTAKUROさんが楽曲(負担金を支 払い)北海道新幹線イメージソング「SupernovaExpress2016」 〇イメージソングをBGMとした開業プロモーションビデオを北海道が制作 特任車掌に鈴井貴之さんを起用 〇北海道・東北エリアおよび首都圏でのCM放映 ■新幹線開業記念イベントについて 目的:新幹線開業に向けた気運醸成賑わい創出 地域の魅力発信など スケジュール平成26年度 ・開業記念キックオフイベント ・開業1年前カウントダウンイベント 平成27年度 ・開業300日前・200日前カウントダウンイベ ・開業100日前カウントダウンイベント ・開業日イベント 平成28年度 ・開業後イベント(メインイベント) ■新幹線開業記念イベントの開催 開業後イベント(メイン事業) 道内各地のグルメ・物産・観光の魅力が集結,北海道をまるごと体験。 青森県・函館DCに合わせたロングラン開催。 開催:平成28年7月1日~8月31日 道産食材使用の料理を提供。 日本・道内トップシェフ達のクオリティの高い料理を提供。 道内5エリアのグルメ・物産が週替わりで登場。地域PRも実施し,北海道の魅力を伝えます。 市内飲食店で道南食材を使った料理および商品を提供。 オリジナルガイドブックを制作し,「美食の街」函館をPR。 ■新幹線ラッピング電車・路線バスの運行 ・平成26年10月1日から函館市内を走行 ・電車・路線バスともに1台 (3)新幹線開業によって懸念されること 大都市圏への移動時間が短縮 →企業が地方の支店や営業所を大都市圏の営業拠点へ統廃合を進めるおそれがある。 →他の商圏に購買力が流出し,地元での消費低下が懸念される。新幹線開業に伴い,JR北海道 から経営分離される路線の取り扱い →先行県では多額の赤字 ①ストロー現象 ②航空利用者の減少、航空利用者が鉄道に転換 →機材・便数の縮小・減便が懸念される。 →航空貨物に影響するおそれがある。 ③並行在来線問題が課題 ・道南いさりび鉄道では、道南いさりび食堂ながまれ(ゆっくり・のんびりの方言)仮称列車の運 行を予定しており、日本旅行と商品開発し、利用は順調。 ・道南いさりび鉄道の赤字補てんは、函館市は、4.4%で、600万から700万円。 ・全線開業には、函館と五稜郭間が並行在来線となり、今から検討している。 (4)新幹線開業後の状況 H28.7.27 函館市新幹線対策室 JR発表 新幹線利用状況 ■ 開業3日間(3/26~28) 新青森~新函館北斗 ・ 一日平均約 9,900 人(前年比 249%) ・ 乗車率 43% ※座席数は在来線の 2.5 倍増 ■ 開業 1 ヶ月(3/26~4/25) 新青森~新函館北斗 ・ 一日平均約 5,600 人(前年比 199%) ・ 乗車率 27% ■ 大型連休期間(4/28~5/8) 新青森~新函館北斗 ・ 一日平均約 9,800 人(前年比 193%) ・ 乗車率 44% ■ 5月(5/1~31) 新青森~新函館北斗 ※新聞報道 ・ 一日平均約 7,600 人(前年比 約 1.8 倍) ・ 乗車率 38% ■ 6月(6/1~30) 新青森~新函館北斗 ※新聞報道 ・ 一日平均約 7,900 人(前年比 約 1.8 倍) ・ 乗車率 - 新聞報道 ■ 大型連休期間(4/28~5/8) ○ 航空機 ・ GW11 日間(4/28~5/8)の函館~羽田線各社の利用者数 前年同期比 全日空 7.4%増,日航 1.1%減,エア・ドゥ 9.5%減 ・ GW11 日間(4/28~5/8)の函館~伊丹線各社の利用者数 前年同期比 全日空 31.7%増,日航 11.3%増 ・ GW11 日間(4/28~5/8)の函館~丘珠線の利用者数 前年同期比 HAC17.7%減 ○ 市電 ・ GW10 日間(4/29~5/8)の1日当たり平均乗車人数 約 16,600 人(前年同期 約 14,100 人)前年同期比で約 18.7%増 ○ 五稜郭タワー ・ GW10 日間(4/29~5/8)の1日当たり平均搭乗人数 約 6,800 人 前年同期比 約 34%増 ○ 函館山ロープウェー ・ GW10 日間(4/29~5/8)の1日当たり平均搭乗人数 約 7,200 人 前年同期比 ほぼ同じ ※29 日に強風のため終日運休,30 日と 3 日は 13,000 人以上の利用 〇 観光案内所 ・ JR函館駅前 9,513 人(38%増) ,元町 3,428 人(34%増) ■ その他の期間 ○ 津軽海峡フェリー 4月(4/1~4/26)の利用者数 ・ 青函航路,大間航路ともに前年同期比約 3 割増 ※ 新函館北斗~新青森(新幹線)7,260 円,函館~青森(フェリー)2,220 円, 大間航路は新幹線と組み合わせたツアーが人気 〇 ラビスタ函館ベイ(393 室) ・ 7 月,8 月の週末は予約でほぼ満室 〇 函館国際ホテル(305 室) ・ 客室稼働率は前年より 10%増の 90% 〇 市電 ・ 修学旅行生の 1 日乗車券の利用状況が前年度を上回り好調 ※ これまで利用のなかった秋田県,宮城県からの新規の利用が増 〇 レンタカー ・ 夏期間(7/15~8/31)の函館市と近郊エリアの予約件数が前年同期比 52.5%増 ※ 旅行サイト「楽天トラベル」加盟業者 34 社を対象にした調査 〇 函館朝市 ・ 従来は閑散としていた午後1時ころから混み合うように変化 ※ 東京 8:20 発「はやぶさ5号」のは乗客がアクセス列車に乗り換え,函館駅に 到着する時間帯,1 日平均客数は前年度の約 3 割増 〇 函館マラソン(6/26 開催) ・ 申込み段階での人数はフルマラソン 4,047 人,ハーフマラソン 3,885 人 ※ 道外申込者 41.1% ハーフマラソンのみだった昨年の 25.4%を大きく上回る 〇 東北学院大学(6/30 開催) ・ 道南からの学生獲得のため,ホテル法華クラブで公開講座と進学相談会を開催 ※ 学外での公開講座は初 ■ ホテル開業 〇 笑函館屋(26 室 元丸仙旅館)4/30 開業 〇 HAKODATE 海峡(うみ)の風 (湯本啄木亭東館をリニューアル 100 室→56 室)4/25 開業 〇 湯の川観光ホテル祥苑(男子寮を客室に転換 17 室)4/26 〇 ホテル函館山(函館元町ホテルが買収)4/26 営業再開 〇 函館パークホテル(新たな宿泊棟 30 室)4/26 開業 ■ 国際線の状況 〇 函館~台湾 ・ 復興航空(台北) 6/15~10/29 週 3 往復から週 2 往復に減便 ・ エバー航空(台北) 8/2~31 毎日 1 往復から週 5 往復に減便 ・ タイガーエア台湾(台北) 8/12 から週 5 往復で運航予定(LCC) 〇 函館~中国 ・ 中国国際航空(北京) 5/6 から週 2 往復の運航を休止 ・ 中国東方航空(杭州) 5/21~10/29 週 2 往復の運航を休止 ・ 奥凱航空(西安) 5/15 から週 3 往復で運航予定だったが,延期中 ・ 北京首都航空(杭州) 1 月下旬から週 2 往復で運航予定だったが,延期中 ※ 新千歳~中国・香港 感想 ( まとめ)・市に活かせること等 考察 ①函館駅併設の運動を展開してきたが、18 キロ先の郊外駅に決定した。その中で、JR北海道が電 化への投資をし函館ライナーを新設し、函館駅への接続は容易に可能となり、交流人口、定住人 口増加に効果は上がっている。JRとの協議の重要性を認識した。 ②新幹線開業を見通して、広域的な誘客戦略を展開している。開業後数か月を経過しているが、新 幹線効果は大きく、前年対比増加となっている。広域的な誘客戦略は参考になる。函館のイメー ジアップに石原良純さんやGLAYを活用したシティープロモーションに取り組んでおり、効果 を上げている。シティープロモーション企画において、芸能人や著名人の活用は参考になる。 ③各種調査において、函館のイメージは以前より上がっており効果を上げている。一級観光地なら ではのメリットを大いに生かしている。飯田市ではどのような企画がベターか考える必要がある。 ④大型事業を新幹線開業に向けて計画的に取り組んできた。飯田市で取り組んでいる。飯田市公共 施設マネージメント基本方針優先施設検討において、しっかり先を見通した新規事業の展開が必 要であろう。 平成 28 年度 会派名 事業名 政務調査研究報告書 市民パワー 支出伝票№ 宇都宮市の市民の寄付による奨学金制度について視察 ①調査研究費 事業区分(該当へ○) ⑥会議費 ②研修費 ⑦資料作成費 ③広報費 ④広聴費 ⑧資料購入費 ⑤陳情等活動費 ⑨人件費 ⑩事務所費 (1) この事業の目的:どんな課題を解決するため あるいは誰・何を対象に何を意図するのか 市民の篤志寄付により、返還免除型育英修学資金貸付制度を新設した目的と人材育成策に対する考え方 を視察し、飯田市の奨学金制度の在り方を考える (2) 実施概要 日時 調査・研修の場合の 実施日時と 平成 訪問先・主催者 28 年 7 月 28 訪問先・主催者等 日 教育委員会事務局 午前 10 時 00 分~ 教育企画 課長 梓澤昌徳 午前 11 時 30 分 教育企画課 係長 横塚佳恵 教育企画課 担当 池田恵子 宇都宮市の奨学金制度の概要①返還免除型育英修学資金貸付制度、②宇都宮市奨学金制度の概要と 詳細を報告する。 ①返還免除型育英修学資金貸付制度について 報 1制度の目的 告 ・教育費の負担感が子どもを生まない理由として最も多いことや大学進学時、就職時に若者の人口 内 流出を招いているという現状から、奨学金制度を充実させることで、教育費の負担軽減や若年層 容 の定住促進を図ることを目的とする。 ・ 実 施 し 2制度導入の契機 ・平成26年12月25日に宇都宮の人材育成に役立てて欲しいという意向のもと、1億円の寄附 があり、その寄附金と本市拠出金1億円を併せた2億円を原資として制度を創設した。 3制度の概要(別紙1参照) た ⑴募集概要 こ ①対象 と 学校教育法の規定に基づく大学、短期大学、専修学校(修業年限が2年以上の専門課程)に、 入学を希望する者 ②応募資格 ・本市市民の被扶養者で、経済的理由により修学が困難である者 ・前年中の認定所得金額が本市の定める所得基準額以下であること。 ※認定所得金額:申請者の世帯全員の所得金額を合算した金額から特別控除額を差し引いた 金額 ・成年で独立の生計を営み、確実な保証能力があり、市税の滞納がない連帯保証人を2名選任 できる者 ・学習成績の評定平均値4.0以上である者(満点5.0) ・最終学校卒業後、宇都宮市に居住を希望する者 ③募集人数 10名程度 ⑵貸付額 月額20,000円 →本市現行の奨学金貸付制度の金額(大学自宅外:月額45,000円)は,主に授業料を補うことを 想定していることから、新制度については、主に学用品等に必要な経費を補うものとして設計 している。 ⑶貸付期間 正規の修業期間 →留年,休学の期間については、一時貸付け停止(留保)とする。 ⑷免除の条件 最終学校を卒業した日の属する月の翌月の初日から起算して1年以内に宇都宮市に居住し、かつ、 5年間居住を継続した時に返還が免除される。 ⑸返還 免除の条件を満たすことができないことが確定した時から,貸付を受けた期間の4倍の相当する 期間内に返還 ⑹選考方法及び結果 【一次選考】 「小論文」、「所得」、「学校長が評価する人物所見」、「学習評定の平均値」を総合的に評価 した。(書類審査) 【二次選考】 「小論文」、「面接」、「所得」を総合的に評価した。(来庁試験:3月21日実施) 二次選考の結果⇒応募者23名中15名を合格者とした。 【選考委員会】 選考委員会において所得状況を確認し,二次選考合格者15名全員を奨学生として決定した。 ②宇都宮市奨学金制度の概要 1 対象 学校教育法の規定に基づく下記の学校に入学を予定する者 高等学校、高等専門学校、大学、短期大学、中等教育学校(後期課程)、 専修学校(修業年限が2年以上の高等課程・専門課程) 2 募集期間 2月から翌年1月末まで(交通遺児:随時受付) 3 募集人数 140名程度 4 貸付額(月額)区分 奨学金 交通遺児 高等学校,高等専門学校 自宅通学 17,000円 30,000円 専修学校(高等課程) 自宅外通学18,000円 中等教育学校(後期課程) 大学,短期大学 自宅通学 35,000円 専修学校(専門課程) 自宅外通学45,000円 50,000円 感想 ( まとめ)・市に活かせること等 考察1 ①返還免除型育英修学資金貸付制度は、人間力の向上で、誰もが金銭に左右されない人材育成を目 指すために、返還免除型育英修学資金貸付制度を平成28年4月1日スタートさせた。その切っ掛け は、市民の1億円の篤志寄付平成26年12月25日に篤志家より1億円の寄附が寄せられたこと によるもので、寄付者の意向を尊重して、市も1億円を上乗せして制度を創設した。制度のスター トまでは3か月であり、スピード感を感じた。5年間宇都宮市に住めば、返済が免除されることか ら、若者の地元定着への誘導が伺われる。 ②月額 20,000 円を貸し付ける制度であるが、主に学用品等に必要な経費を補うものとして設計して いる。授業料は、従来の奨学金制度、大学、短大、専修学校では、自宅通学 35,000 円自宅外通学 45,000 円高校等自宅通学 17,000 円、自宅外通学 18,000 円を補う制度となっており、家計調査の 資料を基に、授業料を補完出来る文具、図書購入等学習に必要なものとして、柔軟に対応できる 制度であり、活用しやすいと感じる。 ③ふるさと納税との関係をお聞きすると、篤志家が,ふるさと納税を希望しておらず、主に奨学金 制度に利用してほしいとの意向であったため、その意向を尊重し,市民にとって利用しやすい制 度となるよう奨学金支給に関する要綱を制定。宇都宮市育英基金を新設し、育英基金への寄付を 募集しており、寄付の成果を期待していた。 【寄付者意向は】 ・宇都宮の繁栄のためには、人材育成が必要であり、教育に役立てて欲しい。 ・経済的に恵まれない若者への返済不要の奨学金があると良い。 ・奨学生が、将来宇都宮に戻ってくれば、地方創生にもつながる。 ④連帯保証人は、2 名とし、市税の滞納がないことを条件に、友人、知人、年金生活者、親が選任されて いるが、所得などの基準はなく、緩やかである。 ⑤選定方法は、一次選考は教育企画課で、二次選考は、課長、課長補佐、総務担当主幹、係長の内部審 査となっており、本年度は 15 名を選考した。 考察2 ①従来型の制度では、1681 名が貸し付けられており 、滞納者は 140 名収納率 87.9%となっている。特別 会計で行っており、無利子、不足した場合は、一般会計から繰り出している。しかも、通年募集をし ており、会計規模は 1.9 億円が貸付総額として運営されている。市が特別会計を持って取り組んでい る点は、参考になった。 ②従来型の制度では、入学一時金も対象となっており、一時的な親負担の軽減策となっていることも参 考になる。 考察3 ①奨学金による若者の地元定着効果について 平成28年度より貸付を開始したところであり、貸付者がまだ卒業を迎えていないことから、効果に ついては検証できていないが、採用試験の際,地元で起業する夢を実現するために応募をした学生を はじめ、地元への定住意欲及び貢献意識の高い学生が多数みられたことから、宇都宮市においては、 地元定着効果はあると期待できる。飯田市においても制度全体の見直しが必要であると感じる。 考察4 国では、新規に奨学金給付制度を創設しようと報道されている。この際、子供の貧困や大学の有無(都 会と地方)の格差を解消するために、誰もが高等教育機関への学びの機会を保障できる奨学金制度の抜 本見直しが必要ではないか。