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No.1 - 埼玉りそな産業経済振興財団

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No.1 - 埼玉りそな産業経済振興財団
5
月
May.2012
No.101
(前 関東経済産業局長)照井 恵光 氏— —————
彩論 経済産業省地域経済産業審議官
ズームアップ 株式会社サイニチホールディングス— —————
調査 埼玉県における産業動向と見通し— —————
1
2
5
生産は緩やかに持ち直し、先行きは回復が期待される
アンケート調査 埼玉県内企業の2011年冬のボーナス支給状況— ————— 11
県内経済の動き— ————— 13
月次経済指標— ————— 15
タウンスケープ— 本庄市 —————— 17
環境共生都市 本庄
正楽寺 瑠璃ぼたん園
(本庄市)
市町村経済データ— ——
企画
編集
公益財団法人
裏表紙
埼玉りそな産業経済振興財団
論
新 産 業・新 市 場 の 創 出 に 向 け て
―埼玉の可能 性―
経済産業省地域経済産業審議官
(前 関東経済産業局長)照井
関東経済産業局長として、1年3カ月にわたっ
て、さいたま新都心でお世話になり、本年4月、
地域経済産業審議官に異動しました。在任期
間中は公私にわたり格別のご高配にあずかり
この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
30年前に旧浦和市に住んでいたことがある
ので、埼玉は私にとって第二の故郷です。この
間の埼玉の変貌ぶりは目覚ましいものがあり
ます。大宮駅は 3新幹線が発着する鉄道の要
衝の地となり、西口が再開発され、ソニックシ
ティができました。また、3市が合併して政令
指定都市ができ、さいたま新都心には国の出
先機関が集約され、スーパーアリーナが造ら
れました。イベントのある時は、さいたま新都
心は多くの人で賑わっています。
在任期間中においては、昨年3月の東日本
大震災を契機にエネルギー供給制約や急激
な円高など新たな課題が顕在化し、いわゆる
6重苦の中で産業空洞化と国内雇用喪失の
懸念が広がりました。さらに長期的には人口
減少や少子高齢化による経済成長力の低下
も危惧されるところです。
しかしながら、この埼玉の地は人口も増加
中であり、大きく発展する可能性をもっていま
す。私はこの1年余の間、
「 現場主義」をモット
ーに埼玉県をはじめ1都10県の多くの企業経
営者・地域経済界の皆様の現場を訪問し、お
話しを伺う機会に恵まれました。その現場に
おいて厳しい構造変化の波を乗り越え、さら
にその波を成長の機会と捉えていこうとされ
る皆様の姿を拝見させていただきました。
埼玉には、今後の日本経済を牽引していく
産業群として考えられる分野が多々存在して
います。例えば「課題解決型産業」です。少子
高齢化・エネルギー制約という課題を解決し、
潜在内需を掘り起こしていくものです。医療機
器、子育て
・介護サービスなどのライフ・イノベ
ーションや、エネルギー管理システム
(BEMS
/HEMS)の活用やスマートコミュニティの推
—— 埼玉りそな経済情報2012.5
恵光 氏
進などのグリーン・イノベーションの分野です。
埼玉県においても、未熟児の救命を可能とす
る肺に負担をかけない人工呼吸器を開発した
中小企業、内視鏡と吸引チューブの高度技術
を武器に介護現場で安全に扱える喀痰吸引
器の開発を進める産学官の連携体、さらに、
さいたま市における
「次世代自動車・スマート
エネルギー地域活性化総合特区」など大きな
期待が寄せられています。
第二の分野は「クリエイティブ産業」です。
クールジャパン、観光、文化などの政策融合を
図り、輸出産業化・地域活性化を推進する分
野です。埼玉県内では、鷲宮や秩父などがア
ニメと地域資源を融合してその魅力を発信、
内外から数十万人が訪れるアニメ聖地に成長
して地域活性化に貢献しています。この他、
大宮の盆栽など県内には数百の地域資源が
存在し、ジャパンブランドとして海外展開の潜
在能力を秘めています。究極のジャパンブラン
ドとも言うべき日本酒についても、埼玉は全国
でも有数の酒蔵があります。
最後に「先端産業」です。次世代自動車、航
空機産業、さらに当該産業を支える高度部
材等の分野です。次世代自動車産業の裾野
を広げようとするさいたま市を中心とした E-
Kizunaプロジェクト等の試み、炭素繊維強化
プラスチック部品の量産技術を開発して自動
車軽量化等に貢献する中小企業など、埼玉県
には果敢に次世代を切り開こうとする多くの
企業やこれを支える自治体・支援機関が多数
存在しています。
現在、私は全国の地方経済産業局と連携し
て地域経済活性化を推進する役割を担って
います。関東経済産業局時代の現場経験、県
内の企業経営者の皆様等からいただいたご
意見は地域経済産業政策を推進する宝です。
この宝を糧として我が国地域経済の活性化
に邁進していく所存ですので、引き続きよろし
くお願い申し上げます。
株式会社サイニチホールディングス
県内ディーラー初の 新 車累計 販 売台 数 10 0 万台を突 破 。
E S 対 策で従 業 員のモチベーションアップを図る
サイニチ ホ ー ル デ ィング ス は 日 産 自 動 車 の 地 場 独 立 系 デ ィー ラ ー 埼 玉 日 産 自 動 車 を 母 体 とする
持 株 会 社 であ る 。コアビジネスであ る日 産 車 の 販 売 に お いて累 計 1 0 0 万 台を 突 破 する など 順 調 で、
ホール ディング ス化 によるシ ナ ジー 効 果 にも 期 待 が か かる 。また 同 社 グル ープ は「 E S なくして C S は
ありえな い」との 考えの もと、従 業 員 満 足 度 の 向 上を目 指し 、そ れを「 お 客 様 最 適=顧 客 満 足 」へ と
波 及 させることを 狙って い る 。
代表者
代表取締役社長 橋本 宏太郎
設立
昭和18年2月
資本金
3億円
従業員数
37名
事業内容
グループ経営管理
[グループ企業]埼玉日産自動車株式会社/ジャガー新埼玉株式会社/ピーアンドピー
ロジスティクス株式会社/日産フォークリフト埼玉販売株式会社/日産レンタリース
埼玉株式会社/株式会社未来工房/埼玉日産U.S.Aコーポレーション
所在地
代表取締役社長
橋本 宏太郎 氏
自動車ディーラーにはメーカー自身が経営す
るメーカー系と、メーカーと特約店契約を結ぶ独
立資本の地場系とがある。日産自動車の地場系
〒338 -8525 さいたま市中央区上落合9 -3 -6
TEL 048 -859 -5123 FAX 048 -859 -5525
URL http://sainichi-hd.co.jp
ョンの向上を図っている。
国 内ディーラー初 のアメリカ進 出
ディーラーとして全国的に見ても長い歴史を持つ
橋本社長は平成12
(2000)年から社長を務め
埼玉日産自動車株式会社は、昨年7月、埼玉県内
た。そして、23年7月のホールディングス化にとも
のディーラーとしてはトップを切って持株会社制
ない、サイニチホールディングスの100%子会社と
に移行し、株式会社サイニチホールディングスに
なった埼玉日産自動車の会長に、そしてサイニチ
商号変更した。
ホールディングスの社長に就任した。傘下にある
「ホールディングス化の狙いのひとつは、自動車
事業を取り巻く環境が大きく変化している中、グ
ループとして経営効率を高めるとともに、柔軟か
つ迅速に経営の意思決定ができるようにするこ
とです。緒に就いたばかりですが、各関連会社の
代表者と毎月密接にミーティングを行い、今のと
ころスムーズに進んでいます」
(橋本宏太郎社長)
自動車の販売は、接客応対をはじめとする従
業員への依存度が極めて高い労働集約型産業
である。同社では ES
(従業員満足度)
を高めるた
めの施策を行うことで、一人ひとりのモチベーシ
株式会社サイニチホールディングス 本社
埼玉りそな経済情報2012.5 ——
のは埼玉日産自動車のほか、ジャガーの正規販
販売会社表彰の「社長賞」を、連続13回を含む
売店であるジャガー新埼玉、納車前点検整備と
18回受賞。昨年行われた全国日産サービス技術
車両・石油の輸送を行うピーアンドピーロジステ
大会ではチーム優勝のほか、個人賞も受賞して
ィクス、日産フォークリフト埼玉販売、日産レンタ
いる。これは、車の修理技術やお客さま対応力
リース埼玉、車検を行う未来工房、そして埼玉日
をはじめとするサービス全般の総合力を競う大
産U.S.Aコーポレーションの 7社。なお、埼玉日
会である。
産U.S.Aコーポレーションは昭和54
(1979)年の
「日産自動車の販売店はかつて取扱車種の異
設立で、国内のディーラーでは初めての海外進
なるいくつもの系列がありました。それが再編さ
出だった。
れて直近ではブルーステージとレッドステージと
「カリフォルニア州サンディエゴで営業したの
いう2系統に分かれていましたが、それも再編が
ですが、アメリカの店頭誘引型販売のやり方や
進み、平成17年以降は全販売店で取扱車種が
ショールームの展示方法などのノウハウを吸収し
同じになりました。サービス技術大会もかつては
て、埼玉のマーケットに取り入れることも目的の
系列ごとに行われ、埼玉日産自動車はずっと好
ひとつでした。現地で4店舗営業するほど成長し
成績を収めてきましたが、再編後、全国124社で
ましたが、所期の目的を達成したため、現在は現
競うようになってからはなかなかチーム優勝まで
地のゼネラルマネージャーに販売権と店舗の一
いかなかったのです。去年初めて優勝できて、う
部を売却してビジネスからは撤退し、残った不
れしかったですね」
動産の賃貸業だけを行っています」
そして、今年1月、県内ディーラー初の新車累
計販売台数100万台突破を達成している。
「これを記念して、2月から3月に抽選で1名に
電気自動車の日産リーフがあたるサンクスキャン
ペーンを行いました。100万台は通過点ですが、
これまで地域の方たちとのつながりをしっかり
築いてきた成果の表れだと思っています」
2011年全国日産サー
ビス 技 術 大 会 優 勝と
過 去 の 数々 の受 賞 記
念品
サービス技 術 大 会で 優 勝
県 内をネットワークする共 栄 会を 組 織
自動車の販売は、他メーカーのディーラーとの
競争だけではなく、同じメーカーの車を取り扱う
ディーラー間での競争も生じる。
「車というものは、その車そのもの、またはメー
サイニチホールディングスの母体である埼玉日
カーに対するお客さまの好みという部分が最初
産自動車は、昭和18年に、日産、トヨタ、ヂーゼ
から大きいので、他メーカーとの競争はそれほど
ル自動車工業
(現いすゞ)、各社の車両の配給・割
ないのです。同じメーカーの場合も、かつては、
り当てと補修整備をする埼玉県自動車配給株式
先にも言ったように系列ごとに取扱車種が違っ
会社として設立。日産車の専売ディーラーになっ
ていたため、そうでもなかったのですが、今は県
たのは、昭和22年である。以後、日産全国優秀
内に4社ある日産車の販売会社がすべて同じ車
—— 埼玉りそな経済情報2012.5
種を取り扱うことになり、多少厳しくなっています」
同社の店舗数は現在、新車が 43カ所、中古車
が 8カ所。
「アフターサービスが行き届かないようなこと
がないよう、県内にある整備会社などに協力代
理店のような形になってもらう共栄会という組織
をつくっています。現在は 280社ほどです。そう
いう形で、地域の方たちとの関係を深く築いてき
たことが当社の強みになっています」
従 業 員 満 足 度 の充 実 を目指 す
「 CS、顧客満足ということがよく言われます。
当社の行動指針も
『全てはお客様最適のために』
で、お客さまにとってベストウェイなのかどうかを
一人ひとりがしっかり考えて、行動や言動をとる
ように指導しています。しかし、そのためには、ま
ず ES、従業員満足が必要で、それなくしてCS は
ありえないというのが私の考えです。従業員は1
日のうち、会社での生活がいちばん長いのです
から、その中で満足できる環境にすることが必
要です」
そこで年に1度、匿名アンケートによる
「従業
員満足度調査」を実施。さらに現場の従業員と
トップが直接話し合う場も定期的に設けた。
「店舗は県内に分散しているので、従業員との
距離が遠くなってしまう懸念があります。われわ
れの目指す方向を理解してもらうとともに、従業
員が何を期待しているのか、何を求めているの
かを知るために、夕方6時半ぐらいから県内3、4
カ所ぐらいに分かれて、従業員に来てもらい、車
座になって、おにぎり2個とお茶で話し合いをす
るのを定例化しています。ワンウェイではなく、ツ
ーウェイにすることが大事ですから」
会 社 は自己 実 現の 舞 台
「アンケートの結果は、最初はいったいどんな
昨年は県内3カ所で社長と従業員との意見交換会を開催
会社なのだろうと思うくらいネガティブな意見が
多かったが、傾向としてだんだんよくなっています。
なんとか満足して働いてもらえるようになりつつ
あるのではないかと、手前味噌かもしれません
が思っています」
従業員からのさまざまなリクエストに対しても
フレキシブルに対応。そのひとつが休日の変更
である。
「われわれの業態はどうしても土日に出勤をし
なければなりません。そこで休日をそれまでは月
曜にしていました。しかし、土日にフェアがあって
も、
週末中に契約を詰め切れないお客さまが出て
くる。結局、月曜の休日に出勤しなければならな
いという声が多くあったので、休日を火曜に変更
し、また、月に1度連休日を設けるようにしました」
また、平成15年には再雇用制度も導入。60歳
の定年後も、希望があれば全員65歳まで働ける
ようにした。
「職種は意に沿わない場合があるかもしれま
せんが、その人の特性に合わせた仕事をしてもら
うようにしています。会社を舞台にして一人ひとり
が業務の中で自己実現をしてほしいというのが
願いです」
来年、創立70周年を迎える同社。ホールディン
グス化によるシナジー効果も含め、これからの事
業展開が大いに期待される。
埼玉りそな経済情報2012.5 ——
調 査 ◦
埼玉県における産業動向と見通し
生産は緩やかに持ち直し、先行きは回復が期待される
概況
わが国経済は、東日本大震災の影響により依
然として厳しい状況にあるなかで、生産は緩や
かに持ち直している。
民間工事は、前年を下回る。福祉関連施設が
中心で、製造系の工事はほとんどなかった。
先行きは、受注に注力。
住宅は、マンション、戸建てとも、前年を上回っ
て推移。
先行きは、各種政策効果などを背景に、生産
産業天気図
の持ち直し傾向が確かなものとなることが期待
現状
(1〜3月)
される。ただ、欧州債務危機、原油価格上昇、電
力供給の制約など、懸念が残っている。
今後
(4〜6月)
一般機械
埼玉県経済は、厳しい状況にあるものの、生
産は緩やかな持ち直しが続いている。聞き取り
電気機械
調査を行った 6業種中、薄日が輸送機械、曇が
一般機械、鉄鋼、建設、大型小売店、薄曇が電
輸送機械
気機械であった。
先行きは、下振れリスクが懸念されるものの、
鉄 鋼
生産は回復が期待される。天気図は、現状と変
化はない見込み。
建 設
主要産業の動向は、以下の通り。
●一 般機械の生産は、緩やかに回復。
大型小売店
先行きは、回復が続くものの、そのテンポは緩
やかにとどまる。
天気図の見方
●電 気機械の生産は、エコポイントなどの終了か
ら、前年を下回る。
先行きは、自動車向けなどに期待しているも
晴
のの、前年を下回る動きが続くとみられる。
●輸送機械はエコカー補助金の復活等により、生
産・販売とも好調。
先行きも好調が続きそう。エコカー補助金の予
算枠の消化状況が懸念材料。
●鉄鋼の生産は、持ち直している。
先行きは、震災復興に伴う需要から、当面底
堅い動きが続く。
●建 設は、前年並みで推移。
公共工事は、河川、道路の改修・保守、学校耐
震化の工事を中心に、前年をやや上回る。
先行きは、年間を通じて前年並みを確保。
—— 埼玉りそな経済情報2012.5
薄日
曇
小雨
雨
鉱工業生産・在庫の推移
100
季節調整値
(2005年=100)
生産指数
在庫指数
90
80
70
60
50
2010年
Ⅲ期
資料:埼玉県
Ⅳ期
2011年
Ⅰ期
Ⅱ期
Ⅲ期
Ⅳ期
2012年
1月
先行きは、所得環境の改善が期待できず、当
面は様子見の状態で、前年並みで推移。
●大型小売店販売は、前年並みの状況が続いて
いる。
先行きも現状程度の横ばいで推移するとみら
れる。
主要産業の動向
(1)
一般機械 …生産は緩やかに回復
一般機械の生産は、総じてみれば緩やかに回
復している。
懸念される。
4月からの電気料金値上げに加え、特殊鋼や
切削油の値上げ、運送費の増加など、コストアッ
プ要因が多い。生産の回復は続くものの、そのテ
ンポは緩やかなものにとどまることから、コスト
上昇分の上乗せは簡単ではなく、収益は総じて
厳しい状況が続くとみられる。
一般機械の生産・在庫の推移
120
80
売の落ち込んでいる薄型TV向けが減少を続け
60
る一方、スマートフォン向けの生産が好調な企業
40
もある。自動車向けは、東日本大震災にタイの洪
20
カー補助金の復活などを受けて、足元の生産は
増加している。工作機械向けも比較的底堅く推
移しており、賃加工を行う下請け企業の中にも、
仕事量が増えている企業がみられる。建設機械
関連も、輸出用を中心に生産は堅調に推移して
いる。
生産指数
在庫指数
100
電機関連では、駆け込み需要の反動から、販
水被害が重なって、回復が遅れていたが、エコ
季節調整値
(2005年=100)
0
2010年
Ⅲ期
Ⅳ期
2011年
Ⅰ期
Ⅱ期
Ⅲ期
Ⅳ期
2012年
1月
資料:埼玉県
(2)
電気機械 …前年を下回る
1~3月期の生産は、前年比1割以上の減少とな
った。
薄型TVの生産が、エコポイント制度の廃止
しかし、自動車や電機などの大手メーカーが
や地デジによる前倒し需要の反動から、各社と
海外生産の動きを強めるなか、金型などは海外
も前年を下回る計画を見込んでいたものの、それ
向けが中心となり、国内設備向けは減少してい
を大幅に上回って減少したため。
る。逆に海外からの安価な金型に取って替わら
円高については、各社ともドル/円について為
れる企業も多く、業績が厳しい企業が少なくな
替に左右されない企業体質
(円建て輸出や、ド
い。ロボット関連では、中国・韓国向けの輸出が
ル建て輸入の増加など)に努めているものの、70
らみで、生産好調な企業があるものの、納入条
円台は相当に厳しい状況である。ただ、足元で
件は厳しく、収益面は楽ではないようだ。
は 80円台前半へ戻り、一息ついている状況であ
先行きについては、震災の復興需要もあり、建
設機械や工作機械関連の生産は引き続き底堅く
推移するとみられる。
るが、今後の為替レートについては不透明感が
強い。
欧州債務危機リスクの後退感から、ユーロ/
自動車関連も生産の回復が続くと期待される
円相場に一服感がみられるものの、危機感は依
ものの、エコカー補助金の予算が早期に枯渇す
然残っており、再び円高ユーロ安となる可能性が
る可能性もあり、その場合は生産の反動落ちが
高いとみられている。ユーロについては、輸入額
埼玉りそな経済情報2012.5 ——
が少なく、収益の減少に響く。
省エネ意識から、節電製品として一般家庭向け
製品別でみると、薄型TVや録画再生機など
にも増加している。ただ、大幅に増加しているも
は、昨年度実施されたエコポイントの終了、地上
のの、売り上げに占めるウエイトは小さく、全体
デジタル放送開始に伴い、需要が急激している。
また、中国向けの需要に期待感があったものの、
世界的な景気後退、海外メーカーの技術力が向
上していること、海外製品との価格差が縮小し
ていることなどから、国内メーカーにとって薄型
TV関連市場そのものが縮小している。
更に、販売価格は、従来1インチ=1万円と言
われたものが、足元では1インチ=千円と、十分
の一にまで下落している。ただ、メーカー側によ
ると
「価格の下落は、販売段階の流通在庫の積
み上がりによるもので、今年の秋口までには在
庫調整が一巡し、需要は回復する」という強気
な意見もあった。
ただ、
「 地デジ、エコポイントにより、買替需要
が前倒しされたため、これからは 2代目、3代目
TV需要や新技術の付加
(スマ ートTVや有機
電気機械の生産・在庫の推移
110
80
70
60
れている。需要の喚起には、より一層の省エネ技
術を高めた新製品・高機能モデル
(インバーター
式のエアコン、省エネ型の冷蔵庫、ドラム式の洗
Ⅳ期
2011年
Ⅰ期
Ⅱ期
Ⅲ期
Ⅳ期
2012年
1月
Ⅳ期
2012年
1月
Ⅳ期
2012年
1月
情報通信機械の生産・在庫の推移
80
季節調整値
(2005年=100)
70
60
生産指数
在庫指数
50
30
のの、
引き続き省エネ意識が強まることが期待さ
2010年
Ⅲ期
資料:埼玉県
った。
移した。今年度は、エコポイントが廃止されたも
在庫指数
90
40
より、省エネ型のエアコンや冷蔵庫が堅調に推
生産指数
100
EL など)による需要の開拓が必要」との声があ
白物家電では、一昨年の猛暑、昨年の節電に
季節調整値
(2005年=100)
20
10
0
2010年
Ⅲ期
Ⅳ期
2011年
Ⅰ期
Ⅱ期
Ⅲ期
資料:埼玉県
電子部品デバイスの生産・在庫の推移
110
季節調整値
(2005年=100)
生産指数
在庫指数
濯機など)
の開発が必要である。
自動車向けは前年比で二桁の増加と、エコカ
100
ー補助金・減税などの効果から順調に推移し、
薄型TVの減少分の一部を補っている。さらに
自動車1台当たりに使用される電子部品の点数
も増加しており、今後も、順調に推移するとみら
れている。
また LED関連も、事務所向けを中心に好調。
—— 埼玉りそな経済情報2012.5
90
80
2010年
Ⅲ期
資料:埼玉県
Ⅳ期
2011年
Ⅰ期
Ⅱ期
Ⅲ期
の収益の向上には結びついていない。
て、購買面での輸入品の活用による、生産の一
4~6月期については、エコポイント制度の終了
層の効率化をあげる声があった。燃費競争が激
に伴う反動から、前年を下回る動きが続くと見込
しく、小型化・軽量化が進み、軽自動車をはじめ
まれている。
売れ筋の車が小型化しており、利幅が小さくなっ
(3)
輸送機械 …生産・販売とも好調
ているためだ。また、完成車メーカーの現地生産
乗用車:昨年は大震災に加え、タイの洪水もあり、
化が進んでいるため、部品メーカーに対する工
部品の調達に支障をきたす等、県内の乗用車生
場の海外進出要請がこのところ強まっている、と
産は大きな影響を受けたが、昨年12月には通常
の声も聞かれた。
の生産に戻った。乗用車販売も昨年12月に復活
輸送機械の生産・在庫の推移
したエコカー補助金が追い風となり、前年比3割
を超える増加が続いている。このため、1~3月の
生産は好調で、前年水準を大幅に上回った。工
120
80
も行われている。
60
先行きについても、生産・販売ともに好調が続
40
きそう。ただ、エコカー補助金の予算枠は今年
20
期の動向は不透明だ。
トラック関連:トラックは乗用車に比べ、震災か
らの立ち直りも早く、昨秋以降、生産・販売ともに
生産指数
在庫指数
100
場はフル稼働が続いており、一部では休日稼働
度上半期には使い切る可能性が高いため、下半
季節調整値
(2005年=100)
0
2010年
Ⅲ期
Ⅳ期
2011年
Ⅰ期
Ⅱ期
Ⅲ期
Ⅳ期
2012年
1月
資料:埼玉県
(4)
鉄鋼 …生産は持ち直し
好調が続いている。資源国向けを中心に海外需
棒鋼の生産は、持ち直しを続けている。民間
要が強いことに加え、震災復興に伴う国内向け
住宅向けでは、震災後、一時的に落ち込んだ首
も好調で、1~3月は生産・販売ともに前年水準を
都圏のマンション建設が、その後は盛り返してお
大幅に上回った。
り、2011年度では前年実績を上回ったとみられ
先行きも、エコカー補助金に加え、震災復興関
る。今後も、住宅の取得ニーズ自体は底堅いもの
連の需要増が見込まれ、生産・販売ともに増加
があり、住宅エコポイントの復活も、マンション建
傾向が続くと見られる。
設の動きを後押ししよう。
部品メーカー:完成車メーカーの生産が好調に
民間非住宅向けでも、学校・病院等では増改
推移していることから、部品メーカーの1~3月期
築等の動きが続いており、首都圏のインターチェ
の生産も大幅に増加した。工場ではフル稼働が
ンジ近辺では、物流倉庫などの新設も多い。一
続いている。欧州債務危機や円高の進行が一服
方、製造業の設備投資は、業種によってバラツキ
したことも追い風となっている。
がある。国内向けが主体となる食料品製造業な
先行きについても好調を維持し、上半期はフ
どの一部に動きがみられるものの、為替相場が
ル稼働が続きそうだ。ただ、エコカー補助金の予
依然相当な円高水準にあることから、輸出関連
算枠がいつまで持つか、という点が懸念材料だ。
企業にとっては、
「 国内での設備投資には慎重に
生産の好調が続いているが、今後の課題とし
ならざるをえない」状況が続いている。公共事業
埼玉りそな経済情報2012.5 ——
向けは、震災の復興に伴う土木事業を中心に、
当面は底堅い動きが続こう。
学校の耐震化工事も、2011年度でほぼ一巡し
たとみられることから、夏場の工事が懸念される。
工作機械や建設機械の生産が比較的堅調な
ただ、一部の業者では、
「学校は終了したものの、
ことから、鋳物の生産も持ち直しているが、収益
役場や出先、公民館等の耐震化工事は遅れてい
面はこれまで以上に厳しい企業も少なくない。
る。今後、それらの需要が顕在化する」と期待し
スクラップ価格は、中国・韓国などからの購入
ている。2012年度を通じてみれば、前年並みは
意欲がやや低下したことで、比較的落ち着いた
確保できる見込み。公共工事は、受注できれば
動きとなっているものの、4月以降予定される電
一定の利益を確保することができることから、収
気料金引き上げへの対応が大きな課題。
益の下支えとなっている。
棒鋼はもちろん、鋳物についても、現在は電炉
民間工事:1~3月期の民間工事は、前年を下回っ
で生産する企業が増えているが、昼間に作業し
て推移。案件は、老健・介護関連などの福祉施
ている先はもちろん、料金の安い夜間に作業を
設で、長期安定した需要がある。
行ってきた企業では、今回の電気料金値上げが
法人向けの工場や倉庫などの引き合いは皆無
実行されれば、
コストの大幅な増加につながるこ
に近い状態で、引き続き低水準で推移している。
とから、このままでは、事業を継続できなくなる
ただ、工業団地の歯抜地
(工場が移転した土地)
先が相次ぐ可能性もある。
での工事案件の引き合いがあるなど、やや明るさ
鉄鋼の生産・在庫の推移
を感じる動きも一部にはみられた。
95
震災の影響については、1年を通じてみれば、
季節調整値
(2005年=100)
生産指数
特別なプラス面もなく、マイナス面もなかった。従
在庫指数
90
来東北方面からの職人が、地元に残り、県内で
は型枠工などを中心に職人不足が一部ではみら
85
れる。
80
資材価格は、足元は落ち着いているが、今後、
震災地での復興の進捗状況により、値上がりが
75
70
2010年
Ⅲ期
Ⅳ期
2011年
Ⅰ期
Ⅱ期
Ⅲ期
Ⅳ期
2012年
1月
資料:埼玉県
(5)
建設…前年並みで推移
懸念される。今後、値上げの影響を最小限に食
い止めるため、見積書に有効期限1カ月などと明
記することを検討している企業もあった。
また、停止している震災地の工場の従業員を
建設は、全体では前年並みで推移した。公共
埼玉県内の工場へ移動させ、従業させているケ
工事は前年をやや上回って推移したものの、民
ースもみられる。そうした企業から、県内工場の
間工事は前年を下回った。
ライン変更工事や、従業者及び家族の住居の斡
公共工事:1~3月期は、引き続き河川や道路など
旋を依頼されている業者もあった。
の改修や補修工事などが中心であった。4~6月
4~6月期は、1~3月期と大きな変化はなく、ほ
期は、新年度入りということで発注次第で、受注
ぼ同様な動きを見込んでいる。業者の中には、
の動向が左右されるものの、前年並みは確保で
駅周辺などのマンション適地を所有している地
きるとみている。
主へ、積極的に営業をかけている。優良物件で
—— 埼玉りそな経済情報2012.5
は、高利回りなことから、成約に結びついている
宝飾品等の高額品は、
「 都心では動いているが、
ケースもある。
売れ行きに波があり都内ほどではない」、また、
住宅:住宅は、前年が震災により3月中旬以降や
最近の消費者は「余分な買物をせず、今必要な
や落ち込んだことや、政策効果
(住宅版エコポイ
ものを買う傾向が強く、言わば堅実消費型」とい
ント)
の復活などのプラス面もあり、1~3月期は前
った声が聞かれた。
年を上回って推移した。
先行きについては、消費税増税の議論やパー
戸建は、一次取得者層に底堅い動きがみられ
トへの社会保険の適用拡大、電気料金の値上
る。購入者層としては、30歳代で、子どもがおり、
げの可能性、ガソリン高等、消費マインドを下押
共稼ぎの世帯。1人だけでは年収が足りないもの
しする懸念材料があり、やや盛り上がりに欠け、
の、夫婦の合計年収でローンを組んで購入して
現状程度で推移するとみられる。
いる。晩婚化などもあり、マンションを経ずに、
スーパー:1~3月のスーパーの売上は、前年並み
価格が手ごろな戸建物件を購入しているケース
となった。
が増加している。最近の特徴としては、チラシよ
気温が低い日が多く、衣料品等の冬物商品の
りもインターネットで確認し、物件の見学にくる
動きは良かったが、寒さや降雪の影響で客足が
顧客が増加している。
やや鈍ったほか、春物衣料の動きは鈍かった。
マンションは、震災を踏まえ、水回りなどの不
うるう年の影響で営業日が 1日多かった一方、昨
便さから一時低迷した。ただ、最近では耐震性
年3月は大震災後の食料品等の買いだめで、仮
などが見直され、比較的立地の良い県南部での
需があったことも影響した。ただ、昨年終わり頃
新規物件の供給に動きがみられる。
から、震災後落ち込んでいた食料品の売上が持
戸建、マンション業者ともに、用地の確保を積
極化しており、他社との競合が強まっている。
ち直してきている。
最近の傾向として、消費者が安心・安全を求
先行きについては、所得環境の大幅な改善は
める傾向が強まっている。価格に敏感であると
期待できないことから、本当に気に入った物件
いう点では節約志向は続いているが、値段が多
があれば購入意欲を示すなど、当面は様子見の
少高くても国産で産地が明確なものを求める傾
状況が続き、4~6月期以降も前年並みで推移す
向が強い。消費者は安心・安全に満足を感じて
るとみられる。
いる。
(6)
大型小売店販売 …横ばいで推移
東北産の商品を買う応援消費が根付き、被
百貨店:百貨店の売上は、1~2月は微減、3月は
災地の産品を使用した商品への消費者の反応
昨年の大震災による売上減の反動で、大幅に増
は総じて良い。ただ、お菓子等の加工品への反
加した。
応は良いが、農産物に対する反応は分かれて
主力の衣料品の売上は厳しく、売上は気温に
いる。
左右される傾向が続いている。寒い日が多かっ
先行きについては、現状程度あるいはやや弱
たため、冬物コート等の衣料品や毛布・掛け布
含みで推移するとみられる。春の賃金交渉では
団といった寝具は動いたが、春物の動きは鈍か
ベースアップがゼロとなり、一時金も前年を下回
った。食料品は堅調で、生鮮食品や菓子の売れ
るところが多く、所得面ではやや厳しい状況に
行きが良く、バレンタイン商戦も好調に推移した。
あるためだ。
埼玉りそな経済情報2012.5 ——
10
アンケート調査
・・・・・・・・・
・ 埼玉県内企業の2011年冬のボーナス支給状況
2011年冬のボーナス支給状況について、県内企
業へのアンケート調査を実施した。
造業では 0.5ポイントそれぞれ低下している。
一人 当たりボーナス 支 給 額
対象企業数941社。回答企業数 233社。回答率24.8%。
2012年1月中旬実施。
2011年冬のボーナスの支給総額を支給対象
人員で割った、一人当たり支給額は417千円とな
り、前年実績の 433千円に比べ▲3 .7%の減少と
ボーナス 支 給 実 績 の 有 無
なった
(ボーナス支給実額を記入いただいた企
2011年冬のボーナスの支給実績をたずねたと
業162社を集計)。
ころ、
「 正社員・パートともに支給」と答えた企業
業種別にみると、製造業では 387千円と前年
は全体の 50 .4%、
「 正社員のみ支給」とした企業
の 420千円から▲7.9%の減少、非製造業では
は 35 .7%、
「 支給しない」とする企業は13 .8%と
433千円で前年の 441千円から▲1.8%の減少と
なった。
なっており、製造業での減少幅が大きくなって
前年実績と比較すると、
「 正社員・パートともに
いる。
支給」とするところが 0.6ポイント増加している一
個別業種についてみると、
「 金属製品」が前年
方、
「 支給しない」とした企業が 0 .6ポイント減少
比▲15 .5%、
「 輸送機械」同▲14 .2%、
「 電気機
している。震災等により業況が悪化した企業も
械」同▲7.1%などでの減少が目立っている。
多かったが、その後の回復が総じて順調だった
海外経済の減速や円高、タイの洪水などの影
こともあり、ボーナスを支給するところは若干な
響を受け、昨年末にかけ輸送機械や電気機械を
がら増えている。
中心に業況回復が足踏みし、先行き懸念も強ま
業種別にみると、
「 正社員・パートともに支給」
ったためとみられる。
と答えた企業は製造業では 68 .9%、非製造業
なお、
「 金属製品」でボーナス支給額を減じて
では 38 .1%である。
「 正社員のみ支給」は製造
いるのは、輸送機械および電気機械に関わる金
業で 20 .0%、非製造業で 46 .3%。また、
「 支給
属加工メーカーが主である。
しない」は製造業で 11 .1%、非製造業で 15 .7%
2011年冬のボーナス一人当たり支給額 (社、千円、%)
である。
製造業では「正社員・パートともに支給」とす
一人当たり支給額
企業数
(2011年)
2011年
2010年
前年比
る割合が高く、非製造業では「正社員のみ支給」
全産業
162
417
433
▲3.7
とする割合が高い。また、
「 支給しない」を昨年
製造業
66
387
420
▲7.9
非製造業
96
433
441
▲1.8
実績と比較すると製造業では 0 .7ポイント、非製
2011年冬のボーナス支給実績の有無
(%)
合計
製造業
非製造業
正社員・パートともに支給
50.4
(49.8)
68.9
(68.8)
38.1
(36.8)
正社員のみ支給
35.7
(35.8)
20.0
(19.4)
46.3
(47.1)
支給しない
13.8
(14.4)
11.1
(11.8)
15.7
(16.2)
※
( )
内は 2010年実績
11 —— 埼玉りそな経済情報2012.5
ボーナス一人 当たり支 給 額 前 年比 の
推移
ボーナス一人当たり支給額前年比の推移をみ
ると、2007年夏以降2009年冬まで 6期連続
(3年
間)
前年実績を下回り、とくに、2009年夏、冬につ
いてはリーマンショックを受けた、輸出や生産の
2011年冬のボーナス支給総額と対象人員 (百万円、人、%)
落ち込み、雇用環境の悪化などにより、いずれも
支給総額
2011年 2010年 前年比 2011年 2010年 前年比
2ケタ減と大幅な落ち込みとなった。
2010年以降は生産等の回復により、製造業を
中心に収益の改善に応じてボーナス支給額を回
復する動きがみられ、2011年夏まで3期連続の
増加となったが、この冬は4期ぶりで減少となっ
支給対象人員
全産業
7,606
7,834
▲2.9 18,244 18,078
製造業
2,497
2,741
▲8.9
非製造業
5,109
5,093
6,454
0.9
6,520
▲1.0
0.3 11,790 11,558
2.0
た。また、ここ数年製造業での増減の振幅が大
きくなっているのが目立っている。
対照的な結果となった。
ボーナス一人当たり支給額前年比の推移
ボーナス 支 給 総 額 前 年 比 の 推 移
%
20
ボ ー ナス支給総額前年比の推移をみると、
15.4
13.3
13.0
10
8.5
6.7
4.1
0
1.4
1.4
▲2.6
-40
▲0.5
▲1.1
▲6.7
▲3.6
▲4.7
▲5.4
▲2.4
▲7.9
1.8
1.3
2.8
0.0 ▲1.8
は減少に転じた。
とくに、製造業では 2010年夏以降それ以前の
▲1.6
▲1.6
▲3.7
▲4.0
▲6.4
▲7.2
▲8.9
▲7.9
▲17.1 ▲16.9
-20
-30
▲3.1
年夏以降は 3期連続の増加となったが、この冬
6.8
5.3 5.1
3.7
1.3
▲3.1
-10
2009年夏、冬に大きな落ち込みとなった後、2010
11.0
大幅な減少の反動もあって大幅な増加が続いた
が、この冬は大きな減少となった。一方、非製造
業はこの夏の減少から増加に転じたが、総じて
増減幅は小さなものとなっている。 (吉嶺暢嗣)
ボーナス支給総額前年比の推移
全体
製造業
非製造業
▲29.8
%
30
▲37.1
2005年夏05年冬 06年夏 06年冬 07年夏 07年冬 08年夏 08年冬 09年夏 09年冬 10年夏 10年冬 11年夏 11年冬
ボーナス 支 給 総 額と支 給 人 員
アンケート回答企業の2011年冬のボーナス支
給総額は 76億6百万円で、当該企業の前年実績
78億34百万円から▲2.9%の減少となった。
業種別の支給総額の前年比をみると、製造業
が前年比▲8 .9%、非製造業が同+0 .3%と製造
業で比較的大きな減少となった。
支給対象人員は前年比+0 .9%、業種別では
3.3 3.1
2.2
0
3.2 2.4
3.4
▲3.7
-10
11.9
10.1
10
4.3
▲2.0
▲5.8
0.4
1.5 0.9
0.5
▲3.7
▲5.5
▲2.7
▲7.0
1.4
▲2.4
▲1.8
▲4.3
▲6.0
7.0
6.1
5.6
3.5
1.4
2.4
0.3
▲0.6
▲2.9
▲6.5
▲8.9
▲8.9
▲17.6 ▲18.0
-20
-30
▲32.4
-40
製造業で同▲1 .0%、非製造業で同+2 .0%と、
支給人員も製造業で減少、非製造業では増加と
21.1
20
-50
全体
製造業
非製造業
▲39.9
2005年夏05年冬 06年夏 06年冬 07年夏 07年冬 08年夏 08年冬 09年夏 09年冬 10年夏 10年冬 11年夏 11年冬
埼玉りそな経済情報2012.5 ——
12
県内経済の動き
概要 ● 埼玉県経済は、東日本大震災などの影響により厳しさがある中で、緩やかな持ち直しが
続いている。
個人消費
新車販売6カ月連続で増加
2月の大型小売店販売額は 782億円、前年比+
1 .3%
(既存店)と2カ月ぶりに増加した。飲食料品
や冬物衣料品が好調だった。業態別では、百貨店
(同+0 .4%)、スーパー
(同+1 .5%)
ともに増加した。
新設店を含む全店ベースの販売額も同+2 .0%と増
加した。
3月の新車販売台数
(乗用車)
は 23,104台、前年比
+88 .9%と6カ月連続で大幅増となった。エコカー
補助金の復活等が追い風となっている。車種別で
は普通乗用車が 10 ,554台
(同+91 .9%)、小型乗用
車が 12,550台
(同+86.4%)。
住宅
2カ月連続で前年を上回る
2月の新設住宅着工戸数は 5,048戸、前年比+5.5
%と2カ月連続して増加した。
利用関係別では、持家が 1 ,433戸
(前年比▲0 .6
%)、貸家が1,419戸
(同▲15.3%)
と減少したものの、
分譲住宅が 2 ,187戸
(同+31 .4%)と増加したため、
全体を押し上げた。
分譲住宅は、マンションが 936戸
(同+62 .5%)
、
戸建が 1,249戸
(同+14.7%)
と、ともに増加した。
今後、復興支援・住宅エコポイントなどから、持
ち直しの動きが期待される。
個人消費の推移
%
100
%
16
14
12
10
8
6
4
2
0
-2
-4
-6
-8
-10
3 年月
新車販売台数
(乗用車)
・前年比
80
大型小売店販売額
(全店)
・
前年比
(右目盛)
大型小売店販売額
(既存店)
・
前年比
(右目盛)
60
40
20
0
-20
-40
-60
2011/2 3
4
5
6
7
8
9
10 11 12 12/1
2
資料:関東経済産業局・日本自動車販売協会連合会
新設住宅着工戸数の推移
戸
7,000
%
40
前年比
(右目盛)
6,000
5,000
4,000
30
給与
20
貸家
10
3,000
2,000
1,000
0
0
分譲
-10
持家
2011/2 3
4
5
6
7
8
9
10 11 12 12/1
-20
2 年月
資料:国土交通省
公共工事
低調な動き
3月の公共工事の前払保証に対する請 負額は
239億円
(前年比▲5 .6%)と、2カ月連続して前年を
下回った。
発注者別では、国
(同▲21 .7%)、独立行政法人
等
(同▲19.3%)、埼玉県
(同▲2.3%)、市町村
(同▲
9.5%)
と、それぞれ減少した。
なお、2011年度は、前半が順調だったため、3 ,413
億円、同+3 .9%
(関東地方:同+4 .4%)と前年を上
回った。
公共工事は、2012年度入りするものの、総じて低
調に推移するとみられる。
13 —— 埼玉りそな経済情報2012.5
前払保証に対する請負額の推移
億円
500
埼玉県前年比
(右目盛)
関東前年比
(右目盛)
400
%
60
40
300
20
200
0
100
-20
0
2011/3 4
5
6
7
8
9
10 11 12 12/1 2
3
-40
年月
資料:東日本建設業保証 関東:埼玉、東京、神奈川、千葉、茨城、栃木、群馬
生産
2カ月連続して増加
1月の鉱工業生産指数
(季節調整値:2005年=
100)
をみると、生産指数は 93.7
(前月比+4.3%)
と2
カ月連続して、前月を上回った。
業種別では、一般機械、情報通信機械などが減
少したものの、輸送機械、電気機械などが増加した。
在庫指数は前月比+13 .1%の 66 .7と、輸送機械、
電気機械などを中心に増加した。
今後は、海外景気の下振れや原油高の影響など
から、下押し圧力の懸念が残っているものの、回復
が期待される。
鉱工業指数の推移
100
2005年=100
(季節調整値)
90
(予測)
80
70
60
50
生産指数
(埼玉)
在庫指数
(埼玉)
生産指数
(全国)
2011/1 2
3
4
5
6
7
8
9 10 11 12 12/1 2
3
4 年月
資料:経済産業省・埼玉県 (注)予測は、鉱工業生産指数(全国)を製造工業生産予測指数で換算したもの。
雇用
有効求人倍率は0.56倍
万人
15
埼玉県
(右目盛)
倍
0.8
全国
(右目盛)
0.7
0.6
10
0.5
0.4
5
有効求職者数
有効求人数
2月の有効求人倍率
(季節調整値)は、前月から
0.02ポイント上昇して、0.56倍となった。
有効求職者数は107,668人
(前年比▲1 .7%)と、
21カ月連続で前年を下回っ たが、有効求人数は
67,554人
(同+10 .9%)
と、22カ月連続で前年を上回
っている。新規求人倍率
(季節調整値)
は、前月から
0.03ポイント下降して、0.96倍となっている。
有効求人倍率は、持ち直しの動きを見せ始めて
いるものの、なおその水準は低く、県内の雇用情勢
は依然として厳しい。
有効求人倍率の推移
0
0.3
2011/2 3
4
5
6
7
8
9
10 11 12 12/1
0.2
2 年月
資料:埼玉労働局
企業倒産
倒産件数は40件
3月の倒産は、件数が 40件
(前年比▲9件)、負債
総額は43億4,600万円
(同▲64.1%)
であった。
倒産件数を業種別にみると、
「 建設業」が 13件で
最も多く、次いで
「製造業」の 8件、
「卸売業」の 6件、
「サービス業他」の 4件、
「 運輸業」の3件などが続
いている。
2011年度の倒産件数は、前年比8.4%増の584件、
負債総額は同20 .6%減の 748億5 ,000万円で、負債
金額は前年から大きく減少したが、東日本大震災の
影響などから、零細企業を中心に倒産件数は 3年
ぶりに前年を上回った。
負債総額と倒産件数の推移
億円
150
負債総額
件
70
件数
(右目盛)
60
100
50
40
50
30
20
0
2011/3 4
5
6
7
8
9
10 11 12 12/1
2
10
3 年月
資料:東京商工リサーチ埼玉支社
埼玉りそな経済情報2012.5 ——
14
月
次
経
済
指
標
鉱工業生産指数
(季調値)
鉱工業在庫指数
(季調値)
埼玉県
埼玉県
全国
建築着工非居住用
全国
埼玉県
2005年=100 前月比(%)2005年=100 前月比(%)2005年=100 前月比(%)2005年=100 前月比(%) 1,000㎡
全国
前年比(%) 1,000㎡
前年比(%)
2008年
101.2
▲5.2
103.8
▲3.4
110.0
6.6
109.0
4.8
3,431
▲7.8
60,963
▲6.4
2009年
78.6
▲22.3
81.1
▲21.9
66.8
▲39.3
93.1
▲14.6
1,722
▲49.8
42,947
▲29.6
2010年
91.5
16.4
94.4
16.4
88.1
31.9
96.6
3.8
2,042
18.6
44,521
3.7
2011年
86.9
▲5.0
92.2
▲2.3
64.8
▲26.4
100.3
3.8
2,165
6.0
47,253
6.1
11年 1月
93.7
2.1
97.4
1.2
86.9
8.4
101.1
4.6
89
▲51.9
3,586
11.1
2月
91.1
▲2.8
98.5
1.1
80.5
▲7.4
102.0
0.9
158
63.1
3,146
▲8.7
3月
80.5
▲11.6
82.5
▲16.2
77.2
▲4.1
98.1
▲3.8
202
5.4
4,068
▲2.2
4月
84.2
4.6
84.5
2.4
76.8
▲0.5
98.9
0.8
173
▲11.6
4,361
28.1
5月
92.4
9.7
89.4
5.8
76.6
▲0.3
104.0
5.2
223
101.8
3,842
11.9
6月
90.4
▲2.2
92.8
3.8
72.2
▲5.7
101.1
▲2.8
216
▲8.7
4,411
13.5
7月
85.0
▲6.0
93.8
1.1
73.5
1.8
101.1
0.0
291
50.2
4,338
2.3
8月
87.9
3.4
94.6
0.9
71.2
▲3.1
102.8
1.7
160
▲14.5
4,475
16.7
9月
84.7
▲3.6
92.8
▲1.9
72.2
1.4
102.9
0.1
137
10.5
3,518
▲18.2
10月
84.2
▲0.6
94.5
1.8
71.3
▲1.2
103.8
0.9
154
2.6
3,951
3.0
11月
81.2
▲3.6
92.9
▲1.7
65.5
▲6.1
103.3
▲0.5
161
1.4
3,826
9.9
12月
89.8
10.6
95.0
2.3
59.0
▲9.9
101.5
▲1.7
201
▲4.4
3,731
▲14.2
12年 1月
93.7
4.3
95.9
0.9
66.7
13.1
103.6
2.1
224
150.8
3,883
8.3
94.4
▲1.6
103.1
▲0.5
130
▲17.5
3,510
11.6
2月
3月
資料出所
埼玉県
経済産業省
埼玉県
経済産業省
国土交通省
●鉱工業在庫指数の年の数値は年末値
新設住宅着工戸数
埼玉県
戸
所定外労働時間
(製造業)
全国
前年比
(%)
戸
埼玉県
前年比
(%)
2008年
71,325
10.3
1,093,519
3.1
2009年
54,198
▲24.0
788,410
2010年
55,368
2.2
813,126
2011年
57,772
4.3
11年 1月
4,139
2月
時間
常用雇用指数
全国
前年比
(%)
時間
前年比
(%)
埼玉県
全国
2005年=100
2010年=100
15.9
▲5.6
17.3
▲6.3
101.5
99.3
▲27.9
11.0
▲35.5
11.7
▲32.6
100.3
100.2
3.1
14.1
27.4
15.4
31.7
99.2
100.0
834,117
2.6
13.1
▲6.4
15.4
▲0.5
101.5
100.0
▲4.5
66,709
2.7
12.8
▲2.3
14.6
7.3
103.1 (100.7)※
99.8
4,788
13.4
62,252
10.1
13.7
3.8
16.0
6.6
100.5 (98.1)※
99.5
3月
3,888
▲13.9
63,419
▲2.4
13.3
▲2.2
15.2
▲2.0
4月
4,610
9.9
66,757
0.3
12.0
▲16.1
13.8
5月
4,051
▲3.9
63,726
6.4
11.6
▲12.8
6月
4,969
8.1
72,687
5.8
12.3
7月
6,202
33.4
83,398
21.2
8月
5,147
7.5
81,986
14.0
9月
4,380
▲16.3
64,206
10月
5,209
29.4
67,273
11月
5,228
9.5
※
99.0
▲10.4
100.0 (97.6)
100.9 (98.4)※
100.3
13.4
▲6.9
101.6 (99.2)※
100.3
▲16.3
15.0
▲1.3
102.2 (99.7)※
100.3
13.0
▲9.7
15.8
▲1.2
※
102.5 (100.0)
100.4
13.2
▲8.3
15.3
▲1.8
101.7 (99.2)※
100.2
▲10.8
12.9
▲10.3
16.1
0.6
※
101.7 (99.1)
100.2
▲5.8
14.1
▲0.6
16.5
3.1
101.5 (99.0)※
99.8
72,635
▲0.3
14.4
▲1.5
16.3
0.0
101.0 (98.6)
100.1
14.8
1.3
100.9 (98.5)
99.8
※
12月
5,161
▲2.3
69,069
▲7.3
16.6
1.9
12年 1月
4,658
12.5
65,984
▲1.1
15.1
▲0.7
99.6
2月
5,048
5.5
66,928
7.5
(P) 16.7
0.1
(P) 99.4
3月
資料出所
国土交通省
埼玉県
厚生労働省
●所定外労働時間、常用雇用指数はいずれも規模30人以上 (P)
は速報値
※11年1月より算出方法が変更されたため、データに連続性がない。
( )
内は従来基準による参考データ 15 —— 埼玉りそな経済情報2012.5
※
埼玉県
厚生労働省
月
次
有効求人倍率
(季調値)
埼玉県
全国
倍
倍
経
済
指
標
新規求人数
大型小売店販売額
埼玉県
人
全国
前年比
(%)
千人
埼玉県
前年比
(%)
億円
全国
前年比
(%)
億円
前年比
(%)
2008年
0.87
0.88
25,310
▲13.3
679
▲15.8
10,917
▲1.6
209,511
▲2.5
2009年
0.40
0.47
18,563
▲26.8
523
▲23.0
10,416
▲6.1
197,758
▲7.0
2010年
0.41
0.52
19,633
5.9
571
9.3
10,410
▲2.3
195,791
▲2.6
2011年
0.51
0.65
22,517
14.7
655
14.7
10,459
▲1.8
195,936
▲1.8
11年 1月
0.49
0.60
24,302
27.1
662
18.8
905
▲0.1
17,406
▲0.7
2月
0.50
0.61
23,278
29.3
664
22.9
767
0.2
14,469
0.5
3月
0.52
0.62
20,927
7.8
664
10.5
826
▲7.0
15,115
▲7.5
4月
0.52
0.62
23,200
27.4
620
12.2
847
▲0.6
15,657
▲1.9
5月
0.51
0.62
20,239
20.9
584
1.1
856
▲3.2
15,774
▲2.5
6月
0.50
0.63
20,602
7.9
640
12.6
869
▲0.4
16,033
▲0.5
7月
0.50
0.65
22,551
11.9
649
12.2
938
1.6
17,843
0.8
8月
0.51
0.66
22,971
13.1
680
18.4
824
▲3.5
15,575
▲2.6
9月
0.51
0.67
23,398
8.5
702
12.5
795
▲4.7
14,728
▲3.6
10月
0.51
0.68
25,338
11.9
719
11.8
859
▲1.8
16,057
▲1.4
11月
0.52
0.69
23,399
9.4
685
14.2
875
▲3.0
16,370
▲2.5
12月
0.52
0.71
20,004
5.5
597
14.4
1,100
0.1
20,910
▲0.3
12年 1月
0.54
0.73
26,470
8.9
744
12.4
902
▲0.8
17,426
▲1.0
0.56
0.75
26,251
12.8
773
16.3
782
1.3
14,659
0.2
2月
3月
資料出所
埼玉労働局 厚生労働省
埼玉労働局
厚生労働省
関東経済産業局
経済産業省
●大型小売店販売額は全店ベース、前年比は既存店ベース
新車販売台数
(乗用車)
埼玉県
台
企業倒産
全国
前年比(%)
台
消費者物価指数
埼玉県
全国
埼玉県
全国
前年比(%) 件数
(件) 負債額(百万円) 件数
(件) 負債額(百万円) 2010年=100 前年比(%)2010年=100 前年比(%)
2008年
159,299
▲5.8 2,800,664
▲5.2
586
144,150
15,646 12,291,953
102.1
1.2
102.1
1.4
2009年
146,611
▲8.0 2,640,312
▲5.7
636
153,345
15,480
6,930,074
101.0
▲1.1
100.7
▲1.4
2010年
161,858
10.4 2,927,602
10.9
573
111,207
13,321
7,160,773
100.0
▲1.0
100.0
▲0.7
2011年
129,169
▲20.2 2,386,036
▲18.5
563
70,551
12,734
3,592,920
99.9
▲0.1
99.7
▲0.3
9,679
▲22.1
167,574
▲23.8
31
2,721
1,041
236,397
99.4
▲0.5
99.5
▲0.6
2月
12,797
▲15.5
226,691
▲16.2
32
3,104
987
410,188
99.5
▲0.4
99.5
▲0.5
3月
12,232
▲40.3
243,783
▲39.5
49
12,102
1,183
270,244
99.7
▲0.8
99.8
▲0.5
4月
4,937
▲55.1
97,128
▲51.5
53
6,469
1,076
279,567
99.9
▲0.5
99.9
▲0.4
5月
7,523
▲34.0
128,544
▲38.0
51
6,868
1,071
252,674
99.8
▲0.2
99.9
▲0.4
6月
10,429
▲28.6
202,345
▲28.9
60
7,072
1,165
216,353
99.8
▲0.1
99.7
▲0.4
7月
10,668
▲37.2
215,265
▲30.0
50
5,823
1,081
220,912
100.1
0.6
99.7
0.2
8月
10,022
▲35.1
188,656
▲29.5
53
4,350
1,026
794,045
100.4
0.6
99.9
0.2
9月
15,454
▲2.6
280,379
0.8
48
3,954
1,001
212,312
100.2
0.3
99.9
0.0
10月
12,046
25.6
220,271
28.3
43
5,238
976
155,883
100.5
0.1
100.0
▲0.2
11月
12,549
24.9
221,048
23.9
46
3,808
1,095
187,675
99.6
▲0.4
99.4
▲0.5
11年 1月
12月
10,833
21.9
194,352
23.4
47
9,042
1,032
356,670
99.8
0.1
99.4
▲0.2
12年 1月
14,434
49.1
239,107
42.7
45
11,240
985
349,355
100.3
0.9
99.6
0.1
2月
17,277
35.0
301,791
33.1
48
6,640
1,038
631,263
100.4
0.9
99.8
0.3
3月
23,104
88.9
443,727
82.0
40
4,346
1,161
333,931
資料出所
日本自動車販売協会連合会
東京商工リサーチ
埼玉県
総務省
埼玉りそな経済情報2012.5 ——
16
● タウンスケープ
本庄市
環 境 共 生 都 市 本 庄
市 長 のメッ セ ー ジ
本庄市は、
豊かな自然、
交通環境、
多彩な市民活動、
伝統あるまつりや文化財、豊富な農産物、地域に貢献
する企業、教育施設などに恵まれた、資源豊かな総合
力のある都市です。
現在、本庄早稲田駅周辺で展開されている
「本庄早
稲田の杜づくり」では、北関東に開けた拠点として、環
境に配慮した新たな顔としてのまちづくりを行っていま
す。この地域の取り組みを市全体に波及させ環境共生
本庄市長
吉田 信解 氏
はじ めに
都市への取り組みを推進していきます。
場町から日本一の繭の町へと変貌を遂げる。
昭和29年には本庄町と周辺4村が昭和の大合
本庄市は県の北西部に位置し、東は深谷市、
併により本庄市となり、平成18年には旧本庄市と
南は美里町・長瀞町・皆野町、
西は上里町・神川町、
旧児玉町が合併し、新たに本庄市が誕生した。
北は利根川をはさんで群馬県伊勢崎市と接して
りく
せん
しゃ
いる。関越自動車道や国道17号、254号、462号と
世界最古の自 転 車「 陸 船 車 」の 発 祥 地
いった幹線道路が市内を縦横に走り、鉄道もJR
自転車は19世紀に欧州で考案され発展して
高崎線や八高線のほか、平成16年には上越新幹
きたとされているが、実はその100年以上も前に
線本庄早稲田駅が開業し、東京と上信越方面を
本庄で発明されていた。
「 陸船車」と呼ばれ、江
結ぶ交通の要衝となっている。新幹線開業によ
戸時代の享保年間に武蔵国児玉郡北堀村
(現
り、
東京までの所要時間は約50分に短縮された。
在の本庄市北堀)の庄田門弥という人物が考案
江戸時代には中山道の整備とともに本庄宿
が誕生した。ここは越後や信州への分岐点とな
しょう だ もん や
したとされる。
ひら いし
彦根藩
(現滋賀県彦根市)の藩士だった平石
く へい じ
しん せい りくしゅうほん しゃ の
き
った地域で、天保14
(1843)年には人口4 ,554名、
久平次が著した
「新製陸舟奔車之記」には、享
家数1,212軒と中山道最大の宿場町に発展した。
保14年
(1729年)、門弥が作った陸船車が将軍
明治に入り、繭や生糸の集散地として繁栄し、宿
徳川吉宗の耳に入り近くご覧になる、と記録され
ており、その絵図面が載せられている。
陸船車は文字通り船型の車で、船型の車体に
4つの木製車輪がつき、車体は桐で作られてい
た。現在の自転車とはかなり異なった外観だが、
人力による自走式の乗り物で、
「 一時
(約2時間)
に7里
(約28㎞)を走り、坂を登ることが出来た」
という。駆動部分の足踏み歯車は中央の箱の中
に収納され、紅白幕で覆われていた。直進しかで
きないので、方向転換は体の重心を左右に傾け
門弥式陸船車
(復元模型)
17 —— 埼玉りそな経済情報2012.5
て行ったとされる。
した
「住宅ゾーン」など 6つの地区からなり、整備
もり
本 庄早 稲 田 の 杜 づくり
が進められている。平成22年には、まちびらきフ
本庄早稲田の杜は、本庄早稲田駅を中心とし
ェスタが盛大に開催され、今年はホームセンター
た、早稲田大学本庄キャンパスを含む早稲田リ
のカインズが本庄早稲田駅前に本社を移転する
サーチパークや、本庄早稲田駅周辺土地区画整
ほか、来年には駅をはさんだ向かい側に、総合ス
理事業を包含するエリア。ここで本庄市の新た
ーパーのベイシアが大型商業施設を開業する予
な拠点地域づくりが進められている。
「 孫子の代
定になっている。
まご こ
まで引き継いでいけるまちづくり」をキーワードと
中核となる商業施設の開業によって、本庄早稲
して、
「 新たな顔としてのまちづくり」、
「 豊かな自
田の杜づくりが加速することが期待されている。
然環境と調和したまちづくり」、
「 ユニバーサルデ
ザインのまちづくり」の3つのコンセプトを掲げる、
エコタウン
市民・民間・行政の協働によるまちづくりである。
本庄早稲田の杜では、早稲田大学、企業等が
大型商業施設を誘致し賑わいを創出する
「新
加盟するスマートエネルギータウンプロジェクト
都心拠点ゾーン」、早稲田リサーチパークと連携
が主体となり、本庄早稲田駅周辺において、再
した
「産業業務拠点ゾーン」、周辺の自然と調和
生可能エネルギー
(バイオマス、地中熱、太陽熱、
太陽光)による発電と余剰熱等の地域のエネル
ギー、交通システム、市民のライフスタイルを統
合的に組み合わせ、さまざまな研究開発・実験を
実施している。
本庄市は、環境共生都市への取り組みをさら
に進めるために、埼玉県によるエコタウンプロジ
ェクトに実施自治体として立候補し、この地域の
取り組みを周辺地域に波及させ市全体のエコタ
ウン化を図るとともに、次世代の環境都市モデル
の構築を進めている。 (樋口広治)
上越新幹線「本庄早稲田駅」
本庄市
本庄市概要
上里町
深谷市
美里町
人口 (平成22年10月1日現在)
81,889人
世帯数 (平成22年10月1日現在)
32,217世帯
平均年齢
(平成22年10月1日現在)
45.4歳
面積
89.71㎢
事業所数
(工業統計:平成22年速報)
製造品出荷額等
(同上)
さいたま市
主な交通機関
●JR上越新幹線 本庄早稲田駅
JR高崎線 本庄駅
161所
3,356.6億円
商店数 (商業統計)
925店
商品販売額
1,310.7億円
公共下水道普及率
49.5%
舗装率
62.5%
*資料「埼玉県市町村勢概要
(平成23年3月)」他
●関越自動車道 本庄児玉ICから市役所まで
約5㎞
JR八高線 児玉駅
埼玉りそな経済情報2012.5 ——
18
市町村別住宅着工戸数
市町村名
市町村名
平成21年度 平成22年度 前年度比
(戸)
(戸)
(%)
市町村名
平成21年度 平成22年度 前年度比
(戸)
(戸)
(%)
10,836
10,962
1.2
朝 霞 市
988
873
▲11.6
滑 川 町
130
134
3.1
川 越 市
3,451
2,927
▲15.2
志 木 市
617
847
37.3
嵐 山 町
88
109
23.9
熊 谷 市
1,146
1,705
48.8
和 光 市
664
636
▲4.2
小 川 町
145
202
39.3
川 口 市
3,541
4,278
20.8
新 座 市
991
1,172
18.3
川 島 町
69
70
1.4
行 田 市
429
482
12.4
桶 川 市
610
552
▲9.5
吉 見 町
49
55
12.2
秩 父 市
256
250
▲2.3
久 喜 市
932
909
▲2.5
鳩 山 町
51
40
▲21.6
所 沢 市
2,338
2,355
0.7
北 本 市
316
476
50.6
ときがわ町
51
35
▲31.4
飯 能 市
380
576
51.6
八 潮 市
687
935
36.1
横 瀬 町
26
29
11.5
加 須 市
777
674
▲13.3
富士見市
827
648
▲21.6
皆 野 町
33
30
▲9.1
本 庄 市
491
439
▲10.6
三 郷 市
1,073
1,475
37.5
長 瀞 町
22
32
45.5
東松山市
612
838
36.9
蓮 田 市
346
349
0.9
小鹿野町
32
48
50.0
春日部 市
1,279
1,537
20.2
坂 戸 市
855
839
▲1.9
東秩父村
0
10
―
狭 山 市
923
823
▲10.8
幸 手 市
367
268
▲27.0
美 里 町
41
87
112.2
羽 生 市
344
345
0.3
鶴 ヶ島 市
460
646
40.4
神 川 町
51
50
▲2.0
鴻 巣 市
735
827
12.5
日 高 市
424
402
▲5.2
上 里 町
199
154
▲22.6
深 谷 市
938
999
6.5
吉 川 市
583
668
14.6
寄 居 町
161
177
9.9
上 尾 市
1,855
1,469
▲20.8
ふじみ野市
790
734
▲7.1
宮 代 町
155
238
53.5
草 加 市
2,288
2,099
▲8.3
51,489
52,057
1.1
白 岡 町
400
380
▲5.0
越 谷 市
3,192
2,811
▲11.9
杉 戸 町
254
183
▲28.0
市
611
597
▲2.3
伊 奈 町
355
434
22.3
松 伏 町
188
124
▲34.0
戸 田 市
2,080
1,195
▲42.5
三 芳 町
177
167
▲5.6
町 村 計
2,932
3,053
4.1
入 間 市
848
967
14.0
毛呂山町
202
230
13.9
鳩ヶ谷市
609
473
▲22.3
越 生 町
53
35
▲34.0
蕨
市
計
発行・株式会社埼玉りそな銀行
●平成
さいたま市
5
月号
平成21年度 平成22年度 前年度比
(戸)
(戸)
(%)
埼玉りそな 経 済 情 報
市町村経済データ
年
24
54,421
55,110
1.3
5
月
市町村計
日発行(毎月
1
資料:国土交通省「建築統計年報」
(注)
市町村名は調査時点
回
1
埼玉りそな経済情報 5月号 No.101
2012年5月1日発行
株式会社 埼玉りそな銀行
公益財団法人 埼玉りそな産業経済振興財団
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101
号)
発 行
企 画・ 編 集 日発行・通巻
1
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