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28r ,2025 410

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28r ,2025 410
長 期 間 喫 合 支 持 を 喪 失 さ せ た ラ ッ トに お け る 嘆 合 支 持 の 回 復 が
空 間認 知 能 お よび海 馬 神 経 細 胞 密 度 に及 ぼす 影 響
坂本
健一
Ef
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ect
sofoccl
usalsuppor
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il\1--
緒
言
近年 ,我 が国は高齢者 の増加 に伴 い超 高齢 社 会を迎 えた。 それ に伴 い
高 齢 者 の 認 知 症 患 者 の 増 加 が 予 想 され て お り, 厚 生 労 働 省 の 発 表 に よ る
)年 に は 28r
)万 人 で あ っ た 認 知 症 患 者 数 は ,2025年 に は 41
0万
と ,201〔
人 に ま で 増 加 す る と言 わ れ て い る
.ア ル ツ- イ マ - 病 は 認 知 症 の最 も
り.
7
重 要 な 原 因 疾 患 で あ り, 歯 牙 の 盛 矢 が ア ル ツ ハ イ マ ー 型 認 知 症 の 疫 学 的
リス ク フ ァ ク タ - の 一 つ で あ る こ と ユ
)
は 広 く知 られ て き た ,
.さ らに,残
存 歯 数 が 少 な い 高齢 者 ほ ど認 知 機 能 の 低 下を認 め
機 能 の 低 下 が 認 知 機 能 に 影 響 を及 ぼ す こ と
JL
5),
岨
〕),
歯 牙 の喪 失や 岨噸
慣時 には脳活動 の賦 活
化 を 秘 め る こ と 6)
が 報 告 され て い る 。 ま た , 動 物 実 験 に お い て も 歯 牙 の
抜 歯 ,歯 冠切 除 に よる校 合 支持 の喪 失や 軟性 飼料 の摂 取 に よる岨慣感 覚
刺 激 の 減 少 が , 高 次 脳 機 能 の 低 下 を 引 き 起 こす こ とが 報 告 され て お り
、
t
7 一日
, 岨 噛 機 能 と高 次 脳 機 能 と の 関 連 性 に つ い て 多 岐 に わ た る 研 究 が 進
め られ て い る O
ま た , 義 歯 装 着 者 に お け る研 究 で は , 義 歯 を 用 い た 岨 噂 運 動 に よ っ て
大 脳 皮 質 の 神 経 活 動 が 賦 活 化 され る こ と が 報 告
12)され
て お り,欠 損 補 綴
治 療 に よ る 岨 唱 機 能 な らび に 喫 合 支 持 の 回 復 が 高 次 脳 機 能 に 与 え る 影 響
に つ い て の 研 究 も 進 め られ て い る . ま た , 我 々 は 過 去 に , 上 顎 臼 歯 を 抜
歯 し喫 合 支 持 を 寒 失 さ せ た ラ ッ トに 実 験 用 義 歯 を 用 い て 速 や か に 峻 合 支
持 を 回 復 させ る と , 空 間 認 知 能 お よ び 海 馬 神 経 細 胞 密 度 の 低 下 が 抑 制 さ
れ る こ と を 示 した
13㌧
これ は ,歯 牙 喪 失 後 の 速 や か な 喫 合 支 持 の 回 復 は ,
単 に 岨 慣 機 能 を 回 復 す るだ け で は な く, 空 間 認 知 能 な どの 高 次 脳 機 能 に
影 響 を 与 え る 可 能 性 を 示 唆 して い る
。.
し か しな が ら , 臨 床 の 場 に お い て 速 や か な 欠 損 補 綴 治 療 が 行 わ れ ず ,
長 期 間 嘆 合 支 持 が 喪 失 して い る 高 齢 患 者 に 多 々 遭 遇 す る <. こ の 中 で , 特
に 認 知 機 能 が 低 下 して い る 患 者 で は , 長 期 間 の 喫 合 支 持 の 喪 失 が 一 因 と
な っ て い る 可 能 性 が 考 え られ る, 現 在 の と こ ろ 校 合 崩 壊 が 長 期 間 に 及 ん
だ 高 齢 患 者 に 対 す る欠 損 補 綴 治 療 が , 高 次 脳 機 能 に 与 え る影 響 に つ い て
の 検 討 は 行 わ れ て い な いO この 点 を 解 明 す る こ とは 補 綴 歯 科 治 療 の 有 用
性 を 示 す う え で 非 常 に 重 要 で あ る と 考 え られ る ,
本 研 究 は , 若 齢 期 に 抜 歯 して 長 期 間 噴 合 支 持 を 喪 失 させ た 老 齢 ラ ッ ト
に 対 して 実 験 用 義 歯 を 用 い た 喫 合 支 持 の 回 復 が , 空 間 認 知 能 お よ び 海 馬
神 経 細 胞 に 及 ぼ す 影 響 を , 8方 向 放 射 状 迷 路 を 用 い て 検 討 す る こ と を 目
的 と し た.,
2
材 料 な らび に 方 法
I. 実 験 動 物
実 験 動 物 に は Wi
star系 雄 性 ラ ッ ト .
30匹 を 用 い た C
.ラ ッ トは 上 顎 臼 歯
の 抜 歯 を 施 術 し た 臼 歯 抜 歯 群 10 匹 , 上 顎 臼 歯 抜 歯 後 に 実 験 用 義 歯 を 装
)匹 , 対 照 群 10匹 の 3群 に 無 作 為 に 振 り 分 け た .
)ラ
着 した 義 歯 装 着 群 1〔
ッ トは 12時 間 毎 の 明 暗 サ イ ク ル の 飼 育 室 内 に お い て 硬 性 飼 料 (M F :オ
リエ ン タ ル 酵 母 工 業 株 式 会 社 , 東 京 , 日本 ) お よ び 水 分 を 自 由 摂 取 で き
る環 境 で 飼 育 した ,
,
l歯 の 抜 歯 を 施
臼歯 抜 歯群 及 び 義 歯 装 着 群 は , 7 過 齢 時 に 全 て の 上 顎 E
術 し, 対 照 群 に は 麻 酔 の み の 偽 手 術 を 行 っ た L
.
,義 歯 装 着 群 は , 臼 歯 抜 歯
後 に 嘆 合 支 持 の 回 復 の た め の 実 験 用 義 歯 を 装 着 し た 。 実 験 用 義 歯 は , 41
週 齢 時 に レ ジ ン ト レー と シ リ コ ー ン 系 印 象 材 を 使 用 し て ラ ッ ト 口 腔 内 の
,対 照 群 お
印 象 採 得 を 行 い 間 接 法 で 製 作 後 ,42適 齢 時 に 上 顎 に 装 着 し た .
よび 臼歯 抜 歯群 に は麻 酔 の み の 偽 手 術 を行 った 、 実験 用義 歯 は ,切 歯部
ACRON:GC,
に 維 持 用 ワ イ ヤ ー を 設 定 し ,嘆 合 面 は 加 熱 重 合 型 レ ジ ン (
東 京 , 日本 ) に よ っ て 構 成 し た (
図
1)O 喫 合 高 径 は 前 歯 の 被 蓋 関 係 が 対
照 群 の そ れ と 同 様 に な る よ うに 義 歯 床 の 厚 み を 調 整 し, さ ら に 下 顎 対 合
歯 が均一
一
一に 接 触 す る よ う に 調 整 し た ∴ 本 研 究 に お け る 臼 僻 技 師 , 印 象 採
得 , 実 験 用 義 歯 の 装 着 お よ び 偽 手 術 は . ベ ン トパ ル ビ タ ー
ール ナ ト リ ウ ム
3
(ソ ム ノ ペ ン チ ル :共 立 製 薬 , 東 京 , 日 本 ) を 用 い た 腹 腔 内 麻 酔 下
(30mg/
kg) に お い て 施 術 し た C
な お ,本 研 究 は 岡 山 大 学 動 物 実 験 委 員 会 の 指 針 に 従 い 同 委 員 会 の 承 認 を
得 て行 った。
Ⅱ.空 間認 知 能 の 評 衝
行 動 学 的 テ ス トに は 8方 向 放 射 状 迷 路
14)
(Radi
alarm maze.ニ ュ ー
ロ サ イ エ ン ス , 東 京 , 日本 ) を 周 い た り こ れ は 高 次 脳 機 能 の 一 つ で あ る
空 間 認 知 能 の 評 価 方 法 と して 一 般 的 に 用 い ら れ る 装 置 で あ る .
=
.迷 路 は 床
か ら 50c
m の 高 さ に 設 燈 さ れ , 中 央 の 直 径 24cm の プ ラ ッ トフ ォ ー ム と
)
cm の 8 つ の ア ー ム に よ っ て
そ こ か ら放 射 状 に 広 が る 長 さ 50cm, 幅 1(
)
r
皿 の透 P
J
]な プ ラ ス チ ッ ク 製 の 壁 に よ り
構 成 され る.
_
, ア一
一ム は , 高 さ 5(
構 築 され , 実 験 動 物 は 迷 路 を 取 り囲 む 祝 儀 的 な 手 が か りか ら空 間 的 位 置
関 係 を 把 握 し行 動 す る
15)Oそ
れ ぞ れ の ア ト ム の 先 端 に は 45mgの 報 酬 用
ペ レッ ト (
Dust
l
essP上
・
eCi
s1
0n・
Pel
j
et
.
持, Ri
o・
s
erv, USA) を 置 く た め の
フ ー ドカ ッ プ が 設 置 さ れ て い る 0
47週 齢 以 降 は 食 餌 制 限 を 行 い , 通 常 飼 育 の 同 一一過 齢 WI
St
ar系 雄 性 ラ
85%の 範 閣 内 に 維 持 す る よ う に し た 。 水 分 は 自 由
ッ トの 平 均 体 竃 の 80摂 取 の ま ま と した .
。
迷 路 実 験 開 始 前 に , ラ ッ トを 実 験 装 置 に 憤 れ さ せ て , 実 験 室 内 の 情 報
を 覚 え させ る た め の 馴 化 試 行 を 5R間 行 っ た こ こ の 試 行 で は 最 初 の う ち
は ラ ッ トが 迷 路 内 全 域 を 探 索 す る よ うに ペ レ ッ トを 迷 路 の い た る と こ ろ
4
に 配 置 した 。 そ の 後 , 徐 々 に ペ レ ッ トの 配 置 を フ ー ドカ ッ プ の 周 囲 に 制
限 す る よ う に し た O こ の 馴 化 試 行 は フ ー ドカ ッ プ に 置 か れ た ペ レ ッ トが
消 費 さ れ る ま で , も し く は 試 行 開 始 後 10 分 経 過 す る ま で 続 け た O 馴 化
試 行 の 後 , 空 間 認 知 能 を 評 価 す る た め 迷 路 実 験 を 50 週 齢 か ら 2 週 間 ,
各 群 1 日 1回 試 行 し た ,
. 1試 行 は 各 ア ー ム の 先 端 に 置 か れ た 8つ の ペ レ
(
〕分 間 と し た O パ ソ コ ン に 接
ッ トを す べ て 取 り終 え る ま で と し , 最 大 1
続 さ れ た CCD カ メ ラ を 迷 路 上 方 に 設 置 し , 各 試 行 に お け る ラ ッ トの 動
Di
gi
t
alCal
)
t
ure‥ラ イ ブ ラ リー ,
き をモ ー シ ョン キ ャプ チ ャー ソ フ ト (
東 京 , 日本 ) を 用 い て 記 録 し た
.
記 録 され た デ ー タ を 解 析 し, 1 度 侵 入
した ア ー ム に ラ ッ トの 四 肢 す べ て が 再 度 侵 入 し た こ と を エ ラ ー と 定 義 し
て 各 試 行 に お け る エ ラ ー 数 を 計 測 した 一
.
Ⅲ ,血 清 コ ル チ コ ス テ ロ ン の 評 価
迷 路 実 験 の 最 終 試 行 の 後 , ラ ッ トに ベ ン トパ ル ビ タ ー ′
レナ ト リ ウ ム を
用 いて麻酔
kg) を 行 い , 心 臓 か ら 血 液 を 採 取 し た
(50mg/
.
I.
採 取 した 血
pm,1(
)分 間 ) に か け , 血 清 を 採 取 し た .採 取 さ
液 を 遠 心 分 離 器 (2000r
.
-
80℃ で 保 存 した O血 滴 コ ル チ コ ス テ ロ ン 浪 度
れ た 血酒 は測 定 を行 うまで -
i
cost
el
.
OneEtA キ ッ ト (矢 内 原 研 究 所 , 静 岡 ,
の 測 定 に は , YK240Cort
日 本 ) お よ び マ イ ク ロ プ レ ー ト用 吸 光 度 計
(MICR(
)
PLATE READER
Mode1
680:Bl
(
)RAD, 東 京 , 日本 ) を 用 い た
T
V. 組 織 学 的 評 価
5
。
血 液 を 採 取 さ れ た ラ ッ トは , 0.
1M Pl
〕S (pH7.
4) を 用 い て 潜 流 ・脱 血
レム ア ル デ ヒ ド含 有 PBS (
pH7.
4) を 用 い て 適 法 に 従
した 後 ,4%パ ラ ホ /
い 礎 流 固 定 し, 脳 組 織 を 掃 出 した .
。 掃 出 し た 脳 粗 雑 は , 4℃ で 保 た れ た
1
m の 前頭 断切 片 と し
同 纏 に て 24時 間 固 定 した 後 , パ ラ フ ィ ン 包 埋 し 61
ssl染 色 を 施 し た C脳 海 馬 測 定 部 位 は ,Paxl
nOSandWat
80n ら の ラ
て Nl
ッ ト脳 解 剖 図 譜
16)
に
示 さ れ る 左 側 背 側 海 馬 の CAl,CAB,歯 状 回 (DG)
領 域 を , 光 学 顕 微 鏡 (Opt
l
phot
o正 , Ni
kon, 東 京 , 日本 ) を 用 い て 観 察
した
.
I.
観 察 範 囲 は CAlで は 縦 1001
1
m , 横 2001
1
m の 範 囲 , CAB, DG で
l
m と し, 単 位 面 積 あ た りに 存 在 す る 細 胞 数 を 計 測
は 縦 200pm , 横 200f
し た G な お , 計 測 した 神 経 細 胞 は , 細 胞 形 態 な ら び に 核 小 体 が 明 瞭 な も
の と し , CAl, CA3 領 域 で は 錐 体 細 胞 数 , DG 領 域 で は 嘩 粒 細 胞 数 を 計
測 した .
_
I
V.統 計学 的分 析
実 験 期 間 を 通 じ た ラ ッ トの 体 重 変 動 , 迷 路 実 験 終 了 時 の 血 清 コ /
レチ コ
ス テ ロ ン濃 度 , 8 万 両 放 射 状 迷 路 実 験 で の 各 施 行 に お け る群 間 の エ ラ ー
数
,
海 馬 各 領 域 の 神 経 細 胞 密 度 を 計 測 した
。
統 計 学 的 分 析 に は , 体重 要
動 , 血 清 コ ル チ コ ス テ ロ ン 浪 度 , 神 経 細 胞 密 度 の 比 較 に は 一・元 配 置 分 散
分 析 の 後 , Tl
l
key 法 を 用 い て 多 重 比 較 を 行 っ た 。 エ ラ ー 数 に つ い て は
Krt
l
Skal
Wa1
1
1
S 検 定 の 後 , MannWhi
t
ney Ut
est を 用 い て 多 重 比 較 を
PASW Staいstl
CS18:
行 った。
,統 計 学 的 有 意 昇 の 検 定 に は 統 計 ソ フ ト (
SPSS Japan, 束 京 , 日 本 ) を 用 い , 有 意 水 準 は 5% と し た 1
6
結
果
i. 体 重 変 動
臼歯 技 歯 群 及 び 義 歯 装 着 群 は , 対 牌 群 と比 較 して 同程 度 の 体 重 変 動 を
示 し た (図 2)
,
J 各 群 の 体 重 は 継 時 的 に 増 加 し , 47 適 齢 時 か ら は 食 餌 を 制
促 し た た め 減 少 し ,5
〔
)週 齢 時 か ら は 制 限 前 の 約 8〔
)
85% の 体 重 が 維 持 さ
れ た.
っ
Ⅱ. 血 惰 コ ル チ コ ス テ ロ ン 濁 度
迷 路 実験 終 了 時 に お け る各 群 間 の血 滑 コ ルチ コス テ ロ ン確 度 に 有 意 な
差 は 認 め な か っ た (L
g]3).
I
.
H .
8方 向 放 射 状 迷 路
い ず れ の 実 験 群 に お い て も 8方 向 放 射 状 迷 路 に お け る エ ラ ー 数 は 経 時
的 に 減 少 傾 向 を 示 し た (図 4)O 臼 歯 抜 歯 群 で は 対 照 群 よ り も 第 1 日 目 か
ら
12 日 目 ま で 有 意 に 高 い エ ラ ー 数 を 示 し た 「
.また ,義 歯装 着 群 で は対
照 群 よ り も 第 1 日 目 か ら 3日 巨 ま で 有 意 に 高 い 値 を 示 し , 白 歯 抜 歯 群 よ
I
,
り も第 1日 目 か ら 9 日 目 ま で 有 意 に 低 い 値 を 示 した .
1
V. 海 馬 各 領 域 の 神 経 細 胞 密 度
7
CAl領 域 で は 対 照 群 の 神 経 細 胞 密 度 は 臼 歯 抜 歯 群 ,義 歯 装 着 群
よ りも
有 意 に 高 い 値 を 示 し, 義 歯 装 着 群 と 臼 歯 抜 歯 群 と の 間 に 有 意 な 差 は 認 め
な か っ た (図
5
A)
DCAB, DG 領 域 で は 対 照 群 の 神 経 細 胞 密 度 は 臼 歯 抜 歯
群 , 義 歯 装 着 群 よ り も 有 意 に 高 い 値 を 示 し, 義 歯 装 着 群 は 臼 歯 抜 歯 群 よ
図 5B,
C)O
り も有 意 に 高 い 値 を 示 した (
考
察
歯牙 の 喪 失 が ア ル ツ ハ イ マ ー 型 認 知 症 の 疫 学 的 リス ク フ ァ ク ター の I
つであること
が 報 告 され て か ら , n
B_
噴 機 能 と高 次 脳 機 能 の 関 連 性 に つ
ユ)
い て 多 岐 に わ た る 研 究 が 進 ぜ)ら れ て き て い る
日
.
〕 しか しな が ら, 嘆 合
j)
崩 壊 が 長 期 間 に及 ん だ 高 齢 者 に 対 す る欠 損 補 綴 治 療 と高 次 脳 機 能 の 関 逮
性 につ い て の検 討 は 行 われ て い な い、
木 研 究 で は , 若 齢 期 に 校 合 支 持 を 喪 失 さ せ た 老 齢 Wi
sl
.
ar ラ ッ トに お
け る喫 合 支 持 の 回復 が , 空 間認 知 機 能 お よび 栴 馬 神 経 細 胞 に及 ぼ す 影 響
を 検 討 した 二
. 実 験 に は , 十 分 な 口腔 内 の 大 き さ を 持 ち 先 行 研 究 に お い て
も 迷 路 課 題 研 究 に 用 い ら れ た 実 績 の あ る WI
St
al
一系 雄 性 ラ ッ トを 周 い た 。
12ケ 月 齢 の Wlもt
ar系 雄 性 ラ ッ トは :
1
3ケ 月 齢 の ラ ッ トと 比 較 し て 空 間 認
知 能 の 低 下 お よ び 海 馬 各 領 域 の 細 胞 密 度 の 低 下 を 認 め た こ とが 報 告 され
ている
17).
ユ
した が っ て 本 研 究 に お い て
,
迷 路 実 験 を 開 始 し た 50週 齢 時
の Wi
s
tarラ ッ トは 老 齢 ラ ッ トと 考 え ら れ た 。
8
実 験 動 物 に 軟 性 飼 料 の 食 餌 を 与 え る と岨 境 に よ る 求 心 性 刺 激 が 減 少 し,
硬 性 飼 料 食 餌 群 よ り も 海 馬 に お け る ドー パ ミ ン 放 出 量 が 減 少 す る こ と
1日 ,
海 馬 神 経 細 胞 数 の減 少 お よび 空 間 認 知 能 の 低 下 を 引 き 起 こす こ とが
報 告 され て い る
1
0
)
。本 研 究 に 用 い た 全 て の 実 験 動 物 に は 実 験 期 間 を 通
じ
て 同一 の硬 性 飼 料 を与 えたO そ の結 果 , 臼歯 抜 歯 群 及 び義 歯 装 着 群 は対
照 群 と 比 較 し て 同 程 度 の 体 重 変 動 を 示 し た 占 ラ ッ トは 切 歯 を 用 い て 飼 料
を 粉 砕 す る た め , 臼 歯 抜 歯 群 及 び 義 歯 装 着 群 は 対 照 畔 と遜 色 な く飼 料 を
摂 取 す る こ と が 可 能 で あ っ た と 考 え られ た o こ の こ と か ら , 抜 歯 お よ び
実 験 用 義 歯 を 用 い た 嘆 合 支 持 の 回 復 に よ る摂 食 行 動 な らび に 栄 養 状 態 へ
の 影 響 は な か っ た と推 察 され た ,
J
実 験 動 物 に 歯 冠 切 除 お よ び 嘆 合 挙 上 と い っ た 校 合 不 調 和 を 与 え る と慢
性 ス トレ ス の マ ー カ ー で あ る 血 中 コ ル チ コ ス テ ロ ン 濃 度 が 上 昇 し , 海 馬
神 経 細 胞 密 度 お よ び 空 間 認 知 能 の 低 下 を 惹 起 す る こ と が 報 告 され て い る
187】9)
本 研 究 で は抜 歯 に よ る喫 合 支 持 の 喪 失 , 実 験 用 義 歯 の 装 着 に よ る喫 合
支 持 の 回 復 お よ び 実 験 手 技 が 実 験 動 物 に 対 し て 慢 性 ス トレ ス を 与 え , 壁
間 認 知 能 お よ び 海 馬 神 経 細 胞 に 影 響 を 及 ぼ して い な い か を 検 討 す る た め
血 酒 コル チ コ ス テ ロ ン濃 度 を 測定 した。 そ の 結 果 , 各 群 間 の 血 酒 コ ル チ
コ ス テ ロ ン 濃 度 に 有 意 差 は 認 め られ な か っ た o
SAMP8 マ ウ ス に 対 して 喫 含 挙 上 に よ る 喫 合 不 調 和 を 与 え た 研 究 で は
老 齢 期 に 抜 歯 した 群 で は 血 中 コ ル チ コ ス テ ロ ン 濃 度 の 上 昇 , 海 馬 錐 体 細
胞 密 度 お よ び 空 間 認 知 能 の 低 下 を認 め た が , 若 齢 期 に 抜 歯 した 群 で は こ
9
れ らの 値 に 有 意 な 変 化 を 認 め な か っ た
川 )oこ の
よ う に 若 齢 期 に 惹 起 され
た喫 合 不 調 和 は , 血 中 コル チ コス テ ロンや 空 間認 知 能 に影 響 を 与 え な い
こ とが 報 告 され て い る。 本 研 究 に お け る 臼 歯 の 抜 歯 処 置 は 若 齢 期 に 行 っ
て お り, そ こ か ら 長 期 間 飼 育 した 。
.そ の た め 臼歯 抜 歯 に よ る 嘆 合 支 持 の
喪失 は血 清 コ′
レチ コ ス テ ロ ン 濃 度 に 有 意 な 影 響 を 与 え な か っ た と推 察 さ
れ たG
ま た , 上 顎 臼 歯 歯 冠 を 切 除 した ラ ッ トの 嘆 合 を レ ジ ン に て 嘆 合 を 回 復
させ る と , 上 昇 した 血 中 コ ル チ コ ス テ ロ ン 濃 度 , 副 腎 皮 質 刺 激 ホ ル モ ン
濃 度 が 対 照 群 と同程 度 に ま で値 が 低 下す る こ と
,嘆 合 を 挙 上 し た サ ′
レ
t9)
を 挙 上 前 の 嘆 合 に 回 復 さ せ る と 上 昇 した 尿 中 コ ル チ ゾ ー ル 濃 度 が 基 礎
に ま で 低 下 す る こ とが 報 告 され て い る
2O)Oこ の
値
よ うに 適 切 な 校 合 支 持 の
回 復 は 慢 性 ス トレス の マ ー カー に 影 響 を 与 え な い こ と が 報 告 され て い る。
本 研 究 に お い て 製 作 した 実 験 用 義 歯 は ,
前
歯 の被 蓋 関係 が 対 照 群 の そ
れ と 同 様 に な る よ う に 義 歯 床 の 厚 み を 調 整 し ,喫 合 不 調 和 が 生 じ な い よ
うに 配 慮 し た 。 さ ら に , 義 歯 の 暴 君 か ら 迷 路 実 験 ま で は 8週 間 の 期 間 を
設 け て お り, 実 験 用 義 歯 に 対 す る 十 分 な 順 応 時 間 を 確 保 し た こ と で 血 清
コ ル チ コ ス テ ロ ン 濃 度 に 有 意 な 影 響 を 与 え な か っ た と推 察 され た
,
本 研 究 で は 慢 性 ス トレ ス の マ ー カ ー で あ る コ J
L
,チ コ ス テ ロ ン 濃 度 に 有
意 な差 を認 めず , 空 間認 知 能 お よび神 経 細胞 に及 ぼす 影響 に差 は な か っ
た 推 察 さ れ た 。 しか し嘆 合 支 持 の 喪 失 お よ び 回 復 が 摂 食 行 啓
I
J
]な ど に 及 ぼ
す 行 動 学 的 影 響 に つ い て は 今 後 検 討 の 余 地 が あ る と 考 え る凸
本 研 究 に お い て , 臼 歯 抜 歯 群 は 対 照 群 と 比 較 して 空 間 認 知 能 が 劣 っ て
10
お り, 各 領 域 の 神 経 細 胞 密 度 は 低 い 値 を 示 した , 過 去 の 研 究 に お い て も
臼 歯 の 歯 冠 切 除 , 抜 歯 に よ り嘆 合 支 持 が 喪 失 し た 実 験 動 物 で は , 迷 路 課
題 の 遂 行 障 害 お よ び海 馬 錐 体 細 胞 密 度 の 低 下 を認 め , 喫 合 支 持 の 喪 失 が
空 間 認 知 能 に影 響 を 及 ぼ す こ とが 報 告 され て い る
7 9)
G
海 馬 各領 域 の 神 経 細胞 密 度 お よび 空 間認 知 能 は加 齢 に 伴 い低 下す る こ
と が 知 られ て い る
17)。
さ ら に ,長 期 間 の 歯 牙 喪 失 に よ っ て 歯 根 膜 神 経 の
変 性 を 者 起 し歯 根 の 感 覚 受 容 器 か ら の 感 覚 入 力 が 減 少 す る こ と
,嘆 合
I
J )
支 持 の 喪 失 が 海 馬 ア セ チ ル コ リン濃 度 の 低 下 , 対 角 帯 核 と 内イ
剛中 隔 の コ
,DG に お け る グ ル タ ミ ン 酸 放 出 量 の
リン 作 動 性 ニ ュ ー ロ ン 数 の 減 少 ユ
ニ
)
3)
を 惹 起 す る こ と が 報 告 さ れ て い る ,本 研 究 に お い て も 嘆 合 支 持 の
減少 2
喪 失 に 伴 う岨 噛 感 覚 刺 激 の 減 少 が 海 馬 - の 神 経 伝 達 回 路 の 不 活 性 化 を 惹
起 し , 加 齢 に 伴 う神 経 細 胞 密 度 お よ び 空 間 認 知 能 の 低 下 を 助 長 した と推
察 され た
また
,
。
本 研 究 に お い て 義 歯 装 着 群 は 臼 歯 抜 歯 群 と比 較 して 空 間 認 知 能
が 優 れ て お り , CA3と DG 領 域 の 神 経 細 胞 密 度 は 高 い 値 を 示 した 。 著 者
ら の グ ル ー プ は 過 去 に , 上 顎 臼 歯 を 抜 歯 し嘆 合 支 持 を 喪 失 さ せ た ラ ッ ト
に 実 験 用 義 歯 を 用 い て 速 や か に 喋 含支 持 を 回 復 させ る と, 狙 噂 感 覚 刺 激
が 活 性 化 され 神 経 細 胞 密 度 の 低 下 を 抑 制 し 臼 歯 抜 歯 群 よ り優 れ た 空 間 認
知 能 を 示 す こ と を 報 告 した
, 本 研 究 に お い て も 同 様 に ,岨 偶 感 覚 刺 激
13)
の 活 性 化 が そ の 回 復 時 期 か らの 神 経 細 胞 密 度 の 低 下 を 抑 制 し空 間 認 知 能
に影 響 を 及 ぼ し た と推 察 され た
G
ま た , DG で は 成 体 に な っ て か ら も神 経 細 胞 が 新 生 さ れ 続 け
11
24),
この
新 生 細 胞 が 空 間 認 知 能 に 関 係 して い る こ と
が 報 告 さ れ て い る ノさ ら に ,
25)
軟 性 飼 料 の 摂 取 や 臼 歯 の 抜 歯 に よ っ て 新 生 神 経 細 胞 の 増 殖 ・分 化 率 が 対
照 群 よ りも有 意 に 低 下 す る こ とが 報 告 され て お り
26,
27),岨
噂 に よ る感 覚
刺 激 が DG に お け る 神 経 細 胞 の 新 生 率 に 影 響 を 及 ぼ す 可 能 性 が 示 唆 さ れ
て い る。 本研 究 に お い て も,嘆 合 支 持 の 回復 に よ る岨 嘱 感 覚 刺 激 の 活 性
化 が 義 歯 装 着 群 の DG に お け る 神 経 細 胞 密 度 に 影 響 を 及 ぼ し た 可 能 性 が
考 え られ る。 今 後 , 嘆 合 支 持 の 回 復 が 神 経 細 胞 新 生 に 与 え る影 響 に つ い
て の 検 討 が 必 要 で あ る と考 え る
さ らに
,
(.
成 人 に お け る 呪 噂 と高 次 脳 機 能 の 研 究 で は , 阻 噂 運 動 が 前 頭
葉 の 脳 血 流 量 を 増 加 さ せ る だ け で な く 記 憶 能 力 の 維 持 ・向 上 に も 寄 与 す
る 可 能 性 が 示 唆 され て い る
28)。義
歯 装 着 者 に お い て も義 歯 装 着 に よ っ て
脳 血 流 量が 増 加 す る こ と
,大 脳 皮 質 の 神 経 活 動 が 賦 活 化 さ れ る こ と
29)
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が 報 告 さ れ お り, 喫 合 支 持 の 回 復 に よ る 岨 暗 機 能 の 効 率 化 お よ び 岨 慣 筋
活 動 の 活 性 化 が , 脳 活 動 の 賦 活 化 を 惹 起 し高 次 脳 機 能 に 影 響 を 与 え る 可
能 性 が 報 告 され て い る.
二
、
こ れ ら の 報 告 を 鑑 み る と , 嘆 合 支 持 の 回 復 に よ る ラ ッ ト岨 噛 筋 活 動 の
活 性 化 や , 下 顎 残 存 歯 の 歯 恨膜 に あ る機 械 的 圧 受 容 器 な ど様 々 な 感 覚 受
容 器 か ら 中枢 神 経 系 - の 岨 偶 感 覚 刺 激 の 活 性 化 が , 神 経 伝 達 回 路 や 脳 活
動 の 賦 倍 化 を 惹 起 し , 空 間 認 知 能 お よ び 海 馬 神 経 細 胞 に 影 響 を 及 ぼ した
こ と が 推 察 され た
。
さ ら に 本 研 究 の 結 果 は , 過 去 に 報 告 され て い る 臼 歯 抜 歯 後 す み や か に
喫 合 支 持 を 回 復 させ た場 合 に つ い て の 結 果
1
2
13)と 同 様
の 傾 向 を 示 した ,
こ の こ とか ら, 嘆 合 支 持 の 回 復 は そ の 回 復 時 期 を 問 わ ず 空 間 認 知 能 お よ
び 海 馬 神 経 細 胞 に 影 響 を 及 ぼ す こ とが 明 らか と な っ た .
結
論
長 期 間 嘆 合 支 持 を 喪 失 させ た =
) ソ ト工 お け る 嘆 合 支 持 の 回 復 は , 空 間
認 知 能 お よ び 海 馬 神 経 細 胞 密 度 の 低 下 を抑 制 す る可 能 性 が 示 唆 され た 。
謝
辞
稿 を 終 え る に あ た り, 本 研 究 を 行 う貴 重 な 機 会 を 与 え て い た だ き , 級
始 御 懇 篤 な る御 指 導 と御 校 閲 を 賜 りま した 岡 山 大 学 匠 歯 薬 学 経 合 研 究 料
唆 合 ・有 床 義 歯 補 綴 学 分 野 ,皆 木 '
G 再 教 授 に 謹 ん で感 謝 の 意 を 表 し ま す ・
ン
ま た , 本 研 究 の 遂 行 に 降 し, 始 終 懇 切 な る 御 指 導 い た だ き ま した 岡 山 大
学 大 学 院 医 歯 薬 学 総 合 研 究 科 喫 合 ・有 床 義 歯 補 綴 学 分 野 ,原
哲也 准教
授 に 深 く感 謝 い た し ま す 。
最 後 に 様 々 な 面 に わ た り貴 重 な 御 助 言 と御 協 力 くだ さ っ た , 岡 山 大 学
l
菜歯 薬 学 総 合 研 究 科 喫 含
・有 床 義 歯 補 綴 学 分 野 な ら び に , 岡 山 大 学 病 院
嘆 合 ・義 歯 補 綴 科 の 諸 先 生 方 に 厚 く 御 礼 申 し 上 げ ま す (
,
1
3
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表題脚 注
岡 山大 学 大 学 院 医 歯 薬 学 総 合 研 究 科
嘆 合 ・有 床 義 歯 補 綴 学 分 野 (主 任 :
皆木省 吾教授)
要 旨の
・
部 は 第 120回 日本 補 綴 歯 科 学 会 (2011年 5月 ,広 島 ) に 於 い て
発 表 した 。
1
9
図表の説 明
図 1
実験 用 義 歯 の模 式 図
図 2
実験 動 物 の体重 変 動
臼歯 技 歯 群 及 び 義 歯 装 着 群 は , 対 照 群 と比 較 して 同 程 比 の 体 重 変 動 を 示
し た (平 均 値 ±標 準 偏 差 )。 各 群 の 体 重 は 粧 時 的 に 増 加 し , 47 週 齢 時 か
l
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i前 の 約 8085% の
ら は 食 餌 を 制 限 し た た め 減 少 し ,50適 齢 時 か ら 圧 制 F
体 重 が 維 持 され た ,
図 3
迷路実験終 了時 の血清 コ/
レチ コ ス テ ロ ン 濃 度
」
迷 路 実 験 終 '時 に お け る 各 群 間 の 血 清 コ /
レチ コ ス テ ロ ン 濃 度 (平 均 値 ±
標 準偏 差 ) に有 意 な差 は認 め なか った6
図 4
8方 向 放 射 状 迷一
路 実験 にお け るエ ラー数
F
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歯
抜 歯 群 で は 対 照 群 よ り も 第 1日 目 か ら 1
2日 目ま で 有 意 に 高 い エ ラ
ー数
(平 均 値 ±標 準 偏 差 ) を 示 し た 1
. また ,義 歯 装 着 群 で は 対 照 群 よ り
も 第 1日 目か ら 3日 目 ま で 有 意 に 高 い 値 を 示 し, 臼 歯 抜 歯 群 よ り も 第 1
日 目か ら 9 F
l目 ま で 有 意 に 低 い 値 を 示 し た
蘭 5
2
0
。
海馬 各領域 にお け る神経 細胞密 度
(
A):CAl領 域 に お け る 錐 体 細 胞 密 度 (平 均 値 ±標 準 偏 差 )
対 照群 の錐 体 細 胞密 度 は 臼歯 技 歯 群 , 義 歯 装 着 群 よ りも有意 に 高 い値 を
示 し , 義 歯 装 着 群 と 臼 歯 抜 歯 群 と の 間 に 有 意 な 差 は 認 め な か っ た 。.
(
B):CA3領 域 に お け る 錐 体 細 胞 密 度 (平 均 値 ±標 準 偏 差 )
対 照 群 の 錐 体 細 胞 密 度 は 臼歯 抜 歯 群 , 義 歯 装 着 群 よ り も有 意 に 高 い 値 を
示 し, 義 歯 装 着 群 は 臼 歯 技 歯 群 よ り も 有 意 に 高 い 値 を 示 した 。
(
C):DG 領 域 に お け る 鞭 粒 細 胞 密 度 (平 均 値 ±標 準 偏 差 )
対 照 群 の 犠 粒 細 胞 密 度 は 臼歯 抜 歯 群 , 義 歯 装 着 群 よ り も 有 意 に 高 い 値 を
示 し, 義 歯 装 着 群 は 臼 歯 抜 歯 群 よ り も 有 意 に 高 い 値 を 示 し た ,
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